JP2010117226A - ラマン分光測定装置および測定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過性の薄膜試料の深さ方向解析に必要な界面情報を付与するために微弱なラマン散乱光を検出器で測定しつつ、微弱な界面反射情報を含んだレイリー光を同一の1系統の検出光学系により検出可能な測定装置および測定方法を提供する。
【解決手段】ラマン分光測定装置において、油浸レンズである対物レンズ34と膜試料1の間に膜試料1の対象膜の屈折率との屈折率差が0.01以上、0.04以下のエマルジョンオイルが充填され、対物レンズ34のNAが1.2以上となる油浸レンズと前記エマルジョンオイルの組み合わせであり、膜試料1からのレイリー反射光の一部を測定可能に検出部36に導くか、膜試料1からのレイリー反射光を遮断して散乱光を検出部36に導くか、のいずれかに選択可能なフィルター光学素子が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ラマン分光測定装置及び測定法に関し、特に、光透過性の膜試料からのレイリー反射光を受光すると共に、試料に光を当てた時に生じるラマン散乱光を共焦点光学系により検出するラマン分光測定装置及び測定法に関する。
近年、画像形成装置の高速化、小型化及びカラー化が急速に進行する中、電子写真感光体開発の潮流はデバイスへの高機能付加へと向かっており、高感度・高耐久の観点からサブミクロンサイズでの電子写真感光体膜の構造解析の必要性が生じている。
これまでの一般的な物質の深さ方向分析を行う方法としては、従来から、X線マイクロアナリシス(EPMA:electron probe micro-analyzer)、X線光電子分光(XPS:x-ray photoelectron spectroscopy)、2次イオン質量分析(SIMS:secondary ion mass spectroscopy)、ラザフォード後方散乱(RBS:Rutherford backscattering spectrometry)、フーリエ変換赤外分光(FT−IR:Fourier transform Infrared spectroscopy)、ラマン分光等が用いられて来たが、電子写真感光体における厚さ5〜40μm膜の表面から深さ方向への分析となると、試料調整を必要としない状況下で応用出来る方法は限られ、空気中常圧下で使用できるものとして共焦点レーザ蛍光法、共焦点レーザラマン分光法などの測定法があるが、材料に対する適用範囲の広さから、特に走査型プローブ顕微鏡技術の一種である共焦点レーザラマン分光法及び装置が用いられてきた。
ところで光学顕微鏡観察では、試料に光を均一に照射した光をレンズで集光して観察を行っている。通常の光学顕微鏡光学系を組み合わせたラマン分光測定装置で厚みの有る光透過性の膜試料を用いてその深さ方向に分析を行う場合には焦点面のラマン散乱光に非焦点からのラマン散乱光が重なってしまい、その結果、抽出された情報は焦点位置近傍と非焦点の情報を同時に含むような滲みが生じ、これが原因でラマン分光測定装置の空間分解能が低下していた。
このような問題を解決するために、共焦点顕微鏡光学系を用いた共焦点レーザラマン分光測定装置が開発され、深さ方向計測の有力な測定手法として注目されてきた。
共焦点顕微鏡光学系では焦点部からのレイリー反射光、或いはラマン散乱光(レーザなどの単色光を物体に照射すると、その入射光と異なる波長の散乱光が観測される。ここで入射光と等しい波長の散乱光をレイリー散乱光(弾性散乱光)と呼び、一方、入射光と波長の異なる散乱光(非弾性散乱光)をラマン散乱光と呼ぶ。)を、対物レンズ焦点面と光学的に共役となる様に配置したレンズ及びピンホールに透過させることにより試料焦点部からの光のみを検出する為、深さ方向の空間分解能が得られる。この状態で試料位置を膜の深さ方向に移動することに依って深さ方向プロファイルが得られるようになる。
入射光に対して観測されるラマン散乱光は、物質に特有のものであり、この散乱光のスペクトルを調べると、その物質を特定することが出来る。また共焦点光学系は、膜の深さ方向のプロファイルをミクロン単位で測定することが可能である。この二つの機能を用いて、膜構造解析を行うことが近年行われている。
但し、一般の乾燥系の対物レンズでは膜中で屈折率差に伴う収差の影響によりビーム径が拡がり、表面に対して膜中で励起光エネルギー(空間分解能)が低下するという問題が存在していた。
この問題を解決する方法として、ビーム径の拡がりを押さえ、膜中の励起エネルギーと空間分解能の低下を押さえる、所謂、インデックス(屈折率)マッチングという技術が存在している。これにより前述の諸問題は解決できるが、媒質と膜の屈折率差が小さくなる(インデックスマッチングさせる)ということは、例えば、水(屈折率1.33)の中の氷(屈折率1.309)や、油(屈折率1.54)の中のガラスコップ(屈折率1.52)の様に界面が透明になってしまうことを意味しており、これに依って、膜測定を行う場合、反射界面情報を含む界面での光学的な反射光の取得が逆に非常に困難になっていた。
例えば、インデックスマッチングさせる為の油浸レンズとエマルジョンオイルを用いた光学系において、表面層の屈折率を凡そ1.545、エマルジョンオイルの屈折率を1.516とした場合の表面層界面での反射率は凡そ0.006%(入射励起光波長に対して消光係数κ=0の時、反射率=(1.545−1.516)/(1.545+1.516)=0.00006)となり、専用の精密反射率測定装置を用いたとしても測定が困難な反射率となってくる。
但し、世の中にはこの様な微弱光を高いSNで検出できる光学系が既に存在しており、それが蛍光の14桁ほど効率が悪いといわれるラマン散乱光を検出できる、ラマン分光分析用の測定光学系となる。
ところで、共焦点顕微光学系を用いない一般的な顕微ラマン装置では、数十ミクロンメーターの空間分解能を有し、大気常圧下で非破壊/非接触の測定が可能である。
一方、共焦点レーザラマン分光測定装置は、高い空間分解能(Min:0.5〜2μm)であり、微小部の化学構造、結晶性、配向などに関する分析が可能である点が大きな特徴である。
