JPH09195250A - 流量応答ゲート - Google Patents

流量応答ゲート

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JPH09195250A
JPH09195250A JP2728396A JP2728396A JPH09195250A JP H09195250 A JPH09195250 A JP H09195250A JP 2728396 A JP2728396 A JP 2728396A JP 2728396 A JP2728396 A JP 2728396A JP H09195250 A JPH09195250 A JP H09195250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水路に設けた複数の分水工の直下流に設置し
たゲートの制御水位の安定性を良くすると共に、貯溜水
の漏れをなくす。 【解決手段】 扉体と連動するフロートを水位検知フロ
ート12aによって制御するゲートにおいて、フロート室
3に上流の水を流入する補水管10fを取付け、水位検知
フロートと補水管を開閉する弁体12dは第1のワイヤロ
ープ12bの各端部に垂下され、一方、扉体の回動に水位
補正アーム13aを連動するように取付け、水位補正アー
ムに取り付けた第2のワイヤロープ13b,f を第1のワイ
ヤロープ12bに取付ける。第2のワイヤロープは弁体12
dと同方向に移動自在にさせ、第2のワイヤロープの中
間部にばねおよびディレー装置13dを介装した。これに
よりゲートの開閉と設定水位の変動に時間差が生じ、水
位制御が確実になる。また、水位調節弁が閉じることに
より、上流の水の迂回路が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】一般に、河川や用水路から取
水する場合には、上流水位、流水量を確保するようにそ
の入口や用水路、分水路途中にゲートが設置される。本
発明はこのゲートを下流の使用状況に応じて制御するよ
うにした流量応答ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の取水の一例として、図5に示すよ
うに、上流河川から引き出された水路1にはゲート2が
設けられ、ゲート2の直上流の分水工20によって各所
に水を供給するようになっている(特願平3−1004
76号参照)。このゲート2は図6に示すように、水路
1を横断する扉体21の上流側は、流入口22を介して
静水池23と連通し、扉体21の下流側は流出口24を
介して遊水池25と連通している。扉体21と連動する
フロート26を収容したフロート室27は排出口28を
介して遊水池25と連通しており、遊水池25に水位検
知フロート29が設置されている。
【0003】水位検知フロート29はばね30の張力と
浮力とが均衡されて水面に浮かべられ、排出口28を開
閉する弁体31と連結されている。排出口28にはその
縁部を切り欠いて形成した漏洩口32が備えられている
ので、弁体31で排出口28を閉じても漏洩口32から
フロート室27の水がわずかに流出するようになってい
る。上記の構成によって、下流域での使用量が多くなっ
て下流水位が下がったときは、排出口28が閉じられ、
フロート26の上昇と共に扉体21が上昇し水量の補給
をすることになる。逆に、下流域での使用量が減少し、
下流水位が上がったときは水位検知フロート29が上昇
する。その結果、扉体21が下降して流量が減少して下
流水位は下がる。
【0004】ところで、図7に示すように、ゲート開度
を横軸にして、当該ゲートの直下流の水位と下流のゲー
トの直上流の分水工20位置の水位の差(以下、水路の
水位差と言う。)を縦軸にすれば、ゲート2が全閉状態
から全開状態に至るまでの前記の水路の水位差が、−9
0°から+90°までのサインカーブに極めて近似す
る。
【0005】このことを利用して、ゲート2の直下流の
水位が、開度に応じて補正された直下流の水位(以下、
