JPH05157967A - 内視鏡照明光学系 - Google Patents

内視鏡照明光学系

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JPH05157967A
JPH05157967A JP30553191A JP30553191A JPH05157967A JP H05157967 A JPH05157967 A JP H05157967A JP 30553191 A JP30553191 A JP 30553191A JP 30553191 A JP30553191 A JP 30553191A JP H05157967 A JPH05157967 A JP H05157967A
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aspherical
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孝夫 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広角な内視鏡にも用い得てしかも平面状物
体、球面状物体、管腔状物体にも適性な照度分布を与え
る照明光学系を提供することにある。 【構成】 少なくとも一つの正レンズを含みこの正レン
ズの少なくとも1面を非球面にしてほぼh=fsinθ
を満足するようにして、上記目的を達成し得るようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡用の照明光学系
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年内視鏡の光学系が広角化するにつれ
て照明系も広角なものが要求されるようになってきた。
又観察対象物に対して適切な照度分布を与える照明光学
系の要求も高まっている。
【0003】上記のような要求に対して、広角な内視鏡
用照明光学系の例として特開昭56−70428号公報
に記載された光学系が知られている。それは図11図に
示すようにオプチカルファイバーバンドルからなるライ
トガイド1の前に正のレンズ系2を配置し、このレンズ
系2によりライトガイド1よりの光を一度集光させた後
に発散させて広角な照明を可能にしたものである。
【0004】この従来例は、ライトガイドより光軸に平
行に発した光線がレンズ系への入射高hと、この入射光
線高hに対する照明光学系からの射出角θとの関係が、
ほぼh=fsin θになっている。尚fは非球面を近似曲
率で表わした時の照明光学系の焦点距離である。
【0005】この従来例による平面状物体上における相
対的照度分布は、次のようにして求められる。
【0006】完全拡散面の平面状物体における中心に対
する周辺の相対的照度分布は、一般に次の式(1)で表
わされる。 F(θ)=(β/βM ×β/βS-1 (1) ただしβは物体面に対する近軸倍率、βM ,βS は夫々
物体面に対するメリジオナル方向およびサジタル方向の
倍率である。
【0007】上記式のβM ,βS は、物体距離がレンズ
系の射出瞳位置より十分離れている時には、夫々次の式
(2),(3)で与えられる。 βM =βcos2θ {dA(θ)/dθ} (2) βS =β {A(θ))/tanθ} (3) ただしA(θ)=h/f である。
【0008】上記の式(2),(3)より、前記の従来
例における完全拡散面の平面状物体を照明した時の相対
的照度分布は、F(θ)=cos4θとなり、図14に示す
ような中心から周辺に行くにしたがってcos4θに比例し
て暗くなる。
【0009】またこの従来例により球面状物体又は管空
状物体を照明した時の相対的な照度分布は、以下のよう
にして求められる。
【0010】一般に完全拡散面の球面状物体の相対的な
照度分布と管空状物体の相対的な照度分布は、夫々下記
式(5),(6)にて与えられる。 G(θ)=F(θ)×1/cos3θ (5) H(θ)=F(θ)×tan3θ (6) ただし、G(θ),H(θ)は夫々完全拡散面の球面状
物体および管空状物体の相対的な照度分布である。
【0011】上記の式(5),(6)より、上記従来例
における完全拡散の球面状物体および管空状物体の相対
的な照度分布は、夫々G(θ)=cos θ,H(θ)=co
sθ・sin3θとなり、図14に示すようになる。
【0012】上記の図14から明らかなように、球面状
物体の場合は、中心から周辺に行くにつれて、cos θに
したがって照度が下るが、実用上は問題のない照度分布
が得られる。また管空状物体の照度分布は、視野周辺で
急激に明るくなることはなく適正な照度分布が得られて
いる。
【0013】しかし上記従来例のようにほぼh=fsin
θの関係を満足する照明光学系は、視野角が110°以
上の広角な観察光学系に対し適用した場合、広角化に伴
って物体側から数えて第2面、第3面のパワーが強くな
りすぎてhとsin θとが比例しなくなり、入射光線高の
高い光線は物体側から数えて第1面または第3面で全反
射し周辺で又視野角が110°以上の広角な観察光学系
に適用できる照明光学系の例として、特開昭58−95
706号公報に記載された光学系がある。それは図12
に示す構成で、図11に示す従来例と比べ、レンズ枚数
が多く、コスト高になる欠点がある。
【0014】更に平面状物体照明時に均一な照度分布と
なる照明光学系として入射高hと射出角θとの間に、h
とtan θとがほぼ比例する光学系が知られている。それ
は、図13に示す特開昭62−178207号公報に記
載されたものである。
【0015】しかし、内視鏡による観察は、対象物体が
平面状物体だけでなく前述のように球面状物体と管腔状
物体等の様々である。
【0016】例えば、医療用内視鏡の場合、胃の内面は
ほぼ球面状であり、食道や気管岐の内面はほぼ管状であ
る。
【0017】hがtan θに比例する照明光学系により球
面状物体を照明する時、式(1),式(5)より照度分
布は、図15に示すような中心から周辺に行くにしたが
って1/cos3θに比例して明るくなってしまう。更に周辺
部ではレンズ内を通る光線がレンズ外周部の内面にて乱
反射して消滅したり、全反射したりすることによって、
図16に示すように急激に暗くなる。そのため球面状物
体を照明した時の照度分布は、リング状となる。
【0018】この従来例の照明光学系により管状物体を
