JP2006205661A - 基板製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワイヤ列幅がインゴットの長さよりも広い場合の端材の発生を低減でき、インゴットの長さに応じたワイヤ列幅の変更を不要にできる基板製造方法を提供する。
【解決手段】 インゴット3をワイヤ列21に送りながら、インゴット3とワイヤ列21との間に砥液23を供給しつつインゴット3を切削する。このとき、インゴット3の両端面3aに切断補助部材5を固着する。切断補助部材5は、インゴット3に固着される端面5aと、該端面5aがインゴット3に固着された状態において、送り方向Aに対して切削開始側に傾斜した端面5bとを有する。これにより、ワイヤ列幅wがインゴット3の長さよりも広い場合に、インゴット3を切削する過程において切断補助部材5の端面5bにワイヤ22が切り込むこととなり、切断補助部材5の端面5bの表層部分がワイヤ22に削り取られることを防げる。
【選択図】 図2
【解決手段】 インゴット3をワイヤ列21に送りながら、インゴット3とワイヤ列21との間に砥液23を供給しつつインゴット3を切削する。このとき、インゴット3の両端面3aに切断補助部材5を固着する。切断補助部材5は、インゴット3に固着される端面5aと、該端面5aがインゴット3に固着された状態において、送り方向Aに対して切削開始側に傾斜した端面5bとを有する。これにより、ワイヤ列幅wがインゴット3の長さよりも広い場合に、インゴット3を切削する過程において切断補助部材5の端面5bにワイヤ22が切り込むこととなり、切断補助部材5の端面5bの表層部分がワイヤ22に削り取られることを防げる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、基板製造方法に関するものである。
半導体素子に用いられる基板(ウェハ)の製造工程には、インゴットを板状に切断(スライス)する工程が含まれる。インゴットを板状に切断する方法の一つとして、走行するワイヤ列(マルチワイヤソー)を用いてインゴットを切削する方法がある。例えば、特許文献1には、マルチワイヤソーを用いてシリコンインゴットを切断する方法が開示されている。そして、この引用文献1に記載された方法では、シリコンインゴットの端部付近から切り出されるウェハの反りや厚みのばらつきを低減することを目的として、シリコンインゴットの両端に当て板を貼り付け、シリコンインゴット及び当て板を同時にスライスしている。
半導体結晶(インゴット)の製造工程においては、収率に依存して得られるインゴットの長さもまちまちである。基板(ウェハ)の製造工程を省力化するためには、マルチワイヤソーにおいてワイヤ列幅(ワイヤの走行方向と交差する方向の幅)を変更することなく様々な長さのインゴットを切断できることが望ましい。しかし、ワイヤ列幅がインゴットの長さよりも広くなると、インゴットの端面の表層部分がワイヤに削られ、これによる端材がワイヤ飛びやワイヤ断線の原因となる。従って、従来の基板製造工程においては、インゴットの長さに応じたワイヤ列幅の変更、もしくはワイヤ列幅に合致した長さのインゴットの準備を余儀なくされていた。ワイヤ列幅の変更は、工程の増加を招くほか、ワイヤを走行させるガイドローラにおいて摩耗する溝の本数が増加し、ガイドローラの寿命を縮めることとなる。また、ワイヤ列幅に合致した長さのインゴットを常時準備するためにはインゴット製造工程の収率が安定していることが要求されるので、必ずしも容易ではない状況であった。なお、特許文献1に記載された方法では、シリコンインゴットに当て板を加えた長さよりもワイヤ列幅が広い場合に、当て板の端面の表層部分が削られて端材が生じるので、この問題点は解決されていない。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ワイヤ列幅がインゴットの長さよりも広い場合の端材の発生を低減でき、インゴットの長さに応じたワイヤ列幅の変更が不要な基板製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による基板製造方法は、走行するワイヤ列を用い、インゴットを所定の軸方向と交差する面で切断することにより基板を製造する方法であって、所定の軸方向と交差するインゴットの端面に切断補助部材を固着する工程と、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列の走行方向及び所定の軸方向と交差する送り方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴット及び切断補助部材を切削することによりインゴットを切断する工程とを備え、切断補助部材が、インゴットに固着される一方の端面と、送り方向に対して切削開始側に傾斜した他方の端面とを有し、インゴット及び切断補助部材を切削する際に、ワイヤ列に含まれる一部のワイヤを切断補助部材の他方の端面に切り込ませることを特徴とする。
