JP2010117433A - プラスチック光ファイバケーブルの製造方法 - Google Patents

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剛 木村
Yoshihiro Tsukamoto
好宏 塚本
Yasushi Fujishige
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Abstract

【課題】十分な光学特性を有し、外観の優れたPOFケーブルを得るための製造方法を提供する。
【解決手段】プラスチック光ファイバの外周に被覆内層(A)と被覆外層(B)を被覆したプラスチック光ファイバケーブルの製造方法において、ニップルとダイスを備えた第1の押出被覆装置を用いて、プラスチック光ファイバの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆内層(A)を被覆して一次被覆ケーブルを形成し、ニップルとダイスを備えた第2の押出被覆装置を用いて、前記一次被覆ケーブルの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆外層(B)を被覆する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック光ファイバケーブルの製造方法に関するものであり、特に自動車や航空機、船舶、電車等の移動体内の短距離通信用配線として好適に用いることができるプラスチック光ファイバケーブルの製造方法に関する。
プラスチック光ファイバ(以下「POF」)は、自動車中の短距離のデータ通信や、センサー用途等で実用化されている。その際、POFに耐熱性を付与するために、被覆材でPOFの外周を保護したPOFケーブルの形態として用いられることが多い。
特に自動車に搭載されるPOFケーブルの被覆材には、高い耐熱性を持たせるためにポリアミド系樹脂が使用されている。これらの被覆樹脂には一般的に、難燃性を付与するために難燃剤が数%程度添加されたり、他のケーブルとの区別をするために意匠性目的で無機顔料等の着色剤が数%程度添加されたりする。しかし、難燃剤や着色剤等の添加物はポリアミド系樹脂と混ざりにくいために、添加物を含むポリアミド系樹脂組成物を用いてPOFを被覆すると、POFケーブル表面にコブやブツが出来やすく、外観の優れたPOFケーブルを得ることは難しかった。
添加物を含む樹脂組成物によりPOFを被覆して形成されたPOFケーブルは、例えば特許文献1に記載されている。この特許文献には、耐熱成、難燃性、耐摩耗性、柔軟性を有する被覆材として、水酸化マグネシウム及びメラミンシアヌレートが添加された、ポリアミド樹脂とマレイン化重合体とポリオレフィン樹脂との混合樹脂が記載されている。
押出被覆装置を用いてPOFに被覆層を形成してPOFケーブルを製造する方法は、例えば特許文献2に記載されている。この特許文献には、環境温度変化に対して安定であり、機械的強度にも優れるPOFケーブルを提供することを目的とし、ニップルの先端がダイスの先端よりも内方に位置している押出被覆装置を用いてPOFの外周にナイロン被覆を施し、ナイロン被覆のドローダウン比を特定の範囲に設定するPOFケーブルの製造方法が記載されている。
特開2004−53707号公報 特開2001−174677号公報
前述の通り、添加物を含むポリアミド系樹脂組成物を用いてPOFを被覆すると、表面に凸部が発生しやすく、従来の製造方法では、被覆層の表面が平滑で外観の優れたPOFケーブルを製造することは困難であった。
本発明の目的は、十分な光学特性を有し、外観の優れたPOFケーブルを得るための製造方法を提供することである。
本発明は、プラスチック光ファイバの外周に被覆内層(A)と被覆外層(B)を被覆したプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
ニップルとダイスを備えた第1の押出被覆装置を用いて、プラスチック光ファイバの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆内層(A)を被覆して一次被覆ケーブルを形成する工程と、
ニップルとダイスを備えた第2の押出被覆装置を用いて、前記一次被覆ケーブルの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆外層(B)を被覆する工程を含む、プラスチック光ファイバケーブルの製造方法である。
前記第1の押出被覆装置において、前記プラスチック光ファイバの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面とダイス内周面の隙間の当該中心軸に平行な距離L1が1mm以上3.5mm以下の範囲にあり、
前記第2の押出被覆装置において、前記一次被覆ケーブルの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面とダイス内周面の隙間の当該中心軸に平行な距離L2が1mm以上3.5mm以下の範囲にある、上記のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であることが好ましい。