照明した時、式(1),式(6)によりその照度分布
は、視野周辺に行くにしたがってtan3θに比例して急激
に明るくなり、適正な明るさで観察できる範囲が非常に
狭くなり、観察しにくい照明であり好ましくない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来の照明光学系の欠点を解消したもので、110°以
上の広角内視鏡にも使用し得て、かつ球面状物体に対し
てほぼ均一の照度分布を与え、平面状物体や管腔状物体
に対しても良好な照度分布を与え、しかも光量ロスの少
ない安価な内視鏡用照明光学系を提供することを目的と
するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡用照明光
学系は、少なくとも一つの正レンズを含み、この正レン
ズのうちの少なくとも一つの面を非球面としたもので、
この非球面が光軸から光軸に垂直な方向に行くにしたが
って近似曲率よりも曲率が弱くなる曲面で光源から光軸
に対して平行に発した光線の光学系への入射光線高hと
その光線高hに対する照明光学系からの射出角θとの関
係がほぼh=fsin θとなるようにし更に次の条件
(A),(B)を満足することを特徴とするものであ
る。
【0021】ただしfは照明光学系の焦点距離、f1
非球面を有する正レンズの焦点距離、F(h) は非球面を
表わす関数、nは非球面を有する正レンズのd線に対す
る屈折率である。
【0022】本発明の照明光学系は、上記のような構成
を有することによって、視野角が110°以上の広角の
内視鏡に対して用いることが出来、かつ球面上物体に対
してはほぼ均一な照度分布を与え、更に平面状物体と管
空上物体の観察対称に対しても良好な照度分布を与え、
しかも光量ロスの少ない安価な内視鏡用照明光学系を得
られるようにした。
【0023】前述のように、内視鏡等による観察を行な
う場合、観察対象としては、平面状物体だけでなく球面
状物体や管空状物体等さまざまな対象がある。このよう
な様々な物体を照明する場合、平面状物体のみ均一な照
度分布が与えられるようにしたのでは、内視鏡等による
観察の場合不十分である。そこで平面状物体、球面状物
体、管球状物体等のいずれの物体に対しても適正な照度
分布が与えられる照明光学系を得るためには、光学系へ
の入射光線高hとこの光線高hに対する照明光学系から
の射出角θとの関係がほぼh=fsin θになればよい。
【0024】この時球面状物体に対する相対的な照度分
布と、管空状物体に対する相対的な照度分布はそれぞれ
G(θ)=cos θ,H(θ)=cosθsin3θとなり、図
14に示すように球面状の照度分布は中心から周辺に行
くにしたがってcos θにしたがって照度が低下するが、
実用上は問題がない。
【0025】また管空状物体の照度分布は、視野周辺で
急激に明るくはならず、適正な照度分布が得られる。
【0026】上記のような特徴を有する少なくとも一つ
の正レンズを含む照明光学系で、110°を越える広角
な観察光学系に対応でき、かつレンズ枚数の少ない照明
光学系は、光学系の少なくとも一つの面を非球面にし、
その非球面が、光軸から垂直方向に行くにしたがって、
近似曲率よりも曲率が弱くなる曲面で構成する必要があ
る。
【0027】例えば、図9に示すように、照明レンズの
物体側の面が平面で入射光線側の面が非球面になってい
る単レンズでも上記の関係を満足し、かつ光量ロスの少
ない照明光学系になし得る。
【0028】図9に示す照明光学系において、入射光線
高hとその入射光線高hに対する照明光学系からの射出
高θとの関係が、h=fsin θになる時の非球面の形状
は、次のようにして求められる。
【0029】上記関係におけるfは非球面の形状を次の
式(3)で表わした時の近似曲率を有するレンズ系の焦
点距離である。 ただしx,hは、光軸をx軸とし物体側を負の方向にと
りh軸を面と光軸との交点を原点としてx軸に直交する
方向にとった時の座標値、Cは光軸近傍で非球面と接す
る円の曲率(近似曲率)半径の逆数、pは円錐定数、
E,F,G・・・はそれぞれ4次,6次,8次,・・・
の非球面係数である。
【0030】図9において、求めようとする面と関数を
F(h) とおき、座標(h,x)=(h,F(h) )の位置
でのF(h) の接線のh軸に対する傾き角をω、座標
(h,x)=(h,F(h) )の位置でのF(h) の接線の
法線をlとすると光線がhで光軸と平行に入射する光線
の法線lに対する屈折角をα、その光線の照明レンズの
物体側の面への入射角をβ、その射出角をθ、照明レン
ズの硝材のd線に対する屈折率をnとすると、次の式が
定義できる。 h=fsin θ (4) α+β=ω (5) nsin α=sin ω (6) nsin β=sin θ (7) tan ω=dF(h) /dh (8) 上記式のうち式(4)〜(7)により次の式(9)が導
かれる。
【0031】又式(8),(9)から次の式(10)が
得られる。
【0032】式(10)から求めようとする関数F(h)
は次の式(11)で表わされる。 単レンズで物体側の面が平面の照明光学系の場合、入射
光線高h,射出角θとの関係は、非球面の面の傾きによ
り決まるため式(4)を満足する照明光学系は、式(1
0)を満足するものであればよい。ここで式(10)
は、図10に示すように同じ焦点距離の球面レンズの面
の傾きの増加量に比べて少ない値をとっている。尚図中
縦軸は傾き量、横軸はh、又カーブ(14),(1
7),Sは夫々式(14),(17)球面について示し
ている。
【0033】以上のことから、条件(A)は少なくとも
1面が非球面である正レンズが、ほぼ式(4)を満足す
るように入射光線高hと非球面上の座標(h,F(h) )
での面の傾きdF(h) /dhの関係を規定するものであ
る。
【0034】上記の非球面を有する正レンズを含んだ照
明光学系において、条件(A)の下限を越えると、非球
面以外のレンズ面にパワーがある場合、その面でのパワ
ーが強くなりすぎて、光量のロスが多くなる。又条件
(A)の上限を越えると、非球面以外のレンズ面にパワ
ーがある場合、非球面の近似曲率が強くなりすぎて、や
はり光量のロスが多くなる。更に非球面レンズをプレス
成形で加工する場合、成形用型の加工性が悪くなる。
【0035】条件(B)は、非球面を有するレンズに使
用する硝材を規定するものである。
