JP2010112839A - プレート状容器、その成形に用いる鋳型およびそれを用いた処理法 - Google Patents

プレート状容器、その成形に用いる鋳型およびそれを用いた処理法 Download PDF

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Abstract

【課題】各々のウェルにおいて必要とされる液量を確保しつつ、各々のウェルに粒状物を1個ずつ収容できるプレート状容器を提供すること。
【解決手段】固体状の被収容物Aおよび液体状の被収容物Bが共に収容されるように、プレート状部材に複数の凹部が形成されて成るプレート状容器であって、
凹部の各々に被収容物Bを収容しつつ、凹部の各々に被収容物Aを1個ずつ収容するための収容制限部が、凹部の各内部に形成されていることを特徴とするプレート状容器。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレート状容器に関し、特に、ウェルプレートやマイクロアレイなどの「プレート状部材に複数の凹部が形成されて成る容器」に関する。また、本発明は、かかるプレート状容器を用いて標的物質の分析、抽出または精製を行う方法、ならびに、プレート状容器を用いて細胞の分離、検出またはスクリーニングを行う方法にも関する。更には、本発明は、プレート状容器を成形するために用いる金属製鋳型にも関する。
メディカルサイエンスやバイオサイエンスの分野では、物質または細胞の分離、固定化、分析、抽出、精製または反応などを行う各種処理に適した「多数の微小ウェルを備えたプレート状容器」が多く用いられている(例えば非特許文献1参照)。
かかるプレート状容器として、例えば、ウェルプレート、マイクロタイタープレート等の他、マイクロ化学チップ、バイオチップ、DNA(deoxyribonucleic acid)チップなどの微細な構造を有するチップが一般に使用されている。このようなプレート状容器は、液体を流して使用するマイクロ流体デバイスと異なり、液体を収容する容器として機能する微小な凹部がアレイ状に整列しているので、マイクロアレイ、マイクロアレイプレートまたはマイクロアレイチップなどとも呼ばれる。ウェルプレートやマイクロアレイでは、大量の情報を一度に処理・解析を行うために微小なウェルが多数設けられているが、かかるウェルの容量に比例した少量の限られた液体によって反応を調べる形式をとる。最近では抗体などのたんぱく質が固定化されたプロテインアレイチップなども存在する。
プレート状容器の使用に際しては、「粒子などの固体物」と「反応に使用される液体」とが各ウェルに供される。例えば、「核酸、蛋白質、糖鎖または細胞等の物質が固定化された粒子」と「塩基、核酸、蛋白質、抗原または糖鎖等の標的物質を含んだ液体」とを各々のウェルに供し、粒子に固定化された物質と標的物質とを相互に結合、吸着または反応させることによって、各種の分析、抽出、精製などを行うことができる。最近では、核酸が固定化されたマイクロビーズを各ウェルに供して、核酸のハイブリダイゼーションやシーケンス等を行う手法が提案されている。
ここで、マイクロビーズとウェルなどの微小反応容器部との相対的な関係を考慮すると、反応容器部の容量には一定の制限があった。ウェルなどに代表される従来の微小反応容器部において、1つの反応容器部の容量(即ち、各々のウェル容量)を大きくしたい場合、ウェルの幅寸法または深さ寸法を単に大きくすることによって対応することが可能である。しかしながら、ウェルの幅寸法または深さ寸法を大きくすると、液体(≒反応液)と共にマイクロビーズがウェルに供される際、1つのウェルに対して2個以上のマイクロビーズが収納される可能性が出てくる。つまり、1つのプレート状容器において、あるウェルでは1個のマイクロビーズしか収納されないのに対して、別のウェルでは2個や3個のマイクロビーズが収納される可能性が存在する。そうすると、各ウェルにおけるマイクロビーズと液体量(≒反応液量)との比が、それぞれのウェルごとに異なることになってしまう。これは、ウェル内での培養、検査・分析の結果が、それぞれのウェルごとに異なることを意味している。また、個々のマイクロビーズに担持した成分を個々の微小反応容器部ごとに分析する場合、1つの反応容器部(即ち、ウェル)に2個以上のマイクロビーズが収容されると、その検査方法自体が成り立たなくなってしまう。そのような一方で、各ウェルに対してマイクロビーズが確実に1個だけが供されるように、ウェルの幅寸法を小さくすると、反応液を収容するためのウェル内部の空間が必然的に減じられることになり、必要な反応液量を確保できなくなってしまうか、あるいは、ウェルの開口部が小さいためにマイクロビーズがウェル内へと容易に入っていかないといったことが懸念される。
住友ベークライト株式会社の製品情報(製品名:培養用マルチプレート)[online]、[平成20年10月20日検索]、インターネット〈URL:http://www.sumibe.co.jp/sumilon/plate.html〉
本発明は上記事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の課題は、各ウェルにおいて必要とされる液量を確保しつつ、各ウェルに粒状物を1個ずつ収容することができるプレート状容器を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、固体状の被収容物Aおよび液体状の被収容物Bが共に収容されるように、プレート状部材に複数の凹部が形成されて成るプレート状容器であって、
凹部の各々に被収容物Bを収容しつつ、凹部の各々に被収容物Aを1個ずつ収容するための収容制限部が、凹部の各内部(内側)に形成されていることを特徴とするプレート状容器を提供する。
本発明は、凹部の各々において被収容物B(即ち、反応液などの液体)を適量確保しつつ、各凹部に設けられた“収容制限部”でもって凹部の各々に被収容物A(即ち、固体の粒状物)を1個ずつ収容させることを特徴の1つとしている。ある好適な態様では、収容制限部は、各々の凹部の周縁部分の少なくとも一部と一体化した形態を有するように凹部の周縁部分から延在している。つまり、収容制限部は凹部の側壁(内壁)と陸続きとなった“半島”の形態を有している。また、別のある好適な態様では、収容制限部は、各々の凹部の周縁部分に対して離隔した形態を有している。かかる場合、収容制限部は凹部の側壁(内壁)から陸続きとなっていない独立した“島状”または“ピラー(柱)”の形態を有している。
本明細書において「収容制限部」とは、液体の収容・流動を許容しつつも、粒状物などの被収容物が所望個数(即ち、1個)収まることになるように設けられている凹部の内部形状・内部構造を実質的に意味している。つまり、本明細書にいう「制限」とは、凹部内に流体が確保されることを前提に、所定の個数の粒状物が凹部に収容されるように規制する態様を指している。
本明細書において「プレート状容器」とは、一般にメディカルサイエンス分野やバイオサイエンス分野において分離、固定化、分析、抽出、精製または反応などの処理を行う際に用いられる「複数の“くぼみ”を有するデバイスまたは部材」を意味している。好ましくは、プレート状容器は“プレート状”ゆえに100μm〜50mm程度の厚さを有している。かかるプレートプレート状容器としては、ウェルプレート、マイクロタイタープレートの他、マイクロ化学チップ、バイオチップ、DNAチップなどのマイクロアレイ、マイクロアレイプレートまたはマイクロアレイチップなどを挙げることができる。従って、プレート状容器がウェルプレートまたはマイクロアレイなどの場合では、“凹部”は“ウェル”と称されるものに相当する(プレート状容器において各々のウェルは空間的に離隔された形態となっている)。ここで、本明細書でいう「マイクロ」とは、凹部などの構造物の寸法がミクロン〜ミリメートルのオーダー(1μm〜数十mm程度)、または、「複数の凹部が設けられたプレート状容器」がミリメートル〜センチメートルのオーダー(1mm〜数十cm程度)であることを実質的に意味している。
固体状の被収容物Aとしては、特に制限されるわけではないが、マイクロビーズ(ビーズ)、細胞、微生物、細菌類、花粉、胞子およびその他の生体関連粒子などの粒状物を挙げることができる。ここで「マイクロビーズ」とは、樹脂、金属、または金属酸化物等の無機物等の材質から成る直径10nm〜数mm程度の略球形の粒子のことを意味している(例えば、マイクロビーズは、セファロース、アガロース、合成ポリマー、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、イットリウム添加酸化ジルコニウムまたは酸化鉄などから成る直径1μm〜5mm程度の粒子である)。また、液体状の被収容物Bとしては、特に制限されるわけではないが、水、溶剤、バッファー、反応溶液、および検体液などの流体を挙げることができる。
本発明に係るプレート状容器は、凹部の各々が、被収容物Aの直径寸法Dよりも大きい幅寸法および深さ寸法を有している。従って、凹部に被収容物Aが収容されたとしても凹部内に液体をある程度収容することができる。収容制限部と被収容物Aの収容空間とを除いた凹部の内部空間は被収容物Bの収容空間となるが、この収容空間の体積Vbがある程度大きくなっており、従来の凹部(被収容物Aを1個収容できる凹部)で想定される最小体積よりも9倍〜30倍大きくなっている。具体的には、球形状の被収容物Aの直径Dと同じ長さ寸法の底面直径および高さを有する円柱空間に対して、「被収容物B」と「直径Dを有する球形状の被収容物A」とを収容した際に想定される被収容物Bの体積を最小収容体積Vb’とすると、「本発明における被収容物Bの収容空間体積Vb」が最小収容体積Vb’の9倍〜30倍となっている。
収容制限部が凹部の周縁部分の少なくとも一部と一体化した形態を有する場合、本発明のプレート状容器は、「凹部の側壁の一部が変形した形態で構成されているデバイス」とみなすことができる。このように収容制限部が凹部の周縁部分と一体化した形態を有する場合、収容制限部の水平方向断面が実質的に矩形状、正方形状、台形状もしくはかまぼこ状となっていることが好ましい。つまり、収容制限部が凹部の周縁部分から“堤防”のように突き出た形態を有していることが好ましい。尚、収容制限部の形状は、収容物を制限するものであれば特に制限はない。例えば、収容制限部の水平方向断面が多角形状、丸形状もしくは楕円形状などであってもよく、あるいは、上記の“矩形状の水平方向断面”のコーナー(角部)が丸みを帯びていてもよい。
また、収容制限部が凹部の周縁部分に対して離隔した形態を有する場合、収容制限部は、被収容物Aの収容空間を少なくとも部分的に取り囲むように設けられていることが好ましい。つまり、収容制限部が、円周方向(凹部中央を円中心とした場合の円周方向)に沿って整列していることが好ましい。また、収容制限部が凹部の周縁部分に対して離隔した形態となっている場合、収容制限部と凹部の周縁部分との間に形成されている間隙の寸法が、螺旋方向に沿うように凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなっていることが好ましい。つまり、凹部内の空間部又は溝部の幅は、凹部中央へと近づくにつれて徐々に広くなるようになっていることが好ましい。これにより、被収容物Aが凹部の中央部へと容易に導かれることになり、被収容物Aの確実な収容が促進される。
収容制限部が凹部の周縁部分と一体化した形態となっているか、あるいは、周縁部分に対して離隔した形態となっているかに拘わらず、被収容物Aの凹部への収容が促進されることになるように、収容制限部は種々の形態を有していてよい。例えば、「プレート状部材において凹部を成していない非凹部面」と「収容制限部の上面」とが非面一となっていてよい。特に、収容制限部の上面が“非凹部面”よりも高さが低くなっていることが好ましい。
また、被収容物Aが凹部へと収容され易くなるように、収容制限部の高さが、凹部の周縁部分から中央へと向かって徐々に低くなっていてもよく、それに加えて又はそれとは別に、収容制限部の上面が水平面に対して傾いた傾斜面(例えば一定の方向に沿って傾いた傾斜面)を成していてもよい。即ち、収容制限部の上面又は頂面がテーパー状に形成されていてよい。
ある好適な態様では、凹部の各々に対して収容制限部が2〜6個形成されている。各凹部に収容制限部が複数設けられている場合、被収容物Aの凹部への収容が促進されるように、各凹部では円周方向に沿って収容制限部の高さが順次変化するようになっていてよい。つまり、各凹部では収容制限部の各々の高さがそれぞれ異なっていてもよい。
尚、液体状の被収容物Bが凹部に容易に流れ込むことになるように、凹部および/または非凹部面が親水性を有していることが好ましい。つまり、プレート状部材に対して“親水性”を施すことが好ましい。プレート状部材に対して親水性を施すために、UV処理、UVオゾン処理、プラズマ処理、親水性有機物コート処理または金属薄膜コート処理を行ってもよい。このように親水化処理すると、プレート状容器の実際の用途において、液体たる被収容物Bから気泡が抜けやすくなったり、あるいは、核酸や蛋白がプレート状部材に吸着しにくくなったりする点でも有利である。
ある好適な態様において、プレート状容器の実際の用途での利便性を考慮して、凹部面のみもしくは凹部面と周囲の非凹部面には金属被膜が設けられている。プレート状容器が透明または半透明な材質から成る場合に凹部面および/または非凹部面に金属被膜が形成されていると、各凹部にて発光・蛍光・発色などを行う際に隣接する凹部の影響を極力抑えることができる。より具体的には、例えば凹部面(即ち、ウェル領域)に金属被膜を設けると、隣接ウェルとの間の壁における測定波長光の透過率を小さくすることでき、その結果、あるウェルの発光・蛍光・発色の強度の測定値が隣接するウェルの発光等の有無や強度の影響を受けないようにできる。「隣接するウェル間での測定波長光の透過率を小さくする」といった観点でいうと、金属被膜を設ける態様に限定されず、光吸収性の染料、顔料等をプレート状部材の材質(例えば樹脂)に混合してもよい。しかしながら、上述の金属被覆は薄くても光透過率を小さくする効果が特に高いので、その点で金属被膜を設けることは最も有効であるといえる。金属被膜に用いられる金属としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)およびこれらの合金から成る群から選択される少なくとも1種以上の金属を挙げることができる。また、このような金属被膜を用いる手法としては、スパッタ、蒸着、CVDまたは無電解めっきなどを挙げることができる。金属被膜の厚さは、好ましくは50nm〜150nm程度である。
