JP2010106338A - 導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置 - Google Patents

導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性の液体中の構造物に設置された電極からの電流を測定する際に測定対象電極を構造物から取り外す必要がなく、簡易な構成で低コストに測定対象電極からの電流を測定することができる、導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置を提供する。
【解決手段】導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法であって、測定対象電極の近傍に1又は複数の付加電極を設置し、1又は複数の付加電極に電流を印加し、測定対象電極と前記1又は複数の付加電極の周囲の2つ以上の位置において電位を測定し、測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されていることを検知できるようにし、測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されているときの、1又は複数の付加電極に印加した電流値に基づいて、測定対象電極からの電流の推定値を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、海洋プラント、船舶等の導電性の液体(例えば海水)中の構造物に設置された電極からの電流測定方法及び電流測定装置に関する。
海洋プラント、船舶等の海洋構造物は、周囲を海水に囲まれ、厳しい腐食環境下にある。このような液中の構造物の腐食を防止するための方法として、電気防食を行う方法がある。電気防食では、海水中及び海底土中の鋼材を電気化学的手法を用いて防食する。即ち、鋼材から電解質(海水)へ流れ出ようとする腐食電流に打ち勝つだけの直流電流を、外部から鋼材へ連続的に流し込むことにより、鋼材がイオン化(腐食)するのを防止する。
電気防食の方式の一つに、流電陽極方式と呼ばれる技術がある。流電陽極方式は、金属のイオン化傾向の高低を利用したもので、鉄よりイオン化傾向の高い金属(Al、Zn、Mg等)を鉄と繋ぎ、鉄がイオン化(腐食)するのに代わって、それらの金属がイオン化することにより鋼材の腐食を防ぐものである。即ち、防食する鋼材を陰極にして、鋼材よりもイオン化傾向の高い(卑)金属を犠牲陽極として電池を完成させ、両極間の電位差によって防食電流を流す方法である。
図16は、海水などの導電性の液体20と接する金属構造物1の、流電陽極方式による電気防食について説明する図である。金属構造物1と液体20の境界には、ペイント2が塗布されている。金属構造物1の腐食を防止するために、金属構造物1を構成する金属よりイオン化傾向の高い(卑)金属から成る犠牲陽極3(金属構造物1を構成する金属が鉄の場合は、犠牲陽極3をアルミニウム合金等にする。)を、金属構造物1が液体20に触れる部位に溶接等により設置する。金属構造物1と犠牲陽極3とは、電気的に導通性を有するように接続する。犠牲陽極3は金属構造物1よりイオン化傾向が大きいので、図16の点線の矢印で示される向きに防食電流が流れ、金属構造物1を構成する金属がイオン化して腐食するのが防止される。
また、導電性の液体中に溶解した陽イオンが液体中の構造物に付着するのを防止するために、構造物の近傍に犠牲陰極を設置する場合もある。犠牲陰極は構造物よりイオン化傾向の小さい(貴)金属で構成されるため、構造物と犠牲陰極との間に電圧の降下が生じ、陽イオンは構造物ではなく犠牲陰極に付着するようになる。
このような犠牲陽極や犠牲陰極等の電極からの電流を定量的に測定できれば、電極の寿命予測や構造物のペイントの劣化状態の把握が可能になり有効である。従来、このような電極からの電流は、電極と構造物の間にシャント抵抗を挿入すると共に、電極の芯金を構造物から切り離して、電圧降下法によって測定する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図17は、犠牲陽極から流出する防食電流を、電圧降下法を用いて測定する装置の具体例を示す図である(特許文献1参照)。図17に示した装置は、金属構造物101に薄型溝106が固定され、電気絶縁体103を介して溝型鋼106と犠牲陽極102の芯金121が絶縁ボルトナット141で固定されている。更に、片方の陽極芯金121及び溝型鋼106は、それぞれ直流電流測定器105の端子143及び端子144と接続されている。直流電流測定器105内にはシャント抵抗があり、そのシャント抵抗の両端にはケーブル107の芯線が接続されると共に、ケーブル107は地上まで導かれている。
港湾技研資料 No.475 港湾構造物の電気防食調査(その1) 運輸省港湾技術研究所 1984年3月発行 特開2005−264286号公報
上述のように、犠牲陽極と金属構造物との間にシャント抵抗を挿入し、さらに犠牲陽極の芯金を金属構造物から切り外して、電圧降下法により犠牲陽極から発生する防食電流を測定していたのでは、犠牲陽極を金属構造物から切り外すために長時間を要し、且つそのための作業費用も高額になる。
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、導電性の液体中の構造物に設置された電極からの電流を測定する際に測定対象電極を構造物から取り外す必要がなく、簡易な構成で低コストに測定対象電極からの電流を測定することができる、導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置を提供することにある。
本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法に関し、本発明の上記目的は、前記測定対象電極の近傍に1又は複数の付加電極を設置し、前記1又は複数の付加電極に電流を印加し、前記測定対象電極と前記1又は複数の付加電極の周囲の2つ以上の位置において電位を測定し、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されていることを検知できるようにし、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されているときの、前記1又は複数の付加電極に印加した電流値に基づいて、前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることによって達成される。
また、本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法に関し、本発明の上記目的は、前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置に付加電極1を設置し、前記付加電極1と前記構造物の間に電流を印加し、前記基準線に関して互いに対称な2つの位置の間の電位差を測定し、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることによって達成される。
