JP4369687B2 - 水ウエイト式自動水位調節ゲート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水位の変化に応じてラジアルゲートを開閉して水位を調整する水位調節ゲートに係り、特に上流側水位の変化に対応して、水ウエイト室の水重を増減させて、これによりゲートを開閉作動させる水ウエイト式自動水位調節ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水位調節ゲートは、水位の変化に応じてゲートを開閉させることにより、流入量に対応させて放出量を調整したり或いは水位を一定に保持する目的で、河川や水路等に設置されている。
このような水位調節ゲートとして、上流側水位の変化に対応して、水ウエイト室の水重を増減させて、これによりゲートを開閉作動させる水ウエイト式自動水位調節ゲート(特願2000−141161)が本願の出願人によって特許出願されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特願2000−141161の水ウエイト式自動水位調節ゲートは、水ウエイトの調整用としてバルブやノズル等を利用していたが、これらは土砂・塵芥等で目詰まりを生じ易く、作動不良の原因になったりしていた。又これら箇所は流量調整の状況を外部から容易に確認できずその点検が必要になっていた。
また、前記の特願2000−141161の水ウエイト式自動水位調節ゲートは、水位を調整する越流口は水面より僅かしか下がっていないため、水路に発生する波の影響で流入量が増加したり又は流入できない状況になり易く、ゲート開度の制御がしずらい面があった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、ゲートの開度の制御が容易で、しかも土砂や塵芥等で目詰まりを起して作動不良になることもなく、さらに流出部の状況を外部より確認でき、その保守・点検も容易になる水ウエイト式自動水位調節ゲートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方にウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰を設け、上記回動軸に連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に横設し、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持した手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方に側壁を隔ててウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通する上流水導入管を配設し、一端が上流水導入管に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰をウエイト室と貯水室を仕切る隔壁に設け、上記回動軸の一端に連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に延長して横設し、上記回動軸を挟んで該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと反対側になる該回動軸の後方側に向けて水ウエイトアームを延設すると共に、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持した手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方に側壁を隔てて水路上流側に一端側が延設されたウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰をウエイト室と貯水室を仕切る隔壁に設け、上記回動軸に歯車伝達機構を介して連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に横設し、上記回動軸を基準として該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと同一側になる該回動軸の前方側に向けて水ウエイトアームを延設すると共に、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持した手段よりなるものである。
【0008】
ここで、請求項1〜請求項3の好ましい態様として、回動軸を挟んで該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと反対側になる該回動軸の後方側に向けてウエイトアームを延設すると共に、ウエイトアームの基端を回動軸に連結しウエイトアームの先端にカウンタウエイトを連結した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0010】
〔実施の形態−1〕
ここで、図1は原理図、図2は概略部分平面図、図3(A)は水ウエイト調整堰の概略正面図、図3(B)は水ウエイト調整堰の概略側断面図、図4(A)は水ウエイト調整堰の他例の概略正面図、図4(B)は水ウエイト調整堰の他例の概略側断面図、図5(A)はウエイト室水位調整堰の概略正面図、図5(B)はウエイト室水位調整堰の概略側断面図である。
【0011】
