JP2010115079A - 短絡保護継電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】主保護の短絡回線選択継電装置の不使用時に短絡事故を高速に除去できるとともに主保護の短絡回線選択継電装置を不要にできる短絡保護継電システムを提供する。
【解決手段】第1の送電端短絡距離継電装置111は、「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された第2の短絡距離継電装置112が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された第1および第2の遮断器41,42が共に入状態であることを条件に、第1の遮断器41を遮断するための第1のトリップ信号TDZ1を瞬時に発生する。第2の送電端短絡距離継電装置112と第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122とについても同様である。
【選択図】図1

Description

本発明は、短絡保護継電システムに関し、特に、片端電源の平衡2回線送電線を短絡事故から保護するのに好適な短絡保護継電システムに関する。
従来、片端電源の平衡2回線送電線の短絡保護継電システムは、主保護として短絡回線選択継電装置を使用するとともに、後備保護として短絡距離継電装置を使用して行われている(下記の特許文献1など参照)。
たとえば、図10に示すように、平衡2回線送電線を構成する第1および第2の送電線1L,2Lの送電端側に送電端短絡回線選択継電装置111(主保護)と第1および第2の送電端短絡距離継電装置1211,1212(後備保護)とを設置するとともに、第1および第2の送電線1L,2Lの受電端側に受電端短絡回線選択継電装置112(主保護)と第1および第2の受電端短絡距離継電装置1221,1222(後備保護)とを設置することにより、平衡2回線送電線を短絡事故から保護している。
ここで、第1の送電端短絡距離継電装置1211は、送電端側(電源側)の母線(以下、「送電端母線」と称する。)に設けられた第1の変成器51から入力される送電端母線電圧VSと第1の送電線1L(第1の送電端短絡距離継電装置1211の自回線)の送電端側に設けられた第1の変流器31から入力される第1の短絡電流I1とに基づいて第1のインピーダンスZ1(Z1=VS/I1)を算出する。第1の送電端短絡距離継電装置1211は、算出した第1のインピーダンスZ1に基づいて短絡事故発生を検出すると、第1の送電線1Lの送電端側に設けられた第1の遮断器41を遮断するための第1のトリップ信号TDZ1を発生する。
第2の送電端短絡距離継電装置1212は、第1の変成器51から入力される送電端母線電圧VSと第2の送電線2L(第2の送電端短絡距離継電装置1212の自回線)の送電端側に設けられた第2の変流器32から入力される第2の短絡電流I2とに基づいて第2のインピーダンスZ2(Z2=VS/I2)を算出する。第2の送電端短絡距離継電装置1212は、算出した第2のインピーダンスZ2に基づいて短絡事故発生を検出すると、第2の送電線2Lの送電端側に設けられた第2の遮断器42を遮断するための第2のトリップ信号TDZ2を発生する。
第1の受電端短絡距離継電装置1221は、受電端側(電源と反対側)の母線(以下、「受電端母線」と称する。)に設けられた第2の変成器52から入力される受電端母線電圧VRと第1の送電線1L(第1の受電端短絡距離継電装置1221の自回線)の受電端側に設けられた第3の変流器33から入力される第3の短絡電流I3とに基づいて第3のインピーダンスZ3(Z3=VR/I3)を算出する。第1の受電端短絡距離継電装置1221は、算出した第3のインピーダンスZ3に基づいて短絡事故発生を検出すると、第1の送電線1Lの受電端側に設けられた第3の遮断器43を遮断するための第3のトリップ信号TDZ3を発生する。
第2の受電端短絡距離継電装置1222は、第2の変成器52から入力される受電端母線電圧VRと第2の送電線2L(第2の受電端短絡距離継電装置1222の自回線)の受電端側に設けられた第4の変流器34から入力される第4の短絡電流I4とに基づいて第4のインピーダンスZ4(Z4=VR/I4)を算出する。第2の受電端短絡距離継電装置1222は、算出した第4のインピーダンスZ4に基づいて短絡事故発生を検出すると、第2の送電線2Lの対向端側に設けられた第4の遮断器44を遮断するための第4のトリップ信号TDZ4を発生する。
また、第1の送電端短絡距離継電装置1211における第1のトリップ信号TDZ1の発生は、以下のようにして行われる。
第1の送電端短絡距離継電装置1211は3段階距離リレー方式のものであり、たとえば、保護区間送電線である第1の送電線1Lの80%までの第1の保護区間(1段動作域A1)の事故に対しては瞬時に第1の遮断器41を遮断するように整定され、第1の送電線1Lの120%までの第2の保護区間(2段動作域A2)の事故に対しては第1の時限協調時間ST1(たとえば、400ms)経過後に第1の遮断器41を遮断するように整定され、第1の送電線1Lの300%までの第3の保護区間(3段動作域A3)の事故に対しては第2の時限協調時間ST2(たとえば、1.5s〜2.0s)経過後に第1の遮断器41を遮断するように整定されている。
なお、第1の時限協調時間ST1は主保護の送電端短絡回線選択継電装置111および次区間送電線保護用の短絡距離継電装置との協調をとるためのものであり、第2の時限協調時間ST2は遠端後備保護のためのものである。
そのため、第1の送電端短絡距離継電装置1211は、図11に示すように動作域判定回路131と第1および第2の遅延回路(タイマー)1321,1322と第1乃至第3の論理積回路1331〜1333と論理和回路134とを有する第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路130を備える。
動作域判定回路131は、第1の短絡電流I1と送電端母線電圧VSとに基づいて第1のインピーダンスZ1を算出したのち、算出した第1のインピーダンスZ1に基づいて第1の送電端短絡距離継電装置1211の動作域を判定する。
すなわち、動作域判定回路131は、図12に点P1で示すように第1のインピーダンスZ1のリアクタンス分X1が第1の値B1以下であると、「1段動作域A1での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第1の判定結果出力信号VD11を出力する。また、動作域判定回路131は、図12に点P2で示すように第1のインピーダンスZ1のリアクタンス分X1が第2の値B2以下であると、「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第2の判定結果出力信号VD12を出力する。さらに、動作域判定回路131は、第1のインピーダンスZ3の抵抗分R1およびリアクタンス分X1が図12の円内に入っていると、「3段動作域A3での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第3の判定結果出力信号VD13を出力する。
第1および第2の遅延回路1321,1322は、動作域判定回路131から入力される第3の判定結果出力信号VD13を第1および第2の時限協調時間ST1,ST2だけそれぞれ遅延する。
第1の論理積回路1331は、動作域判定回路131から入力される第1および第3の判定結果出力信号VD11,VD13の論理積をとる。
第2の論理積回路1332は、第2の判定結果出力信号VD12と第1の遅延回路1321によって遅延された第3の判定結果出力信号VD13との論理積をとる。
論理和回路134は、第1の論理積回路1331の出力信号と第2の論理積回路1332の出力信号と第2の遅延回路1322の出力信号との論理和をとる。
第3の論理積回路1333は、第1のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からの第1のFDリレー出力信号SFD1と論理和回路134の出力信号との論理積をとる。第3の論理積回路1333からは、第1のトリップ信号TDZ1が出力される。
第2の送電端短絡距離継電装置1212は、上述した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路130と同様に構成された第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路(不図示)を備える。