通常、共焦点レーザラマン分光測定装置の場合、ラマン散乱光と比較して非常に強度の強いレイリー光が同じ光路を通って分光器や検出器に入る際はラマン散乱光を妨害して検出器を飽和させ、最悪の場合には高価な検出器が破壊される場合もある。この為、妨害光となるレイリー光を、レーザ光遮断光学素子を含めた遮断光学系などで除去し、桁違いに弱いラマン散乱光だけを分光器に入れる光学配置が採用されてきた。
具体的には妨害光となるレイリー散乱光を除去する分離光学素子やレーザ光遮断光学素子を備えた共焦点レーザラマン分光測定装置が提案されている。
この為、先の界面反射光(レイリー反射光)を直接ラマン測定光学系に導いても、その成分の殆どが前述のレーザ光遮断光学系にて減衰させられてしまうこととなる。
従来のラマン分光測定装置の一般的な構成では、例えば、図1に示すように、レーザ光源20より発せられたレーザ光束を集光レンズ21により集光させ、この集光レンズによる焦点上に第1のピンホール22を位置させ、このピンホールを透過した拡散する光束を、ダイクロイックミラーとなる分離光学素子23を介して第2の集光レンズ24に導き、この第2の集光レンズ24により、光束を膜試料1上に集光させる配置に構成されている。
その後、膜試料1上に集光された光束は、膜試料1からラマン散乱光を含んで反射され、第2の集光レンズ24を経て、集束しつつダイクロイックミラー23に戻る。ダイクロイックミラー23に戻った光は、ダイクロイックミラーの特性により、ラマン散乱光のみが検出手段である検出部26側に導かれる。
更に、この反射光はダイクロイックミラー23を通過して検出部26に導かれる前に一旦集光され、集光位置に第2のピンホール25が設置される。第1のピンホールと第2のピンホールとは、ダイクロイックミラーに対して共役な位置(ダイクロイックミラーを対称軸とする位置同士)となっている。
非特許文献1においてこれらの方法が提案されている。
この際、ダイクロイックミラーにより多くのレイリー光が除去されるため、試料となる光透過性の膜試料における界面情報を有したレイリー光を検出部で検出して利用する思想はこれまでの公知技術の中にはなかった。
通常装置での技術思想は、分離光学素子やレーザ光遮断光学素子を介設することによりラマン測定における妨害光であるレイリー光を効果的に除去して、高精度のラマン散乱光のみを測定することであったといえる。
例えば特許文献1には、ノイズとなるレイリー光を十分に遮断可能なレーザ光遮断光学素子が用いられている。特許文献1で用いられるノッチフィルターは、励起レーザ光波長の近傍の帯域において透過率が殆どゼロに近いため、ノッチフィルターを透過するレイリー光は殆ど観察されないため、このレイリー光を用いて微弱な反射光である膜の界面情報を取り出すことは不可能である(特許文献1参照)。
また特許文献2には、分光器の前段の光路上にレイリー光を遮断するノッチフィルターを配設して、ラマン散乱光を分光する前に予めレイリー光を除去するようにした装置構成が行われる方法が提案されている。
同様に、ラマン散乱光を集光する光学レンズの前面に、レイリー散乱光を除去する為のノッチフィルターを配設する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特許文献2でも、ノッチフィルターに依りレイリー光が効果的に除去される為、分光器を通して検出器でレイリー光が検出されることはない。
更に特許文献3には二種類のレーザ光をそれぞれ選択的に遮断するノッチフィルターを前後に配設することが提案されているが、前記文献同様にノッチフィルターによりレイリー光が効果的に除去される為、界面反射情報となるレイリー光を検出して利用することは出来ない。
考えられる既存の方法としては、膜に対する界面情報の付与の為に、エマルジョンオイルと膜表面との界面に目視で焦点を合わせる方法も考えられるが、この手法では人の目で反射率0.006%を確認することが不可能であり、レーザスポットの界面での散乱状態をCCDカメラとモニターで確認する場合も、常人がその変極点を見出すことは通常困難な作業である。
この様に、膜の表面情報を得たい場合、共焦点レーザラマン分光測定装置によってラマンスペクトルの深さ方向プロファイルが測定できたとしても、膜の界面情報が無いため、膜構造のどの界面部分からのラマン散乱光情報なのかを特定することはできず、膜構造解析など当初の目的を達成することが従来出来ていなかった。
また、共焦点ラマン測定の際に測定モードをレイリー光反射受光モードとラマン分光モードに切り替える機能を有する測定装置が知られている。この場合には、レイリー光の反射受光モードで反射強度のピークをサーチして一方の界面を探し、そこに焦点を合わせておき、スペクトルを測定する深さ方向座標位置を確認し乍らラマンスペクトルから膜構造のプロファイル測定することも行われてきた。
但し、前述した様に界面の反射率が低い場合は、レイリー光の反射受光モードで反射強度のピークを探って一方の界面に焦点を合わせることは容易ではない。
一方、ラマン散乱光を取得しない表面形状計測や表面観察の為のトポグラフィ機能を有する共焦点レーザ光学顕微鏡では、レーザ反射光(レイリー光)のみを検出して、その強度プロファイルより界面情報を取り出すことは可能であるが、膜の化学状態が測定可能なラマン散乱光を取得する光学系を使用する場合は、従来と異なるラマン測定光学系を用いない限りは、インデックスマッチングさせた場合の微弱な界面反射光を取得することは不可能であった。
従来公知の技術では、油浸レンズとエマルジョンオイルの組み合わせで被測定物となる対象膜の屈折率とエマルジョンオイルの屈折率が近い場合、界面の反射率が低くなるため膜の界面情報を含んだレイリー反射光が取得できず、光透過性の膜試料の解析に必須な界面情報を取り出しラマン測定結果に反映させることが困難であった。
ここで、インデックスマッチングさせた先の微弱な界面反射光(レイリー反射光)を、このラマン測定光学系の光検出手段に導くことにより、膜界面の界面情報を取得する技術が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、最近では厚さ数μm程度の薄膜を測定するため、より高い空間分解能が求められるようになってきており、特許文献4の技術をもってしてもこれに対処することは困難であった。