【0036】この条件(B)の下限を越えると、非球面
に入射する光線高の値が大きい領域での非球面の面の傾
きが急速に増大し、レンズの加工性が悪くなる。
【0037】又条件(B)は、広い照度分布を得ながら
もレンズの外径を増大させないために比較的屈折率の高
い硝材を使用することを示している。
【0038】なお、本発明の照明レンズの物体側の面
に、MgF2 、SiO2 等のコーティングを施すことによ
って、照明レンズから射出する光線のフレネル反射を少
なくし、照明レンズからの射出光量を増すこともでき
る。
【0039】また内視鏡による観察時には、水滴が照明
レンズの物体側の面上に乗り、照度分布を悪化させるこ
とがよく起る。しかし、照明レンズを物体側の面にコー
ティングを施すことによりコーティングの発水性により
水滴を排除しやすくする効果が得られる。
【0040】また、入射側の光源としてファイバーバン
ドルを用いる場合、ファイバーバンドルの射出端は、す
べての部分が一様に光っているのではなく、各ファイバ
ーのコアーの部分のみが光っているため、正レンズを用
いて照明する場合は、このファイバーバンドルの端面が
そのまま物体面上に投影されるので、コアーの部分だけ
が明るく照明され、丁度物体面上に網をかぶせたように
照明され、非常に観察しにくくなることがある。このよ
うな場合、ファイバーバンドルの中で、各ファイバー1
本、1本を融着させ光ファイバーの密度を高くした融着
ファイバーを用いればよい。又ファイバーバンドルと本
発明の照明光学系との間に筒状反射鏡を挿入しても良
い。又筒状反射鏡の代りに単ファイバーを挿入してもよ
い。
【0041】上記の網状の照度むらは、ファイバーバン
ドルの端面の像が無限大に結像する時、最も目立つの
で、単ファイバーを挿入した場合、次の条件を満足する
ことが望ましい。 FB <0 ここでFB は、非球面を近似曲率で表わした時の照明光
学系全系の後側焦点位置で、全系の最終面(例えば後に
示す実施例2等の場合はr4)から測って光源側をプラ
ス、物体側(面r1側)をマイナスとする。
【0042】また、ガラスの非球面レンズは、通常プレ
ス成形により作られるが、その時用いられる成形用型
は、非球面凸レンズの場合凹面型となる。そのため内視
鏡用等の小さなレンズ用の型は、型研磨用の砥石が型の
内面と干渉し研磨出来なかったり、プレス成形時にレン
ズの焼きつきや中心部分のレンズのひけ等をおこすこと
がある。
【0043】本発明の照明レンズの物体側の面に凸面あ
るいは凹面をもうけて非球面側の面のパワーを小さくし
たり、非球面レンズの硝材の屈折率を高くして面の曲率
を弱くして加工性を向上させてもよい。
【0044】ところで、図11に示すような従来例の場
合、物体側の面から順にr1 ,r2 ,r3 ,r4 とする
と面r2 のパワーと面r3 のパワーとはほぼ等しくなっ
ている。それは、球面レンズ系で面r1 および面r3
の光線の全反射の量を少なくし、少しでも広い照度分布
を得ようとするためである。球面レンズの場合、レンズ
周辺に行くにしたがって面のパワーが急激に強くなる。
そのため入射光線高の高い光線の全反射の量を少なくす
るためには、面r3のパワーをあまり強くすることは出
来ない。また広い照度分布を得るためには、面r2 のパ
ワーを強くする必要がある。しかし面r2 のパワーを強
くしすぎると面r1 での全反射の量が多くなるため、あ
まり面r2 のパワーを強くすることは出来ない。そのた
め照度分布と光量とのバランスをとるためほぼ面r2
面r3 のパワーを等しくしている。
【0045】しかし、本発明においては、非球面を有す
る照明レンズと光源との間に凸レンズを挿入する場合、
物体側の面から順にr1 ,r2(非球面)、r3 ,r4
とすると面r2 はレンズの周辺に行くにしたがって近似
曲率と比べ面のパワーは、それ程強くならないため、広
い照度分布を得るために面r2 のパワーを強くしても、
面r1 での光線の全反射の量はあまり増加しない。その
ため面r3 のパワーをあまり強くする必要がなくなり、
面r3 での全反射の量も少なくできる。
【0046】そこで、本発明においては、非球面を有す
る照明レンズと光源との間に設けた凸レンズの物体側の
面のパワーをφ、非球面を有する照明レンズの非球面
の近似曲率における面のパワーをφ2 とすると次の関係
を満足することが望ましい。 φ3 <φ2 本発明において、非球面を有する照明レンズと光源との
間に凸レンズを設けたことによって非球面を有する照明
レンズの加工性が向上するばかりでなく、面r3 の働き
で面r2 で有効径外になっていた光線をr2に入射させ
ることが出来、照明レンズから射出する光量を増加させ
ることが出来る。
【0047】また、その時の非球面の形状は、入射光線
高hと、この入射光線高hに対する照明光学系からの射
出角θとの関係がほぼ式(4)のh=fθを満足させる
ことが可能であり、平面状物体、球面状物体、管腔状物
体に対しても適正な照度分布を与えることが可能であ
る。
【0048】また、非球面を有する正レンズと、光源と
の間に単ファイバーや凸レンズを挿入する場合、単ファ
イバーまたは凸レンズの物体側の面の像が物体面に結像
するように配置すると、単ファイバーや凸レンズ等の物
体側の面の汚れ等が投影され、配光むらの原因になる。
【0049】そこで前記の面r1 ,r2 (非球面),r
3 ,r4 において、面r2 から面r3 までの間隔をyと
した時、次の関係を満足するように単ファイバーまたは
凸レンズを配置することが望ましい。 0≦y<fB ここで、fBは非球面を含むレンズ単体の後側焦点位置
で、y,fB共その光源側の面r2から測って光源側(面
4側)をプラス、物体側(面r1側)をマイナスとす
る。
【0050】また、凸レンズを用いた照明光学系の場
合、光源から射出角0°で射出した最も強度の強い光線
がほぼ1点に集光するところが存在する。例えば医療用
の内視鏡の場合、その集光点が照明レンズの最も物体側
の面よりも外側に存在すると人体を焼いてしまう可能性
がある。また工業用の内視鏡の場合には観察対象周辺に
可燃性のものがあるとそれに引火する可能性があり、そ
のため、本発明の照明光学系の場合は、以下の条件を満
足することが望ましい。 FF >0 ここでfF は非球面を近似曲率で表わした時の照明光学
系の前側焦点位置である。
【0051】また、本発明の工業系において、110°