更に、本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法に関し、本発明の上記目的は、前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置に付加電極1を設置すると共に、前記測定対象電極の近傍に付加電極2を設置し、前記付加電極2から前記付加電極1の向きに電流を印加し、前記基準線に関して互いに対称な2つの位置の間の電位差を測定し、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることによって達成される。
本発明の上記目的は、前記構造物の前記測定対象電極及び前記付加電極1の近傍の形状が、前記基準線及び前記断面に関して対称になっていることによって、或いは前記電位差を測定する前記2つの位置が、前記断面上の前記平面上にあることによって、或いは前記電位差が0のときの前記印加電流値の2倍の値を、前記測定対象電極からの電流の推定値とすることによって、或いは前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal、前記構造物の自然電位を−βcとしたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
Icomp=2(φc0−βc)Ioa/(φcbal−βc)
とすることによって、或いは電流を印加するための付加電極3を設置し、前記付加電極3から電流を印加しないときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbalとし、前記付加電極3から電流を印加したときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa´、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal´とし、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0としたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
とすることによって、或いは前記構造物が円筒型であり、前記基準線は前記構造物の前記断面である円の中心を通り、前記測定対象電極を前記円の中心を中心として回転させた位置に前記付加電極1、及び前記電位差を測定するための前記2つの位置があると共に、前記付加電極1、及び前記電位差を測定するための前記2つの位置が同一の円周上にあることによって、より効果的に達成される。
本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置に関し、本発明の上記目的は、前記測定対象電極の近傍に設置され、電流を印加するようになっている1又は複数の付加電極と、前記測定対象電極と前記1又は複数の付加電極の周囲に設置され、電位を測定するための2つ以上の参照電極とを備え、前記2つ以上の参照電極が測定した電位によって、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されていることを検知して、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されているときの、前記1又は複数の付加電極に印加した電流値に基づいて、前記測定対象電極からの電流の推定値を求めことによって達成される。
また、本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置に関し、本発明の上記目的は、前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置にある付加電極1と、前記付加電極1と前記構造物の間に電流を印加するための直流電源と、前記印加電流値を測定するための電流測定手段と、前記基準線に関して互いに対称な位置にある2つの参照電極1及び参照電極2と、前記参照電極1と前記参照電極2の間の電位差を測定する電圧測定手段とを備え、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めるようにしたことによって達成される。
更に、本発明は、導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置に関し、本発明の上記目的は、前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置にある付加電極1と、前記測定対象電極の近傍にある付加電極2と、前記付加電極2から前記付加電極1の向きに電流を印加するための直流電源と、前記印加電流値を測定するための電流測定手段と、前記基準線に関して互いに対称な位置にある2つの参照電極1及び参照電極2と、前記参照電極1と前記参照電極2の間の電位差を測定する電圧測定手段とを備え、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めるようにしたことによって達成される。
本発明の上記目的は、前記構造物の前記測定対象電極及び前記付加電極1の近傍の形状が、前記基準線及び前記断面に関して対称になっていることによって、或いは前記参照電極1及び前記参照電極2が、前記断面上の前記平面上にあることによって、或いは前記電位差が0に近づくように、前記直流電源の前記印加電流を制御する制御部を更に備えたことによって、或いは前記電位差と前記印加電流値を入力し、前記電位差が0のときの前記印加電流値から、前記測定対象電極の電流の推定値を算出する解析部を更に備えたことによって、或いは前記解析部が、前記電位差が0のときの前記印加電流値の2倍の値を、前記測定対象電極からの電流の推定値とすることによって、或いは前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal、前記構造物の自然電位を−βcとしたとき、前記解析部は、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
Icomp=2(φc0−βc)Ioa/(φcbal−βc)
とすることによって、或いは電流を印加するための付加電極3を更に備え、前記付加電極3から電流を印加しないときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbalとし、前記付加電極3から電流を印加したときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa´、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal´とし、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0としたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
とすることによって、或いは前記構造物が円筒型であり、前記基準線は前記構造物の前記断面である円の中心を通り、前記測定対象電極を前記円の中心を中心として回転させた位置に前記付加電極1、前記参照電極1、及び前記参照電極2を配置すると共に、前記付加電極1、前記参照電極1、及び前記参照電極2を同一の円周上に配置するようにしたことによって、より効果的に達成される。
本発明による導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置によれば、導電性の液体中の構造物に設置された電極からの電流を測定する際に測定対象電極を構造物から取り外す必要がなく、簡易な構成で低コストに測定対象電極からの電流を測定することができる。そのため、導電性の液体中の構造物に設置された電極からの電流の測定を、容易に行うことができる。
