JP2006126452A - 光学シートの転写型製造方法,光学シートの転写型,光学シート,透過型スクリーン,背面投射型表示装置 - Google Patents

光学シートの転写型製造方法,光学シートの転写型,光学シート,透過型スクリーン,背面投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学シートの頂部及び谷部に形成される不完全形状を低減し、スクリーンの映像鮮明性を向上させ、良好な映像を得ることができるファインピッチの光学シートの転写型製造方法,光学シートの転写型,光学シート,透過型スクリーン,背面投射型表示装置を提供する。
【解決手段】切削工程(a)を行って作製したメス型41を転写してオス型42を作製する。このオス型42には、メス型41に生じているバリ及び波打ちが反転して転写されているので、このオス型42を希硝酸溶液N中に浸すバリ処理工程(e)を行う。この処理により、オス型42のバリ及び波打ちを軽減することができる。さらに、オス型42を利用してメス型43を作製し、このメス型43を用いてフレネルレンズシート20を成型する。
【選択図】図3−1

Description

本発明は、リアプロジェクションテレビ等に使用される光学シートの転写型製造方法,光学シートの転写型,光学シート,透過型スクリーン,背面投射型表示装置に関するものである。
背面投射型表示装置では、透過型スクリーンに対して光源部から映像光を投射して、その映像光を透過型スクリーンを透過させて表示を行っている。この透過型スクリーンには、フレネルレンズシート、拡散板等が用いられている。フレネルレンズシートは、投射された映像光を観察者側に集光させ画面の輝度均一性を向上させている。また、拡散板は、水平方向の視野特性を制御する役割を果たしており、さらにはブラックストライプと呼ばれる光遮光部を形成することによりコントラストを向上させている。また、拡散板のさらに観察者側には、前面板が設けられる場合が多い。この前面板は、フレネルレンズシートと拡散板を保護するために装着されており、様々な表面処理、例えば、ハードコート、反射防止、防眩、帯電防止等の処理が行われている。また、近年では拡散板を前面板に貼り合わせた形態の物も見られるようになった。
透過型スクリーンに使用されるフレネルレンズシートは、近年映像のデジタル化に伴う高画質化よりファインピッチ化が進んできた。フレネルレンズシートは、一般に、切削加工によりフレネルレンズ形状のメス型(又はオス型を切削し電鋳などによりメス型を複製する)を作成し、UV硬化樹脂を用いて金型形状を転写して成型される。しかし、金型の切削加工時に、バリや波打ちがメス型の頂部や谷部に発生することは、避けられない。したがって、従来は、金型を使用して成型したフレネルレンズシートにも、金型のバリや波打ちに対応する形状が賦形されてしまう場合があった。
なお、本明細書中において、バリとは、切削時の切りクズが少々残っている状態を指し、また、波打ちとは、金型自身が切削中の微震等により少々倒れてしまった状態を指すものとする。
図8は、従来のフレネルレンズシートの製造過程において、生じるバリと、その影響について説明する図である。
図8(a)では、金型150を切削工具Tにより切削して作成している状態を示している。このとき、バリ151が発生したとする。この金型150を用いて成型したフレネルレンズシート110には、不完全形状部111が形成されてしまう。そして、このフレネルレンズシート110に映像光を投射したとすると、不完全形状部111において映像光が拡散するなどして、観察されてしまい、表示される映像が劣化してしまう。
特に、近年のファインピッチ化に伴い、シート全体に対して頂部と谷部が占める割合が増加したことから、金型のバリ及び波打ちに起因する映像品質の低下という問題が顕著になってきた。
さらに、このファインピッチ化によって、切削工具の先端部のごく僅かな部分を用いて金型全体を加工することとなり、金型の切削加工時に切削工具に掛かる負担が増加し、切削工具の磨耗などによって、バリや波打ちの発生する確率がふえ、これらの影響が際立つようになってきた。
また、背面投射型表示装置の薄型化を図るために、透過型スクリーンに対して極端に大きな入射角度で映像光を投射する背面投射型表示装置が開発されている。そのような背面投射型表示装置の透過型スクリーンでは、従来からのフレネルレンズシートに代わって、多数のプリズム形状を多数並べたプリズムシートが用いられる場合がある。このプリズムシートは、光源部から入射した光を、その全反射面によって、観察者側へ全反射して偏向させることにより、大きな入射角度で投射された映像光であっても、効率よく利用することを可能にしている。
しかし、このようなプリズムシートでは、プリズム形状の鋭角化によってバリや波打ちの発生しやすい状況となっている。
