JP2010106288A - 処理液槽 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給液機構及び排液機構を備えると共に、ワーク通過口88を有するゲート装置85を備えている処理液槽である。ワーク通過口88は、垂直姿勢の板状ワークが通過可能で上下方向に細長いスリット状開口部88bと、該スリット状開口部88bの上端に形成された拡張開口部88aとを有し、前記ゲート装置85は、スリット状開口部88bを開閉するゲート部材と、該ゲート部材とは別に、前記拡張開口部88aを開閉するシャッター板150と、を備えている。前記シャッター板150には、処理液槽15内に配置された浮子151を連動連結し、処理液槽15内の処理液の増減に伴う浮子の昇降により、シャッター板150を開位置と閉位置との間で位置変更する。
【選択図】図7
Description
(めっき装置全体の概略)
図1〜図10は、本発明にかかる処理液槽及びを備えた電気めっき装置を示している。図1は電気めっき装置全体の平面図であり、概ね長円形状に構成されためっき処理ライン上には、処理ラインの長手方向の一端部(図1の右端部)のロード部10から、矢印F方向(時計回り方向)に、前処理工程の前処理槽(シャワー槽)11、空ステージ12、ボックス槽13、電気めっき工程のめっき槽14、後処理工程のボックス槽15、空ステージ16、第1の後処理槽(シャワー槽)17、長手方向の他端部の第2の後処理槽(回収槽)18、アンロード部19、剥離工程(ハンガー戻し工程)の空ステージ20、ボックス槽21、剥離槽22、ボックス槽23、空ステージ24及び剥離後処理槽(シャワー室)25を順次備えている。浸漬処理槽であるめっき槽14及び剥離槽22のワーク搬送方向の前後には、それぞれボックス槽13、15、21、23が隣接しており、ボックス槽13、21の出口は、めっき槽14及び剥離槽22の入口を兼ねており、ボックス槽15、23の入口はめっき槽14及び剥離槽22の出口を兼ねている。
図3は搬送ハンガー28の図2のIII-III断面拡大図であり、搬送ハンガー28は、前記ガイドレール27にガイドレール長さ方向移動自在に支持された移動基台63と、該移動基台63からガイドレール27と略直角方向に水平に延びるアーム部64と、該アーム部64の先端部から下方に延びるワーク吊持部65から構成されており、ワーク吊持部65の下端部には、吊持ピン66及びクランプ67が設けられている。前記吊持ピン66にワーク(たとえば回路用基板)Wの上端部の係合孔を係合し、クランプ67により脱落不能に保持するようになっている。吊持されたワークWは、吊持部65及び図示しないが適宜の電導機構を介してガイドレール27に電気的に接続されており、ガイドレール27から電気が供給されるようになっている。移動基台63の上面には、アーム部64と反対方向に水平に延びる支軸70が固着され、該支軸70には、スプロケット71がワンウエイクラッチ72を介して一方向へのみ回転するように支持されている。具体的には、図2において、前記スプロケット71は、矢印R方向には回転するが、反矢印R方向には回転しないように構成されている。
図2において、チェーンコンベア型の連続搬送装置36、37は、駆動スプロケット73と、従動スプロケット74と、両スプロケット73、74間に巻き掛けられた搬送チェーン75(図3)とから構成されており、搬送チェーン75の上側走行部分に、前記搬送ハンガー28のスプロケット71が係合するようになっている。搬送ハンガー28は、前述のように、ワンウエイクラッチ72(図3)を備えていることにより、搬送チェーン75に係合した状態で、図2の矢印F方向へ搬送チェーン75の上側部分と共に移動するようになっている。
図5は、メッキ槽14とその前後のボックス槽13,15及び空ステージ12、16の縦断面略図、図6は、後処理工程のボックス槽15の拡大平面図、図7は、図6のVII-VII断面拡大図、図8は図7の平面図、図9は、開状態のゲート装置を示す作用説明図、図10は、閉状態のゲート装置を示す作用説明図である。なお、説明の都合上、ワーク搬送方向Fと直交する水平方向であって、図7のように搬送方向F側から見た方向を「左右方向」として、以下説明する。