以上の広角な照度分布を得て、かつ光量ロスを少なくす
るためには、光源から光軸に対して平行に発する最も光
線高の高い光線が、照明光学系の最も物体側の面で全反
射したり、照明レンズの外周部に当ったりしないように
することが望ましい。そのため例えば、照明光学の最も
物体側の面に接して単ファイバーを配置したり、物体側
の照明レンズを単ファイバーで構成してもよい。
【0052】
【実施例】次に本発明の内視鏡照明光学系の照明レンズ
の実施例を示す。 実施例1 r1 =∞ ER1 =0.93 d1 =2.3 n1 =1.78472 ν1 =25.71 r2 =-0.7848 (非球面) ER2 =0.93 非球面係数 P=0.3637,E=-0.27091×10-1 f=1,D=0.91 ,FF =0.289 実施例2 r1 =∞ ER1 =1.13 d1 =2.2 n1 =1.78472 ν1 =25.71 r2 =-0.7849 (非球面) ER2 =1.13 d2 =0 r3 =∞ ER3 =1 d3 =3.4 n3 =1.72825 ν3 =28.46 (単ファイバー) r4 =∞ ER4 =1 非球面係数 P=0.3279,E=-0.48352×10-1,F=0.59201 ×10-1 f=f1 =1,D=0.837 ,fF =0.232 ,fB =-0.9
67 実施例3 r1 =∞ ER1 =1 d1 =2.12 n1 =1.78472 ν1 =25.71 r2 =-1.028(非球面) ER2 =1 d2 =0.1 r3 =2.8475 ER3 =0.9 d3 =3.2 n3 =1.72825 ν3 =28.46 (単ファイバー) r4 =∞ ER4 =0.945 非球面係数 P=0.65 ,E=-0.10254 ,F=-0.1439 ,G=-0.23 f=1 ,D=0.9 ,FF =0.219 ,FB =-0.939 ,φ2
=0.763 , φ3 =0.256 ,f1 =fB =1.310 実施例4 r1 =-2.0956 ER1 =0.9 d1 =2.35 n1 =1.78472 ν1 =25.71 r2 =-0.852(非球面) ER2 =0.9 非球面係数 P=0.4577 ,E=-0.67478×10-3,F=-0.1018 ×10
-2 f=f1 =1 ,D=0.79 ,FF =0.213 ,FB =1.4
92 ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d
1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n
1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・
は各レンズのアッベ数である。
【0053】実施例1は、図1に示す構成で、非球面
(r2 )を有する正レンズ1枚よりなる。この実施例の
照明光学系の入射光線高hとこの入射光線高hに対する
照明光学系からの射出角θとの関係は、図5に示すよう
にほぼh=fsin θにしてある。この光学系は、観察視
野角が150°程度まで対応することが可能である。実
施例2は、図2に示す通りの構成で、非球面を有する正
レンズとこの正レンズと光源との間に単ファイバーを配
置したものである。この実施例2のhとθとの関係は、
図6に示す通りである。
【0054】この実施例2は、単ファイバーを挿入した
ことによって、ファイバーバンドルの網目状のむらが映
りにくくなり、又光源の大きさを変化させてもほとんど
照度分布が変化しない等の利点を有している。光源の大
きさを変化させてもほとんど照度を変化させないために
は、単ファイバーが次の条件を満足することが望まし
い。 2d<L ただしdは単ファイバーのコアーの径、Lは単ファイバ
ーの長さである。
【0055】この実施例の光学系も、視野角が150°
程度まで対応することが出来る。実施例3は、図3に示
す通りの構成である。この実施例3は、非球面を有する
正レンズと光源との間に凸レンズの単ファイバーを挿入
したものである。この実施例のhとθとの関係は図7に
示す通りである。又単ファイバーを挿入したことによ
り、実施例2と同様の効果を有し、更にこの単ファイバ
ーに凸面を設けたことによって、照明光学系から射出さ
れる光の光量を増加させ又非球面を有する正レンズの非
球面の近似曲率を緩くすることが出来るため、非球面レ
ンズの加工性が向上する等の利点も有する。この実施例
の光学系は、観察視野が150°程度まで対応すること
が出来る。
【0056】実施例4は、図4に示すように、非球面を
有する正レンズ1枚で構成し、この正レンズの物体側の
面を凹面にしたものである。
【0057】この実施例の光学系のhとθとの関係は、
図8に示す通りである。前記のように正レンズの物体側
の面を凹面にしたことにより、非球面の近似曲率を緩く
して加工性を向上させたものである。
【0058】この実施例4の光学系は、観察視野角が1
50°程度まで対応出来る。
【0059】
【発明の効果】本発明の照明光学系は、視野角が110
°以上の広角の内視鏡にも用い得るもので、又平面状物
体、球面状物体、管腔状運体に対しても良好な照度分布
を与えしかも光量のロスの少ない安価なものである。
【0060】尚図5乃至図8において曲線Aは実施例、
曲線Bはh=fsinθ、曲線Cはh=fθである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例4の断面図
【図5】実施例1のhとθとの関係を示す図
【図6】実施例2のhとθとの関係を示す図
【図7】実施例3のhとθとの関係を示す図
【図8】実施例4のhとθとの関係を示す図
【図9】非球面を有する照明レンズにおける光線の入射
と射出の状況を示す図
【図10】球面等におけるhと面の傾きとの関係を示す
【図11】従来の照明光学系の構成を示す図
【図12】他の従来の照明光学系の構成を示す図
【図13】更に他の照明系の構成を示す図
【図14】従来の照明系による各物体に対する照度分布
【図15】tanθに比例する照明系の照度分布を示す
【図16】上記の図15に示す照明光学系で全反射等の
影響を考慮した時の照度分布を示す図
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 内視鏡照明光学系
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡用の照明光学系