図において、水路2に設置されたラジアルゲート1は上下に回動して水路2を開閉し、放流或いは水の流れを堰き止める機能を有する。ラジアルゲート1は水路上流側2aに向けて設置されている。ラジアルゲート1は扉体3、アーム4及び回動軸5などから構成されている。
【0012】
扉体3は直接水路2を開閉する機能を有するものであり、例えば断面円弧状のスキンプレートから構成されている。扉体3は水路2を遮断するような状態つまり水路2の水流方向に対して直角に配置され、又扉体3の円弧状の凸面側が水路上流側2aに向くように配置されている。水路2はこの扉体2を挟んで上流側の水路上流側2aと下流側の水路下流側2bに分けられる。この扉体3は一定の水圧に耐え得る強度を有する材質から造られている。
【0013】
一方、扉体3の円弧状の凹面側の左右には、直線状のアーム4が水路下流側2bの上方に向けて延びている。即ち、左右に配置された各アーム4は、円弧状の扉体3の曲率中心部に横設された回動軸5に向けて延び、その終端が回動軸5に連結されている。これらのアーム4を介して扉体3は回動軸5に上下方向回動自在に支持されている。
【0014】
回動軸5は、上下に回動して水路2を開閉するラジアルゲート1の回動中心となる部分であり、扉体3の水路下流側2bの上方に水平に横設され、又所定の強度に耐え得る材質からできている。回動軸5の両端は水路下流側2bの左右側壁の上方に設置された軸受け6にそれぞれ水平軸回りつまり上下方向回りに回動自在に軸設されている。
【0015】
回動軸5を挟んでアーム4の反対側には直線状のウエイトアーム7の基端が回動軸5の左右両端側にそれぞれ取付けられている。左右の各ウエイトアーム7はアーム4の延長線上に取付けられている。左右のウエイトアーム7の先端間にはカウンタウエイト8が横設されている。
【0016】
カウンタウエイト8は扉体3の重量とバランスを図り、扉体3を上下方向回りに回動させる際にその重量を軽減させるために設けられたものである。カウンタウエイト8が回動軸5に作用する回転モーメントMは、扉体3が回動軸5に作用する回転モーメントMより僅かに小さく、又回転方向の向きは相互に逆向きになっている。
【0017】
ラジアルゲート1が設置された水路2の一側方には、ウエイト室9、ウエイト室9を間に挟んでバルブ室10と貯水室11が隔壁で仕切られて隣接して設けられている。バルブ室10はウエイト室9の上流側に位置し、貯水室11はウエイト室9の下流側に位置している。
【0018】
バルブ室10の底部には、水路上流側2aに連通する上流水導入管12の下流側が配管されている。上流水導入管12はその上流端が水路上流側2aの水路2bの側壁下部に接続開口されており、又下流端には常時全開の導水弁12aが取り付けられている。この導水弁12aには水ウエイト室13に接続する上流水導入用可撓管13aの一端が接続している。
【0019】
バルブ室10内の上流水導入管12の下流側には上流水導入バイパス管12bの一端が分岐接続されている。上流水導入バイパス管12bの他端はバルブ室10とを仕切るウエイト室9の隔壁下部に接続開口されている。バルブ室10内の上流水導入バイパス管12bには、常時全閉の充水弁12cが取り付けられている。
【0020】
貯水室11の側壁下部には、水路下流側2bに連通する戻り口11aが形成されている。貯水室11の水位は、戻り口11aを通じて、水路下流側2bの水位と同一になる。また、ウエイト室9と貯水室11とを仕切る隔壁下部には連通路が形成され、この連通路には常時全閉のウエイト室排水弁11bが取り付けられている。
【0021】
ウエイト室9内には水ウエイト室13が設けられている。水ウエイト室13は後述の水ウエイトアーム17の先端にぶら下がるように取付けられてウエイト室9内に設けられている。水ウエイト室13は内部が空洞の水室になっていて、この空洞の水室に水路上流側2aの水を導入してその重さを調節する構造になっている。
【0022】
水ウエイト室13の側部には水ウエイト室13の変動に追従可能な上流水導入用可撓管13aの一端が接続されている。上流水導入用可撓管13aの他端はウエイト室9とバルブ室10とを仕切る隔壁を貫通して前記上流水導入管12の導水弁12aに接続されている。
【0023】
水ウエイト室13は、上流水導入用可撓管13a、前記導水弁12a、上流水導入管12を通じて、水路上流側2aと連通していて、水路上流側2aの水を導入可能になっている。水ウエイト室13の上面は開口されていて大気と連通している。
【0024】
水ウエイト室13の側部には内部の水をウエイト室9に排出する水ウエイト調整堰14が設けられている。水ウエイト調整堰14は、水ウエイト室13の側部に開口された四角形の開口孔14a、開口孔14aの開口幅を可変する堰板14b、堰板14bの両側を案内するガイド14cから構成されている。
【0025】
堰板14bは左右方向に水平スライドして開口孔14aの開口幅を可変する構造、例えば左側にスライドして開口孔14aの開口幅を広げ、右側にスライドして開口孔14aの開口幅を狭める構造の場合と、堰板14bが上下方向に昇降スライドして開口孔14aの開口幅を可変する構造、例えば上側にスライドして開口孔14aの開口幅を広げ、下側にスライドして開口孔14aの開口幅を狭める構造の場合とがある。開口孔14aの開口幅を可変する堰板14bは予め所定の設定開口幅に調整されている。
【0026】
堰板14bが水平スライドする構造の場合には、開口孔14aの上下側に左側に延長させてガイド14cが水平方向に配置される。また、堰板14bが昇降スライドする場合には、開口孔14aの左右両側に上方に延長させてガイド14cが上下方向に配置されている。
【0027】