第1の受電端短絡距離継電装置1221は、図13に示すように動作域判定回路141と第1および第2の遅延回路(タイマー)1421,1422と第1乃至第3の論理積回路1431〜1433と論理和回路144とを有する第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路140を備える。
動作域判定回路141は、第3の短絡電流I3と受電端母線電圧VRとに基づいて第3のインピーダンスZ3を算出したのち、算出した第3のインピーダンスZ3に基づいて上述した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路130の動作域判定回路131と同様にしてどの動作域での短絡事故であるかを判定する。
第1および第2の遅延回路1421,1422は、動作域判定回路141から入力される第3の判定結果出力信号VD33を第1および第2の時限協調時間ST1,ST2だけそれぞれ遅延する。
第1の論理積回路1431は、動作域判定回路141から入力される第1および第3の判定結果出力信号VD31,VD33の論理積をとる。
第2の論理積回路1432は、第2の判定結果出力信号VD32と第1の遅延回路1421によって遅延された第3の判定結果出力信号VD33との論理積をとる。
論理和回路144は、第1の論理積回路1431の出力信号と第2の論理積回路1432の出力信号と第2の遅延回路1422の出力信号との論理和をとる。
第3の論理積回路1433は、第3のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からの第3のFDリレー出力信号SFD3と論理和回路144の出力信号との論理積をとる。第3の論理積回路1433からは、第3のトリップ信号TDZ3が出力される。
第2の受電端短絡距離継電装置1222は、上述した第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路140と同様に構成された第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路(不図示)を備える。
なお、下記の特許文献2には、平衡2回線送電線の送電端に第1および第2の距離保護継電装置を設置するとともに平衡2回線送電線の受電端に第3および第4の距離保護継電装置を設置し、送電端および受電端において自回線の距離保護継電装置が動作するとともに隣回線の距離保護継電装置が不動作である場合に遮断器引き外し信号(トリップ信号)を出力することにより、1甲2乙運用の母線故障時にも誤動作しないようにした短絡回線選択保護装置が開示されている。
特開2002−135969号公報 特開平7−067243号公報
しかしながら、図10に示した従来の短絡保護継電システムでは、送電端短絡回線選択継電装置111および受電端短絡回線選択継電装置112(主保護)の不使用時に受電端至近で短絡事故が発生した場合に短絡事故の継続時間が長くなるという問題があった。
たとえば第1の送電線1Lの受電端至近(第1および第2の送電端短絡距離継電装置1211,1212の2段動作域A2、第1の受電端短絡距離継電装置1221の1段動作域A1)で図14に示す時刻t0に短絡事故が発生すると、第1の受電端短絡距離継電装置1221では、第3のインピーダンスZ3は1段動作域A1の値となるため、第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路140の動作域判定回路141は、第3のインピーダンスZ3に基づいて「1段動作域A1での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第1乃至第3の判定結果出力信号VD31〜VD33を出力する(第3のインピーダンスZ3は2段動作域A2および3段動作域A3の値にもなるために「2段動作域A2および3段動作域A3での短絡事故である」とも判定して、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD33も出力する(図12および図13参照)。)。
ハイレベルの第1および第3の判定結果出力信号VD31,VD33が入力されると第1の論理積回路1431の出力信号はロウレベルからハイレベルとなるため、論理和回路144の出力信号がロウレベルからハイレベルとなる。
その結果、第3のFDリレー出力信号SFD3がハイレベルであると、第3の論理積回路1433の出力信号がロウレベルからハイレベルとなるため、第3のトリップ信号TDZ3が第1の受電端短絡距離継電装置1221から第3の遮断器43に出力される。なお、第3のトリップ信号TDZ3は、短絡事故発生から第1の受電端短絡距離継電装置1221におけるリレー判定時間TRYが経過した時刻t1に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、短絡事故発生からリレー判定時間TRYと第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=TRY+TCB=50ms)だけ経過した図14に示す時刻t2に、完全に遮断される。
一方、第1の送電端短絡距離継電装置1211では、第1の送電線1Lの受電端至近で短絡事故が発生した場合には第1のインピーダンスZ1は2段動作域A2の値となるため、第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路130の動作域判定回路131は、第1のインピーダンスZ1に基づいて「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD12,VD13を出力する(第1のインピーダンスZ1が3段動作域A3の値にもなるために「3段動作域A3での短絡事故である」とも判定して、ハイレベルの第3の判定結果出力信号VD13も出力する(図11および図12参照)。)。
第3の判定結果出力信号VD13は、第1の遅延回路1321によって第1の時限協調時間ST1(たとえば、400ms)だけ遅延されたのち第2の論理積回路1332に入力される。
ハイレベルの第1の遅延回路1321の出力信号およびハイレベルの第2の判定結果出力信号VD12が入力されると第2の論理積回路1332の出力信号はロウレベルからハイレベルとなるため、論理和回路134の出力信号がロウレベルからハイレベルとなる。
その結果、第1のFDリレー出力信号SFD1がハイレベルであると、第3の論理積回路1333の出力信号がロウレベルからハイレベルとなるため、第1のトリップ信号TDZ1が第1の送電端短絡距離継電装置1211から第1の遮断器41に出力される。なお、第1のトリップ信号TDZ1は、短絡事故発生から第1の送電端短絡距離継電装置1211におけるリレー判定時間TRYと第1の時限協調時間ST1との合計時間(=TRY+ST1)が経過した時刻t3に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、短絡事故発生からリレー判定時間TRYと第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCBと第1の時限協調時間ST1との合計時間(=TRY+TCB+ST1=50ms+400ms=450ms)だけ経過した図14に示すように時刻t4に、完全に遮断される。
このように、第1および第3の遮断器41,43の両方を遮断して第1の送電線1Lの受電端至近で発生した短絡事故を除去するのにリレー判定時間TRYと遮断器遮断時間TCBと第1の時限協調時間ST1との合計時間(=TRY+TCB+ST1)だけ要するので、短絡事故の継続時間が長くなる。
また、送電端短絡回線選択継電装置111および受電端短絡回線選択継電装置112(主保護)の不使用時に送電端至近で短絡事故が発生した場合にも、同様にして短絡事故の継続時間が長くなるという問題があった。
さらに、従来の短絡保護継電システムでは、短絡距離継電装置は後備保護用であるため、主保護の短絡回線選択継電装置が必要であるという問題があった。
なお、上記の特許文献2に開示された短絡回線選択保護装置は、短絡回線選択継電装置の保護範囲(自区間)を保護し、短絡回線選択継電装置で起こり得る課題に対しての対策であり、従来の短絡回線選択保護装置および短絡過電流継電装置の組合せを短絡回線選択継電装置のみで回線判定させているものである。
また、後備保護としての遠端保護の機能は具備しておらず、別途装置を設置しなくてはならないので、設備のスリム化に寄与しないという問題がある。
さらに、遮断経過が短絡回線選択継電装置と同様の動きをさせているため、主保護としての活用は可能であるが、装置不使用時の後備保護のみでの課題解決には至っていないという問題がある。