特許文献1では、フレネルレンズ形状のオス型を切削し、樹脂を用いてそのオス型からメス型をとった後に、谷部(バリ)を埋めることにより、金型のバリを低減している。
しかし、特許文献1の手法では、表面張力によってフレネルレンズ形状の同心円の中心(いわゆるフレネル中心)のような、略平坦な部分の形状が埋まってしまうという問題があった。
特開2001−150453号公報
本発明の課題は、光学シートの頂部及び谷部に形成される不完全形状を低減し、スクリーンの映像鮮明性を向上させ、良好な映像を得ることができるファインピッチの光学シートの転写型製造方法,光学シートの転写型,光学シート,透過型スクリーン,背面投射型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、少なくとも片面に微少な単位光学要素を多数並べて配置した光学シート(20,20−2)を成型する転写型を製造する方法であって、前記単位光学要素に対応する反転形状を、その配列ピッチ0.2mm以下となるように切削により形成する切削工程と、前記切削工程により形成された反転形状の切削型の谷部及び頂部に発生するバリ及び波打ちの少なくとも一方を含む不完全形状、及び/又は、前記切削型から直接又は間接的に転写された転写型に形成された前記不完全形状に対応する転写不完全形状を化学的又は物理的に低減するバリ処理工程と、を有する光学シートの転写型製造方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の転写型製造方法において、前記バリ処理工程は、前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を、前記単位光学要素の配列ピッチの1/10以下の量に低減すること、を特徴とする光学シートの転写型製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学シートの転写型製造方法において、前記バリ処理工程は、化学的に転写型の素材を溶解する溶解処理により前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を低減すること、を特徴とする光学シートの転写型製造方法である。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学シートの転写型製造方法において、前記バリ処理工程は、ブラスト処理により前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を低減すること、を特徴とする光学シートの転写型製造方法である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の転写型製造方法において、前記切削工程により切削する前記反転形状は、フレネルレンズ形状を反転した形状であること、を特徴とする光学シートの転写型製造方法である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の転写型製造方法により製造された光学シートの転写型(43,51)である。
請求項7の発明は、少なくとも片面に微少な単位光学要素を多数並べて配置した光学シート(20,20−2)を成型する転写型であって、前記単位光学要素に対応し、配列ピッチ0.2mm以下で配列された反転形状を備え、前記反転形状の転写型谷部及び頂部に残存するバリ及び波打ちの少なくとも一方は、前記単位光学要素の配列ピッチの1/10以下の量であること、を特徴とする光学シートの転写型(43,51)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の光学シートの転写型において、前記反転形状は、化学的に転写型の素材を溶解する溶解処理により前記バリ及び前記波打ちの少なくとも一方が低減されていること、を特徴とする光学シートの転写型(43)である。
請求項9の発明は、請求項7に記載の光学シートの転写型において、前記反転形状は、ブラスト処理により前記バリ及び前記波打ちの少なくとも一方が低減されていること、を特徴とする光学シートの転写型(51)である。
請求項10の発明は、請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の光学シートの転写型において、前記反転形状は、フレネルレンズ形状を反転した形状であること、を特徴とする光学シートの転写型(43,51)である。
請求項11の発明は、請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の光学シートの転写型を直接、又は、間接的に用いて成型された光学シート(20,20−2)である。