後処理用のボックス槽15とめっき槽14との間のゲート装置85の構造を説明する。図7において、縦壁83の左右幅の中央部には、U字状のゲート装置取付用凹部89が形成されており、該凹部89に、ゴムチューブ製パッキン90を介して、ゲート装置85が装着されている。該ゲート装置85は、左右幅の中央部にワーク通過口88を有している。該ワーク通過口88は、上下方向に延びるスリット状開口部88bと、該スリット状開口部88bの上端に形成されて上向きに広がるV字状の拡張開口部88aとから構成されている。スリット状開口部88bの左右幅は、板状ワークWの厚みよりも大きく、V字状開口部88aは、搬送ハンガー28の吊持部65及びクランプ67が通過しうる大きさとなっている。ゲート部材92,93の材料としては、たとえば耐蝕性及び耐久性の大きい樹脂等を選ぶことが好ましい。
図8において、ゲート装置本体91の左側柱部91aに、ワーク搬送方向Fに延びる回動軸152が回動自在に支持されており、該回動軸152の両端部はそれぞれ空ステージ16とボックス槽15とに突出している。回動軸152の空ステージ16側の突出端部にシャッター板150が一体的に固着され、回動軸152のボックス槽15側の突出端部に、中空状の浮子151が一体的に固着され、これにより、シャッター板150と浮子151とが、回動軸152の軸芯回りに一体的に回動するようになっている。シャッター板150は、たとえば塩化ビニル樹脂でできており、文字通り板状の部材であり、一方、浮子151は、たとえばポリプロピレンでできており、中空状に形成されることにより、処理液内で所定値以上の大きな浮力が発生するようになっている。
めっき処理工程並びにその後のハンガーの剥離工程等は、従来公知であるので、ごく簡単に説明する。図1において、ロード部10でめっき処理前のワークWを搬送ハンガー28に吊持し、プッシャー装置により搬送ハンガー28及びワークWを前処理槽11内まで搬送し、搬送ハンガー28のスプロケット71を前処理槽11の連続搬送装置35の搬送チェーン75の始端部に係合させる。
(1)図5は、前述のように、ワークWを空ステージ12からボックス槽13を経てめっき槽14に移動する工程、ならびに、めっき槽14からボックス槽15を経て空ステージ16に移動する工程を簡単に示している。めっき槽14には、めっき液が常時略満杯状態に保たれ、空ステージ12,16は、常時、めっき液を排出していることにより、略空状態に保たれている。ボックス槽13,15は、めっき槽14との間でワークWが移動する時には、カラム槽47等からめっき液を短時間で供給することにより、めっき槽14と略同じ満杯状態に保たれ、各ボックス槽13,15と各空ステージ12,16との間でワークWが移動する時には、排出口栓46を開くことにより、短時間で略空状態まで排液される。
(1)図6に示すボックス槽15と空ステージ16との間のゲート装置85は、図7のように、駆動機構94(チューブ部材101,102)により略水平方向に移動してスリット状開口部88bを開閉するゲート部材93と、該ゲート部材93とは別に、水平な回動軸152回りに回動して拡張開口部88aを開閉するシャッター板150と、を備えており、シャッター板150には、ボックス槽15内に配置された浮子151を連動連結し、ボックス槽15のめっき液の増加に伴う浮子151の上昇により、前記シャッター板150を閉位置に回動させるようにしているので、ワーク通過口88の開口面積を、ワークW及びワーク保持用のクランプ67等が通過可能な略最小の面積に制限することができ、ワーク通過口88からのめっき液の漏出を抑制できる。
図11及び図12は第2の実施の形態を示しており、図11において、ボックス槽15(紙面の手前側)と空ステージ(紙面の向こう側)16の間の槽壁83に、ワーク通過口88の拡張開口部88aの形状に対応した三角形状のシャッター板150と、該シャッター板150のアーム部150aに紐161を介して連結された浮子151と、を備えている。シャッター板150と浮子151は、いずれもボックス槽15内に配置されている。尚、前記第1の実施の形態と同様に、スリット状開口部88bを開閉するゲート装置85を備えているが、図では省略し、シャッター板150及びその駆動機構のみを示している。
図13及び図14は、本発明の第3の実施の形態であり、平面図を示す図13において、めっき液槽14とボックス槽15との間の槽壁82に、シャッター板350を設けており、シャッター板350はめっき液槽14内に、浮子351はボックス槽15内に配置されている。槽壁82(又はゲート装置本体)には、これを貫通する水平な回動軸352が回動自在に支持され、回動軸352のめっき槽14側の端部にシャッター板350のアーム部350aの基端部が固着され、回動軸352のボックス槽15側の端部に、アーム部351aを介して浮子351が固着されている。尚、前記第1の実施の形態と同様に、スリット状開口部88bを開閉するゲート装置84を備えているが、図では省略し、シャッター板350及びその駆動機構のみを示している。
