JP2010110865A - ワイヤーソーマシン - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の切断をなしうるワイヤーソーマシンの提供。
【解決手段】本発明に係るワイヤーソーマシン2は、フレーム4、一対のメインローラ6、8及びワイヤー12を備えている。それぞれのメインローラ6、8は、フレーム4に支持されている。このメインローラ6、8は、その回転軸14、28を回転中心として回転可能にされている。このメインローラ6、8は、回転軸14、28を中心線とする外周面と、複数の溝とを備えている。それぞれの溝は、外周面の周方向に沿ってその全周にわたって形成されている。このワイヤー12は、一対のメインローラ6、8の一方端側の溝から他方端側の溝に向けて、順番に架け渡されている。この一対のメインローラ6、8に架け渡されたワイヤー12の一周長の長さは、一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々にかわるように構成されている。。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤーソーマシンに関する。詳細には、本発明は、シリコンインゴット、人工水晶、超硬合金、セラミック等の硬い脆性材料の切断に用いられるワイヤーソーマシンに関する。
図8は、従来のワイヤーソーマシン82がシリコンインゴット84と共に示された模式図である。図8(a)は、ワイヤーソーマシン82を上方から見た平面図である。図8(b)は、ワイヤソー82の正面図である。
ワイヤー86がローラ88とローラ90とに架け渡されている。ローラ88及びローラ90が回転して、ワイヤー86が走行させられている。走行するワイヤー86にシリコンインゴット84が押し当てられる。シリコンインゴット84は、ワイヤー86により切断される。これにより、シリコンインゴット84からシリコンウェハーが得られる。このワイヤー86には、引張荷重がかけられている。この引張荷重により、ワイヤーが弛むことが抑制されている。これにより、このシリコンウェハーの切断面における、面粗度及びうねりが小さく抑制される。
このシリコンウェハーは、面粗度の低減及びうねりの解消の目的で研削される。ワイヤーソーマシンによる切断面のうねりが大きいシリコンウェハーでは、研削代が大きく設定される必要がある。大きな研削代は、生産性を阻害する。切断面のうねりを抑制するための努力がなされている。この様なワイヤーソーマシンによる切断面の面粗度及びうねりの改良方法が、特開2005−186229に記載されている。
特開2005−186229公報
ワイヤー86の撓みは、引張荷重をかけられることでを抑制されている。このワイヤー86は、引張荷重をかけられていることと、シリコンインゴット84が押し付けられることとにより伸ばされる。この伸び量は、ワイヤー86の供給側から排出側に向かって徐々に大きくなっていく。図8(b)に示されるように、ワイヤー86の供給側で架け渡されたワイヤー部分92は、ローラ88と90との間で比較的弛みなく張られている。一方、ワイヤー86の排出側で架け渡されたワイヤー部分94は、ローラ88と90との間で弛みが大きくなる。このワイヤー6の排出側で切断されたシリコンウェハーは、面粗度及びうねりが大きい。
この最も面粗度及びうねりが大きいシリコンウェハーに合わせて、研磨代が設定される。このシリコンウェハーに合わせてシリコンインゴット84の切り出しピッチが設定される。このワイヤーソーマシンによる切断面の面粗度及びうねりを抑制することで、切断面の研削代を小さくできる。シリコンインゴット84の切り出しピッチが小さく設定しうる。
本発明の目的は、高精度の切断をなしうるワイヤーソーマシンの提供にある。
本発明に係るワイヤーソーマシンは、一対のメインローラとワイヤーとを備えている。この一対のメインローラに架け渡されたワイヤーの一周長の長さは、メインローラの一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々にかわるように構成されている。