請求項12の発明は、少なくとも片面に微少な単位光学要素を、その配列ピッチ0.2mm以下となるように多数並べて配置した光学シートであって、前記単位光学要素の谷部及び頂部に残存しているバリ及び波打ちの少なくとも一方は、前記バリ及び波打ちの無い状態における前記谷部又は頂部の位置からのずれ量が前記配列ピッチの1/10以下であること、を特徴とする光学シート(20,20−2)である。
請求項13の発明は、請求項11又は請求項12に記載の光学シート(20,20−2)を含み、背面側から投射された映像光を観察者側へ透過して表示する透過型スクリーン(10)である。
請求項14の発明は、映像光を投射する光源部(2)と、前記光源部からの映像光が投射される請求項13に記載の透過型スクリーン(10)と、を備える背面投射型表示装置(1)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)バリ及び波打ちの少なくとも一方を化学的又は物理的に低減するので、光学シートの頂部及び谷部に形成される不完全形状を低減し、スクリーンの映像鮮明性を向上させ、良好な映像を得ることができる。
(2)バリ処理をおこない、バリ及び波打ちの少なくとも一方を、単位光学要素に対応する反転形状の配列ピッチの1/10以下の量に低減するので、バリ及び波打ちに起因する画質の劣化を目立たなくすることができる。
(3)化学的に転写型の素材を溶解する溶解処理によりバリ及び波打ちの少なくとも一方を低減するので、バリ及び波打ちの双方を効果的に低減することができる。
(4)ブラスト処理によりバリ及び波打ちの少なくとも一方を低減するので、より簡単にバリ及び波打ちを低減することができる。
(5)成型型の反転形状は、フレネルレンズ形状を反転した形状であるので、バリ及び波打ちに起因する映像劣化が現れやすいフレネルレンズシートのバリ及び波打ちを低減することができる。
光学シートの頂部及び谷部の不完全形状を低減し、スクリーンの映像鮮明性を向上させ、良好な映像を得るという目的を、転写型の製造工程にバリ及び波打ちを低減する処理を追加することにより実現した。
図1は、本実施例における背面投射型表示装置1の断面を示す図である。
本実施例における背面投射型表示装置1は、光源部2,ミラー3,透過型スクリーン10を有している。
本実施例における光源部2は、CRTを用いて映像光を出射し、この光源部2から出射される映像光は、ミラー3により反射されて透過型スクリーン10に投射される。
図2は、透過型スクリーン10を示す図である。図2(a)は、斜視図を示し、図2(b)は、縦断面を示している。
本実施例における透過型スクリーン10は、フレネルレンズシート20と、拡散板30とを有している。
フレネルレンズシート20は、光源部2から広がりながら投射される映像光を集光して観察者側へ出射する働きを主に有している。フレネルレンズシート20の入射面側には、単位レンチキュラー形状がピッチ0.1mmで並んで水平方向に延在し、垂直方向において光を制御するレンチキュラーレンズ部(垂直制御レンチキュラーレンズ部)21が形成されている。また、フレネルレンズシート20の出射側には、ピッチ0.07mmのフレネルレンズ部22が形成されている。
なお、本実施例におけるフレネルレンズシート20には、レンチキュラーレンズ部21が形成され、垂直方向の輝度分布を改善する例を示したが、これに限らず、例えば、光源部が液晶素子、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)等を用いている場合には、レンチキュラーレンズ部を設けなくてもよい。
拡散板30は、押出し成型法によりアクリル(屈折率1.49)を母材とし、内部に光拡散粒子として平均粒径20μm、屈折率1.56の球状の架橋アクリル−スチレン共重合樹脂からなるビーズを含有したシートである。拡散板30により、映像光が適度に拡散され、視野角を広げることができる。
なお、拡散板30は、ビーズを含有することにより光を拡散する例を示したが、例えば、レンチキュラーレンズシートを用いて、垂直方向や水平方向等の特定の方向に光を拡散するようにしてもよい。
図3−1,3−2は、フレネルレンズシート20の製造方法を、その成型に使用する転写型の製造過程から示した図である。
以下、図3−1,3−2に従い、フレネルレンズシート20の製造方法について、フレネルレンズシート20を成型する転写型の製造方法も含めて説明する。
(メス型41切削工程:図3−1(a),(b))
まず、真鍮板を、ダイヤモンドバイトである切削工具Tを用いて旋盤により切削加工を行い、フレネルレンズ部22のメス型41を形成する。このメス型41には、バリ及び波打ちを含んだ不完全形状が多数存在している。
(オス型42作製工程:図3−1(c),(d))
メス型41を用いて、Ni電鋳(ニッケル電気鋳造)によりオス型42を作製する。Ni電鋳は、高精度の転写性を有し、微細な表面形状を確実に再現可能である反面、このオス型42には、メス型41に残っていたバリ及び波打ちが転写され、転写不完全形状として形成されてしまっている。