図15は、本発明の第4の実施の形態であり、ボックス槽15と空ステージ16との間の槽壁83に、シャッター板450を設けている。シャッター板450は、前記第3の実施の形態と同様に、アーム部450aを有する三角形状に形成され、ボックス槽15内に配置されている。シャッター板450のアーム部450aの基端部が、略水平な回動軸452を介して槽壁83に回動自在に支持されている。本実施の形態では、シャッター板450自体を、中空形状または比重の小さい材料で製作することにより、めっき液中又は水中で浮く浮子として利用している。尚、前記第1の実施の形態と同様に、スリット状開口部88bを開閉するゲート装置85を備えているが、図では省略し、シャッター板450及びその駆動機構のみを示している。
図16及び図17は、本発明の第5の実施の形態であり、空ステージ16とボックス槽15との間の槽壁83に、シャッター板550を設けている。図16は平面図、図17は図16のXVII-XVII断面図であり、図17において、槽壁83のボックス槽15側の面に、断面略コの字状のスライドレール558を傾斜姿勢で固定し、該スライドレール558内に、平行四辺形状のシャッター板550の一側端部550aをスライド自在に支持している。上記スライドレール558は、下方に行くに従いワーク通過口88から離れるように傾斜しており、したがって、シャッター板550が上方に移動すると、ワーク通過口88へ移動して拡張開口部88aを閉じ、下方に移動すると、ワーク通過口88から離れて拡張開口部88bを開くようになっている。また、シャッター板550の軌道の上下端には、閉位置係止用のストッパー554と、開位置係止用のストッパー553とが、それぞれ設けられている。
図18及び図19は、本発明の第6の実施の形態であり、空ステージ16とボックス槽15との間の槽壁83に、螺旋移動型のシャッター板650を備えた例である。
図20及び図21は、本発明の第7の実施の形態であり、めっき槽14とボックス槽15との間の槽壁82にシャッター板750を配置した例であり、浮子751が上昇することにより、拡張開口部88aを開くようになっている。
(1)前記図1乃至図21の実施の形態では、スリット状開口部88bを開閉するために、水平方向移動自在なゲート部材93を備えると共に、該ゲート部材93を駆動する駆動機構94として、一対のチューブ部材101,102を備えているが、他の駆動機構により水平方向に移動するゲート部材を備えることもできる。また、チューブ部材の膨張により、チューブ部材で直接にスリット状開口部を閉じる構造とする事も可能である。
46 排出口栓(排液機構の一例)
47 カラム槽(給液機構の一例)
85 ゲート装置
88 ワーク通過口
88a スリット状開口部
88b 拡張開口部
93 可動ゲート部材
94 可動ゲート部材の駆動機構
150 シャッター板
151 浮子
152 シャッター板の回動軸
161 紐(索状体の一例)
Claims (4)
- 給液機構及び排液機構を備えると共に、ワーク通過口を有するゲート装置が槽壁に設けられている処理液槽において、
前記ワーク通過口は、垂直姿勢の板状ワークが通過可能で上下方向に細長いスリット状開口部と、該スリット状開口部の上端に前記スリット状開口部より幅広く形成された拡張開口部とを有し、
前記ゲート装置は、駆動機構により略水平方向に移動又は変形して前記スリット状開口部を開閉するゲート部材と、該ゲート部材とは別に、前記拡張開口部を開閉するシャッター板と、を備え、
前記シャッター板は、処理液槽内に配置された浮子を備え、処理液槽内の処理液の増減に伴う浮子の昇降により、前記シャッター板が開位置と閉位置との間で位置変更されるようになっていることを特徴とする処理液槽。 - 請求項1記載の処理液槽において、
前記拡張開口部はV字形に形成されている処理液槽。 - 請求項1又は2に記載の処理液槽において、
前記シャッター板は、略水平な回動軸に固着されて、該回動軸回りに回動することにとり、閉位置と開位置との間で位置変更可能となっており、
前記浮子は、前記シャッター板の回動軸に固着され、シャッター板と一体的に回動可能となっている処理液槽。 - 請求項1又は2記載の処理液槽において、
前記浮子は索状部材を介してシャター板に連結され、
前記策状部材は、シャッター板から下方に延びると共にターンシーブを介して上方に折り返し、折り返し上端部に前記浮子が連結されている処理液槽。
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