距離L1が1mm以上3mm以下の範囲にあり、距離L2が2mm以上3.5mm以下の範囲にある、上記のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であることが好ましい。
前記第1の押出被覆装置は、ニップルの先端がダイスの先端より内方に位置している充実式の押出被覆装置であり、
前記第2の押出被覆装置は、ニップルの先端がダイスの先端に達するチューブ式の押出被覆装置である、上記のいずれかのプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であることが好ましい。
前記第1の押出被覆装置において、前記プラスチック光ファイバの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面と当該中心軸とのなす角度θが45度以上65度以下の範囲にあり、
前記第2の押出被覆装置において、前記一次被覆ケーブルの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面と当該中心軸とのなす角度θ’が30度以上65度以下の範囲にあり、
被覆時のドローダウン比(DDR)が下記式(1):
DDR=(Dd2−Dg2)/(Dc2−Dw2) (1)
(式中、Ddはダイス孔径、Dgはニップル先端の外径を示し、第1の押出被覆装置による被覆ではDcは一次被覆ケーブルの外径、Dwはプラスチック光ファイバの外径を示し、第2の押出被覆装置による被覆ではDcは被覆外層(B)を被覆後のケーブルの外径、Dwは一次被覆ケーブルの外径を示す。)
で定義されるとき、
被覆内層(A)の被覆時のドローダウン比(DDR(A))及び被覆外層(B)の被覆時のドローダウン比(DDR(B))がそれぞれ下記式(2)及び式(3):
0.7≦DDR(A)≦1.1 (2)
3≦DDR(B)≦4 (3)
を満足する、上記のいずれかのプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であることが好ましい。
被覆内層(A)のポリアミド系樹脂被覆材がナイロン12又はナイロン11を含み、
被覆外層(B)のポリアミド系樹脂被覆材がナイロン612又はナイロン12を含む、上記のいずれかのプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、POFケーブルの光学特性を損ねることなく、厚みが均一な被覆層を形成することができ、外観の優れたPOFケーブルを提供することができる。
本発明の一実施形態によれば、POFの外周に形成する被覆内層(A)と被覆外層(B)をそれぞれ異なる構造の押出被覆装置で2段階で形成することによって、好ましくは押出被覆装置内の樹脂の流路サイズ(ダイスとニップルの間の隙間の距離)や流路方向(中心軸に対するニップル外周面の角度)、ドローダウン比を特定の範囲内に設定することによって、POFケーブルの光学特性を損なうことなく、被覆材料を均一な厚さに被覆でき、難燃剤や着色剤等の添加物を含む樹脂を被覆する場合であっても、表面にコブやブツ等の凸部のない平滑な被覆層が形成でき、POFケーブルの外観を向上できる。
以下に、図1、図2−1、図2−2、図3−1及び図3−2を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の製造方法によって製造されるPOFケーブル10の一実施形態を示す断面図である。芯11Aおよびその外周に形成された第1鞘11Bと第1鞘11Bの外周上に形成された第2鞘11CからなるPOF12の外周に、被覆内層(A)13が形成され、さらにその外側に被覆層外層(B)14が形成されている。
ここで、POFとしては、図1に示されたようなSI(ステップインデックス)型POFの他、公知のものが使用でき、例えば、中心から外周に向かって連続的に芯の屈折率が低下するGI(グレーテッドインデックス)型POF、中心から外周に向かって芯の屈折率が段階的に低下する多段(マルチステップ)型POF、複数の芯を鞘で取り囲んで一纏めにしたマルチコアPOFなどが挙げられる。なかでもPOFを広帯域化して高速信号伝送を行うには、多段型POFを用いることが好ましい。なお、GI型POFまたは多段型POFの外周にさらに鞘を被覆したものを使用してもよい。
芯には、各種の透明性の高い重合体が使用され、特に限定されるものではないが、メタクリレート単位を構成単位として含む重合体を使用できる。例えば、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を主構成単位とする共重合体(メチルメタクリレート系共重合体)、フッ素化アルキルメタクリレート単位を主構成単位とする共重合体が挙げられる。これらのなかでは、耐熱性と透明性の点から、メチルメタクリレート単独重合体及びメチルメタクリレート系共重合体が好ましく、メチルメタクリレート単独重合体が特に好ましい。メチルメタクリレート系共重合体としては、メチルメタクリレート単位を70質量%以上含むものが好ましく、80質量%以上含むものがより好ましく、90質量%以上含むものがさらに好ましい。
