JP2514841B2 - 自動水位制御ゲ―ト - Google Patents

自動水位制御ゲ―ト

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JP2514841B2 JP32666888A JP32666888A JP2514841B2 JP 2514841 B2 JP2514841 B2 JP 2514841B2 JP 32666888 A JP32666888 A JP 32666888A JP 32666888 A JP32666888 A JP 32666888A JP 2514841 B2 JP2514841 B2 JP 2514841B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動水位制御ゲートに関し、具体的には、
水路から分水するために、上流水路の水位を、流量の如
何にかかわらず、一定の高さに維持し、または、溜池等
から排水路への放流量を一定に維持するために、下流水
路の水位を一定の高さに保持する無人無動力ゲートに係
るものである。
〔従来技術〕
ゲート上流の水位を無人無動力でもって一定に保持す
る従来技術としては、第4図および第5図に示すよう
に、テンターゲートからなるゲート1の上流水路2に、
流入口29、静水池30および欠口堰31を介して連通され、
また、ゲート1の下流水路5に小径の流出口32を介して
連通されたフロート室8内に、フロート9がゲート1に
懸垂され、上流水位が高ければ欠口堰31からの流入量が
増加して、フロート9が上昇しゲート1が開かれ、逆に
上流水位が低ければ、欠口堰31からの流入量が減少し
て、フロート9が下降し、ゲート1が閉じて、上流水位
が、ほゞ一定に維持されるものであった。
下流水位を一定に保持する従来技術としては、かっ
て、テンターゲート1の軸33の下流側に固着されたフロ
ート(図示せず)を、下流水路5に浮べただけの簡単な
構造のものがあったが、普及するに至らず、現状におい
ては、電気的手段が用いられている。
〔発明が解決すべき課題〕
先ず、上流水位を一定に保持するための従来技術にお
いては、フロート9の上昇下降のストロークが上下流の
水位差以内に制約されているので、ゲート1の軸33とフ
ロート9間の距離を著しく小さくする必要があり、ま
た、フロート9の運動の進行に伴って、作動力が小さく
なり、したがって、第一に、フロート9の平面積を著し
く大きくすることが必要であり、第二に、同じ理由によ
って、対象となるゲート1の種類が抵抗の少ないテンタ
ーゲートに限られていた。
また、第三の問題点として、上流水位を一定に保持す
る場合において、極端に流量が少なく、ゲート1の開度
が小さい時には、波動による僅かな上流水位の変化に伴
って、ゲート1が全閉し、下流への水流が途絶して、下
流における水の利用に支障をきたしていた。
本発明においては、上記従来技術の第一と第二との問
題点を解決するために、先ず、フロート内にも水を導入
し、フロート室とフロートへの水の流入量または流出量
を、上流水路または下流水路の水位によって、弁を介し
て、加減するように設け、また、上流水位を一定にする
場合における第三の問題点を解決するために、先ず、水
路の管理水位として、上限水位と下限水位を設定して、
上流の水位が上限水位以下となれば、流量調節弁によ
り、フロート室への流入は遮断されるが、別に、上流の
水位が下限水位を越える場合には、少量の水がフロート
室へ補給されるようにし、また、ゲートの開度が小さく
なれば、フロート室からの流出量をフロートひいてはゲ
ートと連動する流出制御弁を用いて抑制するようにした
自動水位制御ゲートを提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、ゲート上流また
は下流のいずれか一方の、水位を制御しようとする側の
水路に水位検知槽が連通され、他方側の水路に導水槽が
連通され、 フロート室が、導水調節口を介して上記水位検知槽
と、自然導水口を介して上記導水槽と連通され、 上記フロート室に収納されたフロートが、通水調節口
を介して上記水位検知槽と、自然通水口を介して上記導
水槽と連通され、 上記水位検知槽の水面に浮かべた浮体に連結した弁体
により、上記水位検知槽の水位の上昇または降下によっ
て通水調節口または導水調節口を閉じるように構成した
ことを特徴とする。
上記構成において、フロート室が、補水装置を介して
水位検知槽と、漏水口を介して導水槽とにそれそれ連通
され、ゲートと連動する流出抑制弁を自然導水口の上端
に当接させたことを特徴とする。
(作 用) 本発明は上記のように構成するものであるので、フロ
ート室は導水槽に連通され、フロートは水位検知槽に連
