JP2012201279A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回時に十分な横力を発生し得るとともに、旋回から直進への移行時の駆動性能に優れたタイヤの提供。
【解決手段】タイヤ2のトレッド4は、センター領域36と、一対のショルダー領域40と、一対の中間領域38とを備えている。このセンター領域36のゴム硬度Hcは、中間領域38のゴム硬度Hmより小さくされている。中間領域38のゴム硬度Hmは、ショルダー領域40のゴム硬度Hsより小さくされている。バンド14は、実質的に周方向に延びるバンドコードとトッピングゴムとからなっている。中間領域38の巾Wmに対して中間領域38におけるバンド14の巾Wbの比(Wb/Wm)は、0.5以上0.9以下である。ショルダー領域40の巾Wsに対してショルダー領域40におけるベルト12の巾Waの比(Wa/Ws)は、0.5以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪自動車に装着される空気入りタイヤに関する。
二輪自動車は、ハンドルをきりつつ車体を内側に傾斜させて旋回する。この二輪自動車のタイヤには、スリップ角に応じてコーナリングフォースが発生する。キャンバー角に応じてキャンバースラストが発生する。コーナリングフォースとキャンバースラストとが旋回時にタイヤに発生する横力に寄与する。旋回時に二輪自動車に遠心力が働く。遠心力と前述の横力が釣り合って二輪自動車が安定して旋回し得る。
二輪自動車のタイヤは、旋回を容易にするため、その曲率半径が小さいトレッドを備えている。直進時には、トレッドの軸方向中央に位置するセンター領域が主に接地する。旋回時には、そのトレッド端の近傍部分に位置するショルダー領域が主に接地する。センター領域及びショルダー領域のそれぞれの役割が考慮された分割トレッドが採用されたタイヤが、特開2007−131228号公報及び特開2008−87627号公報に開示されている。
この分割トレッドのショルダー領域のゴム硬度がセンター領域のゴム硬度より大きくされたタイヤがある。この分割トレッドは、タイヤのショルダー領域の剛性向上に寄与する。このショルダー領域は、旋回時に横力の発生に寄与し得る。一方で、ゴム硬度の小さい中間領域は、直進時の外乱吸収性能に寄与する。このタイヤでは、旋回時、直進時のそれぞれに適したトレッド部分が路面に接地する。
特開2007−131228号公報 特開2008−87627号公報
一方、実質的に周方向に延びるバンドを備えたタイヤがある。このバンドは、このトレッドのセンター領域の内側に位置している。直進時にはトレッドのセンター領域が主に接地する。このバンドは、所謂「たが効果」を発揮する。このタイヤでは、このバンドが高速回転時にトレッドの膨張を抑制する。このバンドは、高速走行時の操縦安定性に寄与する。
このバンドを備えたタイヤでは、横剛性が低くなりやすい。横剛性の向上のために、このバンドを備えたタイヤに、前述のショルダー領域のゴム硬度がセンター領域のゴム硬度より大きくされた分割トレッドを組み合わせることが考えられる。
二輪自動車では、高速走行の直進時のみならず、旋回から直進に移行する際の加速時にもタイヤのトレッドが膨張し得る。このトレッドの膨張を抑制する観点から、旋回から直進に移行する際に接地するトレッド部分の半径方向内側にも、前述のバンドが位置することが好ましい。
前述の分割トレッドを備えたタイヤでは、旋回から直進に移行する際に接地するトレッド部分に分割トレッドの境界が位置し易い。特に、センター領域とショルダー領域との間に中間領域を備えた分割トレッドでは、旋回から直進に移行する際に接地するトレッド部分に分割トレッドの境界が位置し易い。この分割トレッドの境界で、トレッドの性質が変化している。この分割トレッドの境界でタイヤの特性の変化が大きくなり易い。
前述のバンドが旋回から直進に移行する際に接地するトレッド部分の近傍に位置させられると、このタイヤは分割トレッドの境界でタイヤの特性の変化が更に大きくなり易い。このタイヤは、操縦安定性に劣る。旋回から直進に移行する際に、ライダーが違和感を受け易く過渡特性に劣る。