本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置によると、測定対象電極の近傍に1又は複数の付加電極を設置し、1又は複数の付加電極に電流を印加して、測定対象電極の回りの電位分布と対称又は反対称な電位分布を形成するようにする。そして、測定対象電極の回りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されたときの、1又は複数の付加電極に印加した電流値から、測定対象電極からの電流の推定値を求める。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における、海水などの導電性の液体20の中の金属構造物1に設置された犠牲陽極3を示している。図1(a)は金属構造物1と犠牲陽極3を示す正面図であり、図1(b)はA−A´面における金属構造物1と犠牲陽極3における断面図である。図1に示されるように、本実施形態では金属構造物1は円筒形になっており、例えば海洋構造物に使用される円筒型の支柱に該当する。
図2(a)は本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の配置を示すA−A´面における断面図であり、図2(b)は導電性の液体中における電極の電流測定装置の配線を模式的に示す図である。図2(a)に示されるように、本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置は、金属構造物1のA−A´面における断面の円の中心Oを通る基準線BLに関して、A−A´面上で犠牲陽極3と対称な位置にある付加電極4と、A−A´面上で基準線BLに関して互いに対称な位置にある参照電極5A及び参照電極5Bとを具備している。
図2(b)に示されるように、付加電極4と金属構造物1は導線で繋げられており、その導線上には直流電源6と、付加電極4と金属構造物1との間に印加される電流値Ioaを測定するための電流計7とが設置されている。また、参照電極5Aと参照電極5Bは導線で繋げられており、その導線上には、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vを測定するための電圧計8が設置されている。直流電源6は制御部9によって、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0になるように制御される。電流計7で測定された印加電流値Ioaと、電圧計8で測定された電位差Vは解析部10に入力され、解析部10は電位差Vが0のときの印加電流値Ioaから、印加電流値Ioaが0の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める。
次に、本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置によって、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める原理について説明する。本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置では、付加電極4から発生する印加電流値Ioaを徐々に増加させて、犠牲陽極3から発生する電流値Iaと付加電極4から発生する印加電流値Ioaとが等しくなるようにする。Ioa=Iaのとき、付加電極4と犠牲陽極3は等価になり、付加電極4は基準線BLに関して犠牲陽極3と対称な位置にあるので、液体20中の電位分布は基準線BLに関して対称になる。そのため、Ioa=Iaのとき、基準線BLに関して対称な位置にある2つの参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vは0になる。この性質より、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vを0になるようにすることによって、印加電流値Ioaを犠牲陽極3から発生する電流値Iaと等しくすることができる。
ここで、Ioa=Iaのとき、印加電流値Ioaが0の通常時に犠牲陽極3から発生する電流値I0が、犠牲陽極3から発生する電流値Iaと付加電極4から発生する電流値Ioaとに均等に割り振られると仮定する。そうすると、通常時に犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値は、Ioa=Iaのときの印加電流値Ioaを2倍にすることによって求めることができる。
本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置によって、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める手順は、以下のようになる。先ず、制御部9によって直流電源6を制御して、電圧計8によって測定される参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0になるまで、付加電極4から発生する印加電流値Ioaを増加させる。そして、解析部10は、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0のときに入力された印加電流値Ioaに基づいて、印加電流値Ioaが0のときの通常時において犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める。例えば、電位差Vが0のときの印加電流値Ioaの2倍の値を、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値とする。
ここで数値解析によって、本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、印加電流値Ioaが0のときの電位分布と、印加電流値Ioaと犠牲陽極3から発生する電流値Iaが等しくなったときの電位分布を求めて、本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置による通常時の犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値と、実際の犠牲陽極3から発生する電流値I0との比較を行ってみる。本数値解析では、金属構造物1の材質を鋼とし、犠牲陽極3の材質をアルミニウムとする。また、付加電極4は、点Oを中心として犠牲陽極3を45°だけ回転させた位置にあるとする。
海水で満たされた領域Ω内の電位は、下記数1のラプラス方程式を満たす。
領域Ωは、境界を通過する電流密度iが指定された境界Γ、電位φが指定された境界Γ及び金属境界Γの3種類の境界で囲まれているとする。各境界における境界条件は下記数2〜数4で与えられる。
上記数2において、κは海中の電気伝導度であり、n方向の微分は外向き法線方向の微分
を表し、iは定数である。上記数3のφは定数である。上記数4のf(i)は金属の
分極曲線であり、上記数4の境界条件は線形近似によって下記数5のように表現される。
(数5)
φ=β―R・i
上記数5において、Rは金属の表面抵抗、−βは金属の自然電位である。
本実施形態における数値解析では、領域Ωを開領域として考える。領域Ωの境界は、金属構造物1の表面境界Γ、犠牲陽極3の表面境界Γ、付加電極4の表面境界Γoa及び無限遠境界Γから成る。各境界の種類と境界条件は表1のようになる。