(バリ処理工程:図3−1(e))
オス型42に転写されているバリや波打ちに相当する部分を低減するために、バリ処理工程を行う。本実施例では、バリ及び波打ちに相当する部分を有したオス型42を希硝酸溶液N中に浸して、化学的な溶解処理によってバリ及び波打ちを軽減する。ここで、希硝酸溶液Nの濃度、オス型42を希硝酸溶液N中に浸す時間によってバリ及び波打ちの軽減される量が異なるが、あまり溶解が進んでしまうと、フレネルレンズ形状そのものが崩れてきてしまうので、注意が必要である。そこで、本実施例では、バリ及び波打ちの軽減目安を以下のように決めた。
図4は、フレネルレンズシート20の出射側(フレネルレンズ部22側)をシート面の法線方向から見た拡大図である。図4(a)は、バリB及び波打ちWがある状態を示し、図4(b)は、バリも波打ちも発生していない理想的な状態を示している。
図4において、フレネルレンズ面22aと非レンズ面22bとの間の頂点部分にバリB及び波打ちWが発生している。本実施例のように、配列ピッチが0.2mm以下のファインピッチのフレネルレンズにおいては、配列ピッチをPとし、バリ又は波打ちの量をδとしたときに、δ<P/10を満たせば、バリ及び波打ちに起因する画質の劣化が目立つことは無く、本実施例では、これを目標として処理を行った。なお、δ<P/20を満たすようにすると、バリ及び波打ちに起因する画質の劣化は、完全に排除することができる。
ここで、バリ又は波打ちの量δは、シート法線方向から見た状態(図4の状態)におけるフレネルレンズ形状の理想線(設計上の頂点位置)からのずれ量である。バリや波打ちの確認方法としては、シート(オス型42)を法線方向(真上)から顕微鏡などの拡大鏡で観察し、フレネルレンズの理想線からのばらつきを見るとよい。
本実施例におけるフレネルレンズ部22は、上述のようにピッチ0.07mmで単位フレネルレンズ形状が並んでおり、バリB及び波打ちWの量δが0.007mm以下となるまで、バリ処理工程を行った。具体的には、0.8重量%濃度の希硝酸溶液Nに24時間、オス型42を浸漬し、取り出した(図3−1(f))。
溶解処理することによりオス型42の頂部のバリB及び波打ちWは、ピッチの1/10以下に軽減された。また、オス型42の表面の微細な傷やざらつき及び金属結晶の結晶単位に沿って溶解が進行するためオス型42のマット処理も同時に行うことができる。
(メス型43作製工程:図3−2(g),(h))
図3−2に移って、バリ処理工程によりバリB及び波打ちWが軽減されたオス型42よりさらにフレネルレンズ形状のメス型43を作製する。このメス型43は、オス型42の形状が転写されるので、バリ及び波打ちの軽減されたメス型となる。
(フレネルレンズ部形成工程:図3−2(i)〜(k))
メス型43を用いて、フレネルレンズ部22を形成する。なお、アクリル(屈折率1.49)を用いた押出方式によりレンチキュラーレンズ形状(レンチキュラーレンズ部21)を予め片面に形成したシートを作製しておく。このシートのレンチキュラーレンズ部21とは反対側に、紫外線硬化型樹脂を塗布し、メス型43と接合させた状態で紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させる。メス型43から離型することにより、フレネルレンズシート20を得ることができる。
本実施例において、バリ処理工程を行ったメス43を用いて成型したフレネルレンズシート20は、表面の微細な傷やざらつきが無い。また、フレネル頂部が丸まっているため拡散板30とこすれる可能性が低い。さらに、表面の微細な傷やざらつきをなくした上で表面がマット加工されているため外光反射成分を拡散することにより画面の白浮きを抑えることができる。
(比較例)
ここで、比較例として、上記バリ処理工程を行わない他は、本実施例と同様な工程により作成したフレネルレンズシートを作製した。なお、この比較例のフレネルレンズシートは、本実施例におけるフレネルレンズシート20と同一素材により形成され、基本的に同一形状であるが、フレネルレンズ形状のバリ及び波打ちの量が、0.007mm(フレネルレンズ形状のピッチ0.07mmの1/10)よりも大きくなっている。
(比較例と実施例1との比較)
実施例1によるフレネルレンズシート20と上記比較例によるフレネルレンズシートとを、それぞれ拡散板30と合わせて背面投射型表示装置にセットして表示される映像を比較した。
図5は、比較例と実施例1それぞれによるフレネルレンズシートを使用した背面投射型表示装置に表示される像を比較したときの概容を説明する図である。図5(a)は、比較例を用いた場合の表示映像を示し、図5(b)は、実施例1を用いた場合の表示映像を示している。
