JP2010105459A - 二輪自動車用タイヤ - Google Patents

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Kiyoshi Funahara
喜代志 舩原
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C2200/00Tyres specially adapted for particular applications
    • B60C2200/10Tyres specially adapted for particular applications for motorcycles, scooters or the like

Abstract

【課題】乗り心地及び旋回安定性に優れる二輪自動車用タイヤ2の提供。
【解決手段】この二輪自動車用タイヤ2は、軸方向において複数の領域に分割されたトレッド4と、ラジアル構造を有するカーカス10と、このカーカス10と上記トレッド4との間に位置するバンド12と、このバンド12に積層された一対の補強層14とを備えている。このバンド12は、周方向に螺旋巻きされたコードを含んでいる。これら補強層14のそれぞれは、トレッド端24の近傍に位置している。上記トレッド4は、赤道上に位置する領域36と、この領域36からトレッド端24までの間に配置された1又は2以上の領域36とを備えている。それぞれの領域36は、その赤道面の側に位置する領域36の硬度と同等又はそれよりも低い硬度を有している。上記赤道上に位置する領域36の硬度は、トレッド端24が位置する領域36の硬度よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪自動車に装着される空気入りタイヤに関する。
二輪自動車は、ハンドルを切りつつ車体を内側に傾斜させることにより旋回する。この二輪自動車のタイヤには、スリップ角に応じてコーナリングフォースが発生し、キャンバー角に応じてキャンバースラストが発生する。このコーナリングフォースとキャンバースラストとは、旋回時にタイヤに発生する横力に寄与しうる。旋回時、二輪自動車には遠心力が働く。この遠心力に上記横力が釣り合うと、二輪自動車は安定に旋回しうる。
旋回の容易の目的で、上記タイヤはその曲率半径が小さいトレッドを備えている。直進時には、トレッドの赤道面の部分が主に接地する。旋回時には、そのトレッド端の近傍部分が主に接地する。赤道面の部分及びトレッド端の近傍部分のそれぞれの役割が考慮されたトレッドが、特開2005−271760号公報、特開2007−131112号公報及び特開2007−168531号公報に開示されている。
特開2005−271760号公報 特開2007−131112号公報 特開2007−168531号公報
そのトレッドが軸方向に分割され複数の領域で構成されたタイヤでは、赤道面の部分に高い硬度を有する架橋ゴムが用いられ、トレッド端の近傍部分に低い硬度を有する架橋ゴムが用いられる。このタイヤは、直進時の耐摩耗性及び旋回時のグリップ力に優れる。
グリップ力の向上は、旋回速度の高速化に寄与しうる。しかし、このタイヤには、トレッド端の近傍部分の硬度が低いから、高速旋回時に剛性が不足し十分な旋回安定性が得られないという問題がある。
旋回安定性の観点から、バンドとカーカスとの間にベルトが設けられる場合がある。このベルトは、トレッドの一端の近傍からその他端の近傍まで延在している。このベルトは剛性に寄与しうるから、タイヤの旋回安定性は向上する。しかし、このベルトは赤道面の部分の剛性にも寄与しうるから、このタイヤの乗り心地が阻害されるという問題が生じてしまう。
本発明の目的は、乗り心地及び旋回安定性に優れる二輪自動車用タイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、軸方向において複数の領域に分割されたトレッドと、ラジアル構造を有するカーカスと、このカーカスと上記トレッドとの間に位置するバンドと、このバンドに積層された一対の補強層とを備えている。このバンドは、周方向に螺旋巻きされたコードを含んでいる。これら補強層のそれぞれは、トレッド端の近傍に位置している。上記トレッドは、赤道上に位置する領域と、この領域からトレッド端までの間に配置された1又は2以上の領域とを備えている。それぞれの領域は、その赤道面の側に位置する領域の硬度と同等又はそれよりも低い硬度を有している。上記赤道上に位置する領域の硬度は、トレッド端が位置する領域の硬度よりも高い。
好ましくは、この二輪自動車用タイヤでは、上記補強層の幅の、上記バンドの半幅に対する比率は25%以上75%以下である。
好ましくは、この二輪自動車用タイヤでは、上記トレッドは、第一の領域と、一対の第二の領域と、一対の第三の領域とからなる。この第一の領域は、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域は、この第一の領域の軸方向外側に位置している。それぞれの第三の領域は、この第二の領域の軸方向外側に位置している。