特開平6−3203号公報 特開平8−327550号公報 特開2004−341204号公報 特開2008−116432号公報 池原、西、:「共焦点レーザスキャン顕微鏡の活用」、機能材料、Vol.22、No.10、p20-25 (2002)
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、光透過性の薄膜試料の深さ方向解析に必要な界面情報を付与するために微弱なラマン散乱光を検出器で測定しつつ、微弱な界面反射情報を含んだレイリー光を同一の1系統の検出光学系により検出可能な測定装置および測定方法を提供することを目的とする。換言すれば、本発明は、ラマン散乱による材料分析の深さ位置方向のプロファイルを得ながら、これと連動してレイリー散乱による界面反射情報を加味することにより、膜中のどの位置のラマン散乱光かを同定可能とした装置および方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 レーザ光源と、試料にレーザ光を照射し前記試料からのレイリー反射光と散乱光を受光する分離光学素子及び油浸レンズである対物レンズを有し、該対物レンズと試料の間に前記試料の被測定物となる対象膜の屈折率との屈折率差が0.01以上、0.04以下のエマルジョンオイルが充填されてなる顕微光学系と、前記分離光学素子を経由した光における特定波長の光を透過するフィルター光学素子と、前記フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段と、前記分光された光の強度を検出する光検出手段と、を備え、前記対物レンズのNAが1.2以上となる油浸レンズと前記エマルジョンオイルの組み合わせであり、前記フィルター光学素子は、試料からのレイリー反射光の一部を測定可能に前記光検出手段に導くか、試料からのレイリー反射光を遮断して散乱光を前記光検出手段に導くか、のいずれかに選択可能に設けられることを特徴とするラマン分光測定装置。
〔2〕 前記顕微光学系は、焦点面と共役な関係にあるピンホールを備える共焦点顕微鏡光学系であることを特徴とする前記〔1〕に記載のラマン分光測定装置。
〔3〕 前記フィルター光学素子は、レイリー光と等価なレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子を抜き差し可能に有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載のラマン分光測定装置。
〔4〕 前記フィルター光学素子は、レイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子とを入れ替え可能に有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載のラマン分光測定装置。
〔5〕 前記レーザ光遮断光学素子は、ノッチフィルターおよび/またはエッジフィルターであることを特徴とする前記〔3〕または〔4〕に記載のラマン分光測定装置。
〔6〕 前記分離光学素子は、ダイクロイックミラーである前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のラマン分光測定装置。
〔7〕 前記レーザ光源のレーザ波長は、540nm以上、900nm以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のラマン分光測定装置。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のラマン分光測定装置を用い、前記フィルター光学素子を調整して試料からのレイリー反射光の一部を前記光検出手段に導き、被測定物の膜界面における反射光強度を検出し、前記ラマン分光による位置毎の分光データプロファイルと関連付けることを特徴とするラマン分光測定法。
本発明によれば、顕微光学系においてNAが1.2以上の対物レンズと試料の間にエマルジョンオイルを充填してインデックスマッチングさせた場合でも、前記試料の被測定物となる対象膜の屈折率とエマルジョンオイルとの屈折率差(対象膜の屈折率−エマルジョンオイル屈折率)が0.01以上、0.04以下の範囲にあり、前記フィルター光学素子は、試料からのレイリー反射光を遮断して散乱光を前記光検出手段に導くか、試料からのレイリー反射光の一部を散乱光とともに測定可能に前記光検出手段に導くかのいずれかに調整可能に設けられる装置構成としたので、光透過性の薄膜を有する被検体の膜構造解析において、微弱な界面反射光となるレイリー光を検出することができ、1系統の検出系でレイリー光とラマン散乱光の双方を受光でき、膜界面情報が付与されたサブミクロンサイズでの膜構造解析が可能な測定装置及び測定法を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明のラマン分光測定装置及びラマン分光測定方法を実施形態により詳細に説明する。
まず、本発明で膜試料(被検体)となる光透過性膜の構成として、代表的な感光層の事例を以下に挙げる。
図2は、アルミニウムドラム2上に中間層3と、その上に電荷発生層4と電荷輸送層5を順次形成した感光体ドラム(膜試料1)の層構成を示す図であり、電荷発生層4、電荷輸送層5により、感光層をなしている。
図2において、中間層3は、導電性基体に感光層を接着固定するバインダとしての機能をもち、帯電ムラ等の弊害を抑制するために「顔料の微細粒子」が含有されている。
図2において、電荷発生層4は、特定の波長の光照射により「正と負の電荷対」を発生させる層であり、電荷輸送層5は電荷発生層4で発生した正と負の電荷のうち、所定極性の電荷を感光層表面へ輸送する機能を持つ層である。
中間層3、電荷発生層4、電荷輸送層5の膜厚は好ましくはそれぞれ、2〜6μm、1μm以下、11〜35μm程度であり、従って、感光層としての好ましい厚さは12〜36μm程度となる。