本発明の目的は、主保護の短絡回線選択継電装置の不使用時に短絡事故を高速に除去できるとともに主保護の短絡回線選択継電装置を不要にできる短絡保護継電システムを提供することにある。
本発明の短絡保護継電システムは、送電端母線と受電端母線との間に敷設された第1および第2の送電線(1L,2L)からなる平衡2回線送電線を短絡事故から保護するための短絡保護継電システムであって、「2段動作域(A2)での短絡事故である」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器(41,42:43,44)が共に入状態であることを条件に、該自回線の自端側に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号(TDZ1〜TDZ4)を瞬時に発生するトリップ信号瞬時発生手段を備えた短絡距離継電装置(111,112,121,122)を具備することを特徴とする。
ここで、前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された3段階距離リレー方式の第1および第2の送電端短絡距離継電装置(111,112)と、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された3段階距離リレー方式の第1および第2の受電端短絡距離継電装置(121,122)とを具備し、前記第1の送電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の送電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の遮断器(41,42)が共に入状態であることを条件に、該第1の遮断器を遮断するための第1のトリップ信号(TDZ1)を瞬時に発生する第1のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第2の送電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の送電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、該第2の遮断器を遮断するための第2のトリップ信号(TDZ2)を瞬時に発生する第2のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第1の受電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の受電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第3および第4の遮断器(43,44)が共に入状態であることを条件に、該第3の遮断器を遮断するための第3のトリップ信号(TDZ3)を瞬時に発生する第3のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第2の受電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の受電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第3および第4の遮断器が共に入状態であることを条件に、該第4の遮断器を遮断するための第4のトリップ信号(TDZ4)を瞬時に発生する第4のトリップ信号瞬時発生手段を備えてもよい。
前記第1および第2のトリップ信号瞬時発生手段が、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないことの代わりに、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなることを条件に、前記第1および第2のトリップ信号を瞬時にそれぞれ発生してもよい。
前記第1の送電端短絡距離継電装置が、前記第1のトリップ信号瞬時発生手段の代わりに、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の送電端短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなること、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、前記第1のトリップ信号を瞬時に発生する第1の他のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第2の送電端短絡距離継電装置が、前記第2のトリップ信号瞬時発生手段の代わりに、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の送電端短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなること、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、前記第2のトリップ信号を瞬時に発生する第2の他のトリップ信号瞬時発生手段を備えてもよい。
本発明の短絡保護継電システムは、以下に示す効果を奏する。
(1)主保護の短絡回線選択継電装置の不使用時に平衡2回線送電線の自回線の他端至近で短絡事故が発生しても、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器が共に入状態であることの3つの条件がすべて満たされたときに短絡距離継電装置がトリップ信号を瞬時に発生することにより、自回線の自端側に設置された遮断器を瞬時に遮断することができるので、短絡事故を高速に除去することができる。
(2)平衡2回線送電線の送電端側に設置される短絡距離継電装置では、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないことの代わりに、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなることを条件にしても、主保護の短絡回線選択継電装置の不使用時に平衡2回線送電線の自回線の受電端至近で発生した短絡事故を高速に除去することができる。
(3)短絡事故を高速に除去することができるので、電力系統の信頼度の低下を防止することができる。
(4)主保護機能を短絡距離継電装置に搭載することができるので、主保護の短絡回線選択継電装置を不要にすることができる。
上記の目的を、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器が共に入状態であることの3つの条件がすべて満たされたときに、トリップ信号を瞬時に(第1の時限協調時間の経過を待たずに)発生することにより実現した。
以下、本発明の短絡保護継電システムの実施例について図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による短絡保護継電システムは、以下の2点で、図10に示した従来の短絡保護継電システムと異なる。
(1)図1に示すように第1の送電線1Lの送電端側に設置された第1の送電端短絡距離継電装置111は、「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したこと、第2の送電端短絡距離継電装置112が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定していないこと、および、第1および第2の遮断器41,42が共に入状態であることを条件に、第1のトリップ信号TDZ1を瞬時に(第1の時限協調時間ST1の経過を待たずに)発生する。
第2の送電線2Lの送電端側に設置された第2の送電端短絡距離継電装置112と第1および第2の送電線1L,2Lの受電端側にそれぞれ設置された第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122とについても同様である。
これにより、第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112と第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122とに主保護機能を搭載することができる。
(2)図10に示した主保護の送電端短絡回線選択継電装置111および受電端短絡回線選択継電装置112は具備しない。