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年内視鏡の光学系が広角化するにつれ
て照明系も広角なものが要求されるようになってきた。
又観察対象物に対して適切な照度分布を与える照明光学
系の要求も高まっている。
【0003】上記のような要求に対して、広角な内視鏡
用照明光学系の例として特開昭56−20428号公報
に記載された光学系が知られている。それは図11図に
示すようにオプチカルファイバーバンドルからなるライ
トガイド1の前に正のレンズ系2を配置し、このレンズ
系2によりライトガイド1よりの光を一度集光させた後
に発散させて広角な照明を可能にしたものである。
【0004】この従来例は、ライトガイドより光軸に平
行に発した光線がレンズ系への入射高hと、この入射光
線高hに対する照明光学系からの射出角θとの関係が、
ほぼh=fsinθになっている。尚fは照明光学系の
焦点距離である
【0005】この従来例による平面状物体上における相
対的照度分布は、次のようにして求められる。
【0006】一般に、光源からの光をレンズ系を用いて
物体に照射した場合、物体表面がレンズの光軸に垂直な
完全拡散面からなる平面であるとすると、レンズの光
軸に対して角度θをなす方向の物体上の相対照度は次の
式(1)で表わされる。 F(θ)=(β/β×β/β−1 (1) ただしβは物体面に対する近軸倍率、β,βは夫々
物体面に対するメリジオナル方向およびサジタル方向の
倍率である。
【0007】上記式のβ,βは、物体距離がレンズ
系の射出瞳位置より十分離れている時には、夫々次の式
(2),(3)で与えられる。 β=βcosθ{dA(θ)/dθ} (2) β=β{A(θ))/tanθ} (3) ただしA(θ)=h/fである。
【0008】上記の式(2),(3)より、前記の従来
例における完全拡散面の平面状物体を照明した時の相対
的照度分布は、F(θ)=cosθとなり、図14に
示すような中心から周辺に行くにしたがってcosθ
に比例して暗くなる。
【0009】またこの従来例により球面状物体又は管腔
状物体を照明した時の相対的な照度分布は、以下のよう
にして求められる。
【0010】一般に完全拡散面の球面状物体の相対的な
照度分布と管腔状物体の相対的な照度分布は、夫々下記
式(5),(6)にて与えられる。 G(θ)=F(θ)×1/cosθ (5) H(θ)=F(θ)×tanθ (6) ただし、G(θ),H(θ)は夫々完全拡散面の球面状
物体および管腔状物体の相対的な照度分布である。
【0011】上記の式(5),(6)より、上記従来例
における完全拡散の球面状物体および管腔状物体の相対
的な照度分布は、夫々G(θ)=cosθ,H(θ)=
cosθ・sinθとなり、図14に示すようにな
る。
【0012】上記の図14から明らかなように、球面状
物体の場合は、中心から周辺に行くにつれて、cosθ
にしたがって照度が下るが、実用上は問題のない照度分
布が得られる。また管腔状物体の照度分布は、視野周辺
で急激に明るくなることはなく適正な照度分布が得られ
ている。
【0013】しかし上記従来例のようにほぼh=fsi
nθの関係を満足する照明光学系は、視野角が110°
以上の広角な観察光学系に対し適用した場合、広角化に
伴って物体側から数えて第2面、第3面のパワーが強く
なりすぎてhとsinθとが比例しなくなり、入射光線
高の高い光線は物体側から数えて第1面または第3面で
全反射する。また、入射光線高の高い光線ほど全反射を
起こしやすいため、110°以上の広画角域での照度は
あまり増加せず、光量だけが急激に減少してしまう。
【0014】又視野角が110°以上の広角な観察光学
系に適用できる照明光学系の例として、特開昭58−9
5706号公報に記載された光学系がある。それは図1
2に示す構成で、図11に示す従来例と比べ、レンズ枚
数が多く、コスト高になる欠点がある。
【0015】更に平面状物体照明時に均一な照度分布と
なる照明光学系として入射高hと射出角θとの間に、h
とtanθとがほぼ比例する光学系が知られている。そ
れは、図13に示す特開昭62−178207号公報に
記載されたものである。
【0016】しかし、内視鏡による観察は、対象物体が
平面状物体だけでなく前述のように球面状物体と管腔状
物体等の様々である。
【0017】例えば、医療用内視鏡の場合、胃の内面は
ほぼ球面状であり、食道や気管岐の内面はほぼ管状であ
る。
【0018】hがtanθに比例する照明光学系により
球面状物体を照明する時、式(1),式(5)より照度
分布は、図15に示すような中心から周辺に行くにした
がって1/cosθに比例して明るくなってしまう。
更に周辺部ではレンズ内を通る光線がレンズ外周部の内
面にて乱反射して消滅したり、全反射したりすることに
よって、図16に示すように急激に暗くなる。そのため
球面状物体を照明した時の照度分布は、リング状とな
る。
【0019】この従来例の照明光学系により管状物体を
照明した時、式(1),式(6)によりその照度分布
は、視野周辺に行くにしたがってtanθに比例して
急激に明るくなり、適正な明るさで観察できる範囲が非
常に狭くなり、観察しにくい照明であり好ましくない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に鑑み、110°以上の広画角の内視鏡にも使用
し得て、しかも平面状物体、球面上物体、管腔状物体の
いずれに対しても適正な照度分布を与え、しかも光量ロ
スの少ない安価な内視鏡用照明光学系を提供することを
目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡用照明光
学系は、少なくとも一つの正レンズを含み、この正レン
ズのうちの少なくとも一つの面を非球面としたもので、
この非球面が光軸から離れるにつれて近似曲率よりも曲
率が弱くなるような形状を持ち光源から光軸に対して平
行に発した光線のこの光学系への入射光線高hと、この
光学系から射出する際の射出角θとの関係がほぼh=f
sinθとなるようにし、更に次の条件(A),(B)
を満足することを特徴とするものである。
【0022】ただしfは照明光学系の焦点距離、f
非球面を有する正レンズの焦点距離、F(h)は非球面
を表わす関数、nは非球面を有する正レンズのd線に対
