JP2010117338A - 信号処理装置、試験システム、歪検出装置、信号補償装置、解析信号生成装置、プログラム、記憶媒体、歪検出方法、信号補償方法、および、解析信号生成方法 - Google Patents

信号処理装置、試験システム、歪検出装置、信号補償装置、解析信号生成装置、プログラム、記憶媒体、歪検出方法、信号補償方法、および、解析信号生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アナログ回路を構成する素子の非線形性の影響により、アナログ信号に生じる非線形歪を低減する。
【解決手段】基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、基準デジタル信号のスペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、第2ナイキスト領域に含まれるように、各周波数成分を周波数軸で並べ替える基準データ変換部と、基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、信号処理装置、試験システム、歪検出装置、信号補償装置、解析信号生成装置、プログラム、記憶媒体、歪検出方法、信号補償方法、および、解析信号生成方法に関する。
半導体試験装置は、半導体デバイスを被試験対象物(DUT)として、各種特性項目を測定する。例えば、半導体試験装置は、任意信号発生器(AWG)が生成した試験用の信号を半導体デバイスに入力する。このとき、波形デジタイザが、半導体デバイスから出力される信号を、高速・高精度にデジタル変換した上で測定する。これにより、半導体デバイスが正常に動作するか否かを試験する。
特開平7−209354号公報 特開平3−296308号公報
ところが、任意信号発生器および波形デジタイザは、アナログ信号を伝送するアナログ回路を有している。理想的なアナログ回路は、入力される信号に応じた所定の周波数のアナログ信号を出力する。これに対して、実使用環境下においては、アナログ回路を構成する素子の非線形性の影響により、高調波成分を含むアナログ信号が出力される。その結果、波形に歪が生じる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するデジタイザと、基準アナログ信号がデジタイザに与えられた場合に、デジタイザが生成する基準デジタル信号に生じる非線形歪を同定する歪同定部とを備える信号処理装置において、歪同定部は、基準デジタル信号のスペクトルを算出する基準スペクトル算出部と、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、基準デジタル信号の前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を周波数軸で並べ替える基準データ変換部と、基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部とを設けた信号処理装置を提供する。
第2の態様においては、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するデジタイザと、基準アナログ信号がデジタイザに与えられた場合に、デジタイザが生成する基準デジタル信号に生じる非線形歪を同定する歪同定部とを備える信号処理装置において、歪同定部は、基準デジタル信号のスペクトルを算出する基準スペクトル算出部と、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、基準デジタル信号のスペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を周波数軸で並べ替える基準データ変換部と、基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部とを設けた信号処理装置と、信号処理装置が受け取った被試験デバイスの出力信号に基づいて、被試験デバイスの良否を判定する判定部とを備える試験システムを提供する。
第3の態様においては、対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部とを備える歪検出装置を提供する。
第4の態様においては、対象信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、解析信号をべき乗した信号に基づいて、対象信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、それぞれの補償信号を、対象信号から減じることで、非線形歪を補償する補償部とを備え、解析信号生成部は、対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、対象信号の補償前スペクトルを算出するスペクトル算出部と、対象信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、データ変換部が出力する補償前スペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、帯域制限部が出力する補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、解析信号を生成する逆フーリエ変換部とを有する信号補償装置を提供する。
第5の態様においては、対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、データ変換部が出力するスペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、帯域制限部が出力するスペクトルを時間領域の信号に変換して、解析信号を生成する解析信号生成部とを備える解析信号生成装置を提供する。
第6の態様においては、コンピュータを、対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部として機能させるプログラムを提供する。
第7の態様においては、コンピュータを、対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、データ変換部により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部として機能させるプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。
第8の態様においては、対象信号のスペクトルを算出し、対象信号のスペクトルに基づいて、対象信号の基本波成分の位相を検出し、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、各周波数成分を並べ替えたスペクトルにおいて、各周波数成分の位相を、基本波成分の位相に基づいて回転させ、各周波数成分の位相を回転させたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出方法を提供する。
第9の態様においては、対象信号の解析信号を生成し、解析信号をべき乗した信号に基づいて、対象信号の非線形歪を補償する補償信号を生成し、係数が乗算されたそれぞれの補償信号を、対象信号から減じることで、非線形歪を補償し、解析信号を生成するときに、対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、対象信号の補償前スペクトルを算出し、対象信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、補償前スペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去し、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去した補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、解析信号を生成する信号補償方法を提供する。
第10の態様においては、対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、対象信号のスペクトルを算出し、対象信号の基本波成分および高調波成分が、スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、各周波数成分を並べ替えたスペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去し、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去したスペクトルを時間領域の信号に変換して、解析信号を生成する解析信号生成方法を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
試験装置の実施形態の一つである半導体試験装置の構成の一例を示す。 デジタル信号処理部のうち、キャリブレーションを行う部分の機能構成図の第1の例を示す。 波形デジタイザの同定処理のフローチャートを示す。 基準スペクトル算出部が算出するスペクトルの一例を示す。 基準データ変換部が出力する、並べ替え後のスペクトルの一例を示す。 波形デジタイザおよび任意波形発生器の補償処理のフローチャートの第1の例を示す。 デジタル信号処理部のうち、キャリブレーションを行う部分の機能構成図の第2の例を示す。 波形デジタイザおよび任意波形発生器の補償処理のフローチャートの第2の例を示す。 任意波形発生器の同定処理のフローチャートを示す。 並び替え前の周波数スペクトル列を示す。 並び替え後の周波数スペクトル列を示す。 周波数変換前の正弦波の波形を示す。 周波数変換後の正弦波の波形を示す。 周波数変換前の正弦波の周波数特性を示す。 周波数変換後の正弦波の周波数特性を示す。 波形デジタイザの同定処理の概要を示す。 波形デジタイザの補償処理の概要を示す。 任意波形発生器の同定処理の概要を示す。 任意波形発生器の補償処理の概要を示す。 非線形歪みの発生モデルを示す。 非線形特性の3次多項式近似モデルの周波数特性概念図を示す。 非線形特性の3次多項式近似モデルの振幅特性概念図を示す。 3次高調波歪みの基本波成分への影響を示す。 高調波歪み成分の周波数スペクトルの一例を示す。 被試験デバイスを試験する場合の信号伝送経路を示す。 波形デジタイザを同定する場合の信号伝送経路を示す。 任意波形発生器を同定する場合の信号伝送経路を示す。 任意波形発生器が出力する信号のレベル変換をする場合の経路切替部を示す。 任意波形発生器が生成する基準信号の一例を示す。 高調波の周波数特性を示す。 デジタル信号処理部の構成図の第3の例を示す。 周波数軸を対数に変換した場合の高調波の周波数特性を示す。 複数の線形歪みおよび非線形歪みが混在するシステムの非線形歪み発生モデルを示す。 図33のシステムの構成要素を置き換えた等価のシステムを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、試験装置の実施形態の一つである半導体試験装置10の構成の一例を示す。本例の半導体試験装置10は、制御部20、試験部40、および、経路切替部60を有する。半導体試験装置10は、信号線26および信号線28を介して、被試験デバイス80に接続される。半導体試験装置10は、被試験デバイス80に信号を入力すると共に、被試験デバイス80が応答する信号を計測することで、被試験デバイス80を試験する。
制御部20は、半導体試験装置10全体を制御する。制御部20は、CPU202、メモリ204、および、波形発生制御部206を有する。試験部40は、デジタル信号処理部42、メモリ44、波形デジタイザ46、および、任意波形発生器48を有する。デジタル信号処理部42は、メモリ44に格納されたデータを用いて、制御部20の指示に従ってデジタル信号を任意波形発生器48に出力する。また、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46および任意波形発生器48が出力する信号に生じる非線形歪を予め同定して補償する。
任意波形発生器48は、デジタル信号処理部42から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換した上で、信号線22を経由して、被試験デバイス80に出力する。波形デジタイザ46は、信号線24を経由して、被試験デバイス80から入力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する。デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46がデジタル変換した信号を解析する。
また、制御部20は、メモリ204に格納されたプログラムに基づいて、半導体試験装置10にキャリブレーションを実行させてよい。キャリブレーションとは、波形デジタイザ46および任意波形発生器48が出力する信号に生じる非線形歪を同定して補償する処理であってよい。
たとえば、波形発生制御部206は、波形デジタイザ46をキャリブレーションする場合に、任意波形発生器48に所定の基準信号を出力させ、雑音除去フィルタを介して波形デジタイザ46に入力させてよい。また、波形発生制御部206は、波形デジタイザ46をキャリブレーションした後に任意波形発生器48をキャリブレーションする場合には、任意波形発生器48に所定のアナログ信号を出力させ、雑音除去フィルタを介さずに波形デジタイザ46に入力させてよい。