本発明の目的は、旋回時に十分な横力を発生し得るとともに、旋回から直進への移行時の駆動性能に優れたタイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、トレッドと、カーカスと、このカーカスとトレッドとの間に位置するバンドと、このカーカスとバンドとの間に位置するベルトとを備えている。このトレッドは、軸方向中央に位置するセンター領域と、トレッド端側に位置する一対のショルダー領域と、このセンター領域とショルダー領域との間に位置する一対の中間領域とを備えている。このセンター領域のゴム硬度Hcは、中間領域のゴム硬度Hmより小さくされている。中間領域のゴム硬度Hmは、ショルダー領域のゴム硬度Hsより小さくされている。このバンドは、螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延びるバンドコードとトッピングゴムとからなっている。このベルトは、ベルトコードとトッピングゴムとからなっている。このバンドは、トレッドのセンター領域及び中間領域の半径方向内側に位置している。中間領域の巾Wmに対して中間領域におけるバンドの巾Wbの比(Wb/Wm)は、0.5以上0.9以下である。このベルトは、トレッドのセンター領域、中間領域及びショルダー領域の半径方向内側に位置している。ショルダー領域の巾Wsに対してショルダー領域におけるベルトの巾Waの比(Wa/Ws)は、0.5以上である。
好ましくは、このタイヤでは、上記トレッドの巾Wtに対するベルトの巾Wdの比(Wd/Wt)は、0.8以上1.2以下である。上記トレッドの巾Wtに対するバンドの巾Weの比(We/Wt)は、0.5以上0.75以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記ベルトコードは、周方向に対して傾斜して延びている。このベルトコードの傾斜角度θの絶対値は、60度以上88度以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記トレッドの巾Wtに対するショルダー領域の巾Wsの比(Ws/Wt)が0.10以上0.30以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記トレッドの巾Wtに対するセンター領域の巾Wcの比(Wc/Wt)は、0.10以上0.40未満である。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、トレッドの軸方向中央部分からトレッド端の部分まで、それぞれの役割が考慮されたトレッドを備えている。このタイヤは、実質的に周方向に延びるバンドを備えており、高速での直進時と旋回走行から直進走行への移行時との駆動性能に優れている。更に、分割トレッドを備え、かつ旋回走行から直進走行への移行時の駆動性能に優れているにも関わらず、旋回走行と直進走行との移行時の過渡特性に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1タイヤのベルトの一部が示された平面図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された空気入りタイヤ2の断面において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。図1の一点鎖線CLはこのタイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、この一点鎖線CLに対してほぼ左右対称の形状を呈する。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、インナーライナー16及びチェーファー18を備えている。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。ここでは、前輪に装着されるフロントタイヤを例に説明がされるが、後輪に装着されるリアタイヤにも同様に適用し得る。
トレッド4は、架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。トレッド面20は路面に接地する。トレッド面20には溝22が刻まれている。この溝22によりトレッドパターンが形成されている。このトレッド4に溝22が形成されなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド端24から半径方向内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなっている。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。更にサイドウォール6はカーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向内側に位置している。ビード8は、コア26と、このコア26から半径方向外向きに延びるエイペックス28とを備えている。コア26はリング状の形状を備えている。コア26は、周方向に繰り返し巻かれた非圧縮性ワイヤー、例えばスチール製ワイヤーを含む。エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス28は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ30からなる。カーカスプライ30は、両側のビード8に架け渡されている。カーカスプライ30は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ30は、コア26の周りを軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このカーカス10は、2枚以上のカーカスプライ30から構成されてもよい。
