JP2010115281A - 内視鏡照明光学系及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源からの光を平凸レンズ15を介して物体に照射する内視鏡照明光学系10において、平凸レンズ15の光学機能面15a,15bの一方の面15bが、凹凸状の山と谷を有する砂目状の面であって、その砂目状の面の凹凸状の山と谷の高さの差を、中心部Aと周辺部Bとで異なる高さとした。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1では、レンズ面に砂目状の面を形成する方法として、1次加工において、レンズを加工ヤトイに固定し砥石を用いてレンズを研削することで砂目状の面と凸非球面とを同時に形成している。さらに、2次加工において、研磨シートで砂目状の面を磨くようにした点が開示されている。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、総光量の減少を抑え、配光ムラを防止するとともに、配光特性の制御を可能とした内視鏡照明光学系及びその製造方法を提供することを目的とする。
光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成され、その砂目状の面の前記凹凸状の山と谷の高さの差を部分的に異ならせたことを特徴とする。
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が前記光源側に凸球面又は凹球面を有することを特徴とする。
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が前記光源側に凸非球面又は凹非球面を有することを特徴とする。
前記光学部材の光学機能面が前記物体側に平面、前記光源側に凸球面又は凹球面を有することを特徴とする。
前記光学部材の光学機能面が前記物体側に平面、前記光源側に凸非球面又は凹非球面を有することを特徴とする。
光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系の製造方法において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面で、その砂目面を部分的に加熱溶解させて前記凹凸状の山と谷の高さの差を異ならせたことを特徴とする。
光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系の製造方法において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面で、その砂目面を異なる粗さの砥石で部分的に研削加工して前記凹凸状の山と谷の高さの差を異ならせたことを特徴とする。
[第1の実施の形態]
図1は、内視鏡照明光学系10の構成を示す図である。
まず、不図示の光源から出射された照明光は、ライトガイド12、ロッドレンズ13、両凸レンズ14、及び平凸レンズ15を介して不図示の物体に照射される。そして、その反射光が不図示の観察光学系に取り込まれ、撮像素子(CCD等)に画像として撮像される。
平凸レンズ15は、物体側に平面部15aを有し、光源側に凸球面部15bを有している。平面部15aは鏡面に仕上げられている。また、凸球面部15bは凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。さらに、この凸球面部15bは、その砂目状の面の凹凸状の山と谷の高さの差が部分的に異なる値に形成されている。これについては、図2
及び図3で後述する。
図2及び図3において、凸球面部15bを平坦面に投影したときの半径をRとしたとき、半径が0〜0.5Rの領域(中心部)Aでは、凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。図2の中心部Aに、この砂目状の面を明示的に##の記号で示した。この砂目状の面の凹凸状の山と谷の法線方向の高さの差h0は、h0=0.17μm〜0.37μmに形成されている。また、この砂目状の面の表面粗さは、Ra=0.17μm〜0.37μmである(テーラーホブソン社製フォームタリサーフの測定による)。
[第2の実施の形態]
図4は、内視鏡照明光学系20の構成を示す図である。
平凸レンズ25は、物体側(図の左側)に平面部25aを有し、光源側(図の右側)、すなわちライトガイド22の出射端面側に凸球面部25bを有している。平面部25aは鏡面に仕上げられている。また、凸球面部25bは、ライトガイド22の出射端面(平面)と接触するように配置されている。
前述した図3と同様に、この凸球面部25bを投影したときの半径をRとしたとき、半径が0〜0.5Rの領域(中心部)Aでは、凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。図5の中心部Aに、この砂目状の面を明示的に##の記号で示した。
本実施形態の内視鏡照明光学系20によれば、第1の実施の形態のようなロッドレンズ13等をなくしたことで全長を短くでき、しかも広角照明化を図ることができる。また、平凸レンズ25の凸球面部25bを、その中心部Aでは砂目状の面とし、周辺部Bの表面粗さのみを細かくしたことで、配光ムラをなくしつつ光量のロスを少なくして総光量をアップすることができる。