上記した基板製造方法では、送り方向に対して切削開始側に傾斜した端面を有する切断補助部材を、インゴットの端面に固着している。そして、インゴットを切断する際に、切断補助部材の傾斜した端面にワイヤを切り込ませている。従って、切断補助部材の端面の表層部分がワイヤによって削り取られることを防ぎ、端材の発生を低減できるので、インゴットの長さに応じたワイヤ列幅の変更が不要となる。
また、基板製造方法は、切断補助部材が、カーボン、ガラス、セラミック、及び石膏のうち少なくとも一種類の材料を含むことを特徴としてもよい。破砕性に優れたこれらの材料を切断補助部材に使用することにより、切削負荷にはならない。
また、基板製造方法は、切断補助部材の他方の端面が、送り方向に対して5°以上傾斜していることを特徴としてもよい。これにより、インゴットを切削する過程において切断補助部材の端面へのワイヤの切り込み角度が充分に大きくなるので、端材の発生を格段に低減できる。
本発明による基板製造方法によれば、ワイヤ列幅がインゴットの長さよりも広い場合の端材の発生を低減でき、インゴットの長さに応じたワイヤ列幅の変更を不要にできる。
(実施の形態)
図1は、本実施形態による基板製造方法に用いられるマルチワイヤソー1の構成を示す概略図である。また、図2は、マルチワイヤソー1が備えるワイヤ列21、及びマルチワイヤソー1によって切断されるインゴット3を示す要部拡大斜視図である。また、図3は、図2におけるI−I線に沿った断面の一部を拡大した拡大断面図である。なお、図2及び図3は、ワイヤ列21によってインゴット3が切削されている途中の状態を示している。
図1は、本実施形態による基板製造方法に用いられるマルチワイヤソー1の構成を示す概略図である。また、図2は、マルチワイヤソー1が備えるワイヤ列21、及びマルチワイヤソー1によって切断されるインゴット3を示す要部拡大斜視図である。また、図3は、図2におけるI−I線に沿った断面の一部を拡大した拡大断面図である。なお、図2及び図3は、ワイヤ列21によってインゴット3が切削されている途中の状態を示している。
図1を参照すると、マルチワイヤソー1は、筐体10と、筐体10に支持されたワーク支持台11、ガイドローラ12a〜12c、スラリーノズル13、及びワイヤ列21とを備える。
ワーク支持台11は、加工対象物(ワーク)であるインゴット3を支持するための構成要素である。ワーク支持台11は、他の構成要素(ガイドローラ12a〜12c、スラリーノズル13、及びワイヤ列21)に対して下方に配置されている。ワーク支持台11上にはインゴット3に固着された支持材31が固定されており、インゴット3は、支持材31を介してワーク支持台11の上方に固定されている。ワーク支持台11は、図示しない駆動手段によって鉛直上方に移動することができ、これによってインゴット3を鉛直上方(図中の矢印A)へ送ることができる。
インゴット3は、例えばSi、GaAs、InP、GaNといった半導体材料からなる円柱状の結晶塊である。インゴット3の外径は、例えば40〜200mmといった値である。また、インゴット3の長さは、例えば50〜300mmといった値である。インゴット3は、その中心軸Cが、ガイドローラ12bとガイドローラ12cとの間に延びるワイヤ22の走行方向B、及び鉛直方向(送り方向A)と交差するようにワーク支持台11によって固定されている。なお、インゴット3は、これらの方向が互いに直交するようにワーク支持台11に固定されてもよく、或いはこれらの方向が互いに直交状態から所定の角度だけずれるようにワーク支持台11に固定されてもよい。