設定水位と言う。)になるように、フロート室27の排
出口28を開閉させて扉体21を昇降させ、下流の分水
工位置の水位をゲート開度に応じた所定の高さにしてい
る。
【0006】なお、上流の溢水防止と分水工20の分水
の便のために上限水位と下限水位が設定され、静水池2
3に注水槽33と補水口34をそれぞれ上限水位と下限
水位の高さに設け、注水槽33あるいは補水口34から
水がフロート室27へ流入するようになっている。また
フロート室27の排出口28に漏洩口32が設けられ、
直上流の水位が上限水位になれば、注水槽33からフロ
ート室27に水が急激に流入して無条件にゲート2が開
き、下限水位になればフロート室27への流入量が減少
して無条件にゲート2の開度が小さくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、下流
の分水工20における水の使用量が増加して水路1の水
位が低下すればゲート2が開く。しかし従来技術におい
ては、ゲート2が開くにつれて直ちに設定水位が上昇す
るので、下流水位が上昇してもゲートは止まらない。従
って、ゲートが開いたために生じた洪水波が下流のゲー
ト位置に達して水位が上昇し、さらにバックウォーター
(背水)によって上流の水位検知フロート位置の水位が
上昇して、水位が開度に対応する設定位置まで上昇した
ことが検知されて、始めてゲート2の開運動が止まる。
【0008】したがって、ゲート2の開く速度が大きけ
れば、ゲート2が大きく開き過ぎるので、流水量が多く
なって下流の水位が高くなり過ぎる。その結果、ゲート
2が閉動作を行うことになるが、今度は閉じ過ぎること
になる。このようにして、ゲート2が開閉運動を繰り返
してなかなか水位が安定しないという問題がある。反対
に、ゲート2の開く速度が小さ過ぎれば、ゲート2の対
応が遅れて水位の誤差が大きくなるので、適正な開閉速
度が必要であるが、のちに詳述する通り、適正な開閉速
度は流量によって異なるので、開閉速度を調節すること
は不可能に近い。すなわち、下流における分水量が急激
に変化した場合には、ゲート2が開閉を繰り返して水位
または水位差が安定せず、或いはゲート2の対応が遅れ
て水位の誤差が大きくなると云う第一の課題があった。
【0009】また、ゲート2の上流側水路と下流側水路
は扉体21で分断されるが、補水口34、フロート室2
7および漏洩口32を介して迂回路が形成されている。
したがって、夜間に長時間、分水しない場合には、補水
口34、フロート室27および漏洩口32を通ずるパイ
ロット流によって、上流の水位が補水口34の高さまで
低下し、翌朝の分水開始時に貯留量がないと云う第二の
課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第一、第二の課題
を解決するために、水路を横断する主軸に備えた主アー
ムの上流側に扉体を設け、該水路の側方に設けたフロー
ト室内のフロートを前記主軸から上流側に突設したフロ
ートアームに連結し、前記扉体の上流側水路に連通する
静水池を設けると共に、下流側水路に連通する遊水池を
設け、前記フロート室を、補水管を介して静水池と接続
すると共に排出口を介して遊水池と連通させ、該遊水池
に収容した水位検知フロートは第1のワイヤロープに垂
下され、該ワイヤーロープの他端は前記補水管を開閉す
る弁体を垂下し、かつ、第1のワイヤロープの中間部に
第2のワイヤロープの一端を連結し、該第2のワイヤロ
ープの中間部にばねおよびディレー装置を介装すると共
に、他端を前記主アームの回動方向と逆方向に回動する
水位補正アームに連結したことを特徴とする。
【0011】また、ディレー装置は、液体を充填したシ
リンダー内にピストンロッドを貫通させて中間部にピス
トンを固着させ、該ピストンにより分離した2室はバイ
パス管によって連通させ、前記ピストンロッドの両端に
それぞればねを介して第2のワイヤロープの中間部に介
装したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によるゲートは、河川から
引いた水路に設けられ、そのゲートの直上流に分水工が
設けられており、通常、複数個のゲートおよび分水工が
水路に間隔を開けて設けられている。ゲートには下流水
位を検知する水位検知フロートが備えられ、これにより
扉体を昇降させるようになっている。すなわち、ゲート
下流の分水工における水の使用量が増加すると、この分
水工位置の水位が低下し、バックウォーターによって該
ゲートの水位検知フロート位置の水位が低下する。そし
て、水位検知フロートが下降し、弁体が上昇し、フロー
ト室内への流入量が増加し、フロートが上昇して扉体が
上方に回動しゲートが開く。
【0013】ここで、水位検知フロートはばねおよびデ
ィレー装置を介して吊り下げられており、ばねはディレ
ー装置の前後にそれぞれ配置した構成とされる。前述し
た通りにゲートが開く場合、水位補正アーム側のばねが
縮む傾向にあるが、ピストンが液体の抵抗によって殆ど
動かないので、ゲートが開いた瞬間においては、設定水
位が変わらない。時間が経つにつれ、ゲートの直下流の
水位が従前と等しい高さまで上昇するとゲートは一旦静
止する。また、扉体が上昇したことによって、当初、貯
溜水が一度に多量に流れる(洪水波)が、ゲートの下流
では徐々に減衰して水位が低下し続ける。一方、ディレ
ー装置によって設定水位が徐々に高くなるので、扉体が
少しずつ上昇し、徐々に水位が上がるなか、流下する洪
水波が下流のゲート位置に到達した段階において全区間
がほぼ定流状態となる。
【0014】また、ほぼ定流状態となった時点における
下流のゲートの直上流の分水工位置の水位は所定の高さ
より低いが、ディレー装置に備えたピストンが平衡状態
になるにつれて、全区間の水位が上昇し、下流のゲート
の直上流の水位が所定の高さとなる。
【0015】ピストンの移動速度は、ゲート開度の変化
に対する水位の変化量を、バックウォーターが感知され
るまでの時間で除した値に比例すべきであるが、全開と
全閉に近い状態と、中間開度の状態とは条件が異なる。
したがって、全開・全閉状態では水位補正アームをワイ
ヤと直線上に位置させており、作動当初には水位補正ア
ームの回動角による水位補正アーム側のばねの縮む量が
小さく、ピストンの移動速度が極めて小さいので、全開
と全閉に近い状態においては、開度の変化に対する水位
の変化量が小さい。実際には、全開に近い状態では、急
激にゲートが開いて溢水することもなく、全閉に近い状
態では、バックウォーターが感知されるまでの時間が大
きくても追従でき、ゲートの急激な動作による開閉の繰
り返しを防いでいる。
【0016】一方、中間開度の状態においては、開度の
変化に対する水位の変化量が大きく、またバックウォタ
ーが感知されるまでの時間が短い。したがって、中間開
度の状態では、水位補正アームとワイヤとの成す角度が
直角に近いので、この状況下でのピストンの移動速度は
大きく、ゲートの対応が遅れることはない。
【0017】上流水位が低くなって、補水筒上の越流水
深が小さくなれば、フロート室への流入量が減少し、フ
ロート室内の水位が低下してゲートが閉じるので、下限
水位が維持されることは従来技術と変わりがない。ま
た、下流水位が十分に高くなれば、水位検知フロートが
上昇し、反対に水位調節弁が下降して、補水管の上端の
流入口が閉塞されるので、上流水位が補水口よりも高く
ても、フロート室を通過するパイロット流が遮断され
る。したがって、上流水位が下限水位まで低下すること
はない。
【0018】
【実施例】以下、本発明による実施例を添付図面に基づ
いて説明する。本発明によるゲート2は、従来の技術で
示したように、主に、水路1にバックウォーターの及ぶ
範囲内において、取水工の直下流から最下流まで、多数
設置する場合に利用される。また、下流のゲートの直上
流の水路1内に分水工20が設けられる。
【0019】ゲート2は、図1、図2に示すように、そ
の扉体2aが水路1を全幅に亘って横断し、その両端近