数値解析は、上記数1の支配方程式を表1に示される境界条件の下で解くことによって行う。図3は本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、数値解析を行う計算領域CAを示すA−A´面における断面図である。計算領域CAは、図3のグレーの部分であり、金属構造物1からの距離が一定で基準線BLから±90°の範囲になる。本数値解析によって求められた電位分布は図4のようになり、図4(a)は印加電流値Ioaが0のときの電位分布を示しており、図4(b)は印加電流値Ioaと犠牲陽極3から発生する電流値Iaとが等しいときの電位分布を示している。図4(a)及び図4(b)の横軸は計算領域CA上の点の位置を、その点と金属構造物1の基準線BLとが成す角(°)で表しており、縦軸は電位(V)である。図4(a)及び図4(b)の実線は基準線BLから反時計回りに回転した位置における電位分布を示しており、点線は基準線BLから時計回りに回転した位置における電位分布を示している。
Ioa=0の場合、図4(a)より、電位は犠牲陽極3の近傍において最も高くなり、犠牲陽極3から離れる程低くなっている。Ioa=Iaの場合、図4(b)より、電位は犠牲陽極3及び付加電極4の近傍において最も高くなっており、犠牲陽極3及び付加電極4の近傍を除いた領域では、電位分布が基準線BLに関して対称になっている。従って、基準線BLに関して対称で、犠牲陽極3及び付加電極4からある程度は離れた2つの位置に設置された参照電極間の電位差Vが0になったときに、付加電極4から発生する印加電流値Ioaが犠牲陽極3から発生する電流値Iaと等しくなることが確認できる。
本数値解析によって求めた、印加電流値Ioa、犠牲陽極3から発生する電流値Ia、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0をまとめると表2のようになる。
表2の(1)はIoa=0のときの各電流値を示しており、表2の(2)はIoa=Iaのときの各電流値を示している。表2の(2)のI0の列に示されている値は、Ioa=0の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値の推定値I0´=3.676(A)で、Ioa=Iaのときの印加電流値Ioa=1.838(A)を2倍にした値である。この値は、実際の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0=2.195(A)よりも大きな値になっている。
通常時における犠牲陽極3から発生する電流値の推定値I0´=3.676(A)が、実際の電流値I0=2.195(A)よりも大きくなったのは、以下のような原因が挙げられる。付加電極4に電流を印加すると、犠牲陽極3からの電流量が減少し、そのため表1の境界条件からも分かるように、犠牲陽極3の表面の電位は上昇する。図5はこのメカニズムを示す図であり、金属構造物1の鋼の分極曲線と、犠牲陽極3のアルミニウムの分極曲線を示している。図5(a)は付加電極4から発生する印加電流値Ioaが0の通常時における、犠牲陽極3と金属構造物1の発生・吸収電流量の釣り合いを表しており、図5(b)は付加電極4から電流を印加したときの、犠牲陽極3と金属構造物1の発生・吸収電流量の釣り合いを表している。図5より、付加電極4から電流を印加することによって、犠牲陽極3から発生する電流量I1がIaに減少し、その結果鋼に吸収される総電流量がI1からI1´に増加することが分かる。そのため、Ioa=Iaのときの印加電流値Ioaを2倍にして求めた通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値I0´は、実際の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0よりも大きな値を示す。
付加電極4から電流を印加することによる犠牲陽極3からの電流値Iaの減少を防ぐようにしたのが、図6に示される本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の第2実施形態である。本実施形態においても金属構造物1は円筒形の支柱であり、図6(a)は本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の配置を示すA−A´面における断面図であり、図6(b)は導電性の液体中における電極の電流測定装置の配線を模式的に示す図である。図6(a)に示されるように、本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置は、犠牲陽極3の近傍に設置された付加電極4Bと、基準線BLに関してA−A´面上で犠牲陽極3と対称な位置に設置された付加電極4Aと、A−A´面上で基準線BLに関して互いに対称な位置に参照電極5A及び参照電極5Bを設置する。
図6(b)に示されるように、付加電極4Aと付加電極4Bは導線で繋ぎ、その導線上には直流電源6を設けて、付加電極4Bから付加電極4Aの向きに電流を印加するようにすると共に、印加電流値Ioaを測定するために、電流計7が設置してある。また、参照電極5Aと参照電極5Bは導線で繋ぎ、その導線上には、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vを測定するための電圧計8が設置されている。制御部9は、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0になるように直流電源6を制御する。電流計7で測定された印加電流値Ioaと、電圧計8で測定された電位差Vは解析部10に入力され、解析部10は電位差Vが0のときの印加電流値Ioaから、印加電流値Ioaが0の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める。
本実施形態では、犠牲陽極3の近傍に設置された付加電極4Bから電流値Ioaの電流を吸い込み、付加電極4Aから電流値Ioaの電流が流れ出るようになっている。このように、犠牲陽極3の近傍に電流を吸い込む付加電極4Bを設置することによって、犠牲陽極3から金属構造物1に流れる電流量の減少分が付加電極4Bに流れ込むようになる。従って、付加電極4Bから発生する印加電流値Ioaが0でないときの犠牲陽極3から発生する電流値Iaが、印加電流値Ioaが0のときの通常時の犠牲陽極3から発生する電流値I0と同じ状態を作り出すことができる。
参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0のとき、犠牲陽極3及び付加電極4Bから金属構造物1に流出する電流値Ia−Ioaと、付加電極4Aから金属構造物1に流出する電流値Ioaとが釣り合うので、下記数6が成り立つ。
(数6)
Ia−Ioa=Ioa
従って、Ia=2Ioaとなり、Ia=I0とみなすことができるので、印加電流値Ioaの2倍の値を、印加電流値Ioaが0のときの通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値とすることができる。