図示されないが、カーカスプライ30は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常70°から90°である。換言すれば、このカーカス10を備えるタイヤ2はラジアル構造を有する。このタイヤ2は、操縦性及び乗り心地の観点で、バイアス構造とされたバイアスタイヤより優れている。このタイヤ2のコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10とトレッド4との間に位置している。このベルト12の軸方向の端32は、トレッド端24の近傍に位置している。このベルト12は、一方の軸方向の端32から図示されない他方の軸方向の端32まで軸方向にカーカス10に沿って位置している。
図2に示されるように、ベルト12は、並列された多数のベルトコード12aとトッピングゴム12bとからなる。各ベルトコード12aは周方向(図2の一点鎖線CLの方向)に対して傾斜している。図2の一点鎖線L1は、ベルトコード12aの軸線を示している。両矢印θは、一点鎖線CLと軸線L1とのなす傾斜角度を示している。このベルトコードの材質として、スチールであるスチールコード及び有機繊維からなる有機繊維コードが例示される。この有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
このタイヤ2では、ベルト12は一枚であるが、二枚以上重ねられていてもよい。このベルト12を備えることにより、このタイヤ2は横力を発生させ易い。このトレッド4の補強の観点から、二枚が重ねされたベルト12では、一方のベルトコード12aの軸線方向と他方のベルトコード12aの軸線方向とが交差していることが好ましい。一方のベルトコード12aの軸線と他方のベルトコード12aの軸線とが周方向に対して対称に傾斜していることが更に好ましい。
図1のバンド14は、ベルト12の半径方向外側に位置している。バンド14は、ベルト12とトレッド4との間に位置している。このバンド14の軸方向の端34は、ベルト12の軸方向の端32よりも、タイヤ2の軸方向内側に位置している。このバンド14は、一方の軸方向の端34から図示されない他方の軸方向の端34まで軸方向にベルト12に沿って位置している。図示されないが、バンド14は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。このバンドコードは、実質的に周方向に延びて、螺旋状に巻かれている。このバンド14は、所謂ジョイントレス構造を有する。このバンドコードの材質として、スチールであるスチールコード及び有機繊維からなる有機繊維コードが例示される。この有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
このタイヤ2では、トレッド4は、軸方向中央に位置するセンター領域36と、このセンター領域36の軸方向外側に位置する中間領域38と、この中間領域38の軸方向外側に位置するショルダー領域40とからなっている。言い換えると、トレッド4は、センター領域36と、トレッド端24側に位置する一対のショルダー領域40と、このセンター領域36とショルダー領域40との間に位置する一対の中間領域38とを備えている。
このセンター領域36、中間領域38及びショルダー領域40の材質は、それぞれ異なっている。センター領域36の架橋ゴムの硬度Hcは、中間領域38の架橋ゴムの硬度Hmより小さい。中間領域38の架橋ゴムの硬度Hmは、ショルダー領域40の架橋ゴムの硬度Hsより小さい。
図1の両矢印Wtは、一方のトレッド端24から図示されない他方のトレッド端24までのトレッドの巾を示している。両矢印Wcは、センター領域36の図示されない軸方向一端から中間領域38側の他端までのセンター領域36の巾を示している。両矢印Wmは、センター領域36側の一端からショルダー側の他端までの中間領域38の巾を示している。両矢印Wsは、中間領域38側の一端から図1のトレッド端24までのショルダー領域40の巾を示している。これらの巾Wt、Wc、Wm及びWsは、タイヤ2を切り出した断面において、トレッド面20に沿って測られる。