芯の外周に形成される鞘は、1層から形成されていても、2層以上の複数層から形成されてもよい。鞘を形成する樹脂としては、POFの鞘材として公知の材料を適宜選択することができるが、フッ素系透明樹脂を好適に用いることができる。フッ素系透明樹脂としては、フッ素化メタクリレート系重合体や、フッ化ビニリデン系重合体、テトラフルオロエチレン系重合体等の含フッ素オレフィン系樹脂が挙げられる。
POFケーブルの機械特性、耐熱性および耐衝撃性を十分に確保する点から、鞘を2層以上の複数層から形成することが好ましい。鞘の最外層に位置する鞘層には、テトラフルオロエチレン(TFE)単位を構成単位として含む含フッ素オレフィン系樹脂を用いることが好ましく、特に、結晶融解熱が59mJ/mg以下のものが好ましい。
TFE単位を含む含フッ素オレフィン系樹脂としては、TFE単位と、フッ化ビニリデン(VdF)単位、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位、パーフルオロ(フルオロ)アルキルビニルエーテル(FVE)単位のうち少なくとも1種と含む共重合体、VdF単位とTFE単位とヘキサフルオロアセトン単位を含む共重合体、TFE単位とHFP単位とエチレン単位を含む共重合体が挙げられるが、こられに限定されるものではない。TFE単位との共重合成分としては、低コストであり、透明性が高く、かつ耐熱性に優れる点から、VdF単位、HFP単位、FVE単位が特に好ましい。
複数層からなる鞘の内側の鞘層に好ましい樹脂としては、フッ素化メタクリレート系重合体や、フッ化ビニリデン系重合体等の含フッ素オレフィン系樹脂などのPOFの鞘材として公知の材料を使用できる。特にフッ素化メタクリレート系重合体は、屈折率の調整が容易で、良好な透明性および耐熱性を有しながら屈曲性、加工性に優れる重合体であるため好ましい。
上述のPOFは、溶融紡糸法などの公知の方法で製造できる。70〜105℃程度の高温環境下や、温度差の激しい環境下でのPOFケーブル使用時のピストニングを抑制する点から、得られたPOFに対して連続もしくはバッチ処理によってアニール処理を施すことが好ましい。
以上に説明したPOFに、POF外周面に接する被覆内層(A)と、被覆内層(A)の外周面に接する被覆外層(B)を形成して、POFケーブルを得ることができる。
POFの被覆においては、被覆内(A)層を形成する被覆材Aおよび被覆外層(B)を形成する被覆材Bを、異なる構造のクロスヘッドダイを備えた押出被覆装置を用いて、2段階で被覆する。ニップルとダイスが二段になったクロスヘッドを用いて二層一括で被覆するよりも、コブやブツの発生が抑えられた滑らかなPOFケーブルを容易に得る点から、被覆内層Aと被覆外層Bを2段階で被覆することが好ましい。
まず、POFに被覆内層(A)を被覆したPOFケーブル(以下「一次被覆ケーブル」)の製造方法について説明する。
被覆内層(A)に用いられる被覆材Aは、POFとの密着性、および加工性の点から、ポリアミド系樹脂が好ましい。ポリアミド系樹脂は、比較的融点が低いため被覆しやすく(加工性が良い)、融点が200℃以下のものが好ましく、190℃以下のものがより好ましい。またポリアミド系樹脂は、主鎖中のアミド結合の作用により密着性の高い被覆層を形成できる。特に、POFの最外層にフッ素系樹脂を用いた場合、フッ素系樹脂のC−F結合とポリアミド系樹脂のアミド結合との相互作用により高い密着性が得られる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−12などの単独重合体や、これら重合体の単量体単位の組み合わせからなるナイロン共重合体、これらの重合体を所望の比率で混練した樹脂混合物、これら重合体に柔軟なセグメントを導入したナイロン系エラストマー、あるいはナイロン系エラストマーと他のポリアミド系樹脂を含む混合物などが挙げられる。
被覆材Aとして用いられるポリアミド系樹脂としては、耐熱性、耐屈曲性、耐薬品性等の点から、ナイロン11、ナイロン12の単独重合体が好ましい。ナイロン11、ナイロン12の単独重合体は、被覆工程における成形性が良好で、かつ適度な融点を有しているため、ポリメタクリル酸メチルの単独重合体又はメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体をコア材とするPOFの伝送性能を低下させることなく容易にPOFを被覆することができる。これらの重合体は、さらに寸法安定性、およびPOFとの密着性にも優れることから、特にPOFケーブルが自動車内LAN用途として用いられる際に問題となる熱収縮やピストニングの発生を効果に防止できる。また、自動車内通信用途では、POFケーブルにバッテリー液耐性が要求されるが、ナイロン11、ナイロン12の単独重合体は、ナイロン系樹脂の中でも特に優れたバッテリー液耐性を有する。
被覆材Aには、POF内部への外光の入射を防止する機能を付与するためにカーボンブラックなどの遮光材を含有させてもよく、十分な光遮断効果を得るために、被覆層の本来目的とする効果を損なわない範囲で、例えば0.1質量%以上5質量%以下の範囲で含有させることができる。
