JP2008003391A - 内視鏡用照明光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】配光ムラを抑制し、外径寸法の拡大を防止しつつ、観察範囲に対し十分な光量で照明する。
【解決手段】光源からの光を物体側へ導くライトガイド2と、該ライトガイド2の出射端2a側に配置される1枚以上の正のパワーを有する照明レンズ3とを備え、該照明レンズ3が複屈折性を有する結晶材料により構成されている内視鏡用照明光学系1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内視鏡用照明光学系に関するものである。
従来、内視鏡用照明光学系として、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されているものがある。
特許文献1の内視鏡用照明光学系は、ライトガイドファイバの出射端側に配置する正のパワーのレンズの少なくとも1面以上を光拡散面としたものである。これにより、光拡散面を通過させることで光を拡散させて、ライトガイドファイバの出射端面の像が物体面に投影されることによる配光ムラの発生を防止することができる。
また、特許文献2の内視鏡用照明光学系は、ライトガイドファイバの出射端側に凹レンズを配置することにより、通過する光を拡散させてライトガイドファイバの出射端面の像が物体面に投影されることによる配光ムラの発生を防止するようにしている。
特開2000−193894号公報 特開平6−273678号公報
しかしながら、特許文献1の内視鏡用照明光学系は、レンズの少なくとも1面以上に光拡散処理を施す必要があるが、光拡散処理は加工が困難で、コストが高くつくという問題がある。また光拡散面を通過する光が散乱することにより、光量ロスが発生するという不都合もある。
また、特許文献2の内視鏡用照明光学系においては、ライトガイドファイバにより伝播された光を漏れなく物体面の照明に使用して光量不足を低減するために、凹レンズの外径寸法をライトガイドファイバの外径寸法より大きくする必要がある。その結果、細径化が望まれる内視鏡用照明光学系としては不適切である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、配光ムラを抑制し、外径寸法の拡大を防止しつつ、観察範囲に対し十分な光量で照明できる低コストな内視鏡用照明光学系を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、光源からの光を物体側へ導くライトガイドと、該ライトガイドの出射端側に配置される1枚以上の正のパワーを有する照明レンズとを備え、該照明レンズが複屈折性を有する結晶材料により構成されている内視鏡用照明光学系を提供する。
本発明によれば、ライトガイドを伝播してきた光が照明レンズに入射されると、入射した光が、照明レンズの複屈折性により常光線と異常光線とに分離され、それぞれ異なる出射角度で照明レンズから出射され観察対象に照射される。これにより、デフォーカスが発生し、常光線と異常光線の作る像が重なり合ってライトガイドの出射端面のボケた像が観察対象に照射されることになり、配光ムラの発生を軽減することができる。
上記発明においては、前記照明レンズが、以下の条件式を満たすことが好ましい。
0<|δ|/f<0.8
ここで、δは、0°より大きい角度で照明レンズに入射した光の常光線の結像位置と異常光線の結像位置とのズレ量であるデフォーカス量であり、fは照明レンズの焦点距離である。
また、上記発明においては、前記常光線の光学的伝達関数の位相と、前記異常光線の光学的伝達関数の位相とがほぼ反転するようにデフォーカス量が設定されていることが好ましい。
このようにすることで、重なり合った常光線と異常光線とが、各々の配光ムラを打ち消し合って、より効果的に配光ムラの少ない照明を達成することができる。
また、上記発明においては、前記ライトガイドの開口数で前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する最大角度が75°以上、かつ、前記ライトガイドから光軸に平行な方向に沿って前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する角度が45°以上となることとしてもよい。
本発明によれば、配光ムラを抑制し、外径寸法の拡大を防止しつつ、観察範囲に対し十分な光量で照明可能な内視鏡用照明光学系を低コストに構成できるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用照明光学系1について、図1〜図13を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1は、図1に示されるように、内視鏡の挿入部(図示略)に沿って配置されたライトガイド2と、該ライトガイド2の出射端2a側に近接して配置される照明レンズ3とを備えている。