図2は、デジタル信号処理部42のうち、波形デジタイザ46および任意波形発生器48のキャリブレーションを行う部分の機能構成図を示す。デジタル信号処理部42は、基本波位相検出部447、位相回転部448、歪同定部440、データ抽出部420、判定部430、信号出力制御部450、および、信号補償部460を有する。キャリブレーションを行う場合、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46および任意波形発生器48が出力する信号に生じる非線形歪を同定する。
さらに、被試験デバイス80に信号を供給する場合、デジタル信号処理部42は、任意波形発生器48における非線形歪を、予め同定した任意波形発生器48の非線形歪に基づいて補償する。デジタル信号処理部42は、予め同定した非線形歪に基づいて、当該非線形歪の補償に用いる補償係数を生成してよい。例えば、デジタル信号処理部42は、信号出力制御部450が任意波形発生器48に与える波形データを、当該補償係数に基づいて補償してよく、また、任意波形発生器48が出力する信号の波形を、当該補償係数に基づいて補償してもよい。
また、被試験デバイス80の応答信号を測定する場合、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46における非線形歪を、予め同定した波形デジタイザ46の非線形歪に基づいて補償する。デジタル信号処理部42は、予め同定した波形デジタイザ46の非線形歪に基づいて、当該非線形歪を補償するのに用いる補償係数を生成してよい。例えばデジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46から出力される波形データを、当該補償係数に基づいて補償してよい。判定部430は、補償された波形デジタイザ46の出力に基づいて、被試験デバイス80の良否を判定する。
以下、デジタル信号処理部42において、キャリブレーションを行う各部の機能について説明する。デジタル信号処理部42の各部の機能は、コンピュータを所定のプログラムにより動作させることで実現してよい。
まず、波形デジタイザ46で生じる非線形歪を同定する、デジタル信号処理部42の機能を説明する。この場合、波形デジタイザ46には、非線形歪の無い信号を入力することが好ましい。非線形歪の無い信号が入力された波形デジタイザ46の出力に生じる高調波を検出することで、波形デジタイザ46で生じる非線形歪を同定することができる。本例のデジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46の出力に生じる高調波の振幅および位相を検出することで、非線形歪の振幅成分および位相成分を同定する。
本例では、任意波形発生器48に所定の基準アナログ信号を出力させて、波形デジタイザ46に入力させる。このとき、基準アナログ信号における高調波を低減すべく、任意波形発生器48と、波形デジタイザ46との間に、ローパスフィルタ等の雑音除去フィルタを設けてよい。また他の例では、外部の信号源から波形デジタイザ46に、非線形歪の無い基準アナログ信号を入力してもよい。
図3は、波形デジタイザ46で生じる非線形歪を同定する処理のフローチャートを示す。データ抽出部420は、基準アナログ信号に応じて波形デジタイザ46が出力する基準デジタル信号のデータを受信する。さらに、データ抽出部420は、基準アナログ信号の周期の整数倍に相当する期間のデータを、基準デジタル信号のデータから抽出する。データ抽出部420は、波形デジタイザ46内の回路が有する周波数特性を打ち消す周波数特性補正をしてもよい(S301)。例えばデータ抽出部420は、波形デジタイザ46の入出力間ゲインにおける周波数特性に対して、逆特性の周波数特性を有するフィルタ等を用いて、波形デジタイザ46の出力データを補正してよい。
歪同定部440は、基準スペクトル算出部442、基準データ変換部444、および、歪検出部446を有し、波形デジタイザ46において生じる非線形歪を同定する。基準スペクトル算出部442は、データ抽出部420が抽出したデータに基づいて、波形デジタイザ46が出力した基準デジタル信号のスペクトルを算出する。基準スペクトル算出部442は、データ抽出部420が抽出したデータをフーリエ変換することで、基準デジタル信号のスペクトルを算出してよい(S302)。
図4は、基準スペクトル算出部442が算出するスペクトルの一例を示す。図4において周波数f、2f、3fの成分は、基準デジタル信号の基本波成分、2次高調波成分、3次高調波成分を示す。また、周波数f'、2f'、3f'の成分は、基本波成分、2次高調波成分、3次高調波成分のイメージ成分を示す。なお、図4では、3次までの高調波成分を含む振幅スペクトルを示すが、当該スペクトルには、より高次の高調波成分が含まれてよい。
また、図3に示したステップS303において、基準データ変換部444は、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、基準デジタル信号のスペクトルの第1ナイキスト領域に含まれるように、基準デジタル信号のスペクトルにおける各周波数成分を周波数軸で並び替える。さらに、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、基準デジタル信号のスペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、各周波数成分を周波数軸で並び替える。例えば基準データ変換部444は、並べ替え後のスペクトルの1番目の周波数ビンに基本波成分が移動し、k番目の周波数ビンにk次高調波成分が移動するように、スペクトルの各周波数成分を並べ替えてよい。なお、基準データ変換部444は、基準デジタル信号の振幅スペクトルおよび位相スペクトルのそれぞれについて、同様に周波数成分を並べ替えてよい。なお、kは自然数を指す。
ここで、第1ナイキスト領域とは、0からfs/2までの周波数帯域(ただし、fsは波形デジタイザ46におけるサンプリング周波数)、または、fs/2からfsまでの周波数帯域のいずれか一方を指す。また、第2ナイキスト領域とは、上述した周波数帯域のうちの、第1ナイキスト領域とは異なる方を指す。
図5は、基準データ変換部444が出力する、並べ替え後のスペクトルの一例を示す。上述したように、並べ替え後のスペクトルでは、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が第1ナイキスト領域に含まれ、イメージ成分が第2ナイキスト領域に含まれる。
次に、図3に示したステップS304において、基本波位相検出部447は、基準スペクトル算出部442が算出するスペクトルに基づいて、基準デジタル信号の基本波成分の位相を検出する。例えば基本波位相検出部447は、基準スペクトル算出部442が算出した位相スペクトルから、基本波成分の位相を検出してよい。また、基本波位相検出部447は、基準データ変換部444が算出した位相スペクトルから、基本波成分の位相を検出してもよい。基本波位相検出部447は、検出した基本波成分の位相を、位相回転部448に通知する。
位相回転部448は、基準データ変換部444により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、各周波数成分の位相を、基本波成分の位相に基づいて回転させる。例えば位相回転部448は、基本波成分および高調波成分に対してはe^(−jωθ)を乗算すると共に、イメージ成分に対してはe^(jωθ)を乗算することで、各周波数成分の位相を回転させてよい。ただし、θは基本波成分の位相を示し、ωは各成分の周波数を示す。
本例では、基準データ変換部444により、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が第1ナイキスト領域に集められ、イメージ成分が第2ナイキスト領域に集められている。このため、位相回転部448は、第1ナイキスト領域の各周波数成分にe^(−jωθ)を乗算し、第2ナイキスト領域の各周波数成分にe^(jωθ)を乗算することで、各周波数成分の位相を容易に回転させることができる。
次に、ステップS305において、歪検出部446は、基準データ変換部444により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する。例えば3次までの高調波成分による非線形歪を補償する場合、歪検出部446は、2次の高調波成分の振幅H2と位相θ、および、3次の高調波成分の振幅H3と位相θとを検出してよい。
ここで、所定の次数は、使用者等により指定されてよい。例えば、使用者により3次までの高調波成分が指定された場合、歪検出部446は、並べ替え後のスペクトルにおいて、基本波成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分の振幅および位相を検出してよい。本例では、基本波成分および高調波成分の周波数がどのような値であっても、並べ替え後のスペクトルでは、これらは一定の周波数ビンに移動されている。このため歪検出部446は、予め定められた周波数ビンにおけるスペクトルの振幅および位相を検出することで、基本波成分および高調波成分の振幅および位相を容易に検出することができる。
さらに、歪検出部446は、検出した振幅および位相に基づいて、非線形歪の振幅成分を補償する補償係数と、非線形歪の位相成分を補償する補償係数とを算出してよい(S306)。歪検出部446は、歪補償係数をメモリ44に格納してもよい(S307)。以上の処理により、波形デジタイザ46で生じる非線形歪を同定することができる。
次に、波形デジタイザ46が出力するデジタル信号に生じる非線形歪を補償する場合の、信号補償部460の機能を説明する。信号補償部460は、歪同定部440が基準デジタル信号に基づいて予め同定して算出した補償係数を用いて、波形デジタイザ46が生成するデジタル信号の非線形歪を補償する。また信号補償部460は、非線形歪の振幅成分と位相成分とを補償すべく、波形デジタイザ46が出力するデジタル信号を複素数の信号に変換した解析信号を生成する。本例の信号補償部460は、解析信号生成部470、補償信号生成部480、補償部490、位相補償部492、および、データ逆変換部494を有する。
解析信号生成部470は、波形デジタイザ46が出力するデジタル信号の解析信号を生成する。例えば解析信号生成部470は、当該デジタル信号を実数部として、当該デジタル信号の位相を90度シフトした信号を虚数部とする解析信号を生成する。解析信号生成部470は、当該デジタル信号のヒルベルト変換対を生成することで、解析信号を生成してよい。本例の解析信号生成部470は、対象データ変換部472、対象スペクトル算出部474、帯域制限部476、および、逆フーリエ変換部478を有する。
図6は、波形デジタイザ46の非線形歪を補償する処理のフローチャートを示す。対象データ変換部472は、デジタル信号に含まれている直流成分を算出して、算出した値をメモリ44に格納する。また、対象データ変換部472は、デジタル信号から直流成分を差し引く(S601)。対象データ変換部472は、デジタル信号の波形レベルの平均値を算出することにより、直流成分の値を算出してよい。なお、直流成分には、2次高調波の折り返し成分も含まれており、2次高調波の折り返し成分の大きさは2次高調波の振幅と略等しい。
続いて、対象データ変換部472は、デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に含まれるように、補償前スペクトルの各周波数成分を並べ替える(S602)。対象データ変換部472における処理は、デジタル信号のデータを時間軸で並べ替えて、周波数を変換する処理であってよい。また、対象データ変換部472における処理は、基準データ変換部444における処理と同一であってもよい。
対象スペクトル算出部474は、波形デジタイザ46から受信したデジタル信号をフーリエ変換して、デジタル信号の補償前スペクトルを算出する(S603)。帯域制限部476は、対象データ変換部472により各周波数成分が並べ替えられた補償前スペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する(S604)。逆フーリエ変換部478は、帯域制限部476が出力する補償前スペクトルを逆フーリエ変換する(S605)。対象データ変換部472により、デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に集められ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に集められているので、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去して逆フーリエ変換することで、解析信号を容易に生成することができる。
位相補償部492、補償信号生成部480、および、補償部490は、解析信号生成部470が生成した解析信号と、歪同定部440が同定した非線形歪とに基づいて、デジタル信号における非線形歪を補償する。本例の補償信号生成部480は、べき乗部482、係数乗算部484を有する。