本実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置によって、印加電流値Ioaが0のときの通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める手順は、以下のようになる。先ず、制御部9によって直流電源6を制御して、電圧計8によって測定される参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0になるまで、付加電極4Aから発生する印加電流値Ioaを増加させる。そして、解析部10は、参照電極5Aと参照電極5Bとの間の電位差Vが0のときに入力された印加電流値Ioaに基づいて、印加電流値Ioaが0のときの通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める。例えば、電位差Vが0のときの印加電流値Ioaの2倍の値を、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値とする。
本実施形態において、第1実施形態と同様に、表1に示される境界条件の下で上記数1の支配方程式を解く数値解析を行う。本数値解析においても第1実施形態の場合と同じで、金属構造物1の材質を鋼とし、犠牲陽極3の材質をアルミニウムとする。また、付加電極4Aは、点Oを中心として、犠牲陽極3を45°だけ回転させた位置にあるとする。本数値解析の計算領域CAは、図3に示される第1実施形態における数値解析の計算領域CAと同じである。
本数値解析によって求めた、犠牲陽極3及び付加電極4Bから金属構造物1に流出する電流値Ia−Ioaと、付加電極4Aから金属構造物1に流出する電流値Ioaとが釣り合っているときの電位分布は、図7のようになる。図7の横軸は計算領域CA上の点の位置を、その点と金属構造物1の基準線BLとが成す角(°)で表しており、縦軸は電位(V)である。図7の実線は基準線BLから反時計回りに回転した位置における電位分布を示しており、点線は基準線BLから時計回りに回転した位置における電位分布を示している。図7に示される電位分布は、基準線に関して対称になっていることが確認できる。
本数値解析によって求めた、犠牲陽極3から発生する電流値Iaと、付加電極4Aから印加される電流値Ioaと、通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0は、表3のようになる。
表3の(1)はIoa=0のときの各電流値を示しており、表3の(2)は犠牲陽極3及び付加電極4Bから金属構造物1に流出する電流値Ia−Ioaと、付加電極4Aから金属構造物1に流出する電流値Ioaとが釣り合っているときの各電流値を示している。表3の(2)のI0の列に示される値I0´=2.403(A)は、通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値で、印加電流値Ioaを単純に2倍することで求めた値である。
本実施形態において、数値解析によって求めた通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値はI0´=2.403(A)で、第1実施形態において、数値解析によって求めた通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値はI0´=3.647(A)である。実際の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値がI0=2.195(A)であることから、本実施形態では印加電流値Ioaを単純に2倍するだけで、第1実施形態よりも通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値の精度が向上したことが確認できる。
通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0の推定値を求める際に、金属構造物1の表面近傍の電位の上昇量を考慮して補正することによって、印加電流値Ioaを単純に2倍にして求めた推定値よりも、推定値の精度をより向上させることができる。
参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0のときの印加電流値及び金属構造物1の表面近傍の電位をIoa及びφcbalとし、印加電流値Ioaが0の通常時における金属構造物1の表面近傍の電位をφc0、金属構造物1の自然電位を−βcとする。補正を行った通常時における犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompは、下記数7で与えられる。
(数7)
Icomp=2(φc0−βc)Ioa/(φcbal−βc)
ここで、参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0の金属構造物1の表面近傍の電位φcbal、印加電流値Ioaが0の通常時における金属構造物1の表面近傍の電位φc0、金属構造物1の自然電位−βcは、電圧計測器等によって計測する必要がある。
第2実施形態において行われた数値解析の結果を用いて、数7によって、通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値Icompを求めてみると、結果は表4のようになる。
ここで、付加電極4Aから発生する印加電流値Ioaは1.201(A)であり、通常時における金属構造物1の表面近傍の電位φc0を0.754(V)、電位差Vが0のときの金属構造物1の表面近傍の電位φcbalを0.763(V)としている。
金属構造物1の自然電位βcを0.67(V)とすると、通常時における犠牲陽極3から発生する電流の推定値はIcomp=2.159(A)となる。印加電流値Ioaを単純に2倍して求めた推定値がI0´=2.403(A)であることから、数7によって求めた推定値Icompは、実際の通常時における犠牲陽極3から発生する電流値I0=2.195(A)に近づいていることが確認できる。
また、金属構造物1の自然電位βcを計測するのは困難であるため、表4には、金属構造物1の自然電位βcを±0.02(V)変動させたときの推定値Icompを示してある。βc=0.69(V)のとき、推定値Icomp=2.092(A)となり、実際の電流値I0=2.195(A)からのずれが大きくなっているが、それでも誤差の範囲は10%程度になっている。
このように、第1実施形態及び第2実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、解析部10が、参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0のときの印加電流値Ioaから、上記数7によって通常時における犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompを求めるようにすることによって、推定値の精度を向上させることができる。
数7を用いて犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompを求めるには、計測が困難な金属構造物1の自然電位βcが必要になる。そこで図8に示されるように、電流を印加するための更に別の付加電極4Cを設置するようにして、犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompを求める方法が有る。印加電流値Ioaが0で、付加電極4Cから電流が印加されていない通常時における金属構造物1の表面近傍の電位をφc0とする。そして、付加電極4Cから電流が印加されていないときの、参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0のときの印加電流値及び金属構造物1の表面近傍の電位をIoa及びφcbalとし、付加電極4Cから電流が印加されたときの対称な電位分布が形成されたとき、即ち参照電極5A及び参照電極5Bの間の電位差Vが0のときの印加電流値及び金属構造物1の表面近傍の電位をIoa´及びφcbal´とする。犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompは、下記数8によって求めることができる。
