以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施形態である駐車場管理システム100の駐車場入口出口車路構成を示す。本実施形態における駐車場は2つの入口車路1、2および2つの出口車路3、4を有する。すなわち、図1に示すように、駐車場には、駐車エリア5とは別に、車両の進行方向を基準にして右側と左側の入口車路1、2と、右側と左側の出口車路3、4とがそれぞれ設けられている。
入口車路1には、第1のループコイル6、第2のループコイル7およびアイランド8が設けられている。車両の進行方向を基準に入口車路1の左側に位置するアイランド8上にはトリガーセンサの発光部9が設置され、入口車路1の右側に位置するアイランド8上には、トリガーセンサの受光部10、発券機11、ゲートバー12を有するゲート開閉機13、および撮影装置14が設置されている。また、ゲート開閉機13には物体の接近を検知する超音波センサ(図示せず)が取り付けられている。第1のループコイル6は、発券機11とケーブル等を介して接続されており、車両の金属部分を検知することにより、第1のループコイル6上に車両が存在していることを示す検知信号を発券機11に出力する。第2のループコイル7も発券機11とケーブル等を介して接続されており、第1のループコイル6と同様に動作する。発券機11は、第1のループコイル6および第2のループコイル7からの検知信号に基づいて、入口車路1に車両が進入したこと、および入口車路1を車両が通過しきったことを検知することができる。また、発券機11は、ゲート開閉機13とケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機13にゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー12の上げ下げを制御する。もっとも、超音波センサが物体の接近を検知した場合には、ゲート開閉機13の安全装置が稼働し、ゲート閉信号の出力後であっても、ゲートバー12が上がるようになっている。また、トリガーセンサの受光部10は、撮影装置14にケーブル等を介して接続され、トリガーセンサの発光部9から受光部10に向けて照射されている赤外線ビームが遮られた時にトリガー信号を撮影装置14に出力する。また、発券機11も撮影装置14にケーブル等を介して接続され、後述するトリガー受取許可信号およびトリガー受取禁止信号などを撮影装置14に出力する。さらに、発券機11と撮影装置14との間では後述する種々の情報の送受信が行われる。撮影装置14は、トリガー信号、トリガー受取許可信号およびトリガー受取禁止信号に基づいて撮影のタイミングを決定する。入口車路2についても同様である。また、図1中のCR1は入口車路1に進入を開始した車両を示し、CR2は入口車路2に進入しようとしている車両を示す。
一方、出口車路3にも、入口車路1または2と同様に、第1のループコイル6、第2のループコイル7およびアイランド8が設けられ、左側のアイランド8上にはトリガーセンサの発光部9が設置され、右側のアイランド8上には、トリガーセンサの受光部10、ゲートバー12を有するゲート開閉機13、および撮影装置14が設置されている。また、ゲート開閉機13には超音波センサ15(図12参照)が取り付けられている。もっとも、出口車路3には、発券機11ではなく、出口料金精算機16が設置されている。出口料金精算機16は、発券機11と同様に、第1のループコイル6および第2のループコイル7とそれぞれ接続されており、第1のループコイル6および第2のループコイル7からの検知信号に基づいて、出口車路3に車両が進入したこと、および出口車路3を車両が通過しきったことを検知する。出口料金精算機16は、ゲート開閉機13とケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機13にゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー12の上げ下げを制御する。もっとも、超音波センサ15が物体の接近を検知した場合には、ゲート閉信号の出力後であっても、ゲートバー12が上がるようになっている。また、トリガーセンサの受光部10は、撮影装置14にケーブル等を介して接続され、トリガーセンサの発光部9と受光部10との間の赤外線ビームが遮られた時にトリガー信号を撮影装置14に出力する。また、出口料金精算機16も撮影装置14にケーブル等を介して接続され、後述するトリガー受取許可信号、トリガー受取禁止信号および運転席部撮影信号を撮影装置14に出力する。撮影装置14は、トリガー信号、トリガー受取許可信号、トリガー受取禁止信号および運転席部撮影信号に基づいて撮影のタイミングを決定する。出口車路4についても同様である。また、図1中のCR3は出口車路3に先に進入した先行車両を示し、CR4は出口車路3に先に進入した先行車両CR3の直後を追走して出口車路3に進入を開始した後続車両CR4を示す。
また、駐車場内の一角には事前料金精算機17が設置されている。さらに、駐車場の管理室20内には、駐車場管理用の端末装置21、サーバ装置22およびデータベースシステム23が設けられている。事前料金精算機17はケーブル等を介して端末装置21に接続されている。また、各撮影装置14はケーブル等を介して端末装置21に接続されており、各撮影装置14および端末装置21の各接続によりLAN(Local Area Network)が構築されている。
図2は各撮影装置14の構成を示したものである。図2に示すように、撮影装置14は、中央演算処理部(CPU)31、メモリー32、外部入力部33、外部通信部34、LANボード35、カメラ36、キャプチャーボード37およびインターフェイス38を備え、これらはバス39を介してそれぞれ接続されている。また、撮影装置14は左右の入口車路1、2、左右の出口車路3、4とも同じ構成であるが、個々の装置IDやLAN接続のためのIPアドレスなどが異なり、処理のプログラム自体も入口と出口用では若干異なっている。