本発明では、上述のプレート状容器を成形するために用いる金属製鋳型、シリコンもしくはその化合物系による鋳型あるいは樹脂製鋳型が提供される。かかる鋳型は好ましくはロール状または平面板状の形態を有している。金属製鋳型(または金型)は、銀(Ag)、金(Au)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、銅(Cu)、鉄(Fe)、インジウム(In)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)および亜鉛(Zn)から成る群から選択される少なくとも1種類の元素を含んで成ることが好ましい。また、硬度、潤滑性または粘り強さ等をより向上させるために、本発明の金属製鋳型には、マンガン(Mn)、ガドリウム(Gd)、サマリウム(Sm)、タングステン(W)、アンチモン(Sb)、モリブデン(Mo)、リン(P)、ホウ素(B)および硫黄(S)から成る群から選択される少なくとも1種類の元素を特に積極的に含ませてもよい。シリコンもしくはその化合物系鋳型は、シリコン単体(Si)、石英(SiO)、シリコンカーバイト(SiC)等が好ましい。また樹脂製鋳型の材料としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が利用可能である。
更に、本発明においては、上述のプレート状容器を用いた各種処理法が提供される。具体的には、プレート状容器に設けられたウェル(即ち、凹部)に対して「標的物質が結合可能なビーズ」(例えば、「標的物質と結合可能な物質・官能基が固定化されたビーズ」)を1個ずつ収容し、ウェルの各々で標的物質の分析、抽出または精製を行う方法が提供される。また、上述のプレート状容器に設けられたウェルに対して細胞を1個ずつ収容し、細胞の分離、検出またはスクリーニングを行う方法も提供される。
本発明のプレート状容器では、凹部(≒ウェル)の各々に必要な液量を収容しつつ、各凹部に所定の個数(即ち、1個)の粒状物を収容することができる。具体的には、本発明のプレート状容器の使用に際しては、「複数の被収容物Aから成る粒状物」および「被収容物Bの液体」を含んだ分散体をプレート状容器(特に、複数のウェルが形成されている面)に供するが、その際に、“収容制限部”の働きによって各々のウェルに粒状物を1個ずつ収容することができる。特に、本発明では、各ウェルに被収容物Aの粒状物が1個ずつ収容されるにも拘わらず、その各ウェルには適量の液体被収容物Bも収容される点で有益である。つまり、従来技術のウェルにおいて粒状物を1個収容するためには、ウェルのサイズを小さくしなければならず必然的に液体の収容量も減じられる結果となっていたものの、本発明では粒状物を1個ずつ収容しつつも液体の収容量が不必要に減じられていない点で特に有利な効果が奏されているといえる。特に好適な態様では、液体の被収容物Bは各ウェルの内部領域全体を自由に往来することができる。
本発明のプレート状容器は、収容制限部の作用によって粒状物が1個ずつ凹部に収容されるように制限している。かかる収容制限部が過度に作用しすぎないように(即ち、粒状物が凹部に入っていかないといった不都合を防止するために)、収容制限部の形態は凹部の中央へと粒状物を導くことができるようになっている。
また、本発明では、凹部および収容制限部のそれぞれについて好適な形態を適宜採用することによって、用途に応じて液体の収容量を自由に変更することができる。換言すれば、本発明では、微細な反応容器であるウェルに対して粒状物(マイクロビーズや細胞)を所望の個数の分だけしか入らないように制御しつつ、ウェルの液体容量を使用目的に応じて望ましい容量にすることができる。
以下では、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
《本発明の一般的な特徴》
本発明のプレート状容器100は、図1に示すように、プレート状部材50に複数の凹部30が形成されて成り、凹部の各内部には収容制限部25が形成されている。かかる収容制限部25は、凹部30の各々に被収容物Bを収容しつつ、凹部30の各々に被収容物Aを1個ずつ収容するように機能する。本発明のプレート状容器100は、微細なウェルの容量について使用目的に応じて自由に設計可能となっていると共に、そのウェルには被収容物A(例えば“ビーズ”)が目的とする個数しか入らないように制御されている。このようなプレート状容器100は、各凹部において各種反応などの処理が行われるバイオサイエンス分野の用途等に用いられ得ることから、「プレート上に形成された少量または微量の溶液中で反応などを複数並列して行うための反応容器集合体」とみなすことができる。
本発明のプレート状容器100の材質(即ち、プレート状部材50の材質)は、特に制限されるわけではないが、シクロオレフィン樹脂(ノルボルネン樹脂)、シクロオレフィン共重合体樹脂、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリジメチルシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンおよびポアミドイミドから成る群から選択される少なくとも1種以上のポリマーであってよい。また、本発明のプレート状容器100の材質は、シリコンあるいはガラスであってもよい。本発明のプレート状容器の寸法は、用途によって種々に変わり得るものの、一例を挙げるとすると図1に示すような長さ(L、H、W)は、L=5〜300mm、H=0.2〜50mm、W=10〜300mm程度であり得る。凹部の幅寸法および深さ寸法は、被収容物Aの直径寸法Dよりも大きい寸法を有していることが好ましく、それによって、後刻で行う反応に使用する反応液を各ウェルに適量収容できるようになっている。一例を挙げるとすると、凹部の幅寸法wは0.05μm〜20mm程度であって、凹部の深さ寸法hは0.01μm〜10mm程度であってよい(図1参照)。尚、凹部の幅寸法および深さ寸法は大きくなれば反応等に必要な液体量が増えるので好ましい場合が多いといえるものの、移動距離が大きくなることに起因して必要成分が反応等が生じる部分に到達できなかったり、必要成分の量が反応等に必要十分とされる量を超えてしまうことに起因して不要な液体コストを要することになる。このため、凹部および収容制限部の形態にもよるが、凹部の幅寸法および深さ寸法の上限としては、約10D以下が好ましいといえ、約5D以下が更に好ましい(D:被収容物Aの平均サイズ)。ちなみに、振動等に付すことによって効率的な攪拌が可能である場合には、必要成分を広範囲に移動させることが可能となるため、更に大きな幅寸法および深さ寸法であってもよい。
本発明のプレート状容器100に設けられている凹部の個数は、用途に応じて種々に変わるものであるが、例えば、好ましくは2500〜1億個、より好ましくは1万〜5千万個、更に好ましくは5万〜1千万個となり得る。尚、凹部の開口部分の形状は、特に制限はなく、円形、楕円形、多角形(例えば、四角形または六角形)などであってよい。
本発明のプレート状容器100は、使用に際して、「複数の被収容物Aから成る粒状物」および「被収容物Bの液体」を含んだ分散体と共に用いられる。具体的には、プレート状容器の凹部が設けられている面に対して、被収容物Aと被収容物Bとから成る分散液を供すことによって、凹部の各々に被収容物Aと被収容物Bを共に収容させる。かかる収容に際しては、被収容物Aおよび被収容物Bの自重に起因した沈降作用を利用してよいものの、必要に応じて振揺に付したり、あるいは遠心処理に付したりしてもよい。ここで、被収容物Aは、上述したように、例えば、マイクロビーズ(ビーズ)、細胞、微生物、細菌類、花粉、胞子およびその他の生体関連粒子などの粒状物であってよい(以下では、被収容物Aを簡易的に「粒子」または「粒状物」とも称する)。かかる粒状物は、球状、楕円状、米粒状、針状または板状などの各種形状を有し得る。ここでいう「球状」とは、アスペクト比(種々の方向で測定した場合の最大長さと最小長さとの比)が1.0〜1.2の範囲にある形状を指し、「楕円状」とは、アスペクト比が1.2〜1.5の範囲(但し、1.2を含まない)にある形状を指している。また、「米粒状」とは、その名の通り、“米粒”のような形状を意味しており、一般的には、球状のように粒子の長さが全方向で揃っている形状を指し、特に、全体としてサイズ的に異方性のない形状を指している。凹部への収容が促進される観点でいうと、被収容物Aは球形状を有していることが好ましい。粒子形状を有する被収容物Aの平均サイズDは、例えば、好ましくは0.01μm〜10mm程度、より好ましくは0.1μm〜5mm程度である。ここで、「粒子サイズ」とは、粒子のあらゆる方向における長さのうち最大となる長さを実質的に意味している。そして、本明細書でいう「平均粒子サイズ」とは、粒子の透過型電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真に基づいて例えば300個の粒子のサイズを測定し、その数平均として算出した粒子サイズを実質的に意味している。一方、被収容物Bは、上述したように、水、溶剤、バッファー、反応溶液、および検体液などの流体である(以下では、被収容物Bを簡易的に「液体」または「反応液」とも称する)。被収容物Bの粘度は、特に制限はなく、被収容物B中の成分を利用するときの条件下で被収容物Bが流動性を有していればよい。プレート状容器に供される分散液(即ち、被収容物Aと被収容物Bとから成る分散液)の被収容物Aの含有量は、特に制限されるわけではないが、例えば0.01〜50体積%程度である。尚、被収容物Aの絶対量または個数は、全ての被収容物Aが凹部に1個ずつ収容されるような量または個数であることが好ましく、例えば、凹部の個数が1万個であれば、被収容物Aの個数も少なくとも1万個であることが好ましく、それに応じた絶対量を有する被収容物Aが分散液に含まれていればよい。
収容制限部25は、各凹部の内部に設けられている。特に、収容制限部25は凹部の内部空間の一部を占めるように設けられている。かかる収容制限部25によって、凹部の各内部には「固体状被収容物Aの収容空間(=粒子の収容空間)」と「液体状被収容物Bの収容空間(=液体/反応液の収容空間)」とが形成されることになる。「固体状被収容物Aの収容空間」は、1個の被収容物A(粒子)を収容できるサイズまたは形状を有しているものの、2個以上の被収容物A(粒子)の収容は許容しないサイズまたは形状を有している。換言すれば、収容制限部25は、1個の粒状物が収容されるように凹部の内部空間を部分的に制限しているといえる。このように収容制限部25が収容される粒状物の個数を制限していると考えることができるので、本発明にいう「収容制限部」は「個数制限部材」と称することもできる。
収容制限部25は、例えば、図2(a)および(b)に示すように、凹部の周縁部分の少なくとも一部と一体化した形態を有しており、凹部の周縁部分から突き出るように延在している。また、収容制限部25は、例えば、図3(a)および(b)または図5(a)および(b)に示すように、凹部の周縁部分に対して離隔した形態を有していてもよい。
収容制限部25が凹部の周縁部分から延在している場合、収容制限部25は、例えば図2(b)に示すように、凹部の側壁(内壁)と陸続きとなった“半島”の形態を有している。換言すれば、凹部は、その中央部を避けて周縁部分から一体型の半島が突き出たような壁状構造を有しているといえる。
図2(a)および(b)に示されるように、被収容物A(粒子)の収容空間30aの周囲には被収容物B(液体)の収容空間30bが形成されている。粒子と液体とから成る分散液がプレート状容器に供された場合、粒子は重力沈降などに起因して凹部内部へと収納されることになるが、凹部内部には収容制限部25が存在しているので、それを避けるようにして粒子が凹部内へと導かれることになる。粒子が凹部に入っていくと共に、粒子を分散させている液体も凹部に入っていくことになるので、結果的に、粒子の収容空間以外の凹部内部が液体で満たされることになる。図2(b)に示す態様から分かるように、各凹部の内部においては、比較的多くの液体が収容されることになり、好ましくは液体が各凹部の内部にて比較的に自由に流動できるようになっている(かかる観点から液体の収容空間30bを「流路」と称することもできる)。このように、本発明のプレート状容器では、後に行う反応等に使用する液体を各凹部に適量収容できるようになっている。尚、収容される粒子を1個に制限しつつ液体の収容空間30bをある程度多く確保する観点から、収容制限部25は、図2(b)に図示するように直方体形状を有していることが好ましい。つまり、収容制限部25の断面は図2(a)に示すように矩形状を有していることが好ましい。