水ウエイト室13内の水位は、上流水導入用可撓管13aを通じて流入する水が水ウエイト調整堰14を通じて排出される損失水頭の分(=Δh)だけ、ウエイト室9の水位より高くなり、水ウエイト室13に水重が発生して重くなる。
【0028】
ウエイト室9と貯水室11とを仕切る隔壁にはウエイト室9内部の水を貯水室11に排出するウエイト室水位調整堰15が設けられている。ウエイト室水位調整堰15は、ウエイト室9と貯水室11とを仕切る隔壁の中央側に開口された開口溝15a、開口溝15aの越流高さを可変する堰板15b、堰板15bの両側を案内するガイド15cから構成されている。
【0029】
堰板15bは上下方向に昇降スライドして開口溝15aの越流高さを可変する構造、つまり上側にスライドして開口溝15aの越流高さを高くし、下側にスライドして開口溝15aの越流高さを低くする構造になっている。開口溝15aの越流高さを可変する堰板15bの越流高さは予め所定の設定高さに調整されている。
【0030】
ウエイト室9と貯水室11とを仕切る隔壁の中央側に開口された開口溝15aは、隔壁の中間側から上端まで開口された上下に長い長方形の溝型形状になっている。開口溝15aの左右両側には下方に延長させてガイド15cが上下向きにそれぞれ配置されている。
【0031】
前記回動軸5のウエイト室9側の一端には、ウエイト室9の上方に延設された水ウエイト回動軸16が連結されていて、水ウエイト回動軸16は回動軸5と同軸になっている。この水ウエイト回動軸16の両端側には水ウエイトアーム17の基端がそれぞれ連結されている。
【0032】
左右の水ウエイトアーム17は、回動軸5を挟んで前記アーム4と反対側に向けて延設されており、その先端には水ウエイト室13の上部側が吊持されている。つまり、水ウエイト室13は水ウエイトアーム17にぶら下がるように取付けられている。
【0033】
水ウエイト室13の重量は、水ウエイトアーム17及び水ウエイト回動軸16を介して回動軸5に伝わり、扉体3の自重によって回動軸5に作用する回転モーメントMと反対向きの回転モーメントMを回動軸5に作用させる。これによって、扉体3は上向きに回動して開かれる。
【0034】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
前記の構成からなる水ウエイト式自動水位調節ゲートの安定条件は
(1) M≒M+M+M
ここで、M:扉体3による閉(左回り)方向の回転モーメント
:カウンタウエイト8による開(右回り)方向の回転モーメント
:水ウエイト室13による開(右回り)方向の回転モーメント
:水ウエイト室13内のΔhの水位高さの水ウエイトwの重量による開(右回り)方向の回転モーメント
(2)水路上流側2aの水位面と水ウエイト室13内の水位面は同一レベルで、ウエイト室9内の水位面は水ウエイト室13内の水位面よりΔhだけ低い状態で釣り合う。
【0035】
上記(1)(2)の状況において、水路上流側2aの上流水は、上流水導入管12、導水弁12a及び上流水導入用可撓管13aを通り水ウエイト室13内に流れ込み、水ウエイト室13の水ウエイト調整堰14よりウエイト室9内に流出し、ウエイト室9からウエイト室水位調整堰15を通って貯水室11へ流れ込み、戻り口11aから水路下流側2bへ流下する。
【0036】
前記の安定条件を維持していれば、水路2を流下する流量は設定された水路上流側2aの上流側水位において、流下できるようにラジアルゲート1は開度Hを保っている。つまり、ウエイト室水位調整堰15を通じてウエイト室9から貯水室11に流出する水量は、水ウエイト調整堰14を通じて水ウエイト室13から流出される水量により補充される。水ウエイト室13は上流水導入管12、導水弁12a及び上流水導入用可撓管13aを通じて水路上流側2aの上流側水位と連通しているので、水ウエイト室13の水ウエイト調整堰14からの流出水量は水路上流側2aより常に補充される。
【0037】
水路2の流量が減少すると、ラジアルゲート1の開度Hのままでは水路上流側2aの上流側水位とこれに連通する水ウエイト室13内の水位が低下する。また、水ウエイト調整堰14及びウエイト室水位調整堰15からは常に水が流出しているために、水ウエイト室13内の水位とウエイト室9内の水位は共に低下して行き、Δhも減少してゼロ(Δh=0)になる。
【0038】
この過程において、Δhの大きさに比例する水ウエイトwの重量が減少して行くと、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
>M+M+M
になり、ラジアルゲート1が閉方向に作動し、ラジアルゲート1の開度Hを減少させて行くことになる。
【0039】
ラジアルゲート1が閉方向に作動すると、ラジアルゲート1の開度Hが減少することで、上流から流れ込む流量が低下していても、水路上流側2aの水面は上昇する。ラジアルゲート1が閉方向に作動を続けると、水路上流側2aの水位は上昇する。
【0040】
これにより、水路上流側2aと連通する水ウエイト室13内の水位も同一レベルで上昇して、Δhも増加する。Δhが増加するとこれに比例する水ウエイトwの重量が増加して、ラジアルゲート1を開放する方向に作用する回転モーメントMが増加し、
<M+M+M
になると、ラジアルゲート1は開方向に作動する。
【0041】
これらラジアルゲート1の開閉の作動により、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、設定水位において、流下する流量に見合ったラジアルゲート1の開度Hを保つようになる。