好ましくは、このワイヤーソーマシンでは、上記ワイヤーの一周長は、一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々に大きくされている。好ましくは、このワイヤーソーマシンでは、上記溝の周長が一方端側の溝から他方端側の溝まで徐々に大きくされている。
好ましくは、このワイヤーソーマシンでは、上記ワイヤーの一周長が一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々に小さくされている。好ましくは、上記溝の周長は、一方端側の溝から他方端側の溝まで一定である。一方のメインローラの中心線は、他方のメインローラの中心線に対して傾けられている。好ましくは、上記一方のメインローラの中心線と他方のメインローラの中心線とのなす角度が0°より大きく90°以下である
本発明に係るワイヤーソーマシンのによれば、ワイヤーの排出側で切断されたシリコンウェハーの面粗度及びうねりが比較的小さくされる。このワイヤーソーマシンでは、ワイヤーの供給側から排出側までの面粗度及びうねりのバラツキが小さくされる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤーソーマシン2が被加工材料としてのシリコンインゴット3と共に示された概念図である。説明の便宜上、図1の矢印Xを前後方向前向きとし、矢印Yを左右方向右向きとし、矢印Zを上下方向上向きとする。このワイヤーソーマシン2は、フレーム4、第一ローラ6、第二ローラ8及びワイヤー12を備えている。ワイヤー12は、金属線からなる。この線径は、例えば0.05mm以上0.3mm以下である。
図2は、図1のワイヤーソーマシン2に取り付けられている第一ローラ6の平面図である。この第一ローラ6は、一対のメインローラの一方である。この第一ローラ6は、回転軸14及び本体16を備えている。本体16の形状は、円錐台形である。この外周面としてのテーパ面18の中心線は、回転軸14と一致している。両矢印θ1は、この中心線に対するテーパ面18の傾きを示している。このテーパ面18では、前方に位置する一方端20の外径が後方に位置する他方端22の外径より小さい。このテーパ面18の径は、一方端20から他方端22に向けて徐々に大きくなっている。このテーパ面18は、一方端20から他方端22に向かって拡張される曲面である。
図2には、矢印で示された部分の拡大図が示されている。この拡大図は、本体16の部分断面図である。この第一ローラ6には、テーパ面18に溝24が形成されている。この溝24の形状は、断面において壁面26と壁面27とからなるV字形状である。この溝24は、回転軸14を中心線としてテーパ面18を一周して形成されている。この溝24は、回転軸14の中心線上に中心がある円周上に位置している。この溝24の円周方向は、この中心線に直交している。この溝24は、一方端20から他方端22まで、回転軸14の中心線方向に一定ピッチT1で形成されている。このテーパ面18に形成される溝24の数は、例えば数十から数百である。両矢印H1は、溝24の深さを示している。この溝深さH1は、テーパ面18に対する垂線方向で測定される。この複数の溝24の深さH1は一定である。
図3は、図2の第一ローラ6の部分断面拡大図である。この断面は、第一ローラ6の一の溝24の断面拡大図である。この断面は、第一ローラ6の軸心を含む面である。直線L1は、この断面における、テーパ面18の延長線である。点P1は、直線L1と壁面26との交点である。点P2は、直線L1と壁面27との交点である。点P3は、点P1と点P2の中点である。直線L2は、この断面における、テーパ面18の延長線である。この直線L2と直線L1とは、中心線に対して対称である。点P4は、直線L2と壁面26との交点である。点P5は、直線L2と壁面27との交点である。点P6は、点P4と点P5の中点である。両矢印Dは、この点P3と点P6との間の長さである。この長さDがこの溝24の周長の直径である。この直径Dと円周率との積算により、溝24の周長が求められる。