この二輪自動車用タイヤでは、トレッドが赤道上に位置する領域と、この領域からトレッド端までの間に配置された1又は2以上の領域とを備えている。それぞれの領域は、その赤道面の側に位置する領域の硬度と同等又はそれよりも低い硬度を有している。このトレッドは、その硬度が赤道面からトレッド端に向かって低くなるように構成されている。このタイヤでは、直進走行から旋回走行への移行時又は旋回走行から直進走行への移行時において、トレッドの特性が急激に変化しない。このタイヤによれば、ライダーは違和感を感じることなく二輪自動車を操縦しうる。赤道上に位置する領域が高い硬度を有するから、このタイヤは直進時の耐摩耗性に優れる。トレッド端を有する領域が低い硬度を有するから、このタイヤは旋回時のグリップ力に優れる。このタイヤでは、旋回速度の高速化がなされうる。トレッド端の近傍に位置する補強層が剛性に適切に寄与しうるから、このタイヤは旋回安定性に優れる。赤道面の部分に補強層が設けられていないから、優れた乗り心地も維持されうる。このタイヤは、乗り心地及び旋回安定性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、バンド12、補強層14、インナーライナー16及びチェーファー18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。
トレッド4は、架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。このトレッド面20は、路面と接地する。トレッド面20には、溝22が刻まれている。この溝22により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4に溝22が刻まれなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド端24から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア26と、このコア26から半径方向外向きに延びるエイペックス28とを備えている。コア26は、リング状である。コア26は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス28は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ30からなる。カーカスプライ30は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ30は、コア26の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このカーカス10が、2枚以上のカーカスプライ30から構成されてもよい。
図示されていないが、カーカスプライ30は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。このタイヤ2は、操縦性及び乗り心地の両立の点で、そのカーカス10がバイアス構造とされたバイアスタイヤ2よりも優れている。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。このバンド12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。このバンド12は、カーカス10とトレッド4との間に位置している。このバンド12の端32は、トレッド端24の近傍に位置している。図示されていないが、このバンド12はコードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。このバンド12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このバンド12は、タイヤ2の半径方向の剛性に寄与しうる。このタイヤ2では、走行時に作用する遠心力の影響が抑制される。このタイヤ2は、高速安定性に優れる。このコードとしては、その材質がスチールであるスチールコード及び有機繊維からなる有機繊維コードが例示される。この有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
補強層14は、トレッド端24の近傍に位置している。この補強層14は、図示されていない他の補強層14とは離間して配置されている。補強層14は、カーカス10に積層されている。この補強層14は、このカーカス10の半径方向外側に位置している。補強層14は、バンド12に積層されている。この補強層14は、このバンド12の半径方向内側に位置している。この補強層14は、このバンド12で覆われている。なお、この補強層14がこのバンド12の半径方向外側に位置してもよい。
図示されているように、この補強層14のトレッド端24の側に位置する端34とバンド12の端32とは揃っている。なお、この端34からこの端32までの距離が5mm以下であれば、この端34がこの端32よりも赤道面の側に位置してもよいし、この端34がこの端32よりもトレッド端24の側に位置してもよい。
図示されていないが、補強層14は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、周方向に対して傾斜している。この傾斜角度の絶対値は、通常は45°以上90°以下である。この傾斜角度の絶対値が90°未満であるとき、一方の補強層14のコードの傾斜方向は他方の補強層14のそれとは逆であるのが好ましい。このコードとしては、その材質がスチールであるスチールコード及び有機繊維からなる有機繊維コードが例示される。この有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