被覆材Aには、所望の効果が損なわれない範囲内で、他の熱可塑性樹脂を添加してもよい。被覆材Aの樹脂成分中のポリアミド系樹脂の含有率は、ポリアミド系樹脂による所望の効果を十分に得る点から、60質量%以上に設定することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
次に、一次被覆ケーブルの製造に用いられる押出被覆装置について説明する。図2−1及び図2−2は、クロスヘッド先端に取り付けられたニップル23およびダイス24、25を示す。ニップル23の通路をその中心軸に沿ってPOF21が通過し、流路22を被覆材Aが通過する。その後、流路22を通過した被覆材Aは角度θでPOF21に合流し、被覆材AがPOF21に被覆され、一次被覆ケーブル26が形成される。このように、ニップルの先端(通路の先端)がダイス(ダイス押さえ25を含む)の先端より内方に位置している充実式の押出被覆装置では、ダイス内において被服材料AとPOFとが合流する。ニップルの先端からダイスの先端までの距離は、通常の充実式押出被覆装置の範囲に設定できる。
樹脂流路22とPOF21の通路の中心線とのなす角度θ(ニップル23の外周面と中心軸とのなす角度)、すなわち被覆材AがPOFに接する角度は45度以上65度以下の範囲であることが好ましい。これにより、被覆材AがPOFに適度な圧力で被覆されるため、被覆内層(A)をより薄く、コブやブツの発生を抑えて均一な一次被覆ケーブルを得ることができる。より十分な効果を得る点から、角度θは、50度以上がより好ましく、一方60度以下がより好ましく、55度以下がさらに好ましい。角度θが小さすぎると、被覆材AをPOFに均一な厚みで被覆することが難しくなる傾向にあり、一方、角度θが大きすぎると、高温に加熱された被覆材AがPOFに与える熱や応力が大きくなり、POFの光学特性が低下する場合がある。
また樹脂材料Aを均一に被覆するためには、図2−1に示す、ニップル外周面とダイス内周面との隙間の中心軸に平行な距離L1を特定の範囲に調製することが望ましい。距離L1は、ダイス押さえ25のねじを緩くしたり、締めたりすることで調節することが可能である。ダイス押さえのねじ山長さを所望の長さに設定し、距離L1を広く取り樹脂流量を多くしたい時はダイス押さえ25を緩め、距離L1を狭くし樹脂流量を少なくしたい時はダイス押さえ25を締めることで樹脂流量の調節が可能である。
ニップル・ダイス間の距離L1は、例えば1mm以上3.5mm以下の範囲で設定することができ、1mm以上3mm以下が好ましく、1mm以上2.5mm以下がより好ましく、1.5mm以上2.0mm以下にすることが更に好ましい。
ニップル・ダイス間の距離L1が長すぎると、ダイス内に樹脂が滞留して樹脂の劣化や樹脂内にカスや炭化物が発生しやすくなったり、被覆材の圧力不足や過剰な供給により一次被覆ケーブルの表面にコブやブツが発生しやすくなったりする。距離L1が短すぎると、POFに高温に加熱された被覆材による圧力がかかり過ぎ、POFに与える熱や応力が大きくなり、POFの光学特性が低下したり、樹脂材料の供給不足により均一な外形の一次被覆ケーブルを得ることが困難になる。
特に、一次被覆ケーブルの表面にコブやブツなどの凸凹部があると、一次被覆ケーブルの外周に被覆樹脂(B)を被覆する際に、糸切れが起こったり、一次被覆ケーブルに余分な応力がかかり光学特性が低下したり、外径不良が発生したりするため、一次被覆ケーブルの表面の凸凹はできる限り抑えることが望ましい。
一次被覆ケーブルの表面をより均一で滑らかにするために、ドローダウン比(以下「DDR」)を特定の範囲に設定することが望ましい。
DDRとは、ダイスの開口部(ダイス孔)から吐出される際の被覆材の断面積と、POFケーブル(ここでは一次被覆ケーブル)における被覆材の断面積の比であり、例えば図2−2に示される場合のDDRは次式(1)で表される。
DDR=(Dd2−Dg2)/(Dc2−Dw2) (1)
式中、Ddはダイス孔径(ダイス孔の先端部の径:開口径)、Dgはニップル先端の外径、Dcは一次被覆ケーブルの外径、DwはPOFの外径を表す。
実際にDDRの調整を行う際には、POFの外径(Dw)や一次被覆ケーブル外径(Dc)は製品毎にスペックが決まっているため、押出被覆装置においてダイスとニップルのサイズやその組み合わせを変えることで所望のDDRに設定することができる。
一次被覆ケーブルの形成において、DDRは0.7以上1.1以下の範囲にあることが好ましく、0.75以上0.95以下の範囲にあることがより好ましい。
DDRが小さすぎると、POFに被覆材Aが均一に被覆されず、一次被覆ケーブルの表面が荒れ、外径が不均一になってしまう。一方、DDRが大きすぎると、被覆材Aの供給量が多くなりすぎて、POFに熱応力がかかり、光学特性が低下するだけではなく、一次被覆ケーブルの表面にコブやブツが発生しやすくなる。
被覆温度は、190℃〜220℃の範囲が好ましく、200〜215℃の範囲がより好ましい。被覆速度は、50〜90m/minの範囲が好ましく、70〜90m/minの範囲がより好ましく、75〜85m/minの範囲が特に好ましい。
上述の方法によれば、凸凹検知器(±40μm以上の凸凹を検知するように設定)による検査において5000mの長さにわたって凸凹が検出されない一次被覆ケーブルを形成できる。