通されているので、フロート内外の水位差は上下流水路
の水位差とほぼ等しくなる。このため、フロートに大き
な作動力が働き、水位差以上にフロートが昇降可能にな
る。
したがって、フロート平面積が小さくても作動力を要
するゲートを動かすことができるので第一、二の問題点
も解決される。
また、水位検知槽の水面に浮かべた浮体の位置、すな
わち浮体と弁との間隔を調整することで求める水位を決
定でき、水位検知槽が上流側にあるか下流側にあるかで
上流水位一定あるいは下流水位一定のゲートが作られ
る。
まず、上流水位一定型の場合について説明する。下流
側の水の使用量が多くなると、フロートおよびフロート
室の水が流出するが、上流側の水位も降下して水位検知
槽の水面に浮かべた浮体も降下する。これによって導水
調整口が閉じ、フロート室の水が上流側から供給されな
くなるのでフロートが下がりゲートも下降する。したが
って、上流水の流出が抑えられ上流水位を保つ。
下流水位一定型の場合は水位検知槽は下流側に位置す
る。そこで、水量が増えて上流水位が上がると下流水位
も上昇し、浮体が上昇する。これによって通水調節口が
閉じてフロート内の水の流出がなくなり、フロート室内
の水が流出するので、フロートが下がりゲートが降下す
る。したがって、上流水の流出を抑え下流水位を保つ。
また、上流水位が下限値(水位)を超える場合には、
フロート室へ少量の水が補給され、且つ、ゲートの開度
が小さくなれば、フロート室からの流出量が抑制される
ので、ゲートが全閉されることはない。第三の問題点も
解決される。
しかし、上流水位が下限水位と等しくなれば、フロー
ト室への流入が途絶し、一方、極く少量の水が常時流出
しているので、ゲートは全閉し、したがって、上流水位
が下限水位を下回ることはない。
さらに、水路の流量が多く、ゲート開度が大きい場合
には、フロート室からの流出量は抑制されないので、正
規の弁からの流入がなければ、フロート室からの流出を
補うことができず、したがって、自動的に上限水位が維
持されるので、本来の目的が損われることもない。
下流水位を一定に維持する作用については、一部使用
条件が付加される他は、上述の作用と変わらない。詳細
は実施例にゆずる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適一実施例を図面を参照しながら詳
述する。なお、従来のものと共通する構成要素について
は同一符号を使用するものとする。
先ず、上流水位を一定に保持する場合の構成につい
て、第1図、第2図により説明する。
図示するように、ゲート1の上流側の水路2は通水口
3により水位検知槽4に連通され、ゲート1の下流側の
水路5は導水口6により導水槽7に連通され、上記水位
検知槽4と導水槽7の間に、フロート室8が設けられ、
これにフロート9が収納されている。
上記フロート室8に開口された導水管10の他端は、導
水調節口10aとなって、、水位検知槽4内に上向きに開
口され、下向きも一応は開口されるがパッキン15cが充
填されることになっている。また、フロート室8の下流
側に開口された自然導水管11の他端は、自然導水口11a
となって、導水槽7内に上向きに開口されている。
フロート9は、下方の一部が区画された密閉室9aと、
その上方に形成された導水室9bとで形成され、その頂部
附近には、この場合には単なる孔からなる通気装置12が
設けられ、上記導水室9bの底部には連通管13の一端が接
続され、これの連通管は密閉室9aを貫通して、このフロ
ート9の運動に追随し得るように途中に屈曲自在とされ
て、他端はフロート室8内を貫通する通水管14に接続さ
れている。通水管14の一端は、水位検知槽4内に通水調
節口14aとして下向きに開口され、上方も一応は開口さ
れ、他端は、自然通水口14bとして導水槽7内に開口さ
れている。自然導水口11aおよび自然通水口14bの大きさ
は、フロート室8およびフロート9の大きさと、ゲート
1の所要の開閉速度に応じて、適当に定められている
が、これらに比して導水調節口10aと通水調節口14aの大
きさは、十分に大きくされ、両者の間隔は、その間に置
かれた流量調節弁14の弁体15aが何処にあっても、いず
れか一方の口が必ず挟窄されるように十分に小さくされ
ている。
弁体15aは、連結桿15bに固着され、導水調節口10aお
よび通水調節口14aの反対側の開口部は、いずれも、連
結桿15bに固着されたパッキン15cによって閉塞され、連
結桿15bの上端近くに、適当な高さをもって、調節自在
に、水位検知浮体15dが装着され、小さな隙間からなる
連通口16aによって水位検知槽4と連通された格納槽16
内に収納されている。