この溝24の周長は、一方端20側で最も小さい。この溝24の周長は、他方端22側で最も大きい。この溝24の周長は、一方端20側に位置する溝24から他方端22側に位置する溝24の向きに溝24毎に徐々に大きくされている。図1に示されるように、この第一ローラ6は、フレーム4に支持されている。この第一ローラ6は、回転軸14を軸心に回転可能に支持されている。
図1の第二ローラ8は、一対のメインローラの他方である。この第二ローラ8は、第一ローラ6と同じ形状である。この第二ローラ8は、回転軸28を備えている。この第二ローラ8は、フレーム4に支持されている。この第二ローラ8は、回転軸28を軸心に回転可能に支持されている。この第二ローラ8は、第一ローラ6の右向きに間隔を空けて並べられている。この第一ローラ6の回転軸14と、第二ローラ8の回転軸28とは、平行にされている。この第二ローラ8の前後方向の位置は、第一ローラ6の前後方向の位置と一致している
供給側リール14から送り出されているワイヤー12は、第一ローラ6の一方端20側の溝24に案内されている。ワイヤー12は、第一ローラ6と第二ローラ8とに架け渡されている。ワイヤー12は、第二ローラ8の溝に案内されている。ワイヤー12は、第二ローラ8の溝に案内されて下方に折り返されている。折り返されたワイヤー12は、第二ローラ8と第一ローラ6とに架け渡されている。このワイヤー12は、第一ローラ6の一方端20側の溝24に隣接して他方端22側に位置する溝24に更に案内されている。ワイヤー12は、この溝24に案内されて上方に折り返されている。第一ローラ6で折り返されたワイヤー12は、更に第一ローラ6と第二ローラ8とに架け渡されている。こうして、ワイヤー12は、第一ローラ6及び第二ローラ8に、一方端20から他方端22に向かって一溝ずつ順番に架け渡されている。このワイヤー12は、一方端20から他方端22に向かって数十回から数百回架け渡されている。
図4は、図1のワイヤーソーマシン2の平面図である。第二ローラ8の溝の周長は、第一ローラ6の溝24の周長と同様に、前方に位置する一方端20側が短い。第二ローラ8の溝の周長は、後方に位置する他方端22側が長い。このワイヤーソーマシン2では、一対のメインローラに架け渡されたワイヤー12の一周長は、第一ローラ6及び第二ローラ8に架け渡された一巻きの長さである。
このワイヤー12の一周長は、前方の一方端20に位置する溝24で、最も短くされている。この一周長は、後方の他方端22に位置する溝24で、最も長くされている。このワイヤー12の一周長は、一方端20の溝24から他方端22の溝に向かって徐々に長くなっている。このワイヤーソーマシン2では、一方端20の溝24から他方端22の溝24に向かって隣接するワイヤー12の一周長の差は、第一ローラ6の溝24の周長の半周長さと第二ローラ8の溝の周長の半周長さの差の合計に等しい。
このワイヤー12は、一対のメインローラに加えて、更に図示しない第三ローラに架け渡されてもよい。そのワイヤー12では、第一ローラ6、第二ローラ8及び第三ローラに架け渡された一巻きの長さが、ワイヤー12の一周長である。この第三ローラは、第一ローラ6と同じ形状であることが好ましい。また、第一ローラ6、第二ローラ8、第三ローラ及び図示されない第四ローラにワイヤー12が架け渡されてもよい。この一対のメインローラに架け渡されたワイヤー12の一周長は、第一ローラ6、第二ローラ8、第三ローラ及び第四ローラに架け渡された一巻きの長さである。このワイヤー12の一周長は、第一ローラ6、第二ローラ8を含む2以上のローラに架け渡された一巻きの長さとして測定される。
図1が参照されつつ、このワイヤーソーマシン2によるシリコンインゴット3の切断方法が説明される。シリコンインゴット3が準備される。第一ローラ6及び第二ローラ8にワイヤー12が架け渡される。図示されない駆動モータにより、第二ローラ8が回転軸28を回転中心として回転させられる。これにより、第一ローラ6が従動して回転する。第一リール30は、図示されない駆動モータにより回転させられる。これにより、ワイヤー12が送り出される。このワイヤー12は、第一ローラ6及び第二ローラ8の周りを、引張荷重を受けながら送られる。第二リール32は、図示されない駆動モータにより回転させられる。第二ローラ8の他端側に達したワイヤー12は、第二リール32に巻き取られる。