次に、一次被覆ケーブルに被覆外層(B)を被覆したPOFケーブル(以下「二次被覆ケーブル」)の製造方法について説明する。
被覆外層(B)の被覆においては、耐熱性と加工性(被覆性)などに加えて、特に外径斑(ブツ、コブ等の凸部)の発生防止を考慮する。また、得られた二次被覆ケーブルを使用する際には、一般的に被覆外層(B)を剥ぎ取って露出した被覆内層(A)にプラグ等の接続部を取り付けるため、被覆外層(B)と被覆内層(A)との適度な密着性を考慮する。
被覆外層(B)に用いられる被覆材Bは、被覆内層(A)との密着性、加工性、耐熱性、低酸素透過性、耐薬品性、機械的強度等の点から、ポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン12、ナイロン612などの単独重合体、これら重合体の単量体単位を含む共重合体、これら重合体を所望の比率で混練した樹脂混合物、これら重合体に柔軟なセグメントを導入したナイロン系エラストマー、あるいはナイロン系エラストマーと他のポリアミド系樹脂を含む樹脂混合物などが挙げられる。これらのなかでも、ナイロン12、ナイロン612の単独重合体が好ましい。
被覆材Bには、所望の効果を損なわない範囲で難燃剤を添加して難燃性を付与することが好ましい。難燃性を十分に発揮させる点から、被覆材Bに難燃剤を5から30質量%の範囲で含有させることが好ましい。難燃剤の含有量が少なすぎると十分な難燃効果が得られず、多すぎると強度などの樹脂材料本来の所望の効果が低減する。
難燃剤としては、各種の金属水酸化物、リン化合物、トリアジン系化合物など公知のものが挙げられるが、ポリアミド系樹脂に対する難燃性の効果が大きいトリアジン系化合物が好ましく、この中でもメラミンシアヌレート系難燃剤がより好ましい。メラミンシアヌレート系難燃剤はナイロン樹脂の難燃剤として一般的に使用されているものを用いることができる。
メラミンシアヌレート系難燃剤を用いる場合、適度な粒径を持つ粉体を用いることが好ましく、その粒径は5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、10μm以上30μm以下の範囲がより好ましい。粒径が小さすぎると、パウダー状となって、静電気による凝集性が非常大きくなり、押出機で溶融混錬してもナイロン樹脂中への分散性・溶解性が不十分となり、被覆層表面のコブやブツの発生の一因となる。粒径が大きすぎると、被覆材中での分散性が低下し、被覆層表面にコブやブツが発生しやすくなる。
さらに、POFケーブルを自動車内通信用途等の配線として用いる場合には、他の配線物との判別性や、意匠性を持たせるため、被覆材Bに各種の染料、色素等の着色剤を添加してもよい。
被覆材Bには、所望の効果が損なわれない範囲内で、他の熱可塑性樹脂を添加してもよい。被覆材Bの樹脂成分中のポリアミド系樹脂の含有率は、ポリアミド系樹脂による所望の効果を十分に得る点から、60質量%以上に設定することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
次に、二次被覆ケーブルの製造に用いられる押出被覆装置について説明する。図3−1及び図3−2は、クロスヘッド先端に取り付けられたニップル32およびダイス34、35を示す。チューブ式ニップル32の通路をその中心軸に沿って一次被覆ケーブル33が通過し、流路31を被覆材Bが通過する。流路31は、中心軸に対して角度θ’で配置された後、ニップルの通路の中心軸に平行となり、先端へいたる。ニップルの先端(通路の先端)とダイス(ダイス押さえ34を含む)の先端(開口の先端)が中心軸上で同一の位置にある。被覆材Bはダイス35の先端外部で一次被覆ケーブル33と合流し、被覆され、二次被覆ケーブル36が形成される。ニップル先端部の外周が中心軸と平行な部分(流路31が中心軸に平行な部分)の長さは、通常のチューブ式押出被覆装置の範囲に設定できる。
二次被覆ケーブルは使用する際に、被覆外層(B)を剥ぎ取り、露出した被覆内層(A)にプラグなどの接続部を取り付ける観点から、二次被覆ケーブルから被覆外層(B)のみが容易に引き抜けることが望ましい。前述の被覆内層(A)の被覆に用いた充実(加圧)式のニップルを用いた充実式押出被覆装置による被覆に比較して、チューブ式のニップルを用いたチューブ式押出被覆装置による被覆では、下地に対する被覆層の密着性を低くできる。よって、被覆外層(B)の被覆は、被覆内層(A)に対する密着性を適度に弱めて被覆することできる。一方、被覆内層(A)の被覆には、下地に対する被覆層の密着性を高めることができる充実式押出被覆装置を用いるため、被覆内層(A)とPOFの密着性を高くでき、被覆外層(B)の引き抜きに際して被覆内層(A)が引き抜かれ難くなる。
樹脂流路31の傾斜部とPOF33の通路の中心線とのなす角度θ’(ニップル32の外周面と中心軸とのなす角度)は、30度以上65度以下の範囲であることが好ましい。より十分な効果を得る点から角度θ’は、40度以上が好ましく、50度以上がより好ましく、55度以上がより好ましく、一方60度以下がより好ましい。これにより、被覆材BがPOF一次被覆ケーブルに適度な圧力で被覆されるため、被覆外層(B)をより薄く、コブやブツの発生を抑えて均一なPOF二次被覆ケーブルを得ることができる。角度θ’が小さすぎると、被覆材BをPOFに均一な厚みで被覆することが難しくなる傾向にあり、一方、角度θが大きすぎると、被覆時にPOF一次被覆ケーブルにかかる圧力が高くなり過ぎ、高温に加熱された被覆材BがPOF一次被覆ケーブルに与える熱や応力が大きくなり、POFの光学特性が低下する場合がある。