くに固着された主アーム2bが扉体2aに円弧の中心位
置において、回動自在に支持された主軸2cに固着さ
れ、主アーム2bの下流端近くにカウンターウエイト2
dが装着され、ゲート2の全体の重心位置が主軸2cの
上流の上方に来るようにカウンターウエイト2dの重さ
と位置が調節されている。
【0020】水路1の側方にフロート室3が設けられ、
主軸2cのフロート室3の中心から上流に向けて突き出
したフロートアーム4は、ゲート2の全閉状態におい
て、水平となるように固着され、その先端にインボリュ
ート状の溝4aが切られ、これに嵌合された懸垂輪4b
に車軸4cを介してフロート5が上面中央部位置で懸垂
されている。また、フロート5の両端に垂直に固定した
一対のブラケットにガイドローラ5aが装着され、対応
する一対のガイドレール5bが周壁より垂直に固定され
ている。
【0021】フロート5は、下部の密閉部5cと上部の
導水部5dとからなり、導水部5d内に開口し密閉部5
cを貫通してフロート5の下端に突出した導水装置6の
導水管6aが設けられ、可撓管6bと接続されている。
一方、フロート室3にはゲート2に対し上流側の水路1
と連通された静水池7と、ゲート2に対し下流側の水路
1と連通された遊水池8とが壁を隔てて隣接しており、
壁面に支持され遊水池8に連通する通水管6cに可撓管
6bが接続されている。以下においては、ゲート2の扉
体2aの下端が計画水位と一致した状態を全開状態と云
うこととするが、密閉部5cの上端は全開状態において
計画水位と一致する。
【0022】また、静水池7内の計画水位の高さに開口
する注水装置9の注水槽9aは、注水管9bを介してフ
ロート室3内に連通されている。注水槽9aの高さは一
定であるが、従来の技術(特願平3−100476号参
照)で示したように、懸垂して高さを制御するようにし
ても良い。また、上流の分水工20について、あらゆる
ゲート開度において分水に支障が生じないように、図4
に示す通り−90°から+90°までのサインカーブ状の下
限水位が策定されているが、計画流量の状態においては
下限水位が計画水位と一致している。
【0023】一方、主軸2cには水路1の側方に突出し
た部分に位置して大ギヤ14が嵌着され、大ギヤ14に
係合する小ギヤ15が配設されており、主アーム2bが
全開状態から全閉状態に回動するとき、小ギヤ15が 1
80°回動するようになっている。この小ギヤ15の軸に
補水装置10のアーム10aが装着されている。したが
って、ゲート2が全開状態から全閉状態になるまでの間
に 180°回動するアーム10aに第3のワイヤーロープ
10bと滑車10cを介して静水池7内に補水筒10d
が懸垂され、その上端がゲート開度に応じた前記の下限
水位よりも僅かに低くなるように構成され、補水筒10
dの上端の上下の外側が適当な間隔と高さをもって防塵
防波筒10eに覆われている。
【0024】また、補水筒10dは後記の水位調節弁1
2dを懸垂する第1のワイヤーロープ12bとの位置の
競合を避けるために、二本の第3のワイヤーロープ10
bによって両端が懸垂され、ワイヤーロープ10bは上
方の二個の滑車10cを通過した後に、一本にまとめら
れてアーム10aに固着されている。また、補水筒10
dに緩く嵌合された補水管10fは垂直に配置されその
上端は開口され、補水管10fは下部においてフロート
室3側に曲げられフロート室3内に開口している。ま
た、ゲート2の全開状態においては、アーム10aがワ
イヤーロープ10bと一直線となり、全閉状態において
補水口の高さが下限水位と一致するように、アーム10
aの長さが決められている。このほか、フロート室3と
遊水池8との間の壁に排出管11が支持され、一端がフ
ロート室3内に開口され、他端が小さな排出口11aを
介して遊水池8内に開口している。
【0025】前述した第1のワイヤーロープ12b、水
位調節弁12dは水位調節装置12に備えたものであ
り、周辺部材と共に以下に説明する。遊水池8内に浮か
べられた水位検知フロート12aはワイヤーロープ12