収容制限部25が凹部の周縁部分から離隔した形態を有している場合では、収容制限部25は、例えば図3(a)および(b)に示すように、凹部の側壁(内壁)から独立した“ピラー(柱)”の形態を有していてよい。好ましくは、図3(b)に示すように、被収容物Aの収容空間30aを少なくとも部分的に取り囲むように収容制限部25が設けられる。かかる場合、被収容物A(粒子)の収容空間30aの周囲に被収容物B(液体)の収容空間30bが形成されることになる。粒子と液体とから成る分散液がプレート状容器に供された場合、粒子は重力沈降などに起因して凹部内部へと収納されることになるが、凹部内部には収容制限部25が存在しているので、その内側へと粒子が収容されることになる(図4参照)。粒子が凹部内に入っていくと共に、粒子を分散させている液体も凹部内に入っていくことになるので、その結果、粒子の収容空間以外の凹部の内部が液体で満たされる。図3(b)に示す態様から理解できるように、液体が各凹部の内部において適量確保されることになり、好ましくは液体が凹部の内部で比較的に自由に流動できるようになっている。換言するならば、図示するように「ピラー状の収容制限部」と「凹部の周縁部分」との間に形成される空隙は外周部で連結した構造となっているので、凹部内に収容された液体は凹部内の空間全体を自由に往来できるようになっている。図2に示した“半島”形態の収容制限部25と比較すると、図3に示すような “ピラー(柱)”形態の収容制限部25では、凹部内における液体収容量を一般的にはより多くできる。
各凹部における収容制限部25の個数は、特に“1個”に限定されるわけではなく、2〜10個程度であってもよく、好ましくは2〜8個程度、更に好ましくは2〜6個程度であってもよい。各凹部において収容制限部25の個数が増すと、粒子の収容にとって好ましい形態を適宜採用できるので、用途に応じた凹部の自由な設計が可能となる(例えば、一旦収容された粒子が凹部から飛び出さないような設計も可能となる)。一般的には、収容制限部25の個数が増すと、収容制限部25が占める体積に起因して液体の収容量が減じられることになるものの、“液溜め用空間”を別途設けることによって(例えば、後述する図11の態様を参照のこと)、液体収容量の減少を回避できる。
収容制限部25が凹部の周縁部分から離隔した形態を有している場合、収容制限部25は、例えば図5(a)および(b)に示すように、凹部の側壁(内壁)から独立した“島状”または“孤島状”の形態を有していてもよい。特に、収容制限部と凹部の周縁部分との間に形成された間隙Cの寸法が、螺旋方向に沿うように凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなっていることが好ましい。これにより、間隙Cにより形成される“溝”が凹部の周縁部分から中央に向かって連続した継ぎ目のない構造となるので、より効率的に被収容物A(粒子)を凹部の中央へと誘導できる。かかる態様であっても、各々の凹部において、被収容物A(粒子)の収容空間30aの周囲には被収容物B(液体)の収容空間30bが形成されている。従って、粒子と液体とから成る分散液がプレート状容器に供された場合、粒子は、中央へと向かうにつれて徐々に広くなる間隙Cに沿って外側から凹部の中央へと収容され得る。粒子が凹部内に入っていくと共に、粒子を分散させている液体も凹部内に入っていくことになるので、その結果、粒子の収容空間以外の凹部の内部が液体で満たされる。図5(b)に示す態様から理解できるように、液体が凹部の内部において適量確保されることになり、好ましくは液体が凹部内で比較的に自由に流動できるようになっている。換言するならば、図示するように「島状の収容制限部」と「凹部の周縁部分」との間に形成される空隙が外周部で連結した構造となっていることに起因して、凹部内に収容された液体が凹部内の空間全体を自由に往来できるようになっている。特に、島状の収容制限部は、鉛直方向上向きに幅寸法が小さくなるテーパー形状を好ましくは有しているので、凹部内での液体が特に流動し易くなっている。図2に示した“半島状”の収容制限部25と比較すると、図5に示すような “島状”または“孤島状”の収容制限部25では、凹部内における液体の収容量を一般的により多くすることができる。
尚、収容制限部25が凹部の周縁部分から離隔した形態を有している場合、「プレート状部材において凹部を成していない非凹部面」と「収容制限部の上面」とが非面一となっていてよい。特に、収容制限部の上面が“非凹部面”よりも高さが低くなっていることが好ましい。これにより、粒子の収容が促進されるといった効果が奏され得る。例えば、収容制限部の上面が“非凹部面”よりも0(0を含まず)〜0.4Dμm程度低く、より好ましくは0.05D〜0.3D程度低くなっていることが好ましい(但し、Dは被収容物Aの直径寸法)。
《収容制限部の種々の態様》
“収容制限部”の態様としては、その他に種々の形態が考えられる。以下それについて詳述する。
(半島を2つ備えた形態)
各凹部に収容制限部が2つ形成された態様を図6(a)および(b)ならびに図7(a)および(b)に示す。かかる態様は、いわゆる“半島”が2つ形成された態様である。つまり、2つの収容制限部が凹部の周縁部分からそれぞれ中央に向かって延在している。特に、図示するように、相互に対称的な位置関係となるように2つの収容制限部が設けられている。図6(a)および(b)に示す態様では、収容制限部25の延在方向が放射方向からずれており、2つの収容制限部と凹部の周縁部とによって、粒子が捕捉されることになる。図7(a)および(b)に示す態様では、2つの収容制限部25が凹部の放射方向に沿って延在しており、かかる2つの収容制限部によって両側から粒子が捕捉される。
図6(a)および6(b)に示す態様では、収容された粒子が3点(e点、f点、g点)で捕捉される形態となるので、凹部内部において粒子の移動が効果的に防止でき、ひいては、収容された粒子が凹部から容易に飛び出しにくいといった点で有利な効果が奏され得る。また、図7(a)および7(b)に示す態様では、収容制限部25でもって両側から均等に粒子を捕捉するので、粒子をより凹部中央にて収容することができ、ひいては、粒子表面のいずれの箇所においても等しく粒子と液体との反応を行うことができるといった点で有利な効果が奏され得る。
(半島を5つ備えた形態)
各凹部に収容制限部が5つ形成された態様を図8(a)および(b)に示す。かかる態様は、いわゆる“半島”が5つ形成された態様である。つまり、5つの収容制限部が凹部の周縁部分からそれぞれ中央に向かって延在している。特に、図示するように、放射方向に沿って5つの収容制限部25が設けられている。図示する態様から分かるように、5つの収容制限部でもって5点で粒子が捕捉される。5点で捕捉されるので、凹部内部での粒子の移動を効果的に防止でき、ひいては、収容された粒子が凹部から容易に飛び出しにくいといった点で有利な効果が奏され得る。
(半島を6つ備えた形態)
各凹部に収容制限部が6つ形成された態様を図9(a)および(b)に示す。かかる態様は、いわゆる“半島”が6つ形成された態様である。つまり、6つの収容制限部が凹部の周縁部分からそれぞれ中央に向かって延在している。特に、図示するように、放射方向に沿って6つの収容制限部が設けられている。図示する態様から分かるように、6つの収容制限部でもって6点で粒子が捕捉される。6点で捕捉されるので、凹部内部での粒子の移動が効果的に防止でき、ひいては、収容された粒子が凹部から容易に飛び出しにくいといった点で有利な効果が奏され得る。尚、各凹部に収容制限部が6つ形成された態様としては、図10(a)および(b)に示すような態様も考えられる。この態様は、図9における「収容制限部」と「液体収容部」とを相互に入れ替えたものに相当しており、もたらされる機能・効果などは図9の場合と同様である。また、後述で触れるが、このような6つの収容制限部の上面を円周方向および/または中央方向に沿って傾斜するように設けることによって、収容時において粒子を凹部内部へと容易に導くことができる。
(液溜まりを備えた形態)
収容制限部に隣接して“液溜まり”が設けられた態様を図11(a)および(b)に示す。かかる態様では、“半島”に相当する部分は、図面において符号25aで示される領域であって、“液溜まり”は図面において符号30b’で示される領域である。かかる態様では、収容された粒子の周囲に比較的多量の液体を収容することができる。したがって、収容制限部に隣接して“液溜まり”が設けられた態様は、粒子1個当たりに多くの反応液を必要とする用途に特に適した態様であるといえる。尚、かかる態様は、粒子が収容される主反応容器部(30aの部分)に加えて、凹部側壁から延在した“半島”により形成される副反応容器部(30b’の部分)が設けられた態様とみなすこともできる。
(中央方向に傾斜した半島を備えた形態)
「凹部の中央に向かって傾斜している収容制限部」が設けられた態様を図12に示す。図示する態様は、“半島”が6つ形成されている態様であり、特に、各々の収容制限部25が、凹部の中央に向かって低くなるテーパー面を有していることを特徴としている。つまり、収容制限部の高さが、凹部の周縁部分から中央に向かって徐々に低くなっている。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して収容制限部の上面を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部の内部へと収容され易い。つまり、図12に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。水平面に対する収容制限部(上面)の傾斜角度は、好ましくは約10°以上であり、より好ましくは約20°以上であり、更に好ましくは約30°以上である(尚、傾斜角度0°では、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態を指している)。かかる傾斜角度の上限値としては特に制限は無いが、凹部中央部の収容制限部が機能できる範囲で、凹部の周縁形状、凹部深さ等の関係から適宜に選択される(尚、上限値は90°を超えない数値となり得る)。例えば、傾斜角度の上限値としては、一旦収容された粒子が凹部から飛び出さないように保持される観点でいえば45°程度であることが好ましい。
(円周方向に傾斜した半島を備えた形態)
凹部の円周方向に沿って傾斜している収容制限部が設けられた態様を図13に示す。図示する態様は、“半島”が6つ形成されている態様であり、特に、各々の収容制限部25が、凹部の円周方向(凹部中央を円中心した場合の円周方向)に沿って低くなるテーパー面を有していることを特徴としている。つまり、収容制限部の上面25Aが、水平面に対して一定の方向に傾いた傾斜面を成している点で特徴を有している。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して収容制限部の上面を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部の内部へと収容され易い。つまり、図13に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。水平面に対する傾斜面の角度は、好ましくは約10°以上であり、より好ましくは約20°以上であり、更に好ましくは約30°以上である(尚、傾斜角度0°では、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態を指している)。かかる傾斜面の角度の上限値としては、前記形態と同様に特に制限は無いが、凹部中央部の収容制限部が機能できる範囲で、凹部の周縁形状、凹部深さ等の関係から適宜に選択される(尚、上限値は90°を超えない数値となり得る)。例えば、傾斜面の角度の上限値としては、一旦収容された粒子が凹部から飛び出さないように保持される観点でいえば45°程度であることが好ましい。
(階段状の半島を備えた形態)
凹部において複数の収容制限部の高さが段階状に異なる態様を図14に示す。図示する態様は、“半島”が6つ形成されている態様であり、特に、円周方向に沿って設けられている複数の収容制限部25の高さが段階状に順次変化するようになっている。つまり、図示するように、各凹部では、円周方向に沿って順次変化するように収容制限部の各々の高さがそれぞれ異なっている。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して“段階状の収容制限部の上面”を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部内へと収容され易い。つまり、図14に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。段階状に順次変化する高さ(即ち、「ある収容制限部の高さ」と「隣接する収容制限部の高さ」との差)の下限は、被収容物A(粒子)の直径寸法Dとした場合、概ね0.05D以上が好ましい。その高さの差が0.05D以下になると、粒子が段差に沿って順次移動しにくくなる。一方、段階状に順次変化する高さ(即ち、「ある収容制限部の高さ」と「隣接する収容制限部の高さ」との差)の上限は、収容制限部の数nにより制限され、その値はD/nとなる。段階状に順次変化する高さが、D/n以上となると、段階状に順次変化する収容制限部の中で一番低い部分の高さが0となってしまい、収容制限部の機能をはたさなくなる。
(螺旋状の半島を備えた形態)
螺旋形状の収容制限部が設けられた態様を図15(a)および(b)に示す。図示する態様では、収容制限部25が渦巻き状に設けられており、収容制限部の高さが周縁部分から中央へと向かうにつれて徐々に低くなっている。このように、収容制限部の形態は、必ずしも直線状に延在する態様に限定されるものでなく、曲線状に延在する態様であってもよい。図15(a)および(b)に示す態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降に起因して“螺旋形状の収容制限部の上面”を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部内へと収容され易い。つまり、図15(a)および(b)に示すような収容制限部を有する凹部の態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。
(ピラーを2つ備えた形態)