すなわち、上述したように第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112と第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122とに主保護機能を搭載することができるので、主保護の送電端短絡回線選択継電装置111および受電端短絡回線選択継電装置112を不要にすることができる。
そのため、第1の送電端短絡距離継電装置111は、図2に示すように動作域判定回路21と第1および第2の遅延回路(タイマー)221,222と第1乃至第6の論理積回路231〜236と論理和回路24とインバータ回路25とを有する第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20を備える。
動作域判定回路21は、図11に示した動作域判定回路131と同様に、第1の短絡電流I1と送電端母線電圧VSとに基づいて第1のインピーダンスZ1を算出したのち、算出した第1のインピーダンスZ1に基づいてどの動作域での短絡事故であるかを判定する。
第1および第2の遅延回路221,222は、図11に示した第1および第2の遅延回路1321,1322と同様に、動作域判定回路21から入力される第3の判定結果出力信号VD13を第1および第2の時限協調時間ST1,ST2だけそれぞれ遅延する。
第1の論理積回路231は、図11に示した第1の論理積回路1331と同様に、動作域判定回路21から入力される第1および第3の判定結果出力信号VD11,VD13の論理積をとる。
第2の論理積回路232は、図11に示した第2の論理積回路1332と同様に、第2の判定結果出力信号VD12と第1の遅延回路221によって遅延された第3の判定結果出力信号VD13との論理積をとる。
第3の論理積回路233は、第1の遮断器41から入力される第1の接点信号SCB1(第1の遮断器41が入状態(遮断されていない状態)ではハイレベルの信号)と第2の遮断器42から入力される第2の接点信号SCB2(第2の遮断器42が入状態ではハイレベルの信号)との論理積をとる。
インバータ回路25は、第2の送電端短絡距離継電装置112から入力される第2の2段動作域短絡事故判定信号S2(第2の送電端短絡距離継電装置112が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したことを示す信号)の極性を反転する。
第4の論理積回路234は、第2の判定結果出力信号VD12と第3の論理積回路233の出力信号とインバータ回路25の出力信号との論理積をとる。
論理和回路24は、第1の論理積回路231の出力信号と第2の論理積回路232の出力信号と第2の遅延回路222の出力信号と第4の論理積回路234の出力信号との論理和をとる。
第5の論理積回路235は、第1のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からの第1のFDリレー出力信号SFD1と論理和回路24の出力信号との論理積をとる。第5の論理積回路235からは、第1の遮断器41(図1参照)を遮断するための第1のトリップ信号TDZ1が出力される。
第6の論理積回路236は、動作域判定回路21から入力される第2および第3の判定結果出力信号VD12,VD13の論理積をとる。第6の論理積回路236からは、第1の2段動作域短絡事故判定信号S1(第1の送電端短絡距離継電装置111が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したことを示す信号)が第2の送電端短絡距離継電装置112に出力される。
第2の送電端短絡距離継電装置112は、図3に示すように動作域判定回路31と第1および第2の遅延回路(タイマー)321,322と第1乃至第6の論理積回路331〜336と論理和回路34とインバータ回路35とを有する第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30を備える。
動作域判定回路31は、第2の短絡電流I2と送電端母線電圧VSとに基づいて第2のインピーダンスZ2を算出したのち、算出した第2のインピーダンスZ2に基づいてどの動作域での短絡事故であるかを判定する。
第1および第2の遅延回路321,322と第1乃至第6の論理積回路331〜336と論理和回路34とインバータ回路35とは、上述した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の第1および第2の遅延回路221,222と第1乃至第6の論理積回路231〜236と論理和回路24とインバータ回路25と同様にそれぞれ動作する。
なお、インバータ回路35は、第1の送電端短絡距離継電装置111から入力される第1の2段動作域短絡事故判定信号S1の極性を反転する。また、第5の論理積回路335からは、第2のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からハイレベルの第2のFDリレー出力信号SFD2が入力されていることを条件として第2のトリップ信号TDZ2が出力される。さらに、第6の論理積回路336からは、第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が第1の送電端短絡距離継電装置111に出力される。
第1の受電端短絡距離継電装置121は、図4に示すように動作域判定回路41と第1および第2の遅延回路(タイマー)421,422と第1乃至第6の論理積回路431〜436と論理和回路44とインバータ回路45とを有する第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40を備える。
動作域判定回路41は、図13に示した動作域判定回路141と同様に、第3の短絡電流I3と受電端母線電圧VRとに基づいて第3のインピーダンスZ3を算出したのち、算出した第3のインピーダンスZ3に基づいてどの動作域での短絡事故であるかを判定する。
第1および第2の遅延回路421,422と第1乃至第6の論理積回路431〜436と論理和回路44とインバータ回路45とは、上述した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の動作域判定回路21と第1および第2の遅延回路221,222と第1乃至第6の論理積回路231〜236と論理和回路24とインバータ回路25と同様にそれぞれ動作する。
なお、第3の論理積回路433は、第3の遮断器43から入力される第3の接点信号SCB3(第3の遮断器43が入状態ではハイレベルの信号)と第4の遮断器44から入力される第4の接点信号SCB4(第4の遮断器44が入状態ではハイレベルの信号)との論理積をとる。また、インバータ回路45は、第2の受電端短絡距離継電装置122から入力される第4の2段動作域短絡事故判定信号S4(第2の受電端短絡距離継電装置122が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したことを示す信号)の極性を反転する。さらに、第5の論理積回路435からは、第3のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からハイレベルの第3のFDリレー出力信号SFD3が入力されていることを条件として第3のトリップ信号TDZ3が出力される。さらに、第6の論理積回路436からは、第3の2段動作域短絡事故判定信号S3(第1の受電端短絡距離継電装置121が「2段動作域A2での短絡事故である」と判定したことを示す信号)が第2の受電端短絡距離継電装置122に出力される。
第2の受電端短絡距離継電装置122は、図5に示すように動作域判定回路51と第1および第2の遅延回路(タイマー)521,522と第1乃至第6の論理積回路531〜536と論理和回路54とインバータ回路55とを有する第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路50を備える。
動作域判定回路51は、第4の短絡電流I4と受電端母線電圧VRとに基づいて第4のインピーダンスZ4を算出したのち、算出した第4のインピーダンスZ4に基づいてどの動作域での短絡事故であるかを判定する。
第1および第2の遅延回路521,522と第1乃至第6の論理積回路531〜536と論理和回路54とインバータ回路55とは、上述した第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40の動作域判定回路41と第1および第2の遅延回路421,422と第1乃至第6の論理積回路431〜436と論理和回路44とインバータ回路45と同様にそれぞれ動作する。