次に、ゲート1とフロート9を連動される構成の一例
について説明する。両者の上方に跨って、軸17が水平に
回転自在に支持され、これに、それぞれ、フロート9の
真上およびゲート1の側端近くにおいて固着された一個
の主動スプロケット18と一対の従動スプロケット19に、
それぞれ主動チェーン20および従動チェーン21が懸架さ
れ、それぞれの一端にフロート9とゲート1が懸垂さ
れ、他端には、フロート用カウンターウエイト22とゲー
ト用カウンターウエイト23が懸垂されている。
なお、逆流のおそれがある場合に導水調節口10a等か
らの逆流を防止し、また下流水位が著しく高くなる場合
に、導水槽7からの氾濫を防止するため、このような場
合には、導水口6が管状とされて、逆流を防止するた
め、これに適宜の制水弁(図示せず)が装着されること
は勿論である。
次に、各構成要素の詳細について説明する。
ゲート1の重量は、如何なる状態においても、自重に
よって閉じ得るよう十分に大きくされ、フロート9の重
量も、これに働く最も大きな浮力よりは大きくされてい
る。フロート用カウンターウエイト22およびゲート用カ
ウンターウエイト23の合計重量は、上流水路2の水位を
制御する場合には、水路Wの流量Qが多く、堰上げなく
ても、上流水路2の水位が所定の高さに達している時、
換言すれば、フロート室8内とフロート9内の水位がほ
ゞ等しい場合においては、逆流のおそれがない時には、
さらにゲート1が上昇するようにゲート1とフロート9
の合計重量よりも大きくされ、逆流のおそれがある場合
には、ゲート1が閉じるよう十分に小さくされている。
また、主動スプロケット18の径は、従動スプロケット19
よりも、十分に小さくされている。
次に、作用について説明する。
先ず、流量が減少して上流水位が下降すれば、水位検
知浮体15dが露出し、弁体15aが下降して導水調節口10a
が挟められ、通水調節口14aが拡げられて、そのためフ
ロート室8内の水位は下降して下流水位に近づき、フロ
ート9内の水位は上流水位が近づいて、フロート9に下
向きに作動力が作用し、ゲート1が閉じて上流水路2の
水位が高くなる。
逆に、流量が増加してゲート1の上流水位が上昇すれ
ば、上述の作用と逆の作用によって、ゲート1が開き上
流水位が低くなる。その際、水位検知浮体15dが僅かに
動けば、格納槽16内の水面がその動きと反対の方向に動
き、作動力が失われ、同様の現象がフロート室8内にも
生ずるのでゲート1が一気に大きく動くことはない。ま
た、導水調節口10aと通水調節口14aの間隔が適当にされ
ているので、ゲート1の開運動と閉運動の場合における
弁体15aひいては水位検知浮体15dの位置の差は極めて小
さく、また、弁体15aにかゝる水圧は、パッキン15cにか
ゝる水圧と相殺される構成となっているので、弁の抵抗
は極めて小さく、したがって、ゲート1が開く場合と、
閉じる場合の上流水位の差は極めて小さいので、流量の
如何にかゝわらず、上流水位をほゞ一定に保持できる。
また、水位検知浮体15dは調節自在に装着されているの
で、上記の制御水位を任意に選択することもできる。
また、洪水となって、下流水位が所定の堰上げるべき
水位とほゞ等しくなれば、フロート用カウンターウエイ
ト22とゲート用カウンターウエイト23の重量の合計値が
逆流のおそれがない場合には、十分に大きくされている
ので、フロート9は、導水室9b内の水を吐き出しながら
上昇を続け、ゲート1の下端が空中に飛び上るので、洪
水の疏通に支障をきたすことは全くなく、逆に、逆流の
おそれがある場合には、カウンターウエイトが小さくさ
れているので、ゲート1が全開せず、よって、逆流する
ことがない。
なお、洪水が去ってから、再び堰上げを開始するに
は、水路wの最上流部に設けられた取水ゲート(図示せ
ず)を閉じるか、或は、水路Wの途中に設けられた余水
吐ゲート(図示せず)を開けば、水路Wひいてはフロー
ト室8内の水位が低下し、フロート9の密閉室9aが空中
に露出して、フロート9とゲート1が下降するが、主動
スプロケット18の径が従動スプロケット19の径より十分
に小さくされているので、ゲート1が先に下降して、全
閉に近い状態となり、水路Wの水が堰上げられて、通水
口3、水位検知槽4、通水調節口14a、通水管14、連通
管13を通じて導水路9b内に水が浸入して、上述した作用
が行われ、再び水位が調節されるようになる。
次に、下流水位を一定に保持する構成について説明す
る。
第1図および第2図において、上述した上流水位を一
定に保持する場合には、実線矢印(イ)の如く、左側が
上流水路2であるが、この下流水位を一定に保持する場
合には、一点鎖線矢印(ロ)の如く、右側が上流水路50
0となる。
その他に、この場合には、フロート用カウンターウエ