また樹脂材料Bを均一に被覆するためには、図3−1に示す、チューブ式ニップルの外周面の傾斜部とダイス内周面との隙間の中心軸に平行な距離L2を特定の範囲に調整することが望ましい。
距離L2は、例えば1mm以上3.5mm以下の範囲で設定することができ、2mm以上3.5mm以下が好ましく、2.5mm以上3.5mm以下がより好ましく、2.7mm以上3.2mm以下にすることが更に好ましい。
距離L2が短すぎると、一次被覆ケーブルに十分な量の樹脂材料Bが供給されず、均一な外径の二次被覆ケーブルを得ることが困難になる。距離L2が長すぎると、樹脂の供給量が多くなりすぎて二次被覆ケーブルの表面にコブやブツが発生しやすくなる。
二次被覆ケーブルの表面をより均一で滑らかにするために、DDRを特定の範囲に設定することが望ましい。
先に述べたようにDDRとは、ダイスの開口部(ダイス孔)から吐出される際の被覆材の断面積と、POFケーブル(ここでは二次被覆ケーブル)における被覆材の断面積の比であり、例えば図3−2に示される場合のDDRは次式(1)で表される。
DDR=(Dd2−Dg2)/(Dc2−Dw2) (1)
式中、Ddはダイス孔径(ダイス孔の先端部の径:開口径)、Dgはニップル先端の外径、Dcは二次被覆ケーブルの外径、Dwは一次被覆ケーブルの外径を表す。
実際にDDRの調整を行う際には、一次被覆ケーブルの外径(Dw)や二次被覆ケーブル外径(Dc)は製品毎にスペックが決まっているため、押出被覆装置においてダイスとニップルのサイズやその組み合わせを変えることで所望のDDRに設定することができる。
二次被覆ケーブルの形成において、DDRは3以上4以下の範囲にあることが好ましく3以上3.5以下の範囲にあることがより好ましい。
DDRが小さすぎると、被覆材のポリマーの分子配向が不十分となり、ケーブルの機械的強度が低下したり、ダイスから吐出された被覆材が一次被覆ケーブルを覆った直後に固化しやすくなり、均一に被覆されず、二次被覆ケーブルの表面が荒れ、外径が不均一になったりする。一方、DDRが大きすぎると、被覆材Bの供給量が多くなりすぎて、二次被覆ケーブルの表面にコブやブツが発生しやすくなったり、被覆樹脂の熱収縮が大きくなるためにPOFにかかる熱応力が大きくなり、光学特性が低下したりする恐れがある。
被覆温度は、190〜220℃の範囲が好ましく、200〜215℃の範囲がより好ましい。被覆速度は、60〜90m/minの範囲が好ましく、70〜90m/minの範囲がより好ましく、75〜85m/minの範囲が特に好ましい。
上記の方法によれば、凸凹検知器(±100μm以上の凸凹を検知するように設定)による検査において5000mの長さにわたって凸凹が検出されない二次被覆ケーブルを形成できる。
以上に説明した製造方法によれば、光学特性の低下を抑えながら、表面が滑らかな二次被覆ケーブルを得ることができる。このようにして得られたPOFケーブルは、耐熱性に加え、機械的強度、伝送損失増加が少ないことを要求される自動車内通信配線等の情報伝達用途に好適に用いることできる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における各評価方法は次の通りである。
[外径測定]
アンリツ社製のレーザ外径測定機(型名:KL1003BN)を用いて一次被覆ケーブルおよび二次被覆ケーブルの外径を測定した。
[凸凹測定]
タキカワエンジニアリング社製の外径凸凹検出器(型名:TM−1000XY)を用いて1500mの一次被覆ケーブル及び二次被覆ケーブルの表面の凸凹を測定した。一次被覆ケーブルの測定条件は±40μm以上の凹凸を検知できるように設定し、二次被覆ケーブルの測定条件は±100μm以上の凹凸を検知できるように設定した。
[被覆状態の評価]
一次被覆ケーブル及び二次被覆ケーブルについて、表面を目視で観察し、上記の凹凸測定による結果と併せて以下の基準で評価した。
表面が滑らかで光沢があり、凸凹測定器が凹凸を検知しないものを優良(表中◎で表す)、良く見ると一部に小さな凸凹(コブ)が見られるが、全体的に表面が滑らかであり、凸凹測定器が凹凸を検知しないものを良(表中○で表す)、若干の小さな凹凸が見られ、凸凹測定器が凹凸を1〜2回程度検知するが、大きな凸凹は見られないものを可(表中△で表す)、凸凹測定器が凹凸を数回以上検知し、大きな凹凸が見られるものを不良(表中×で表す)と判断した。
[伝送損失]
励振NA0.1、測定波長650nmの光を用い、POFの伝送損失を20m−5mカットバック法にて測定した。
[実施例1]