各凹部に“ピラー状(柱状)”の収容制限部が2つ形成された態様を図16(a)および(b)に示す。かかる態様は、図3に示すようなリング形状の収容制限部に対して切欠き部分Pを更に1つ多く設けたものに相当する。図示するように、相互に対称的な位置関係となるように2つの収容制限部25a,25bが設けられており、2つの収容制限部が“収容された粒子”を取り囲むようになっている。かかる態様では、図3(a)および(b)に示す態様と比べると、粒子の周囲に収容された液体がより自由に往来できるようになっている。
(ピラーを3つ備えた形態)
各凹部に“ピラー状(柱状)”の収容制限部が3つ形成された態様を図17(a)および(b)に示す。かかる態様は、図3に示すようなリング形状の収容制限部に対して切欠き部分Pを更に2つ多く設けたものに相当する。図示するように、相互に点対称な位置関係となるように3つの収容制限部25a,25b,25cが設けられており、3つの収容制限部が“収容された粒子”を取り囲むようになっている。かかる態様では、図3に示す態様と比べると、粒子の周囲に収容された液体がより自由に往来できるようになっているといえる。
(ピラーを4つ備えた形態)
各凹部に“ピラー状(柱状)”の収容制限部が4つ形成された態様を図18(a)および(b)に示す。かかる態様は、図3に示すようなリング形状の収容制限部に対して切欠き部分Pを更に3つ多く設けたものに相当する。図示するように、相互に点対称な位置関係となるように4つの収容制限部25a,25b,25c,25dが設けられており、4つの収容制限部が“収容された粒子”を取り囲むようになっている。かかる態様では、図3に示す態様と比べると、粒子の周囲に収容された液体がより自由に往来できるようになっている。
(中央方向に傾斜したピラーを備えた形態)
「凹部の中央に向かって傾斜しているピラー状の収容制限部」が設けられた態様を図19に示す。図示する態様は、“ピラー”が4つ形成されている態様であるが、特に、各々の“ピラー”が、凹部の中央に向かって低くなるテーパー面を有していることを特徴としている。つまり、収容制限部25の高さは、凹部の周縁部分から中央へと向かって徐々に低くなっている。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して収容制限部の上面を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部内へと収容され易い。つまり、図19に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。水平面に対する収容制限部(上面)の傾斜角度は、好ましくは約10°以上であり、より好ましくは約20°以上であり、更に好ましくは約30°以上である(尚、傾斜角度0°では、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態を指している)。かかる傾斜角度の上限値としては、前記形態と同様に特に制限は無いが、凹部中央部の収容制限部が機能できる範囲で、凹部の周縁形状、凹部深さ等の関係から適宜に選択される(尚、上限値は90°を超えない数値となり得る)。例えば、傾斜角度の上限値としては、一旦収容された粒子が凹部から飛び出さないように保持される観点でいえば45°程度であることが好ましい。
(円周方向に傾斜したピラーを備えた形態)
凹部の円周方向に沿って傾斜しているピラー状の収容制限部が設けられた態様を図20に示す。図示する態様は、“ピラー”が4つ形成されている態様であるが、特に、各々の“ピラー”が、凹部の円周方向に沿って低くなるテーパー面を有していることを特徴としている。つまり、収容制限部の上面25Aは、水平面に対して一定の方向に傾いた傾斜面を成している。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して収容制限部の上面を滑り落ちるように粒子が移動し得るために、粒子が凹部内へと収容され易くなっている。つまり、図20に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。水平面に対する傾斜面の角度は、好ましくは約10°以上であり、より好ましくは約20°以上であり、更に好ましくは約30°以上である(尚、傾斜角度0°では、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態を指している)。かかる傾斜面の角度の上限値としては、前記形態と同様に特に制限は無いが、凹部中央部の収容制限部が機能できる範囲で、凹部の周縁形状、凹部深さ等の関係から適宜に選択される(尚、上限値は90°を超えない数値となり得る)。例えば、傾斜面の角度の上限値としては、一旦収容された粒子が凹部から飛び出さないように保持される観点でいえば45°程度であることが好ましい。
(階段状のピラーを備えた形態)
凹部において複数のピラー状の収容制限部の高さが段階状に異なる態様を図21に示す。図示する態様は、“ピラー”が4つ形成されている態様であるが、特に、円周方向に沿って設けられた複数の“ピラー”の高さが段階状に順次変化するようになっている。つまり、図示するように、各凹部では、円周方向に沿って順次変化するように収容制限部の各々の高さがそれぞれ異なっている。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して“段階状の収容制限部の上面”を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部内へと収容され易い。つまり、図21に示すような収容制限部を有する態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。段階状に順次変化する高さ(即ち、「ある収容制限部の高さ」と「隣接する収容制限部の高さ」との差)の下限は、被収容物A(粒子)の直径寸法Dとした場合、概ね0.05D以上が好ましい。0.05D以下になると、粒子が段差に沿って順次移動しにくくなる。一方、段階状に順次変化する高さ(即ち、「ある収容制限部の高さ」と「隣接する収容制限部の高さ」との差)の上限は、収容制限部の数nにより制限され、その値はD/nとなる。段階状に順次変化する高さが、D/n以上となると、段階状に順次変化する収容制限部の中で一番低い部分の高さが0となってしまい、収容制限部の機能をはたさなくなる。
(螺旋状のピラーを備えた形態)
螺旋形状の“ピラー”が設けられた態様を図22(a)および(b)に示す。図示する態様では、“ピラー”が渦巻き状に設けられており、収容制限部の高さが周縁部分から中央へと向かうにつれて徐々に低くなっている。かかる態様では、粒子が凹部の周縁領域に供された際、重力沈降などに起因して“螺旋形状の収容制限部25の上面”を滑り落ちるように粒子が移動し得るため、粒子が凹部内へと収容され易い。つまり、図22に示すような収容制限部を有する凹部の態様では、粒子の収容率が向上することが期待される。
(円柱形状のピラーを備えた形態)
各凹部に円柱形状の“ピラー”が4つ形成された態様を図23(a)および(b)に示す。かかる態様は、図18に示した4つの収容制限部の形状をそれぞれ円柱形状にしたものに相当する。図示するように、相互に点対称な位置関係となるように4つの収容制限部25a〜25dが設けられており、4つの収容制限部が“収容された粒子”を取り囲むようになっている。かかる態様では、図18に示した態様と比べると、粒子の周囲に収容された液体がより自由に往来できるようになっているといえる。
(“島状”の収容制限部を備えた形態−変更例1)
各凹部に“島状”の収容制限部が3つ形成された態様を図24(a)および(b)に示す。かかる態様の収容制限部は、“ピラー”の場合と同様に凹部の周縁部分から離隔した形態を有しているものの、“ピラー”ほどの幾何学的形状・角張った形状を有しておらず、その表面全体が滑らかになっている。かかる態様では、「収容制限部」と「凹部の周縁部分」との間に形成された間隙Cの寸法が、螺旋方向に沿うように凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなっている。例えば、図示するように、間隙Cの寸法G〜Gについて、GよりGの方が大きく、また、GよりGの方が大きくなっている(以下、同様)。かかる態様においては、供された粒子は、中央へと向かうにつれて徐々に広くなる間隙Cに沿って外側から凹部中央へと誘導されることになり得る。つまり、粒子が凹部の中央部へと容易に導かれるので、粒子の収容が促進されるといった有利な効果が奏され得る。
(“島状”の収容制限部を備えた形態−変更例2)
各凹部に“島状”の収容制限部が4つ形成された態様を図25(a)および(b)に示す。かかる態様でも、図24に示す態様と同様、「収容制限部」と「凹部の周縁部分」との間に形成された間隙Cの寸法が、螺旋方向に沿うように凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなっている。例えば、図示するように、間隙Cの寸法G〜Gについて、GよりGの方が大きく、また、GよりGの方が大きくなっている(以下、同様)。かかる態様でも、粒子が、中央へと向かうにつれて徐々に広くなる間隙Cに沿って外側から凹部内部へと誘導されることになり得る。つまり、粒子が凹部の中央部へと容易に導かれるので、粒子の収容が促進されるといった有利な効果が奏され得る。
(“島状”の収容制限部を備えた形態−変更例3)
“島状”収容制限部のその他の変更例を図26〜図28に示す。図示する“島状”の収容制限部は、その有する効果の点では図24および25に示すものと同様であるものの、形状の点で相違がある。図24および25に示す収容制限部25は、あくまでも凹部の周縁部分から離隔した形状を有しているものの、図26〜図28に示す収容制限部25は、その端部が凹部の周縁部分と一体化している。かかる点で形状が異なるものの、図26〜図28に示す収容制限部であっても、収容制限部と凹部の周縁部分との間に形成された間隙の寸法が、螺旋方向に沿うように凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなっている点に留意されたい。つまり、粒子は、中央へと向かうにつれて徐々に広くなる間隙に沿って外側から凹部内部へと誘導され得る。
尚、図26〜図28に示すような島状の収容制限部の場合、凹部に形成される間隙(即ち“溝”)が外周部で連結していないものの、かかる間隙は上方に向かって広がるテーパー形状を有しているので、ウェル内の溶液の移動は比較的容易となっている。
《液体収容部の容量》
本発明のプレート状容器は、上述したように“液体収容部の容量”が大きいことを特徴としている。これについて詳述する。
(従来技術における液体収容部の容量)−円柱形状ウェル
従来技術で見られるような円柱形状のウェル30’を図29(a)および(b)に示す。ウェルに供される球形粒子60の直径をDとする場合、図示する容器直径寸法が2Dとなると、ウェル内に球形粒子は2つ入ってしまうことになる。そこでウェルの直径寸法をD以上かつ2D以下とすれば、ウェル内に球形粒子が2個収容されることはない。しかしながら、ここで、ウェルが実際には立体的な形状であることを考慮しなければならない。球形粒子の体積が半分以上ウェルに収納された状態では、球形粒子が容器から再び出ることは難しい(図30参照)。このため2個目の球形粒子がウェル内に半分以上収納された状態を“不可”と見なせば、ウェルの直径は1.866D以下でなければならないことになる。かかる算出根拠は以下に示す。
「1.866D以下」の算出根拠について
ここで、考えられる最小の円柱形状ウェルというのは、球形粒子の直径Dと同じ長さ寸法の底面直径および高さを有する円柱形状のウェル(即ち、図29(a)および(b)に示すようなウェル)である。かかる円柱形状ウェルの体積は、Dπ/4である。この場合、収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6を考慮に入れると、液体収容部の容量は、ウェル体積と球形粒子体積との差となるので(Dπ/4−Dπ/6)となる。つまり、球形粒子を1つ収容する場合に想定される最小の液体収容部容量は(Dπ/4−Dπ/6)であるといえる(以下では「液体最小容量」とも称す)。
図29(a)および(b)に示すような円柱形状のウェルの直径を、上記にて算出した1.866Dとした場合(即ち、球形粒子が2つ収容されないことを担保する最大径を想定した場合)、液体収容部の容量は、“((1.866D)・D・π−Dπ/6)”となる(ここで凹部の深さは従来どおりDとする)。上記の同じ深さの最小容積(Dπ/4−Dπ/6)とすれば、“((1.866D)・D・π−Dπ/6)/(Dπ/4−Dπ/6)”となり8.4倍程度にしかならない。これは、従来技術の円柱形状ウェルでは、液体収容量を確保しつつ1個の球形粒子しか入らないようにしたものは、液体収容部が上記の最小容量の8.4倍程度の容量しか有さないことを意味している。
(従来技術における液体収容部の容量)−四角柱形状ウェル
従来技術で見られるような四角柱状のウェル30’’を図31(a)および(b)に示す。ウェルに供される球形粒子60の直径をDとする場合、図示する容器直径寸法が2Dとなると、ウェル内に球形粒子は2つ入ってしまうことになる。そこでウェルの1辺の長さをD以上かつ2D以下とすれば、ウェル内に球形粒子が2個収容されることはない。しかしながら、上述の「円柱形状ウェル」の場合と同様、ウェルが実際には立体的な形状であることを考慮しなければならない。球形粒子の体積が半分以上ウェルに収納された状態では、球形粒子が容器から再び出ることは難しい(図32参照)。このため2個目の球形粒子がウェル内に半分以上収納された状態を“不可”と見なせば、ウェルの1辺の長さは、球形粒子の直径Dに対して1.61D以下でなければならないことになる(算出過程は上述の「円柱形状ウェル」の場合と同様となり得るので重複を避けるために省略する)。