中間層3の層厚は、上記のように、一般的に2〜6μmの範囲であるが、バインダとしての十分な機能や、導電性基体に対する光遮蔽効果を良好にならしめるために、中間層3の厚さは3μm以上であることが好ましい。
この内、本実施形態の装置または方法を、例えば光透過性の膜となる電荷輸送層5中の成分傾斜を解析する構造解析に使用するニーズがある。ここで、本実施形態の装置または方法では、レイリー光として、電荷輸送層5の表面と中間層3の表面(界面)の反射光を受光することが可能である。
つぎに、本発明に係るラマン分光測定装置の構成について説明する。
図3は、本発明に係るラマン分光測定装置の構成例を示す断面概略図である。図3(a)は、膜試料1からのレイリー反射光の一部を散乱光とともに測定可能に検出部36に導く構成を示しており、図3(b)は、膜試料1からのレイリー反射光を遮断して散乱光を検出部36に導く構成を示している。
図3に示すように、本発明のラマン分光測定装置は、レーザ光源(レーザ光源30)と、試料(膜試料1)にレーザ光を照射し前記試料からのレイリー反射光と散乱光を受光する分離光学素子(ダイクロイックミラー33)及び油浸レンズである対物レンズ(対物レンズ34)を有し、該対物レンズと試料の間に前記試料の被測定物となる対象膜の屈折率との屈折率差が0.01以上、0.04以下のエマルジョンオイル(不図示)が充填されてなる顕微光学系と、前記分離光学素子を経由した光における特定波長の光を透過するフィルター光学素子(フィルター光学素子の一部であるレーザ光遮断光学素子37のみ図3(b)に図示)と、前記フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段(不図示)と、前記分光された光の強度を検出する光検出手段(検出部36)と、を備える。
ここで、レーザ光源30から出射されるレーザ光は、共焦点ラマン分光法で励起に用いるレーザ光であり、検出対象となる膜に吸収や蛍光が無く、ラマン活性が有る波長が選択され、数枚のNDフィルターの組み合わせを用いて一般には減光された状態である。
用いるレーザ光強度は、出射口で1〜100mW/cm程度であれば良く、その後、試料となる光透過性の膜試料1上での強度が数nW/μm〜数μW/μmの範囲程度になるように調整すれば良い。
一般には、レーザ光強度が高いほど検出されるラマン散乱光強度も強くなりS/N比は向上するが、試料破壊や褪色化、強光への応答などを考慮して決める必要も有る。光透過性の膜試料毎に吸収強度や光耐性などが異なり、レーザ光強度の条件決定は最も重要な項目の一つとなる。
また波長が短ければ、波長の4乗に反比例してラマン散乱強度が強くなる。
有機膜を対象とした場合は、レーザ波長は対象膜の光ダメージと、ラマン測定に好ましく無い膜の蛍光発生を考えると540nm以上であることが好ましく、また前述の様にラマン散乱強度を考えると、波長は短い程好ましく、検討の結果では900nm以下で有ると好適な測定が可能となってくることが判明している。
また、レーザ光源30の出射口側には、レーザ光源30より発せられたレーザ光束を集光する集光レンズ31と、この集光レンズ31による焦点上に配置される第1のピンホール32と、が設けられている。
分離光学素子として用いるダイクロイックミラー33は、誘電体多層膜により、2つ以上の波長域の光に分離するミラーである。ダイクロイックミラーとしては、レーザ光源からレーザ光の波長域を透過して、光透過性の膜試料からのラマン散乱光の反射光を透過する特性を有した場合、逆にラマン散乱光となるレーザ光源より長波長の波長域を透過して、レーザ光源の波長域光を反射する特性も有する。
図4は、励起レーザ光として488nmの波長光を用いた場合のレーザ光源の波長域を反射する特性を有したダイクロイックミラーの特性図の例である。
ラマン分光顕微鏡においては、波長を分光し得るダイクロイックミラー等を用いて、光透過性の膜試料に照射された励起光成分(レイリー光)と光透過性の膜試料から発生したラマン散乱光が一般に分離される。
励起レーザ光の反射光(レイリー光)とラマン散乱光の分離のために用いられるダイクロイックミラーは、特定の波長を境に二値的に変化する透過率特性を有していることが理想的で有るが、実際の透過率特性は比較的急峻に変化していても、その透過率は0と1とはならない。この為、ダイクロイックミラーで分離された光にも、ラマン散乱光だけでなく、レイリー光が含まれる。
このことから、ダイクロイックミラー33を配置した状態でも、検出部36側にレイリー光が漏れることとなるが、検出部36の検出器を飽和させてしまう非常に強いレイリー光が検出器に入射することは防いでおり、検出部36でレイリー光を検出可能な受光を実現している。
対物レンズ34は、集光レンズ31に次ぐ第2の集光レンズである。すなわち、励起レーザ光の焦点を対物レンズ34の焦点と一致させ、励起レーザ光が光透過性の膜試料1上の一点になるように照射されるようになっている。なお、対物レンズ34の後焦点に第2のピンホール35を置き、焦点以外のラマン散乱光を効率よくカットしている。
なお、高い光学系スループットと小さな集光ビームスポットを両立させるため、対物レンズ34への照射レーザ径は、対物レンズ34の入射径と等しい直径に設定される。
また、顕微光学系における空間分解能は、対物レンズ34のNAとコンフォーカルピンホール径に大きく依存しており、本発明では高空間分解能を達成するために、乾燥系の対物レンズではなく油浸レンズを対物レンズ34として用いる。また、対物レンズ34と膜試料1の間にエマルジョンオイルが充填されており、油浸レンズ+エマルジョンオイルの構成となっている。
図3に示すような反射型のラマン分光測定装置では、励起と検出を同一の対物レンズ34で行うことになる。
焦点以外の深さからのラマン散乱光は、第2のピンホール35の位置で焦点を結ばないため、効率良く妨害光がカットされる(図3に示すように、非焦点からの反射光の行路を示す破線部分のほとんどの反射光が第2のピンホールにより遮蔽される)。但し、膜試料1の膜中では屈折率差に依る色収差や球面収差の影響でビーム径が拡がりを見せるため、これらを油浸レンズやエマルジョンオイルを用いて拡がりを押さえることが測定上必要となる。
