JP2010115749A - 球面加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークに滑らかな球面を形成することが可能であるとともに、その球面の加工効率を向上させることが可能な球面加工機を提供する。
【解決手段】この球面加工機は、ワークWを回転させるワーク回転装置22を備え、そのワーク回転装置22によって回転させられるワークWを球面加工する球面加工機であって、ワークWに球面が形成されるように研削するための研削工具32を有し、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研削工具32を回転させながら押し当て可能な研削ユニット6と、球面に形成されたワークWの表面を研磨するための研磨具42を有し、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研磨具42を回転させながら押し当て可能な研磨ユニット8とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークを球面加工するための球面加工機に関するものである。
従来、棒状のワークの先端部を球面加工するための球面加工機が知られており、このような球面加工機の一例が下記特許文献1及び下記特許文献2に示されている。
下記特許文献1に開示された球面加工機では、回転装置によってワークを軸回りに回転させるとともに、そのワークの先端部の周囲を研削装置が旋回しながら研削砥石によってワークの先端部を研削することによりワークの先端部を球面加工するようになっている。
また、下記特許文献2に開示された球面加工機では、回転装置によってワークを軸回りに回転させるとともに、カップ状の先端面を有する研磨用砥石を軸回りに回転させながらその砥石の先端面をワークの先端部に押し当てることによりそのワークの先端部を球面加工するようになっている。
実開平3−1134746号公報 特開昭63−212454号公報
しかしながら、上記特許文献1の球面加工機では、研削加工のみによってワークの先端部を球面加工するので、球面が粗くなるという問題点がある。この場合に、球面の仕上げ精度を上げようとすると、別工程でワークの先端部の研磨が必要となり、その場合には、前記加工機におけるワークの研削の後、その加工機とは別に設けられた研磨装置にワークを移し変えて研磨を行う必要がある。すなわち、この場合には、前記加工機からワークを取り外して、そのワークを研磨装置へ移してセットし直すための時間がかかり、ワークの加工効率が悪くなるという問題点が生じる。
また、上記特許文献2の球面加工機は、ワークの先端部の研磨のみを行う機械であるため、未加工の状態で例えば円筒状のワークの先端部をこの加工機による研磨のみによって球形に加工しつつその表面を球面に研磨しようとすれば、非常に長い加工時間が必要となる。従って、この場合もワークの加工効率が悪くなるという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ワークに滑らかな球面を形成することが可能であるとともに、その球面の加工効率を向上させることが可能な球面加工機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による球面加工機は、ワークを回転させるワーク回転装置を備え、そのワーク回転装置によって回転させられる前記ワークを球面加工する球面加工機であって、前記ワークに球面が形成されるように研削するための研削工具を有し、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研削工具を回転させながら押し当て可能な研削ユニットと、前記球面に形成されたワークの表面を研磨するための研磨具を有し、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研磨具を回転させながら押し当て可能な研磨ユニットとを備えている。
この球面加工機は、ワーク回転装置によって回転させられるワークに球面が形成されるように研削するための研削工具を回転させながらそのワークに押し当て可能な研削ユニットと、その球面に形成されたワークの表面を研磨するための研磨具を回転させながらそのワークに押し当て可能な研磨ユニットとを備えているので、研削装置のみによってワークに球面を研削加工する場合に比べて、滑らかな球面をワークに形成することができる。また、この球面加工機では、1つの加工機内で研削ユニットによってワークに球面を研削加工した後、その球面を研磨ユニットによって研磨することが可能であるので、別々に設けられた研削装置と研磨装置とでワークの研削と研磨とを個別に行う場合と異なり、研削装置から研磨装置へワークを移してセットし直すための時間が不要であり、ワークの加工効率を向上させることができる。また、この球面加工機では、研削ユニットによりワークに粗い球面を形成してから研磨ユニットによりそのワークの球面を研磨して滑らかな球面に仕上げることが可能であるので、研磨装置のみで未加工の状態のワークに球面を形成する場合に比べて、滑らかな球面の形成に要する時間を短縮することができる。従って、この球面加工機では、ワークに滑らかな球面を形成することができるとともに、その球面の加工効率を向上させることができる。
上記球面加工機において、前記研削ユニットは、前記研削工具を回転させる研削工具回転装置と、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研削工具が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で前記研削工具回転装置を移動させる研削工具移動装置とを有し、前記研磨ユニットは、前記研磨具を回転させる研磨具回転装置と、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研磨具が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で前記研磨具回転装置を移動させる研磨具移動装置とを有することが好ましい。
この構成によれば、研削工具をワークに接触させて研削を行っている間は研磨具移動装置により研磨具回転装置を退避させてワークから研磨具を離反させておくことが可能である一方、研磨具をワークに接触させて研磨を行っている間は研削工具移動装置により研削工具回転装置を退避させてワークから研削工具を離反させておくことが可能である。このため、1つの加工機内で研削工具によるワークの研削と研磨具によるワークの研磨とをそれぞれ独立して行うことができる。