メモリー32は、例えばハードディスクドライブまたはフラッシュメモリなどであり、メモリー32には、中央演算処理部31により実行されるアプリケーションソフトウェアプログラムが予め記憶されている。また、メモリー32には、定期駐車契約の対象となっている契約車のナンバー情報をリストアップした契約者リスト情報などが記憶される。外部入力部33は、トリガーセンサの受光部10と接続され、受光部10から出力されるトリガー信号を受け取る。外部通信部34は、発券機11または出口料金精算機16と接続され、発券機11または出口料金精算機16から出力されるトリガー受取許可信号、トリガー受取禁止信号などを受け取ると共に、認識結果信号などを発券機11または出口料金精算機16に出力する。LANボード35は、他の撮影装置14および管理室内20の端末装置21とLANを介して接続され、車両のフロント部画像、ナンバー情報などを端末装置21などに送信する。カメラ36は、静止画像の撮影(撮像)が可能な監視用などのカメラであり、その撮影のタイミングなどは中央演算処理部31により制御される。カメラ36には、撮影の際に周辺の光量を計測する光センサを用いてフラッシュを制御する構成を設けてもよいし、または、オートアイリス機構をレンズ部に設けてもよい。また、カメラ36は、車両が車路1、2、3または4への進入を開始し、車両のフロント部がトリガーセンサの発光部9と受光部10との間の赤外線ビームを遮る位置に達したときに、当該車両のフロント部(ナンバープレートを含む)を撮影することができるように配置されている。キャプチャーボード37は、カメラ36により撮影されたアナログ画像をデジタル化する処理、画像キャプチャー処理などを行う。中央演算処理部31は、メモリー32に記憶されたアプリケーションソフトウェアプログラムを実行することにより、(1)カメラ36の撮影タイミングなどを制御する処理、(2)キャプチャーボード37によりデジタル化処理などが施された画像から車両のフロント部画像などを抽出する処理、(3)フロント部画像に画像処理(圧縮またはモノクロ2値化など)を施し、画像処理後のフロント部画像に対して文字認識処理を行い、当該画像に含まれている車両のナンバープレートに記載された車両のナンバーを認識し、当該車両のナンバーを示すナンバー情報を生成する処理、(4)ナンバー情報と契約者リスト情報とを照合し、カメラ36により撮影された車両が契約車であるか否かを判断する処理、(5)トリガーセンサの受取部10、発券機11(または出口料金精算機16)、端末装置21および他の撮影装置14との間の情報通信に関する処理などを行う。これらの処理の詳細については、後に図5を参照しながら説明する。
図3は管理室20内に設けられた端末装置21、サーバ装置22およびデータベースシステム23を示している。図3に示すように、端末装置21は、例えばパーソナルコンピュータであり、本体41、ディスプレイ42およびキーボード43などを備えている。端末装置21は各撮影装置14とLANにより接続されている。また、端末装置21はサーバ装置22に接続されている。サーバ装置22にはデータベースシステム23が設けられている。管理者は端末装置21によりサーバ装置22およびデータベースシステム23を操作および制御することができる。データベースシステム23は、契約車データベース(契約車DB)45、在車データベース(在車DB)46、画像データベース(画像DB)47、在車残りデータベース(在車残りDB)48およびブラックリストデータベース(ブラックリストDB)49を備えている。
契約者データベース45には、定期駐車契約の対象となっている契約車のナンバー情報をリストアップした契約者リスト情報を記憶するためのデータベースである。各撮影装置14のメモリー32に記憶される契約者リスト情報は、契約者データベース45に記憶された契約者リスト情報から抜粋されたものである。すなわち、契約者リスト情報は、端末装置21またはサーバ装置22により生成・更新され、契約者データベース45に記憶されると共に、各撮影装置14にLANを介して配信される。在車データベース46は、在車、すなわち駐車場に駐車している車両のナンバー情報を記憶するためのデータベースである。画像データベース47は、各撮影装置14の撮影により取得したフロント部画像および運転席部画像などの画像データを記憶するためのデータベースである。在車残りデータベース48は、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車としての記憶が残っていた車両のナンバー情報を記憶するためのデータベースである。ブラックリストデータベース49は、駐車場からの不正出場を繰り返している車両のナンバー情報を記憶するためのデータベースである。
このような構成を有する駐車場管理システム100の基本的な駐車管理処理は次の通りである。すなわち、車両入場時には、入口車路1または2を通って駐車場に入場する車両を、入口車路1または2に設置された撮影装置14により撮影し、この撮影により得られた画像から入場車両のナンバー情報を生成し、このナンバー情報に、当該車両の入場時刻などの情報を含む駐車情報を付加し、この駐車情報が付加されたナンバー情報を在車データベース46および出口車路3、4にそれぞれ設置された撮影装置14のメモリー32に記憶する。また、入場車両が契約車か否かを入場車両のナンバー情報と契約車リスト情報との照合により判断し、入場車両が一般車両の場合には、発券機11により入場時刻などが印字された駐車券を発行し、ドライバが駐車券を発券機11から抜き取ったことをきっかけにゲートバー12を上げ、当該車両の駐車場内への入場を許す。また、入場車両が契約車の場合には、駐車券を発行せずに、直ちにゲートバー12を上げ、当該車両の駐車場内への入場を許す。