位相補償部492は、解析信号生成部470が生成した解析信号の位相を、メモリ44に格納された波形デジタイザ46の補償係数に基づいて補償する。べき乗部482は、デジタル信号における所定の次数の各高調波成分に対応して、次数に応じて解析信号をべき乗したべき乗信号を生成する。例えば、3次までの高調波成分による非線形歪を補償する場合、べき乗部482は、位相がθシフトした解析信号を2乗したべき乗信号、および、位相がθシフトした解析信号を3乗したべき乗信号を生成する。
係数乗算部484は、べき乗部482が生成したそれぞれのべき乗信号に、歪検出部446が同定した各高調波成分による非線形歪の振幅成分に応じた補償係数を乗算して、補償信号を生成する。例えば、3次までの高調波成分による非線形歪を補償する場合、係数乗算部484は、歪検出部446が算出した2次の高調波成分に対応する補償係数を、2乗の解析信号に乗算し、3次の高調波成分に対応する補償係数を、3乗の解析信号に乗算する。
補償部490は、波形デジタイザ46が出力したデジタル信号から、係数乗算部484が生成したそれぞれの補償信号を減じることで、当該デジタル信号における非線形歪を補償する。補償部490は、それぞれの補償信号の実数部を、当該デジタル信号から減じてよい(S606)。
データ逆変換部494は、補償部490が出力するデジタル信号の補償後スペクトルにおける各成分の周波数が、対象データ変換部472により移動された元の周波数となるように、補償後スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える。時間軸上のデータの入れ替えによって各周波数成分を並べ替えてもよく、周波数軸上のスペクトルの入れ替えによって各周波数成分を並べ替えてもよい(S607)。最後に、データ逆変換部494は、S601でメモリ44に格納された直流成分の値を読み出した上で、読み出した値から2次高調波成分の振幅の値を差し引く(S608)。さらに、データ逆変換部494は、差し引き後の直流成分を補償後の信号に付加する。以上の手順により、波形デジタイザ46の補償処理が終了する。
図7は、波形デジタイザ46が非線形歪を補償する処理の変形例における、デジタル信号処理部42の機能部を示す。図8は、波形デジタイザ46が非線形歪を補償する処理の変形例のフローチャートを示す。対象スペクトル算出部474は、波形デジタイザ46から受信したデジタル信号をフーリエ変換して、デジタル信号の補償前スペクトルを算出する(S801)。
続いて、対象スペクトル算出部474は、算出したスペクトルに含まれている直流成分を差し引いて(S802)、差し引き後の直流成分の大きさをメモリ44に格納する。対象データ変換部472は、デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に含まれるように、補償前スペクトルの各周波数成分を並べ替える(S803)。対象データ変換部472における処理は、基準データ変換部444における処理と同一であってよい。
帯域制限部476は、対象データ変換部472により各周波数成分が並べ替えられた補償前スペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する(S804)。逆フーリエ変換部478は、帯域制限部476が出力する補償前スペクトルを逆フーリエ変換する(S805)。
続いて、図6のS606と同様の手順により、位相補償部492、補償信号生成部480、および、補償部490が補償後のデータを算出する(S806)。データ逆変換部494は、補償後のデータをフーリエ変換した上で(S807)、基本波が元の周波数ビンに来るように補償後のスペクトルを並び替える(S808)。さらに、データ逆変換部494は、S802でメモリ44に格納した直流成分の大きさを読み出し、読み出した値からS801で算出した2次高調波成分の振幅の値を差し引く。データ逆変換部494は、差し引き後の直流成分を補償後の信号に付加した上で(S809)、逆フーリエ変換する(S810)。以上の手順により、波形デジタイザ46の補償処理が終了する。
判定部430は、補償処理が終了すると、補償部490から受信した補償後の信号に基づいて、デバイスの良否を判定してよい。また、良否を判定した結果を制御部20に通知してもよい。
次に、任意波形発生器48で生じる非線形歪を同定する、デジタル信号処理部42の機能を説明する。デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46のキャリブレーションを行った後に、任意波形発生器48で生じる非線形歪を同定する。
図9は、任意波形発生器48で生じる非線形歪を同定する処理のフローチャートを示す。データ抽出部420は、波形デジタイザ46から基準デジタル信号を受信する。基準デジタル信号は、任意波形発生器48が送出した基準アナログ信号を波形デジタイザ46がデジタル変換した信号である。次に、データ抽出部420は、基準アナログ信号の周期の整数倍に相当する期間のデータを、基準デジタル信号のデータから抽出する。データ抽出部420は、波形デジタイザ46の出力段の回路が有する周波数特性を打ち消す周波数特性補正をしてもよい(S901)。例えばデータ抽出部420は、任意波形発生器48の入出力間ゲインにおける周波数特性に対して、逆特性の周波数特性を有するフィルタ等を用いて、波形デジタイザ46経由で受信する基準デジタル信号を補正してよい。
信号補償部460は、図6または図8に示した手順により、受信した基準デジタル信号における波形デジタイザ46により生じた非線形歪を補償する(S902)。次に、信号補償部460は、補償後の基準デジタル信号に含まれる任意波形発生器48で生じた非線形歪を補償するべく、波形デジタイザ46で生じた非線形歪を補償した後の基準デジタル信号を、歪同定部440に出力する。歪同定部440は、波形デジタイザ46の同定処理と同様の手順により、任意波形発生器48を同定して、任意波形発生器48の補償係数を算出する。
具体的には、基準スペクトル算出部442は、信号補償部460から受信したデータをフーリエ変換して、基準デジタル信号のスペクトルを算出する(S903)。続いて、基準データ変換部444は、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、基準デジタル信号のスペクトルの第1ナイキスト領域に含まれるように、基準デジタル信号のスペクトルにおける各周波数成分を周波数軸で並び替える(S904)。
次に、基本波位相検出部447は、基準スペクトル算出部442が算出するスペクトルに基づいて、基準デジタル信号の基本波成分の位相を検出した上で、検出した基本波成分の位相を、位相回転部448に通知する。位相回転部448は、基準データ変換部444により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、各周波数成分の位相を、基本波成分の位相に基づいて回転させる(S905)。本例では、基準データ変換部444により、基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が第1ナイキスト領域に集められ、イメージ成分が第2ナイキスト領域に集められている。このため、位相回転部448は、第1ナイキスト領域の各周波数成分にe^(−jωθ)を乗算し、第2ナイキスト領域の各周波数成分にe^(jωθ)を乗算することで、各周波数成分の位相を容易に回転させることができる。
歪検出部446は、基準データ変換部444により各周波数成分が並べ替えられたスペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する。歪検出部446は、各高調波成分の振幅を基本波振幅で正規化して、各高調波成分の振幅および位相を検出してよい(S906)。
ここで、所定の次数は、使用者等により指定されてよい。例えば、使用者により3次までの高調波成分が指定された場合、歪検出部446は、並べ替え後のスペクトルにおいて、基本波成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分の振幅および位相を検出してよい。本例では、基本波成分および高調波成分の周波数がどのような値であっても、並べ替え後のスペクトルでは、これらは一定の周波数ビンに移動されている。このため歪検出部446は、予め定められた周波数ビンにおけるスペクトルの振幅および位相を検出することで、基本波成分および高調波成分の振幅および位相を容易に検出することができる。
さらに、歪検出部は、検出した振幅および位相に基づいて、補償係数の振幅と位相を算出してよい(S907)。歪検出部446は、歪補償係数をメモリ44に格納してもよい(S908)。以上の処理により、任意波形発生器48で生じる非線形歪を同定することができる。
次に、任意波形発生器48が出力するアナログ信号に生じる非線形歪を補償する場合の、信号補償部460の機能を説明する。信号補償部460は、歪同定部440が基準デジタル信号に基づいて予め同定した任意波形発生器48の非線形歪に対して算出した補償係数に基づいて、任意波形発生器48で生じる非線形歪を予め補償したデジタル信号(プリディストーション信号)を生成する。
具体的には、信号補償部460は、任意波形発生器48に出力するデジタル信号の波形データをメモリ44から読み出した上で、デジタル信号を複素数の信号に変換した解析信号を生成する。例えば解析信号生成部470は、当該デジタル信号を実数部として、当該デジタル信号の位相を90度シフトした信号を虚数部とする解析信号を生成する。解析信号生成部470は、当該デジタル信号のヒルベルト変換対を生成することで、解析信号を生成してよい。
以下、図6に示すフローチャートに沿って、任意波形発生器48の補償処理を説明する。まず、対象データ変換部472は、デジタル信号に含まれている直流成分を算出して、算出した値をメモリ44に格納する。また、対象データ変換部472は、デジタル信号から直流成分を差し引く(S601)。対象データ変換部472は、デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に含まれるように、補償前スペクトルの各周波数成分を並べ替える(S602)。対象データ変換部472における処理は、デジタル信号のデータを時間軸で並べ替えて、周波数を変換する処理であってもよい。また、対象データ変換部472における処理は、基準データ変換部444における処理と同一であってよい。
対象スペクトル算出部474は、デジタル信号をフーリエ変換して、デジタル信号の補償前スペクトルを算出する(S603)。帯域制限部476は、対象データ変換部472により各周波数成分が並べ替えられた補償前スペクトルにおいて、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する(S604)。逆フーリエ変換部478は、帯域制限部476が出力する補償前スペクトルを逆フーリエ変換する。対象データ変換部472により、デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に集められ、且つ、基本波成分および高調波成分のイメージ成分が、補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に集められているので、第2ナイキスト領域の周波数成分を除去して逆フーリエ変換することで、解析信号を容易に生成することができる(S605)。
位相補償部492は、解析信号生成部470が生成した解析信号の位相を、メモリに格納された任意波形発生器48の補償係数に基づいて補償する。べき乗部482は、デジタル信号における所定の次数の各高調波成分に対応して、次数に応じて解析信号をべき乗したべき乗信号を生成する。例えば、3次までの高調波成分による非線形歪を補償する場合、べき乗部482は、位相がθシフトした解析信号を2乗したべき乗信号、および、位相がθシフトした解析信号を3乗したべき乗信号を生成する。
係数乗算部484は、べき乗部482が生成したそれぞれのべき乗信号に、歪検出部446が同定した各高調波成分による非線形歪の振幅成分に応じた補償係数を乗算して、補償信号を生成する。例えば、3次までの高調波成分による非線形歪を補償する場合、係数乗算部484は、歪検出部446が算出した2次の高調波成分に対応する補償係数を、2乗の解析信号に乗算し、3次の高調波成分に対応する補償係数を、3乗の解析信号に乗算する。
補償部490は、メモリ44から読み出した波形データに基いて生成したデジタル信号から、係数乗算部484が生成した補償信号を減じることで、当該デジタル信号を任意波形発生器48でアナログ変換する時に生じる非線形歪を予め補償する。補償部490は、それぞれの補償信号の実数部を、当該デジタル信号から減じてよい(S606)。
さらに、データ逆変換部494は、補償部490が出力するデジタル信号の補償後スペクトルにおける各成分の周波数が、対象データ変換部472により移動される前の周波数となるように、補償後スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える。時間軸上のデータの入れ替えによって各周波数成分を並べ替えてもよく、周波数軸上のスペクトルの入れ替えによって各周波数成分を並べ替えてもよい(S607)。最後に、データ逆変換部494は、S601でメモリ44に格納された直流成分の値を読み出した上で、読み出した値から2次高調波成分の振幅の値を差し引く(S608)。さらに、データ逆変換部494は、差し引き後の値を補償後の信号に加算して、補償前の信号に含まれていた直流成分を付加する。以上の手順により、任意波形発生器48の補償処理が終了する。