この場合において、前記研削工具移動装置は、前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と交差する第1軸線上でそのワークに対して前記研削工具が接離するように前記研削工具回転装置を移動させ、前記研磨具移動装置は、前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と前記第1軸線との交点を通り、かつ、前記第1軸線と異なる方向に延びる第2軸線上で前記ワークに対して前記研磨具が接離するように前記研磨具回転装置を移動させることが好ましい。
このように構成すれば、回転装置によって回転させられるワークに対して研削工具と研磨具とが異なる方向から接離するので、各工具の移動時に研削工具と研磨具との干渉を回避しつつ、ワークのうち前記第1軸線と前記第2軸線との交点近傍の部分の位置を変えることなくその部分に研削工具による研削と研磨具による研磨とを行って滑らかな球面を形成することができる。
さらにこの場合において、前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と前記第1軸線及び前記第2軸線との交点を通り、かつ、前記第1軸線及び前記第2軸線の両方に直交する旋回軸を中心として前記ワーク回転装置を旋回させる旋回装置を備え、この旋回装置は、前記研削ユニットによる前記ワークの研削時には前記旋回軸回りにおける所定の研削位置に前記ワーク回転装置を配置する一方、前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨時には前記ワーク回転装置を前記研削位置と異なる所定の研磨位置へ前記旋回軸回りに旋回させることが好ましい。
このように構成すれば、研削工具と研磨具とがそれぞれ異なる方向からワークのうち前記第1軸線及び前記第2軸線との交点近傍の部分に接触する場合に、その部分の位置を変えることなく、研削工具と研磨具の接触方向に応じてそれら研削工具と研磨具に対するワークの前記交点近傍の部分の接触の向きを変えることができる。
さらにこの場合において、前記旋回装置は、前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨時には、前記研磨位置を基準として所定の角度範囲で前記ワーク回転装置を前記旋回軸を中心として揺動させることが好ましい。
この構成によれば、ワーク回転装置によりワークを回転させるとともに、旋回装置により所定の角度範囲でそのワークを揺動させながら、そのワークに研磨具を接触させて研磨することができるので、ワークを揺動させないで研磨する場合に比べて、研磨具によるワークの研磨領域を拡大することができるとともに、その研磨領域全体を均一に球面研磨することができる。また、この構成では、旋回装置を利用してワークの前記揺動を行うことができるので、旋回装置とは別に前記揺動を行うための揺動装置を設ける場合に比べて球面加工機の構成を簡略化することができる。
上記球面加工機において、前記ワーク回転装置によって回転させられる前記ワークの加工すべき部分の最外径を測定するための測定ユニットと、前記研削ユニットによる研削動作及び前記研磨ユニットによる研磨動作をそれぞれ制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記測定ユニットによって測定される前記ワークの加工すべき部分の最外径が第1の値に達したことに応じて前記研削ユニットによる前記ワークの研削動作を終了させるとともに前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨動作を開始させ、前記測定ユニットによって測定される前記ワークの加工すべき部分の最外径が前記第1の値よりも小さい第2の値に達したことに応じて前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨動作を終了させることが好ましい。
このように構成すれば、研削ユニットによるワークの球面研削から研磨ユニットによるワークの球面研磨に至る各工程を自動的に進行させることができる。これにより、研削ユニットによる研削動作と研磨ユニットによる研磨動作をそれぞれオペレータの操作に応じて実行させる場合と異なり、そのようなオペレータの操作が不要となるので、ワークの球面加工にかかる手間を削減することができる。また、この構成では、ワークの加工すべき部分の最外径の変化に応じて研削ユニットによるワークの球面研削から研磨ユニットによるワークの球面研磨に至る各工程を自動的に進行させることができるので、研削ユニットによる研削を一旦停止させてワークの加工すべき部分の最外径を確認するとともに、研磨ユニットによる研磨を一旦停止させてワークの加工すべき部分の最外径を確認しながら研削及び研磨の各工程を実行する場合と異なり、前記停止にかかる時間のロスを防ぐことができ、ワークの加工効率をより向上することができる。
この場合において、前記測定ユニットは、前記ワーク回転装置によって回転させられる前記ワークに前記研削工具及び前記研磨具が押し当てられる方向と直交する方向において当該ワークの両側から接触する一対の測定子と、その一対の測定子間の間隔を検出する検出部とを有することが好ましい。
この構成のように一対の測定子がワークに接触する方向と研削工具及び研磨具がワークに押し当てられる方向とが直交していれば、一対の測定子がワークに接触して最外径の測定を行ったとしても、その測定子とワークに押し当てられる研削工具及び研磨具とが干渉するのを防ぐことが可能である。そして、このことに起因して、測定子と研削工具及び研磨具との干渉を回避しつつ、測定子がワークに接触する方向と直交する方向であってワークの周囲の広い範囲で研削工具及び研磨具をワークに押し当てることが可能となる。このため、測定子と研削工具及び研磨具との干渉を回避しながらその測定子によってワークの加工すべき部分の最外径の測定を可能とするとともに、ワークに対する研削工具及び研磨具の押し当て方向の設定の自由度を向上することができる。
以上説明したように、本発明の球面加工機によれば、ワークに滑らかな球面を形成することができるとともに、その球面の加工効率を向上することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による球面加工機の概略的な平面図であり、図2は、本発明の一実施形態による球面加工機の正面図である。なお、図1では、後述する機内搬送ユニット14が省略されており、図2では、後述する操作盤18が省略されている。図3は、本実施形態の球面加工機において研削ユニット6によりワークWの先端部を研削しているときの状態を示す図であり、図4は、本実施形態の球面加工機において研磨ユニット8によりワークWの先端部を研磨しているときの状態を示す図である。図5は、本実施形態の球面加工機の測定ユニット10の構成を示す図である。まず、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による球面加工機の構成について説明する。