一方、車両出場時には、出口車路3または4を通って駐車場から出場する車両を、出口車路3または4に設置された撮影装置14により撮影し、この撮影により得られた画像から出場車両のナンバー情報を生成し、このナンバー情報と、当該撮影装置14のメモリー32に記憶されたナンバー情報とを照合し、両者が一致した場合には、当該ナンバー情報に付加された駐車情報に基づいて、出場車両についての駐車時間および駐車料金を算出する。また、出場車両が契約車か否かを出場車両のナンバー情報と契約車リスト情報との照合により判断し、出場車両が一般車両の場合には、出口料金精算機16によりドライバに対し精算を求め、精算が完了したことをきっかけにゲートバー12を上げ、当該車両の駐車場外への出場を許す。また、出場車両が契約車の場合には、その場での精算を求めずに、直ちにゲートバー12を上げ、当該車両の駐車場外への出場を許す。また、出場車両が事前精算済みの車両である場合にも、出場車両が契約車である場合とほぼ同様に処理する。当該車両の出場が完了した後、当該車両の駐車情報およびナンバー情報を在車データベース46および撮影装置14のメモリー32から消去する(履歴情報として他の場所に記憶しておいてもよい)。本実施形態の駐車場管理システム100は、以上のような基本的な駐車管理処理を行いつつ、このような基本的な駐車管理処理とは異なる独自な処理を行う。以下、かかる処理について詳細に説明する。
図4は入口車路1に設置された発券機11における処理を示すフローチャートである。図4において、発券機11は第1のループコイル6からの検知信号が発券機11に入力されたか否かを監視している(ステップS1)。車両が入口車路1に進入し、車両のフロント部が第1のループコイル6上に位置すると、第1のループコイル6からの検知信号が発券機11に入力される。第1のコイルループ6からの検知信号が入力されたとき、発券機11は、トリガー受付許可信号を撮影装置14に出力する(ステップS2から丸Aのルートへ)。続いて、発券機11は、撮影装置14から出力された認識結果信号を受け取り(丸BのルートからステップS3)、認識結果信号に基づいて、当該車両が契約車(定期車)であるか否かを判断する(ステップS4)。この判断の結果、当該車両が契約車でない場合には(ステップS4:NO)、発券機11は「発券釦を押して駐車券をおとり下さい」などの音声ガイドを出力する(ステップS5)。続いて、当該車両のドライバにより発券釦が押下された場合には(ステップS6:YES)、発券機11は駐車券を発行する(ステップS7)。一方、当該車両のドライバが発券釦を押下するのではなく、定期券を発券機11に挿入した場合には(ステップS6:NO、ステップS14:YES)、発券機11はその定期券を受け取り、所定の処理を行った後、この定期券を返却する。この定期券挿入動作は、通常は定期券を保持する契約車でなんらかの理由によりナンバープレートが適切に撮影されなかった場合や、契約して初めての入場の際にのみ定期券を挿入するといった例外的な動作である。続いて、当該車両のドライバにより駐車券または定期券が発券機11から抜き取られたとき(ステップS8:YES)、発券機11はゲート開信号をゲート開閉機13に出力し、ゲートバー12を上げる(ステップS9)。一方、ステップS4の判断の結果、当該車両が契約車である場合には(ステップS4:YES)、発券機11は、直ちにゲート開閉機13を制御し、ゲートバー12を上げる(ステップS9)。当該車両が入口車路1を駐車場エリア5に向けて通過する間、第2のループコイル7からの検知信号が発券機11に一旦入力され(ONになり)、その後入力がなくなる(OFFになる)。発券機11は、このような第2のループコイルからの検知信号の入力パターンを検出したとき、当該車両が入口車路1を通過しきったと判断する(ステップS10)。そして、発券機11は、ゲート開閉機13に取り付けられた超音波センサからの検知信号の入力がないことを確認した後(ステップS11)、ゲート閉信号をゲート開閉機13に出力し、ゲートバー12を下げる(ステップS12)。続いて、発券機11は、第2次駐車情報およびトリガー禁止信号を撮影装置14に出力する(ステップS13から丸Cのルートへ)。第2次駐車情報には、入場時刻、駐車券番号などの情報が含まれている。入口車路2に設置された発券機11も図4に示す処理を行う。
なお、本実施形態では、発券機11が超音波センサからの検知信号の入力の有無を確認してからゲート閉信号をゲート開閉機13に出力してゲートバー12を下げる場合を例にあげた。しかし、超音波センサが物体の接近を検知した場合には、ゲート開閉機13の安全装置が稼働し、発券機11からのゲート閉信号を受け取った後であってもゲートバー12が上がるようになっているので、発券機11において超音波センサからの検知信号の入力の有無を確認する処理を省略してもよい。
図5は入口車路1に設置された撮影装置14における処理を示すフローチャートである。図5において、撮影装置14は、発券機11からトリガー受付許可信号が出力されたか否かを監視している(ステップS21)。トリガー受付許可信号が出力された場合には(丸AのルートでステップS21:YES)、撮影装置14はそのトリガー受付許可信号を受け取り、例えばメモリー32に記憶されたトリガー受付フラグをONにする(ステップS22)。また、駐車場管理システム100の稼働中は、トリガーセンサの発光部9から受光部10に向けて赤外線ビームが常に照射されており、この赤外線ビームが物体により遮られると、受光部10から撮影装置14にトリガー信号が出力される。撮影装置14は、このトリガー信号が撮影装置14に入力されたか否かを監視している(ステップS23)。トリガー信号が入力された後(ステップS23:YES)、撮影装置14は、トリガー受付フラグがONか否かを判断する(ステップS24)。トリガー信号が入力されたときにトリガー受付フラグがOFFである場合には(ステップS24:NO)、撮影装置14は、トリガーセンサの発光部9と受光部10との間を人や小動物が横切ったものと判断し、次の撮影処理には進まずに処理をステップS21に戻す。