このタイヤ2では、上記補強層14は、トレッド端24の近傍の剛性に寄与しうる。このタイヤ2では、一対の補強層14が軸方向に離間して配置されており、その赤道面の部分に補強層14は設けられていない。このタイヤ2では、赤道面の部分の剛性過大が防止されている。このタイヤ2では、乗り心地の低下が抑えられている。
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された拡大断面図である。この図2には、タイヤ2のトレッド4の部分が示されている。このタイヤ2では、トレッド4は軸方向において分割されている。このトレッド4は、複数の領域36から構成されている。これら領域36は、軸方向に並べられている。
このタイヤ2では、トレッド4は、第一の領域36aと、一対の第二の領域36bと、一対の第三の領域36cとからなる。この第一の領域36aは、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域36bは、この第一の領域36aの軸方向外側に位置している。それぞれの第三の領域36cは、この第二の領域36bの軸方向外側に位置している。このタイヤ2では、このトレッド4の一端24から他端(図示されず)までの部分は5に分割されている。
このタイヤ2では、第三の領域36cが軸方向外側に位置している。この第三の領域36cに、トレッド端24が位置している。このタイヤ2では、トレッド4が赤道上に位置する第一の領域36aと、この第一の領域36aからトレッド端24までの間に配置された、第二の領域36b及び第三の領域36cとを備えている。
このタイヤ2では、トレッド4は、軸方向において5に分割され、3種類の領域36から構成されている。このトレッド4が、その分割数が3とされ、2種類の領域から構成されてもよい。この場合、このトレッド4は、赤道上に位置する第一の領域と、この第一の領域の軸方向外側に位置する一対の第二の領域とからなる。このトレッド4が、その分割数が7とされ、4種類の領域から構成されてもよい。この場合、このトレッド4は、赤道上に位置する第一の領域と、この第一の領域の軸方向外側に位置する一対の第二の領域と、それぞれの第二の領域の軸方向外側に位置する一対の第三の領域と、それぞれの第三の領域の軸方向外側に位置する一対の第四の領域とからなる。このトレッド4が、その分割数が9とされ、5種類の領域から構成されてもよい。この場合、このトレッド4は、赤道上に位置する第一の領域と、この第一の領域の軸方向外側に位置する一対の第二の領域と、それぞれの第二の領域の軸方向外側に位置する一対の第三の領域と、それぞれの第三の領域の軸方向外側に位置する一対の第四の領域と、それぞれの第四の領域の軸方向外側に位置する一対の第五の領域とからなる。このタイヤ2では、トレッド4を構成する領域の種類がNとされたとき、その分割数は(2N−1)で示される。このタイヤ2では、トレッド4が分割されるから、このNは2以上の自然数である。このタイヤ2の生産性の観点から、このNは6以下であるのが好ましい。生産性を損なうことなくタイヤ2性能の向上が図れるという観点から、このNは5以下であるのがより好ましい。特に好ましくは、このNは3である。
上記トレッド4を構成するそれぞれの領域36は、その赤道面の側に位置する領域36の硬度と同等又はそれよりも低い硬度を有している。このタイヤ2では、上記第二の領域36bは、その赤道面の側に位置する第一の領域36aの硬度よりも低い硬度を有している。上記第三の領域36cは、その赤道面の側に位置する第二の領域36bの硬度よりも低い硬度を有している。このタイヤ2では、トレッド4はその硬度が赤道面からトレッド端24に向かって徐々に低くなるように構成されている。なお、上記第二の領域36bが第一の領域36aの硬度と同等の硬度を有してもよい。この場合、上記第三の領域36cは、その赤道面の側に位置する第二の領域36bの硬度よりも低い硬度を有するように、トレッド4は構成される。上記第三の領域36cが、第二の領域36bの硬度と同等の硬度を有してもよい。この場合、上記第二の領域36bは、その赤道面の側に位置する第一の領域36aの硬度よりも低い硬度を有するように、トレッド4は構成される。
直進走行から旋回走行への移行時には、接地箇所は、第一の領域36aから第二の領域36bへと移行し、さらにこの第二の領域36bから第三の領域36cへと移行する。前述したように、このトレッド4はその硬度が赤道面からトレッド端24に向かって徐々に低くなるように構成されている。第一の領域36aから第二の領域36bへの移行において、特性は急激には変化しない。第二の領域36bから第三の領域36cへの移行においても、特性は急激には変化しない。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行の際に、ライダーが違和感を感じることはない。