する屈折率である。
【0023】本発明の照明光学系は、上記のような構成
を有することによって、視野角が110°以上の広角の
内視鏡に対して用いることが出来、かつ球面状物体、平
面状物体、管腔状物体のいずれに対しても適正な照度分
布を与え、しかも光量ロスの少ない安価な内視鏡用照明
光学系を得られるようにした。
【0024】前述のように、内視鏡等による観察を行な
う場合、観察対象としては、平面状物体だけでなく球面
状物体や管腔状物体等さまざまな対象がある。このよう
な様々な物体を照明する場合、平面状物体のみ均一な照
度分布が与えられるようにしたのでは、内視鏡等による
観察の場合不十分である。そこで平面状物体、球面状物
体、管腔状物体等のいずれの物体に対しても適正な照度
分布が与えられる照明光学系を得るためには、光学系へ
の入射光線高hとこの光線高hに対する照明光学系から
の射出角θとの関係がほぼh=fsinθになればよ
い。
【0025】この時球面状物体に対する相対的な照度分
布と、管腔状物体に対する相対的な照度分布はそれぞれ
G(θ)=cosθ,H(θ)=cosθsinθと
なり、図14に示すように球面状の照度分布は中心から
周辺に行くにしたがってcosθにしたがって照度が低
下するが、実用上は問題がない。
【0026】また管腔状物体の照度分布は、視野周辺で
急激に明るくはならず、適正な照度分布が得られる。
【0027】上記のような特徴を有する少なくとも一つ
の正レンズを含む照明光学系で、110°を越える広角
な観察光学系に対応でき、かつレンズ枚数の少ない照明
光学系は、光学系の少なくとも一つの面を非球面にし、
その非球面が、光軸から垂直方向に行くにしたがって、
近似曲率よりも曲率が弱くなる曲面で構成する必要があ
る。
【0028】例えば、図9に示すように、照明レンズの
物体側の面が平面で入射光線側の面が非球面になってい
る単レンズでも上記の関係を満足し、かつ光量ロスの少
ない照明光学系になし得る。
【0029】図9に示す照明光学系において、入射光線
高hとその入射光線高hに対する照明光学系からの射出
高θとの関係が、h=fsinθになる時の非球面の形
状は、次のようにして求められる。
【0030】上記関係におけるfは非球面の形状を次の
(7)で表わした時の近似曲率を有するレンズ系の焦
点距離である。
【0031】ただしx,hは、光軸をx軸とし物体側を
負の方向にとりh軸を面と光軸との交点を原点としてx
軸に直交する方向にとった時の座標値、Cは光軸近傍で
非球面と接する円の曲率(近似曲率)半径の逆数、pは
円錐定数、E,F,G・・・はそれぞれ4次,6次,8
次,・・・の非球面係数である。
【0032】図9において、求めようとする面の関数
F(h)とおき、座標(h,x)=(h,F(h))の
位置でのF(h)の接線のh軸に対する傾き角をω、座
標(h,x)=(h,F(h))の位置でのF(h)の
接線の法線を1とすると光線がhで光軸と平行に入射す
る光線の法線1に対する屈折角をα、その光線の照明レ
ンズの物体側の面への入射角をβ、その射出角をθ、照
明レンズの硝材のd線に対する屈折率をnとすると、次
の式が定義できる。 h=fsinθ (8) α+β=ω (9) nsin α=sinω (10) nsin β=sinθ (11) tan ω=dF(h)/dh (12) 上記式のうち式(8)〜(12)により次の式(13)
が導かれる。
【0033】又式(12),(13)から次の式(1
4)が得られる。
【0034】式(14)から求めようとする関数F
(h)は次の式(15)で表わされる。 単レンズで物体側の面が平面の照明光学系の場合、入射
光線高h,射出角θとの関係は、非球面の面の傾きによ
り決まるため式(8)を満足する照明光学系は、式(1
4)を満足するものであればよい。ここで式(14)
は、図10に示すように同じ焦点距離の球面レンズの面
の傾きの増加量に比べて少ない値をとっている。尚図中
縦軸は傾き量、横軸はh、又カーブS,AS1,AS2
は夫々、h=fsinθの関係を満足する非球面および
h=fθの関係を満足する非球面について示している。
【0035】以上のことから、条件(A)は少なくとも
1面が非球面である正レンズが、ほぼ式(8)を満足す
るように入射光線高hと非球面上の座標(h,F
(h))での面の傾きdF(h)/dhの関係を規定す
るものである。
【0036】上記の非球面を有する正レンズを含んだ照
明光学系において、条件(A)の下限を越えると、非球
面以外のレンズ面にパワーがある場合、その面でのパワ
ーが強くなりすぎて、光量のロスが多くなる。又条件
(A)の上限を越えると、非球面以外のレンズ面にパワ
ーがある場合、非球面の近似曲率が強くなりすぎて、や
はり光量のロスが多くなる。更に非球面レンズをプレス
成形で加工する場合、成形用型の加工性が悪くなる。
【0037】条件(B)は、非球面を有するレンズに使
用する硝材を規定するものである。
【0038】この条件(B)の下限を越えると、非球面
に入射する光線高の値が大きい領域での非球面の面の傾
きが急速に増大し、レンズの加工性が悪くなる。
【0039】又条件(B)は、広い照度分布を得ながら
もレンズの外径を増大させないために比較的屈折率の高
い硝材を使用することを示している。
【0040】なお、本発明の照明レンズの物体側の面
に、MgF、 SiO等のコーティングを施すこと
によって、照明レンズから射出する光線のフレネル反射
を少なくし、照明レンズからの射出光量を増すこともで
きる。
【0041】また内視鏡による観察時には、水滴が照明
レンズの物体側の面上に乗り、照度分布を悪化させるこ
とがよく起る。しかし、照明レンズを物体側の面にコー
ティングを施すことによりコーティングの発水性により
水滴を排除しやすくする効果が得られる。
【0042】また、入射側の光源としてファイバーバン
ドルを用いる場合、ファイバーバンドルの射出端は、す
べての部分が一様に光っているのではなく、各ファイバ
ーのコアーの部分のみが光っているため、正レンズを用
いて照明する場合は、このファイバーバンドルの端面が
そのまま物体面上に投影されるので、コアーの部分だけ
が明るく照明され、丁度物体面上に網をかぶせたように
照明され、非常に観察しにくくなることがある。このよ
うな場合、ファイバーバンドルの中で、各ファイバー1
本、1本を融着させ光ファイバーの密度を高くした融着