一方、トリガー信号が入力されたときにトリガー受付フラグがONである場合には(ステップS24:YES)、撮影装置14は、撮影を実行し、フロント部画像を取得する(ステップS25)。具体的には、ステップS25において、カメラ36による撮影を行い、これにより入口車路1に進入した車両のフロント部の画像を得る。続いて、キャプチャーボード37により、当該車両のフロント部の画像のデジタル化、画像キャプチャー処理などを行い、中央演算処理部31により当該デジタル画像から車両のナンバープレートおよびその周辺部分を含む画像(フロント部画像)を抽出する。続いて、撮影装置14は、抽出したフロント部画像に第1次駐車情報を付加し、この第1次駐車情報が付加されたフロント部画像を端末装置21に送信する(ステップS26から丸Dのルートへ)。第1次駐車情報には、撮影装置14のアドレス、撮影時刻などが含まれている。続いて、撮影装置14は、ステップS25において抽出したフロント部画像に対して画像処理(圧縮またはモノクロ2値化など)を施し、画像処理後のフロント部画像に対して文字認識処理を行い、フロント部画像に含まれる車両のナンバープレートに記載された車両のナンバーを認識する(ステップS27)。続いて、撮影装置14は、認識した車両のナンバーをテキスト化し、ナンバー情報を生成する(ステップS28)。ナンバー情報には当該車両のナンバーに記載された支局名、分類番号、かな、登録番号などの情報が含まれている。続いて、撮影装置14は、ステップS28において生成したナンバー情報と、メモリー32に記憶されている契約車リスト情報とを照合し、当該車両が契約車(定期車)であるか否かを認識する(ステップS29)。続いて、撮影装置14は、この認識結果を示す認識結果信号を発券機11に出力する(ステップS30から丸Bのルートへ)。続いて、撮影装置14は、発券機11から第2次駐車情報およびトリガー受付禁止信号を受け取る(丸CのルートからステップS31)。続いて、撮影装置14は、受け取った第2次駐車情報に、ステップS29における認識結果を示す認識結果情報を追加し、認識結果情報が追加された第2次駐車情報を、ステップS28において生成したナンバー情報と共に端末装置21に送信する(ステップS32から丸Fのルートへ)。入口車路2に設置された撮影装置14も図5に示す処理を行う。
図6は車両入場時における端末装置21およびデータベースシステム23の入場処理を示すフローチャートである。図6において、端末装置21は、撮影装置14から送信された第1次駐車情報およびフロント部画像を受信し(丸DのルートからステップS41)、この受信したフロント部画像に、この受信した第1次駐車情報を付加し、この第1次駐車情報が付加されたフロント部画像を画像データベース47に記憶する(ステップS42)。続いて、端末装置21は、上記撮影装置14から送信された第2次駐車情報(認識結果情報を含む)およびナンバー情報を受信し(丸Fのルートからステップ43)、この受信したナンバー情報に、この受信した第2次駐車情報とステップS41において受信した上記第1次駐車情報とを付加し、この第1次駐車情報および第2次駐車情報が付加されたナンバー情報を在車データベース46に記憶する(ステップS44)。さらに、端末装置21は、第1次駐車情報および第2次駐車情報が付加されたナンバー情報を出口車路3、4にそれぞれ設置された撮影装置14に配信(分配送信)する(ステップS45)。その後、端末装置21は、後述する在車残り振り分け処理を行い(ステップS46)、処理を終了する。
図7および図8は在車残り振り分け処理の第1の具体例および第2の具体例をそれぞれ示している。在庫振り分け処理とは、入口車路1または2に設置された撮影装置14により過去に生成された旧いナンバー情報であって、入口車路1または2に設置された撮影装置14により現在生成された新しいナンバー情報と同一のものを見つけ出すために在車データベース46内を検索し、このような新しいナンバー情報と同一の旧いナンバー情報が見つかった場合には、当該旧いナンバー情報を在車データベース46から在車残りデータベース48に移動させる処理である。
まず、図7を参照しながら在車残り振り分け処理の第1の具体例について説明する。図7において、端末装置21は、在車データベース46内を検索し、同一の2つのナンバー情報を見つけ出す(ステップS51)。同一の2つのナンバー情報が見つかった場合(ステップS52:YES)、端末装置21は、これら2つのナンバー情報にそれぞれ付加された第2次駐車情報中の入場時刻情報が示す入場時刻を比較し、これら2つのナンバー情報のうちの旧いナンバー情報を特定する(ステップS53)。続いて、端末装置21は、特定した旧いナンバー情報を、在車データベース46から読み出し、これを端末装置21内部の主記憶メモリーなどに一時的に記憶した後、この特定したナンバー情報を在庫データベース46から削除する(ステップS54)。続いて、端末装置21は、主記憶メモリーなどの一時的に記憶された当該旧いナンバー情報を読み出し、これを在車残りデータベース48に記憶する(ステップS55)。これにて在車残り振り分け処理は終了する。一方、同一の2つのナンバー情報が見つからなかった場合には(ステップS52:NO)、直ちに在車残り振り分け処理を終了する。
このように在車残り振り分け処理の第1の具体例によれば、駐車場管理システム100により在車と認識されていたものの実際には在車ではなかった車両のナンバー情報を、その車両の再来場の際に特定することができる。そして、このようなナンバー情報を在車残りデータベース48に記憶することにより、当該ナンバー情報に対応する車両について、在車と認識されていたものの実際には在車ではなかったという事実を情報として残すことができる。また、在車残り振り分け処理により、在車データベース46内におけるナンバー情報の重複をなくすことができ、駐車場管理システム100により認識される在車と実際の在車とを一致させることができる。さらに、このような在車残り振り分け処理を端末装置21により自動的に行うことにより、駐車場内を見回りして在車情報と実際の在車との整合性を確認するといった係員による煩雑な作業をなくすことができ、係員の作業負担を軽減することができる。また、在車残り振り分け処理は図6、7に示したようにサブルーチン処理で独立しているため、係員が手動で在車残り振り分け処理を実行して在車データベース46から在車残りデータベース48にナンバー情報を移動させるようにマニュアル処理を組み込むことが容易に可能で、機器のトラブル等で正確に出場を管理できなかった車両のナンバー情報を在車残りデータベース48に一緒に記憶することもでき、トラブル収束時に重複するナンバー情報を在車データベース46から消去するかどうかを係員が後で車両のフロント部画像を見ながら判断して処理することもできる。