「油浸レンズ+エマルジョンオイル」の構成は、一般にはガラス程度の屈折率を持つ油をレンズと膜の間に満たして、空気とレンズの屈折の影響を排除する工夫がなされている。すなわち、乾燥系のレンズでは、レンズから空気、更に対象膜と二箇所で光が通る媒質が変化し屈折が生じる。これに対して、油浸レンズと合わせて使用するエマルジョンオイルをレンズや膜と近い屈折率となる1.5〜1.6とすると、光の屈折の影響を排除できる様になる。このことは、NAの大きな対物レンズ34を用いた場合、膜試料1の膜中の空間分解能を高める為に有効な手立てとなる。
また、対物レンズ34のNA(開口数)が1.2以上となる油浸レンズとエマルジョンオイルの組み合わせとなっている。NA1.2以上でなければ、深さ方向解析時の空間分解能:1μmを確保できず、特に5μm以下の薄膜の場合は、明瞭な膜構造解析が不可能になる。
NAは対物レンズの性能を決める重要な値であり、焦点深度(空間分解能)、明るさに関係する値となる。NAが大きく成る程、空間分解能は向上する。NA(=Numerical Aperture)とも呼び、以下の式で表されるものである。但し、通常、市販対物レンズであれば、単体のNAが記載されている。
NA=n・sinθ
(ここで、nは膜試料1における対象膜と対物レンズ34の間の媒質(ここではエマルジョンオイル)の屈折率、θは光軸と対物レンズ34の最も外側に入る光線とがなす角を示す。)
なお、前記エマルジョンオイルの屈折率に関しては、メーカー測定値を用いることも出来るし、エマルジョンオイルをスピンコーターでSiウェーハ上に超薄膜塗布して、その後に分光エリプソメータで測定したものを用いることも出来る。
以上の状態で、レーザ光源30からのレーザ光の焦点位置を膜試料1の膜の深さ方向に走査することに依って、光透過性の膜試料1で、ステージのZ方向の移動によりステップ毎の深さ方向(膜試料の厚み方向)で明瞭なラマンスペクトルが得られ、高分解能な三次元解析が可能となる。
本発明のラマン分光測定装置における顕微光学系は、物体上の焦点面と共役な関係にあるピンホール(第1のピンホール32,第2のピンホール35)を備えた共焦点顕微光学系である。すなわち、第1のピンホール32が集光レンズ31とダイクロイックミラー33との間に設けられ、第2のピンホール35がダイクロイックミラー33と検出部36との前に設けられて、2つのピンホールはそれぞれ焦点を有する共焦点の位置に有る。これにより、共焦点顕微鏡において、合焦点以外からのラマン散乱光はピンホールによってブロックされるため、焦点以外の膜内からの不要光や光透過性の膜試料内部からのラマン散乱光をほぼ完全に取り除くことが可能となり、深さ方向に優れた空間分解能を達成することができる。
但し、膜試料1の対象膜が厚くなると、それに伴い収差が大きくなり空間分解能が低下するため、油浸レンズやエマルジョンオイルを用いた場合でも、測定できる膜厚の範囲は3〜40μmである。3μmより薄い膜では空間分解能不足でラマン信号の重なりが生じ正確な測定が出来なくなってしまい、40μm以上では収差に依るビームスポット径の拡がりが大きくなり、空間分解能が低下し、入射レーザ光の強度を著しく低下させてしまう。
この様なラマン分光測定装置において、膜試料1の被測定物となる対象膜の屈折率とエマルジョンオイルとの屈折率差(対象膜の屈折率−エマルジョンオイル屈折率)を0.01以上、0.04以下の範囲として、焦点面での光学的な収差を補正し、高い空間分解能を実現している。なお、膜試料1の被測定物となる対象膜の屈折率は、対象膜をSiウェーハ上に超薄膜塗布し、分光エリプソメータで複素屈折率(屈折率、消光係数)を測定することにより得ることが出来る。
被測定物となる対象膜の屈折率とエマルジョンオイルとの屈折率差(対象膜の屈折率−エマルジョンオイル屈折率)が0.01より小さくなった場合は、エマルジョンオイルと対象膜との界面反射率が著しく小さくなり、ラマン測定光学系の光検出手段(検出部36)にレイリー光を導いても、膜界面情報を取得することが困難となる。
また被測定物となる対象膜の屈折率とエマルジョンオイルとの屈折率差(対象膜の屈折率−エマルジョンオイル屈折率)が0.04より大きくなった場合は、エマルジョンオイルと対象膜界面の界面反射率は大きくなり、当然、膜の界面反射情報を取得することは容易になるが、界面での屈折率差が大きくなることにより、膜中での軸上収差や球面収差が発生し、深さ方向の座標に狂いが生じるだけでなく、ビームスポット径が拡がることにより空間分解能が低下し、空間分解能1μm以下の深さ方向の正確な膜構造のプロファイルを得ることが不可能となる。
本発明の顕微光学系を構成する前記フィルター光学素子は、膜試料1からのレイリー反射光の一部を散乱光とともに測定可能に検出部36に導くか、膜試料1からのレイリー反射光を遮断して散乱光を検出部36に導くか、のいずれかに選択可能に設けられている。
共焦点顕微鏡光学系では、レーザ光を対物レンズ34により、狭い領域に集光して光透過性の膜試料1に照射するため、通常の分光測定とは比較にならないくらい高強度の励起光になる。この為、ダイクロイックミラー33から洩れたレイリー反射光成分でも、あるいは更に1または複数のレーザ光遮断光学素子(フィルター光学素子)を経たレイリー反射光成分でも、ラマン散乱光に匹敵する強度を持つこととなる。
本発明では、ダイクロイックミラー33、またはダイクロイックミラー33及び1または複数のレーザ光遮断光学素子により、膜試料1からのレイリー反射光成分を検出部36で検出可能な程度に弱め、ついで該レイリー反射光成分を検出部36で検出して膜試料1の被検体である膜の深さ方向の界面情報を取得可能にするものである。
本発明の顕微光学系では、前記フィルター光学素子は、1または複数のレーザ光遮断光学素子から構成され、そのうちの少なくとも1つは、レイリー光と等価なレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子が抜き差し可能に設けられてなることが好ましい。あるいは、前記フィルター光学素子の少なくとも1つは、レイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子とが入れ替え可能に設けられてなることが好ましい。