芯材として、メチルメタクリレート(MMA)の単独重合体(PMMA)、鞘材(第1鞘材)として、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)/1,1,2,2−パーフルオロデシルメタクリレート(17FM)/MMA/メタクリル酸(MAA)=31/50/18/1(質量%)の共重合体を用い、保護層の材料(第2鞘材)として、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン=60.5/34.5/5.0(mol%)の共重合体を用い、これらを溶融して同心円状に中心から順次積層して複合紡糸し、芯径970μm、鞘厚5μm、保護層厚10μmの外径1.0mmのPOFを得た。
次いで、被覆材Aとして、表1に示した樹脂組成物を用い、これを断面が図2−1で示す押出被覆装置に供給して、被覆時の樹脂温度を215℃に設定し、POFの外周に被覆材Aを一定速度80m/minで被覆して被覆内層(A)を形成し、外径1.52mmの一次被覆ケーブルを得た。
ダイス24の孔径はPOFとの密着強度を高めるために1.5mmとし、ニップルは充実式の外径1.1mmのものを使用することで、被覆時のドローダウン比(DDR)は0.79であった。ニップルとダイス間距離L1を1.5mmとし、被覆材流路22とPOF通路の中心軸とのなす角度θは60°のものを用いた。
このようにして得られた一次被覆ケーブルの被覆形態は、光沢があり凸凹のない優良なものであった。
次いで、得られた一次被覆ケーブルに被覆材Bとして、表1に示した樹脂組成物を用い、これを断面が図3−1で示す押出被覆装置に供給して、被覆時の樹脂温度を215℃に設定し、一次被覆ケーブルの外周に被覆材Bを一定速度80m/minで被覆して被覆外層(B)を形成し、外径2.30mmのPOFケーブルを得た。
ニップルはチューブ式のものを使用し、ニップル先端の外径は2.1mmとし、ダイス35の孔径は3.7mmのものを使用することで、被覆時のDDRは3.11であった。被覆材流路31と一次被覆ケーブル通路の中心軸とのなす角度θ’は60°のものを用いた。ニップルとダイス間距離L2は3.0mmとした。
このようにして得られた二次被覆ケーブルの被覆状態は、凸凹のない優良なものであった。また、得られた二次被覆ケーブルの伝送損失を測定したところ、128dB/kmであり、優れた伝送性能を示した。結果を表2に示す。
[実施例2〜3]
実施例1と同様の方法で作製したPOF、実施例1と同じ被覆材Aおよび被覆材Bを用いて、下記の通り被覆条件を変更した以外は実施例1と同様の方法で一次被覆ケーブルを作製し、続いて二次被覆ケーブルを作製した。
被覆材流路とPOF通路の中心軸とのなす角度θが表2に記載した角度の押出被覆装置を用いて、POFの外周に、被覆材Aを被覆して被覆内層(A)を形成し、外径1.52mmの一次被覆ケーブルを得た。次いで得られた一次被覆ケーブルに被覆材Bを実施例1と同じ条件で被覆して被覆外層(B)を形成し、二次被覆ケーブルを得た。
実施例2〜3により得られた二次被覆ケーブルの被覆状態はいずれも優良であった。その結果を表2に示す。
[実施例4〜6]
実施例1と同様の方法で作製したPOF、実施例1と同じ被覆材Aおよび被覆材Bを用いて、下記の通り被覆条件を変更した以外は実施例1と同様の方法で一次被覆ケーブルを作製し、続いて二次被覆ケーブルを作製した。
一次被覆ケーブルは実施例1と同じ被覆条件で作製した。二次被覆ケーブルは、被覆材流路と一次被覆ケーブル通路の中心軸とのなす角度θ’が表3に記載した角度の押出被覆装置を用いて、二次被覆ケーブルを得た。
実施例4〜6により得られた二次被覆ケーブルの被覆状態は、凸凹測定器が検知しない程度の極小さなコブは見られたものの、全体的に表面が滑らかで良好であった。その結果を表2に示す。
[実施例7〜10]
被覆内層(A)の形成におけるL1および被覆外層(B)の形成におけるL2を表2に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして、一次被覆ケーブルを作製し、次いで二次被覆ケーブルを作製した。その結果を表2に示す。
[実施例11〜26]
被覆条件を表3に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして、一次被覆ケーブルを作製し、次いで二次被覆ケーブルを作製した。その結果を表3に示す。
[比較例1〜9]
被覆条件を表3に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして、一次被覆ケーブルを作製し、次いで二次被覆ケーブルを作製した。得られた二次被覆ケーブルは、外径斑が大きく、表面には大きな凸凹があった。また得られた二次被覆POFケーブルの伝送損失は200dB/kmを超え、光学特性も低かった。結果を表3に示す
本発明のプラスチック光ファイバケーブル(POFケーブル)の製造方法により得られるPOFケーブルの一例を示す断面図である。 本発明のPOFケーブルの製造方法における被覆内層(A)の形成に使用される被覆装置の一例(クロスヘッド部分)を示す部分断面図である。 本発明のPOFケーブルの製造方法における被覆内層(A)の形成に使用される被覆装置の一例を説明するための模式的部分断面図である。 本発明のPOFケーブルの製造方法における被覆外層(B)の形成に使用される被覆装置の一例(クロスヘッド部分)を示す部分断面図である。 本発明のPOFケーブルの製造方法における被覆外層(B)の形成に使用される被覆装置の一例を説明するための模式的部分断面図である。