イト22とゲート用カウンターウエイト23の合計重量は、
ゲート1とフロート9の合計重量よりも十分に小さくさ
れ、また、ゲート1を全閉する必要がある場合には、通
水口3に制水門24が付され、自然導水管11に停止弁25が
装着され、上流の水位が著しく高くなる場合には、導水
槽11が頂板(図示せず)で密封され、上記条件が重った
場合には、通気装置12に水の通過を阻止し、空気の通過
を許容する空気弁(図示せず)が用いられる。
そこで、下流水位を一定に保持する場合、下流水位が
所定の水位より低くなれば、流量調節弁15の弁体15aが
下降して導水調節口10aが全閉され、通水調節口14aが全
開されて、フロート室8内の水位は上流水位とほゞ等し
くなり、フロート9内の水位は下流水位と等しくなり、
フロート9に浮力が働くが、上述のようにカウンターウ
エイトの合計重量が、フロート9のゲート1の合計重量
に比べて十分に小さくされているので、ゲート1が全開
せず、よって、上下流の水位差が皆無となることはな
く、したがって、上流水路500の水位が高くなり、下流
水位が所定の水位よりも高くなれば、直ちに、弁体15a
が上昇して、フロート室8内とフロート9内の水位が、
それぞれ下流水位と上流水位にほゞ等しくなって、フロ
ート9とゲートが閉じられて下流水位が低くされる。
また、ゲート1が開くに、フロート室8から水が溢れ
ることがない点について補足説明する。
下流水位が所定値よりも低くなると、上述のとおり弁
体15aが下降して、導水調節口10aが塞がれて、フロート
室8内の水が上昇し、通水調節口14aが開かれて、フロ
ート9内の水位が低くなるが、上述の上流水位を一定に
保持する場合において説明したとおり、この場合にも、
自然導水口11aに比して通水調節口14aが十分に大きくさ
れていることは勿論であるので、フロート9内の水位の
下降速度は早く、フロート室8内の水位の上昇速度は遅
く、したがって、フロート室8内の水が限界に達する前
にゲート1が開いて、導水調節口10aが開かれて、フロ
ート室8からの溢水が防止される。
次に、ゲート1を全閉し、放流を停止する作用につい
て説明する。
制水門24を閉じれば、水位検知槽4内の水位が上昇
し、弁体15aが通水調節口14aを塞ぎ、フロート9内の水
位が高まってフロート9が下降し、同時にゲート1は自
動的に閉じる。しかし、この段階では、自然導水口11a
から流下する流れがあるが、停止弁25によりこの流れも
止まる。
このように、水位を制御する場合に、上流水位の場合
と下流水位の場合には、若干構成を異にして行う必要が
あるが、相違するのは、下流水位を一定にする場合に
は、上流水位が著しく高い場合があることと、ゲートを
全閉にすることがあり得ること等の使用条件の差に起因
する派生的な部分構成が相違するだけで、基本的には全
く同一の構成でもって、目的が達成される。
〔応用例〕
次に、上流水位を一定に制御する場合において、ゲー
ト開度を僅かに確保して置く時の構成について説明す
る。
ほとんどの用水路においては、最小流量が最大流量の
数分の一以上であるので、既に説明した構成で十分であ
る。しかし、近年、畑地かんがいが普及してきたため、
稀に最小流量が最大流量の数十分の一ということがあ
り、そのような場合には、ゲート1の開度が極めて小さ
いので、波動によってゲート1がしばしば全閉し、下流
における水の利用に支障をきたすことがある。
本応用例は、極めて稀ではあるが、このような場合に
おいて、ゲート1が全閉することを防止し、併せて、水
路の貯留機能を利用する方法に関するものである。畑地
かんがいでは、スプリンクラが多く使用され、直径30m
を散水するスプリンクラで圧力3.0kg/cm2の能力のポン
プが使用されている。したがって、水路から水を導入す
る場合、水路の水位が或る程度低下しても支障はない
が、その限界を下限水位とし、流量が多く、ゲートが全
閉するおそれが全くない場合に、一定に保持しようとす
る水位を上限水位とする。上限水位を保持する構成と作
用については既に説明した。
こゝでは、そのゲートの開度を僅かに確保して上流水
位を一定に制御する応用例であり、先ず、その構成を説
明する。
第3図に示すように、補水管26aにネジでもって、調
節自在に嵌合され、上端が下限水位と等しくされた補水
槽26bからなる補水装置26が導水管10に接続され、自然
導水管11に極めて小径の漏水口17が穿たれ、フロート9
に自然導水管11の自然導水口11aに向い合った流出抑制
弁28が固着を避けて懸垂されている。補水管26aが自然
導水管11に比して、また、漏水口27が補水管26aに比し
て十分に小さくされ、流水抑制弁28が水圧に抗し得るよ
う十分に重くされていることは勿論である。