【0042】
水路上流側2aの水位の維持は、前記の安定条件を保つように、水ウエイト調整堰14及びウエイト室水位調整堰15の開度を調整し、ウエイト室9と水ウエイト室13の水位差Δhを一定にする。
【0043】
ラジアルゲート1を作動させるには安定条件を崩してやればよい。
このために、ウエイト室水位調整堰15の越流面レベルを変化させウエイト室9内の水面を変化させることで、水ウエイト室13の内水との水位差を変え、水ウエイトwの重量を変化させることで、安定条件を保つ水位差Δhになるまで水ウエイト室13が昇降し、これに連動してラジアルゲート1が開閉する。
【0044】
ウエイト室水位調整堰15を例えば所定量上昇(=設定水位上昇)すると、ウエイト室水位調整堰15からの越流量が減少し、ウエイト室9内の水位が上昇し、ウエイト室9と水ウエイト室13の水位差Δhが減少して、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
>M+M+M
になり、ラジアルゲート1が閉方向に作動し、ラジアルゲート1の開度Hを減少させて行くことになる。
【0045】
ラジアルゲート1が閉方向に作動すると、ラジアルゲート1の開度Hが減少することで、水路上流側2aの水位は上昇する。これにより、水路上流側2aと連通する水ウエイト室13内の水位も同一レベルで上昇して、ウエイト室9と水ウエイト室13の水位差Δhも増加する。Δhが増加するとこれに比例する水ウエイトwの重量が増加して、ラジアルゲート1を開放する方向に作用する回転モーメントMが増加し、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、開閉するラジアルゲート1は停止し、水位を保持するようになる。
【0046】
ウエイト室水位調整堰15を例えば所定量下降(=設定水位減少)すると、ウエイト室水位調整堰15からの越流量が増加し、ウエイト室9内の水位が下降し、ウエイト室9と水ウエイト室13の水位差Δhが増加して、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
<M+M+M
になり、ラジアルゲート1が開方向に作動し、ラジアルゲート1の開度Hを増加させて行くことになる。
【0047】
ラジアルゲート1が開方向に作動すると、ラジアルゲート1の開度Hが増加することで、水路上流側2aの水位は下降する。これにより、水路上流側2aと連通する水ウエイト室13内の水位も同一レベルで下降して、ウエイト室9と水ウエイト室13の水位差Δhが減少する。Δhが減少するとこれに比例する水ウエイトwの重量が減少して、ラジアルゲート1を開放する方向に作用する回転モーメントMが減少し、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、開閉するラジアルゲート1は停止し、水位を保持するようになる。
【0048】
〔実施の形態−2〕
ここで、図6は原理図、図7は概略部分平面図、図8(A)は水ウエイト調整堰の概略正面図、図8(B)は水ウエイト調整堰の概略側断面図、図9(A)は水ウエイト調整堰の他例の概略正面図、図9(B)は水ウエイト調整堰の他例の概略側断面図、図10(A)はウエイト室水位調整堰の概略正面図、図10(B)はウエイト室水位調整堰の概略側断面図である。
【0049】
図において、水路22に設置されたラジアルゲート21は上下に回動して水路22を開閉し、放流或いは水の流れを堰き止める機能を有する。ラジアルゲート21は水路上流側22aに向けて設置されている。ラジアルゲート21は扉体23、アーム24及び回動軸25などから構成されている。
【0050】
扉体23は直接水路22を開閉する機能を有するものであり、例えば断面円弧状のスキンプレートから構成されている。扉体23は水路22を遮断するような状態つまり水路22の水流方向に対して直角に配置され、又扉体23の円弧状の凸面側が水路上流側22aに向くように配置されている。水路22はこの扉体23を挟んで上流側の水路上流側22aと下流側の水路下流側22bに分けられる。扉体23は一定の水圧に耐え得る強度を有する材質から造られている。
【0051】
一方、扉体23の円弧状の凹面側の左右には、直線状のアーム24が水路下流側22bの上方に向けて延びている。即ち、左右に配置された各アーム24は、円弧状の扉体23の曲率中心部に横設された回動軸25に向けて延び、その終端が回動軸25に連結されている。これらのアーム24を介して扉体23は回動軸25に上下方向回動自在に支持されている。
【0052】
回動軸25は、上下に回動して水路22を開閉するラジアルゲート21の回動中心となる部分であり、扉体23の水路下流側22bの上方に水平に横設され、又所定の強度に耐え得る材質からできている。回動軸25の両端は水路下流側22bの左右側壁の上方に設置された軸受け26にそれぞれ水平軸回りつまり上下方向回りに回動自在に軸設されている。
【0053】
回動軸25を挟んでアーム24の反対側には直線状のウエイトアーム27の基端が回動軸25の左右両端側にそれぞれ取付けられている。左右の各ウエイトアーム27はアーム24の延長線上に取付けられている。左右のウエイトアーム27の先端間にはカウンタウエイト28が横設されている。
【0054】
カウンタウエイト28は扉体23の重量とバランスを図り、扉体23を上下方向回りに回動させる際にその重量を軽減させるために設けられたものである。カウンタウエイト28が回動軸25に作用する回転モーメントMは、扉体23が回動軸25に作用する回転モーメントMより僅かに小さく、又回転方向の向きは相互に逆向きになっている。