符号の説明
10 POFケーブル
11A コア
11B 鞘(第1鞘)
11C 保護層(第2鞘)
12 プラスチック光ファイバ(POF)
13 被覆内層(A)
14 被覆外層(B)
21 POF
22 被覆内層(A)の被覆材流路
23 充実式ニップル
24 ダイス
25 ダイス押さえ
26 一次被覆ケーブル
L1 ニップルとダイス間の中心軸に平行な距離
θ 中心軸に対するニップルのテーパー角
31 被覆外層(B)の被覆材流路
32 チューブ式ニップル
33 一次被覆ケーブル
34 ダイス押さえ
35 ダイス
36 POFケーブル
L2 ニップルとダイス間の中心軸に平行な距離
θ’ 中心軸に対するニップルのテーパー角

Claims (6)

  1. プラスチック光ファイバの外周に被覆内層(A)と被覆外層(B)を被覆したプラスチック光ファイバケーブルの製造方法であって、
    ニップルとダイスを備えた第1の押出被覆装置を用いて、プラスチック光ファイバの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆内層(A)を被覆して一次被覆ケーブルを形成する工程と、
    ニップルとダイスを備えた第2の押出被覆装置を用いて、前記一次被覆ケーブルの外周にポリアミド系樹脂被覆材からなる被覆外層(B)を被覆する工程を含む、プラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  2. 前記第1の押出被覆装置において、前記プラスチック光ファイバの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面とダイス内周面の隙間の当該中心軸に平行な距離L1が1mm以上3.5mm以下の範囲にあり、
    前記第2の押出被覆装置において、前記一次被覆ケーブルの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面とダイス内周面の隙間の当該中心軸に平行な距離L2が1mm以上3.5mm以下の範囲にある、請求項1記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  3. 距離L1が1mm以上3mm以下の範囲にあり、距離L2が2mm以上3.5mm以下の範囲にある、請求項2記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  4. 前記第1の押出被覆装置は、ニップルの先端がダイスの先端より内方に位置している充実式の押出被覆装置であり、
    前記第2の押出被覆装置は、ニップルの先端がダイスの先端に達するチューブ式の押出被覆装置である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  5. 前記第1の押出被覆装置において、前記プラスチック光ファイバの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面と当該中心軸とのなす角度θが45度以上65度以下の範囲にあり、
    前記第2の押出被覆装置において、前記一次被覆ケーブルの通路の中心軸に対して傾斜するニップル外周面と当該中心軸とのなす角度θ’が30度以上65度以下の範囲にあり、
    被覆時のドローダウン比(DDR)が下記式(1):
    DDR=(Dd2−Dg2)/(Dc2−Dw2) (1)
    (式中、Ddはダイス孔径、Dgはニップル先端の外径を示し、第1の押出被覆装置による被覆ではDcは一次被覆ケーブルの外径、Dwはプラスチック光ファイバの外径を示し、第2の押出被覆装置による被覆ではDcは被覆外層(B)を被覆後のケーブルの外径、Dwは一次被覆ケーブルの外径を示す。)
    で定義されるとき、
    被覆内層(A)の被覆時のドローダウン比(DDR(A))及び被覆外層(B)の被覆時のドローダウン比(DDR(B))がそれぞれ下記式(2)及び式(3):
    0.7≦DDR(A)≦1.1 (2)
    3≦DDR(B)≦4 (3)
    を満足する、請求項1から4のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
  6. 被覆内層(A)のポリアミド系樹脂被覆材がナイロン12又はナイロン11を含み、
    被覆外層(B)のポリアミド系樹脂被覆材がナイロン612又はナイロン12を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法。
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JP2014506305A (ja) * 2010-12-29 2014-03-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ケーブル強度部材の製造方法

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