[第3の実施の形態]
図6は、内視鏡照明光学系30の構成を示す図である。
平凸レンズ35は、物体側に平面部35aを有し、光源側(図の右側)、すなわちライトガイド32の出射端面側に凸球面部35bを有している。平面部35aは鏡面に仕上げられている。また、凸球面部35bは、ライトガイド32の出射端面(平面)と接触するように配置されている。
図7及び図8において、凸球面部35bを投影したときの半径をRとしたとき、半径が0.5R〜1.0Rの領域すなわち半径0.5Rよりも外側の領域(周辺部)Bでは、凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。図7の周辺部Bに、この砂目状の面を明示的に##の記号で示した。この砂目状の面の凹凸状の山と谷の法線方向の高さの差h1は、h1=0.17μm〜0.37μmに形成されている。また、この砂目状の面の表面粗さは、Ra=0.17μm〜0.37μmである(テーラーホブソン社製フォームタリサーフの測定による)。
本実施形態のように、平凸レンズ35の凸球面部35bの中心部Aの表面粗さのみを細かくすることで、中心を明るくして中心光量をアップし、周辺を暗くする照明特性にすることができる。
[第4の実施の形態]
図9は、内視鏡照明光学系40の構成を示す図である。
平凹レンズ45は、物体側に平面部45aを有し、光源側(図の右側)、すなわちライトガイド42の出射端面側に凹球面部45bを有している。平面部45aは鏡面に仕上げ
られている。また、凹球面部45bの周端面45c(平面)は、ライトガイド42の出射端面(平面)と接触するように配置されている。
図10及び図11において、凹球面部45bを平坦面に投影したときの半径をRとしたとき、半径が0〜0.5Rの領域(中心部)Aでは、凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。図10の中心部Aに、この砂目状の面を明示的に##の記号で示した。
本実施形態の内視鏡照明光学系40によれば、平凹レンズ45の凹球面部45bを、その中心部Aでは砂目状の面とし、周辺部Bの表面粗さのみを細かくしたことで、照明の広角化を図ることができるとともに、配光ムラをなくしつつ光量のロスを少なくして総光量をアップすることができる。
[比較例について]
図12は、内視鏡照明光学系20’の構成を示す図である。
平凸レンズ25’は、物体側に平面部25a’を有し、光源側(図の右側)、すなわちライトガイド22’の出射端面側に凸球面部25b’を有している。平面部25a’は鏡面に仕上げられている。また、凸球面部25b’は、ライトガイド22’の出射端面(平面)と接触するように配置されている。
図13は、平凸レンズ25’の凸球面部25b’を光源方向から見た正面図であり、図14は、平凸レンズ35の光軸方向に沿う断面図である。
[配光特性について]
図15は、内視鏡照明光学系20を例として、その照明光と配光角±θとの関係を示す図である。
図16は、中心光量を1として規格化した場合の配光特性を示す図であり、図17は、光の強度の絶対値で示した図である。
以上のように、平凸レンズ25の凸球面部25bの砂目面の一部を、部分的に表面粗さの異なる面に変更することで照明系の配光特性を変えることができる。すなわち、一点鎖線の内視鏡照明光学系30のように、凸球面部25b等の周辺部を砂目面とし、中心部の表面粗さのみを細かくすると中心光強度は強くなり視野角度はシャープになる。
[第5の実施の形態]
本実施形態では、平凸レンズ75の砂目状の面を部分的に加熱して、表面粗さを小さくする内視鏡照明光学系の製造方法について説明する。
この加熱装置50は、筐体51に覆われた加熱室52と、この加熱室52に型セット70を投入する投入室54と、加熱室52から搬出された型セット70を冷却する冷却室55とを有している。
図19に示すように、型セット70は、下プレート71、型本体72、スリーブ73、及び中リング74を有している。下プレート71は平板状をなし、その上面に型本体72及びスリーブ73の端面が当接載置されている。型本体72は円柱状をなし、先端に凹状の成形面72aを有している。中リング74は平板状をなし、中心に平凸レンズ75を保持する孔74aが形成されている。型本体72と中リング74は、円筒状のスリーブ73に嵌挿されている。
本実施形態では、型本体72の径DがD=φ9.2mmで、高さHがH=5.45mm、中リング74の孔74aの径dがd=φ1.5mmである。しかし、形状や寸法はこれに限らない。
図20は、平凸レンズ75の光学機能面75aの周辺部を加熱するときの工程を示している。
そして、型セット70の組み付け時に、型本体72の成形面72aに平凸レンズ75の光学機能面75a(例えば凸非球面部)を密接させる。加熱前の平凸レンズ75の光学機能面75aは、一様に凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。この砂目状の面の凹凸状の山と谷の高さの差は、例えばh0=0.17μm〜0.37μmに形成されているとする(図3参照)。
本実施形態によれば、平凸レンズ75の周辺部の凹凸状の山と谷の高さの差を中心部よりも小さくすることができる。この平凸レンズ75を用いることにより、光学機能面の周辺部の光量増加を図ることができる。