図1の直線Laは、ベルト12の端32の位置からトレッド面20に垂直に引かれた直線である。点Paはトレッド面20と直線Laとの交点を示している。両矢印Waは、ショルダー領域40の中間領域38側の一端からこの点Paまでの巾を示している。言い換えると、この巾Waは、ショルダー領域40におけるベルト12の巾を示している。巾Waは、図1に示されるように、タイヤ2を切り出した断面において、トレッド面20に沿って測られる。
直線Lbは、バンド14の端34の位置からトレッド面20に垂直に引かれた直線である。点Pbはトレッド面20と直線Lbとの交点を示している。両矢印Wbは、中間領域38のセンター領域36側の一端からこの点Pbまでの巾を示している。言い換えると、この巾Wbは、中間領域38におけるバンド14の巾を示している。巾Wbは、タイヤ2を切り出した断面において、トレッド面20に沿って測られる。
図1の両矢印Wdは、ベルト12の一方の軸方向の端32から図示されない他方の軸方向の端32までの巾を示している。このベルト12の巾Wdは、タイヤ2を切り出した図1の断面において、ベルト12に沿って測られる。両矢印Weはバンド14の一方の軸方向の端34から図示されない他方の軸方向の端34までの巾を示している。このバンド14の巾Weは、同様にタイヤ2の断面において、バンド14に沿って測られる。
このタイヤ2では、トレッドの巾Wtに対するセンター領域36の巾Wcの比(Wc/Wt)は0.10以上とされ、更に好ましくは0.15以上とされている。これにより、直進時には、センター領域36が位置するトレッド面20が主に接地する。一方で、この比(Wc/Wt)は0.40未満とされ、更に好ましくは0.30以下とされている。これにより、旋回時及び旋回から直進走行への移行時には、ショルダー領域40及び中間領域38が位置するトレッド面20が主に接地する。センター領域36が硬度の小さい架橋ゴムからなるので、このタイヤ2は直進時の外乱吸収性能に優れている。
このタイヤ2では、トレッドの巾Wtに対するショルダー領域40の巾Wsの比(Ws/Wt)は0.10以上とされ、更に好ましくは0.15以上とされている。これにより、旋回時には、ショルダー領域40が位置するトレッド面20が主に接地する。一方で、この比(Ws/Wt)は0.30以下とされ、更に好ましくは0.25以下とされている。これにより、直進時及び旋回から直進走行への移行時には、センター領域36及び中間領域38が位置するトレッド面20が主に接地する。このショルダー領域40が硬度の大きい架橋ゴムからなるので、このタイヤ2は大きな横力を発生し得る。このタイヤ2は旋回性能に優れている。
旋回と直進と間の移行時には、中間領域38が位置するトレッド面20が接地する。中間領域38はショルダー領域40より硬度が小さい架橋ゴムからなるので、ショルダー領域38より外乱吸収性能に優れている。一方で中間領域38はセンター領域36より硬度が大きい架橋ゴムからなるので、センター領域36より大きな横力が発生させられ得る。タイヤ2の旋回性能に寄与する。
このタイヤ2のトレッド4は、センター領域36、中間領域38及びショルダー領域40に分割され、それぞれの役割に適した架橋ゴムが使用されている。
このタイヤ2では、高速走行時には、バンド14がトレッド4の半径方向の膨張を抑制している。このバンド14は、タイヤ半径方向の剛性に寄与する。このタイヤ2は高速安定性に優れている。
所謂フルバンク状態でのキャンバー角は50度に達する。このタイヤ2は、このフルバンク状態の旋回時には、ショルダー領域40が位置するトレッド面20が接地して、大きな横力を発生し得る。このタイヤ2は優れた旋回性能を発揮する。
このフルバンク状態から直進走行に移行する際に、二輪自動車は最も急加速される。具体的には、フルバンク状態から少し車体が起こされた状態、即ちキャンバー角が30度から45度の範囲で、二輪自動車は最も急加速される。タイヤ2の回転が急激に速くなる。このタイヤ2では、センター領域36と中間領域38とショルダー領域40とに分割されているので、この急加速時に、接地するトレッド面20がショルダー領域40から中間領域38に移行する。
このタイヤ2では、バンド14が中間領域38の半径方向内側に位置している。急加速された時に、トレッド4の半径方向の膨張を抑制している。このタイヤ2は、旋回から直進への移行の際にも、操縦安定性に優れている。この観点から、中間領域のトレッド巾Wmに対する中間領域におけるバンド14の巾Wbの比(Wb/Wm)は、0.5以上が好ましく、0.6以上が更に好ましい。
一方で、バンド14の端34が中間領域38とショルダー領域40との境界から離れて位置することで、中間領域38とショルダー領域40との間で、タイヤ2の特性が急激に変化することが抑制される。この観点から、この比(Wb/Wm)は、0.9以下が好ましく、0.8以下が更に好ましい。