このワイヤー12には、SiC粒子を含むスラリーが吹きかけられる。このスラリーを吹きかけられて走行するワイヤ12に、シリコンインゴット3が押し付けられる。このワイヤー12のピッチT1の間隔で、シリコンインゴット3が切断される。これによりシリコンインゴット3から、複数のシリコンウェハーが得られる。このワイヤーソーマシン2では、SiC粒子を吹き付ける遊離砥粒方式を用いているがこの方法に限られない。表面に予めダイヤモンド粒子を固着させたワイヤーで切断する固定砥粒方式が用いられてもよい。
このワイヤーソーマシン2では、第一ローラ6の溝24の周長が一方端20側より他方端22側で長くされている。これにより、このワイヤー12は、一方端20側での走行速度より、他方端22側での走行速度が速い。このワイヤー12は、一方端20側から他方端22側に向けて徐々にその走行速度が速くされている。これにより、他方端22側で、ワイヤー12の弛みが抑制されている。このワイヤーソーマシン2で切断されたシリコンウェハーは、切断面の面粗度及びうねりが小さくされている。切断面の面粗度及びうねりが小さいシリコンウェハーでは、後工程の切断面の研削代が小さくしうる。一のシリコンインゴット3からより多数のシリコンウェハーを切り出すことができる。
第一ローラ6のテーパ面18の傾きθ1が大きいワイヤーソーマシン2では、ワイヤー12の一方端20側での走行速度と他方端22側での走行速度との差が大きい。これにより、他方端22側でのワイヤー12の弛みがより抑制される。一方で、この走行速度の差が小さいワイヤー12に働く引張荷重は小さい。これにより、ワイヤー12の伸びが抑制される。これにより、ワイヤー12の断線が抑制される。この観点から、後方の他方端22側の溝24に位置するワイヤー12の一周長と前方の一方端20側の溝24に位置するワイヤー12の一周長との差は、ワイヤー12の許容応力のひずみによる伸び以下とすることが好ましい。この実施例で使用されたワイヤー12では、この許容応力におけるひずみは3%である。
このワイヤーソーマシン2では、この第一ローラ6と第二ローラ8とは、同じ回転数で回転する。第一ローラ6及び第二ローラ8が同じ形状である。これにより、ワイヤー12は、滑りなく走行させられる。これにより、ワイヤー12が安定して走行しうる。これにより、ワイヤー12が切断し難い。切断されたシリコンウェハーの面粗度及びうねりは小さくしうる。
図5は、本発明の他の実施形態にかかるワイヤーソーマシンのローラ42が示された平面図である。このワイヤーソーマシンでは、第一ローラ6及び第二ローラ8に代えてローラ42が用いられている。このローラ42は、回転軸44、本体46及び溝48を備えている。この本体46の形状は円柱形である。この本体46の外周面50は、円柱面である。両矢印H2は、この溝48の深さを表している。この溝48の深さH2は、外周面50に垂線方向で測定される。この溝48の深さH2は、一方端52側で深くされている。この深さH2は、他方端54側で浅くされている。この深さH2は、一方端52側から他方端54側に向かって徐々に浅くされている。
このワイヤーソーマシンでは、このワイヤー12の一周長は、前方の一方端52に位置する溝48で、最も短くされている。この一周長は、後方の他方端54に位置する溝48で、最も長くされている。このワイヤー12の一周長は、一方端52の溝48から他方端54の溝48に向かって徐々に長くなっている。このワイヤー12の走行速度は、一方端52から他方端54に向かって徐々に速くなっている。これにより、他方端54側で、ワイヤー12の弛みが抑制されている。このワイヤーソーマシンで切断されたシリコンウェハーは、切断面の面粗度及びうねりが小さくされている。