比較例のフレネルレンズシートを使用した場合には、近づいて立ち見で下方を見るとスクリーン下部(図5(a)中の領域R)にざらつきと強い着色(レインボー)が観察され、また、離れて正面から見るとフレネルレンズによる外光反射の白浮きがはっきりと確認できた。それに対し、実施例1によるフレネルレンズシート20を用いた場合には、ざらつきは僅かであり、外光反射による白浮きも殆ど確認することができなかった。
実施例2は、フレネルレンズシートを形成する金型を直接切削することとし、また、バリ処理工程を他の方法とした他は、実施例1と同様であり、フレネルレンズシートの形態も実施例1と同一であることから、これらの共通する部分の説明は省略し、製造工程についてのみ説明を行う。
図6は、実施例2におけるフレネルレンズシート20−2の製造方法を、その成型に使用する転写型の製造過程から示した図である。
(メス型51切削工程:図6(a),(b))
まず、ニッケル板を、ダイヤモンドバイトである切削工具Tを用いて旋盤により切削加工を行い、フレネルレンズ部22−2のメス型51を形成する。このメス型51には、バリ及び波打ちが多数存在している。
(バリ処理工程:図6(c))
メス型51に転写されているバリや波打ちに相当する部分を低減するために、バリ処理工程を行う。本実施例では、ブラスト処理することによってもバリ及び波打ちを低減する。なお、バリ及び波打ちを低減する量は、実施例1と同様に、δ<P/10を目標として処理を行った。
(フレネルレンズ部形成工程:図6(d)〜(f))
メス型51を用いて、フレネルレンズ部22−2を形成する。なお、アクリル(屈折率1.49)を用いた押出方式によりレンチキュラーレンズ形状(レンチキュラーレンズ部21−2)を予め片面に形成したシートを作製しておく。このシートのレンチキュラーレンズ部21−2とは反対側に、紫外線硬化型樹脂を塗布し、メス型51と接合させた状態で紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させる。メス型51から離型することにより、フレネルレンズシート20−2を得ることができる。
本実施例により得られたフレネルレンズシート20−2を用いた背面投射型表示装置についても、実施例1と同様に、良好な映像を観察することができた。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
実施例1において、ニッケル製の型を希硝酸を用いて溶解を行う例を示したが、これに限らず、例えば、他の材料の型を用いてもよいし、溶解に使用する薬品についても、他の薬品を用いてもよい。
また、各実施例において、フレネルレンズシートを成型する転写型を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図7に示すように、透過型スクリーンに対して極端に大きな入射角度で映像光を投射する背面投射型表示装置に使用するプリズムシート20−3に本発明を適用してもよい。この図7に示すプリズムシート20−3は、入射面22a−3に入射した映像光L1を全反射面22b−3により観察側へ効率よく偏向して出射するものである。このようなプリズムシートに本発明を適用することにより、プリズム形状の鋭角化によってバリや波打ちの発生しやすい状態となっていても、バリ及び波打ち等の不完全形状を低減することができる。
さらに、その他、各種光学シートのバリ及び波打ちを軽減する場合についても、本発明を有効に利用することができる。
本実施例における背面投射型表示装置1の断面を示す図である。 透過型スクリーン10を示す図である。 フレネルレンズシート20の製造方法を、その成型に使用する転写型の製造過程から示した図である。 フレネルレンズシート20の製造方法を、その成型に使用する転写型の製造過程から示した図である。 フレネルレンズシート20の出射側(フレネルレンズ部22側)をシート面の法線方向から見た拡大図である。 比較例と実施例1それぞれによるフレネルレンズシートを使用した背面投射型表示装置に表示される像を比較したときの概容を説明する図である。 実施例2におけるフレネルレンズシート20−2の製造方法を、その成型に使用する転写型の製造過程から示した図である。 本発明の変形例として適用することができるプリズムシートを説明する図である。 従来のフレネルレンズシートの製造過程において、生じるバリと、その影響について説明する図である。
符号の説明
1 背面投射型表示装置
2 光源部
3 ミラー
10 透過型スクリーン
20,20−2 フレネルレンズシート
21,21−2 レンチキュラーレンズ部
22,22−2 フレネルレンズ部
30 拡散板
41,43,51 メス型
42 オス型
T 切削工具
B バリ
W 波打ち
N 希硝酸溶液

Claims (14)

  1. 少なくとも片面に微少な単位光学要素を多数並べて配置した光学シートを成型する転写型を製造する方法であって、
    前記単位光学要素に対応する反転形状を、その配列ピッチ0.2mm以下となるように切削により形成する切削工程と、