なお、第5の論理積回路535からは、第4のフェールセーフ用過電流継電装置(不図示)からハイレベルの第4のFDリレー出力信号SFD4が入力されていることを条件として第4のトリップ信号TDZ4が出力される。また、インバータ回路55は、第1の受電端短絡距離継電装置121から入力される第3の2段動作域短絡事故判定信号S3の極性を反転する。さらに、第6の論理積回路536からは、第4の2段動作域短絡事故判定信号S4が第1の受電端短絡距離継電装置121に出力される。
次に、図7(a)に示すように第1の送電線1Lの受電端至近(第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112の2段動作域A2、第1の受電端短絡距離継電装置121の1段動作域A1)で短絡事故が発生した場合の本実施例による短絡保護継電システムの動作について、図6(a)および図7(b),(c)を参照して説明する。
なお、図7( a)〜(c)では、第1の送電端短絡距離継電装置111は「DZS1」と、第2の送電端短絡距離継電装置112は「DZS2」と、第1の受電端短絡距離継電装置121は「DZR1」と、第2の受電端短絡距離継電装置122は「DZR2」と表記している。後述の図8(a),(b)においても同様である。
第1の送電線1Lの受電端至近で図6(a)に示す時刻t0に短絡事故が発生すると、第1の短絡電流I1が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第2の短絡電流I2が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、第3の短絡電流I3が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第4の短絡電流I4が第2の送電線2Lを外部方向に流れるため、図7(b)に網掛けで示すように第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112と第1の受電端短絡距離継電装置121とは動作するが、第2の受電端短絡距離継電装置122は動作しない。
すなわち、第1の受電端短絡距離継電装置121では、第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40の動作域判定回路41が、第3の短絡電流I3と受電端母線電圧VRとに基づいて第3のインピーダンスZ3を算出し、算出した第3のインピーダンスZ3に基づいて「1段動作域A1での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第1乃至第3の判定結果出力信号VD31〜VD33を出力する(図4参照)。
その結果、ハイレベルの第1および第3の判定結果出力信号VD31,VD33が第1の論理積回路431に入力されるため、第3のFDリレー出力信号SFD3がハイレベルであると、第3のトリップ信号TDZ3が第1の受電端短絡距離継電装置121から第3の遮断器43に出力される。なお、第3のトリップ信号TDZ3は、短絡事故発生から第1の受電端短絡距離継電装置121におけるリレー判定時間TRYだけ経過した図6(a)に示す時刻t1に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、短絡事故発生からリレー判定時間TRYと第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=TRY+TCB=50ms)だけ経過した図6(a)に示す時刻t2に、完全に遮断される。
なお、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD32,VD33が第6の論理積回路436に入力されるため、ハイレベルの第3の2段動作域短絡事故判定信号S3が第2の受電端短絡距離継電装置122に出力されるが、第2の受電端短絡距離継電装置122では、第3の2段動作域短絡事故判定信号S3は第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路50のインバータ回路55によって極性が反転されてハイレベルからロウレベルになるため、第4の論理積回路534の出力信号はロウレベルのままとなる(図5参照)。その結果、ハイレベルの第3の2段動作域短絡事故判定信号S3が入力されても第4のトリップ信号TDZ4が第2の受電端短絡距離継電装置122から出力されることはないので、第4の遮断器44が遮断されることはない。
また、第1の送電端短絡距離継電装置111では、第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の動作域判定回路21は、第1の短絡電流I1と送電端母線電圧VSとに基づいて第1のインピーダンスZ1を算出し、算出した第1のインピーダンスZ1に基づいて「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD12,VD13を出力する(図2参照)。その結果、第6の論理積回路236にはハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD12,VD13が入力されるため、ハイレベルの第1の2段動作域短絡事故判定信号S1が第2の送電端短絡距離継電装置112に出力される。
同様に、第2の送電端短絡距離継電装置112では、第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30の動作域判定回路31は、第2の短絡電流I2と送電端母線電圧VSとに基づいて第2のインピーダンスZ2を算出し、算出した第2のインピーダンスZ2に基づいて「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD22,VD23を出力する(図3参照)。その結果、第6の論理積回路336にはハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD22,VD23が入力されるため、ハイレベルの第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が第1の送電端短絡距離継電装置111に出力される。
しかしながら、第1の送電端短絡距離継電装置111では、第3の判定結果出力信号VD13は第1の遅延回路221によって第1の時限協調時間ST1だけ遅延されるとともに、第2の2段動作域短絡事故判定信号S2はインバータ回路25によっての極性が反転されてハイレベルからロウレベルになるために第4の論理積回路234の出力信号はロウレベルのままとなるので(図2参照)、第1のトリップ信号TDZ1が時刻t2前に出力されることはない。
同様に、第2の送電端短絡距離継電装置112では、第3の判定結果出力信号VD23が第1の遅延回路321によって第1の時限協調時間ST1だけ遅延されるとともに、第1の2段動作域短絡事故判定信号S1はインバータ回路35によって極性が反転されてハイレベルからロウレベルになるために第4の論理積回路334の出力信号はロウレベルのままとなるので(図3参照)、第2のトリップ信号TDZ2が時刻t2前に出力されることはない。
その後、上述したように第1の受電端短絡距離継電装置121によって時刻t2に第3の遮断器43が完全に遮断されると、第2の送電線2Lを流れる第2の短絡電流I2は“0”になるため、図7(c)に網掛けで示すように第1の送電端短絡距離継電装置111のみが動作して第2の送電端短絡距離継電装置112は動作しなくなる。
すなわち、第2の送電端短絡距離継電装置112では、第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30の動作域判定回路12から出力される第1乃至第3の判定結果出力信号VD21〜VD23はすべてロウレベルとなる(図3参照)。その結果、第6の論理積回路336にはロウレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD22,VD23が入力されるため、ロウレベルの第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が第1の送電端短絡距離継電装置111に出力される。