本実施形態による球面加工機は、油圧モータ等に使用されるピストンロッド等の棒状のワークWの先端部を球面加工する加工機である。この球面加工機は、図1及び図2に示すように、ベース2と、スピンドルユニット4と、研削ユニット6と、研磨ユニット8と、測定ユニット10と、搬入出ユニット12と、機内搬送ユニット14と、制御装置16と、操作盤18とを備えている。
ベース2は、球面加工機の基台となるものであり、このベース2に対してスピンドルユニット4、研削ユニット6、研磨ユニット8、測定ユニット10、搬入出ユニット12、機内搬送ユニット14、制御装置16及び操作盤18が搭載されている。
スピンドルユニット4は、ワークWを軸回りに回転させるとともに、そのワークWを旋回又は揺動させるものである。このスピンドルユニット4は、ワーク回転装置22と旋回装置24とを有する。
ワーク回転装置22は、ワークWを把持してそのワークWを軸回りに回転させるものである。このワーク回転装置22は、チャック部22aと、回転装置本体22bと、ワーク回転用モータ22cと、駆動ベルト22dと、図略のプーリとを有している。
チャック部22aは、ワークWをチャックするものである。このチャック部22aは、ワークWの基端部から所定長さの部分が挿し込まれ、そのワークWのうち加工すべき部分である先端部の中心が後述する旋回軸B上に位置するようにそのワークWを把持する。このチャック部22aは、回転装置本体22bの図1及び図2における右端に配設されており、ベース2の中央部近傍に配置されている。そして、チャック部22aには、ワーク回転装置22によるワークWの回転軸Aと同軸に配置された図略の軸部が設けられており、この軸部が回転装置本体22bに回転自在に支持されている。これにより、チャック部22aは、回転装置本体22bに対して前記回転軸A回りに回転自在となっている。
回転装置本体22b及びワーク回転用モータ22cは、旋回装置24の後述する支持部24b上に設置されている。ワーク回転用モータ22cの駆動は、駆動ベルト22d及び図略のプーリを介して回転装置本体22bに支持された前記チャック部22aの軸部に伝達されるようになっており、その駆動が伝達されることによりチャック部22aが回転する。
旋回装置24は、ワーク回転装置22を旋回又は揺動させる機能を有する。この旋回装置24は、旋回装置本体24aと、支持部24bと、旋回モータ24cとを備えている。
旋回装置本体24aは、ワーク回転装置22のチャック部22aの下方でベース2内に配置されているとともに、そのベース2に固定されている。
支持部24bは、前記回転装置本体22bを下方から支持する部分であり、ベース2上に配設されている。この支持部24bは、旋回装置本体24aにより鉛直方向に延びる旋回軸B回りに回動可能に支持されている。旋回軸Bは、ワーク回転装置22によるワークWの回転軸Aと後述する研削工具32の移動軸である第1軸線C及び後述する研磨具42の移動軸である第2軸線Dとが交差する交点を通り、かつ、その第1軸線Cと第2軸線Dの両方に直交している。
旋回モータ24cは、ベース2内において旋回装置本体24aの下部に取り付けられている。この旋回モータ24cの駆動が支持部24bに伝達されて支持部24bとその上に設置されたワーク回転装置22とが前記旋回軸B回りに旋回するようになっている。この旋回の際、ワークWも同様に旋回するが、ワークWは、その先端部の中心を通る旋回軸Bを中心として揺動されるため、当該ワークWの先端部の位置は動かない。そして、旋回モータ24cの駆動は、制御装置16によって制御される。
具体的には、旋回モータ24cは、その制御装置16からの制御信号に応じて支持部24bを旋回させ、それによって支持部24bとその上に設置されたワーク回転装置22を図1に示すように旋回軸B回りの基準位置P1、研削位置P2、研磨位置P3の各位置に配置させる。
基準位置P1は、機内搬送ユニット14によりワークWがチャック部22aに着脱される際に支持部24b及びワーク回転装置22が配置される位置であり、研削位置P2は、研削ユニット6によるワークWの研削時に支持部24b及びワーク回転装置22が配置される位置であり、研磨位置P3は、研磨ユニット8によるワークWの研磨時に支持部24b及びワーク回転装置22が配置される位置である。そして、基準位置P1は、ワークWの回転軸Aが図1中の左右方向に延びるようにワーク回転装置22が配置される位置であり、研削位置P2は、基準位置P1から奥側(図1において上側、以下同様)にワーク回転装置22が旋回された位置であり、研磨位置P3は、基準位置P1から手前側(図1において下側、以下同様)にワーク回転装置22が旋回された位置である。
また、旋回モータ24cは、制御装置16によって制御されて研磨ユニット8によるワークWの研磨時に支持部24b及びワーク回転装置22を前記研磨位置P3を基準として所定の角度範囲(例えば、研磨位置P3に対して±5°程度の範囲)で水平面内で旋回軸Bを中心として揺動させる。これにより、図4に示すようにワークWが揺動しながら後述する研磨具42によって研磨される。この際、ワークWは、その加工すべき先端部の中心を通る旋回軸B(図2参照)を中心として揺動されるため、当該ワークWの先端部の位置は動かない。
研削ユニット6は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部を研削するものであり、ベース2上においてスピンドルユニット4よりも手前側の位置で図1における右端から中央部にかけての領域に配設されている。この研削ユニット6は、研削工具32と、研削工具回転装置34と、研削工具移動装置36とを有しており、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に研削工具32を回転させながら押し当て可能に構成されている。
研削工具32は、ワークWの先端部に球面が形成されるようにそのワークWの先端部を研削するためのものであり、円盤状の電着砥石からなる。この研削工具32は、図3に示すように、その外周面でワークWの研削を行うようになっており、当該外周面は軸方向に沿った断面において凹状の円弧状を呈している。研削工具32は、軸回りに回転しながらその外周面がワーク回転装置22によって回転させられるワークWの先端部に押し当てられ、それによってワークWの先端部を研削して球面を形成する。この球面は、ワークWの先端部の根元に設けられたくびれ部を除く範囲に形成されるものであり、球全体に及ぶものではない。なお、この研削によって形成される球面は、少なくとも半球以上に及ぶものであればよい。そして、この球面は、研削工具32の外周面の軸方向に沿った断面における円弧の径に対応した外径となる。研削工具32としては、その外周面の前記円弧の径が異なる複数種類のものが用意されている。研削工具32は、研削工具回転装置34に対して着脱自在に取り付けられるようになっており、ワークWの先端部に形成すべき球面の径に応じて、前記複数種類の研削工具32の中から所定の前記円弧の径を有する外周面を持つものを選択して用いることが可能となっている。