    前記切削工程により形成された反転形状の切削型の谷部及び頂部に発生するバリ及び波打ちの少なくとも一方を含む不完全形状、及び/又は、前記切削型から直接又は間接的に転写された転写型に形成された前記不完全形状に対応する転写不完全形状を化学的又は物理的に低減するバリ処理工程と、
    を有する光学シートの転写型製造方法。
  2. 請求項1に記載の転写型製造方法において、
    前記バリ処理工程は、前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を、前記単位光学要素の配列ピッチの1/10以下の量に低減すること、
    を特徴とする光学シートの転写型製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学シートの転写型製造方法において、
    前記バリ処理工程は、化学的に転写型の素材を溶解する溶解処理により前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を低減すること、
    を特徴とする光学シートの転写型製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の光学シートの転写型製造方法において、
    前記バリ処理工程は、ブラスト処理により前記不完全形状、及び/又は、前記転写不完全形状を低減すること、
    を特徴とする光学シートの転写型製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の転写型製造方法において、
    前記切削工程により切削する前記反転形状は、フレネルレンズ形状を反転した形状であること、
    を特徴とする光学シートの転写型製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の転写型製造方法により製造された光学シートの転写型。
  7. 少なくとも片面に微少な単位光学要素を多数並べて配置した光学シートを成型する転写型であって、
    前記単位光学要素に対応し、配列ピッチ0.2mm以下で配列された反転形状を備え、
    前記反転形状の転写型谷部及び頂部に残存するバリ及び波打ちの少なくとも一方は、前記単位光学要素の配列ピッチの1/10以下の量であること、
    を特徴とする光学シートの転写型。
  8. 請求項7に記載の光学シートの転写型において、
    前記反転形状は、化学的に転写型の素材を溶解する溶解処理により前記バリ及び前記波打ちの少なくとも一方が低減されていること、
    を特徴とする光学シートの転写型。
  9. 請求項7に記載の光学シートの転写型において、
    前記反転形状は、ブラスト処理により前記バリ及び前記波打ちの少なくとも一方が低減されていること、
    を特徴とする光学シートの転写型。
  10. 請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の光学シートの転写型において、
    前記反転形状は、フレネルレンズ形状を反転した形状であること、
    を特徴とする光学シートの転写型。
  11. 請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の光学シートの転写型を直接、又は、間接的に用いて成型された光学シート。
  12. 少なくとも片面に微少な単位光学要素を、その配列ピッチ0.2mm以下となるように多数並べて配置した光学シートであって、
    前記単位光学要素の谷部及び頂部に残存しているバリ及び波打ちの少なくとも一方は、前記バリ及び波打ちの無い状態における前記谷部又は頂部の位置からのずれ量が前記配列ピッチの1/10以下であること、
    を特徴とする光学シート。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の光学シートを含み、背面側から投射された映像光を観察者側へ透過して表示する透過型スクリーン。
  14. 映像光を投射する光源部と、
    前記光源部からの映像光が投射される請求項13に記載の透過型スクリーンと、
    を備える背面投射型表示装置。
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JP2011215399A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Dainippon Printing Co Ltd プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置

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