照明レンズ3は、正のパワーを有する平凸レンズであり、複屈折性を有する結晶材料により構成されている。結晶材料の光学軸は、図中に矢印Aで示されるように、光軸に平行な方向に設定されている。これにより、光軸に対して0°より大きい角度で照明レンズ3に入射した光Lは、結晶材料の複屈折性により、常光線Lと異常光線Lとに分離されるようになっている。
また、本実施形態において、照明レンズ3は以下の条件式(1)を満足している。
0<|δ|/f<0.8 (1)
ここで、δは、0°より大きい角度で照明レンズ3に入射した光Lの常光線Lの結像位置と異常光線Lの結像位置とのズレ量であるデフォーカス量であり、fは照明レンズ3の焦点距離である。
ここで、上記条件式(1)について説明する。
デフォーカス量δは照明レンズ3に入射する光Lの開口数NAと、照明レンズ3の肉厚dと、常光屈折率nおよび異常光屈折率nとによって決定される。照明レンズ3に入射させる光Lを出射するライトガイド2からの光Lの開口数NAは通常0.7未満であり、照明レンズ3の肉厚dは3mm未満である。また、常光屈折率nと異常光屈折率nとの屈折率差Δnは以下の条件式(2)を満足する必要がある。この条件式(2)を満たさない場合には、屈折率の大きい方の光線が全反射を起こして効率よく照明することができない。
Δn=|n−n|<0.5 (2)
図1に示されるように、ライトガイド2の出射端2aから出射され、照明レンズ3の中心点Oに入射した開口数NA=sinθの光線Lは常光線Lおよび異常光線Lに分離する。このとき、結晶の光学軸Aは光軸と平行であるので、それぞれの光線L,Lに対して以下のスネルの法則が成り立つ。
sinθ=nsinφ
sinθ=nsinφ
ここで、記号φおよびφは、それぞれ常光線Lおよび異常光線Lの点Oでの屈折角である。
また、常光線Lおよび異常光線Lがそれぞれ照明レンズ3の最終面3aと交差する点R,Rと照明レンズ3と光軸とが交差する点Qとの間の距離をそれぞれh,hとすると、
=dsinφ
=dsinφ
となる。
点Qから常光線Lの結像点Pまでの距離x、異常光線Lの結像点Pまでの距離xとすると、
=h/tanθ
=h/tanα
となる。ここで、αは異常光線Lの照明レンズ3の最終面3aでの屈折角である。屈折角αは異常光線Lの関係式で定まるが、ここでは簡単のために、α=θと近似して考える。
デフォーカス量δは、下式(3)で表される。
Figure 2008003391
照明レンズ3の曲率半径としては、入射する平行光Lが全反射を起こさない限界とし、d=3、sinθ=0.7、Δn=0.5として、以下の上限が求められる。
|δ|/f<0.8
また、常光線Lと異常光線Lとがデフォーカスされることを条件として、下限は、
0<|δ|/f
となる。
したがって、これらから関係式(1)が導かれる。
このように本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1によれば、ライトガイド2を介して伝播されてきた光Lを照明レンズ3に入射させ、照明レンズ3を構成している複屈折性を有する結晶材料の作用により、入射された光Lを常光線Lと異常光線Lとに分離させて最終面3aから出射させ観察対象に照射するので、ライトガイド2の出射端2aの像(図2(a))をデフォーカスした状態(図2(b),(c))で観察対象に照射することができ、配光ムラを抑制することができる。
この場合において、従来のように照明光を光拡散面において拡散させる場合と異なり、散乱による光量ロスの発生を防止することができる。また、加工の困難な光拡散処理をしなくて済むので照明レンズ3のコストの低減を図ることができる。また、照明レンズ3として凹レンズを用いる場合と比較すると、照明レンズ3の外径寸法をライトガイド2と同等にして、内視鏡の挿入部の細径化を図ることができるという利点がある。
さらに、本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1においては、常光線Lの光学的伝達関数(OTF)の位相が、異常光線Lの光学的伝達関数(OTF)の位相とほぼ反転するようにデフォーカス量δが設定されていることが好ましい。
すなわち、光学的伝達関数OTF,OTFの位相が反転する光線L,Lどうしを重ね合わせることにより、それぞれの配光ムラを打ち消し合って、配光ムラを効果的に抑制することができる。
例えば、図3に示されるように、ライトガイド2から照明レンズ3の中心点Oに入射される光線Lが、光軸に対してほぼ0°〜45°の範囲であると仮定する。そして、中心点Oに45°の角度で入射した光Lの内、常光線Lの結像点をPとする。また、中心点Oに5°の角度で入射した光の内の常光線Lの点Pの位置近傍における像高をh/2とすると、点P近傍における常光線Lの点像分布を、一様なシリンダ関数として、次式(4)のように定義することができる。
Figure 2008003391
ここで、hは照明レンズ3表面での反射の法則と簡単な幾何計算とにより次式(5)により表される。
