JP2010116133A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チューブ用布12と基布11とから上部区画室及び下部区画室に開口するインナーチューブ13が形成される。チューブ用布12はその両側縁部において基布11に固定されることから、エアバッグ10の展開時に当該チューブ用布12を含むインナーチューブ13が暴れることが抑制される。したがって、エアバッグ10の展開時において、インナーチューブ13は潰れにくくなり、インフレータ104のガス噴出口から噴出したガスが前記両区画室の内部へ円滑に供給される。
【選択図】図1
Description
<S−1>
図2(a)に示されるように、基布11は、その左右方向における中央部において上下に延びる折り返し線L1を中心に左右対称をなすハート形に形成されている。基布11としては、シリコンコート布及びノンコート布等が採用可能であるところ、本例ではノンコート布を使用している。このノンコート布は、コート布に比べて軽量である。また、ノンコート布はシリコンコート布に比べて柔軟性(可撓性)に優れることから、折り畳み性がよく折り癖が付けやすい。
次に、図3(a),(b)に示されるように、第2の補強布22、第3の補強布23をこの順に基布11に重ね、これら第2及び第3の補強布22,23を基布11に縫合する。すなわち、第2の補強布22は、基布11の外形形状に対応するとともに、その上縁部は、前記第1の補強布21の折り返された部分を覆うように上側に凸をなす曲線形状とされている。また、第2の補強布22において基布11と反対側の側面(紙面手前側の面)には、シリコンコーティングが施されている。そしてこの第2の補強布22は、図3(a)に二点鎖線で示されるように、その上縁部に沿う縫合線S2に沿って縫合される。一方、第3の補強布23は、下端部が折り返された第1の補強布21とほぼ同一形状且つ同一サイズの長方形状をなし、第2の補強布22を介して第1の補強布21に対応して重ねられる。そしてこの第3の補強布23は、図3(a)に二点鎖線で示されるように、その左右の側縁部において基布11の折り返し線L1に沿って延びる一対の縫合線S3a,S3bに沿って縫合される。
次に、図4(a),(b)に示されるように、前述したチューブ用布12及び2つのテザー布101を基布11に縫合する。チューブ用布12は、基布11の前記折り返し線L1に沿って延びる長方形状の布が下方へ折り返されることにより二枚重ねとされるとともに、その折り返し部分が上側を向くように配置されている。この折り返された状態のチューブ用布12は、第3の補強布23において、第2の補強布22の上縁部を基準とする下側の部分を覆う長方形状をなしている。そして、この折り返された状態のチューブ用布12は、図4(a)に二点鎖線で示されるように、その左右の側縁部において基布11の折り返し線L1に沿って延びる一対の縫合線S4a,S4bに沿って縫合される。
次に、図5に示されるように、基布11を前述した折り返し線L1に沿って内側に折り返す。この際、チューブ用布12は、図1に示されるように、基布11に対して離間する方向へ引っ張られた状態(引き起こされた状態)に保持される。そしてこのチューブ用布12と、基布11のチューブ用布12に対応する部分(正確には、第3の補強布23)とからインナーチューブ13が形成される。
次に、図7に示されるように、折り返された基布11の挿入口27を介して、インフレータ104が収容されたリテーナ105をインナーチューブ13に挿入する。ここで、前述したように、基布11の折返し部分側の上部はスリットSLを境として外方へ開くことができ(図6(b)参照)、しかも当該スリットSLはインナーチューブ13の上側の開口部13a(チューブ用布12の上縁部)の近傍まで延設されている。このため、基布11の折返し部分側の上部を外方へ開きつつリテーナ105をインナーチューブ13へ挿入することができる。すなわち、リテーナ105のインナーチューブ13への挿入作業の円滑化が図られる。
最後に、当該基布11の折返し部分側の上部に形成された挿入口27を閉塞する。すなわち、図9(a)に示すように、基布11の折返し部分側の上部に設定された縫合線S8に沿って縫合する。この縫合線S8は、基布11の外周縁部に沿う縫合線S7の上側の端部に対して少し左側に位置する部分に交わる円弧を描きつつ斜め右下へ延びて折り返し線L1に交わるように設定される。したがって、この縫合線S8に沿って縫合することにより挿入口27は閉塞される。これにより、インフレータ104のガス噴出口104aから噴出されるガスが、基布11の折返し部分側の上部、すなわち挿入口27から漏洩することが抑制される。なお、図9(b)に併せて示されるように、スリットSLにおいて、当該縫合線S8よりも下側の部分は縫合されることはない。この縫合されない部分は、電線104bを外部へ引き出すべく開放される導出部28として機能する。
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)チューブ用布12はその両側縁を基布11に縫いつけることにより固定するようにした。すなわち、このチューブ用布12と基布11とから上部区画室102a及び下部区画室102bに開口するインナーチューブ13が形成される。そして前述したように、チューブ用布12はその両側縁部において基布11に固定されることから、エアバッグ10の展開時に当該チューブ用布12を含むインナーチューブ13が暴れることが抑制される。したがって、エアバッグ10の展開時において、インナーチューブ13は潰れにくくなり、インフレータ104のガス噴出口104aから噴出したガスが上部区画室102a及び下部区画室102bの内部へ円滑に供給される。ひいては、エアバッグ10の展開性能を安定的に維持することができる。
Claims (3)
- インフレータのガス噴出口から噴出されるガスによってエアバッグを車両の側部と搭乗者との間で膨張展開させるサイドエアバッグ装置であって、前記エアバッグは、その内部を上部区画室及び下部区画室に区画されるとともに、その内部には前記両区画室にそれぞれ開口端部が位置する態様でインナーチューブが設けられ、該インナーチューブには前記インフレータが内挿され、前記エアバッグの膨張展開時には前記インフレータからのガスが前記インナーチューブを介して前記両区画室に供給されるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、所定形状をなす基布がその中央部分で二つ折りされてこの折り返された部分の周縁部が縫合されることにより形成され、
前記インナーチューブは、前記基布の内面における前記中央部分にチューブ用布を重ね合わせるとともに、当該チューブ用布の前記中央部分を境として互いに反対側に位置する二つの側縁部を前記基布に縫合した上で、前記チューブ用布を前記基布の内面に対して離間させることにより形成されてなるサイドエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記インナーチューブは、前記基布の中央部分に沿う方向へ折り返して二枚重ねとされるとともに、その折り返しの部分を上側に向けて設けられているサイドエアバッグ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のサイドエアバッグ装置において、
前記インフレータは、側方へ突設するボルトを有するリテーナに収容された状態で前記インナーチューブに挿入され、前記エアバッグは前記ボルトを介して取付対象に固定され、
前記インナーチューブには前記ボルトが内側から挿通されるボルト孔を形成するとともに、当該インナーチューブの上部区画室側の部位には当該上部区画室とインナーチューブの内部とを連通する連通孔を形成し、
前記連通孔は、前記ボルトが挿通される挿通孔と重ならないように設けられているサイドエアバッグ装置。
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