ここで、考えられる最小の四角柱形状ウェルというのは、球形粒子の直径Dと同じ長さ寸法の底面幅および高さを有する四角柱形状ウェル(即ち、図31(a)および(b)に示すようなウェル)である。かかる四角柱形状ウェルの体積は、Dである。この場合、収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6を考慮に入れると、液体収容部の容量は(D−Dπ/6)となる。つまり、球形粒子を1つ収容する場合に想定される最小の液体収容部の容量は(D−Dπ/6)であるといえる。
図31(a)および(b)に示すような四角柱形状のウェルの1辺の長さを、上記にて算出した1.61Dとした場合(即ち、球形粒子が2つ収容されないことを担保する最大径を想定した場合)、液体収容部の容量は、一辺が(1.61D)の正方形を底面とした、高さDの立方体、つまり(1.61D)・Dから球形粒子分の体積“Dπ/6”を引いた値になる。これは(2.5921D−Dπ/6)であり、上記の最小容積(D−Dπ/6)で割れば、4.3倍程度の容量にしかならない。
これは、従来技術の四角柱形状ウェルでは、液体収容量を確保しつつ1個の球形粒子しか入らないようにしたものは、液体収容部が上記の最小容量の4.3倍程度の容量しか有さないことを意味している。
(本発明における液体収容部の容量)−図2に示す態様のウェル
図2(a)および(b)に示す態様の“収容制限部”の寸法につき、長さ寸法mをDとし、幅寸法nを0.2Dとした場合(ウェルの直径寸法:2D)、収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6を考慮すると、液体収容部の容量は、ウェルの体積(Dπ)から、球形粒子の体積(Dπ/6)および収容制限部の体積約0.2Dを引いた値となる(収容制限部の円弧部分の体積は微小なので考慮しない)。つまり、液体収容部の容量は上記最小容積の式で除する事で“((Dπ)−(Dπ/6)−(0.2D))/((Dπ/4−Dπ/6))”となり、従って、液体収容部の容量は、上記の最小容積(Dπ/4−Dπ/6)の9.2倍となる。
ここで、仮に図2に示す形状をD=25μmとすれば、凹部の深さを25μmとすれば、
最小容積(Dπ/4−Dπ/6)は、12271.8−8181.2=4090.6
ウェルの体積(Dπ)=49087.4
球形粒子の体積(Dπ/6)=8181.2
収容制限部の体積約(0.2D)=3125
となり、49087.4−(8181.2+3125)=37781.2
となって、37781.2÷4090.6=9.2倍となる。
(本発明における液体収容部の容量)−図3に示す態様のウェル
図3(a)および(b)に示す態様の“収容制限部”の寸法につき、外径2Dおよび内径1.2Dとし、切欠き部Pの幅寸法kを0.4Dとした場合(ウェルの直径寸法:3.6D)、収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6を考慮して計算すると、
ウェル体積:(3.6D)/4・π・Dから、
収容制限部外径体積:(2D)/4・π・Dを引き、
収容制限部内径体積:(1.2D)/4・π・Dを足し、
切欠き部Pの体積≒0.4D・(2D−1.2D)/2・Dを足し、
収容される球形粒子(直径D)の体積:Dπ/6を引いた値となる。
この液体収容部の容量は、約7.81Dとなり、最小容積(Dπ/4−Dπ/6)=0.26Dの約30倍となる。
(本発明における液体収容部の容量)−図5に示す態様のウェル
図5(a)および(b)に示す態様の“収容制限部”の寸法につき、横寸法q=1.6D、平均縦寸法r=0.5D、高さ寸法s=Dとした場合(ウェルの幅寸法:2.7D)、収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6を考慮すると、液体収容部の容量は最小容積の約16倍となる。
たとえば、Dを25μm、凹部の深さ25μmとして計算すると、
ウェルの全体積≒99500μm
収容制限部≒8200μm ×3個分=24600μm
収容される球形粒子(直径D)の体積Dπ/6≒8181.2μm
最小容積(Dπ/4−Dπ/6)≒4090.6μm
となるため、
{(99500)−(24600)−(8181.2)}/4090.6=16.3
となり、最小容積の約16倍となる。
以下、同様に図6、図8、図9、図16、図17、図18、図24、図25、図26に示す態様について、最小容積(Dπ/4−Dπ/6)に対する液体収容部の容量(=最小容積に対する倍数)を以下の表に示す。
[表1]
上述した種々の収容制限部における「液体収容部の容量(倍数)」を表2に纏める。
[表2]
《本発明のプレート状容器の製造方法》
次に、本発明のプレート状容器の製造方法について詳述する。本発明のプレート状容器は、まず、その形状が模された「レジスト原盤」なるものから「スタンパ」を製作し、その後、かかるスタンパを鋳型(金型)として用いた射出成形を行うことによって製造できる。かかる一連の製造工程を経時的に説明する。
(レジスト原盤の作製)
鋳型の製作に用いる“レジスト原盤”を製造する。まず、“レジスト原盤”の原型となる基板を用意する。用意する基板は、その表面が平坦かつ平滑であれば、どのような種類のものであってよい。例えば、表面が平滑であって鏡面状に研磨されており、表面に熱酸化膜が形成されたシリコンウエハを用いることができる。また、石英から成る基板を用いてもよい。
次いで、かかる基板の表面にレジストを形成する。レジストを形成した後、レジスト上にマスクを配して露光を行う。例えば、図33(a)に示すようなパターンの穴が規則正しく設けられたクロムマスク(図33(a)に示すマスクは“3つの島状収容制限部”を形成する場合に用いるマスク)を配して、密着露光を行う。露光は、マスクによる一括露光に限定されるものでなく、直接レーザや電子線により露光を行ってもよい。更には、LIGA (Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスのように、シンクロトロン放射光を使用してもよい。
尚、高さ寸法が変化する収容制限部あるいは傾斜面を有する収容制限部などを形成する場合、即ち、ウェル内の深さ方向に変化を有する収容制限部を形成する場合では、マスクの階調を自由に変えることが可能な多階調フォトマスクを使用してよい。かかる多階調フォトマスクとしてはグレイトーンマスクおよび/またはハーフトーンマスクを用いることができる。グレイトーンマスクは、露光機の解像度以下のスリットを作り、そのスリット部が光の一部を遮り、中間露光を実現する。一方、ハーフトーンマスクは“半透過”の膜を利用することで中間露光を実現する。いずれも、1回の露光で「露光部分」「中間露光部分」「未露光部分」の3つの露光レベルを実現し、現像後に厚さが異なる微細構造物を得ることができる。
露光を行った後、現像処理を行う。例えば、露光された基板をTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)溶液に浸し現像を行ってよい。かかる現像によって、プレート状容器の形状が模された「原盤」が得られる(得られた「原盤」は、レジストによりパターン作製して得られたものなので、“レジスト原盤”と称すことができる)。
(スタンパの作製)
次いで、「レジスト原盤」から「スタンパ」を作製する。具体的には、レジスト原盤に対してスパッタやめっき処理を行って、原盤パターンの反転パターンを有するスタンパを作製する。例えば、原盤に対してNiスパッタ膜を導電膜として形成し、スルファミン酸ニッケルめっきを行ってスタンパを作製できる。導電膜の形成をスパッタによって行うことに限定されず、無電解めっきやCVD (Chemical Vapor Deposition)などを用いて行ってもよい。
上記めっき処理に用いるめっき液としては、応力の少ないスルファミン酸ニッケルめっき液を使用し、これにpH緩衝用の硼酸および陽極Niの溶解を促進する塩化Niを添加してもよい。また、めっき液のpH調整にスルファミン酸を用い、常にpH3.8〜4.2の範囲になるようにしてもよい。めっき液の温度は例えば50℃であってよい。更に、めっき液は常時濾過に付してもよい。
スタンパ材質としては、Niに限定されるわけでなく、Ag、Au、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Ru、Snおよび/またはZn等の金属を用いてもよい。つまり、そのような金属を用いてめっき処理を行ってよい。また、Ag、Au、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Ru、SnまたはZnのいずれかの金属を主体とした合金めっきやPTFE(ポリテトラフロロエチレン)などを分散させてスタンパ材質に取り込むことによって、ロール状あるいは平面板の金属製鋳型を作製できる。更には、硬度や潤滑性、粘り強さを向上させるために、Mn、Gd、Sm、W、Sb、Mo、P、Bおよび/またはSなどをスタンパ材質として積極的に含ませてもよい。
(プレート状容器の射出成形)
次いで、スタンパを鋳型として用いた射出成形を行うことによってプレート状容器を製造する。具体的には、金属製スタンパの外形を加工し、それを成形機に取り付けた上で射出成形を実施する。成形樹脂としては、種々の樹脂を用いることができる。例えば、シクロオレフィン樹脂を用いることができる。このような射出成形によって、本発明のプレート状容器が最終的に得られることになる(図33(b)には、プレート状容器の全体形状を示す。特に図33(b)ではハッチングで示した“ウェル形成領域”を理解することができる)。尚、成形樹脂としては、シクロオレフィン樹脂に限らず、PC(ポリカーボネート樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン等を用いてもよい。更には、UV硬化樹脂やPDMS樹脂(polydimethylsiloxane)を用いてもよい。
尚、必ずしも射出成形に限定されるものでなく、ホットエンボスによりスタンパのパターンを転写してもよい。更には、基板の材質をSiあるいは石英に代表されるようなガラスとし、パターン露光後にウエットエッチングやドライエッチングで処理して直接ウェルを作製してもよい。また、ウエットエッチングやドライエッチングの代わりにサンドブラストや微細な機械加工などを行うことによってもウェルを作製できる。射出成形では離型時の抵抗を考慮して、いわゆる「抜き勾配」を鋳型に設ける必要があり得るものの、ウェルを直接的に作製する場合では、そのような「抜き勾配」を考慮することなく収容制限部を形成できる点で有利である。
このように、本発明のプレート状容器は、好ましくは樹脂製または支持体上に形成された樹脂層から成るものであり、その結果、射出成形やインプリント等の大量生産手段を活用できるので、低コストの量産が可能となっている。
《本発明のプレート状容器を用いた各種処理法》
次に、本発明のプレート状容器を用いた各種処理法について説明する。本発明のプレート状容器を用いると、標的物質の分析、抽出または精製等を行うことができると共に、各種細胞の分離、検出またはスクリーニング等も行うことができる。これらの手法は、メディカルサイエンスやバイオサイエンスなどの分野で常套のウェルプレートを用いて行われる操作と同様である。
(標的物質の分析・抽出・精製)
「標的物質の分析」では、例えば、標的物質を含むか含む可能性のある検体液または検体液と他の液の混合液(以下検体含有液という)と、標的物質と特異的に結合する抗原、抗体、核酸等を表面に固定したビーズをウェル内にて接触させ、標的物質をビーズ表面に十分結合する条件を与えた後、検体液を除くかあるいは洗い流し、必要に応じて洗浄を繰り返す。標的物質に特異的に結合する別の抗原、抗体、核酸等と、検出に利用可能な蛍光物質、発色基質、発光基質、磁性体等を結合した「標識物質」を含む液をビーズの入ったウェルに加え、ビーズ表面に結合した標的物質を標識する。この「標識物質」による蛍光、発色、発光、磁気等を検出することにより、標的物質の存在の有無、存在量等を測定することができ、即ち「標的物質の分析」ができる。また、先の操作の中の洗浄後に、結合した標的物質を溶出可能な液を入れて標的物質を溶出させれば、「標的物質の抽出」ができる。さらに、精製したい標的物質を含む液で同様の操作を行えば、「標的物質の精製」ができる。
(細胞の分離・検出・スクリーニング)
「細胞の分離」では、例えば、細胞を含む液をウェルプレート上に付与することにより細胞をウェル内に入れることによって、細胞を分離できる。また、「細胞の検出」では、例えば、ウェル内に入ったものを顕微鏡で観察したり、検出したい細胞に特異的に結合する標識物質により標識することによって、細胞を検出できる。更に、「細胞のスクリーニング」では、例えば、ウェル内に入った様々な細胞、例えばBリンパ球の中から、予め標識した抗原が特異的に結合したものを標識を基に見つけ出すことによって、目的とする細胞をスクリーニングできる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得る。
例えば、プレート状容器の全体の形態は、図1で示したような形態に限定されるものでなく、用途により適した形態を適宜採用してもよい。また、本発明のプレート状容器におけるプレート状部材には、ウェル構造の他に、溝、突起および/または流路などの構造を設けてもよい。具体例を挙げると、本発明のプレート状容器の形態は図34〜36に示すような形態を有していてもよい。図34および図35に示す態様では、ウェル領域の外側から分散液(例えばビーズが反応液に分散して成る分散液)を供給することができる。また、図36に示す形態では、各ウェルに隣接して柱状突起がプレート面に形成されており、分散液の供給に際して、ビーズと柱状突起との衝突が生じ得るのでビーズがウェルに入って行き易いようになっている。