信号出力制御部450は、データ逆変換部494から取得した補償後のデジタル信号を、任意波形発生器48に出力する。当該デジタル信号は、任意波形発生器48内のアナログ信号で生じる非線形歪を打ち消す成分を含むので、任意波形発生器48は、非線形歪がないアナログ信号を出力する。
図10および図11は、S303、S803、および、S904に係る周波数スペクトル並べ替え処理の詳細を示す。図10は、周波数スペクトルのデータの並べ替えを行う前の周波数スペクトルを示す。同図において、1から24の数字は、FFT演算を行う場合に用いる周波数ビンの番号を示す。下線付きの1から24の数字は、周波数スペクトルの番号を示す。番号5、番号10、および、番号15の周波数ビンが、それぞれ基本周波数f、2次高調波2f、および、3次高調波3fに相当する。
例えば、基準データ変換部444は、基本周波数f、2次高調波2f、および、3次高調波3fを第1ナイキスト領域に移動するために、基準スペクトル算出部442が算出したスペクトルにおける基本波成分の周波数ビン数のk倍の周波数ビン数における周波数成分を、データを並べ替えた後のスペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分としてもよい。基準データ変換部444は、さらに、基本波成分の周波数ビン数のk倍が、スペクトルにおける最大周波数ビン数Lを超えた場合には、基本波成分の周波数ビン数のk倍から、最大周波数ビン数に応じた値を減算した値に対応する周波数ビン数の周波数成分を、データを並べ替えた後のスペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分としてもよい。例えば、スペクトルの周波数ビン番号を0〜N−1とすると、基準データ変換部444は、Nを減算値として用いてよい。
また、本例においては、基準データ変換部444は、以下の手順により並べ替えを行ってもよい。基準データ変換部444は、並べ替え後の周波数番号iに対して、m=5×i (modulo N)で得られる整数mを算出する。ここで、Nは、解析している全データ数を示す。次に、基準データ変換部444は、並べ替え後の周波数番号iに、並べ替え前の周波数番号mの周波数を割り当てることにより、並び替えを完了する。
図11は、周波数スペクトルのデータの並べ替えを行った後の周波数スペクトルを示す。図11においては、並べ替え前には5番目の周波数ビンにあった基本周波数fが、並べ替え後は1番目の周波数ビンに移動している。同様に、10番目の周波数ビンにあった2次高調波2fが2番目の周波数ビンに移動し、15番目の周波数ビンにあった3次高調波3fが3番目の周波数ビンに移動している。その結果、基本波、2次高調波、および、3次高調波が、第1ナイキスト領域に含まれる。また、基本波および各高調波のイメージ成分(k=19、14、9)が、第2ナイキスト領域に含まれる。
なお、データ逆変換部494は、図10および図11に関連して説明した並べ替え処理の逆の処理を実行してよい。例えば、データ逆変換部494は、非線形歪が補償された信号のスペクトルの各周波数ビンの番号に、基本周波数fの周波数ビン番号mを乗算してよい。対象データ変換部472は、基本周波数fの周波数ビン番号を、データ逆変換部494に通知してよい。
またデータ逆変換部494は、演算結果が当該スペクトルにおける最大周波数ビン数Lより大きい成分については、演算結果が1以上、L以下になるように、Lの整数倍の値を減算する。そしてデータ逆変換部494は、それぞれの周波数ビンの成分を、上述した演算により得られた番号の周波数ビンに移動させる。これにより、データ逆変換部494は、補償後スペクトルにおける各成分の周波数が、対象データ変換部472により移動された元の周波数となるように、補償後スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えることができる。
図12および図13は、S602で説明した、時間軸上の演算により周波数ビンを並び替える処理の一例を示す。対象データ変換部472は、図12に示すように、7波の正弦波を16ポイントでサンプリングする。続いて、対象データ変換部472は、サンプリングしたデータを図13に示すように並び替えることにより、3波の正弦波を生成する。その結果、対象データ変換部472は、波形の振幅と位相を保持した状態で、周波数を変換することができる。
一例として、基準データ変換部444は、測定信号の波数K、並び替え後の波数K'、 および、測定信号数をNとする場合には、K'*i mod.N番目のデータをK*i mod.N番目に移動させてよい。図12の場合、K=7、K'=3、N=16である。従って、たとえば、移動前の3番目のサンプリングデータを、7番目に移動させてよい。
なお、図10および図11に関連して説明した場合と同様に、データ逆変換部494は、時間軸上の演算により周波数ビンが並べ替えられた補正後信号に対して、当該並べ替え処理の逆の処理を実行してよい。つまり、補正後信号をサンプリングしたデータについて、K*i mod.N番目のデータを、K'*i mod.N番目に移動させてよい。
図14および図15は、周波数ビンの並び替え処理を実行する前後の周波数スペクトルの概念図である。図14は、図12の波形のスペクトルを示し、図15は、図13の波形のスペクトルを示す。図14において周波数7であった周波数成分が、図15においては、周波数3に移動していることがわかる。なお、図14の周波数9、および、図15の周波数13は、イメージ周波数成分を示す。
次に、同定処理および補償処理の原理について説明する。図16は、波形デジタイザ46の補償係数を生成する同定処理の概要を示す。波形デジタイザ46を同定する場合には、任意波形発生器48は、デジタル信号処理部42から受信した基準デジタル信号をアナログ変換したアナログ信号106を出力する。基準アナログ信号106には、単一の周波数が含まれていることが好ましい。
波形デジタイザ46は、基準アナログ信号106を受信して、基準デジタル信号108に変換する。波形デジタイザ46がデジタル変換をすると、基準アナログ信号106の周波数成分の振幅と位相とが変化し、波形デジタイザ46が出力する基準デジタル信号108には、点線で示す高調波が付加される。
デジタル信号処理部42は、基準アナログ信号106の生成に用いたデジタル信号と基準デジタル信号108との差分を解析し、歪み成分の振幅と位相を取得する。デジタル信号処理部42は、取得した振幅と位相の情報を用いて歪み補償係数を算出し、メモリ44に格納する。
図17は、波形デジタイザ46の歪みを補償する原理の概要を示す。まず、被試験デバイス80は、出力端子からアナログ信号100を出力する。波形デジタイザ46は、受信したアナログ信号100をデジタル変換する。波形デジタイザ46がデジタル変換をすると、アナログ信号100の周波数成分の振幅と位相とが変化し、波形デジタイザ46が出力するデジタル信号102には、点線で示す高調波が付加される。
デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46において生じた歪を有するデジタル信号102を受信する。デジタル信号処理部42は、予め算出しておいた波形デジタイザ46の歪み補償係数を用いることにより、デジタル信号102に含まれる歪成分を補償する。その結果、デジタル信号処理部42は、アナログ信号100と略同等の特性を有するデジタル信号104を生成できる。
次に、任意波形発生器48の歪みを補償する方法について説明する。図18は、任意波形発生器48の歪みを補償する補償係数を生成する手順の概要を示す。デジタル信号処理部42は所定の周波数の波形データをメモリ44から読み込み、基準デジタル信号116を任意波形発生器48に出力する。任意波形発生器48は、基準デジタル信号116をアナログ変換して基準アナログ信号118を生成し、波形デジタイザ46に対して出力する。任意波形発生器48内のアナログ回路により生じる非線形歪みにより、基準アナログ信号118には、点線で示す高調波が生じている。
波形デジタイザ46においては、波形デジタイザ46内部のアナログ回路の影響により、基準アナログ信号118に歪みが重畳され、基準デジタル信号120を生成する。波形デジタイザ46をあらかじめ同定しておけば、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46の歪み補償係数をメモリ44から読み出すことができる。デジタル信号処理部42は、読み出した補償係数を用いて基準デジタル信号120の歪み補償処理を行い、基準アナログ信号118と略同等の信号を再生する。再生した信号には、任意波形発生器48に入力した波形に任意波形発生器48の歪み成分が加算されている。従って、デジタル信号処理部42は、基準デジタル信号120の歪み補償処理後の信号と任意波形発生器48に入力した基準デジタル信号116との差分に基づいて、補償係数を算出することができる。
図19は、任意波形発生器48の歪みを補償した状態で被試験デバイス80の測定を行う手順の概要を示す。デジタル信号処理部42は、被試験デバイス80の測定に用いる波形データ110をメモリ44から読み出す。さらに、デジタル信号処理部42は、任意波形発生器48で生じる歪みを補償するための補償係数をメモリ44から読み出す。デジタル信号処理部42は、読み出した補償係数を用いて、波形データ110に予め歪みを付加した測定デジタル信号112を生成して、任意波形発生器48に送出する。
任意波形発生器48においては、内部のアナログ回路の非線形性により、測定デジタル信号112に歪みが生じる。ところが、測定デジタル信号112は、任意波形発生器48で生じる歪みを打ち消す歪みが予め付加されている。従って、任意波形発生器48で歪みが生じることにより、任意波形発生器48が出力する測定アナログ信号114は、デジタル信号処理部42がメモリ44から読み出した波形データ110を、理想的なアナログ回路でアナログ変換した信号と略一致する。
続いて、同定アルゴリズムおよび補償アルゴリズムの詳細について説明する。図20は、非線形歪みの発生モデルを示す。本モデルにおける入力信号は、周波数f0、位相θ0を有するd=Cos(2πf0t+θ0)とする。アナログ回路400はゲインM0を有しているので、アナログ回路400は、x=M0* Cos(2πf0t+θ0)をアナログ回路402に出力する。続いて、アナログ回路402は、アナログ回路402が有する非線形性により、入力された信号に歪みを生じさせ、
Figure 2010117338
を生成した上で、後段のアナログ回路404に出力する。なお、上式においては3次歪までを考慮しており、Aは各次の成分に対するゲインを示す。
アナログ回路404はゲインGを有しているので、アナログ回路404は、
Figure 2010117338
(1)
を出力する。ここで、非線形特性のダイナミクスは少ないと仮定し、多項式近似している。
図21は、非線形特性の3次多項式近似モデルの周波数特性概念図を示す。図22は、非線形特性の3次多項式近似モデルの振幅特性概念図を示す。非線形歪を有する正弦波の振幅を式(1)の3次多項式で近似すると、アナログ回路に正弦波を入力した場合の出力スペクトラムは、図21に示すように、直流成分、基本周波数成分、2次高調波成分、および3次高調波を含む。また、入力する正弦波の電圧をVin、および、ゲインA1を有するアナログ回路から出力される電圧をVoutとすると、VinおよびVoutは、理想的には図22の点線に示す線形の関係を有する。ところが、アナログ回路において非線形歪が生じると、出力電圧は、
Figure 2010117338
(2)
となり、VinおよびVoutは、実線で示す非線形な関係を有する。
ここで、アナログ回路402の入力電圧を
Figure 2010117338
(3)
とする場合、n次までの非線形歪みを考慮すると、アナログ回路402の出力電圧は、
Figure 2010117338
(4)
で表される。そこで、式(4)においてn=3とした上で、式(2)に代入して展開する。
Figure 2010117338
(5)
Figure 2010117338
(6)
Figure 2010117338
(7)
Figure 2010117338
(8)
この式において、式(5)はDC成分、式(6)は基本波周波数成分、式(7)は2次高調波周波数成分、そして、式(8)は3次高調波周波数成分を示す。
式(6)の項には、基本波に3次高調波が加算されている。図23は、基本波に3次高調波が加算された合成波の合成ベクトルの概念を示す。原点を起点として、横軸に対してθ0の位相を有する基本波成分は基本波成分を示し、矢印の長さが振幅に相当する。基本波成分の矢印の終点を起点とする点線の矢印は、3次高調波成分を示す。3次高調波成分の矢印の終点は、3次高調波の位相に応じて、点線で示す円に沿って移動する。3次高調波成分の矢印の終点と原点を結ぶ矢印は、合成波成分に相当する。
ここで、3次歪みによるベクトルの大きさが十分に小さいと仮定すると、式(6)は、
Figure 2010117338
と近似できる。つまり、基本波の位相は、群遅延として各高調波の位相と略同一になると近似できる。さらに、3次歪み成分が十分小さければ、3次歪みの基本波への折り返しを無視してもよい。図24は、以上の近似により算出した周波数スペクトラムを示す。入力信号の基本波振幅をH1=GM0・A1とすると、直流成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分の振幅は、それぞれ以下のように近似される。
Figure 2010117338