bに垂下され、ワイヤーロープ12bはその上方におい
て滑車12cに支持され、さらに、別の滑車12cで補
水管10dに向けて垂下され、ワイヤーロープ12bの
下端に円錐状の水位調節弁12dが固着されて補水管1
0dの開口と離合自在にされている。
【0026】水位検知フロート12aは、支台12eと
その上部に設置した緩衝筒12fとで囲った内部に吊り
下げられ、緩衝筒12fの下部には遊水池8に開口する
検知水流入出管12gがある。また、水位調節弁12d
の直上の滑車12cは、前記の補水装置10の滑車10
cの上方に位置している。
【0027】次に本発明の要部である水位補正装置13
について説明する。まず、当該ゲート2の下流の分水工
20について、全閉状態において計画水位と下限水位の
中間の高さになり、全開状態において計画水位と一致す
る中間水位が設定されている。小ギヤ15の軸に装着し
た水位補正アーム13aはその全開状態から全閉状態に
なるまでの間に 180°回動し、その先端に第2のワイヤ
の一次ワイヤーロープ13bが連結し、さらに、一次ば
ね13c、ディレー装置13d、二次ばね13e、およ
び第2のワイヤの二次ワイヤーロープ13fが順次連結
されている。二次ワイヤーロープ13f(第2のワイ
ヤ)はワイヤーロープ12b(第1のワイヤ)に同方向
に移動するように連結されている。
【0028】また、全開状態における水位補正アーム1
3aの位置において、一次ワイヤーロープ13bが一直
線上となるように、滑車13gで向きを調節している。
【0029】水位補正アーム13aの長さと、一次ばね
13cと二次ばね13eを合わせたばね定数は、ゲート
2の全閉状態における水位検知フロート12aの喫水線
が、下流の分水工20の中間水位に合致するように設計
されているが、一次ばね13cと二次ばね13eの巻き
数と長さは十分に大きくされている。
【0030】ディレー装置13dは、潤滑油で充満され
ているシリンダー13h内に、その中間部にピストン1
3iを固着したピストンロッド13jが貫通され、ピス
トン13iによって分離したシリンダー13hの2室は
上端と下端に開口した通油管13k(バイパス管)によ
って連通され、通油管13kに装着されたニードル弁1
3lによってピストン13iの移動速度が適当に調節さ
れる。また、ピストンロッド13jの両端は一次ばね1
3cと二次ばねeとに連結されている。
【0031】次は、作用について説明する。下流の分水
工20の位置における分水量が増加すれば、その上流の
水路1内の水位が低下し、その影響がバックウォーター
によって、分水工20より上流のゲート2の水位検知フ
ロート12a位置の水位が低下する。したがって、水位
検知フロート12aが下降し、水位調節弁12dが上昇
して、フロート室3内への流入量が増加し、フロート室
3内の水位が上昇し、フロート5に働く浮力が増加する
ので、導水部5d内の水を排出しながらフロート5が上
昇してゲート2が開いて直下流の水路1内の水位が上昇
するが、二次ばね13eが縮まないので、直ちに設定水
位が変更されることがない。
【0032】したがって、従前の水位まで直下流の水位
が回復すれば、ゲート2が一旦、停止するが、洪水波が
減衰して水位が徐々に低下し続け、またピストン13i
が徐々に移動して設定水位が高くなるので、徐々にゲー
ト2が開き続けて、直下流の水位が徐々に上昇しながら
洪水波が流下し、洪水波が下流のゲート2の直上流に到
達した時点で、ほぼ定流状態となる。また、繰り返して
説明したとおり、ピストン13iの移動速度が大きすぎ
ると問題があるので、ほぼ定流状態となった時点におい
ては、下流のゲート2の直上流の水位は所定よりも低い
が、ピストン13iが二次ばね13eに引かれて徐々に
上昇して設定水位が高くなるにつれて、全区間の水位が
徐々に上昇し、水面勾配も緩くなるが、最後には下流の
ゲート2の直上流の水位は、流量が増加した分だけ従前
よりも高くなる。
【0033】上記の作用は、ピストン13iの移動速度