図6は、更に本発明の他の実施形態にかかるワイヤーソーマシン56の平面図である。このワイヤーソーマシン56は、フレーム58、第一ローラ60、第二ローラ62及びワイヤー12を備えている。この図の直線L3及びL4は、フレーム58に対する垂線である。このワイヤーソーマシン56では、ワイヤー12は、直線L3及びL4に対して垂直に交差して架け渡されている。
図7は、図6のワイヤーソーマシン56に取り付けられている第一ローラ60の平面図である。この第一ローラ60は、一対のメインローラの一方である。この第一ローラ60は、回転軸64及び本体66を備えている。本体66の形状は、円柱形である。この外周面としての円柱面68の中心線は、回転軸64の中心線と一致している。
図7には、矢印で示された部分の拡大図が示されている。この拡大図は、本体66の部分断面図である。この第一ローラ60には、円柱面68に溝74が形成されている。この溝74の形状は、断面において壁面76と壁面78とからなるV字形状である。この溝74は、回転軸64の中心線上を中心として円柱面68を一周して形成されている。この溝74は、回転軸14の中心線上を中心と円周上にしている。この溝74は、一方端70から他方端72まで、図6直線L3方向に一定ピッチT3で形成されている。この円柱面68に形成される溝74の数は、数十から数百である。両矢印H3は、溝74の深さを示している。この溝深さH3は、円柱面68に対する垂線方向で測定される。この複数の溝74の深さH3は一定である。
図6に示されるように、この第一ローラ60は、フレーム58に支持されている。この円柱面68の一方端70は前方に位置して、他方端72は後方に位置している。この第一ローラ60は、回転軸64を軸心に回転可能に支持されている。直線L5は、この回転軸64の中心線である。両矢印θ2は、直線L3と直線L5との交わる角度を示している。この角度θ2は、この第一ローラ60の傾斜角度である。第一ローラ60は、直線L3に対して、反時計回りに角度θ2傾いている。
第二ローラ62は、第一ローラ60と同じ形状である。この第二ローラ62は、回転軸80を備えている。この第二ローラ62は、フレーム58に支持されている。この第二ローラ62は、回転軸80を軸心に回転可能に支持されている。直線L6は、この回転軸80の中心線である。両矢印θ3は、直線L4と直線L6との交わる角度を示している。この角度θ3は、この第二ローラ62の傾斜角度である。第二ローラ62は、直線L4に対して、時計回りに角度θ3傾いている。この図6の平面視において、第一ローラ60と第二ローラ62とは、一方端70側で互いに離されて配置されている。第一ローラ60と第二ローラ62とは、他方端72側で互いに近くに配置されている。
図示しない供給側リール14から送り出されたワイヤー12は、第一ローラ60の一方端70側の溝74に案内されている。ワイヤー12は、第一ローラ60と第二ローラ62とに架け渡されている。ワイヤー12は、第二ローラ62の溝に案内されている。ワイヤー12は、第二ローラ62の溝に沿って下方に折り返されている。折り返されたワイヤー12は、第二ローラ62と第一ローラ60とに架け渡されている。このワイヤー12は、第一ローラ60の一方端70側の溝74に隣接して他方端72側に位置する溝74に更に案内されている。ワイヤー12は、この溝74に沿って上方に折り返されている。第一ローラ60で折り返されたワイヤー12は、更に第一ローラ60と第二ローラ62とに架け渡されている。こうして、ワイヤー12は、第一ローラ60及び第二ローラ62の前方から後方に向かって数十回から数百回架け渡されている。
このワイヤーソーマシン56では、ワイヤー12の一周長は、一対のメインローラとしての第一ローラ60及び第二ローラ62に架け渡された一巻きの長さである。このワイヤー12の一周長は、前方の一方端70に位置する溝74で、最も長くされている。この一周長は、後方の他方端72に位置する溝74で、最も短くされている。このワイヤー12の一周長は、一方端70側から他方端72側に向かって徐々に短くなっている。