また、各ウェルに複数の収容制限部が設けられる場合、収容制限部は全て同じ大きさとなっている必要はなく、それぞれ異なっていてもよい。例えば、ピラー状の収容制限部について言うと、大中小の柱状の収容制限部を形成し、ウェル内の液体容量を調整してもよい。また、収容制限部の形態も図示した態様に限定されるわけでなく、必要に応じて自由に変更してもよい(即ち、収容制限部の横幅、縦幅および高さなどは用途に応じて自由に選択可能である)。例えば、ピラー状の収容制限部について言うと、その形状は自由に選択可能であって、矩形や三角形、あるいは複雑な形状で作製されていてもよい。つまり、円錘形状の収容制限部も考えられる他、四角錘形状、三角錘形状、四角柱形状、三角柱形状の収容制限部も考えられる。また、1つのピラー状の収容制限部の太さが徐々に変化するような形態であってよく、あるいは、1つのピラー状の収容制限部の太さが途中でステップ状に変化するような形態であってもよい。更には、収容制限部の各面は“平面状”に限定されるわけでなく、先鋭状または曲面状に形成されていてもよい。例えば、半島状またはピラー状の収容制限部の上面が曲面状に湾曲して形成されていてもよい。
更に、実際の用途における利便性を考慮して、本発明のプレート状容器におけるプレート状部材に対して、他の別個のプレート、ホルダーおよび/または「加熱・攪拌・ポンプ・検出などを行う部品」などを組み合わせてもよい。また、実際の用途では、粒子(被収容物A)を各凹部に収容するためのみに分散液を用い、その後、反応液など(被収容物B)を別途用いてもよい。具体的には、適当な媒体aに粒子が分散して成る分散液を用いて粒子を収容させた後、媒体aを凹部から除去または減じ、その後に、所望の反応液(被収容物B)などを凹部に収容させてもよい。
本発明のプレート状容器を実際に作製すると共に、本発明のプレート状容器の効果を確認する試験を行った。
《プレート状容器の作製》
まず、“レジスト原盤”を作成した。具体的には、「表面が平滑であって鏡面状に研磨されていると共に、表面に熱酸化膜が形成されたシリコンウエハ基板」に対してヘキサメチルジシラザンを塗布して、140℃で10分間ベークした。次いで、厚膜用のポジ型フォトレジスト(東京応化製PMER P-LA900PM)を30μmの厚さでスピンコート法により塗布した。引き続いて、微細なウェルパターンが形成されているクロムマスクをレジスト上に配置して超高圧UV光により密着露光を行った。この露光に用いたUV光源としては、g線(436nm)、h線(405nm)およびI線(365nm)を含んでいた。露光後、基板をTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)3%の溶液により浸して現像を行うことによって、プレート状容器の形状が模された「レジスト原盤」を得た。
かかるレジスト原盤に対して導電膜としてNiスパッタ膜を形成した後、スルファミン酸ニッケルめっきを行うことによっての反転パターンスタンパ(例えば厚さ400μm)を作製した。得られたスタンパを鋳型として用いることによって射出成形を行った。具体的には、金属製スタンパの外形を加工して成形機に取り付けた上で、シクロオレフィン樹脂を成形樹脂として用いて射出成形を実施した(樹脂温度:340℃、鋳型温度:125℃、射出速度:300mm/s、保持圧力:70MPa)。かかる射出成形によって、本発明のプレート状容器を得ることができた(図37参照)。
尚、図33(a)に示すマスクを用いた場合では、各ウェルに図5に示すような“3つの島状収容制限部”が形成されたウェルプレートを製造することができた。かかるウェルプレートは、図33(b)に示すようなプレート形態(横寸法:75mm、縦寸法:25mm、厚さ:1mm)を有しており、プレート面の略中央にウェル形成領域(横寸法:40mm、縦寸法:16mm)を備えるものであった。尚、形成されたウェルの個数は10万個であった(各ウェルの幅寸法:約68μm、ウェル深さ:約26μm)。
《親水化処理の効果確認試験》
凹部および/または非凹部面に施され得る“親水性”の効果を確認する試験を行った。 具体的には、図10で示すようなウェルプレートに対して、UVオゾン処理装置(岩崎電気製アイUV−オゾン洗浄装置OC−250616−D−A)を用いてUVオゾン処理を行った。その結果、ウェルが形成されていない非凹部面の水に対する接触角は、処理前の82度から20度へと低下した。ウェル形成領域に対してビーズを含んだ水分散液を載せたところ、処理前では水が液滴状になってその周囲等にビーズが集まったりして均一にウェルにビーズを入れることが難しかったが、処理後では略均一に各ウェルに1個ずつビーズを入れることができた。また、処理後は気泡の抜けも良くなった。
尚、“親水性”を施すには、UVオゾン処理の他に、金属薄膜コート処理も行ってもよいが、かかるコート処理が可能か否を確認するために、ウェルプレート表面にTiから成る金属薄膜(50nm)をスパッタにより実際に作成したことも付言しておく。
《プレート状容器の収容効果の確認試験》
凹部における収容制限部の効果を確認するために、収容制限部の形態の違いによって粒子の収容率がどのように変化するのかを調べた(尚、以下の実施例1〜6において、ウェルプレートは上述の親水化処理を施したものを用いた)。
(実施例1)
「中央へと向かうにつれて高さが徐々に低くなる半島状の収容制限部」の効果を確認するために試験を行った。まず、上述の製造方法で作製した「各々のウェルに中央方向傾斜の収容制限部を備えたウェルプレート」を用意した(図12参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光に際してハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、水平面に対する収容制限部(上面)の傾斜角度がそれぞれ0°、5°、10°、15°、20°、30°、35°および45°となるように8種類のウェルプレートを用意した。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:52.5μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:半島型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:6個
・収容制限部の幅寸法:5μm
・収容制限部の長さ寸法:13.75mm
製造されたウェルプレートに対して、ビーズを含んで成る水分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径23μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/200μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺に付した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。かかる操作を通じて、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。尚、操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。
結果を以下の表3に示すと共に、それをグラフで表したものを図38に示す。
[表3]
表3において、0°とは、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態である。表3の結果から、収容制限部の上面が中央に向かって低くなるように傾斜していると、ビーズの収容率が明らかに向上することが分かった。つまり、ビーズが沈降する際にビーズをウェルの中央部へと効果的に誘導することができ、ビーズの収容率が向上したものと考えることができる。尚、水平面に対する傾斜角度が0°〜30°(特に0°〜20°)の範囲では収容率の向上効果が顕著に表れるが、それ以上の傾斜角度では収容率の更なる向上は望めないことも分かった。
(実施例2)
「上面が水平面に対して傾いた傾斜面を有する半島状の収容制限部」の効果を確認するために試験を行った。まず、上述の製造方法で作製した「各々のウェルに円周方向傾斜の収容制限部を備えたウェルプレート」を用意した(図13参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光にハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、水平面に対する傾斜面の傾斜角度がそれぞれ0°、5°、10°、15°、20°、30°、35°および45°となるように8種類のウェルプレートを用意した。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:52.5μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:半島型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:6個
・収容制限部の幅寸法:5μm
・収容制限部の長さ寸法:13.75mm
・収容制限部の傾斜角*:20°
*:収容制限部は、中央方向に向かって高さが徐々に低くなっている。
製造されたウェルプレートに対して、ビーズを含んで成る水分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径23μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/200μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺に付した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。かかる操作を通じて、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。尚、操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。
結果を以下の表4に示すと共に、それをグラフで表したものを図39に示す。
[表4]
表4において、0°とは、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態である。表4の結果から、収容制限部の上面が円周方向に沿って低くなるように傾いていると、ビーズの収容率が明らかに向上することが分かった。つまり、ビーズが沈降する際にウェルの中央部へと効果的にビーズを誘導することができ、ビーズの収容率が向上したものと考えられる。特に、本実施例で用いた収容制限部が中央方向に向かって高さが徐々に低くなっていることも併せて鑑みると、収容制限部の上面が“半径方向”および“円周方向”の双方の点で水平面から傾いていると収容率の向上に望ましいことが分かった。
(実施例3)
「円周方向に沿って高さが順次それぞれ変化する複数の半島状の収容制限部」の効果を確認する試験を行った。まず、上述の製造方法で作製した「高さの異なる収容制限部を6つ備えたウェルプレート」を用意した(図14参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光にハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、各ウェルにおける収容制限部の高さはウェル内部の底面基準にすると、それぞれ平均して5μm、9μm、13μm、17μm、21μmおよび25μmであった。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:52.5μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:半島型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:6個
・収容制限部の幅寸法:5μm
・収容制限部の長さ寸法:13.75mm
製造されたウェルプレートに対して、ビーズを含んで成る水分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径23μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/200μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺に付した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。かかる操作を通じて、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。尚、操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。同様の操作および収容率の導出を、6つの収容制限部の高さが全て揃ったウェルプレートに対しても行った。
結果を以下の表5に示す。
[表5]
表5の結果から、各ウェルにおいて収容制限部の高さをそれぞれ変えると(“段差あり”の場合)、高さが全て同じ場合(“段差なし”の場合)よりも、ビーズの収容率が向上することが分かった。これは、ビーズが自重により沈降する際に、“段階状の収容制限部の上面”を滑り落ちるようにビーズが移動できたからと考えられる。つまり、収容制限部を段差状に形成すると、沈降するビーズをウェルの中央部へと効果的に誘導することができ、ビーズの収容率が向上し得る。
半島状の収容制限部ではなく、ピラー状の収容制限部に対しても収容効果の確認試験を実施した(実施例4〜6)。
(実施例4)