が適正であることが前提であるので、ピストン13iの
移動速度について補足する。既に説明したように、ピス
トン13iの移動速度はゲート2の開度変化に対する水
位の変化量を、ゲート2が開閉してからバックウォータ
ーが感知されるまでの時間で除した値に比例すべきであ
るが、図7に示すように、ゲート2の開度変化による水
位差の変動は、全開と全閉に近い状態においては少な
い。また、全閉に近い状態においては、水位と流量の変
化が激しいと溢水が起こるので、ピストン13iの速度
が小さいことが望ましい。特に、全閉に近い状態におい
ては、到達時間がかかるために、バックウォーターが感
知されるまでの時間が大きいので、なおさらピストン1
3iの移動速度が小さいことが望ましいが、全開と全閉
に近い状態においては、水位補正アーム13aと一次ワ
イヤーロープ13bが直線に近く、一次ばね13cの縮
む量が小さいので、ピストン13iの移動速度が極めて
小さく、したがって溢水や開閉の繰り返しが起こらな
い。
【0034】また、中間開度の状態においては、ゲート
2の開度変化による水位差の変動が大きく、またバック
ウォーターが感知されるまでの時間が短いので、ピスト
ン13iの速度が大きいことが必要であるが、中間開度
の状態においては、水位補正アーム13aと一次ワイヤ
ーロープ13bが直角に近いので、一次ばね13cの縮
む量とピストン13iの速度が大きいので、急速に設定
水位が変更され、ゲート2は遅滞なく流量の変化に対応
できる。また、上記のバックウォーターが感知されるま
での時間は、水路勾配と分水工20までの距離によって
変わるが、ニードル弁13lを調節すれば、自由に変更
できる。
【0035】上記のように、下流の分水工20における
分水量が増加して、上流のゲート2が開けば、その上流
の水位が低下するので、上流のゲート2が次々に開い
て、中間水位と下限水位の間の貯留水が放流され、最後
は河川等から取水量が増加する。反対に下流の分水工2
0の分水量が減少し、或いは水路1内に洪水が流入すれ
ば、上流のゲート2が次々に閉じることは勿論である
が、計画水位と中間水位の間の空間に貯留されるととも
に、取水量が減少する。次は、中間水位の精度について
補足する。前記のように放流と貯留が円滑に行われるた
めには、中間水位がほぼ、計画水位と下限水位の中間の
高さにあれば十分であるが、全閉状態において中間水位
が計画水位と下限水位の中間の高さとされ、また計画流
量の状態において中間水位と下限水位が計画水位に一致
する。中間の開度においては、下限水位および設定水位
が、いずれも−90°から+90°のサインカーブであり、
また図7に示すように水路の水位差も前記のサインカー
ブに近似しているので、中間水位は、ほぼ計画水位と下
限水位の中間の高さとなる。
【0036】分水工20における分水が中止されれば、
下流の水路1の水位が急激に上昇して、水位検知フロー
ト12aが上昇し、水位調節弁12dが下降して、補水
管10fの上端が閉塞されてフロート室3内への流入が
遮断され、一方、排出管11からの流出があるので、フ
ロート室3内の水位が低下するが、補水筒10dの外側
が防塵防波筒10eに覆われているので、補水管10f
の上端と水位調節弁12dの間に塵芥を咬込むことがな
い。したがって、ゲート2が自重によって完全に閉じて
全閉状態となり、また補水筒10dからフロート室3に
流入するパイロット流が完全に遮断されるので、ゲート
2は上限水位近くまで、満々と水を湛えたまま全閉状態
を保つ。したがって、大量の分水が急激に中止されれ
ば、上流の水位が上限水位まで上昇するが、注水槽9a
から越流した水がフロート室3内に流入して水位が上昇
し、無条件にゲート2が開くので、上流における溢水が
防止される。
【0037】ゲート2が、満々と水を湛えたまま全閉状
態を保っているので、翌朝に分水が開始された場合の貯
留量は十分に大きい。また、水位が中間水位まで低下す
れば、次々に上流のゲート2が開いて、上流の水路1内
の水位が下限水位近くまで低下して貯留水が放水され