また、図2及び図3を参照すると、インゴット3の中心軸Cに沿った方向(所定の軸方向)と交差するインゴット3の両端面3aそれぞれには、切断補助部材5が固着されている。切断補助部材5は、例えばカーボン、ガラス、セラミック、及び石膏のうち少なくとも一種類の材料を含んで構成されることが好ましい。また、切断補助部材5は、インゴット3の外径とほぼ同じ外径を有する円板状に形成されていることが好ましい。切断補助部材5の一方の端面5aは、インゴット3の端面3aに固着されている。また、端面5aと端面3aとが固着された状態において、切断補助部材5の他方の端面5bは、送り方向Aに対して切削開始側に傾斜して形成されている。従って、切断補助部材5は、インゴット3に固着された状態において、切削開始側からその反対側へ向けて中心軸方向の厚さが次第に厚くなっている。切断補助部材5の最大厚さは、例えば10〜40mmといった値である。
なお、ここでいう切削開始側とは、インゴット3をワーク支持台11に取り付けた切削前の状態において、中心軸Cに対してワイヤ列21が位置する側を意味する。また、切削開始側に傾斜するとは、インゴット3をワーク支持台11に取り付けた切削前の状態において、端面5bの法線ベクトルが、中心軸Cと平行なベクトルに対して切削開始側に傾いていることを意味する。
また、本実施形態では端面5bは平面状に形成されているが、端面5bは曲面でもよい。但し、端面5bが曲面である場合には、該曲面の接平面が送り方向Aに対して切削開始側に傾斜するように端面5bが形成される。
再び図1を参照すると、ガイドローラ12a〜12cは、それぞれ同一の回転方向となるように、鉛直面内に想定される三角形の各頂点に相当する位置に配置されている。具体的には、ガイドローラ12aはワーク支持台11の鉛直上方に配置されており、ガイドローラ12b及び12cはガイドローラ12aよりも下方で且つガイドローラ12aとワーク支持台11とを結ぶ直線の左右に互いに離れて配置されている。
ガイドローラ12a〜12cは、外周面に複数本の溝を有している。そして、ガイドローラ12a〜12cの複数本の溝に一本のワイヤ22が螺旋状に掛け回されることにより、ワイヤ列21が構成されている(図2及び図3参照)。ワイヤ列21におけるワイヤ中心間の間隔は、例えば300μm〜900μmといった値である。また、ワイヤ列21全体の幅w(ワイヤ列幅)は例えば50〜300mmといった値であり、インゴット3に2つの切断補助部材5を加えた長さよりも広くなる場合がある。ワイヤ列21は、ガイドローラ12a〜12cが正回転及び逆回転を交互に繰り返すことによって二方向に往復走行する。ガイドローラ12bとガイドローラ12cとの間を走行するワイヤ列21は、ワーク支持台11の移動によって上方に送られてくるインゴット3及び切断補助部材5と交差する位置を走行するように配置されている。
スラリーノズル13は、ラッピングオイルに遊離砥粒が混入されてなる砥液23(スラリー)をインゴット3に向けて噴射するための砥液供給手段である。スラリーノズル13は、インゴット3の鉛直上方に配置されており、インゴット3の切削開始側の外周面(本実施形態では、インゴット3の外周面のうちインゴット3の中心軸Cよりも上方の面)に向けて砥液23を噴射する。
続いて、本実施形態による基板製造方法について説明する。なお、以下に説明する基板製造方法は、上記したマルチワイヤソー1を用いて好適に実施できる。
まず、インゴット3を用意し、インゴット3の中心軸Cに沿った方向(所定の軸方向)と交差するインゴット3の両端面3aのそれぞれに切断補助部材5を固着(接着)する。このとき、切断補助部材5の端面5bが切断補助部材5における切断開始側に傾斜するように、また、切断補助部材5の外周面がインゴット3の外周面と揃うように、切断補助部材5をインゴット3に固着する。このとき、インゴット3及び切断補助部材5を固着するための接着剤としては、例えばエポキシ系接着剤を用いるとよい。そして、インゴット3及び切断補助部材5をマルチワイヤソー1のワーク支持台11に取り付ける。
続いて、ガイドローラ12a〜12cを正方向及び逆方向に交互に回転させ、ワイヤ列21の往復走行を開始する。そして、インゴット3が取り付けられたワーク支持台11を、ワイヤ22の走行方向Bとインゴット3の中心軸Cに沿った方向(所定の軸方向)との双方と交差する送り方向Aへ平行移動させることにより、インゴット3をワイヤ列21へ送る。このとき、スラリーノズル13からの砥液23の噴射を開始する。
インゴット3がワイヤ列21に接すると、インゴット3とワイヤ列21との間に浸入した砥液23の作用によってインゴット3が切削され始める。本実施形態においては、インゴット3に切断補助部材5を加えた長さよりもワイヤ列21全体の幅wが広くなっているので(図2参照)、ワイヤ列21によって切断補助部材5もインゴット3と同時に切削される(図3参照)。