以下、近似した振幅H1、H2、および、H3を用いて歪み補償係数を生成する方法について説明する。式(1)においては、GA2*x2+ GA3*x3が歪み成分なので、波形デジタイザ46が出力する信号yに対して、
Figure 2010117338
(9)
を生成すれば、歪みを補償することができる。ところが、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46が出力するyを知ることはできるが、波形デジタイザ46に入力される信号xを知ることはできない。そこで、式(9)を以下のように展開する。
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(10)
Figure 2010117338
(11)
Figure 2010117338
(12)
Figure 2010117338
(13)
なお、A、A< 0.01の場合に、式(10)を式(11)に近似できる。ここで、H1、H2、および、H3は、波形デジタイザ46が出力するyの基本波成分、第2次高調波成分、および、第3次高調波成分の振幅である。従って、波形デジタイザ46から受信した信号yを解析してH1、H2、および、H3を算出することにより、補償係数は、
Figure 2010117338
(14)
Figure 2010117338
(15)
となる。デジタル信号処理部42は、式(14)および式(15)に、基本波スペクトル、2次高調波スペクトル、および、3次高調波スペクトルの振幅と位相とを代入することにより、補償係数を算出してよい。
続いて、任意波形発生器48の歪み補償係数を生成する同定処理のアルゴリズムについて説明する。任意波形発生器48で生じる歪みは、波形デジタイザ46で生じる歪みと同様に、図20に示す非線形歪み発生モデルにより表すことができる。
式(1)より、任意波形発生器48内ではGA2*x2+ GA3*x3の高調波歪みが付加される。そこで、デジタル信号処理部42は、任意波形発生器48に入力する波形生成データに、高調波歪みを打ち消す歪みを付加する処理を行う。つまり、任意波形発生器48に入力する波形デジタイザ46をdとすると、補償後の波形は、
Figure 2010117338
(16)
により表される。
式(16)を図20のモデルに適用すると、補償後の波形は、
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(17)
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(18)
と展開することができる。式(17)および式(18)より、
Figure 2010117338
Figure 2010117338
となる。基本周波数の振幅で正規化することにより、任意波形発生器48の補償係数は、
Figure 2010117338
(19)
Figure 2010117338
(20)
となる。デジタル信号処理部42は、式(19)および式(20)に、2次高調波スペクトル、および、3次高調波スペクトルの振幅と位相を代入することにより、補償係数を算出してよい。
次に、同定により算出した補償係数を用いて、波形デジタイザ46および任意波形発生器48が出力する信号を補償する原理を説明する。半導体試験装置10は、波形デジタイザ46が出力する信号、および、任意波形発生器48が出力する信号から、波形デジタイザ46および任意波形発生器48内部で生じると想定される高調波歪みを差し引くことにより補償する。つまり、デジタル信号処理部42は、式(13)または式(16)を用いて、補償後のデータを算出する。
具体的には、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46が出力する信号yから以下の補償データを算出してよい。
Figure 2010117338
Figure 2010117338
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(21)
と表される。ここで、H[y]は、ヒルベルト変換を用いて計算したyの解析信号である。
同様に、デジタル信号処理部42は、任意波形発生器48が出力する信号dから以下の補償データを算出してよい。
Figure 2010117338
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(22)
次に、半導体試験装置10が、波形デジタイザ46および任意波形発生器48のキャリブレーションをする場合の信号経路について説明する。図25は、経路切替部60の各機能部を含む、半導体試験装置10の構成を示す。経路切替部60は、スイッチ62、スイッチ64、スイッチ66、スイッチ68、スイッチ70(負荷切替部)、負荷72、および、雑音除去フィルタ74により形成されるループバック経路を有する。経路切替部60は、制御部20の指示に従ってこれらのスイッチを切り替えてよく、動作モードに応じて、試験部40と被試験デバイス80との間の信号経路を切り替えてよい。
当該ループバック経路は複数の伝送経路を有してよい。第1の伝送経路は、波形デジタイザ46をキャリブレーションする場合に形成され、第1の伝送経路においては、任意波形発生器48が出力する信号が雑音除去フィルタ74を通過する。第2の伝送経路は、任意波形発生器48をキャリブレーションする場合に形成され、第2の伝送経路においては、任意波形発生器48が出力する信号は雑音除去フィルタ74を通過しない。負荷72は、第2の伝送経路および接地電位の間に設けられており、制御部20の指示により、スイッチ70は、負荷72を第2の伝送経路に接続するか否かを切り替える。負荷72は複数種類の負荷を有してよく、スイッチ70は、いずれの負荷を第2の伝送経路に接続するかを切り替えてもよい。
なお、半導体試験装置10は、被試験デバイス80の端子と電気的に接続されるパフォーマンスボード内に経路切替部60を設けてよい。また、半導体試験装置10は、試験部40をキャリブレーションするのに用いるキャリブレーション用ボード内に、経路切替部60を設けてもよい。キャリブレーション用ボードは、キャリブレーションを行うときに、パフォーマンスボードに代えて設けられてよい。
図25内の点線は、半導体試験装置10が被試験デバイス80を試験する時の信号経路を示す。デジタル信号処理部42は、制御部20の指示を受けて、メモリ44から試験用波形データと任意波形発生器48の補償係数を読み出す。デジタル信号処理部42は、試験用波形データと補償係数とに基づいて、任意波形発生器48で生じる非線形歪を補償する試験用デジタル信号を生成し、任意波形発生器48に出力する。任意波形発生器48は、試験用デジタル信号をアナログ信号に変換し、経路切替部60に出力する。経路切替部60に入力されたアナログ信号は、スイッチ62を経由して被試験デバイス80の入力端子に対して出力される。
また、被試験デバイス80は、入力端子に入力されたアナログ信号に応答して、出力端子からアナログ信号を出力する。経路切替部60は、スイッチ68を経由して、被試験デバイス80が出力したアナログ信号を波形デジタイザ46に対して出力する。デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46が出力するデジタル信号を受信すると、メモリ44から読み出した波形デジタイザ46の補償係数に基づいて、受信したデジタル信号を補償する。デジタル信号処理部42は、補償した信号を解析し、被試験デバイス80の良否を判定する。
図26は、半導体試験装置10が、波形デジタイザ46を同定する場合の信号経路を示す。制御部20は、波形デジタイザ46を同定する場合には、同定用信号を生成するようにデジタル信号処理部42に指示する。また、制御部20は、経路切替部60内のスイッチ62およびスイッチ68を切り替えて、経路切替部60を被試験デバイス80から切り離す。さらに、制御部20は、スイッチ64およびスイッチ66を切り替えて、任意波形発生器48と波形デジタイザ46とを、ループバック経路における第1の伝送経路により接続する。つまり、経路切替部60は、任意波形発生器48が出力する信号を、雑音除去フィルタ74を経由して、波形デジタイザ46に出力する。雑音除去フィルタは、低域通過フィルタであってよく、任意波形発生器48が出力信号に含まれている高周波ノイズを除去する。
デジタル信号処理部42は、制御部20の指示に従って、メモリ44に格納された波形データを読み出す。デジタル信号処理部42は、読み出した波形データを用いて、波形デジタイザ46の同定に用いる基準デジタル信号を生成し、任意波形発生器48に出力する。任意波形発生器48は、基準デジタル信号をアナログ変換して基準アナログ信号を生成し、経路切替部60に出力する。波形デジタイザ46は、信号線22、スイッチ62、スイッチ64、雑音除去フィルタ74、スイッチ66、および、スイッチ68を経由して、基準アナログ信号を受信する。波形デジタイザ46は、受信した基準アナログ信号をデジタル変換して基準デジタル信号を生成し、デジタル信号処理部42に出力する。デジタル信号処理部42は、受信した基準デジタル信号に基づいて、波形デジタイザ46を同定する。デジタル信号処理部42は、同定して算出した波形デジタイザ46の歪み補償係数をメモリ44に格納してもよい。
図27は、半導体試験装置10が、任意波形発生器48を同定する場合の信号経路を示す。制御部20は、任意波形発生器48を同定する場合には、同定用信号を生成するようにデジタル信号処理部42に指示する。また、制御部20は、経路切替部60内のスイッチ62およびスイッチ68を切り替えて、経路切替部60を被試験デバイス80から切り離す。さらに、制御部20は、スイッチ64およびスイッチ66を切り替えて、任意波形発生器48と波形デジタイザ46とを、ループバック経路における第2の伝送経路により接続する。制御部20は、第2の伝送経路に接続されているスイッチ70を切り替えて、第2の伝送経路に接続される負荷72の値を選択してよい。なお、負荷72は、被試験デバイス80が有するさまざまなインピーダンスを想定した値を有してよい。
デジタル信号処理部42は、制御部20の指示に従って、メモリ44に格納された波形データを読み出す。デジタル信号処理部42は、読み出した波形データを用いて、任意波形発生器48の同定に用いる基準デジタル信号を生成し、任意波形発生器48に出力する。任意波形発生器48は、基準デジタル信号をアナログ変換して基準アナログ信号を生成し、経路切替部60に出力する。波形デジタイザ46は、信号線22、スイッチ62、スイッチ64、スイッチ66、および、スイッチ68を有する第2の伝送経路を経由して、基準アナログ信号を受信する。波形デジタイザ46は、受信した信号をデジタル変換して基準デジタル信号を生成し、デジタル信号処理部42に出力する。
デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46から基準デジタル信号を受信すると、メモリ44から波形デジタイザ46の補償係数を読み出し、受信した信号から波形デジタイザ46により生じる歪みを除去する。さらに、デジタル信号処理部42は、波形デジタイザ46の歪みを除去した信号を解析して、任意波形発生器48を同定する。デジタル信号処理部42は、同定して算出した任意波形発生器48の歪み補償係数をメモリ44に格納してもよい。
歪同定部440は、任意波形発生器48を同定する場合には、任意波形発生器48の補償に用いる補償係数を、負荷72の種類毎に算出してもよい。また、歪同定部440は、半導体試験装置10の温度毎に補償係数を予め算出してもよい。さらに、歪同定部440は、任意波形発生器48の補償に用いる補償係数を、任意波形発生器48の出力電流ごとに算出してもよい。歪同定部440は、負荷72の種類、半導体試験装置10の温度、および、出力電流のいずれか、または、これらの組み合わせに対応する補償係数をテーブル化した上でメモリ44に格納してもよい。
また、信号補償部460は、被試験デバイス80を試験する場合に、負荷72の種類または任意波形発生器48の出力電流に対応する補償係数を用いて、試験信号の補償に用いる補償係数を選択してもよい。また、信号補償部460は、被試験デバイス80の特性、または、被試験デバイス80の試験条件に応じて、補償係数を選択してもよい。さらに、信号補償部460は、半導体試験装置10の温度に応じて、補償係数を選択してもよい。
図28は、経路切替部60に係る他の実施の形態を示す。第1の伝送経路は、スイッチ64およびスイッチ66の間に、雑音除去フィルタ74と直列にレベル変換器76を有する。第2の伝送経路は、スイッチ64およびスイッチ66の間にレベル変換器78を有する。レベル変換器76は、増幅率の変更が可能な増幅器であってよく、レベル変換器78は、減衰率の変更が可能な減衰器であってよい。
波形デジタイザ46の入力振幅レンジが最大限に利用されると、波形デジタイザ46において精度よく測定できる。従って、波形デジタイザ46の入力振幅レンジに対して、任意波形発生器48の出力振幅レンジが不足している場合には、波形デジタイザ46における測定精度が低下する。逆に、波形デジタイザ46の入力振幅レンジに対して、任意波形発生器48の出力振幅レンジが過大である場合にも、波形デジタイザ46における測定精度が低下する。
そこで、波形デジタイザ46の入力振幅レンジおよび任意波形発生器48の出力振幅レンジに応じて、レベル変換器76およびレベル変換器78の増幅率または減衰率を変化させることにより、任意波形発生器48が出力する信号を増幅または減衰させてよい。なお、波形デジタイザ46の入力振幅レンジと任意波形発生器48の出力振幅レンジとが一致するべく、任意波形発生器48が出力する信号を増幅または減衰させることが好ましい。