研削工具回転装置34は、研削工具32をその軸心が水平方向に配置された状態でその軸回りに回転させるものである。この研削工具回転装置34は、研削工具移動装置36の後述する支持体36b上に設置されている。そして、当該研削工具回転装置34による研削工具32の回転軸は、前記基準位置P1に配置されたワーク回転装置22の回転軸Aと平行でかつ同じ高さ位置に配置されている。この研削工具回転装置34は、研削工具回転装置本体34aと、取付部34bと、研削工具回転用モータ34cと、駆動ベルト34dと、図略のプーリとを有する。
研削工具回転装置本体34aは、図1及び図2中の左右方向に延びる姿勢で配設されている。この研削工具回転装置本体34aは、取付部34bを水平軸回り、すなわち研削工具回転装置34による研削工具32の回転軸回りに回転自在に支持している。
取付部34bは、研削工具32を着脱自在に取り付け可能に構成されている。この取付部34bは、研削工具回転装置本体34aの図1及び図2における左端に配設されている。研削工具32は、取付部34bに対して同軸に取り付けられ、当該研削工具32と当該取付部34bは一体となって回転する。
研削工具回転用モータ34cは、研削工具回転装置本体34aに付設されており、この研削工具回転用モータ34cの駆動は、駆動ベルト34d及び図略のプーリを介して研削工具回転装置本体34aに伝達されるとともに、研削工具回転装置本体34aから取付部34bに伝達されるようになっている。この駆動の伝達によって取付部34b及びそれに取り付けられた研削工具32が回転する。
研削工具移動装置36は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研削工具32が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で研削工具回転装置34を移動させるものである。具体的には、この研削工具移動装置36は、ワーク回転装置22によるワークWの回転軸Aと交差する第1軸線C上でそのワークWに対して研削工具32が接離するように研削工具回転装置34を直線的に移動させる。第1軸線Cは、前記基準位置P1に配置されたワーク回転装置22の回転軸Aと直交するとともに、ベース2の中央部付近から手前側に水平に延びる線であり、この第1軸線Cと研削工具32の回転軸とは互いに直交している。そして、研削工具移動装置36は、ベース2に設置されており、研削工具移動装置本体36aと、支持体36bと、図略の研削工具移動用モータとを有する。なお、研削工具移動用モータはベース2内に配置されている。
研削工具移動装置本体36aは、ベース2の上面に固定されており、支持体36bを前記第1軸線Cに沿って移動可能に支持している。これにより、支持体36bは、その上に設置された研削工具回転装置34とともに前記第1軸線Cに沿って移動可能となっている。
図略の研削工具移動用モータの駆動により支持体36bが研削工具移動装置本体36aに対して移動されるようになっている。研削工具移動用モータの駆動は、制御装置16によって制御される。具体的には、研削工具移動用モータは、制御装置16からの制御信号に応じて正転、逆転又は停止し、それによってワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に対する支持体36b及び研削工具回転装置34の接近、離反又は停止が切り換えられる。
研磨ユニット8は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部を研磨するものであり、ベース2上においてスピンドルユニット4の奥側に設けられている。この研磨ユニット8は、研磨具42と、研磨具回転装置44と、研磨具移動装置46とを有しており、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に研磨具42を回転させながら押し当て可能に構成されている。
研磨具42は、前記研削工具32により球面に形成されたワークWの先端部を研磨するためのものであり、略円筒状のホーニング砥石からなる。このホーニング砥石は、前記研削工具32の電着砥石よりもかなり目の細かい砥石であり、研削工具32により形成された球面をより滑らかな球面に仕上げることができる。研磨具42は、図4に示すように、軸回りに回転しながらその軸方向の一端面(先端面)がワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に押し当てられ、それによってワークWの先端部が球面研磨される。
研磨具回転装置44は、研磨具42を水平方向に延びる姿勢で支持するとともにその軸回りに回転させるものである。この研磨具回転装置44は、研磨具移動装置46の後述する図略の支持体上に設置されている。そして、当該研磨具回転装置44による研磨具42の回転軸は、前記基準位置P1に配置された状態のワーク回転装置22の回転軸Aに直交するとともに水平方向に延び、その回転軸Aと同じ高さ位置に配置されている。この研磨具回転装置44は、研磨具回転装置本体44aと、ホルダ44bと、図略の研磨具回転用モータとを有する。
研磨具回転装置本体44aは、ベース2上において奥から手前側へ延びる姿勢で配設されている。この研磨具回転装置本体44aは、ホルダ44bを研磨具42の回転軸回りに回転自在に支持している。
ホルダ44bは、研磨具42を保持するものであり、図4に示すように保持部44eと軸部44fとを有する。保持部44eは、研磨具42の基端部が挿し込まれてその研磨具42を保持する。軸部44fは、保持部44eと一体的かつ同軸に設けられている。この軸部44fは、研磨具回転装置本体44aに回転自在に支持されており、それによってホルダ44b及びそれに保持された研磨具42が軸回りに回転可能となっている。
図略の研磨具回転用モータは、図1に示す研磨具回転装置本体44aの内部に配置されている。この研磨具回転用モータの駆動力は、ホルダ44bの軸部44fに伝達されるようになっており、この駆動力の伝達によってホルダ44b及びそれに保持された研磨具42が回転する。