また、ここでいう抜き差し可能に設けられてなるレーザ光遮断光学素子、あるいはレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちの該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子は、図3(b)に示すレーザ光遮断光学素子37であり、ダイクロイックミラー33と第2のピンホール35の間(すなわち分光手段となる分光器の手前)に配置されるものである。このレーザ光遮断光学素子37としては、例えばノッチフィルターやエッジフィルターが挙げられ、ノッチフィルターおよび/またはエッジフィルターからなるものである。
このうち、ノッチフィルターは、レイリー光の除去に用いられるレーザ光遮断光学素子の一つであり、誘電体多層膜を用いたフィルターである。図5に、ノッチフィルターの光学特性を示す。図5に例示したように、ノッチフィルターは特定の波長のみを透過させないようにしたものであり、誘電体多層膜を積層して膜厚を最適化すれば、設計波長を中心にして20nm程度のバンド内の光を除去することができる。
しかし乍ら、ノッチフィルターは、図5からも判る様に、レイリー光を100%除去できる訳ではない。このレイリー光のフィルターとなる波長領域における透過率を増すことに依って、検出部36の検出器を飽和させてしまう励起レーザ光波長近傍の非常に強いレイリー散乱光が検出器に入射することを防ぎ乍ら、界面反射情報取得に必要なレイリー光を取得できるようにすることが可能である。これがレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちのレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子である。
なおノッチフィルターとして、2つの互いにコヒーレントなレーザビームに依って出来る干渉パターンを記録して作られるホログラフィック・ノッチフィルターを用いることもできる。
一方、エッジフィルターの特性は、例えば図6に示すようなものである。ここでは、レーザ光の波長を488nmとした場合の例を示すが、波長490nmより短波長側を完全に除去できるようになっている。例えば、エッジフィルターとして誘電体多層膜を用いたものでは、最適設計を行えば、波長分別設計位置の前後大体30nm程度の間隔を置いて、これより短波長側の光を除去し、反対にラマン散乱光を含む長波長側の光を透過させることが出来る。本実施形態によれば、エッジフィルターをノッチフィルターの代わりに挿入しても、ノッチフィルターと同様の効果をもたせることが可能となる。
本発明では、抜き差し可能なレーザ光遮断光学素子37を取り外すか、或いはレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちのレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子に置き換えることにより(図3(a))、膜試料1からの界面反射光即ちレイリー反射光を検出部36に測定可能に直接導くことで、後述する図7に示すように、充分な感度のレイリー散乱光を受光することが可能となり、膜の界面情報を抽出できる様になる。
またその後、抜き差し可能なレーザ光遮断光学素子37を光路に戻すか、或いはレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちの該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37に置き換えることにより(図3(b)、膜試料1からの光のうち、ラマン散乱光測定時に妨害光となるレイリー光を完全に取り除くことが可能となり、感度の高いラマン分光法による膜構造解析が可能となる。
以上のように、本実施形態のラマン分光測定装置によれば、ラマン散乱光とレイリー反射光を同一の検出光学系で測定することが可能である。なお、レーザ光遮断光学素子の透過率については、例えば分光反射率測定装置により透過率を求めることが出来る。
検出部36は、分光手段と光検出手段とから構成される。
このうち、前記分光手段としては、回折格子によりラマン散乱光を分光する分光器が挙げられる。分光器に入る直前光路上に焦点面と共役な点(エリア)がある場合には、その部分のX−Y平面内に2つの直行するスリット(クロススリット)を置くことで、スリットの組に共焦点光学系でいう共焦点ピンホール(第2のピンホール35)の役割を担わせることが可能であり、これにより、Z軸方向の空間分解能が生じる。またこのクロススリットは、ラマンスペクトル取得時の波長分解能にも寄与する。
また、光検出手段としては、マルチチャネル検出器(たとえば、CCD:Charge Coupled Device)、シングルチャネル検出器(たとえば、APD:Avalanche Photodiode)が挙げられる。第2のピンホール35を透過した光は、検出部36に構成された分光器に入射し分散された後、この光検出手段で検出されるようになる。
また、本発明のラマン分光測定装置の顕微光学系(顕微鏡部)には、試料ステージが付帯されており、Z軸(膜深さ)方向に光透過性の膜試料1の載ったステージを移動させ乍ら対物レンズ34で入射光および検出光(ラマン散乱光)を集光することで深さ方向プロファイルを作り出す。試料ステージには、ピエゾ素子或いはステッピングモータ移動機構が設置され光透過性の膜試料1のZ方向(厚み方向、光軸方向)の走査を行えるようになっている。
以上の構成の本発明のラマン分光測定装置による膜試料1における対象膜の構造解析に関する測定は、つぎのように行われる。
(1)膜の界面情報抽出
ラマン分光測定装置を図3(a)の構成とし、レーザ光源30より出射され、集光レンズ31、第1のピンホール32を経た拡散するレーザ光束を、ダイクロイックミラー33を介して対物レンズ34に導き、この対物レンズ34により、光束をエマルジョンオイルを透過させて光透過性の膜試料1上に集光させる。ついで、膜試料1上に集光された光束は、膜試料1からラマン散乱光を含んだ光として反射され、エマルジョンオイル、対物レンズ34を経て、集束しつつダイクロイックミラー33に戻る。ダイクロイックミラー33に戻った光は、ダイクロイックミラーの特性により、レイリー反射光の一部及びラマン散乱光(以下、まとめて光)が検出部36側に向かうようになる。