ファイバーを用いればよい。又ファイバーバンドルと本
発明の照明光学系との間に筒状反射鏡を挿入しても良
い。又筒状反射鏡の代りに単ファイバーを挿入してもよ
い。
【0043】上記の網状の照度むらは、ファイバーバン
ドルの端面の像が無限大に結像する時、最も目立つの
で、単ファイバーを挿入した場合、次の条件を満足する
ことが望ましい。 F<0 ここでFは、非球面を近似曲率で表わした時の照明光
学系全系の後側焦点位置で、全系の最終面(例えば後に
示す実施例2等の場合はr)から測って光源側をプラ
ス、物体側(面r側)をマイナスとする。
【0044】また、ガラスの非球面レンズは、通常プレ
ス成形により作られるが、その時用いられる成形用型
は、非球面凸レンズの場合凹面型となる。そのため内視
鏡用等の小さなレンズ用の型は、型研磨用の砥石が型の
内面と干渉し研磨出来なかったり、プレス成形時にレン
ズの焼きつきや中心部分のレンズのひけ等をおこすこと
がある。
【0045】本発明の照明レンズの物体側の面に凸面あ
るいは凹面をもうけて非球面側の面のパワーを小さくし
たり、非球面レンズの硝材の屈折率を高くして面の曲率
を弱くして加工性を向上させてもよい。
【0046】ところで、図11に示すような従来例の場
合、物体側の面から順にr,r,r,rとする
と面rのパワーと面rのパワーとはほぼ等しくなっ
ている。それは、球面レンズ系で面rおよび面r
の光線の全反射の量を少なくし、少しでも広い照度分布
を得ようとするためである。球面レンズの場合、レンズ
周辺に行くにしたがって面のパワーが急激に強くなる。
そのため入射光線高の高い光線の全反射の量を少なくす
るためには、面rのパワーをあまり強くすることは出
来ない。また広い照度分布を得るためには、面rのパ
ワーを強くする必要がある。しかし面rのパワーを強
くしすぎると面rでの全反射の量が多くなるため、あ
まり面rのパワーを強くすることは出来ない。そのた
め照度分布と光量とのバランスをとるためほぼ面r
面rのパワーを等しくしている。
【0047】しかし、本発明においては、非球面を有す
る照明レンズと光源との間に凸レンズを挿入する場合、
物体側の面から順にr,r(非球面)、r,r
とすると面rはレンズの周辺に行くにしたがって近似
曲率と比べ面のパワーは、それ程強くならないため、広
い照度分布を得るために面rのパワーを強くしても、
面rでの光線の全反射の量はあまり増加しない。その
ため面rのパワーをあまり強くする必要がなくなり、
面rでの全反射の量も少なくできる。
【0048】そこで、本発明においては、非球面を有す
る照明レンズと光源との間に設けた凸レンズの物体側の
面のパワーをφ、非球面を有する照明レンズの非球面
の近似曲率における面のパワーをφとすると次の関係
を満足することが望ましい。 φ<φ 本発明において、非球面を有する照明レンズと光源
との間に凸レンズを設けたことによって非球面を有する
照明レンズの加工性が向上するばかりでなく、面r
働きで面rで有効径外になっていた光線をrに入射
させることが出来、照明レンズから射出する光量を増加
させることが出来る。
【0049】また、その時の非球面の形状は、入射光線
高hと、この入射光線高hに対する照明光学系からの射
出角θとの関係がほぼ式(4)のh=fsinθを満足
させることが可能であり、平面状物体、球面状物体、管
腔状物体に対しても適正な照度分布を与えることが可能
である。
【0050】また、非球面を有する正レンズと、光源と
の間に単ファイバーや凸レンズを挿入する場合、単ファ
イバーまたは凸レンズの物体側の面の像が物体面に結像
するように配置すると、単ファイバーや凸レンズ等の物
体側の面の汚れ等が投影され、配光むらの原因になる。
【0051】そこで前記の面r,r(非球面),r
,rにおいて、面rから面rまでの間隔をyと
した時、次の関係を満足するように単ファイバーまたは
凸レンズを配置することが望ましい。 0≦y<f ここで、fは非球面を含むレンズ単体の後側焦点位
置で、y,f共その光源側の面rから測って光源側
(面r側)をプラス、物体側(面r側)をマイナス
とする。
【0052】また、凸レンズを用いた照明光学系の場
合、光源から射出角0°で射出した最も強度の強い光線
がほぼ1点に集光するところが存在する。例えば医療用
の内視鏡の場合、その集光点が照明レンズの最も物体側
の面よりも外側に存在すると人体を焼いてしまう可能性
がある。また工業用の内視鏡の場合には観察対象周辺に
可燃性のものがあるとそれに引火する可能性があり、そ
のため、本発明の照明光学系の場合は、以下の条件を満
足することが望ましい。 F>0 ここで は非球面を近似曲率で表わした時の照明光学
系の前側焦点位置である。
【0053】また、本発明の光学系において、110°
以上の広角な照度分布を得て、かつ光量ロスを少なくす
るためには、光源から光軸に対して平行に発する最も光
線高の高い光線が、照明光学系の最も物体側の面で全反
射したり、照明レンズの外周部に当ったりしないように
することが望ましい。そのため例えば、照明光学系の最
も物体側の面に接して単ファイバーを配置したり、物体
側の照明レンズを単ファイバーで構成してもよい。
【0054】
【実施例】次に本発明の内視鏡照明光学系の照明レンズ
の実施例を示す。 実施例1 r=∞ ER=0.93 d=2.3 n=1.78472 ν=25.71 r=−0.7848(非球面) ER=0.93 非球面係数 P=0.3637,E=−0.27091×10−1 f=1,D=0.91 ,F=0.289 実施例2 r=∞ ER=1.13 d=2.2 n=1.78472 ν=25.71 r=−0.7849(非球面) ER=1.13 d=0 r=∞ ER=1 d=3.4 n=1.72825 ν=28.46(単ファイバー) r=∞ ER=1 非球面係数 P=0.3279,E=−0.48352×10−1
F=0.59201×10−1 f=f=1,D=0.837,f=0.232,f
=−0.967 実施例3 r=∞ ER=1 d=2.12 n=1.78472 ν=25.71 r=−1.028(非球面) ER=1 d=0.1 r=2.8475 ER=0.9 d=3.2 n=1.72825 ν=28.46(単ファイバー) r=∞ ER=0.945 非球面係数 P=0.65,E=−0.10254,F=−0.14
39,G=−0.23 f=1,D=0.9,F=0.219,F=−0.