なお、研磨具回転装置本体44aには、図略の押付け用エアシリンダが内蔵されており、このエアシリンダの駆動によりホルダ44bをその軸方向に移動させて研磨具42をワークWに接触及び押圧できるようになっている。また、押付け用エアシリンダの駆動は、制御装置16によって制御されるようになっており、その駆動制御によりワークWに対する研磨具42の押付け力を制御可能となっている。
研磨具移動装置46は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研磨具42が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で研磨具回転装置44を移動させるものである。具体的には、この研磨具移動装置46は、ワーク回転装置22によるワークWの回転軸Aと交差する第2軸線D上でそのワークWに対して研磨具42が接離するように研磨具回転装置44を直線的に移動させる。第2軸線Dは、前記基準位置P1に配置されたワーク回転装置22の回転軸Aと直交するとともに、ベース2の中央部付近から奥側に水平に延びる線であり、この第2軸線Dは研磨具42の回転軸に一致している。この第2軸線Dは、前記第1軸線Cと反対側に延びている。そして、研磨具移動装置46は、ベース2上に設置されており、前記研削工具移動装置36と基本的に同様に構成されている。すなわち、研磨具移動装置46は、研磨具移動装置本体46aと、図略の支持体と、研磨具移動用モータ46bと、駆動ベルト46cと、図略のプーリとを有する。研磨具移動用モータ46bの駆動力は、駆動ベルト46c及び図略のプーリを介して研磨具移動装置本体46aに伝達され、その駆動力により前記図略の支持体が研磨具移動装置本体46aに対して移動されるようになっている。そして、前記研削工具移動装置36の場合と同様に、研磨具移動用モータ46bの駆動が制御装置16によって制御され、その研磨具移動用モータ46bの正転、逆転、停止が切り換えられることにより、ワークWの先端部に対する前記図略の支持体及びその上に設置された研磨具回転装置44の接近、離反、停止の各動作が行われるようになっている。
測定ユニット10は、ワーク回転装置22によって回転させられるワークWの加工すべき部分、すなわちワークWの先端部の最外径を測定するためのものである。この測定ユニット10は、ベース2上において研削ユニット6と研磨ユニット8との間でワーク回転装置22と反対側の領域に設けられているとともに、研磨ユニット8寄りの位置に配置されている。この測定ユニット10は、測定装置52と、測定子移動装置54を有する。
測定装置52は、測定装置本体52aと、一対の測定子52bと、図略の検出部とを有する。
測定装置本体52aは、ワーク回転装置22によるワークWの回転軸Aと前記第1軸線C及び前記第2軸線Dとが交差する交点から図1中の右奥側へ斜め方向に水平に延びる第3軸線Eに沿って配設されており、一対の測定子52bを支持している。
一対の測定子52bは、ワーク回転装置22によって回転させられるワークWに研削工具32及び研磨具42が押し当てられる方向、すなわち前記第1軸線C方向及び前記第2軸線D方向と直交する上下方向においてそのワークWの先端部に両側から接触する。これにより、各測定子52bは、ワークWを研削している研削工具32及びワークWを研磨している研磨具42のいずれとも干渉することなく、図5に示すようにワークWの先端部の最外径を示す部分に接触するようになっている。
前記図略の検出部は、測定装置本体52aに内蔵されており、ワークWの先端部の最外径に相当する一対の測定子52b間の間隔を検出し、その検出結果を制御装置16へ送信する。
測定子移動装置54は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に一対の測定子52bが接触可能な位置とそこから退避した位置との間でその測定子52bを移動させるものである。具体的には、この測定子移動装置54は、ワーク回転装置22により回転させられるワークWの先端部に対して前記第3軸線E上で接離するように一対の測定子52bを直線的に移動させる。この測定子移動装置54は、図略のエアシリンダを有しており、このエアシリンダの駆動によって、ワークWの先端部に対する一対の測定子52bの接近、離反、停止の各動作が行われるようになっている。
搬入出ユニット12は、外部から加工機内へのワークWの搬入及び加工機内から外部への加工済みのワークWの搬出を行うものである。この搬入出ユニット12は、ベース2上において、前記基準位置P1に配置されたワーク回転装置22の回転軸Aの延長線上に配設されており、図1及び図2におけるベース2の右端に設けられている。この搬入出ユニット12は、搬入出ユニット本体12aと、シャトル12bとを有する。
搬入出ユニット本体12aは、図1及び図2中の左右方向に延びる姿勢でベース2上に設置されており、その左右方向においてシャトル12bを移動可能に支持している。この搬入出ユニット本体12aは、図略のエアシリンダを有しており、そのエアシリンダの駆動力によってシャトル12bを移動させるようになっている。このエアシリンダの駆動は、制御装置16によって制御される。
シャトル12bは、ワークWを立てた状態で保持し、図1中の右から左へ移動することにより加工機内にワークWを搬入する一方、図1中の左から右へ移動することにより加工機内から外部へワークWを搬出する。
機内搬送ユニット14は、搬入出ユニット12によって加工機内に搬入されたワークWを搬送してワーク回転装置22のチャック部22aに装着する一方、加工済みのワークWをチャック部22aから抜き出して搬送し、搬入出ユニット12に渡すものである。
具体的には、この機内搬送ユニット14は、一対の脚部14aと、水平支持部14bと、水平移動体14cと、鉛直支持部14dと、鉛直移動体14eと、授受部14fとを有する。
一対の脚部14aは、ベース2上に立設されているとともに、前記各装置と干渉しない位置で図2中のベース2の左端と右端に分かれて配置されている。水平支持部14bは、一対の脚部14aの上端部間に架設されており、図2中の左右方向に水平に延びている。水平移動体14cは、水平支持部14bにより図2中の左右方向に水平に移動可能に支持されている。この水平移動体14cは、図略の駆動モータを有しており、その駆動モータの駆動力によって図2中の左右方向に移動する。鉛直支持部14dは、水平移動体14cに取り付けられており、鉛直方向に延びている。鉛直移動体14eは、鉛直支持部14dにより鉛直方向に移動可能に支持されている。この鉛直移動体14eは、図略の駆動モータを有しており、その駆動モータの駆動力によって鉛直方向に昇降する。鉛直移動体14eの下端部には、授受部14fを支持する支持部14gが設けられている。