更に、この光は検出部36に導かれる前に一旦集光され、抜き差し可能なレーザ光遮断光学素子37が取り外された構成か、或いはレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちのレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子に置き換えられた構成のフィルター光学素子を、検出部36で測定可能な程度に弱められたレイリー反射光の一部がラマン散乱光とともに透過し、さらに集光位置に配置された第2のピンホール35を透過して、検出部36に導かれ、ついで検出部36に構成された分光器に入射し分散された後、検出器でレイリー反射光の強度が検出されるようになる。
このような状態で、光透過性の膜試料1を載せたステージを必要に応じてZ軸方向にピエゾ駆動或いはステッピングモータ移動機構により走査させて、膜試料1の対象膜のZ軸方向の所定位置での検出を行う。すなわち、レーザ励起光と同一波長の光強度プロファイルを検出部36の検出器で測定して膜における界面情報を取り出す。
これにより、界面反射位置情報となるレイリー光(0cm−1)の光量変化を確認し、その光量がピークとなる位置から光軸方向の界面の位置を特定することができる。例えば、図7に示すような被検体である膜の界面情報を取得することができるが、ここでは、2つの反射強度のピークが見られ、それぞれのピーク位置を対象膜の表面(エマルジョンオイルとの界面)と、対象膜とその下層との界面とに特定することができる。
(2)膜の構造解析
ついで、ラマン分光測定装置を図3(b)の構成とし、レーザ光源30より出射され、集光レンズ31、第1のピンホール32を経た拡散するレーザ光束を、ダイクロイックミラー33を介して対物レンズ34に導き、この対物レンズ34により、光束をエマルジョンオイルを透過させて光透過性の膜試料1上に集光させる。ついで、膜試料1上に集光された光束は、膜試料1からラマン散乱光を含んだ光として反射され、エマルジョンオイル、対物レンズ34を経て、集束しつつダイクロイックミラー33に戻る。ダイクロイックミラー33に戻った光は、ダイクロイックミラーの特性により、レイリー反射光の一部及びラマン散乱光(以下、まとめて光)が検出部36側に向かうようになる。
更に、この光は検出部36に導かれる前に一旦集光され、抜き差し可能なレーザ光遮断光学素子37が光路に戻された構成か、或いはレイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37とが入れ替え可能に設けられてなるもののうちの該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子37に置き換えられた構成のフィルター光学素子を、レイリー反射光が完全除外され検出対象のラマン散乱光に合った波長帯域の光のみが選択に透過され、さらに集光位置に配置された第2のピンホール35を透過して、検出部36に導かれ、ついで検出部36に構成された分光器に入射し分散された後、検出器で所定の波長帯域のラマン散乱光の強度が検出されるようになる。
このような状態で、光透過性の膜試料1を載せたステージを必要に応じてZ軸方向にピエゾ駆動或いはステッピングモータ移動機構により走査させて、膜試料1の対象膜のZ軸方向のラマンスペクトルの検出を行う。
最後に、検出されたラマンスペクトルと、先だって抽出された膜の界面情報(図7)とを用いて、任意のラマンバンドのピーク値を深さ方向の位置ごとにプロットして、ラマン分光による深さ方向の位置毎の分光データプロファイルを得る。
以上の処理により、高い空間分解能条件下での膜構造解析が可能となる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
以下の条件で、膜試料1サンプルの膜構造解析を行った。
(1)膜試料1;図2において、二種類の成分を分散させて膜厚12μmの電荷輸送層5を形成したもの(電荷輸送層5の屈折率:1.54)
(2)ラマン分光測定装置:図3に示す構成
・レーザ光源30;レーザ光波長=488nm
・対物レンズ34;油浸レンズ(OLYMPUS MPlan Apo 100× NA=1.4(屈折率1.516のエマルジョンオイルを対象膜と対物レンズ34の間に充填することにより)、屈折率1.525)
・エマルジョンオイル;屈折率1.516(対象膜とエマルジョンオイルとの屈折率差=0.024)
・レーザ光遮断光学素子37;図5の特性(488nmの波長をカットする機能)を有するノッチフィルター
なお、対象膜の屈折率は、Siウェーハ上に対象膜を超薄膜塗布し、分光エリプソメータ(J.A.Woolam社製、WVASE 32)で複素屈折率(屈折率、消光係数)を測定し求めた。また、エマルジョンオイルの屈折率は、メーカー測定値(製品にデータ添付)をそのまま用いた。また、ノッチフィルターの透過率は、分光透過率測定装置(松下テクノトレーディング F20装置)にて透過率値を測定して確認した。
(3)測定手順
まず図3(a)に示すように、前記ノッチフィルターを取り外した構成とし、レーザ励起光の光束を対物レンズ34で集光して光透過性の膜試料1の1点に照射し、膜試料1からのレイリー反射光の一部を検出部36の検出器に導いて「レイリー光洩れ光プロファイル(界面反射強度分布図)」を取得した。
つぎに、図3(b)に示すように、前記ノッチフィルターを取りつけた構成とし、レーザ励起光の光束を対物レンズ34で集光して光透過性の膜試料1の1点に照射し、膜試料1からの光からレイリー光を取り除いた所定波長帯域のラマン散乱光を検出部36の検出器に導いて、深さ方向のラマンスペクトルを取得し、任意の分子の特徴的なラマンバンドのピークを追いかけることによって、「膜中濃度プロファイル」を取得した。