このワイヤー12は、一対のメインローラに加えて、更に図示しない第三ローラに架け渡されてもよい。このワイヤー12では、第一ローラ60、第二ローラ62及び第三ローラに架け渡された一巻きの長さが、ワイヤー12の一周長である。この第三ローラは、フレーム58に垂直に取り付けられたローラでもよい。また、第一ローラ60と同じ形状として、第一ローラ60及び第二ローラ62に他端側が近づく向きに傾けて取り付けられたローラであってもよい。また、第一ローラ60、第二ローラ62、第三ローラ及び図示されない第四ローラにワイヤー12が架け渡されているワイヤーソーマシンでは、一対のメインローラに架け渡されたワイヤー12の一周長は、第一ローラ60、第二ローラ62、第三ローラ及び第四ローラに架け渡された一巻きの長さである。このワイヤー12の一周長は、第一ローラ60、第二ローラ62を含む2以上のローラに架け渡された一巻きの長さとして測定される。
図6が参照されつつ、このワイヤーソーマシン56によるシリコンインゴット3の切断方法が説明される。被加工材料としてのシリコンインゴット3が準備される。第一ローラ60及び第二ローラ62にワイヤー12が架け渡される。図示されない駆動モータにより、第二ローラ62が回転軸80を回転中心として回転させられる。これにより、第一ローラ60が従動して回転する。図示されない第一リール30は、駆動モータにより回転させられる。これにより、ワイヤー12が送り出される。ワイヤー12は、第一ローラ60及び第二ローラ62の周りを、引張荷重を受けながら送られる。図示されない第二リール32は、駆動モータにより回転させられる。第二ローラ62の他端側に達したワイヤー12は、図示されない第二リール32に巻き取られる。
このワイヤー12には、SiC粒子を含むスラリーが吹きかけられる。このスラリーを吹きかけられて走行するワイヤ12に、シリコンインゴット3が押し付けられる。このワイヤー12のピッチT3の間隔で、シリコンインゴット3は切断されて、シリコンウェハーが得られる。このワイヤーソーマシン56による加工方式は、この遊離砥粒方式に代えて、固定砥粒方式であってもよい。
この第一ローラ60及び第二ローラ62では、ワイヤー12の走行速度は、一定に維持されている。このワイヤー12は、一方端70側での走行速度と他方端72側での走行速度とが同じである。このワイヤーソーマシン56では、ワイヤー12の一周長が他方端72側で短くされている。これにより、他方端72側で、ワイヤー12の一周長当たりの弛み量が小さくされている。このワイヤーソーマシン56で切断されたシリコンウェハーは、切断面の面粗度及びうねりが小さくされている。
このワイヤーソーマシン56では、傾きθ2が大きい第一ローラ60は、他端側のワイヤー12の一周長が短くできる。これにより、他方端72側でのワイヤー12の一周長当たりの弛み量が小さくできる。角度θ2を0より大きくすることで、本発明の効果が得られる。この角度θ2は、15°以上が好ましい。一方で、傾きθ2が小さい第一ローラ60では、溝74の形成が容易である。溝74に案内されるワイヤー12が溝74から外れることが抑制される。この観点から、θ2は45°以下が好ましく、30°以下が更に好ましい。同様の観点から、第二ローラ62の傾きθ3も0°より大きく45°以下が好ましい。第一ローラ60と第二ローラ62との中心線のなす角度は、0°より大きく、30°以上が好ましい。一方で、この角度は、90°以下が好ましく、60°以下が更に好ましい。第一ローラ60又は第二ローラ62のいずれか一方が傾けられてもよい。これにより、ワイヤー12の一周長が一方端70側に比して他方端72側で短くされうる。
本発明にかかるワイヤーソーマシンは、シリコンインゴット3に限らず、ガラス、人工水晶、超硬合金、セラミック等の硬い脆性材料の切断に用いられうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたワイヤーソーマシンが準備された。被加工材料として、円柱形状のガラス塊が準備された。一方のメインローラと他方のメインローラは同一形状のものを用いた。一方のメインローラと他方のメインローラとの中心軸間の距離は500mmである。このメインローラのテーパ面の傾き角度を1°とした。溝周長の最小値を300mm、最大値305.8mmであった。このワイヤーは、最小周長での速度を、800m/分として走行させた。この走行するワイヤーに円柱状のガラス塊が押し付けられて切断された。