「中央へと向かうにつれて高さが徐々に低くなるピラー状の収容制限部」の効果を確認する試験を行った。まず、上述の製造方法で作製した「各々のウェルに中央方向傾斜の収容制限部を備えたウェルプレート」を用意した(図19参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光にハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、水平面に対する収容制限部の傾斜角度がそれぞれ0°、5°、10°、15°、20°、30°、35°および45°となるように8種類のウェルプレートを用意した。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:90μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:ピラー型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:4個
・収容制限部の外径寸法:50μm
・収容制限部の内径寸法:30μm
・切欠き部の幅寸法:10μm
製造されたウェルプレートに対して、直径25μmのビーズが水に分散して成る分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径25μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/200μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。これにより、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。
結果を以下の表6に示すと共に、それをグラフで表したものを図40に示す。
[表6]
表6において、0°とは、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態である。表6の結果から、収容制限部の上面が中央に向かって低くなるように傾斜していると、ビーズの収容率が明らかに向上することが分かった。つまり、ビーズが沈降する際にウェルの中央部へと効果的にビーズを誘導することができ、ビーズの収容率が向上したものと考えることができる。尚、水平面に対する傾斜角度が0°〜30°の範囲では収容率の向上効果が顕著に表れることも分かった(つまり、30°よりも大きい傾斜角度では収容率の更なる向上は望めないことが分かった)。
(実施例5)
「上面が水平面に対して傾いた傾斜面を有するピラー状の収容制限部」の効果を確認する試験を行った。従って、上述の製造方法で作製した「各々のウェルに円周方向傾斜の収容制限部を備えたウェルプレート」を用意した(図20参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光にハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、水平面に対する収容制限部の傾斜角度がそれぞれ0°、5°、10°、15°、20°、30°、35°および45°となるように8種類のウェルプレートを用意した。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:90μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:ピラー型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:4個
・収容制限部の外径寸法:50μm
・収容制限部の内径寸法:30μm
・切欠き部の幅寸法:10μm
・収容制限部の傾斜角:20°
*:収容制限部は、中央方向に向かって高さが徐々に低くなっている。
製造されたウェルプレートに対して、ビーズを含んで成る水分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径25μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/200μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺に付した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。かかる操作を通じて、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。尚、操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。
結果を以下の表7に示すと共に、それをグラフで表したものを図41に示す。
[表7]
表7において、0°とは、収容制限部が傾斜しておらず、収容制限部の上面が水平となっている状態である。表7の結果から、収容制限部の上面が円周方向に沿って低くなるように傾いていると、ビーズの収容率が明らかに向上することが分かった。つまり、ビーズが沈降する際にウェルの中央部へと効果的にビーズを誘導することができ、ビーズの収容率が向上したものと考えられる。特に、本実施例で用いた収容制限部が中央方向に向かって高さが徐々に低くなっていることも併せて鑑みると、ピラーの上面が“半径方向”および“円周方向”の双方の点で水平面から傾いていると収容率の向上に望ましいことが分かった。
(実施例6)
「円周方向に沿って高さが順次それぞれ変化する複数のピラー状の収容制限部」の効果を確認する試験を行った。まず、上述の製造方法で作製した「高さの異なる収容制限部を4つ備えたウェルプレート」を用意した(図21参照)。このような高さが変化する収容制限部は、露光にハーフトーンマスクを使用することによって実現できた。尚、各ウェルにおける収容制限部の高さは、ウェル内部の底面基準にすると、それぞれ平均して7μm、13μm、19μmおよび25μmであった。その他のウェルプレートの仕様は以下の通りであった:
・ウェルの幅寸法:90μm
・ウェルの深さ寸法:25μm
・ウェルの個数:縦100個×横100個=10000個
・収容制限部の形態:ピラー型
・各ウェルにおける収容制限部の個数:4個
・収容制限部の外径寸法:50μm
・収容制限部の内径寸法:30μm
・切欠き部の幅寸法:10μm
製造されたウェルプレートに対して、ビーズを含んで成る水分散液を供し、ウェルにビーズを1個ずつ収容させることを試みた。具体的には、直径25μmのジルコニアビーズが水に分散して成る分散液(ジルコニアビーズの含有率:0.4mg/100μl)をスポイトで滴下した。滴下に際しては、100×100のウェル形成領域に滴下した分散液がまんべんなく広がるように振揺に付した(超音波や長時間の振動は与えなかった)。かかる操作を通じて、ビーズがウェルに収容される収容率がどれくらいの値になるのかを調べた。尚、操作は10回繰り返して行い、それぞれの収容率から平均値を求めた。同様の操作および収容率の導出を、4つの収容制限部の高さが全て揃ったウェルプレートに対しても行った。
結果を以下の表8に示す。
[表8]
表8の結果から、各ウェルにおいて収容制限部の高さをそれぞれ変えると(“段差あり”の場合)、高さが全て同じ場合(“段差なし”の場合)よりも、ビーズの収容率が向上することが分かった。これは、ビーズが自重により沈降する際に、“段階状の収容制限部の上面”を滑り落ちるようにビーズが移動できたからと考えられる。つまり、収容制限部を段差状に形成すると、沈降するビーズをウェルの中央部へと効果的に誘導することができ、ビーズの収容率が向上し得る。
《プレート状容器を用いた各種処理》
本発明のプレート状容器を用いて以下に示す処理を行った。
(標的物質の分析、抽出、精製)−半島状の収容制限部
図42で示すようなウェルプレートP1(ウェル中心スペース直径:約26μm、ウェル深さ:約25μm)を用いると共に、表面にアビジンを固定したジルコニア粒子B1(D=23μm)を用いて、標的物質の捕捉特性および検出特性を確認した。標的物質としては、ビオチン化HRPを用いた。粒子に固定化されているアビジンは、ビオチン化HRPと特異的に結合できる。
標的物質の捕捉特性および検出特性の確認は、以下の操作により行った。まず、1.5mlチューブに約4mg(=約1.1×10個)の粒子B1を仕込み、10mMPBS緩衝液(pH7.2)200μlを加えた。底部に沈んだ粒子を全て吸い込むように分散液をピペットで適量取り、ウェルプレートP1上に滴下した。ピッペッティングしたりプレートを傾けたりすることによって、ほぼ全てのウェルに粒子B1を1個ずつ入れることができた(図43参照)。
ピペットを用いて緩衝液を除去した後、濃度20ng/mlのビオチン化HRPを100μl加え、振動に付した。その後、ウェルに入りきらなかった液をピペットにより除去した。引き続いて、「粒子に固定化されているアビジン」と「ビオチン化HRP」との結合反応が引き起こされるように、時々振動を加えながら30分間放置した。その後、100μlの10mMPBS緩衝液(pH7.2)を用いて、ウェルおよびそこに収容された粒子を4回洗浄した。PBS緩衝液(pH7.2)をウェル内から除去した後、発色剤として100μlのTMB(テトラメチルベンジジン)を加え、振動に付した。次いで、ウェルに入りきらなかった液を速やかにピペットにより除去した。約30分後にオリンパス社製顕微鏡BX−50でウェル領域を拡大して写真撮影した。これにより、それぞれのウェルに収容された粒子の発色を観察した。その結果、各ウェルでは略均一に発色していることを確認することができた。
以上より、標的物質に対して特異的に結合する粒子を各ウェルに1個ずつ入れることが可能であり、各粒子ごとに独立して標的物質を捕捉できることが分かった。その結果、本発明のウェルプレートを用いると標的物質の抽出、精製が可能であり、また、発色物質等を用いて標的物質の検出、分析等も可能であることが分かった。
(1細胞/1ウェルの捕捉特性の確認)−半島状の収容制限部
細胞モデルとして直径6.7μmの樹脂粒子B2(Spherotech Inc. SPHERO Biotin-Polystyrene Particles)を用いると共に、ウェルプレートとして図42で示すようなウェルプレートP2(ウェル中心スペース直径:約10μm、ウェル深さ:約12μm)を用いて「1細胞/1ウェルの捕捉特性」を確認する試験を行った。個々のウェルにそれぞれ1つずつ細胞を収容することができれば細胞の分離が可能となり、また、上述の“1粒子/1ウェル“の実験と同様の処理を行うことで検出やスクリーニングが可能となる。
1細胞/1ウェルの捕捉特性の確認は、以下の操作により行った。まず、1.5mlチューブに1w/v%の細胞モデル粒子B2の分散液を約2μl(=約1.1×10個)仕込み、10mMPBS緩衝液(pH7.2)を100μl加えた。ピペッティングで粒子を攪拌しながら分散液をピペットで全量取り、プレートP2上へと滴下した。時々プレートを振動させながら放置することによって、ほぼ全てのウェルに粒子B2を1個ずつ入れることができた。
以上より、個々のウェル(特に半島状の収容制限部を備えた凹部)にそれぞれ1つずつ細胞を収容することが可能であることが分かった。つまり、本発明のウェルプレートを用いると、細胞の分離、検出およびスクリーニングなどが可能であることが示された。
(標的物質の分析、抽出、精製)−島状の収容制限部
図5で示すような島状の収容制限部を備えたウェルプレートP3(ウェル中心スペース直径:約26μm、ウェル深さ:約25μm)を用いると共に、表面にアビジンが固定化されたジルコニア粒子B3を用いることによって、標的物質の捕捉特性および検出特性を確認する試験を行った。標的物質としては、ビオチン化HRPを用いた。粒子に固定化されているアビジンは、ビオチン化HRPと特異的に結合できる。
標的物質の捕捉特性および検出特性の確認は、以下の操作により行った。まず、1.5mlチューブに約4mg(=約1.1×10個)の粒子B3を仕込み、10mMPBS緩衝液(pH7.2)を200μl加えた。底部に沈んだ粒子を全て吸い込むように分散液をピペットで適量取り、プレートP3上に滴下した。ピッペッティングしたりプレートを傾けたりすることによって、ほぼ全てのウェルに粒子B3を1個ずつ入れることができた。
ピペットを用いて緩衝液を除去した後、濃度20ng/mlのビオチン化HRPを100μl加え、振動に付した。その後、ウェルに入りきらなかった液をピペットにより除去した。引き続いて、時々振動を加えながら「粒子に固定化されているアビジン」と「ビオチン化HRP」との結合反応が引き起こされるように30分間放置した。その後、100μlの10mMPBS緩衝液(pH7.2)を用いて、ウェルおよびそこに収容された粒子を4回洗浄した。PBS緩衝液(pH7.2)を除去した後、発色剤として100μlのTMB(テトラメチルベンジジン)を加え、振動を加えた後、ウェルに入りきらなかった液を速やかにピペットにより除去した。約30分後にオリンパス社製顕微鏡BX−50でウェル領域を拡大して写真撮影した。これにより、それぞれのウェルに収容された粒子の発色を観察した。その結果、各ウェルでは略均一に発色していることを確認することができた。
以上より、標的物質に対して特異的に結合する粒子を各ウェル(特に島状の収容制限部を備えたウェル)に1個ずつ入れることが可能であり、各粒子ごとに独立して標的物質を捕捉できることが分かった。その結果、本発明のウェルプレートを用いると標的物質の抽出、精製が可能であり、また、発色物質等を用いて標的物質の検出、分析等も可能であることが分かった。
(1細胞/1ウェルの捕捉特性の確認)−島状の収容制限部
細胞モデルとして直径6.7μmの樹脂粒子B4(Spherotech Inc. SPHERO Biotin-Polystyrene Particles)を用いると共に、ウェルプレートとして図5で示すような島状の収容制限部を備えたウェルプレートP4(ウェル中心スペース直径:約26μm、ウェル深さ:約25μm)を用いて、1細胞/1ウェルの捕捉特性を確認した。まず、1.5mlチューブに1w/v%の細胞モデル粒子B4の分散液を約2μl(=約1.1×10個)仕込み、10mMPBS緩衝液(pH7.2)を100μl加えた。ピペッティングで粒子を攪拌しながら分散液をピペットで全量取り、プレートP4上へと滴下した。時々プレートを振動させながら放置することによって、ほぼ全てのウェルに粒子B4を1個ずつ入れることができた。