ついで、前記「レイリー光洩れ光プロファイル(界面反射強度分布図)」と「膜中濃度プロファイル」とを用いて、任意のラマンバンドのピーク値を深さ方向の位置ごとにプロットして、ラマン分光による深さ方向の位置毎の分光データプロファイルを得た。
図8に、以上の測定手順で得られた実施例1の測定結果を示す。図8は、光透過性の膜試料1における膜界面情報を付与した膜構造のプロファイルであり、二種類の成分を分散させて表面側から膜成分1のプロファイルと膜成分2のプロファイルとが順に検出される2層構造の電荷輸送層5が確認された。
また、比較例1として、図3(b)の装置構成でセオリー通りの励起レーザ光波長の透過率が低い(レイリー光の減衰率が大きい)ノッチフィルターであるレーザ光遮断光学素子37を配設し、「油浸レンズ+エマルジョンオイル」使用条件下で取得した界面反射光「レイリー光反射プロファイル(界面反射強度分布図)」を図9に示す。
図9に示す様に、ノッチフィルターでのレイリー光の減衰率が大きい場合には、レイリー光(ノッチフィルターの透過光)を受光しても、光透過性の膜試料1からの明瞭な界面反射光を取得することが出来なかった。
また、実施例1において、電荷輸送層5の屈折率が1.52となり、対象膜の屈折率とエマルジョンオイル(屈折率:1.516)との屈折率差が0.004と0.01より小さくなった場合は、エマルジョンオイルと対象膜界面の界面反射率が0.0002%となり、膜界面情報を取得することが困難となった。
更に電荷輸送層5の屈折率が1.6となり、対象膜の屈折率とエマルジョンオイルとの屈折率差が0.084と0.04より大きくなった場合は、エマルジョンオイルと対象膜界面の界面反射率は0.07%となり、界面反射情報を取得することは容易になるが、界面での屈折率差が大きくなることにより、膜中での軸上収差が発生し、深さ方向の座標に狂いが生じるだけでなく、空間分解能が低下し、また様々な収差により膜自体に吸収が無くても膜中でのエネルギー強度が低下し、正確な膜構造のプロファイルを得ることが不可能となった。
また実施例1において、対物レンズ34のNAのみが1.1となりそれ以外は同条件の場合は、軸上収差等の影響で、Z座標に狂いが生じ、空間分解能も低下する為、正確な膜構造プロファイルを得ることが不可能であった。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
従来のラマン分光測定装置の構成を示す断面概略図である。 本発明で用いる膜試料の層構成を示す断面図である。 本発明に係るラマン分光測定装置の構成を示す断面概略図である。 本発明で用いるダイクロイックミラーの透過特性を示す図である。 本発明で用いるノッチフィルターの透過特性を示す図である。 本発明で用いるエッジフィルターの透過特性を示す図である。 本発明のラマン分光測定装置により得られる界面反射強度分布図である。 実施例1の膜構造のプロファイルである。 比較例1の界面反射強度分布図である。
符号の説明
1 膜試料
2 アルミニウムドラム
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
20,30 レーザ光源
21,31 集光レンズ
22,32 第1のピンホール
23,33 ダイクロイックミラー(分離光学素子)
24,34 対物レンズ
25,35 第2のピンホール
26,36 検出部
37 レーザ光遮断光学素子

Claims (8)

  1. レーザ光源と、
    試料にレーザ光を照射し前記試料からのレイリー反射光と散乱光を受光する分離光学素子及び油浸レンズである対物レンズを有し、該対物レンズと試料の間に前記試料の被測定物となる対象膜の屈折率との屈折率差が0.01以上、0.04以下のエマルジョンオイルが充填されてなる顕微光学系と、
    前記分離光学素子を経由した光における特定波長の光を透過するフィルター光学素子と、
    前記フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段と、
    前記分光された光の強度を検出する光検出手段と、
    を備え、
    前記対物レンズのNAが1.2以上となる油浸レンズと前記エマルジョンオイルの組み合わせであり、
    前記フィルター光学素子は、試料からのレイリー反射光の一部を測定可能に前記光検出手段に導くか、試料からのレイリー反射光を遮断して散乱光を前記光検出手段に導くか、のいずれかに選択可能に設けられることを特徴とするラマン分光測定装置。
  2. 前記顕微光学系は、焦点面と共役な関係にあるピンホールを備える共焦点顕微鏡光学系であることを特徴とする請求項1に記載のラマン分光測定装置。
  3. 前記フィルター光学素子は、レイリー光と等価なレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子を抜き差し可能に有することを特徴とする請求項1または2に記載のラマン分光測定装置。
  4. 前記フィルター光学素子は、レイリー光と等価なレーザ光の波長に対する透過率を上げたレーザ光遮断光学素子と該波長のレーザ光を遮断するレーザ光遮断光学素子とを入れ替え可能に有することを特徴とする請求項1または2に記載のラマン分光測定装置。
  5. 前記レーザ光遮断光学素子は、ノッチフィルターおよび/またはエッジフィルターであることを特徴とする請求項3または4に記載のラマン分光測定装置。
  6. 前記分離光学素子は、ダイクロイックミラーである請求項1〜5のいずれかに記載のラマン分光測定装置。
  7. 前記レーザ光源のレーザ波長は、540nm以上、900nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラマン分光測定装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のラマン分光測定装置を用い、前記フィルター光学素子を調整して試料からのレイリー反射光の一部を前記光検出手段に導き、被測定物の膜界面における反射光強度を検出し、前記ラマン分光による位置毎の分光データプロファイルと関連付けることを特徴とするラマン分光測定法。
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