例えば、半導体試験装置10は、波形デジタイザ46の入力振幅レンジに対して任意波形発生器48の出力振幅レンジが小さい場合には、レベル変換器76の増幅率を上げた上で、波形デジタイザ46の同定をしてよい。また、半導体試験装置10は、波形デジタイザ46の入力振幅レンジに対して任意波形発生器48の出力振幅レンジが大きい場合には、レベル変換器78の減衰率を大きくした上で、任意波形発生器48の同定をしてよい。
図29は、波形デジタイザ46および任意波形発生器48の同定に用いる基準信号の一例を示す。任意波形発生器48は、信号出力制御部450が生成する基準デジタル信号をアナログ信号に変換することにより、基準アナログ信号を生成する。信号出力制御部450は、メモリ44から読み込んだ波形データに基づいて、基準デジタル信号を生成し、任意波形発生器48に出力してよい。さらに、信号出力制御部450は、補償信号生成部480に補償係数が設定された状態で、任意波形発生器48に基準信号を出力してもよい。
図29において、上段の波形は、基準信号に含まれる同定用信号を示す。信号出力制御部450は、信号送出を開始してからT秒間に渡って、例えば1MHzの余弦波を含む同期用デジタル信号を送出してよい。続いて、信号出力制御部450は、一定の測定サイクル(例えば、T秒)ごとに周波数を順次f、f、fと変化させながら、同定用デジタル信号を任意波形発生器48に送出する。任意波形発生器48は、信号出力制御部450から受信したデジタル信号をアナログ変換して、図29に示す基準信号を生成する。
デジタル信号処理部42は、データ抽出部420において、波形デジタイザ46を経由して基準信号を受信する。データ抽出部420は、基準信号の先頭部に含まれる内部同期信号に同期した、周波数1MHzの余弦波を内部で生成する。図29に、内部で生成した内部同期信号を示す。データ抽出部420は、生成した内部同期信号をカウントすることにより、同定用信号を解析するタイミングを検出する。
同定用信号の位相は、内部同期信号の位相に同期するものであってもよい。つまり、同定用信号の振幅が最大になるタイミングで、内部同期信号の振幅が最大になる位相関係を有していてもよい。また、測定サイクルにおける同定用信号の周期は、測定サイクルの整数分の1となってもよい。さらに、信号出力制御部450は、各測定サイクルに含まれる基準信号の波数が整数となるように、それぞれの測定サイクルの期間を制御してもよい。つまり、同定用信号の周波数は、内部同期信号の周波数の整数倍であってもよい。
データ抽出部420は、波形デジタイザ46から基準信号を受信すると、内部同期信号の先頭を検出すると共に、内部同期信号のカウントを開始する。データ抽出部420は、内部同期信号の先頭から所定時間の経過後、各測定サイクルの開始タイミングから一定の待機期間(GI)が経過した後に、受信した基準信号に含まれるデータの抽出を開始する。データ抽出部420は、基準信号が推移する信号周期のうち、最大の信号周期以上の期間を待機期間としてよい。また、データ抽出部420は、基準信号が推移する各信号周期の公倍数の期間を待機期間としてもよい。各測定サイクルが不連続に切り替わるタイミングの前後に待機期間を設けることにより、解析する信号に複数の異なる周波数の基準信号が含まれないので、同定の精度が高まるという効果がある。
さらに、データ抽出部420は、データの抽出を開始してから所定時間の経過後、データの抽出を終了する。データ抽出部420は、各測定サイクルにおいて、待機期間が経過してから、当該測定サイクルの終了タイミングまでの期間において、基準信号の周期の整数倍に相当するデータ数のデータを抽出してもよい。さらに、信号出力制御部450は、それぞれの測定サイクルにおける各信号周期が、待機期間が経過してから測定サイクルが終了するまでの期間に相当する解析期間の整数分の1となる基準信号を出力してもよい。
歪同定部440は、データ抽出部420が抽出したデータを受けて、データの周波数毎の非線形歪を検出する。具体的には、基準スペクトル算出部442が、受信した基準信号に含まれるスペクトルを算出する。たとえば、基準スペクトル算出部442は、それぞれの周波数の同定用信号に含まれている2次高調波と、3次高調波の周波数特性を算出してもよい。さらに、基準スペクトル算出部442は、各測定サイクルの整数倍の期間におけるデジタル信号のデータを取得してフーリエ変換をしてもよい。
図30は、基準スペクトル算出部442が算出した2次高調波および3次高調波の周波数特性を示す。同図の上段は、周波数がf、f、f、および、fである同定用信号の2次高調波のスペクトルが、2f、2f、2f、2fの周波数に現われていることを示す。同図の下段は、周波数がf、f、f、および、fである同定用信号の3次高調波のスペクトルが、3f、3f、3f、3fの周波数に現われていることを示す。ここで、f、f、f、および、fは、それぞれ1MHz、10MHz、100MHz、および、1HGzであってよい。
半導体試験装置10は、さまざまな周波数成分を含む信号を高精度で測定するには、できるだけ多くの周波数に対する補償係数を算出し、保持することが望ましい。その一方で、半導体試験装置10が保持する補償係数の数を増やすと、同定に要する時間が長くなると共に、補償係数を格納するメモリ量が増大する。そこで、半導体試験装置10は、基準信号が推移した各周波数の間における周波数と非線形歪との関係を補完した歪補間情報を、歪同定部440が検出した周波数毎の非線形歪に基づいて生成してもよい。
たとえば、基準信号に含まれているf、f、f、および、f以外の周波数に対しては、f、f、f、および、fの2次高調波および3次高調波の振幅に基づいて補間値を生成し、生成した補間値を用いて補償係数を算出してもよい。図30において、f、f、f、および、fの2次高調波および3次高調波スペクトルの矢印の先端を結ぶ点線が、補間したスペクトルの振幅を示す。補間方法としては、スプライン補間、スプライン回帰、非線形二乗法を使用してよく、その他の方法を使用してもよい。歪算出部449は、算出した歪補間情報を用いて算出した補償係数をメモリ44に格納してよい。
図31は、歪補間情報を算出する歪算出部449を設けたデジタル信号処理部42を示す。歪算出部449は、基準信号が推移した複数の周波数とは異なる周波数のアナログ信号がデジタイザに入力された場合に、波形デジタイザ46において生じる非線形歪を、歪同定部440が検出した周波数毎の非線形歪に基づいて算出してよい。
ところが、本例においては、fとf2との周波数間隔に比べると、f3とf4との周波数間隔の方が大きいので、f3とf4との間の周波数では、補間精度が下がる場合がある。そこで、歪算出部449は、基準信号の周波数を対数に変換して、歪補間情報を生成してもよい。図32は、周波数軸を対数に変換した場合の、f、f、f、および、fの2次高調波および3次高調波スペクトルを示す。歪算出部449が基準信号の周波数を対数に変換して歪補間情報を生成することにより、各周波数の間隔が略均等になり、周波数によらず略同等の精度で補間できる。
以上の実施の形態においては、2次高調波および3次高調波を低減するキャリブレーションの方法について説明した。他の実施の形態として、さらに高次の高調波成分による非線形歪から順次検出して、それぞれの高調波成分に対応する補償係数を算出してもよい。式(4)ないし式(7)で示した非線形歪の多項式展開において5次高調波まで考慮すると、入力信号がVin(t) = M0*Cos(2πf0t + θ0)の場合に、出力電圧は以下のようになる。
Figure 2010117338
これより、入力信号の振幅をH1=GM0・A1とすると、直流成分、2次高調波成分、3次高調波成分、4次高調波成分、および、5次高調波成分の振幅を以下のように近似できる。
Figure 2010117338
これらの関係から、多項式係数A1〜A5を同定して補償係数を算出してもよい。
なお、3次高調波成分は基本波に混在すると共に、5次高調波成分は3次高調波に混在しているので、より高次のスペクトルから順次同定することが好ましい。たとえば、5次高調波スペクトルを|G5|exp( j・q5)と表すと、
Figure 2010117338
(23)
となり、基本波に対して位相が5倍になっている。ただし、スペクトルから算出できる位相は主値のみなので、実際の角度に2πの整数倍の角度が加算されていることを検出できない。つまり、スペクトルから求められた位相q5を5分の1にしてもφ5にならない可能性がある。
ここで、φ5が取り得る値の範囲を
Figure 2010117338
(24)
とすると、q5が取り得る値の範囲は、
Figure 2010117338
(25)
となる。そこで、この範囲で位相を探索してもよい。つまり、nを整数とすると、
Figure 2010117338
として、式(25)の範囲で変化させて最適値を探索してもよい。たとえば、取り得る値を用いて多項式補償を行い、5次高調波成分に起因する歪み成分、つまり、5次高調波歪みと3次高調波歪みが共に最小値となる値が最小になる値を最適値としてよい。4次高調波および2次高調波についても同様の手順で最適値を求められる。
他の実施の形態として、2次高調波および3次高調波を補償する同定処理を繰り返すことによって、さらに高次の高調波歪みを除去してもよい。たとえば、2次高調波および3次高調波を補償する同定処理を行った任意波形発生器48が生成する信号を、波形デジタイザ46の同定処理に用いることが考えられる。同定用信号の歪みが小さくなると、同定処理の精度が高まり、補償後の信号の歪みが低減する。従って、半導体試験装置10は、任意波形発生器48が出力する補償後の信号を雑音除去フィルタ74で整形した信号を用いて波形デジタイザ46を同定すれば、より高次の高調波歪みを低減させることができる。
以上の説明においては、図20に示す、線形歪みの発生源が単一の非線形歪み発生モデルを用いて、同定処理アルゴリズムを説明した。同定処理アルゴリズムの適用範囲は、上記モデルに限定されるものではなく、他の非線形歪み発生モデルにおいても適用できる。
図33は、複数の線形歪みおよび非線形歪みが混在するシステム600の非線形歪み発生モデルを示す。例えば、システム600は、図1に示す任意波形発生器48内の回路において発生する線形歪みおよび非線形歪みの発生モデルであってよい。図33において、システム600への入力信号dは、アンプ500において振幅がM倍された後、非線形アンプ502、フィルタ504、非線形アンプ506、および、フィルタ508を経由して出力される。フィルタ504およびフィルタ508は、それぞれの入力信号に線形歪みを発生させる。
例えば、システム600への入力信号dは、デジタル信号処理部42が生成する基準デジタル信号116をアナログ変換した基準アナログ信号118であってよい。また、システム600からの出力信号yは、任意波形発生器48が出力する信号であってよい。
デジタル信号処理部42は、出力信号yに基づいて同定処理を実行して、非線形歪みに対する補償係数を算出する。デジタル信号処理部42は、任意波形発生器48に対して試験信号を出力する場合には、算出した補償係数を用いて生成した2次高調波成分および3次高調波成分を補償するプリディストーション信号に基づいて、試験信号を生成してよい。以下、デジタル信号処理部42がシステム600の同定を行う手順を説明する。
システム600において、非線形アンプ502は、非線形アンプ502への入力信号xに非線形歪みを生じさせ、
Figure 2010117338
を出力する。非線形アンプ506は、非線形アンプ506への入力信号xに非線形歪みを生じさせ、
Figure 2010117338
を出力する。
ここで、フィルタ504が出力する信号のスペクトラムの基本波成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分のそれぞれは、次のように表される。
Figure 2010117338
Figure 2010117338
Figure 2010117338
さらに、フィルタ508が出力する信号のスペクトラムの基本波成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分のそれぞれは、次のように表される。
Figure 2010117338
Figure 2010117338
(26)
Figure 2010117338
(27)
ここで、補償係数の算出にあたって、システム600の構成要素を置き換える。図34は、図33のシステム600の構成要素を置き換えた等価のシステム610を示す。同図において、非線形システム部510は、アンプ500、非線形アンプ502、および、非線形アンプ506を置き換えたモデルである。線形システム部512は、フィルタ504およびフィルタ508を置き換えたモデルである。非線形システム部510は、入力信号dに非線形歪みを生じさせ、
Figure 2010117338
を出力する。
デジタル信号処理部42は、所定の周波数の余弦波dを入力した時の出力信号yに基づいて、システム610において生じる非線形歪みを同定して、補償係数α2およびα3を算出する。デジタル信号処理部42は、算出した補償係数α2およびα3に基づいてプリディストーション信号を生成してよい。デジタル信号処理部42は、生成したプリディストーション信号をシステム610への入力信号に用いることにより、非線形システム部510および線形システム部512において生じる非線形歪みおよび線形歪みを補償することができる。