また、切断補助部材5の端面5bが切削開始側に傾斜しているので、ワイヤ列21に含まれる各ワイヤ22のうち切削開始時にインゴット3及び切断補助部材5に接しないワイヤ22は、切削の進行に従って、切断補助部材5の端面5bに近いワイヤ22から順に端面5bに当接し、端面5bから切断補助部材5に切り込んでいくこととなる。
こうして、ワイヤ列21がインゴット3の下端に達するまでインゴット3を送り方向Aへ送ることにより、インゴット3が複数の基板に切断される。
その後、好ましくは、切り出された基板の両面または片面を機械的及び化学的に研磨するとよい。具体的には、まず、インゴット3から切り出された基板の切断面を、水溶性洗浄剤や炭化水素系洗浄剤等を用いて洗浄する。次に、基板の表面(片面または両面)を酸性又はアルカリ性の溶液及び酸化剤を用いてエッチングすることにより、加工歪みを除去し、反りを低減する。そして、基板の周囲をベベリング(面取り)する。そして、基板側面にオリエンテーションフラット(OF)面を形成し、面取り及びOF面加工によるダメージをエッチングにより除去する。
続いて、固定砥粒または遊離砥粒を用いて基板表面に研磨(ラッピング)を施し、基板厚さを調整するとともに、加工歪みを除去し、表面粗さを小さくする。続いて、基板表面を再びエッチングすることにより、加工歪みを除去し、反りを低減する。最後に、基板表面に再び研磨を施し、基板厚さを調整するとともに、加工歪みを除去し、表面粗さを小さくする。こうして、表面が平坦に形成された基板が完成する。
本実施形態による基板製造方法によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本実施形態による基板製造方法では、送り方向Aに対して切削開始側に傾斜した端面5bを有する切断補助部材5を、インゴット3の端面3aに固着している。従って、ワイヤ列21のワイヤ列幅がインゴット3の長さよりも広い場合には、図3に示したように、インゴット3を切削する過程において切断補助部材5の端面5bにワイヤ22が切り込むこととなる。これにより、切断補助部材5の端面5bの表層部分がワイヤ22に削り取られることを防ぎ、端材の発生を低減できるので、インゴット3の長さに応じたワイヤ列幅の変更が不要となる。
また、本実施形態のように、切断補助部材5は、カーボン、ガラス、セラミック、及び石膏のうち少なくとも一種類の材料を含むことが好ましい。破砕性に優れたこれらの材料を切断補助部材5に使用することにより、端材の発生を更に低減できる。
(変形例)
続いて、上記実施形態による基板製造方法の変形例について説明する。図4は、本変形例においてマルチワイヤソー1(図1参照)によって切断されるインゴット3及び切断補助部材5を示す要部拡大斜視図である。なお、図4は、ワイヤ列21によってインゴット3及び切断補助部材5が切削されている途中の状態を示している。
続いて、上記実施形態による基板製造方法の変形例について説明する。図4は、本変形例においてマルチワイヤソー1(図1参照)によって切断されるインゴット3及び切断補助部材5を示す要部拡大斜視図である。なお、図4は、ワイヤ列21によってインゴット3及び切断補助部材5が切削されている途中の状態を示している。
本変形例では、上記実施形態と異なり、インゴット3の中心軸Cに沿った方向(所定の軸方向)と交差するインゴット3の両端面3aのうち、一方の端面3aにのみ切断補助部材5を固着している。このように、インゴット3の片方の端面3aにのみ切断補助部材5を設けることによっても、上記実施形態において述べた効果を得ることができる。なお、インゴット3の一方の端面3aにのみ切断補助部材5を設ける場合には、インゴット3の両端面3aのうち切断補助部材5が設けられない他方の端面3aの表層部分がワイヤ22によって削り取られないように、ワイヤ列21を該他方の端面3aよりも内側に位置決めすることが好ましい。
(実施例)
続いて、上記実施形態による基板製造方法の一実施例について説明する。図5は、本実施例の結果を示す図表であり、切断補助部材5の端面5bと送り方向Aとの相対角度(端面角度)を様々な角度に設定したときのワイヤ飛び発生数及びワイヤ断線発生の有無を示している。本実施例では、ワイヤ列21に含まれるワイヤ本数を251本とし、ワイヤ列幅w(図2参照)を200mmに設定した。また、インゴット3としてGaAs結晶塊を用い、インゴット3及び切断補助部材5の外径を103mm、インゴット3の中心軸方向の長さを120mm、切断補助部材5の厚さを15mm(2枚で30mm)とした。