第1の送電端短絡距離継電装置111では、第2の2段動作域短絡事故判定信号S2は、第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20のインバータ回路25によっての極性が反転されてロウレベルからハイレベルになる(図2参照)。また、時刻t2では第1および第2の遮断器41,42は遮断されていないために第1および第2の接点信号TCB1,TCB2の極性はハイレベルとなっているので、第3の論理積回路233からはハイレベルの出力信号が出力されている。その結果、第4の論理積回路234からはハイレベルの出力信号が出力されるため、第1のFDリレー出力信号SFD1がハイレベルであると、第1のトリップ信号TDZ1が時刻t2に第1の送電端短絡距離継電装置111から第1の遮断器41に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、時刻t2から遮断器遮断時間TCBだけ経過した図6(a)に示す時刻t2’(=TRY+2TCB)に、完全に遮断される。
したがって、本実施例による短絡保護継電システムを使用することにより、図10に示した従来の短絡保護継電システムに比べて、第1の時限協調時間ST1から遮断器遮断時間TCBを引いた時間(t4−t2’={(TRY+TCB+ST1)−(TRY+2TCB)}=ST1−TCB)だけ早く、短絡事故を除去することができる。
次に、図8(a)に示すように第1の送電線1Lの送電端至近(第1の送電端短絡距離継電装置111の1段動作域A1、第2の送電端短絡距離継電装置112の3段動作域A3、第1の受電端短絡距離継電装置121の2段動作域A1)で短絡事故が発生した場合の本実施例による短絡保護継電システムの動作について、図6(b)および図8(b),(c)を参照して説明する。
第1の送電線1Lの送電端至近で図6(b)に示す時刻t0に短絡事故が発生すると、第1の短絡電流I1が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第2の短絡電流I2が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、第3の短絡電流I3が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第4の短絡電流I4が第2の送電線2Lを外部方向に流れるが、第2および第3の短絡電流I2,I3は小さく第2の送電端短絡距離継電装置112および第1の受電端短絡距離継電装置121が動作するまでに至らないため、図8(b)に網掛けで示すように第1の送電端短絡距離継電装置111のみが動作して、第2の送電端短絡距離継電装置112と第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122とは動作しない。
すなわち、第1の送電端短絡距離継電装置111では、第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の動作域判定回路21は、第1の短絡電流I1と送電端母線電圧VSとに基づいて第1のインピーダンスZ1を算出し、算出した第1のインピーダンスZ1に基づいて「1段動作域A1での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第1乃至第3の判定結果出力信号VD11〜VD13を出力する(図2参照)。
その結果、ハイレベルの第1および第3の判定結果出力信号VD11,VD13が第1の論理積回路231に入力されるため、第1のFDリレー出力信号SFD1がハイレベルであると、第1のトリップ信号TDZ1が第1の送電端短絡距離継電装置111から第1の遮断器41に出力される。なお、第1のトリップ信号TDZ1は、短絡事故発生から第1の送電端短絡距離継電装置111におけるリレー判定時間TRYだけ経過した図6(b)に示す時刻t1に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、短絡事故発生からリレー判定時間TRYと第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=TRY+TCB=50ms)だけ経過した図6(b)に示す時刻t2に、完全に遮断される。
なお、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD12,VD13が第6の論理積回路236に入力されるため、ハイレベルの第1の2段動作域短絡事故判定信号S1が第2の送電端短絡距離継電装置112に出力されるが、第2の送電端短絡距離継電装置112では、第1の2段動作域短絡事故判定信号S1は第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30のインバータ回路35によって極性が反転されてハイレベルからロウレベルになるため、第4の論理積回路334の出力信号はロウレベルのままとなる(図3参照)。その結果、ハイレベルの第1の2段動作域短絡事故判定信号S1が入力されても第2のトリップ信号TDZ2が第2の送電端短絡距離継電装置112から出力されることはないので、第2の遮断器42が遮断されることはない。
第1の遮断器41が遮断されると、第1の短絡電流I1は“0”となるため、第1の送電端短絡距離継電装置111は動作しなくなる。また、第2の短絡電流I2が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、第3の短絡電流I3が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第4の短絡電流I4が第2の送電線2Lを外部方向に流れるため、図8(c)に網掛けで示すように第2の送電端短絡距離継電装置112と第1の受電端短絡距離継電装置121とが動作し始めるが、第2の受電端短絡距離継電装置122は動作しないままとなる。
すなわち、第2の受電端短絡距離継電装置122では、第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路50の第6の論理積回路536にはロウレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD42,VD43が入力されたままとなるため、ロウレベルの第4の2段動作域短絡事故判定信号S4が第2の受電端短絡距離継電装置122に出力されたままとなる(図5参照)。
第1の受電端短絡距離継電装置121では、第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40の動作域判定回路41が、第3の短絡電流I3と受電端母線電圧VRとに基づいて第3のインピーダンスZ3を算出し、算出した第3のインピーダンスZ3に基づいて「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD32,VD33を出力する(図4参照)。
第4の2段動作域短絡事故判定信号S4は、第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40のインバータ回路45によっての極性が反転されてロウレベルからハイレベルになり(図4参照)、また、時刻t2では第3および第4の遮断器43,44は遮断されていないために第3および第4の接点信号TCB3,TCB4の極性はハイレベルとなっているので、第3の論理積回路433からはハイレベルの出力信号が出力されている。その結果、第4の論理積回路434からはハイレベルの出力信号が出力されるため、第3のFDリレー出力信号SFD3がハイレベルであると、第3のトリップ信号TDZ3が時刻t2から第1の受電端短絡距離継電装置121におけるリレー判定時間TRYだけ経過した図6(b)に示す時刻t2’に第1の受電端短絡距離継電装置121から第3の遮断器43に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、時刻t2からリレー判定時間TRYと第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCBの合計時間(=TRY+TCB=50ms)だけ経過した図6(b)に示す時刻t2”に、完全に遮断される。
したがって、本実施例による短絡保護継電システムを使用することにより、従来の短絡回線選択継電装置および短絡過電流継電装置の組合せによる短絡保護継電システムと同等の時間で、第1の送電線1Lの送電端至近で発生した短絡事故を除去することができる。