以上より、個々のウェル(特に島状の収容制限部を備えた凹部)にそれぞれ1つずつ細胞を収容することが可能であることが分かった。つまり、本発明のウェルプレートを用いると、細胞の分離、検出およびスクリーニングなどが可能であることが示された。
《金属被膜の効果確認試験》
プレート状部材に施され得る金属被膜の効果を確認する試験を実施した。具体的には、Au薄膜をスパッタで形成して、その効果を確認する試験を行った。
まず、BAL−TEC社製のMAC240スパッタ装置を用いることによって、樹脂基板の表面にAu薄膜を形成した。具体的には、ターゲットにはΦ54mm、厚み0.3mmのAuターゲットを3枚用いた。成膜時にはチャンバー内の圧力を7×10−5mbarまで低下させ、その後10秒間アルゴンを導入した。アルゴンの流量弁開放率を50%とし、スパッタ電流100mAで90秒間スパッタを行い100nmの薄膜を作製した。膜厚の測定にはKLA Tencor社製P−12 Disk PRPFILERを用いた。
このようにして得られた「Au被膜を有するプレートP5」に対して「表面にアビジンを固定したジルコニア粒子B5」を用いることによって、標的物質の捕捉特性および検出特性を確認した。標的物質としては、ビオチン化HRPを用いた。まず、1.5mlチューブに約4mg(=約1.1×10個)の粒子B5を仕込み、10mMPBS緩衝液(pH7.2)を200μl加えた。底部に沈んだ粒子を全て吸い込むように分散液をピペットで適量取り、プレートP5上に滴下した。ピッペッティングしたりプレートを傾けたりすることにより、ほぼ全てのウェルに粒子B5を1個ずつ入れることができた。ピペットを用いて緩衝液を除去した後、濃度20ng/mlのビオチン化HRPを100μl加え、振動を加えた。その後、ウェルに入りきらなかった液をピペットにより除去した。引き続いて、時々振動を加えながら「粒子に固定化されているアビジン」と「ビオチン化HRP」との結合反応が引き起こされるように30分間放置した。その後、100μlの10mMPBS緩衝液(pH7.2)を用いて、ウェルおよびそこの収容された粒子を4回洗浄した。PBS緩衝液(pH7.2)を除去した後、発色剤として100μlのTMB(テトラメチルベンジジン)を加え、振動に付した後、ウェルに入りきらなかった液を速やかにピペットにより除去した。約30分後にオリンパス社製顕微鏡BX−50を用いてウェル領域を拡大して写真撮影した。これによって、それぞれのウェルに収容された粒子の発色を観察した。その結果、各ウェルでは略均一に発色していることを確認することができた。特に、プレートP5にAu薄膜を作製したことにより、隣のウェルからの発色の移りこみが無く、個々のウェル内の発色を明確に観察することができた。つまり、個々のウェル内の発色をそれぞれ区別して観察できた。
本発明のプレート状容器を用いると、標的物質の分析、抽出または精製や、細胞の分離、検出またはスクリーニングなどができる(特に、かかる処理・操作を一度に多量に行うことができる)。従って、本発明のプレート状容器は、遺伝子解析、発現解析、蛋白解析、抗原・抗体反応解析または細胞解析等の用途に供すことができる。
本発明の効果も踏まえて具体的にいうと、本発明のプレート状容器である複数の微小反応容器部は、「(i)反応や培養などに用いる溶液の容量を自由に設計できることが可能であって、(ii)粒状物をそれぞれ1つしか収容しない構造であって、更に、(iii)粒状物が自然沈降などで微小反応容器部の内部に一旦入り込まれると粒状物は外部へと飛び出しにくい」といった効果を有している。従って、微小反応容器部に仕込まれた溶液に粒状物が充分に浸漬されることになるので、メディカルサイエンスやバイオサイエンスなどの分野で行う分離、精製、抽出、解析および検査等にとって好適である。
図1は、本発明のプレート状容器および凹部の態様を模式的に示した斜視図である。 図2は、半島状の収容制限部の態様を模式的に示した上面図(図2(a))および斜視図(図2(b))である。 図3は、ピラー状の収容制限部の態様を模式的に示した上面図(図3(a))および斜視図(図3(b))である。 図4は、図3に示すピラー状の収容制限部の態様を断面図により模式的に示したものである。 図5は、島状の収容制限部の態様を模式的に示した上面図(図5(a))および斜視図(図5(b))である。 図6は、放射方向からずれて延在する半島状の収容制限部を2つ備えた態様を模式的に示した上面図(図6(a))および斜視図(図6(b))である。 図7は、放射方向に沿って延在する半島状の収容制限部を2つ備えた態様を模式的に示した上面図(図7(a))および斜視図(図7(b))である。 図8は、半島状の収容制限部を5つ備えた態様を模式的に示した上面図(図8(a))および斜視図(図8(b))である。 図9は、半島状の収容制限部を6つ備えた態様を模式的に示した上面図(図9(a))および斜視図(図9(b))である。 図10は、図9における「収容制限部」と「液体収容部」とを相互に入れ替えることで形成される態様を模式的に示した上面図(図10(a))および斜視図(図10(b))である。 図11は、収容制限部に隣接して“液溜まり”が設けられた態様を模式的に示した上面図(図11(a))および斜視図(図11(b))である。 図12は、凹部の中央に向かって傾斜する半島状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図13は、円周方向に沿って傾斜する半島状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図14は、高さが段階状に異なる複数の半島状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図15は、収容制限部が凹部の周縁部分から螺旋状に延在するように設けられた態様を模式的に示した上面図(図15(a))および斜視図(図15(b))である。 図16は、ピラー状の収容制限部を2つ備えた態様を模式的に示した上面図(図16(a))および斜視図(図16(b))である。 図17は、ピラー状の収容制限部を3つ備えた態様を模式的に示した上面図(図17(a))および斜視図(図17(b))である。 図18は、ピラー状の収容制限部を4つ備えた態様を模式的に示した上面図(図18(a))および斜視図(図18(b))である。 図19は、凹部の中央に向かって傾斜するピラー状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図20は、円周方向に沿って傾斜するピラー状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図21は、高さが段階状に異なる複数のピラー状の収容制限部の態様を模式的に示した斜視図である。 図22は、ピラー状の収容制限部が螺旋状に延在するように設けられた態様を模式的に示した上面図(図22(a))および斜視図(図22(b))である。 図23は、各凹部に円柱形状の“ピラー”を4つ備えた態様を模式的に示した上面図(図23(a))および斜視図(図23(b))である。 図24は、“島状”の収容制限部を3つ備えた態様を模式的に示した上面図(図24(a))および斜視図(図24(b))である。 図25は、“島状”の収容制限部を4つ備えた態様を模式的に示した上面図(図25(a))および斜視図(図25(b))である。 図26は、“島状”の収容制限部の変更態様例を模式的に示した斜視図である。 図27は、“島状”の収容制限部の変更態様例を模式的に示した斜視図である。 図28は、“島状”の収容制限部の変更態様例を模式的に示した斜視図である。 図29は、従来技術で見られるような円柱形状ウェルを模式的に示した上面図(図29(a))および斜視図(図29(b))である。 図30は、円柱形状ウェルにおいて、2個の球形粒子が収容された状態を示しており、特に一方の粒子の半分がウェルに収納された状態を示す模式図である。 図31は、従来技術で見られるような四角柱形状ウェルを模式的に示した上面図(図31(a))および斜視図(図31(b))である。 図32は、四角柱形状ウェルにおいて、2個の球形粒子が収容された状態を示しており、特に一方の粒子の半分がウェルに収納された状態を示す模式図である。 図33(a)は、レジスト上に配されるマスクのパターンの一例を模式的に示した図であり、図33(b)は、“ウェル形成領域”が表されたプレート状容器の全体形状を模式的に示した図である。 図34は、本発明のプレート状容器の変更態様を模式的に示した図である。 図35は、本発明のプレート状容器の変更態様を模式的に示した図である。 図36は、本発明のプレート状容器の変更態様を模式的に示した図である。 図37は、本発明の実施例で作成したプレート状容器のウェル形成領域の電子顕微鏡写真である。 図38は、実施例1の結果を表したグラフである。 図39は、実施例2の結果を表したグラフである。 図40は、実施例4の結果を表したグラフである。 図41は、実施例5の結果を表したグラフである。 図42は、実施例で用いたプレート状容器の態様を模式的に示した斜視図である。 図43は、各ウェルに粒子が1個ずつ収納された結果を示した光学顕微鏡写真である。
符号の説明
25(25a〜25d) 収容制限部
30 凹部(またはウェル)
30’ 円柱形状のウェル
30’’四角柱状のウェル
30a 被収容物Aの収容領域
30b 被収容物Bの収容領域
30b’ 液溜まり部
50 プレート状部材
60 球形粒子
70 マスク
100 プレート状容器
D ビーズ又は細胞などの球形粒子の直径寸法
P ピラー状の収容制限部の切欠き部

Claims (18)

  1. 固体状の被収容物Aおよび液体状の被収容物Bが共に収容されるように、プレート状部材に複数の凹部が形成されて成るプレート状容器であって、
    前記凹部の各々に被収容物Bを収容しつつ、前記凹部の各々に被収容物Aを1個ずつ収容するための収容制限部が、前記凹部の各内部に形成されていることを特徴とするプレート状容器。
  2. 前記凹部の各々が、被収容物Aの直径寸法Dよりも大きい幅寸法および深さ寸法を有していることを特徴とする、請求項1に記載のプレート状容器。
  3. 前記収容制限部と被収容物Aの収容空間とを除いた前記凹部の内部空間が、被収容物Bの収容空間(体積Vb)を成しており、
    「球形状の被収容物Aの直径D」と同じ長さ寸法の底面直径および高さを有する円柱空間に対して、被収容物Bと「直径Dを有する球形状の被収容物A」とを収容した際に想定される被収容物Bの体積を最小収容体積Vb’とすると、前記体積Vbが前記最小収容体積Vb’の9倍〜30倍となっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のプレート状容器。
  4. 前記収容制限部が、前記凹部の周縁部分の少なくとも一部と一体化して前記周縁部分から延在していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプレート状容器。
  5. 前記収容制限部の水平方向断面が矩形状もしくは台形状となっていることを特徴とする、請求項4に記載のプレート状容器。
  6. 前記収容制限部が、前記凹部の周縁部分に対して離隔した形態を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプレート状容器。
  7. 前記収容制限部が、被収容物Aの収容空間を少なくとも部分的に取り囲むように設けられていることを特徴とする、請求項6に記載のプレート状容器。
  8. 前記収容制限部と前記凹部の周縁部分との間に形成された間隙の寸法が、螺旋方向に沿うように前記凹部の周縁部分から中央へと向かうにつれて、徐々に広くなることを特徴とする、請求項6に記載のプレート状容器。
  9. 前記収容制限部が、前記凹部の各々に対して2〜6個設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のプレート状容器。
  10. 前記収容制限部の高さが、前記凹部の周縁部分から中央へと向かって徐々に低くなっていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のプレート状容器。
  11. 収容制限部の上面が、水平面に対して傾いた傾斜面を成していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のプレート状容器。
  12. 前記凹部の各々に複数の収容制限部が設けられており、
    前記凹部の各々では、円周方向に沿って前記収容制限部の高さが順次変化するように前記収容制限部の各々の高さがそれぞれ異なっていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のプレート状容器。
  13. 前記凹部がウェルであって、前記プレート状容器がウェルプレートまたはマイクロアレイであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のプレート状容器。
  14. 前記プレート状部材には金属被膜が設けられていることを特徴とする、請求項13に記載のプレート状容器。
  15. 前記プレート状部材が親水性を有していることを特徴とする、請求項13に記載のプレート状容器。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のプレート状容器を成形するために用いる金属製鋳型。
  17. 請求項13〜15のいずれかに記載のプレート状容器に設けられた前記ウェルに対して「標的物質が結合可能なビーズ」を1個ずつ収容し、前記ウェルの各々で前記標的物質の分析、抽出または精製を行う方法。
  18. 請求項13〜15のいずれかに記載のプレート状容器に設けられた前記ウェルに対して細胞を1個ずつ収容し、前記細胞の分離、検出またはスクリーニングを行う方法。
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