939,φ=0.763, φ=0.256,f=f=1.310 実施例4 r=−2.0956 ER=0.9 d=2.35 n=1.78472 ν=25.71 r=−0.852(非球面) ER=0.9 非球面係数 P=0.4577,E=−0.67478×10−3
F=−0.1018×10−2 f=f=1,D=0.79,F=0.213,F
=1.492 ただしr,r,…はレンズ各面の曲率半径、d
,…は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n,n
,…は各レンズの屈折率、ν,ν,…は各レンズ
のアッベ数、φ、φは夫々面r、rのパワー、
ER1、ER2、・・・はレンズ各面の有効径、Dは光
源から照明光学系に入射する入射光線の最大光線高、
f、F、Fは夫々非球面を近似曲率で表わした時の
照明光学系の焦点距離、前側焦点位置、および後側焦点
位置、f、fは夫々非球面レンズ単体の焦点距離お
よび後側焦点位置である。
【0055】実施例1は、図1に示す構成で、非球面
(r)を有する正レンズ1枚よりなる。この実施例の
照明光学系の入射光線高hとこの入射光線高hに対する
照明光学系からの射出角θとの関係は、図5に示すよう
にほぼh=fsinθにしてある。この光学系は、観察
視野角が150°程度まで対応することが可能である。
実施例2は、図2に示す通りの構成で、非球面を有する
正レンズとこの正レンズと光源との間に単ファイバーを
配置したものである。この実施例2のhとθとの関係
は、図6に示す通りである。
【0056】この実施例2は、単ファイバーを挿入した
ことによって、ファイバーバンドルの網目状のむらが映
りにくくなり、又光源の大きさを変化させてもほとんど
照度分布が変化しない等の利点を有している。光源の大
きさを変化させてもほとんど照度を変化させないために
は、単ファイバーが次の条件を満足することが望まし
い。 2d<L ただしdは単ファイバーのコアー半径、Lは単ファイバ
ーの長さである。
【0057】この実施例の光学系も、視野角が150°
程度まで対応することが出来る。実施例3は、図3に示
す通りの構成である。この実施例3は、非球面を有する
正レンズと光源との間に凸レンズの単ファイバーを挿入
したものである。この実施例のhとθとの関係は図7に
示す通りである。又単ファイバーを挿入したことによ
り、実施例2と同様の効果を有し、更にこの単ファイバ
ーに凸面を設けたことによって、照明光学系から射出さ
れる光の光量を増加させ又非球面を有する正レンズの非
球面の近似曲率を緩くすることが出来るため、非球面レ
ンズの加工性が向上する等の利点も有する。この実施例
の光学系は、観察視野が150°程度まで対応すること
が出来る。
【0058】実施例4は、図4に示すように、非球面を
有する正レンズ1枚で構成し、この正レンズの物体側の
面を凹面にしたものである。
【0059】この実施例の光学系のhとθとの関係は、
図8に示す通りである。前記のように正レンズの物体側
の面を凹面にしたことにより、非球面の近似曲率を緩く
して加工性を向上させたものである。
【0060】この実施例4の光学系は、観察視野角が1
50°程度まで対応出来る。
【0061】
【発明の効果】本発明の照明光学系は、視野角が110
°以上の広角の内視鏡にも用い得るもので、又平面状物
体、球面状物体、管腔状物体に対しても良好な照度分布
を与えしかも光量のロスの少ない安価なものである。
【0062】尚図5乃至図8において曲線Aは実施例、
曲線Bはh=fsinθ、曲線Cはh=fθである。
た、図14における曲線F(θ)、G(θ)、H(θ)
および図16における曲線a,b,cは夫々平面状物
体、球面状物体、管腔状物体の相対的照度分布である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例4の断面図
【図5】実施例1のhとθとの関係を示す図
【図6】実施例2のhとθとの関係を示す図
【図7】実施例3のhとθとの関係を示す図
【図8】実施例4のhとθとの関係を示す図
【図9】非球面を有する照明レンズにおける光線の入射
と射出の状況を示す図
【図10】球面等におけるhと面の傾きとの関係を示す
【図11】従来の照明光学系の構成を示す図
【図12】他の従来の照明光学系の構成を示す図
【図13】更に他の照明系の構成を示す図
【図14】従来の照明系による各物体に対する照度分布
【図15】tanθに比例する照明系の照度分布を示す
【図16】上記の図15に示す照明光学系で全反射等の
影響を考慮した時の照度分布を示す図
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1面が非球面である正レンズを
    少なくとも一つ含みみ、前記非球面が光軸から光軸に垂
    直な方向に行くにしたがって近似曲率よりも曲率が弱く
    なる曲面である光学系で、光源から光軸に平行に発した
    光線の光学系への入射光線高hとこの入射光線高hに対
    する光学系からの射出角θとの関係がほぼh=fsin θ
    になるようにし、以下の条件を満足することを特徴とす
    る内視鏡用照明光学系。 ただし、fは照明光学系の焦点距離、f1 は非球面を有
    する焦点距離、F(h) は非球面形状を表わす関数、nは
    非球面を有する正レンズのd線に対する屈折率である。
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