なお、第1の受電端短絡距離継電装置121では、図6(b)に示す時刻t2’後にハイレベルの第2および第3の判定結果出力信号VD32,VD33が第6の論理積回路436に入力されるため、ハイレベルの第3の2段動作域短絡事故判定信号S3が第2の受電端短絡距離継電装置122に出力される(図4参照)。しかしながら、第2の受電端短絡距離継電装置122では、第3の2段動作域短絡事故判定信号S3は第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路50のインバータ回路55によって極性が反転されてハイレベルからロウレベルになるため、第4の論理積回路534の出力信号はロウレベルのままとなる(図5参照)。その結果、ハイレベルの第3の2段動作域短絡事故判定信号S3が入力されても第4のトリップ信号TDZ4が第2の受電端短絡距離継電装置122から出力されることはないので、第4の遮断器44が遮断されることはない。
第2の送電端短絡距離継電装置112では、第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30の動作域判定回路31は、第2の短絡電流I2と送電端母線電圧VSとに基づいて第2のインピーダンスZ2を算出し、算出した第2のインピーダンスZ2に基づいて「3段動作域A3での短絡事故である」と判定して、ハイレベルの第3の判定結果出力信号VD23を出力する(図3参照)。しかしながら、第3の判定結果出力信号VD23は第2の遅延回路322によって第2の時限協調時間ST2だけ遅延されるため、第2のトリップ信号TDZ2が図6(b)に示す時刻t2”前に出力されることはない。
また、上述したように第1の遮断器41が遮断されると第1の接点信号SCB1はハイレベルからロウレベルになるために第3の論理積回路333の出力信号がハイレベルからロウレベルになるので、第4の論理積回路334の出力信号はロウレベルのままとなる(図3参照)。その結果、ロウレベルの第1の2段動作域短絡事故判定信号S1が入力されたままになっても、第1の遮断器41が遮断されたのちに第2のトリップ信号TDZ2が第2の送電端短絡距離継電装置112から出力されることはない。
さらに、上述したように第3の遮断器43が遮断されて第1の送電線1Lの送電端至近で発生した短絡事故が除去されると、第2の送電端短絡距離継電装置112は動作しなくなる。
第1の送電端短絡距離継電装置111では、第2の2段動作域短絡事故判定信号S2は第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20のインバータ回路25によって極性が反転されてロウレベルからハイレベルになるが、上述したように第1の遮断器41が遮断されると第1の接点信号SCB1はハイレベルからロウレベルになるために第3の論理積回路233の出力信号がハイレベルからロウレベルになるので、第4の論理積回路234の出力信号はロウレベルのままとなる(図2参照)。その結果、ロウレベルの第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が入力されたままになっても、第1の遮断器41が遮断されたのちに第1のトリップ信号TDZ1が第1の送電端短絡距離継電装置111から出力されることはない。
以上の説明では、短絡距離継電装置がトリップ信号を瞬時に発生する条件として、他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないことを含めたが、第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112については、その代わりに、他の短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなることを含めることにより、本発明の短絡保護継電システムをより有効にするようにしてもよい。
この場合には、第1の送電端短絡距離継電装置111は、図2に示した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の代わりに、図9に示すように引延し回路26と第7の論理積回路237とをさらに有して第7の論理積回路237の出力信号を第4の論理積回路234に入力するようにした第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20’を備える。また、第2の送電端短絡距離継電装置112は、図3に示した第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30の代わりに、第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20’と同様に構成された第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路を備える。
ここで、引延し回路26は、第2の2段動作域短絡事故判定信号S2の時間軸を引延し時間DL(第1の送電端短絡距離継電装置111におけるリレー判定時間TRYと第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCBとの合計時間よりも長い値に設定される(DL>TRY+TCB))だけ伸張する。また、第7の論理積回路237は、インバータ回路25の出力信号と引延し回路26の出力信号との論理積をとる。
これにより、図7(a)に示したように第1の送電線1Lの受電端至近で短絡事故が生じた場合には、第2の送電端短絡距離継電装置112が2段動作域A2での短絡事故で動作して(すなわち、「2段動作域A2での短絡事故である」と判定して)、ハイレベルの第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が第1の送電端短絡距離継電装置111の第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20’に入力されて、引延し時間DLが経過するまで引延し回路26の出力信号はハイレベルのままとなる。
その後に第3の遮断器43が上述したようにして第1の受電端短絡距離継電装置121によって遮断されて、第2の送電端短絡距離継電装置112が2段動作域A2での短絡事故で動作しなくなる(すなわち、「2段動作域A2での短絡事故である」と判定しなくなる)と、ロウレベルの第2の2段動作域短絡事故判定信号S2が第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20’に入力されて、インバータ回路25の出力信号はロウレベルからハイレベルになる。
その結果、第7の論理積回路237の出力信号はロウレベルからハイレベルになって、第1および第2の接点信号SCB1,SCB2がハイレベルであると、第1のトリップ信号TDZ1が第1の送電端短絡距離継電装置111から第1の遮断器41に瞬時に出力される。
以上の説明では、第1および第2の送電端短絡距離継電装置111,112を個々に構成したが、一体に構成してもよい。第1および第2の受電端短絡距離継電装置121,122についても同様である。
本発明の一実施例による短絡保護継電システムの構成を示す図である。 図1に示した第1の送電端短絡距離継電装置111が備える第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の構成を示すブロック図である。 図1に示した第2の送電端短絡距離継電装置112が備える第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路30の構成を示すブロック図である。 図1に示した第1の受電端短絡距離継電装置121が備える第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路40の構成を示すブロック図である。 図1に示した第2の受電端短絡距離継電装置122が備える第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路50の構成を示すブロック図である。 図1に示した短絡保護継電システムの動作について説明するための図である。 図1に示した第1の送電線1Lの受電端至近で短絡事故が発生したときの短絡保護継電システムの動作について説明するための図である。 図1に示した第1の送電線1Lの送電端至近で短絡事故が発生したときの短絡保護継電システムの動作について説明するための図である。 図1に示した第1の送電端短絡距離継電装置111が図2に示した第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20の代わりに備える第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路20’の構成を示すブロック図である。 主保護として回線選択継電装置を使用するとともに後備保護として距離継電装置を使用した従来の短絡保護継電システムの構成を示す図である。 図10に示した第1の送電端短絡距離継電装置1211が備える第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路130の構成を示すブロック図である。 図11に示した動作域判定回路131の動作を説明するための図である。 図10に示した第1の受電端短絡距離継電装置1221が備える第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路140の構成を示すブロック図である。 図10に示した従来の短絡保護継電システムの問題点について説明するための図である。