デジタル信号処理部42は、同定処理において、まず、線形システム部512により生じる歪みを補正する。線形システム部512が出力する信号のスペクトラムの基本波成分、2次高調波成分、および、3次高調波成分のそれぞれは、次のように表される。
Figure 2010117338
(28)
Figure 2010117338
(29)
Figure 2010117338
(30)
ここで、デジタル信号処理部42は、出力信号yに含まれる2次高調波成分および3次高調波成分のそれぞれに、R(ω)/R(2ω)およびR(ω)/R(3ω)の線形補正係数を乗算することにより、線形システム部における線形歪みを正規化する。
具体的には、非線形システム部510の出力信号に含まれる2次高調波信号および3次高調波信号の振幅は、出力信号yに含まれる2次高調波信号および3次高調波信号の振幅に、線形補正係数を乗じることにより算出される。つまり、基本波成分をY(ω)=R(ω)とすると、非線形システム部510の出力信号に含まれる2次高調波信号の振幅は、
Figure 2010117338
(31)
と表される。また、非線形システム部510の出力信号に含まれる3次高調波信号の振幅は、
Figure 2010117338
(32)
と表される。すると、式(31)および式(32)より、非線形歪みの補償係数α2およびα3は、
Figure 2010117338
(33)
Figure 2010117338
(34)
と算出される。
以下、式(33)および式(34)に示される補償係数を用いてプリディストーション信号を生成することにより、デジタル信号処理部42が、システム600において生じる非線形歪みおよび線形歪みを補償できることを示す。プリディストーション信号は、
Figure 2010117338
(35)
により表される。式(26)、式(29)、および、式(33)より、プリディストーション信号がシステム600に入力された場合に生じる2次高調波歪みは、
Figure 2010117338
と算出される。また、式(27)、式(30)、および、式(34)より、プリディストーション信号がシステム600に入力された場合に生じる3次高調波歪みは、
Figure 2010117338
と算出される。Y(2ω)およびY(3ω)が0であることから、デジタル信号処理部42は、プリディストーション信号をシステム600に入力することにより、非線形歪みおよび線形歪みを補償することができることがわかる。
以上の通り、図20から図24を用いて説明した同定処理は、信号経路が非線形デバイスおよび線形デバイスが多段に存在する構成にも、適用できることが明らかになった。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 半導体試験装置、20 制御部、40 試験部、42 デジタル信号処理部、44 メモリ、46 波形デジタイザ、48 任意波形発生器、60 経路切替部、62 スイッチ、64 スイッチ、66 スイッチ、68 スイッチ、70 スイッチ、72 負荷、74 雑音除去フィルタ、76 レベル変換器、78 レベル変換器、80 被試験デバイス、202 CPU、204 メモリ、206 波形発生制御部、420 データ抽出部、430 判定部、440 歪同定部、442 基準スペクトル算出部、444 基準データ変換部、446 歪検出部、447 基本波位相検出部、448 位相回転部、449 歪算出部、450 信号出力制御部、460 信号補償部、470 解析信号生成部、472 対象データ変換部、474 対象スペクトル算出部、476 帯域制限部、478 逆フーリエ変換部、480 補償信号生成部、482 べき乗部、484 係数乗算部、490 補償部、492 位相補償部、494 データ逆変換部、500 アンプ、502 非線形アンプ、504 フィルタ、506 非線形アンプ、508 フィルタ、510 非線形システム部、512 線形システム部、600 システム、610 システム

Claims (33)

  1. 入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するデジタイザと、基準アナログ信号が前記デジタイザに与えられた場合に、前記デジタイザが生成する基準デジタル信号に生じる非線形歪を同定する歪同定部とを備える信号処理装置であって、
    前記歪同定部は、
    前記基準デジタル信号のスペクトルを算出する基準スペクトル算出部と、
    前記基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、前記基準デジタル信号の前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える基準データ変換部と、
    前記基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記スペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による前記基準デジタル信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部と
    を有する信号処理装置。
  2. 前記データ変換部は、前記第1ナイキスト領域において、それぞれの前記高調波成分の周波数が、高調波の次数ごとに予め定められた周波数となるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記データ変換部は、前記基本波成分が、前記スペクトルの1番目の周波数ビンに移動し、N次の前記高調波成分が、前記スペクトルのN番目の周波数ビンに移動するように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記データ変換部は、
    前記基準スペクトル算出部が算出した前記スペクトルにおける前記基本波成分の周波数ビン数のk倍の周波数ビン数における周波数成分を、データを並べ替えた後の前記スペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分とし、
    且つ、
    前記基本波成分の周波数ビン数のk倍が、前記スペクトルにおける最大周波数ビン数を超えた場合には、前記基本波成分の周波数ビン数のk倍から、前記最大周波数ビン数に応じた値を減算した値に対応する周波数ビン数の周波数成分を、データを並べ替えた後の前記スペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分とする
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記基準スペクトル算出部が算出する前記スペクトルに基づいて、前記基準デジタル信号の基本波成分の位相を検出する基本波位相検出部と、
    前記基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記スペクトルにおいて、各周波数成分の位相を、前記基本波成分の位相に基づいて回転させる位相回転部と
    を更に備える請求項1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
  6. 前記歪検出部は、
    前記位相回転部が出力する前記スペクトルにおける、前記所定の次数の各高調波成分の位相に基づいて、各高調波成分による非線形歪の位相成分をそれぞれ検出し、
    前記位相回転部が出力する前記スペクトルにおける、前記基本波成分の振幅と、前記所定の次数の各高調波成分の振幅とに基づいて、各高調波成分による非線形歪の振幅成分をそれぞれ検出する
    請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 前記歪検出部は、より高次の高調波成分による非線形歪から順次検出する
    請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 前記歪検出部は、それぞれの高調波成分による非線形歪を、当該高調波成分、および、より高次の高調波成分に基づいて検出する
    請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 前記データ変換部は、前記基準デジタル信号のデータを、時間軸で並べ替えて前記基準スペクトル算出部に供給することで、前記基準スペクトル算出部が出力する前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える
    請求項1から8のいずれかに記載の信号処理装置。
  10. 前記基準スペクトル算出部は、前記基準デジタル信号の周期の整数倍の期間における前記デジタル信号のデータを取得してフーリエ変換する
    請求項1から9のいずれかに記載の信号処理装置。
  11. 前記デジタイザが生成する前記デジタル信号を、前記歪同定部が前記基準デジタル信号に基づいて予め同定した前記非線形歪に応じて補償することで、前記デジタイザで生じた前記デジタル信号の非線形歪を補償する信号補償部を更に備え、
    前記信号補償部は、
    前記デジタル信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記デジタル信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記デジタル信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    を有し、
    前記解析信号生成部は、
    前記デジタル信号のデータを、時間軸で並べ替えて周波数を変換する対象データ変換部と、
    前記対象データ変換部で周波数を変換されたデータをフーリエ変換して前記デジタル信号の補償前スペクトルを算出する対象スペクトル算出部と、
    前記対象データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを逆フーリエ変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    を有する請求項1から10のいずれかに記載の信号処理装置。
  12. 前記デジタイザが生成する前記デジタル信号を、前記歪同定部が前記基準デジタル信号に基づいて予め同定した前記非線形歪に応じて補償することで、前記デジタイザで生じた前記デジタル信号の非線形歪を補償する信号補償部を更に備え、
    前記信号補償部は、
    前記デジタル信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記デジタル信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記デジタル信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    を有し、
    前記解析信号生成部は、
    前記デジタル信号をフーリエ変換して、前記デジタル信号の補償前スペクトルを算出する対象スペクトル算出部と、
    前記デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルの第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルの各周波数成分を並べ替える対象データ変換部と、
    前記対象データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを逆フーリエ変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    を有する請求項1から10のいずれかに記載の信号処理装置。
  13. 前記補償信号生成部は、
    前記デジタル信号における前記所定の次数の各高調波成分に対応して、前記次数に応じて前記解析信号をべき乗したべき乗信号を生成するべき乗部と、
    それぞれの前記べき乗信号に、前記歪検出部が同定した各高調波成分による前記非線形歪に応じた係数を乗算して、前記補償信号を生成する係数乗算部と
    を有する請求項11または請求項12に記載の信号処理装置。
  14. 前記解析信号生成部が生成した前記解析信号の位相を、それぞれの前記高調波成分の位相に対応してそれぞれ補償した複数種類の前記解析信号を生成して、前記べき乗部に供給する位相補償部を更に備え、
    前記べき乗部は、それぞれの前記解析信号を、対応する前記高調波成分の次数に応じてべき乗する
    請求項13に記載の信号処理装置。
  15. 前記補償部が出力する前記デジタル信号の補償後スペクトルにおける各成分の周波数が、前記対象データ変換部により移動された元の周波数となるように、前記補償後スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ逆変換部を更に備える
    請求項14に記載の信号処理装置。
  16. 前記対象データ変換部は、前記第1ナイキスト領域において、それぞれの前記高調波成分の周波数が、高調波の次数ごとに予め定められた周波数となるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える
    請求項15に記載の信号処理装置。