次に、図8を参照しながら在車残り振り分け処理の第2の具体例について説明する。図8に示す在車残り振り分け処理の第2の具体例は、図7に示す在車残り振り分け処理の第1の具体例(ステップS51ないしS55)に、在車データベース46から在車残りデータベース48に移動させた回数が所定回数以上である旧いナンバー情報をブラックリストデータベース49に記憶する処理(ステップS56およびS57)を追加したものである。すなわち、端末装置21は、ステップS55において、旧いナンバー情報を在車残りデータベース48に記憶する際に、このナンバー情報を在車残りデータベース48に記憶した回数をナンバー情報ごとにカウントする。これは、例えば、当該記憶回数の値をナンバー情報ごとに記録するためのテーブルなどを在車残りデータベース48内などに用意し、ナンバー情報を在車残りデータベース48に記憶するごとに、当該ナンバー情報に対応する記憶回数値をインクリメントすることにより実現することができる。続いて、端末装置21は、在車残りデータベース48に現在記憶したナンバー情報の記憶回数が所定回数(例えば3回程度)以上であるか否かを判断し(ステップS56)、当該ナンバー情報についての記憶回数が所定回数以上である場合には(ステップS56:YES)、当該ナンバー情報をブラックリストデータベース49に記憶する(ステップS57)。
ナンバー情報のブラックリストデータベース49への記憶は、自動でもよいが手動でもよい。このようにブラックリストデータベース49を在車残りデータベース48と別に設置することにより、係員がマニュアル処理を組み込むことが容易に可能で、設定回数を多くしておき、その回数によっては係員がマニュアルでブラックリストデータベース49に記憶するであるとか、逆に設定回数は多いが理由があるような場合、例えば契約車両(定期登録車両)であった場合は削除するなども適宜可能である。また、このように契約車両であればナンバー情報から判断して、自動的にブラックリストデータベース49に記憶しないようにするとか、在車残りデータベース48にも記憶しないようにすることも可能である。
さらに、ブラックリストデータベース49に記憶されたナンバー情報が示すナンバーを有する車両(ブラックリスト入り車両)のドライバに対し、警告を行ってもよい。具体的には、ブラックリスト入り車両が再来場した際に、発券機11により警告メッセージを印字した駐車券を発行すると共に、発券機11により警告メッセージを音声出力する。これを実現するためには、ブラックリストデータベース49に記憶されたナンバー情報のリスト(ブラックリスト情報)を予め入口車路1、2にそれぞれ設置された撮影装置14のメモリー32に記憶しておき、図5中のステップS29において、撮影装置14が、駐車場に現在入場しようとしている車両のナンバー情報とブラックリスト情報とを照合し、この照合結果を照合結果信号として、ステップS30において認識結果信号と共に撮影装置14から発券機11に出力する。続いて、図4中のステップS3において、発券機11がこの照合結果信号を認識結果信号と共に受け取り、ステップS4において、当該入場車両が契約車であるか否かを判断すると同時に、当該入場車両がブラックリスト車両か否かを判断する。当該入場車両がブラックリスト車両である場合には、ステップS5において警告メッセージを音声出力し、ステップS7において警告メッセージを印字した駐車券を発行する。警告メッセージの音声出力は、例えば、発券機11に設けられた音声信号処理回路およびスピーカなどにより実現することができ、警告メッセージの駐車券への印字は、例えば、発券機11などに記憶保持された警告メッセージデータおよび駐車券に入場時刻などを印字する印字機構(警告記録発券手段)を利用して実現することができる。このようにブラックリスト車両のドライバに対して警告することで、後の不正出場の抑止効果が期待できる。なお、警告メッセージの出力は、事前料金精算機17により行ってもよいし、出口料金精算機16により行ってもよい。
これまでは、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車としての記憶が残っていた車両のナンバー情報の処理について説明したが、次はこのようなナンバー情報が発生する原因とその抑制に関して説明する。
図9は車両が出口車路3を通過する態様を示し、図9(1)は車両が単独で出口車路3を通過する態様を示し、図9(2)は出口車路3に先に進入した先行車両の直後を追走して後続車両が出口車路3に進入した態様を示している。図9(1)に示すように、車両CR5が単独で出口車路3に進入したとする。撮影装置14のカメラ36の撮影範囲Rは、トリガーセンサの発光部9と受光部10とを結ぶ平面中に設定されているので、車両CR5がトリガーセンサの赤外線ビームを遮る位置に達すると、車両CR5のフロント部がカメラ36の撮影範囲Rに入る。これにより、車両CR5のフロント部のナンバープレートを含む部分がカメラ36により撮影される。一方、図9(2)に示すように、出口車路3に先に進入した先行車両CR3の直後を追走して後続車両CR4が出口車路3に進入した場合には、後続車両CR4のフロント部のナンバープレートが先行車両CR3の陰となって撮影されない。