旋回走行から直進走行への移行時には、接地箇所は、第三の領域36cから第二の領域36bへと移行し、さらにこの第二の領域36bから第一の領域36aへと移行する。このトレッド4はその硬度がトレッド端24から赤道面に向かって徐々に高くなるように構成されている。第三の領域36cから第二の領域36bへの移行において、特性は急激には変化しない。第二の領域36bから第一の領域36aへの移行においても、特性は急激には変化しない。このタイヤ2では、旋回走行から直進走行への移行の際にも、ライダーが違和感を感じることはない。
このタイヤ2では、第一の領域36aの硬度は第三の領域36cの硬度よりも高い。このタイヤ2では、赤道上に位置する第一の領域36aがトレッド4において最も高い硬度を有する。トレッド端24が位置する第三の領域36cが、トレッド4において最も低い硬度を有する。
直進時には第一の領域36aが主として接地する。第一の領域36aが高い硬度を有するから、このタイヤ2は直進時の耐摩耗性に優れる。この観点から、この第一の領域36aの硬度HCは、63以上が好ましく、65以上がより好ましい。剛性の過大が防止され優れた乗り心地が維持されうるという観点から、この硬度HCは85以下が好ましい。なお、本発明では、上記硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、23°Cの条件下でタイプAのデュロメータがタイヤ2に押しつけられて測定される。
旋回時(特にフルバンク)には第三の領域36cが主として接地する。この第三の領域36cは低い硬度を有するから、このタイヤ2は旋回時のグリップ力に優れる。このタイヤ2が装着された二輪自動車は、高速で旋回しうる。この観点から、この第三の領域36cの硬度HSは、80以下が好ましく、75以下がより好ましい。適切に剛性が維持されうるという観点から、この硬度HSは60以上が好ましい。
このタイヤ2では、耐摩耗性及び旋回時のグリップ力が両立されうるという観点から、第一の領域36aの硬度HCと第三の領域36cの硬度HSとの差(HC−HS)は3以上であるのが好ましい。ライダーが違和感を感じることなく二輪自動車を操縦しうるという観点から、この差(HC−HS)は7以下が好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、上記補強層14がトレッド端24の近傍の剛性に寄与しうる。このタイヤ2では、高速で旋回してもトレッド端24の近傍の剛性が不足することはない。このタイヤ2は、高速でしかも安定に旋回しうる。このタイヤ2は、旋回安定性に優れる。
図1において、実線L1は補強層14の赤道面の側に位置する端38を通る直線である。この実線L1は、トレッド面20と垂直に交差している。点P1は、この実線L1とトレッド面20との交点である。実線L2は、補強層14の端34及びバンド12の端32を通る直線である。この実線L2は、トレッド面20と垂直に交差している。点P2は、この実線L2とトレッド面20との交点である。両矢印WSで示されているのは、トレッド4の半幅である。半幅WSは、トレッド面20に沿って測定された、赤道面からトレッド端24までの距離である。両矢印WAで示されているのは、バンド12の半幅である。この半幅WAは、トレッド面20に沿って測定された、赤道面から点P2までの距離である。この半幅WAは、赤道面からバンド12の端32までの距離に相当する。両矢印WBで示されているのは、補強層の幅である。この幅WBは、トレッド面20に沿って測定された、点P1から点P2までの距離である。この幅WBは、補強層の端38からその端34までの距離に相当する。半幅WS、半幅WA及び幅WBは、タイヤ2が切断されて得られるサンプルにおいて測定される。
旋回安定性の観点から、比率(WA/WS)は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。トレッド端の近傍の剛性が適切に維持されるという観点から、この比率(WA/WS)は100%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。
旋回安定性の観点から、比率(WB/WA)は25%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。乗り心地の観点から、この比率(WB/WA)は75%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。
図2において両矢印WDで示されているのは、トレッド4の半幅である。半幅WDは、トレッド面20に沿って測定された、赤道面からトレッド端24までの距離である。両矢印W1で示されているのは、第一の領域36aの半幅である。半幅W1は、トレッド面20に沿って測定された、赤道面から第一の領域36aの端40aまでの距離である。両矢印W2で示されているのは、第二の領域36bの幅である。幅W2は、トレッド面20に沿って測定された、第二の領域36bの一端40bから他端42aまでの距離である。両矢印W3で示されているのは、第三の領域36cの幅である。幅W3は、トレッド面20に沿って測定された、第三の領域36cの一端42bから他端(トレッド端24)までの距離である。半幅WD、半幅W1、幅W2及び幅W3は、タイヤ2が切断されて得られるサンプルにおいて測定される。