符号の説明
1〜34 第1乃至第4の変流器
1〜44 第1乃至第4の遮断器
1,52 第1および第2の変成器
111,112 第1および第2の送電端短絡距離継電装置
121,122 第1および第2の受電端短絡距離継電装置
20,20’,30 第1および第2の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路
21,31,41,51,131,141 動作域判定回路
221,222,321,322,421,422,521,522,1321,1322,1421,1422 第1および第2の遅延回路(タイマー)
231〜237331〜336,431〜436,531〜536,1331〜1333,1431〜1433 第1乃至第7の論理積回路
24,34,44,54,134,144 論理和回路
25,35,45,55, インバータ回路
26 引延し回路
40,50 第1および第2の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路
111 送電端短絡回線選択継電装置
112 受電端短絡回線選択継電装置
1211,1212 第1および第2の送電端短絡距離継電装置
1221,1222 第1および第2の受電端短絡距離継電装置
130 第1の送電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路
140 第1の受電端短絡距離継電装置トリップ信号発生回路
1L,2L 第1および第2の送電線
1〜I4 第1乃至第4の短絡電流
S 送電端母線電圧
R 受電端母線電圧
DZ1〜TDZ 4 第1乃至第4のトリップ信号
VD11〜VD14,VD21〜VD24,VD31〜VD34,VD41〜VD44 第1乃至第4の判定結果出力信号
1〜S4 第1乃至第4の2段動作域短絡事故判定信号
CB1〜SCB4 第1乃至第4の接点信号
FD1〜SFD4 第1乃至第4のFDリレー出力信号
ST1,ST2 第1および第2の時限協調時間
0〜t4,t2’ 時刻
RY リレー判定時間
CB 遮断器遮断時間
DL 引延し時間
1 抵抗分
1 リアクタンス分
1〜Z4 第1乃至第4のインピーダンス
A1〜A3 1段乃至3段動作域
1,B2
P1,P2 点

Claims (4)

  1. 送電端母線と受電端母線との間に敷設された第1および第2の送電線(1L,2L)からなる平衡2回線送電線を短絡事故から保護するための短絡保護継電システムであって、
    「2段動作域(A2)での短絡事故である」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器(41,42:43,44)が共に入状態であることを条件に、該自回線の自端側に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号(TDZ1〜TDZ4)を瞬時に発生するトリップ信号瞬時発生手段を備えた短絡距離継電装置(111,112,121,122)を具備することを特徴とする、短絡保護継電システム。
  2. 前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された3段階距離リレー方式の第1および第2の送電端短絡距離継電装置(111,112)と、
    前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された3段階距離リレー方式の第1および第2の受電端短絡距離継電装置(121,122)とを具備し、
    前記第1の送電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の送電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の遮断器(41,42)が共に入状態であることを条件に、該第1の遮断器を遮断するための第1のトリップ信号(TDZ1)を瞬時に発生する第1のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第2の送電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の送電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、該第2の遮断器を遮断するための第2のトリップ信号(TDZ2)を瞬時に発生する第2のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第1の受電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の受電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第3および第4の遮断器(43,44)が共に入状態であることを条件に、該第3の遮断器を遮断するための第3のトリップ信号(TDZ3)を瞬時に発生する第3のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第2の受電端短絡距離継電装置が、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の受電端短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないこと、および、前記第3および第4の遮断器が共に入状態であることを条件に、該第4の遮断器を遮断するための第4のトリップ信号(TDZ4)を瞬時に発生する第4のトリップ信号瞬時発生手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項1記載の短絡保護継電システム。
  3. 前記第1および第2のトリップ信号瞬時発生手段が、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が「2段動作域での短絡事故である」と判定していないことの代わりに、隣回線の自端側に設置された他の短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなることを条件に、前記第1および第2のトリップ信号を瞬時にそれぞれ発生することを特徴とする、請求項2記載の短絡保護継電システム。
  4. 前記第1の送電端短絡距離継電装置が、前記第1のトリップ信号瞬時発生手段の代わりに、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第2の送電端短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなること、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、前記第1のトリップ信号を瞬時に発生する第1の他のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第2の送電端短絡距離継電装置が、前記第2のトリップ信号瞬時発生手段の代わりに、「2段動作域での短絡事故である」と判定したこと、前記第1の送電端短絡距離継電装置が2段動作域での短絡事故で一旦動作したのち動作しなくなること、および、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であることを条件に、前記第2のトリップ信号を瞬時に発生する第2の他のトリップ信号瞬時発生手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項3記載の短絡保護継電システム。
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