Figure 2008003391
上記シリンダ関数をフーリエ変換することにより、次式(6)のソンブレロ関数を求めることができる。ソンブレロ関数は、図4に示されるようになり、これが、常光線Lの光学的伝達関数OTFになる。
Figure 2008003391
したがって、この常光線Lの光学的伝達関数OTFに対し、異常光線Lの光伝達関数OTFが、図4に破線で示されるように、その位相が反転するようにデフォーカス量δを決定することができれば、各光線L,Lの配光ムラを打ち消し合って、配光ムラが効果的に軽減された照明を得ることができる。
所定の照明レンズ3の肉厚dにおける常光屈折率nに対して最適なデフォーカス量δは、式(5)、(6)を用いて求めることができる。このような配光ムラの軽減に適したデフォーカス量δを持たせるために、常光屈折率nと異常光屈折率nとの間には、一定の関係が成り立つ。所定の照明レンズ3の肉厚dおよび常光屈折率nを式(5)に代入するとhが求まる。このhを式(6)に代入すると、図4のような常光線の光学的伝達関数が得られる。このソンブレロ関数が最小値となるときのzが最適なデフォーカス量δに相当する。ここで得られたデフォーカス量δと、先の照明レンズ3の常光屈折率nと、肉厚dとを式(3)に代入することにより、異常光屈折率nを求めることができる。
このようにして求められた、常光屈折率nと異常光屈折率nとの関係は次式(7)の通りである。
=1.17n−0.16 (7)
この式(7)の関係は、照明レンズ3の肉厚dに依存せず、一定である。
さらに、本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1においては、ライトガイド2の開口数NAで照明レンズ3に入射して該照明レンズ3の最終面3aから出射する光線L,Lの光軸に対する最大角度が75°以上、かつ、ライトガイド2から光軸に平行な方向に沿って照明レンズ3に入射して該照明レンズ3の最終面3aから出射する光線L,Lの光軸に対する角度が45°以上となるように設定されていることが好ましい。
このようにすることで、図5に示されるように、照明光の半値幅を80°以上に設定することができ、観察視野に対して十分な配光を与えることができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、照明レンズ3として、1枚の照明レンズ3を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1枚以上の任意の枚数の照明レンズ3を有することとしてもよい。
また、結晶材料としては、複屈折性を有する任意の結晶材料を使用することができ、例えば、表1に示される材料を選択して使用することができる。
Figure 2008003391
特に、照明レンズ3を1枚で構成する場合に、広角の観察範囲に対し十分な配光を与えるためには、高屈折率の結晶材料を用いることが好ましく、その場合には、照明レンズ3の曲率半径を大きくすることができ、加工を容易にすることができるという利点がある。
次に、本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1の実施例について、図面を参照して説明する。
(第1実施例)
第1実施例に係る内視鏡用照明光学系1は、図6に示されるように、ルチル単結晶からなる照明レンズ3を備えている。ルチル単結晶とは、正方晶系ルチル構造の二酸化チタン(TiO)結晶をいい、常光屈折率n=2.616、異常光屈折率n=2.913の複屈折性を有している。結晶の光学軸は光軸と平行である。また、ライトガイド2のコア径は27μm、クラッド径は30μmである。
本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1の数値データは以下の通りである。
=∞、d=0、D=1.34(ライトガイド端面)
=1.56、d=1.0、n=2.616、ν=10.07、D=1.5
=∞、D=1.4
ここで、Rはライトガイド2端面2aまたは照明レンズ3の各面等の曲率半径、dはライトガイド2と照明レンズ3との間隔または照明レンズ3の肉厚、nは照明レンズ3の屈折率、νは照明レンズ3のアッベ数、Dはライトガイド2または照明レンズ3の有効径をそれぞれ示している。
これらの数値データにより、
δ=0.031mm
f=0.944
となり、
|δ|/f=0.033
となって、条件式(1)を満足していることがわかる。
本実施例においては、ライトガイド2の開口数NAで照明レンズ3に入射し、照明レンズ3の最終面3aから出射されて観察対象に照射される光線L,Lの内、光軸に対して最大となる光線L,Lの角度が89.61°となる。また、ライトガイド2の端面2aから出射した光軸と平行な光線Lが照明レンズ3に入射し、照明レンズ3の端面3aから出射される光線L,Lの光軸に対する角度は47.45°である。
その結果、図7に示されるように、照明の半値幅は86°となり、観察に十分な配光を与えることができる。
(第2実施例)