耐摩耗性の観点から、比率(W1/WD)は10%以上が好ましい。比率(W1/WD)は、40%以下が好ましく、30%以下が特に好ましい。旋回時のグリップ力の観点から、比率(W3/WD)は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。比率(W3/WD)は、45%以下が好ましい。過渡特性の観点から、比率(W2/WD)は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。比率(W2/WD)は、45%以下が好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「180/55 ZR17」である。トレッドは、軸方向において5に分割され、3種類の領域から構成されている。このトレッドは、第一の領域と、一対の第二の領域と、一対の第三の領域とからなる。この第一の領域は、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域は、この第一の領域の軸方向外側に位置している。それぞれの第三の領域は、この第二の領域の軸方向外側に位置している。このトレッドの一端から他端までの部分は、均等に5に分割されている。第一の領域の半幅W1は、第二の領域の幅W2の半分である。この第二の領域の幅W2は、第三の領域の幅W3と同等である。第一の領域の硬度は、63である。第二の領域の硬度は、62である。第三の領域の硬度は、60である。このタイヤは、軸方向に離間して配置された一対の補強層を備えている。それぞれの補強層は、トレッド端の近傍に位置している。この補強層は、並列された多数のコードを含んでいる。それぞれのコードは、周方向に対して傾斜している。このコードの傾斜角度の絶対値は、60°である。このコードは、ナイロン繊維からなる。この補強層の幅WBの、バンドの半幅WAに対する比率(WB/WA)は、50%である。この半幅WAのトレッドの半幅WSに対する比率(WA/WS)は、90%である。
[実施例2から4]
比率(WB/WA)を下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例1]
一対の補強層ではなく、トレッドの一端の近傍からその他端の近傍まで延在する一枚の補強層を設けた他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。表1において、この比較例1の比率(WB/WA)は100%として示されている。
[実施例5]
図1に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例5の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「180/55 ZR17」である。トレッドは、軸方向において3に分割され、2種類の領域から構成されている。このトレッドは、第一の領域と、一対の第二の領域とからなる。この第一の領域は、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域は、この第一の領域の軸方向外側に位置している。このタイヤでは、このトレッドの一端から他端までの部分は、均等に3に分割されている。第一の領域の半幅は、第二の領域の幅の半分である。第一の領域の硬度は、63である。第二の領域の硬度は、60である。このタイヤは、軸方向に離間して配置された一対の補強層を備えている。これら補強層は、実施例1のそれと同等である。比率(WB/WA)は50%であり、比率(WA/WS)は90%である。
[実施例6から8]
比率(WB/WA)を下記表2の通りとした他は実施例5と同様にして、タイヤを得た。
[比較例2]
一対の補強層ではなく、トレッドの一端の近傍からその他端の近傍まで延在する一枚の補強層を設けた他は実施例5と同様にして、タイヤを得た。表2において、この比較例2の比率(WB/WA)は100%として示されている。
[実施例9]
図1に示された基本構成を備え、下記表3に示された仕様を備えた実施例9の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「180/55 ZR17」である。トレッドは、軸方向において9に分割され、5種類の領域から構成されている。このトレッドは、第一の領域と、一対の第二の領域と、一対の第三の領域と、一対の第四の領域と、一対の第五の領域とからなる。この第一の領域は、赤道上に位置している。それぞれの第二の領域は、この第一の領域の軸方向外側に位置している。それぞれの第三の領域は、この第二の領域の軸方向外側に位置している。それぞれの第四の領域は、この第三の領域の軸方向外側に位置している。それぞれの第五の領域は、この第四の領域の軸方向外側に位置している。このタイヤでは、このトレッドの一端から他端までの部分が均等に9に分割されている。第一の領域の半幅は、第二の領域の幅の半分である、この第二の領域の幅、第三の領域の幅、第四の領域の幅及び第五の領域の幅は、同等である。第一の領域の硬度は、63である。第二の領域の硬度は、62である。第三の領域の硬度は、62である。第四の領域の硬度は、61である。第五の領域の硬度は、60である。このタイヤは、軸方向に離間して配置された一対の補強層を備えている。これら補強層は、実施例1のそれと同等である。比率(WB/WA)は50%であり、比率(WA/WS)は90%である。