次に作用について説明する。
流量が多く、ゲート開度が大きい場合には、流出抑制
弁28は自然導水口11aから離れており、自然導水管11か
らの流出量は多く、また、補水管26aの大きさは、自然
導水管11に比して十分に小さくされているので、補水装
置26からの流入量だけではほとんど影響がなく、フロー
ト室8内の水位は低くなってゲートが閉じ、上流水位が
高くなって自動的に流量調節弁15aが上昇して導水調節
高10aが半開きとなり、上流水位が上限水位に維持され
る。
しかし、流量が減少してゲート開度が小さくなると、
流出抑制弁28が下降して、自然導水口11aがほとんど塞
がれて、フロート室9内の水位がほゞ上流水位に近くな
るので、ゲート1は閉じなくなり、流量が減少すれば、
上流水位が上限水位よりも低くなる。このようして、上
流水位が下限水位まで低下すると、補水装置26からフロ
ート室9内への流入量はなくなり、一方、僅かながら漏
水口27からの流出があるので、ゲート1は全閉し、下限
水位が維持される。その際に、流出抑制弁28はフロート
1に固着されていないので、破損することはない。
〔効 果〕
本発明は次の効果を発揮する。
従来技術においては、もっともフロート平面積を小
さくするように、経済的に、ゲートの軸とフロート懸垂
位置の距離を定めても、上下流の水位差の約90パーセン
トはフロートの下降に費され、ゲートの開方向、閉方向
に働く作動力には、それぞれ上下流の水位差の5パーセ
ント程度が利用されるだけであったが、本発明において
は、上下流水差の全てが、ゲートの開方向または閉方向
の作動力として働くから、効率がよい。
また、従来技術においては、フロートの下降量が上
下流の水位差に制約されるので、フロートのストローク
をゲートのそれの数分の一程度にせざるを得なかった
が、本発明においては、弁機構を備えたフロート構造と
することで、フロートの下降ストロークの上下流の水位
差による制約を弱め、ゲートのストロークの約1/2にフ
ロートのそれを設定すればよいので、フロートの平面積
は従来のものの数十分の一となり、極めて経済的である
ばかりでなく、ゲートの種類に制約されることがなくな
った。
流量抑制弁を設けることによって、フロート室内の
水位をほゞ上流水位近くに保持できることで、水路流量
が減少しても、ゲートの開度を一定に保ち、下流への水
流を途絶せず、下流における水利用に支障をきたさな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明の自動水位制御ゲートを示
し、そのうち、第1図は自動水位制御ゲートの一部破断
平面図、第2図は第1図II−II線断面図、第3図は応用
例として変形を加えた第2図に相当する部分の断面図、
第4図は従来の自動水位制御ゲートの一部破断平面図、
第5図は第4図V−V線断面図である。 1……ゲート、2,500……上流水路、 3……通水口、4……水位検知槽、 5……下流水路、6……導水口 7……導水槽、8……フロート室、 9……フロート、10……導水管、 10a……導水調節口、11……自然導水管、 11a……自然導水口、12……通気装置、 13……連通管、14……通水管、 14a……通水調節口、14b……自然通水口、 15……流量調節弁、15a……流量調節弁体、 15b……連結桿、15c……パッキン 15d……水位検知浮体、16……格納槽 16a……連通口、26……補水装置、 26a……補水管、26b……補水槽、 28……流出抑制弁。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート上流または下流のいずれか一方の、
    水位を制御しようとする側の水路に水位検知槽が連通さ
    れ、他方側の水路に導水槽が連通され、 フロート室が、導水調節口を介して上記水位検知槽と、
    自然導水口を介して上記導水槽と連通される、 上記フロート室に収納されたフロートが、通水調節口を
    介して上記水位検知槽と、自然通水口を介して上記導水
    槽と連通され、 上記水位検知槽の水面に浮かべた浮体に連結した弁体に
    より、上記水位検知槽の水位の上昇または降下によって
    通水調節口または導水調節口を閉じるように構成したこ
    とを特徴とする自動水位制御ゲート。
  2. 【請求項2】フロート室が、補水装置を介して水位検知
    槽と、漏水口を介して導水槽とにそれぞれ連通され、ゲ
    ートと連動する流出抑制弁を自然導水口の上端に当接さ
    せたことを特徴とする請求項1記載の自動水位制御ゲー
    ト。
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