第2実施例に係る内視鏡用照明光学系1は、図8に示されるように、2枚の照明レンズ3A,3Bを備えている。照明レンズ3Aは硝材により構成され、照明レンズ3Bは、常光屈折率n=1.65836、異常光屈折率n=1.48641の複屈折性を有する方解石(CaCO)により構成されている。結晶の光学軸は光軸と平行である。また、ライトガイド2のコア径は27μm、クラッド径は30μmである。
本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1の数値データは以下の通りである。
=∞、d=0、D=1.34(ライトガイド端面)
=2.35、d=0.9、n=1.833、ν=40.76、D=1.4
=−2.35、d=0、D=1.5
=1.3、d=0、n=1.658、ν=49.21、D=1.5
=∞、D=1.4
これらの数値データにより、
δ=0.070mm
f=0.910
となり、
|δ|/f=0.077
となって、条件式(1)を満足していることがわかる。
本実施例においては、ライトガイド2の開口数NAで照明レンズ3に入射し、照明レンズ3の最終面3aから出射されて観察対象に照射される光線L,Lの内、光軸に対して最大となる光線の角度L,Lが89.68°となる。また、ライトガイド2の端面2aから出射した光軸と平行な光線Lが照明レンズ3Aに入射し、照明レンズ3Bの端面3aから出射される光線L,Lの光軸に対する角度は48.6°である。
その結果、図9に示されるように、照明の半値幅は84°となり、観察に十分な配光を与えることができる。
(第3実施例)
第3実施例に係る内視鏡用照明光学系1は、図10に示されるように、第1実施例と同様に、ルチル単結晶からなる照明レンズ3を備えている。結晶の光学軸は光軸と平行である。また、ライトガイド2のコア径は27μm、クラッド径は30μmである。
本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1の数値データは以下の通りである。
=∞、d=0、D=1.34(ライトガイド端面)
=1.218、d=1.0、n=2.616、ν=10.07、D=1.5
=∞、D=1.4
これらの数値データにより、
δ=0.031mm
f=0.737
となり、
|δ|/f=0.042
となって、条件式(1)を満足していることがわかる。
本実施例においては、ライトガイド2の開口数NAで照明レンズ3に入射し、照明レンズ3の最終面3aから出射されて観察対象に照射される光線L,Lの内、光軸に対して最大となる光線L,Lの角度が89.88°となる。また、ライトガイド2の端面2aから出射した光軸と平行な光線Lが照明レンズ3に入射し、照明レンズ3の端面3aから出射される光線L,Lの光軸に対する角度は75.58°である。
その結果、図11に示されるように、照明の半値幅は120°となり、広角の観察範囲に対し、十分な配光を与えることができる。
これにより、広角用内視鏡スコープにおいて観察光学系の軸方向に対する照明光学系1の軸方向の傾斜角度を小さくし、もしくは0°にすることができる。その結果、内視鏡の挿入部の径寸法を細径化することができる。
また、本実施例においては、1枚の照明レンズ3で広角範囲を照明でき、低コストの内視鏡用照明光学系1を提供することができる。
(第4実施例)
第4実施例に係る内視鏡用照明光学系1は、図12に示されるように、2枚の照明レンズ3A,3Bを備えている。第2実施例と同様に、照明レンズ3Aは硝材により構成され、照明レンズ3Bは、常光屈折率n=1.65836、異常光屈折率n=1.48641の複屈折性を有する方解石(CaCO)により構成されている。結晶の光学軸は光軸と平行である。また、ライトガイド2のコア径は27μm、クラッド径は30μmである。
本実施形態に係る内視鏡照明光学系1の数値データは以下の通りである。
=∞、d=0、D=1.34(ライトガイド端面)
=1.74、d=0.9、n=1.833、ν=40.76、D=1.4
=−1.74、d=0、D=1.5
=1.0、d=0、n=1.658、ν=49.21、D=1.5
=∞、D=1.4
これらの数値データにより、
δ=0.070mm
f=0.719
となり、
|δ|/f=0.097
となって、条件式(1)を満足していることがわかる。
本実施例においては、ライトガイド2の開口数NAで照明レンズ3Aに入射し、照明レンズ3Bの最終面3aから出射されて観察対象に照射される光線L,Lの内、光軸に対して最大となる光線L,Lの角度が79.42°となる。また、ライトガイド2の端面2aから出射した光軸と平行な光線Lが照明レンズ3Aに入射し、照明レンズ3Bの端面3aから出射される光線L,Lの光軸に対する角度は84.68°である。
その結果、図13に示されるように、照明の半値幅は105°となり、広角の観察範囲に対し、十分な配光を与えることができる。
(第5実施例)
本実施形態に係る内視鏡用照明光学系1は、照明レンズ3の両面にスパッタリングによる反射防止コーティング(図示略)が施されている点を除き、第3実施例と共通している。