【0055】
ラジアルゲート21が設置された水路22の一側方には、ウエイト室29と貯水室30が隔壁で仕切られて隣接して設けられている。貯水室30はウエイト室29の下流側に位置している。
【0056】
ウエイト室29の一端側は側壁を挟んで水路上流側22aまで延び、他端側は回動軸25の付近に位置している。水路上流側22aまで延びるウエイト室29の一端側寄りの側壁下部にはウエイト室29と水路上流側22aとを連通する2本の連通路が形成され、一つの連通路には常時全開の導水弁29aが取り付けられている。この導水弁29aには水ウエイト室31に接続する上流水導入用可撓管31aの一端が接続している。他の連通路には常時全閉の充水弁29bが取り付けられている。
【0057】
貯水室30の側壁下部には、水路下流側22bに連通する戻り口30aが形成されている。貯水室30の水位は、戻り口30aを通じて、水路下流側22bの水位と同一になる。また、ウエイト室29と貯水室30とを仕切る隔壁下部には連通路が形成され、この連通路には常時全閉のウエイト室排水弁30bが取り付けられている。
【0058】
ウエイト室29内には水ウエイト室31が設けられている。水ウエイト室31は後述の水ウエイトアーム35の先端にぶら下がるように取付けられてウエイト室29内に設けられている。水ウエイト室31は内部が空洞の水室になっていて、この空洞の水室に水路上流側22aの水を導入してその重さを調節する構造になっている。
【0059】
水ウエイト室31の側部には水ウエイト室31の変動に追従可能な上流水導入用可撓管31aの一端が接続されている。上流水導入用可撓管31aの他端はウエイト室29と水路上流側22aとを仕切る側壁下部の連通路に取り付けられた導水弁29aに接続されている。
【0060】
水ウエイト室31は、上流水導入用可撓管31a、前記導水弁29aを通じて、水路上流側22aと連通していて、水路上流側22aの水を導入可能になっている。水ウエイト室31の上面は開口されていて大気と連通している。
【0061】
水ウエイト室31の側部には内部の水をウエイト室29に排出する水ウエイト調整堰32が設けられている。水ウエイト調整堰32は、水ウエイト室31の側部に開口された四角形の開口孔32a、開口孔32aの開口幅を可変する堰板32b、堰板32bの両側を案内するガイド32cから構成されている。
【0062】
堰板32bは左右方向に水平スライドして開口孔32aの開口幅を可変する構造、例えば左側にスライドして開口孔32aの開口幅を広げ、右側にスライドして開口孔32aの開口幅を狭める構造の場合と、堰板32bが上下方向に昇降スライドして開口孔32aの開口幅を可変する構造、例えば上側にスライドして開口孔32aの開口幅を広げ、下側にスライドして開口孔32aの開口幅を狭める構造の場合とがある。開口孔32aの開口幅を可変する堰板32bは予め所定の設定開口幅に調整されている。
【0063】
堰板32bが水平スライドする構造の場合には、開口孔32aの上下側に左側に延長させてガイド32cが水平方向に配置される。また、堰板32bが昇降スライドする場合には、開口孔32aの左右両側に上方に延長させてガイド32cが上下方向に配置されている。
【0064】
水ウエイト室31内の水位は、上流水導入用可撓管31aを通じて流入する水が水ウエイト調整堰32を通じて排出される損失水頭の分(=Δh)だけ、ウエイト室29の水位より高くなり、水ウエイト室31に水重が発生して重くなる。
【0065】
ウエイト室29と貯水室30とを仕切る隔壁にはウエイト室29内部の水を貯水室30に排出するウエイト室水位調整堰33が設けられている。ウエイト室水位調整堰33は、ウエイト室29と貯水室30とを仕切る隔壁の中央側に開口された開口溝33a、開口溝33aの越流高さを可変する堰板33b、堰板33bの両側を案内するガイド33cから構成されている。
【0066】
堰板33bは上下方向に昇降スライドして開口溝33aの越流高さを可変する構造、つまり上側にスライドして開口溝33aの越流高さを高くし、下側にスライドして開口溝33aの越流高さを低くする構造になっている。開口溝33aの越流高さを可変する堰板33bの越流高さは予め所定の設定高さに調整されている。
【0067】
ウエイト室29と貯水室30とを仕切る隔壁の中央側に開口された開口溝33aは、隔壁の中間側から上端まで開口された上下に長い長方形の溝型形状になっている。開口溝33aの左右両側には下方に延長させてガイド33cが上下向きにそれぞれ配置されている。
【0068】
ウエイト室29の上方には水ウエイト回動軸34が横設されている。水ウエイト回動軸34は前記回動軸25の近くの上流側寄りに横設されている。水ウエイト回動軸34の両端は軸受け34aに軸支されている。水ウエイト回動軸34は歯車伝達機構36を介して前記回動軸25と連動連結されている。この水ウエイト回動軸34の両端側には水ウエイトアーム35の基端がそれぞれ連結されている。
【0069】
左右の水ウエイトアーム35は、回動軸25を基準にして前記アーム24と同一側に向けて延設されており、その先端には水ウエイト室31の上部側が吊持されている。つまり、水ウエイト室31は水ウエイトアーム35にぶら下がるように取付けられている。
【0070】
歯車伝達機構36は、回動軸25と水ウエイト回動軸34との間で回転力を伝達するもので、回動軸25の一端に取り付けられた歯車36a、水ウエイト回動軸34に取り付けられた歯車36bなどから構成される。歯車伝達機構36では歯車の歯数比を任意に設定でき、ゲート規模や仕様に合わせて水ウエイトからの伝達力を任意に増減できる利点がある。