上記数8を用いることによって、金属構造物1の自然電位βcを計測しないで、犠牲陽極3から発生する電流値の推定値Icompを求めることができる。
なお、図8では犠牲陽極3近傍の付加電極4Bから犠牲陽極3と対称な位置にある付加電極4Aに電流を印加するようにした第2実施形態の場合に、更に別の付加電極4Cを設置するようにした例を示しているが、上記数8は第2実施形態に限らず、金属構造物と付加電極の間に電流を印加する第1実施形態において、付加電極4Cを設置した場合にも適用することができる。
第1実施形態及び第2実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、測定対象電極を、金属構造物1を構成する金属よりもイオン化傾向が高い(卑)金属で構成された犠牲陽極3としている。しかし、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、測定対象電極は犠牲陽極に限らず、金属構造物を構成する金属よりもイオン化傾向が小さい(貴)金属で構成された犠牲陰極であっても良い。測定対象電極は、金属構造物との間で電流が流れるようになっている任意の電極であって良い。また、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置において、測定対象電極が設置されている構造物は金属構造物に限らず、測定対象電極との間で測定すべき電流が流れるようになっている任意の構造物であって良い。
第1実施形態及び第2実施形態では、金属構造物1を円筒形にしたが、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、測定対象電極が設置された構造物は任意の形状であって良い。構造物の形状は、例えば図9に示されるように、測定対象電極3が形成する電位分布と付加電極4が形成する電位分布が対称になるように、構造物1の測定対象電極3の近傍の領域(例えば図9の点線で示される円30内の領域)で対称であることが望ましい。
また、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、測定対象電極と、測定対象電極が形成する電位分布と対称な電位分布を形成するための付加電極は、同一平面上に無くても良い。測定対象電極が形成する電位分布と、付加電極が形成する電位分布は、点対称、或いは面対称になれば良い。
本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置において、付加電極を複数設置するようにしても良い。例えば図10の例では2個の付加電極を設けており、付加電極4Eを設けて、付加電極4Eが無いときとは別の条件で、測定対象電極3が形成する電位分布と、付加電極4Dが形成する電位分布とが対称になるようにしている。また、図11の例では3個の付加電極を設けており、測定対象電極3及び付加電極4Hが形成する電位分布と、付加電極4F及び付加電極4Gが形成する電位分布とが対称になるようにして、対称な電位分布が形成されたときの、付加電極4F及び付加電極4Gから印加される電流値と、付加電極4Hから印加される電流値とを測定して、通常時における測定対象電極3からの電流の推定値を求めるようにしている。このとき、付加電極の形や位置が対称になっていなくても、付加電極の代表長さ程度離れた位置で、電位分布が対称になっていれば良い。なお、図10及び図11における楕円の線は、電位の等高線を模式的に表したものである。
第1実施形態及び第2実施形態では、対称な電位分布が形成されていることを検知するために、2つの対称な位置に参照電極5A及び参照電極5Bを設置して、参照電極5Aと参照電極5Bの間の電位差を測定するようにしている。しかし、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、参照電極の数は2つに限定されず、対称な電位分布が形成されていることを検知するために2つ以上の複数の参照電極を設置し、各参照電極の電位を測定するようにしても良い。また、参照電極を移動させることによって、対称な電位分布が形成されていることを検知するようにしても良い。
以上の説明では、対称な電位分布が形成されたときの付加電極に印加された電流値から、測定対象電極の電流の推定値を求めるようにしている。しかし、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、図12に示されるように、測定対象電極3が形成する電位分布と、付加電極4が形成する電位分布とが反対称になるようにして、電位分布が反対称になったときの付加電極に印加された電流値から、測定対象電極3からの電流の推定値を求めるようにしても良い。図12(a)は測定対象電極3と付加電極4の配置例を示す図であり、楕円の線は電位の等高線を模式的に表したものである。図12(b)は線分BB´上の電位分布を模式的に示す図である。
本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置を、図13に示されるような装置で検証する実験を行った。本検証実験において、海21中に設置された防食対象の金属構造物1A及び1Bは、束ねられた2本のステンレス製のパイプで、パイプの長さは1.8m、直径は5cmである。金属構造物1A及び1Bの近傍にアルミ製の犠牲陽極3を設置し、金属構造物1A及び1Bと犠牲陽極3を導線で繋げて、その導線上には電流計9を設置する。通常時に犠牲陽極3から発生する電流値の実測値は、電流計9によってI0=164mAと測定された。
更に本検証実験では、金属構造物1A及び1Bを中心として犠牲陽極3を180°回転させた位置に付加電極4Aを設置し、犠牲陽極3の近傍に付加電極4Bを設置する。付加電極4Aと付加電極4Bは導線で繋げて、その導線上には直流電源6と電流計7を設置する。測定対象電極3と付加電極4A及び4Bによって形成される電位分布が対称になっていることを検知するために、付加電極4B及び付加電極4Aから20cm離れた位置に、それぞれ参照電極5A及び参照電極5Bを設置し、参照電極5Aと参照電極5Bは導線で繋げて、その導線上には電圧計8を設置する。参照電極5B、付加電極4A、金属構造物1A及び1B、犠牲陽極3、付加電極4B、参照電極5Aは、この順番で同一平面上にあるように設置し、深さ約5mの海21中に沈める。
本検証実験では、犠牲陽極3及び付加電極4Bが形成する電位分布と、付加電極4Aが形成する電位分布が対称になるように、直流電源6で付加電極4Bと付加電極4Aの間に電流を印加する。その結果、対称な電位分布が形成されたとき、即ち電圧計8で測定される参照電極5Aと参照電極5Bの間の電位差が0mVになったときの、電流計7によって測定された印加電流値はIoa=86mAとなった。従って、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置では、通常時に測定対象電極3から発生する電流値は、Ioaの2倍の値で、I0´=172mAと推定される。推定値I0´=172mAの実測値I0=164mAに対する誤差は4.8%であり、本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置は、実用的に十分な精度で測定対象電極からの電流値を測定できることが確認できる。