[実施例10から12]
比率(WB/WA)を下記表3の通りとした他は実施例9と同様にして、タイヤを得た。
[比較例3]
一対の補強層ではなく、トレッドの一端の近傍からその他端の近傍まで延在する一枚の補強層を設けた他は実施例9と同様にして、タイヤを得た。表3において、この比較例3の比率(WB/WA)は100%として示されている。
[比較例4]
トレッドを分割しなかった他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「180/55 ZR17」である。トレッドは、その硬度が63である第一の領域からなる。第一の領域の硬度は、63である。このタイヤは、軸方向に離間して配置された一対の補強層を備えている。これら補強層は、実施例1のそれと同等である。比率(WB/WA)は50%であり、比率(WA/WS)は90%である。
[比較例5から8]
比率(WB/WA)を下記表4の通りとした他は比較例4と同様にして、タイヤを得た。
[走行テスト]
試作タイヤを排気量が600ccである市販の自動二輪車(4サイクル)の後輪(リム:17×MT5.50)に装着し、その内圧が290kPaとなるように空気を充填した。前輪には、市販のタイヤ(サイズ:「120/60 ZR17」)を装着し、その内圧が250kPaとなるように空気を充填した。この自動二輪車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。評価項目は、曲率半径Rが40mであるコーナーを速度80km/hで走行したときのグリップ力及び旋回安定性並びに高さ10mmである突起を速度50km/hで乗り越したときの乗り心地である。この結果が、下記表1、表2、表3及び表4に5点が満点とされた指数値で示されている。この数値が大きいほど、良好である。
[耐摩耗性評価]
試作タイヤを排気量が600ccである市販の自動二輪車(4サイクル)の後輪(リム:17×MT5.50)に装着し、その内圧が290kPaとなるように空気を充填した。前輪には、市販のタイヤ(サイズ:「120/60 ZR17」)を装着し、その内圧が250kPaとなるように空気を充填した。タイヤの溝深さD0を計測した後、この自動二輪車をその路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させた。2000km走行後、再び溝深さD1を計測し、溝深さの差(D0−D1)に対する走行距離(2000m)の比を求め、この比を溝深さ1mmあたりの走行距離とし、比較例4を100とした指数値で、下記表1、表2、表3及び表4に示している。この数値が大きいほど、良好である。
Figure 2010105459
Figure 2010105459
Figure 2010105459
Figure 2010105459
表1、表2、表3及び表4に示されるように、トレッドの複数分割により、耐摩耗性及び旋回時のグリップ力が両立することが確認された。左右のトレッドの端の近傍のそれぞれに補強層を設けることにより、旋回安定性及び乗り心地が両立することが確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る空気入りタイヤは、種々の車両に装着されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・バンド
14・・・補強層
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・トレッド面
22・・・溝
24・・・トレッド端
26・・・コア
28・・・エイペックス
30・・・カーカスプライ
36、36a、36b、36c・・・領域

Claims (3)

  1. 軸方向において複数の領域に分割されたトレッドと、ラジアル構造を有するカーカスと、このカーカスと上記トレッドとの間に位置するバンドと、このバンドに積層された一対の補強層とを備えており、
    このバンドが、周方向に螺旋巻きされたコードを含んでおり、
    これら補強層のそれぞれが、トレッド端の近傍に位置しており、
    上記トレッドが、赤道上に位置する領域と、この領域からトレッド端までの間に配置された1又は2以上の領域とを備えており、
    それぞれの領域が、その赤道面の側に位置する領域の硬度と同等又はそれよりも低い硬度を有しており、
    上記赤道上に位置する領域の硬度が、トレッド端が位置する領域の硬度よりも高い二輪自動車用タイヤ
  2. 上記補強層の幅の、上記バンドの半幅に対する比率が、25%以上75%以下である請求項1に記載の二輪自動車用タイヤ。
  3. 上記トレッドが、第一の領域と、一対の第二の領域と、一対の第三の領域とからなり、
    この第一の領域が、赤道上に位置しており、
    それぞれの第二の領域が、この第一の領域の軸方向外側に位置しており、
    それぞれの第三の領域が、この第二の領域の軸方向外側に位置している請求項1又は2に記載の二輪自動車用タイヤ。
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