  17. 前記対象データ変換部は、前記基本波成分が、前記補償前スペクトルの1番目の周波数ビンに移動し、N次の前記高調波成分が、前記補償前スペクトルのN番目の周波数ビンに移動するように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える
    請求項16に記載の信号処理装置。
  18. 前記対象データ変換部は、
    前記補償前スペクトルにおける前記基本波成分の周波数ビン数のk倍の周波数ビン数における周波数成分を、データを並べ替えた後の前記補償前スペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分とし、
    且つ、
    前記基本波成分の周波数ビン数のk倍が、前記補償前スペクトルにおける最大周波数ビン数を超えた場合には、前記基本波成分の周波数ビン数のk倍から、前記最大周波数ビン数に応じた値を減算した値に対応する周波数ビン数の周波数成分を、データを並べ替えた後の前記補償前スペクトルにおけるk番目の周波数ビンの周波数成分とする
    請求項17に記載の信号処理装置。
  19. 前記信号補償部は、前記デジタイザが生成する前記デジタル信号の直流成分を検出して、前記デジタル信号から差し引いてから前記非線形歪を補償し、補償した前記デジタル信号に対して、前記直流成分を付加する
    請求項11に記載の信号処理装置。
  20. 外部から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するデジタイザと、前記デジタイザが生成する前記デジタル信号における非線形歪を補償する信号補償部とを備える信号処理装置であって、
    前記信号補償部は、
    前記デジタル信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記デジタル信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記デジタル信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    を有し、
    前記解析信号生成部は、
    前記デジタル信号をフーリエ変換することで、前記デジタル信号の補償前スペクトルを算出する対象スペクトル算出部と、
    前記デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える対象データ変換部と、
    前記対象データ変換部が出力する前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    を有する信号処理装置。
  21. 前記信号処理装置は、
    所定の波形を有するアナログ信号を外部に出力する波形発生器と、
    前記波形発生器が出力する前記アナログ信号に生じる非線形歪を同定する歪同定部と
    を更に備え、
    前記歪同定部は、
    前記デジタイザの前記補償信号生成部に、前記補償信号の生成に用いる係数が設定された状態で、前記波形発生器に所定の基準信号を出力させる信号出力制御部と、
    前記基準信号に応じて前記デジタイザが出力する基準デジタル信号のスペクトルを算出する基準スペクトル算出部と、
    前記基準デジタル信号の基本波成分および高調波成分が、前記基準デジタル信号の前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を周波数軸で並べ替える基準データ変換部と、
    前記基準データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記スペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による前記基準デジタル信号の非線形歪を検出し、検出した非線形歪を、前記波形発生器で生じた非線形歪として算出する歪検出部と
    を有する請求項20に記載の信号処理装置。
  22. 所定の波形を有するアナログ信号を外部に出力する波形発生器と、前記波形発生器が生成する前記アナログ信号における非線形歪を補償する信号補償部とを備える信号処理装置であって、
    前記信号補償部は、
    前記アナログ信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記アナログ信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記アナログ信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    を有し、
    前記解析信号生成部は、
    前記アナログ信号の補償前スペクトルを算出する対象スペクトル算出部と、
    前記アナログ信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替える対象データ変換部と、
    前記対象データ変換部が出力する前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    を有する信号処理装置。
  23. 被試験デバイスを試験する試験システムであって、
    前記被試験デバイスと信号を受け渡す、請求項1から21のいずれかに記載の信号処理装置と、
    前記信号処理装置が受け取った前記被試験デバイスの出力信号に基づいて、前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と
    を備える試験システム。
  24. 対象信号における非線形歪を検出する歪検出装置であって、
    前記対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記スペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による前記対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部と
    を備える歪検出装置。
  25. 対象信号における非線形歪を補償する信号補償装置であって、
    前記対象信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記対象信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記対象信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    を備え、
    前記解析信号生成部は、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号の補償前スペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部が出力する前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    を有する信号補償装置。
  26. 対象信号のサンプリング結果に基づいて、前記対象信号の解析信号を生成する解析信号生成装置であって、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部が出力するスペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力するスペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する解析信号生成部と
    を備える解析信号生成装置。
  27. コンピュータを、対象信号における非線形歪を検出する歪検出装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部により各周波数成分が並べ替えられた前記スペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による前記対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出部と
    して機能させるプログラム。
  28. コンピュータを、対象信号における非線形歪を補償する信号補償装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記対象信号の解析信号を生成する解析信号生成部と、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記対象信号の非線形歪を補償する補償信号を生成する補償信号生成部と、
    それぞれの補償信号を、前記対象信号から減じることで、前記非線形歪を補償する補償部と
    して機能させ、
    前記コンピュータの前記解析信号生成部を、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号の補償前スペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部が出力する前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力する前記補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する逆フーリエ変換部と
    して機能させるプログラム。
  29. コンピュータを、対象信号のサンプリング結果に基づいて、前記対象信号の解析信号を生成する解析信号生成装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号のスペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替えるデータ変換部と、
    前記データ変換部が出力するスペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去する帯域制限部と、
    前記帯域制限部が出力するスペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する解析信号生成部と
    して機能させるプログラム。
  30. 請求項27から29のいずれかに記載のプログラムを記憶した
    記憶媒体。
  31. 対象信号における非線形歪を検出する歪検出方法であって、
    前記対象信号のスペクトルを算出し、
    前記対象信号のスペクトルに基づいて、前記対象信号の基本波成分の位相を検出し、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、
    各周波数成分を並べ替えた前記スペクトルにおいて、各周波数成分の位相を、前記基本波成分の位相に基づいて回転させ、
    各周波数成分の位相を回転させた前記スペクトルにおいて、所定の次数の各高調波成分に基づいて、各高調波成分による前記対象信号の非線形歪をそれぞれ検出する歪検出方法。
  32. 対象信号における非線形歪を補償する信号補償方法であって、
    前記対象信号の解析信号を生成し、
    前記解析信号をべき乗した信号に基づいて、前記対象信号の非線形歪を補償する補償信号を生成し、
    係数が乗算されたそれぞれの補償信号を、前記対象信号から減じることで、前記非線形歪を補償し、
    前記解析信号を生成するときに、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号の補償前スペクトルを算出し、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記補償前スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記補償前スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記補償前スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、
    前記補償前スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去し、
    前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去した前記補償前スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する信号補償方法。
  33. 対象信号のサンプリング結果に基づいて、前記対象信号の解析信号を生成する解析信号生成方法であって、
    前記対象信号の信号レベルを所定の周期でサンプリングして得られたサンプリングデータをフーリエ変換することで、前記対象信号のスペクトルを算出し、
    前記対象信号の基本波成分および高調波成分が、前記スペクトルの第1ナイキスト領域に含まれ、且つ、前記基本波成分および前記高調波成分のイメージ成分が、前記スペクトルにおける第2ナイキスト領域に含まれるように、前記スペクトルにおける各周波数成分を並べ替え、
    各周波数成分を並べ替えた前記スペクトルにおいて、前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去し、
    前記第2ナイキスト領域の周波数成分を除去した前記スペクトルを時間領域の信号に変換して、前記解析信号を生成する解析信号生成方法。
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