図10は、図9(2)における撮影範囲Rを切り出して示したものであり、図10(1)がこの撮影範囲内に入った実際の車両のフロント部などを示し、図10(2)はこの撮影範囲Rに入った車両のフロント部などをカメラ36により撮影し、キャプチャーボード37によりデジタル化などを行った画像を示している。図10からわかるように、先行車両CR3の車体屋根後部によって後続車両CR4のナンバープレートNPが隠れてしまい、この結果、車両のナンバーは認識不可能となり、ナンバー情報の生成も不可能となる。
図11は、他の駐車場管理システムが適用された駐車場において、先行車両の直後を追走して後続車両が出口車路3を通過する様子を示している。図11(1)に示すように、まず先行車両CR3が出口車路3への進入を開始し、車両CR3のフロント部がトリガーセンサの赤外線ビームを遮る位置に達する。この時点においては、第1のループコイル6から発券機11に検知信号が出力されており、これに応じて発券機11から撮影装置14にトリガー受付許可信号が出力されている。よって、カメラ36による撮影が実行される(この点については入口車路1または2に設置された発券機11および撮影装置14の処理と同じであり、その詳細は図4および図5を参照)。仮に先行車両CR3が事前精算済みの車両または契約車であった場合、車両CR3は出口料金精算機16で精算処理をする必要がなく、即座にゲートバー12が上がる。
続いて、図11(2)に示すように、ゲートバー12が上がっているゲートを通過しようとする先行車両CR3の直後を後続車両CR4が追走してきたとする。そして、図11(3)に示すように、後続車両CR4のフロント部がトリガーセンサの赤外線ビームを遮る位置に達すると、カメラ36により撮影が実行される。この場合、撮影画像は、図9中(2)または図10に示すような、後続車両CR4のナンバープレートが先行車両CR3の車体屋根後部により隠れた画像となる。
続いて、図11(4)に示すように、先行車両CR3が第2のループコイル7を通過しきった位置まで進むと、ゲートバー12が下がる方向に動作を開始する。一方、後続車両CR4は出口料金精算機16の位置に達している。後続車両CR4が未清算であれば、後続車両CR4は出口料金精算機16の位置で停止して料金精算を行う必要がある。
しかし、図11(5)に示すように、後続車両CR4が出口料金精算機16の位置で停止せずに無理やりゲート前を通過しようとしたとする。この場合、車両CR4がゲート開閉機13に取り付けられた超音波センサ15の検出軸位置を遮ることによって、ゲート開閉機13の安全装置が働き、ゲートバー12が上がる方向に動作する。このようにして後続車両CR4は先行車両CR3の直後を追走して、ゲートバー12に接触することなく、未清算のまま不正に出場することができてしまう。なお、この超音波センサ15の安全装置は、ゲート周辺を歩行する人に対しての安全対策であり、または第2のループコイル7の検知状態が不安定だった場合の安全装置としても作用するため、必要不可欠なもので、不正出場を阻止するためにこのような安全装置を省くことは困難である。
上述したように、本実施形態の駐車場管理システム100では、精算を済ませた車両が出場した場合には、当該車両の駐車情報およびナンバー情報を在車データベース46および撮影装置14のメモリー32から消去される。ところが、図11に示す後続車両CR4のように、車両が駐車場を不正に出場した場合には、当該車両の駐車情報およびナンバー情報が在車データベース46から消去されない。これが、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車として当該車両のナンバー情報の記憶が残ってしまう原因の1つである。
そこで、本実施形態の駐車場管理システム100は次のような機能を備えている。すなわち、後続車両CR4のように、先行車両の直後を追走して出口車路3または4を通過する後続車両のフロント部だけでなく、当該後続車両の運転席部をも撮影する。運転席部の撮影画像には当該後続車両のドライバの顔が写っているので、この撮影画像は不正出場の常習者を特定する根拠となり得、このような撮影を実施していることを任意の手段で利用者に知らしめれば、不正出場の抑制につながる。不正出場を抑制することができれば、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車として当該車両のナンバー情報の記憶が残るといった事態の発生を減らすことができる。
図12は、本発明の実施形態である駐車場管理システム100が適用された駐車場において、後続車両が先行車両の直後を追走して出口車路3を通過する様子を示している。図12(1)に示すように、まず先行車両CR3が出口車路3への進入を開始し、車両CR3のフロント部がトリガーセンサの赤外線ビームを遮る位置に達する。この時点においては、第1のループコイル6から発券機11に検知信号が出力されており、これに応じて発券機11から撮影装置14にトリガー受付許可信号が出力されている。よって、カメラ36による撮影が実行される(この点については入口車路1または2に設置された発券機11および撮影装置14の処理と同じであり、その詳細は図4および図5を参照)。仮に先行車両CR3が事前精算済みの車両または契約車であった場合、車両CR3は出口料金精算機16で精算処理をする必要がなく、即座にゲートバー12が上がる。
続いて、図12(2)に示すように、ゲートバー12が上がっているゲートを通過しようとする先行車両CR3の直後を後続車両CR4が追走してきたとする。そして、図12(3)に示すように、後続車両CR4のフロント部がトリガーセンサの赤外線ビームを遮る位置に達すると、カメラ36により撮影が実行される。この場合、撮影画像は、図9中(2)または図10に示すような、後続車両CR4のナンバープレートが先行車両CR3の車体屋根後部により隠れた画像となる。