このタイヤ2では、ベルト12が中間領域38及びショルダー領域40の半径方向内側に位置しているので、このタイヤ2の特性の急激な変化が緩和されている。バンド14の軸方向の端34が中間領域38とショルダー領域40との境界近傍に位置しても、タイヤ2の特性の急激な変化が緩和されている。前述の比(Wb/Wm)が0.9とされても、従来のタイヤに比べて、ライダーが受ける違和感は軽減されている。バンド14の軸方向の端34が中間領域38とショルダー領域40との境界により近づけ得るので、より確実に、急加速時のトレッド4の半径方向への膨張が抑制され得る。この観点から、ショルダー領域40の巾Wsに対して、ショルダー領域40におけるベルト12の巾Waの比(Wa/Ws)は、0.5以上とされており、好ましくは、0.6以上とされる。
更に、このタイヤ2では、ショルダー領域40の内側にベルト12が位置しているので、旋回時に十分な横力が発生し得る。この観点から、トレッドの巾Wtに対しるベルト12の巾Wdの比(Wd/Wt)は、0.8以上が好ましく、0.9以上が更に好ましい。一方で、トレッドの巾Wtに対するベルト12の巾Wdの比(Wd/Wt)が小さくされることで、ショルダー領域40の剛性が高くなりすぎることが抑制されている。この観点から、この比(Wd/Wt)は、1.2以下が好ましく、1.1以下が更に好ましい。
トレッドの巾Wtに対するバンドの巾Weの比(We/Wt)が大きいタイヤでは、急加速された時に、トレッド4の半径方向の膨張がより抑制され得る。この観点から、比(We/Wt)は0.5以上とされ、更に好ましくは、0.5以上とされる。一方で、この比(We/Wt)が小さいタイヤでは、直進と旋回との移行時にライダーに与える違和感が軽減される。この観点から、比(We/Wt)は0.8以下とされ、更に好ましくは、0.7以下とされる。
タイヤ2に横力を発生させる観点から、このベルト12では周方向に対するベルトコードの傾斜角θの絶対値は、好ましくは60°以上とされ、更に好ましくは65°以上とされる。一方で、このベルトコードの傾斜角度θが小さいことで、十分なコーナリングフォースが得られる。この観点から、この傾斜角度θは、好ましくは88°以下とされ、更に好ましくは80°以下とされる。
本発明では、特に言及がない限り、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
また、ゴム硬度は、「JIS−K 6253」の規定に準拠して、23°Cの条件下でタイプAのデュロメータがタイヤ2に押しつけられて測定される。
図3には、比(Wa/Ws)は、1.0を越えたタイヤ42の断面が示されている。ここでは、図1のタイヤ2と異なる構成について説明がされる。タイヤ2と同様の構成について、その説明が省略される。
このタイヤ42は、タイヤ2のベルト12に代えてベルト44を備えている。サイドウォール46及びショルダー領域48は、ベルト44を備えることにより、形状が異なるがタイヤ2のサイドウォール6及びショルダー領域40と同様の構成であり、ここではその説明が省略される。
このタイヤ42では、その他の構成は、図1のタイヤ2と同様にされており、その説明が省略される。このタイヤ42は、タイヤ2と同様に、本発明の効果を奏する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「120/70 ZR17」である。トレッドは、軸方向において5分割され、3種類の領域から構成されている。このトレッドは、センター領域と、一対の中間領域と、一対のショルダー領域とからなる。一方のトレッド端から他方のトレッド端までの部分は、均等に5分割されている。センター領域のトレッド巾Wcは、中間領域のトレッド巾Wm及びショルダー領域のトレッド巾Wsと同等である。即ち、ここでは、比(Wc/Wt)、比(Wm/Wt)及び比(Ws/Wt)は0.20とされた。センター領域の架橋ゴムの硬度は、55である。中間領域の架橋ゴムの硬度は、58である。ショルダー領域の硬度は、60である。このタイヤは、ベルトを備えている。このベルトは、並列された多数のベルトコードを含んでいる。それぞれのベルトコードは、周方向に対して傾斜している。このコードの傾斜角度θの絶対値は、75°である。
[実施例2、3、比較例1及び2]
比(Wb/Wm)を下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例4から6及び比較例3]
比(Wa/Ws)及び比(Wd/Wt)を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例4]
比(Wa/Ws)、比(Wb/Wm)及び比(Wd/Wt)を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例7]