垂直入射光のフレネル反射を次式(8)に示す。
Figure 2008003391
式(8)によれば、照明レンズ3に反射防止コーティングが施されていない場合、本実施例の場合には垂直入射光の反射率が19.97%となる。そこで、照明レンズ3の両面に反射防止コーティングが必要となる。
照明レンズ3の最終面3aは挿入部の外側に露出して外気や生体に接触するため、コーティングが剥がれやすいので、スパッタ成膜法を用いたコーティングを行うことが好ましい。
スパッタ成膜法は、真空チャンバ内にプラズマ状態を作り、蒸発した材料をイオン化して照明レンズ3の表面に膜を付着させるもので、膜を形成する粒子の持つエネルギが大きく、照明レンズ3への付着力が強いからである。
(付記)
なお、上記実施形態に係る内視鏡用照明光学系の説明から、以下の構成の発明を導くことができる。
1. 光源からの光を物体側へ導くライトガイドと、該ライトガイドの出射端側に配置される1枚以上の正のパワーを有する照明レンズとを備え、該照明レンズが複屈折性を有する結晶材料により構成されている内視鏡用照明光学系。
2. 前記ライトガイドの開口数で前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する最大角度が75°以上、かつ、前記ライトガイドから光軸に平行な方向に沿って前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する角度が45°以上となる付記項1に記載の内視鏡用照明光学系。
3. 前記ライトガイドから光軸に平行な方向に沿って前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する角度が55°以上となる付記項2に記載の内視鏡用照明光学系。
4. 前記照明レンズの両面にスパッタリングにより成膜された反射防止コーティングが設けられている付記項1に記載の内視鏡用照明光学系。
本発明の一実施形態に係る内視鏡用照明光学系を示す模式図である。 照明レンズを通過した光によるライトガイド端面の像を示す図であり、(a)複屈折のない場合の比較例、(b)複屈折のある場合のデフォーカス像、(c)複屈折のある場合の他のデフォーカス像をそれぞれ示している。 図1の内視鏡用照明光学系の光学的伝達関数を説明するための模式図であり、(a)照明レンズの全体図、(b)常光線の結像点近傍の拡大図である。 配光ムラを打ち消し合うような常光線と異常光線とのデフォーカス量を有する光学的伝達関数を示すグラフである。 図1の内視鏡用照明光学系による配光角度と照明の相対強度との関係を示すグラフである。 図1の内視鏡照明光学系の第1実施例を示す図である。 図6の内視鏡用照明光学系による配光角度と照明の相対強度との関係を示すグラフである。 図1の内視鏡照明光学系の第2実施例を示す図である。 図8の内視鏡用照明光学系による配光角度と照明の相対強度との関係を示すグラフである。 図1の内視鏡照明光学系の第3実施例を示す図である。 図10の内視鏡用照明光学系による配光角度と照明の相対強度との関係を示すグラフである。 図1の内視鏡照明光学系の第4実施例を示す図である。 図12の内視鏡用照明光学系による配光角度と照明の相対強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 内視鏡用照明光学系
2 ライトガイド
2a出射端
3 照明レンズ
3a 最終面
常光線
異常光線
OTF,OTF 光学的伝達関数

Claims (4)

  1. 光源からの光を物体側へ導くライトガイドと、
    該ライトガイドの出射端側に配置される1枚以上の正のパワーを有する照明レンズとを備え、
    該照明レンズが複屈折性を有する結晶材料により構成されている内視鏡用照明光学系。
  2. 前記照明レンズが、以下の条件式を満たす請求項1に記載の内視鏡用照明光学系。
    0<|δ|/f<0.8
    ここで、δは、0°より大きい角度で照明レンズに入射した光の常光線の結像位置と異常光線の結像位置とのズレ量であるデフォーカス量であり、fは照明レンズの焦点距離である。
  3. 前記常光線の光学的伝達関数の位相と前記異常光線の光学的伝達関数の位相とが、ほぼ反転するようにデフォーカス量が設定されている請求項2に記載の内視鏡用照明光学系。
  4. 前記ライトガイドの開口数で前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する最大角度が75°以上、かつ、前記ライトガイドから光軸に平行な方向に沿って前記照明レンズに入射して該照明レンズの最終面から出射する光線の光軸に対する角度が45°以上となる請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡用照明光学系。
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