続いて、図12(4)に示すように、先行車両CR3が第2のループコイル7上を通過した位置まで進んだ時点において、後続車両CR4の運転席部がカメラ36の撮影範囲Rに入る。この時点において、撮影装置14のカメラ36が再び撮影を実行する。具体的には、先行車両CR3が第2のループコイル7を通過したことにより第2のループコイル7から出力される検出信号が停止した(OFFになった)タイミングで、発券機11から撮影装置14に運転席部撮影信号を出力し、この運転席部撮影信号の入力をきっかけとして撮影装置14の中央演算処理部31がカメラ36を制御し、後続車両CR4の運転席部の撮影を実行する。
先行車両CR3が第2のループコイル7を通過しきった位置まで進むと、ゲートバー12が下がる方向に動作を開始する。しかし、図12中の(5)に示すように、後続車両CR4が出口料金精算機16の位置で停止せずに無理やりゲート前を通過しようとすると、ゲート開閉機13に取り付けられた超音波センサ15の検出軸位置を遮ることによって、ゲート開閉機13の安全装置が働き、ゲートバー12が再び上がる方向に動作する。これにより、後続車両CR4はゲートを通過することができる。
このように本実施形態の駐車場管理システム100を適用した駐車場においても、後続車両CR4は未精算のまま不正出場を容認してしまう。しかし、駐車場管理システム100によれば、不正出場した後続車両CR4の運転席部の撮影画像に基づいて、不正出場を将来に向けて抑制することができる。すなわち、後続車両CR4のフロント部の撮影(第1発目の撮影)により得られた画像は、キャプチャーボード37によりデジタル化処理などが施され、このデジタル化処理などが施された画像から、当該後続車両CRのナンバープレートおよびその周辺部分を含む画像(フロント部画像)が抽出される。このフロント部画像は、図10(2)に示すような画像である。また、後続車両CR4の運転席部の撮影(第2発目の撮影)により得られた画像は、キャプチャーボード37によりデジタル化処理などが施され、このデジタル化処理などが施された画像から、当該後続車両CR4のフロントガラス部分の画像(運転席部画像)が抽出される。そして、これら抽出されたフロント部画像および運転席部画像は、撮影時刻を示す情報を含む駐車情報と共に撮影装置14から端末装置21に送信され、画像データベース47に記憶される。画像データベース47に記憶された後続車両CR4のフロント部画像はナンバープレートが先行車両CR3の車体屋根後部に隠れているため、このフロント部画像により後続車両CR4のナンバーを直接特定することはできないが、このフロント部画像に基づいて、当該後続車両CR4の入場時にフロント部画像を画像データベース47内から見つけ出すことができる。そして、この当該後続車両CR4の入場時にフロント部画像に付加された第1次駐車情報に基づき、当該後続車両CR4の第2次駐車情報を特定することができ、この第2次駐車場が付加されたナンバー情報を特定することができる。例えば当該車両CR4のナンバー情報がブラックリストデータベース49に記憶された後に、当該車両CR4が再び来場した際には、上記特定したナンバー情報に基づいて当該車両CR4の来場を認識し、当該車両CR4の運転席部画像を事前料金精算機17や出口料金精算機16の表示部に表示することが可能になる。あるいは、当該車両CR4の運転席部画像を駐車場内にポスターとして掲示することも可能である。このような方法により、不正出場を抑制することができ、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車として当該車両のナンバー情報の記憶が残るといった事態の発生をも減らすことができる。なお、運転席部画像にはドライバの顔が写っているため、運転席部画像を表示ないし掲示する場合には個人のプライバシー保護の観点を十分に考慮する必要がある。なお、図12(5)において、後続車両CR4が出口料金精算機16の位置で停止し、精算処理を行った場合には、図12(4)における撮影により取得した運転席部画像を直ちに消去することが望ましい。または、図12(3)に示すように先行車両CR3と後続車両CR4により、第1、第2のループコイル6,7が同時に車両検知状態である時に、車両CR4によりトリガーセンサの赤外線ビームを遮った場合のみ、その後の図12(4)の後続車両CR4の撮影を行うように限定してもよい。
ところで、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場してしまう車両は、上述したような不正出場車両だけではない。事前精算を済ませた車両または契約車が先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場してしまう場合もある。このため、事前精算を済ませた車両または契約車と不正出場車両とを区別し、不正出場車両に対する警告を、事前精算を済ませた車両または契約車に対して誤って行ってしまうことを防ぐことが望まれる。そこで、本実施形態の駐車場管理システム100は、事前精算しかつ出場処理をしていない車両または定期駐車契約をしている車両(契約車)の入場時のフロント部画像と、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場してしまった車両のフロント部画像または運転席部画像とを画像データベース47から読み出し、これらの画像を端末装置21のディスプレイ42に比較可能に表示する機能を備えている。この機能により、係員は、ディスプレイ42に表示された画像を見比べることにより、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場してしまった車両が、事前精算しかつ出場処理をしていない車両または契約車であるか否かを特定することができる。そして、係員は、事前精算しかつ出場処理をしていない車両または契約車のナンバー情報を、在車残りデータベース48またはブラックリストデータベース49から消去することができる。これにより、不正出場車両に対する警告を、事前精算を済ませた車両または契約車に対して誤って行ってしまうことを防ぐことができる。