すなわち、型本体72には平凸レンズ75と嵌合する内径を有する有底孔72cが形成されている。この有底孔72cの底面の中央に非球面状の成形面72dが形成されている。
有する砂目状の面に形成されている。この砂目状の面の凹凸状の山と谷の高さの差は、例えばh1=0.17μm〜0.37μmに形成されているとする(図8参照)。
本実施形態によれば、平凸レンズ75の中心部の凹凸状の山と谷の高さの差を周辺部よりも小さくすることができる。この平凸レンズ75を用いることにより、中心部の表面粗さを周辺部の表面粗さよりも小さく(細かく)して広角化を図りつつ、中心部の光量増加を図ることができる。
[第6の実施の形態]
本実施形態では、平凸レンズ75を研削により、表面粗さを小さくする内視鏡照明光学系の製造方法について説明する。
図22に示すように、ホルダ77に支持された円盤状のダイヤモンド砥石781が、中心軸Oを中心として自転しながら、平凸レンズ75の光学機能面に沿って矢印C,D方向に移動する。
すなわち、精研削用のカップ形状のダイヤモンド砥石782の研削面(先端面)を凹状の球面又は非球面に形成する。また、研削面の中央には逃げ溝79が形成されている。こうして、ダイヤモンド砥石782を中心軸Oを中心として矢印E方向に回転させる。すると、平凸レンズ75の光学機能面は、中心部を除く周辺部の表面粗さのみが小さく仕上げられる。
すなわち、平凸レンズ75の光学機能面75aは、一様に凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成されている。次いで、精研削用の円柱形状のダイヤモンド砥石783の研削面(先端面)の中心部のみを凸状の球面又は非球面に形成する。こうして、ダイヤモンド砥石783を中心軸Oを中心として矢印E方向に回転させる。すると、平凸レンズ75の光学機能面は、周辺部を除く中心部の表面粗さのみが小さく仕上げられる。
又は周辺部のみの凹凸状の山と谷の高さの差を異ならせることができる。
12 ライトガイド
13 ロッドレンズ
131 コアガラス
132 クラッドガラス
13a 凸球面部
13b 平面部
14 両凸レンズ
14a 凸球面部
14b 凸球面部
15 平凸レンズ
15a 平面部
15b 凸球面部
20 内視鏡照明光学系
22 ライトガイド
25 両凸レンズ
30 内視鏡照明光学系
32 ライトガイド
35 両凸レンズ
40 内視鏡照明光学系
42 ライトガイド
45 両凹レンズ
50 加熱装置
51 筐体
52 加熱室
54 投入室
55 冷却室
56 予熱ステージ
57 本加熱ステージ
58 徐冷ステージ
59 シャッタ
60 シャッタ
621 基台
622 基台
623 基台
631 加熱プレート
632 加熱プレート
633 加熱プレート
641 カートリッジヒータ
642 カートリッジヒータ
643 カートリッジヒータ
66 真空チャンバ
70 型セット
71 下プレート
72 型本体
72a 成形面
73 スリーブ
74 中リング
74a 孔
75 平凸レンズ
75a 光学機能面
77 ホルダ
781 ダイヤモンド砥石
782 ダイヤモンド砥石
783 ダイヤモンド砥石
79 逃げ溝
Claims (7)
- 光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面に形成され、その砂目状の面の前記凹凸状の山と谷の高さの差を部分的に異ならせた
ことを特徴とする内視鏡照明光学系。 - 前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が前記光源側に凸球面又は凹球面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学系。 - 前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が前記光源側に凸非球面又は凹非球面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学系。 - 前記光学部材の光学機能面が前記物体側に平面、前記光源側に凸球面又は凹球面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学系。 - 前記光学部材の光学機能面が前記物体側に平面、前記光源側に凸非球面又は凹非球面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡照明光学系。 - 光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系の製造方法において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面で、その砂目面を部分的に加熱溶解させて前記凹凸状の山と谷の高さの差を異ならせた
ことを特徴とする内視鏡照明光学系の製造方法。 - 光源からの光を光学部材を介して物体に照射する内視鏡照明光学系の製造方法において、
前記光学部材の光学機能面の少なくとも1面が凹凸状の山と谷を有する砂目状の面で、その砂目面を異なる粗さの砥石で部分的に研削加工して前記凹凸状の山と谷の高さの差を異ならせた
ことを特徴とする内視鏡照明光学系の製造方法。
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