【0071】
回動軸25の歯車36aと水ウエイト回動軸34の歯車36bとが直接噛み合って回転力を伝達する構成の場合は、回動軸25の回転方向と水ウエイト回動軸34の回転方向は逆向きとなる。回動軸25の回転方向と水ウエイト回動軸34の回転方向を同一向きにする場合には、歯車36aと歯車36bを直接噛み合わせずにその間に別個の伝達歯車や伝達無端チェーンなどを設ける。
【0072】
水ウエイト室31の重量は、水ウエイトアーム35、水ウエイト回動軸34及び歯車伝達機構36を介して回動軸25に伝わり、扉体23の自重によって回動軸25に作用する回転モーメントMと逆向き(又は同一向き)の回転モーメントMを回動軸25に作用させる。これによって、扉体23は上向き(又は下向き)に回動して開かれる(又は閉じられる)。
【0073】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
前記の構成からなる水ウエイト式自動水位調節ゲートの安定条件は、歯車伝達機構36の回動軸25の歯車36aと水ウエイト回動軸34の歯車36bとが直接噛み合う場合には次のようになる。
(1) M≒M+M+M
ここで、M:扉体23による閉(左回り)方向の回転モーメント
:カウンタウエイト28による開(右回り)方向の回転モーメント
:水ウエイト室31による開(左回り)方向の回転モーメント
:水ウエイト室31内のΔhの水位高さの水ウエイトwの重量による開(左回り)方向の回転モーメント
(2)水路上流側22aの水位面と水ウエイト室31内の水位面は同一レベルで、ウエイト室29内の水位面は水ウエイト室31内の水位面よりΔhだけ低い状態で釣り合う。
【0074】
上記(1)(2)の状況において、水路上流側22aの上流水は、導水弁29a及び上流水導入用可撓管31aを通り水ウエイト室31内に流れ込み、水ウエイト室31の水ウエイト調整堰32よりウエイト室29内に流出し、ウエイト室29からウエイト室水位調整堰33を通って貯水室30へ流れ込み、戻り口30aから水路下流側22bへ流下する。
【0075】
前記の安定条件を維持していれば、水路22を流下する流量は設定された水路上流側22aの上流側水位において、流下できるようにラジアルゲート21は開度Hを保っている。つまり、ウエイト室水位調整堰33を通じてウエイト室29から貯水室30に流出する水量は、水ウエイト調整堰32を通じて水ウエイト室31から流出される水量により補充される。水ウエイト室31は導水弁29a及び上流水導入用可撓管31aを通じて水路上流側22aの上流側水位と連通しているので、水ウエイト室31の水ウエイト調整堰32からの流出水量は水路上流側22aより常に補充される。
【0076】
水路22の流量が減少すると、ラジアルゲート21の開度Hのままでは水路上流側22aの上流側水位とこれに連通する水ウエイト室31内の水位が低下する。また、水ウエイト調整堰32及びウエイト室水位調整堰33からは常に水が流出しているために、水ウエイト室31内の水位とウエイト室29内の水位は共に低下して行き、Δhも減少してゼロ(Δh=0)になる。
【0077】
この過程において、Δhの大きさに比例する水ウエイトwの重量が減少して行くと、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
>M+M+M
になり、ラジアルゲート21が閉方向に作動し、ラジアルゲート21の開度Hを減少させて行くことになる。
【0078】
ラジアルゲート21が閉方向に作動すると、ラジアルゲート21の開度Hが減少することで、上流から流れ込む流量が低下していても、水路上流側22aの水面は上昇する。ラジアルゲート21が閉方向に作動を続けると、水路上流側22aの水位は上昇する。
【0079】
これにより、水路上流側22aと連通する水ウエイト室31内の水位も同一レベルで上昇して、Δhも増加する。Δhが増加するとこれに比例する水ウエイトwの重量が増加して、ラジアルゲート21を開放する方向に作用する回転モーメントMが増加し、
<M+M+M
になると、ラジアルゲート21は開方向に作動する。
【0080】
これらラジアルゲート21の開閉の作動により、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、設定水位において、流下する流量に見合ったラジアルゲート21の開度Hを保つようになる。
【0081】
水路上流側22aの水位の維持は、前記の安定条件を保つように、水ウエイト調整堰32及びウエイト室水位調整堰33の開度を調整し、ウエイト室29と水ウエイト室31の水位差Δhを一定にする。
【0082】
ラジアルゲート21を作動させるには安定条件を崩してやればよい。
このために、ウエイト室水位調整堰33の越流面レベルを変化させウエイト室29内の水面を変化させることで、水ウエイト室31の内水との水位差を変え、水ウエイトwの重量を変化させることで、安定条件を保つ水位差Δhになるまで水ウエイト室31が昇降し、これに連動してラジアルゲート21が開閉する。
【0083】
ウエイト室水位調整堰33を例えば所定量上昇(=設定水位上昇)すると、ウエイト室水位調整堰33からの越流量が減少し、ウエイト室29内の水位が上昇し、ウエイト室29と水ウエイト室31の水位差Δhが減少して、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
>M+M+M