図13は、在車データベース46に記憶された第2次駐車情報のリストを示している。図14は、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場してしまった車両のフロント部画像と事前精算しかつ出場処理をしていない車両または契約車の入場時のフロント部画像とをディスプレイ42に比較可能に表示した状態を示している。
図13に示すように、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両が出現したときに、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両の出場時刻(例えば第2のループコイル7上を通過した時刻)を終端時刻とし、この終端時刻から所定時間前の時刻を始端時刻とし、入場時刻が始端時刻から終端時刻までの間に含まれる第2次駐車情報をリストアップする。このとき、リストアップされた第2次駐車情報に対応する車両について記憶されている精算済みフラグおよび精算時刻をもリストに加える。なお、精算済みフラグおよび精算時刻は、当該車両のドライバが事前精算を行ったときに例えば第2次駐車情報に付加されて在車データベース46に記憶される。図13に示すリストを見ると、駐車券番号R1223、R1224およびL1052にそれぞれ対応する3台の車両が事前精算済みの車両であることがわかる。
図14に示すように、ディスプレイ42中には、(1)図13中に示すリスト、(2)先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両の出場時のフロント部画像、および(3)図13中にリストアップされた第2次駐車情報に対応する車両のうち、事前精算済みの3台の車両の入場時のフロント部画像が表示されている。係員は、このディスプレイ42を見て、駐車券番号R1224に対応する車両の入場時のフロント部画像が、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両の出場時のフロント部画像に似ていることを判断し、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両が駐車券番号R1224に対応する車両であり、つまりこの車両が事前精算済みの車両であることを認識することができる。同様な方法により、先行車両の直後を追走して出口料金精算機16位置で停止せずに出場した車両が契約車であることの認識も可能である。
なお、上述した駐車場管理システム100では、圧縮またはモノクロ2値化などの画像処理を施す前のフロント部画像などを撮影装置14から端末装置21に送信し、画像データベース47に記憶する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らず、圧縮またはモノクロ2値化などの画像処理を施した後のフロント部画像などを撮影装置14から端末装置21に送信し、画像データベース47に記憶してもよい。
また、上述した駐車場管理システム100では、ナンバープレートを含む入場時のフロント部画像に対して文字認識処理を行うことにより、車両のナンバーをテキスト情報として取得する場合を例にあげた。この文字認識処理には、OCR(Oprical Character Recognition:光学文字認識)方式、パターンマッチング方式またはこれらの方式を併用した方式などを採用することができる。
また、上述した駐車場管理システム100では、先行車両が出口車路3または4に埋設された第2のループコイル7上を通過した位置まで進んだ時点において、後続車両の運転席部を撮影する場合を例にあげたが、後続車両の運転席部を撮影するタイミングの取り方はこれに限らない。例えば、先行車両が超音波センサ15の検出軸位置を遮ったことを検出し、この検出をきっかけにして撮影を実行してもよい。また、後続車両の運転席部を撮影するタイミングを決めるためのセンサを別途設置してもよい。また、運転席部の撮影時に別途フラッシュを炊くことや、ブザー音を発してドライバに撮影されたことを認識させる手段を採用することも、不正出場の抑止に効果的である。
また、上述した駐車場管理システム100では、在庫データベース46内に同一のナンバー情報が見つかった場合には、これら同一のナンバー情報のうちの旧いナンバー情報を在庫データベース46から在車残りデータベース48に移動させる場合を例にあげたが、同一ナンバー情報のうちの、新しいナンバー情報のデータベースシステム23における記憶態様と旧いナンバー情報のデータベースシステム23における記憶態様とを互いに異ならせるための他の構成を採用してもよい。例えば、旧いナンバー情報にだけ固有の識別情報を付すことにより、旧いナンバー情報と新しいナンバー情報とを識別可能としてもよい。この場合には、旧いナンバー情報を異なるデータベース間で移動させる必要はない。もっとも、旧いナンバー情報を在庫データベース46から在車残りデータベース48に移動させることにより、実際には出場しているにもかかわらず在車データベース46に在車としての記憶が残っていた車両のナンバー情報の取り扱いが容易になる。
また、上述した駐車場管理システム100では、ブラックリスト入り車両のドライバに対し、警告メッセージの音声出力および警告メッセージの駐車券への印字を発券機11により行う場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、警告メッセージを駐車券に印字することに代えまたは加え、警告すべきことを示す情報(指令)などを駐車券に磁気記録してもよい。不正退場の常習者であることが磁気記録されていることで、その後事前料金精算機や出口料金精算機に挿入した段階で、その装置に取り付けられている大きな画面で警告文を表示できるというメリットがある。また、レジにおける割引処理時点などでも、レジ担当者に不正退場常習者を通知する仕組みを容易に構築できる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。