続いて、上記実施形態による基板製造方法の一実施例について説明する。図5は、本実施例の結果を示す図表であり、切断補助部材5の端面5bと送り方向Aとの相対角度(端面角度)を様々な角度に設定したときのワイヤ飛び発生数及びワイヤ断線発生の有無を示している。本実施例では、ワイヤ列21に含まれるワイヤ本数を251本とし、ワイヤ列幅w(図2参照)を200mmに設定した。また、インゴット3としてGaAs結晶塊を用い、インゴット3及び切断補助部材5の外径を103mm、インゴット3の中心軸方向の長さを120mm、切断補助部材5の厚さを15mm(2枚で30mm)とした。
図5に示すように、本実施例では、実施例1〜4としてそれぞれ切断補助部材5の端面角度が2°、5°、10°、及び20°に形成された切断補助部材5をインゴット3の両端に固着し、インゴット3を切削した。その結果、全ての実施例においてワイヤ断線は発生しなかった。また、端面角度が2°の場合にはワイヤ飛びが6本発生したが、端面角度が5°以上であれば、ワイヤ飛びは発生しなかった。これは、切断補助部材5の端面角度を5°以上とすることによって、インゴット3を切削する過程において切断補助部材5の端面5bへのワイヤ22の切り込み角度が充分に大きくなり、端材の発生が格段に低減されたためと考えられる。
なお、図5には、本実施例に対する比較例1及び2として、切断補助部材の端面と送り方向との相対角度が0°の場合(すなわち、切断補助部材の端面が送り方向に対して傾斜していない状態)、及びインゴットに切断補助部材を設けない場合におけるワイヤ飛び発生数及びワイヤ断線発生の有無をあわせて示している。図5に示すように、切断補助部材の端面が送り方向に対して傾斜していない場合(比較例1)では、ワイヤ飛びが7本発生した。また、切断補助部材を設けない場合(比較例2)では、ワイヤ断線が発生した。これらの比較例からも、切断補助部材5の端面5bを傾斜させることによって、ワイヤ飛び及びワイヤ断線が好適に抑制されることが確認された。
本発明による基板製造方法は、上記した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではインゴットとして円柱状の塊を例示しているが、インゴットは角柱状など他の形状であってもよい。また、上記実施形態ではワイヤ列に対してインゴットを下方から送り込む、いわゆるアッパーカット法を例示しているが、ワイヤ列に対してインゴットを上方から送り込む、いわゆるダウンカット法でも本発明を適用できる。また、上記実施形態ではインゴットを移動する方法を例示しているが、ワイヤ列をインゴットへ向けて移動する方法でもよい。
1…マルチワイヤソー、3…インゴット、3a…端面、5…切断補助部材、5a,5b…端面、10…筐体、11…ワーク支持台、12a〜12c…ガイドローラ、13…スラリーノズル、21…ワイヤ列、22…ワイヤ、23…砥液、31…支持材。
Claims (3)
- 走行するワイヤ列を用い、インゴットを所定の軸方向と交差する面で切断することにより基板を製造する方法であって、
前記所定の軸方向と交差する前記インゴットの端面に切断補助部材を固着する工程と、
前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列の走行方向及び前記所定の軸方向と交差する送り方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴット及び前記切断補助部材を切削することにより前記インゴットを切断する工程とを備え、
前記切断補助部材が、
前記インゴットに固着される一方の端面と、
前記送り方向に対して切削開始側に傾斜した他方の端面と
を有し、
前記インゴット及び前記切断補助部材を切削する際に、前記ワイヤ列に含まれる一部のワイヤを前記切断補助部材の前記他方の端面に切り込ませることを特徴とする、基板製造方法。 - 前記切断補助部材が、カーボン、ガラス、セラミック、及び石膏のうち少なくとも一種類の材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板製造方法。
- 前記切断補助部材の前記他方の端面が、前記送り方向に対して5°以上傾斜していることを特徴とする、請求項1または2に記載の基板製造方法。
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