授受部14fは、チャック部22aに対するワークWの着脱と、搬入出ユニット12のシャトル12bに対するワークWの授受とを行うものである。この授受部14fは、支持部14gに傾斜した姿勢で支持されているとともに、その支持部14gによって軸回りに回動可能に支持されている。この授受部14fは、その下端部と図2における左端部とに把持部14hをそれぞれ有しており、これら両把持部14hは、授受部14fが45°に傾斜した軸回りに回動することによって互いに位置が入れ替わるようになっている。把持部14hは、授受部14fの下端部に位置する状態で搬入出ユニット12のシャトル12bからワークWを受け取り、その後、授受部14fが回動することによって前記左端部に移動する。この把持部14hは、その状態で持っているワークWをチャック部22aに渡す。また、把持部14hは、前記左端部に位置する状態でチャック部22aから加工済みのワークWを受け取り、その後、授受部14fが回動することによって授受部14fの下端部に移動する。この把持部14hは、その状態で持っているワークWを前記シャトル12bに渡す。
そして、前記水平移動体14cの駆動モータ及び前記鉛直移動体14eの駆動モータは、制御装置16によって駆動制御されるようになっている。その駆動制御により水平移動体14cの水平移動と鉛直移動体14eの鉛直移動とがそれぞれ制御されてワークWの図2における左右方向への搬送及び昇降が行われる。
制御装置16は、加工機内における上記各装置の動作を制御するものであり、ベース2の側部に取り付けられている。具体的には、この制御装置16は、ワーク回転装置22のワーク回転用モータ22c、旋回装置24の旋回モータ24c、研削工具回転装置34の研削工具回転用モータ34c、研削工具移動装置36の研削工具移動用モータ、研磨具回転装置44の研磨具回転用モータ及び押付け用エアシリンダ、研磨具移動装置46の研磨具移動用モータ46b、測定ユニット10の移動用エアシリンダ、搬入出ユニット12のエアシリンダ、機内搬送ユニット14の水平移動体14cの駆動モータ及び鉛直移動体14eの駆動モータのそれぞれの駆動を制御する。
そして、この制御装置16は、前記測定装置52において測定されるワークWの先端部の最外径の測定結果を受信し、その測定結果を監視している。制御装置16は、ワークWの研削開始後、ワークWの先端部の最外径が所定の第1の値に達したことに応じて研削工具移動用モータを逆転させ、研削工具回転装置34を手前側に移動させて研削工具32をワークWから離反させることによりワークWの研削を終了させるとともに、前記図略の研磨具移動用モータを正転させ、研磨具回転装置44を手前側に移動させて研磨具42をワークWに近づける。そして、制御装置16は、研磨具回転装置44に内蔵された図略の押付け用エアシリンダを駆動させて、研磨具42をワークWに接触させ、かつ押付けることによりワークWの研磨を開始させる。この時、押付け用エアシリンダによる研磨具42のワークWへの押付け力が任意に制御される。さらに、制御装置16は、ワークWの研磨開始後、ワークWの先端部の最外径が前記第1の値よりも小さい所定の第2の値に達したことに応じて前記研磨具移動用モータを逆転させ、研磨具回転装置44を奥側に移動させて研磨具42をワークWから離反させることによりワークWの研磨を終了させる。
操作盤18は、オペレータにより操作されるものであり、この操作盤18を用いて電源のオンオフや、ワークWの各種加工条件の設定等が行われる。
次に、本実施形態の球面加工機の動作について説明する。
まず、初期状態においてワーク回転装置22は、基準位置P1に配置されており、研削工具回転装置34、研磨具回転装置44及び測定子52bはそれぞれベース2の中央部から退避している。この状態で、搬入出ユニット12のシャトル12bにより外部から加工機内に未加工のワークWが搬入される。この未加工のワークWは、直棒状の部材で加工対象となる先端部が円柱状であるとともに、その根元にくびれ部が形成された状態のものである。そして、加工機内に搬入されたワークWは、機内搬送ユニット14によって搬送されて前記基準位置P1にあるワーク回転装置22のチャック部22aに基端部側から挿し込まれる。チャック部22aは、挿し込まれたワークWをチャックする。
次に、旋回装置24によりワーク回転装置22が研削位置P2に旋回されるとともに、測定子移動装置54により一対の測定子52bがベース2の中央部側へ移動され、その一対の測定子52bがワークWの先端部に上下から接触する。そして、ワーク回転装置22によりワークWの回転が開始される。その後、研削工具回転装置34により研削工具32の回転が開始されるとともに研削工具移動装置36により研削工具回転装置34が奥側に移動され、軸回りに回転するワークWの先端部に研削工具32が回転しながら押し当てられる。これにより、ワークWの先端部の球面研削が開始される。この状態で、測定装置52においてワークWの先端部の最外径が測定され、その測定結果が制御装置16に送信される。
制御装置16は、受信した前記測定結果を監視し、ワークWの先端部の最外径が第1の値になるまで前記球面研削を継続させる。そして、ワークWの先端部の最外径が第1の値に達すると、制御装置16は、研削工具移動装置36により研削工具回転装置34を手前側に退避させてワークWの研削を終了させる。この際、測定子52bも退避させられる。
次に、旋回装置24によりワーク回転装置22が研磨位置P3に旋回されるとともに、一対の測定子52bが上記と同様に移動し、その一対の測定子52bがワークWの先端部に接触する。その後、研磨具回転装置44により研磨具42の回転が開始されるとともに研磨具移動装置46により研磨具回転装置44が手前側に移動され、図略の押付け用エアシリンダにより、軸回りに回転するワークWの先端部に回転する研磨具42の先端面が押し当てられる。これにより、ワークWの先端部の球面研磨が開始される。そして、この研磨中には、旋回装置24によりワーク回転装置22の揺動が継続して行われる。そして、前記研削の場合と同様に測定装置52によって測定されたワークWの先端部の最外径が制御装置16によって監視されており、制御装置16は、そのワークWの先端部の最外径が前記第1の値よりも小さい所定の第2の値に達すると、研磨具移動装置46により研磨具回転装置44を奥側に退避させてワークWの研磨を終了させる。この際、測定子52bも退避させられる。
次に、旋回装置24によりワーク回転装置22が基準位置P1に戻され、その後、機内搬送ユニット14によってチャック部22aから加工済みのワークWが抜き出されるとともにそのワークWは搬入出ユニット12の位置まで搬送されてシャトル12bに渡される。最後に、シャトル12bにより、その加工済みのワークWが外部へ搬出される。
以上のようにして、本実施形態による球面加工機の動作が行われる。