る。したがって、大量の分水が突然に開始されると、そ
の上流のゲート2の上流の水位が急激に低下するが、補
水筒10d上の越流水深が小さくなると、フロート室3
内への流入量が減少し、ゲート2の開度が小さくなって
下限水位が維持されるので、上流の分水工20の分水に
支障を来すことはない。
【0038】このように、従来の技術においては、自然
の水力を利用し構造が極めて簡単なものであり、誤操
作、停電等の心配がないものであるが、さらに、本発明
では、水位制御の確実性、貯溜量の確保が充実したもの
であるので、その効果は著しいものである。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成し、扉体と連
動するフロートを水位検知フロートによって制御するも
ので、扉体の動作による水流の変化がすぐに水位検知フ
ロートに影響しないように、水位補正アームとディレー
装置が作動するようになっている。さらに、水位補正ア
ームは扉体の上下動に合わせて作動するので、ゲートの
全開・全閉状態に則して水位検知フロートが移動し、水
位の制御が確実になる。また、水位調節弁が閉じること
により、上流の水のフロート室および遊水池を通る流路
が遮断され、ゲートによって貯溜した水が減るようなこ
とはなくなり、流水の管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例のゲートの制御部を示す側
断面図である。
【図2】図1に示すゲートの平面図である。
【図3】図1に示すディレー装置の構成を示す模式図で
ある。
【図4】実施例のゲートの、ゲート開度と水位の関係を
示すグラフである。
【図5】従来の水路に設けた分水工とゲートの配置を説
明する模式図である。
【図6】従来のゲートの制御部を示す側断面図である。
【図7】従来のゲートの、ゲート開度とゲート間の水位
差の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 水路 2a 扉体 2b 主アーム 2c 主軸 3 フロート室 4 フロートアーム 5 フロート 7 静水池 8 遊水池 10f 補水管 11a 排出口 12a 水位検知フロート 12b 第1のワイヤ 12d 弁体 13a 水位補正アーム 13b,13f 第2のワイヤ 13c,13e ばね 13d ディレー装置 13h シリンダー 13i ピストン 13j ピストンロッド 13k バイパス管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路を横断する主軸に備えた主アームの
    上流側に扉体を設け、該水路の側方に設けたフロート室
    内のフロートを前記主軸から上流側に突設したフロート
    アームに連結し、前記扉体の上流側水路に連通する静水
    池を設けると共に、下流側水路に連通する遊水池を設
    け、 前記フロート室を、補水管を介して静水池と接続すると
    共に排出口を介して遊水池と連通させ、 該遊水池に収容した水位検知フロートは第1のワイヤロ
    ープに垂下され、該ワイヤロープの他端は前記補水管を
    開閉する弁体を垂下し、 かつ、第1のワイヤロープの中間部に第2のワイヤロー
    プの一端を連結し、該第2のワイヤロープの中間部にば
    ねおよびディレー装置を介装すると共に、他端を前記主
    アームの回動方向と逆方向に回動する水位補正アームに
    連結したことを特徴とする流量応答ゲート。
  2. 【請求項2】 ディレー装置は、液体を充填したシリン
    ダー内にピストンロッドを貫通させて中間部にピストン
    を固着させ、該ピストンにより分離した2室はバイパス
    管によって連通させ、前記ピストンロッドの両端にそれ
    ぞればねを介して第2のワイヤロープの中間部に介装し
    たことを特徴とする請求項1記載の流量応答ゲート。
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