[実施例2及び3]
一対のメインローラの傾き角度を下記の表1に示される通りとした。溝周長の最大値、ワイヤーの一周長、伸び率は、表1に示される通りとなった。他は実施例1と同様とした。
[比較例1]
一対のメインローラは、従来のローラがそのまま用いられた。このローラの本体の形状は円柱形状である。他は実施例1と同様とした。
[評価]
実施例1から5及び比較例1のワイヤーソーマシンで切断されたガラスについて、最大一周長のワイヤ部分で切断された、ガラス表面の面粗度及びうねりが測定された。加工中のワイヤーの切断有無が確認された。その結果が下記表1に示されている。比較例1の切断面における、面粗度及びうねりの大きさを1として、実施例1から3での大きさを相対的に表している。この面粗度及びうねりの大きさは小さい数値ほど面粗度及びうねりが小さいことを表している。
Figure 2010110865
表1に示されるように、実施例のワイヤーソーマシンでは、切断面の面粗度及びうねりが小さく抑えられている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤーソーマシンが被加工材料と共に示された概念図である。 図2は、図1のワイヤーソーマシンに取り付けられているメインローラの平面図である。 図3は、図2のメインローラの部分断面拡大図である。 図4は、図1のワイヤーソーマシンの平面図である。 図5は、本発明の他の実施形態にかかるワイヤーソーマシンのメインローラが示された平面図である。 図6は、更に本発明の他の実施形態にかかるワイヤーソーマシンの平面図である。 図7は、図6のワイヤーソーマシンに取り付けられているメインローラの平面図である。 図8は、従来のワイヤーソーマシンが被加工材料とと共に示された模式図である。
符号の説明
2、56、82・・・ワイヤーソーマシン
3、84・・・シリコンインゴット
4、58・・・フレーム
6、60・・・第一ローラ
8、62・・・第二ローラ
12、86・・・ワイヤー
14、28、44、64、80・・・回転軸
16、46、66・・・本体
18・・・テーパ面
20、52、70・・・一方端
22、54、72・・・他方端
24、48、74・・・溝
26、27、76、78・・・壁面
30・・・第一リール
32・・・第二リール
42、88、90・・・ローラ
50・・・外周面
68・・・円柱面
92、94・・・ワイヤー部分

Claims (6)

  1. 一対のメインローラとワイヤーとを備えたワイヤーソーマシンにおいて、
    この一対のメインローラに架け渡されたワイヤーの一周長の長さがメインローラの一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々にかわるように構成されているワイヤーソーマシン。
  2. 上記ワイヤーの一周長が一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々に大きくされている請求項1に記載のワイヤーソーマシン。
  3. 上記溝の周長が一方端側の溝から他方端側の溝まで徐々に大きくされている請求項2に記載のワイヤーソーマシン。
  4. 上記ワイヤーの一周長が一方端の溝から他方端側の溝に向かって徐々に小さくされている請求項1に記載のワイヤーソーマシン。
  5. 上記溝の周長が一方端側の溝から他方端側の溝まで一定であり、
    一方のメインローラの中心線が他方のメインローラの中心線に対して傾けられている請求項4に記載のワイヤーソーマシン。
  6. 上記一方のメインローラの中心線と他方のメインローラの中心線とのなす角度が0°より大きく90°以下である請求項5に記載のワイヤーソーマシン。
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