以上説明したように、本実施形態による球面加工機は、ワーク回転装置22によって回転させられるワークWに球面が形成されるように研削するための研削工具32を回転させながらそのワークWに押し当て可能な研削ユニット6と、その研削ユニット6により球面に形成されたワークWの表面を研磨するための研磨具42を回転させながらそのワークWに押し当て可能な研磨ユニット8とを備えているので、研削装置のみによってワークWに球面を研削加工する場合に比べて、滑らかな球面をワークWに形成することができる。また、本実施形態では、1つの加工機内で研削ユニット6によってワークWに球面を研削加工した後、その球面を研磨ユニット8によって研磨することが可能であるので、別々に設けられた研削装置と研磨装置とでワークWの研削と研磨とを個別に行う場合と異なり、研削装置から研磨装置へワークWを移してセットし直すための時間が不要であり、ワークWの加工効率を向上させることができる。また、本実施形態では、研削ユニット6によりワークWに粗い球面を形成してから研磨ユニット8によりそのワークWの球面を研磨して滑らかな球面に仕上げることが可能であるので、研磨装置のみで未加工の状態のワークWに球面を形成する場合に比べて、滑らかな球面の形成に要する時間を短縮することができる。従って、本実施形態では、ワークWに滑らかな球面を形成することができるとともに、その球面の加工効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、研削ユニット6が、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研削工具32が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で研削工具回転装置34を移動させる研削工具移動装置36を有しており、研磨ユニット8が、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに研磨具42が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で研磨具回転装置44を移動させる研磨具移動装置46を有している。このため、研削工具32をワークWの先端部に接触させて研削を行っている間は研磨具移動装置46により研磨具回転装置44を退避させてワークWの先端部から研磨具42を離反させておくことが可能である一方、研磨具42をワークWの先端部に接触させて研磨を行っている間は研削工具移動装置36により研削工具回転装置34を退避させてワークWの先端部から研削工具32を離反させておくことが可能である。このため、1つの加工機内で研削工具32によるワークWの先端部の研削と研磨具42によるワークWの先端部の研磨とをそれぞれ独立して行うことができる。
また、本実施形態では、研削工具移動装置36が、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに対して第1軸線C上で研削工具32が接離するように研削工具回転装置34を移動させる一方、研磨具移動装置46が、ワーク回転装置22により回転させられるワークWに対して第1軸線Cと異なる方向に延びる第2軸線D上で研磨具42が接離するように研磨具回転装置44を移動させるので、ワーク回転装置22によって回転させられるワークWに対して研削工具32と研磨具42とが異なる方向から接離する。これにより、各工具32,42の移動時に研削工具32と研磨具42との干渉を回避しつつ、ワークWのうち第1軸線C及び第2軸線Dとの交点近傍の部分の位置を変えることなくその部分に研削工具32による研削と研磨具42による研磨とを行って滑らかな球面を形成することができる。
また、本実施形態では、旋回装置24が、ワークWの研削時には旋回軸B回りにおける研削位置P2にワーク回転装置22を配置する一方、ワークWの研磨時にはワーク回転装置22を前記研削位置P2と異なる研磨位置P3へ旋回軸B回りに旋回させる。このため、研削工具32と研磨具42とがそれぞれ異なる方向からワークWのうち第1軸線C及び第2軸線Dとの交点近傍の部分、すなわちワークWの先端部に接触する場合に、その先端部の位置を変えることなく、研削工具32と研磨具42のワークWに対する接触方向に応じてそれら研削工具32と研磨具42に対するワークWの先端部の接触の向きを変えることができる。
また、本実施形態では、旋回装置24が、ワークWの研磨時に、研磨位置P3を基準として所定の角度範囲でワーク回転装置22を旋回軸Bを中心として揺動させるので、ワークWを揺動させないで研磨する場合に比べて、研磨具42によるワークWの研磨領域を拡大することができるとともに、その研磨領域全体を均一に球面研磨することができる。また、本実施形態では、旋回装置24を利用してワークWの揺動を行うことができるので、旋回装置24とは別に前記揺動を行うための揺動装置を設ける場合に比べて球面加工機の構成を簡略化することができる。
また、本実施形態では、制御装置16が、測定ユニット10によって測定されるワークWの先端部の最外径が第1の値に達したことに応じて研削ユニット6によるワークWの研削動作を終了させるとともに研磨ユニット8によるワークWの研磨動作を開始させる一方、測定ユニット10によって測定されるワークWの先端部の最外径が前記第1の値よりも小さい第2の値に達したことに応じて研磨ユニット8によるワークWの研磨動作を終了させるので、研削ユニット6によるワークWの球面研削から研磨ユニット8によるワークWの球面研磨に至る各工程を自動的に進行させることができる。これにより、研削ユニットによる研削動作と研磨ユニットによる研磨動作をそれぞれオペレータの操作に応じて実行させる場合と異なり、そのようなオペレータの操作が不要となるので、ワークWの球面加工にかかる手間を削減することができる。
そして、本実施形態では、ワークWの先端部の最外径の変化に応じて研削ユニット6によるワークWの球面研削から研磨ユニット8によるワークWの球面研磨に至る各工程を自動的に進行させることができるので、研削ユニット6による研削を一旦停止させてワークWの先端部の最外径を確認するとともに、研磨ユニット8による研磨を一旦停止させてワークWの先端部の最外径を確認しながら研削及び研磨の各工程を実行する場合と異なり、前記停止にかかる時間のロスを防ぐことができ、ワークWの加工効率をより向上することができる。