になり、ラジアルゲート21が閉方向に作動し、ラジアルゲート21の開度Hを減少させて行くことになる。
【0084】
ラジアルゲート21が閉方向に作動すると、ラジアルゲート21の開度Hが減少することで、水路上流側22aの水位は上昇する。これにより、水路上流側22aと連通する水ウエイト室31内の水位も同一レベルで上昇して、ウエイト室29と水ウエイト室31の水位差Δhも増加する。Δhが増加するとこれに比例する水ウエイトwの重量が増加して、ラジアルゲート21を開放する方向に作用する回転モーメントMが増加し、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、開閉するラジアルゲート21は停止し、水位を保持するようになる。
【0085】
ウエイト室水位調整堰33を例えば所定量下降(=設定水位減少)すると、ウエイト室水位調整堰33からの越流量が増加し、ウエイト室29内の水位が下降し、ウエイト室29と水ウエイト室31の水位差Δhが増加して、前記の(1)の釣り合いの条件が崩れ、
<M+M+M
になり、ラジアルゲート21が開方向に作動し、ラジアルゲート21の開度Hを増加させて行くことになる。
【0086】
ラジアルゲート21が開方向に作動すると、ラジアルゲート21の開度Hが増加することで、水路上流側22aの水位は下降する。これにより、水路上流側22aと連通する水ウエイト室31内の水位も同一レベルで下降して、ウエイト室29と水ウエイト室31の水位差Δhが減少する。Δhが減少するとこれに比例する水ウエイトwの重量が減少して、ラジアルゲート21を開放する方向に作用する回転モーメントMが減少し、
≒M+M+M
の条件を満足するような位置になり、開閉するラジアルゲート21は停止し、水位を保持するようになる。
【0087】
なお、この発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。前記の実施の形態ではカウンタウエイトが設けられている場合で説明したが、必要に応じて省略することも可能である。
【0088】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1〜請求項3の発明に係る水ウエイト式自動水位調節ゲートによれば、水路上流側の水位が水路下流側の水位より高い所定高さ以上になると、水路上流側の水が上流水導入用可撓管を通じて水ウエイト室内に流入し、水ウエイト室の水ウエイト調整堰からの排水とウエイト室水位調整堰からの排水による損失水頭の分だけ、水ウエイト室内の水位がウエイト室の水位より高くなって、水ウエイト室に水重が発生して重くなった水ウエイト室によって、回動軸を挟んでその反対側のラジアルゲートを上げることができる。このように、水ウエイト室の水重の変動によってラジアルゲートを開閉して、流下する流量に見合った開度を保つようにすることができる。しかも、ウエイト室から貯水室へのウエイト室水位調整堰の越流面レベルを変化させて水路上流側の水位を調整するので、従来のバルブやノズルなどを利用したものに比べて、土砂や塵芥等で目詰まりを起こすこともなく、又これに起因する作動不良の発生もない。さらに、流出部の状況を外部より目視して確認でき、保守・点検も容易になる。
【0089】
また、請求項3の発明に係る水ウエイト式自動水位調節ゲートによれば、前記の効果に加えて、ラジアルゲートの回動軸と水ウエイト回動軸との間では歯車伝達機構を介して回転力の伝達が行われるために、歯車の歯数比を任意に設定でき、ゲート規模や仕様に合わせて水ウエイトからの伝達力を任意に増減できる利点がある。また、ウエイト室を水路上流側寄りに設けることにより、ウエイト室及び貯水室の全長長さを短くすることが可能になり、建設コストの低減を図ることができる。さらに、ラジアルゲートの回動軸と水ウエイト回動軸との間では歯車伝達機構を介して回転力の伝達が行われるために、ラジアルゲートの回動軸と水ウエイト回動軸の連結又は取り外しが容易になり、運搬、据え付け等の作業が容易になる。
【0090】
また、請求項4のように、回動軸を挟んでラジアルゲートのアームと反対側にウエイトアームを延設すると共に、ウエイトアームの基端を回動軸に連結しウエイトアームの先端にカウンタウエイトを連結した場合には、水ウエイト室の自重はカウンタウエイトと作用方向が同じであるので、水ウエイト室の自重の分だけカウンタウエイトの重量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態−1を示す原理図である。
【図2】 この発明の実施の形態−1を示す概略部分平面図である。
【図3】 (A)はこの発明の実施の形態−1を示す水ウエイト調整堰の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−1を示す水ウエイト調整堰の概略側断面図である。
【図4】 (A)はこの発明の実施の形態−1を示す水ウエイト調整堰の他例の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−1を示す水ウエイト調整堰の他例の概略側断面図である。
【図5】 (A)はこの発明の実施の形態−1を示すウエイト室水位調整堰の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−1を示すウエイト室水位調整堰の概略側断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態−を示す原理図である。