本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の具体的な例を図14及び図15に示す。図14に示される装置では、円筒形の鋼管杭41が金属構造物、アルミ陽極43が犠牲陽極、アルミ管44A及び銅管44Bが付加電極に対応している。銅管44Bからアルミ管44Aの向きに電流が印加されるようになっており、アルミ陽極43及び銅管44Bが形成する電位分布と、アルミ管44Aが形成する電位分布が対称になっているのを検知するために、参照電極45I、参照電極45II、参照電極45IIIの3つの参照電極が設けられている。アルミ管44Aの位置が鋼管杭41からみてアルミ陽極43に対して対称な位置に固定すると共に、銅管44Bをアルミ陽極43に近づけた状態でアルミ陽極43と平行になるように固定するために、アルミ管44A、銅管44B、参照電極45I、45II、45IIIはプラスチック製フレーム46に装着し、プラスチック製フレーム46はアルミ陽極43に固定するようにしてある。
また、図15に示される装置では、付加電極44A、付加電極44Bと、参照電極45I、参照電極45IIの2個の参照電極を設けるようにして、図14に示される装置と同様に、プラスチック製フレームに付加電極44A、付加電極44B、参照電極45I、参照電極45IIを装着して、位置関係を固定するようにしてある。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
金属構造物に設置された犠牲陽極を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、数値解析を行う計算領域CAを示すA−A´面における断面図である。 本発明の第1実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、数値解析によって求めた電位分布を示す図である。 付加電極に電流を印加したときに、犠牲陽極を表面近傍の電位が上昇するメカニズムを説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置において、数値解析によって求めた電位分布を示す図である。 別の付加電極を追加して、新たな条件で対称な電位分布を形成するようにした導電性の液体中における電極の電流測定装置の構成を模式的に示す図である。 測定対象電極が設置される構造物の形状の例を示す図である。 付加電極を複数設置するようにした場合の、付加電極の配置例を示す図である。 付加電極を複数設置するようにした場合の、付加電極の配置例を示す図である。 測定対象電極が形成する電位分布と、付加電極が形成する電位分布とが反対称になる場合の、測定対象電極と付加電極の配置例と、電位分布を示す図である。 本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定方法及び電流測定装置を検証する実験で用いた装置の構成を示す図である。 本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の具体例を示す図である。 本発明に係る導電性の液体中における電極の電流測定装置の具体例を示す図である。 流電陽極方式による電気防食について説明する図である。 犠牲陽極から発生する防食電流を、電圧降下法を用いて測定する装置の具体例を示す図である。
符号の説明
1 金属構造物
3 犠牲陽極、測定対象電極
4、4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H 付加電極
5A、5B、45I、45II、45III 参照電極
6 直流電源
7 電流計
8 電圧計
9 制御部
10 解析部
20 液体
41 鋼管杭
43 アルミ陽極
44A アルミ管、付加電極
44B 銅管、付加電極
46 プラスチック製フレーム
BL 基準線
CA 計算領域

Claims (20)

  1. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法であって、
    前記測定対象電極の近傍に1又は複数の付加電極を設置し、前記1又は複数の付加電極に電流を印加し、
    前記測定対象電極と前記1又は複数の付加電極の周囲の2つ以上の位置において電位を測定し、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されていることを検知できるようにし、
    前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されているときの、前記1又は複数の付加電極に印加した電流値に基づいて、前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  2. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法であって、
    前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置に付加電極1を設置し、前記付加電極1と前記構造物の間に電流を印加し、前記基準線に関して互いに対称な2つの位置の間の電位差を測定し、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  3. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する方法であって、
    前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置に付加電極1を設置すると共に、前記測定対象電極の近傍に付加電極2を設置し、前記付加電極2から前記付加電極1の向きに電流を印加し、前記基準線に関して互いに対称な2つの位置の間の電位差を測定し、前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めることを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  4. 前記構造物の前記測定対象電極及び前記付加電極1の近傍の形状が、前記基準線及び前記断面に関して対称になっている請求項2又は3に記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  5. 前記電位差を測定する前記2つの位置が、前記断面上の前記平面上にある請求項2乃至4のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  6. 前記電位差が0のときの前記印加電流値の2倍の値を、前記測定対象電極からの電流の推定値とする請求項2乃至5のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  7. 前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal、前記構造物の自然電位を−βcとしたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
    Icomp=2(φc0−βc)Ioa/(φcbal−βc)