また、本実施形態では、測定ユニット10の測定装置52が、ワーク回転装置22によって回転させられるワークWに研削工具32及び研磨具42が押し当てられる方向と直交する方向において当該ワークWの両側から接触する一対の測定子52bと、その一対の測定子52b間の間隔を検出する図略の検出部とを有するので、一対の測定子52bがワークWに接触して最外径の測定を行ったとしても、その測定子52bとワークWに押し当てられる研削工具32及び研磨具42とが干渉するのを防ぐことが可能である。そして、このことに起因して、測定子52bと研削工具32及び研磨具42との干渉を回避しつつ、測定子52bがワークWに接触する方向と直交する方向であってワークWの先端部の周囲の広い範囲で研削工具32及び研磨具42をワークWに押し当てることが可能となる。その結果、測定子52bと研削工具32及び研磨具42との干渉を回避しながらその測定子52bによってワークWの先端部の最外径の測定を可能とするとともに、ワークWの先端部に対する研削工具32及び研磨具42の押し当て方向の設定の自由度を向上することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、ワークWの先端部の最外径を測定する測定装置は、上記のような測定子52bを用いて測定するものに限られず、その他の種々の方法によって測定するものであってもよい。この場合、ワークWが回転しているとともに、そのワークWを研削工具32が研削しているとき及び研磨具42が研磨しているときにワークWの先端部の最外径を測定可能な測定装置を用いることが望ましい。
また、研削工具による研削範囲と研磨具による研磨範囲とがワークWの球面加工すべき領域をカバー可能であれば、必ずしもワークWの研削時と研磨時とに合わせて上記のように研削位置P2と研磨位置P3とにワーク回転装置22を旋回させなくてもよい。
また、ワークWの研磨時に、上記のようなワーク回転装置22の揺動を行わなくてもよい。
本発明の一実施形態による球面加工機の概略的な平面図である。 本発明の一実施形態による球面加工機の正面図である。 本発明の一実施形態による球面加工機において研削ユニットによりワークの先端部を研削しているときの状態を示す図である。 本発明の一実施形態による球面加工機において研磨ユニットによりワークの先端部を研磨しているときの状態を示す図である。 本発明の一実施形態による球面加工機の測定ユニットの構成を示す図である。
符号の説明
6 研削ユニット
8 研磨ユニット
10 測定ユニット
16 制御装置
22 ワーク回転装置
24 旋回装置
32 研削工具
34 研削工具回転装置
36 研削工具移動装置
42 研磨具
44 研磨具回転装置
46 研磨具移動装置
52b 測定子
W ワーク

Claims (7)

  1. ワークを回転させるワーク回転装置を備え、そのワーク回転装置によって回転させられる前記ワークを球面加工する球面加工機であって、
    前記ワークに球面が形成されるように研削するための研削工具を有し、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研削工具を回転させながら押し当て可能な研削ユニットと、
    前記球面に形成されたワークの表面を研磨するための研磨具を有し、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研磨具を回転させながら押し当て可能な研磨ユニットとを備えた、球面加工機。
  2. 前記研削ユニットは、前記研削工具を回転させる研削工具回転装置と、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研削工具が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で前記研削工具回転装置を移動させる研削工具移動装置とを有し、
    前記研磨ユニットは、前記研磨具を回転させる研磨具回転装置と、前記ワーク回転装置により回転させられる前記ワークに前記研磨具が接触可能な位置とそこから退避した位置との間で前記研磨具回転装置を移動させる研磨具移動装置とを有する、請求項1に記載の球面加工機。
  3. 前記研削工具移動装置は、前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と交差する第1軸線上でそのワークに対して前記研削工具が接離するように前記研削工具回転装置を移動させ、
    前記研磨具移動装置は、前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と前記第1軸線との交点を通り、かつ、前記第1軸線と異なる方向に延びる第2軸線上で前記ワークに対して前記研磨具が接離するように前記研磨具回転装置を移動させる、請求項2に記載の球面加工機。
  4. 前記ワーク回転装置による前記ワークの回転軸と前記第1軸線及び前記第2軸線との交点を通り、かつ、前記第1軸線及び前記第2軸線の両方に直交する旋回軸を中心として前記ワーク回転装置を旋回させる旋回装置を備え、
    この旋回装置は、前記研削ユニットによる前記ワークの研削時には前記旋回軸回りにおける所定の研削位置に前記ワーク回転装置を配置する一方、前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨時には前記ワーク回転装置を前記研削位置と異なる所定の研磨位置へ前記旋回軸回りに旋回させる、請求項3に記載の球面加工機。
  5. 前記旋回装置は、前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨時には、前記研磨位置を基準として所定の角度範囲で前記ワーク回転装置を前記旋回軸を中心として揺動させる、請求項4に記載の球面加工機。
  6. 前記ワーク回転装置によって回転させられる前記ワークの加工すべき部分の最外径を測定するための測定ユニットと、
    前記研削ユニットによる研削動作及び前記研磨ユニットによる研磨動作をそれぞれ制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記測定ユニットによって測定される前記ワークの加工すべき部分の最外径が第1の値に達したことに応じて前記研削ユニットによる前記ワークの研削動作を終了させるとともに前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨動作を開始させ、前記測定ユニットによって測定される前記ワークの加工すべき部分の最外径が前記第1の値よりも小さい第2の値に達したことに応じて前記研磨ユニットによる前記ワークの研磨動作を終了させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の球面加工機。
  7. 前記測定ユニットは、前記ワーク回転装置によって回転させられる前記ワークに前記研削工具及び前記研磨具が押し当てられる方向と直交する方向において当該ワークに両側から接触する一対の測定子と、その一対の測定子間の間隔を検出する検出部とを有する、請求項6に記載の球面加工機。
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