【図7】 この発明の実施の形態−を示す概略部分平面図である。
【図8】 (A)はこの発明の実施の形態−を示す水ウエイト調整堰の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−を示す水ウエイト調整堰の概略側断面図である。
【図9】 (A)はこの発明の実施の形態−を示す水ウエイト調整堰の他例の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−を示す水ウエイト調整堰の他例の概略側断面図である。
【図10】 (A)はこの発明の実施の形態−を示すウエイト室水位調整堰の概略正面図である。
(B)はこの発明の実施の形態−を示すウエイト室水位調整堰の概略側断面図である。
【符号の説明】
1 ラジアルゲート
2 水路
2a 水路上流側
2b 水路下流側
3 扉体
4 アーム
5 回動軸
6 軸受け
7 ウエイトアーム
8 カウンタウエイト
9 ウエイト室
10 バルブ室
11 貯水室
11a 戻り口
11b ウエイト室排水弁
12 上流水導入管
12a 導水弁
12b 上流水導入バイパス管
12c 充水弁
13 水ウエイト室
13a 上流水導入用可撓管
14 水ウエイト調整堰
14a 開口孔
14b 堰板
14c ガイド
15 ウエイト室水位調整堰
15a 開口溝
15b 堰板
15c ガイド
16 水ウエイト回動軸
17 水ウエイトアーム
21 ラジアルゲート
22 水路
22a 水路上流側
22b 水路下流側
23 扉体
24 アーム
25 回動軸
26 軸受け
27 ウエイトアーム
28 カウンタウエイト
29 ウエイト室
29a 導水弁
29b 充水弁
30 貯水室
30a 戻り口
30b ウエイト室排水弁
31 水ウエイト室
31a 上流水導入用可撓管
32 水ウエイト調整堰
32a 開口孔
32b 堰板
32c ガイド
33 ウエイト室水位調整堰
33a 開口溝
33b 堰板
33c ガイド
34 水ウエイト回動軸
34a 軸受け
35 水ウエイトアーム
36 歯車伝達機構
36a 歯車
36b 歯車
Δh 水ウエイト室内水位とウエイト室内水位との水位差
H ラジアルゲートの開度
w 水ウエイト

Claims (4)

  1. 水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方にウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰を設け、上記回動軸に連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に横設し、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持したことを特徴とする水ウエイト式自動水位調節ゲート。
  2. 水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方に側壁を隔ててウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通する上流水導入管を配設し、一端が上流水導入管に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰をウエイト室と貯水室を仕切る隔壁に設け、上記回動軸の一端に連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に延長して横設し、上記回動軸を挟んで該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと反対側になる該回動軸の後方側に向けて水ウエイトアームを延設すると共に、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持したことを特徴とする水ウエイト式自動水位調節ゲート。
  3. 水路上方に横設された回動軸にアームを介して連結された扉体が上下回りに回動して水路を開閉するラジアルゲートを水路上流側に向けて設置し、該ラジアルゲートの側方に側壁を隔てて水路上流側に一端側が延設されたウエイト室及び水路下流側と連通する貯水室を設け、内部に水室を有する水ウエイト室を上記ウエイト室内に設け、一端側が水路上流側に連通し他端が上記水ウエイト室に連通する上流水導入用可撓管を上記ウエイト室内に配設し、上記水ウエイト室の側部に内部の水の流出を調整する水ウエイト調整堰を設け、上記ウエイト室から上記貯水室への水の流出を調整するウエイト室水位調整堰をウエイト室と貯水室を仕切る隔壁に設け、上記回動軸に歯車伝達機構を介して連動連結される水ウエイト回動軸をウエイト室の上方に横設し、上記回動軸を基準として該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと同一側になる該回動軸の前方側に向けて水ウエイトアームを延設すると共に、水ウエイトアームの基端を水ウエイト回動軸に連結し水ウエイトアームの先端に上記水ウエイト室を吊持したことを特徴とする水ウエイト式自動水位調節ゲート。
  4. 回動軸を挟んで該回動軸の前方側に位置するラジアルゲートのアームと反対側になる該回動軸の後方側に向けてウエイトアームを延設すると共に、ウエイトアームの基端を回動軸に連結しウエイトアームの先端にカウンタウエイトを連結した請求項1〜請求項3の何れかに記載の水ウエイト式自動水位調節ゲート。
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