    とする請求項2乃至5のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  8. 電流を印加するための付加電極3を設置し、
    前記付加電極3から電流を印加しないときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbalとし、
    前記付加電極3から電流を印加したときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa´、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal´とし、
    通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0としたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
    とする請求項2乃至5のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  9. 前記構造物が円筒型であり、前記基準線は前記構造物の前記断面である円の中心を通り、前記測定対象電極を前記円の中心を中心として回転させた位置に前記付加電極1、及び前記電位差を測定するための前記2つの位置があると共に、前記付加電極1、及び前記電位差を測定するための前記2つの位置が同一の円周上にある請求項2乃至8のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定方法。
  10. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置であって、
    前記測定対象電極の近傍に設置され、電流を印加するようになっている1又は複数の付加電極と、前記測定対象電極と前記1又は複数の付加電極の周囲に設置され、電位を測定するための2つ以上の参照電極とを備え、
    前記2つ以上の参照電極が測定した電位によって、前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されていることを検知して、
    前記測定対象電極の周りの電位分布と対称又は反対称な電位分布が形成されているときの、前記1又は複数の付加電極に印加した電流値に基づいて、前記測定対象電極からの電流の推定値を求めことを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  11. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置であって、
    前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置にある付加電極1と、前記付加電極1と前記構造物の間に電流を印加するための直流電源と、前記印加電流値を測定するための電流測定手段と、前記基準線に関して互いに対称な位置にある2つの参照電極1及び参照電極2と、前記参照電極1と前記参照電極2の間の電位差を測定する電圧測定手段とを備え、
    前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めるようにしたことを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  12. 導電性の液体中の構造物に設置された測定対象電極からの電流値を測定する装置であって、
    前記構造物の断面上にある基準線に関して、前記断面上の平面上にある前記測定対象電極と対称な位置にある付加電極1と、前記測定対象電極の近傍にある付加電極2と、前記付加電極2から前記付加電極1の向きに電流を印加するための直流電源と、前記印加電流値を測定するための電流測定手段と、前記基準線に関して互いに対称な位置にある2つの参照電極1及び参照電極2と、前記参照電極1と前記参照電極2の間の電位差を測定する電圧測定手段とを備え、
    前記電位差が0のときの前記印加電流値に基づいて前記測定対象電極からの電流の推定値を求めるようにしたことを特徴とする導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  13. 前記構造物の前記測定対象電極及び前記付加電極1の近傍の形状が、前記基準線及び前記断面に関して対称になっている請求項11又は12に記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  14. 前記参照電極1及び前記参照電極2が、前記断面上の前記平面上にある請求項11乃至13のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  15. 前記電位差が0に近づくように、前記直流電源の前記印加電流を制御する制御部を更に備えた請求項11乃至14のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  16. 前記電位差と前記印加電流値を入力し、前記電位差が0のときの前記印加電流値から、前記測定対象電極の電流の推定値を算出する解析部を更に備えた請求項11乃至15のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  17. 前記解析部が、前記電位差が0のときの前記印加電流値の2倍の値を、前記測定対象電極からの電流の推定値とする請求項16に記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  18. 前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal、前記構造物の自然電位を−βcとしたとき、
    前記解析部は、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
    Icomp=2(φc0−βc)Ioa/(φcbal−βc)
    とする請求項16に記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  19. 電流を印加するための付加電極3を更に備え、
    前記付加電極3から電流を印加しないときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbalとし、
    前記付加電極3から電流を印加したときで、前記電位差が0のときの前記印加電流値をIoa´、前記電位差が0のときの前記構造物の表面近傍の電位をφcbal´とし、
    通常時の前記構造物の表面近傍の電位をφc0としたとき、前記測定対象電極からの電流の推定値Icompを、
    とする請求項16に記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
  20. 前記構造物が円筒型であり、前記基準線は前記構造物の前記断面である円の中心を通り、前記測定対象電極を前記円の中心を中心として回転させた位置に前記付加電極1、前記参照電極1、及び前記参照電極2を配置すると共に、前記付加電極1、前記参照電極1、及び前記参照電極2を同一の円周上に配置するようにした請求項11乃至19のいずれかに記載の導電性の液体中における電極の電流測定装置。
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