図3に示された基本構成を備え、比(Wa/Ws)及び比(Wd/Wt)を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。このタイヤでは、トレッド巾Wtよりベルトの巾Wdが大きい。この比(Wa/Ws)は1.0を越えている。表1では、この比(Wa/Ws)を「1.0超」と表示している。
[走行テスト]
試作タイヤを排気量が1000ccである市販の二輪自動車(4サイクル)の前輪に装着し、その内圧が250kPaとなるように空気を充填した。後輪には、市販のタイヤを装着し、その内圧が290kPaとなるように空気を充填した。この二輪自動車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。
この官能評価の評価項目は、駆動性能、旋回安定性、操縦安定性及び過渡特性である。ここでの駆動性能は、直進時及び旋回から直進への加速時のトラクションが評価された。旋回安定性は、二輪自動車を内側に傾斜させて旋回する時の安定性が評価された。操縦安定性は、ハンドルの切れの良さとふらつきとが評価された。過渡特性は、直進走行と旋回走行との間の移行時にライダーが受ける違和感の大きさが評価された。
これらの評価結果が、下記表1及び表2に指数値で示されている。この指数値は、比較例1のタイヤの評価結果を基準値の100点として示されている。この数値が大きいほど良好である。
Figure 2012201279
Figure 2012201279
表1及び表2に示されるように、トレッドの複数分割による性能と、高速走行時及び旋回から直進への加速時の駆動性とが両立することが確認された。このタイヤは、旋回走行から高速での直進走行まで広い範囲で高い性能を発揮し得ることが確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る空気入りタイヤは、種々の車両に装着しうる。
2、42・・・タイヤ
4・・・トレッド
6、46・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12、44・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・トレッド面
22・・・溝
24・・・トレッド端
26・・・コア
28・・・エイペックス
30・・・カーカスプライ
32・・・端
34・・・端
36・・・センター領域
38・・・中間領域
40、48・・・ショルダー領域

Claims (5)

  1. トレッドと、カーカスと、このカーカスとトレッドとの間に位置するバンドと、このカーカスとバンドとの間に位置するベルトとを備えており、
    このトレッドが軸方向中央に位置するセンター領域と、トレッド端側に位置する一対のショルダー領域と、このセンター領域とショルダー領域との間に位置する一対の中間領域とを備えており、このセンター領域のゴム硬度Hcが中間領域のゴム硬度Hmより小さくされ、中間領域のゴム硬度Hmがショルダー領域のゴム硬度Hsより小さくされており、
    このバンドが螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延びるバンドコードとトッピングゴムとからなっており、
    このベルトがベルトコードとトッピングゴムとからなっており、
    このバンドがトレッドのセンター領域及び中間領域の半径方向内側に位置しており、中間領域の巾Wmに対して中間領域におけるバンドの巾Wbの比(Wb/Wm)が0.5以上0.9以下であり、
    このベルトがトレッドのセンター領域、中間領域及びショルダー領域の半径方向内側に位置しており、ショルダー領域の巾Wsに対してショルダー領域におけるベルトの巾Waの比(Wa/Ws)が0.5以上である二輪自動車用タイヤ。
  2. 上記トレッドの巾Wtに対するベルトの巾Wdの比(Wd/Wt)が0.8以上1.2以下であり、
    上記トレッドの巾Wtに対するバンドの巾Weの比(We/Wt)が0.5以上0.75以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記ベルトコードが周方向に対して傾斜して延びており、このベルトコードの傾斜角度θの絶対値が60°以上88°以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記トレッドの巾Wtに対するショルダー領域の巾Wsの比(Ws/Wt)が0.10以上0.30以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記トレッドの巾Wtに対するセンター領域の巾Wcの比(Wc/Wt)が0.10以上0.40未満である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
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