JP5606896B2 - 二輪自動車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、二輪自動車に装着される空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッドの改良に関する。
二輪自動車は、ハンドルが切られつつ車体を傾斜させることで旋回する。タイヤのスリップ角に応じてコーナリングフォースが発生し、キャンバー角に応じてキャンバースラストが発生する。このコーナンリングフォース及びキャンバースラストが遠心力と釣り合って、二輪自動車が旋回走行し得る。この旋回の容易の目的で、二輪自動車用のタイヤは曲率半径の小さなトレッドを備えている。
二輪自動車用のタイヤでは、直進時にはトレッドのセンター領域が接地する。一方旋回時には、ショルダー領域が接地する。センター領域及びショルダー領域のそれぞれの役割が考慮されたタイヤが、特開2005−271760号公報及び特開2010−111163号公報に記載されている。
これらのタイヤでは、トレッドのセンター領域の架橋ゴムの硬度は大きくされている。ショルダー領域の架橋ゴムの硬度は小さくされている。これにより、このタイヤは、直進時の操縦安定性に優れ、かつ旋回時のグリップ性に優れている。
特開2005−271760号公報 特開2010−111163号公報
特開2010−111163号公報に記載されているように、タイヤのトレッド面に、溝が形成されることがある。この溝がトレッドパターンを形成する。種々の溝を備えるタイヤで走行評価をした結果、トレッドのセンター領域のゴム硬度とショルダー領域のゴム硬度とが異なるタイヤにおいて、このトレッドパターンが、直進安定性及び旋回時のグリップ性に影響を与えることが見出された。
本発明の目的は、直進安定性に優れており、旋回時のグリップ性に優れるタイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、軸方向において複数の領域に分割されたトレッドを備えている。このトレッドは、センターに位置するセンター領域と、この領域よりも軸方向外側に位置する1又は2以上の領域とを備えている。nが自然数とされたとき、センターから(n+1)番目の領域のゴム硬度H(n+1)がセンターからn番目の領域のゴム硬度Hnより小さい。このトレッドは、センター領域から最もトレッド端側に位置するショルダー領域まで跨る溝を備えている。この溝は壁面を備えている。この壁面の傾斜角度の、センターから(n+1)番目の領域での最小値は、センターからn番目の領域での最小値よりも小さい。
好ましくは、上記傾斜角度は、センターからn番目の領域での最小値からセンターから(n+1)番目の領域での最小値に向かって徐々に小さくなっている。
好ましくは、上記トレッドは、センター領域と、ショルダー領域と、センター領域とショルダー領域との間に位置する1以上の中間領域とを備えている。この中間領域の溝の壁面の傾斜角度が、その領域のセンター側端部からトレッド端側端部に向かって徐々に小さくなっている。
好ましくは、上記溝の最小断面積Sminと、最大断面積Smaxと、この最小断面積Sminと最大断面積Smaxとの平均断面積Smとが、以下の関係式を満たす。
(Smax/Sm) ≦ 1.05
(Smin/Sm) ≧ 0.95
好ましくは、上記溝の最小断面積Sminの部分がショルダー領域に位置しており、最大断面積Smaxの部分がセンター領域に位置している
好ましくは、上記センター領域では、架橋されるゴム組成物が基材ゴムを100質量部に対してシリカを20以上120以下質量部含有している
好ましくは、上記溝は、中間領域で周方向に傾斜して延びており、センター領域で中間領域より周方向に対する傾斜が小さくされて延びており、ショルダー領域で中間領域より周方向に対する傾斜が大きくされて延びている。
本発明に係るタイヤは、トレッドのセンター領域の架橋ゴムの硬度は大きくされ、溝の傾斜角度が大きくされているので、直進安定性及び耐摩耗性に優れている。ショルダー領域の架橋ゴムの硬度は小さくされ、溝の傾斜角度が小さくされているので、旋回時のグリップ性及び旋回安定性に優れている。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤが示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのトレッド面の部分投影図である。 図3は、図2のタイヤの部分拡大図である。 図4は、図3の直線IV−IVに沿った断面図である。 図5は、図3の直線V−Vに沿った断面図である。 図6は、図3の直線VI−VIに沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ2が示された断面図である。この図1において上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向である。一点鎖線CLは、赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプの空気入りタイヤである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面18を備えている。トレッド4は、5分割されている。トレッド4は、第一領域としてのセンター領域20と、第二領域としての中間領域22と、第三領域としてのショルダー領域24とを備えている。このセンター領域20は、トレッド4の軸方向センターに位置している。中間領域22は、センター領域20に隣接してトレッド端側に位置している。ショルダー領域24は、中間領域22に隣接してトレッド端側に位置している。言い換えれば、中間領域22は、センター領域20とショルダー領域24との間に位置している。この中間領域22及びショルダー領域24は、タイヤ2の赤道面CLに対して対称な一対の領域である。
このトレッド4は、架橋されたゴム組成物からなる。このゴム組成物の基材ゴムとして、天然ゴム(NR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)が例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋されたゴム組成物からなる。ビード8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。ビード8は、コア26と、このコア26から半径方向外向きに延びるエイペックス28とを備えている。エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス28は、架橋されたゴム組成物からなる。エイペックス28は、高硬度である。
カーカス10は、カーカスプライ30からなる。カーカスプライ30は、トレッド4及びサイドウォール6の内面に沿って延在している。カーカスプライ30は、コア26の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。図示されていないが、カーカスプライ30は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12は、カーカス10とトレッド4との間に位置している。ベルト12は、ベルトプライ36からなる。このベルトプライ36は、図1には図示されていないが、コードとトッピングゴムとからなる。このコードの材質は、スチール又は有機繊維である。有機繊維の具体例としては、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維及びポリエチレンナフタレート繊維が挙げられる。
インナーライナー14は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。インナーライナー14には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
図2は、図1のタイヤ2のトレッド面18の部分投影図である。この図2は、タイヤ2のトレッド面18の一部を円筒面に投影して表している。このトレッド4は、溝40、42、44、46及び48を備えている。矢印Aは、前方に転がる向きを示している。この矢印Aは、タイヤ2の正転向きを示している。溝40、42及び44は、タイヤ2の周方向に形成されている。溝40は、軸方向センターに位置しており、赤道面CLに位置している。溝42の形状と溝44の形状とは、赤道面CLに対称である。
溝46及び48は、トレッド面18に周方向に位相をずらして繰り返し形成されている。溝46の形状と溝48の形状とは、赤道面CLに対称である。
図3は、図2のタイヤ2の部分拡大図である。溝46の先端部64は、センター領域20に位置している。溝46の後端部66は、ショルダー領域24に位置している。溝46は、センター領域20、中間領域22及びショルダー領域24に跨って形成されている。
溝46は、中間領域22において、タイヤ2の周方向に対して傾斜して延びている。溝46は、先端部64付近でタイヤ2の周方向に沿って延びている。溝46は、後端部66付近でタイヤ2の軸方向に延びている。溝46は、先端部64から後端部66に至るまでの間で、周方向から軸方向に屈曲して延びている。
このタイヤ2では、溝46は、センター領域20で中間領域22より周方向に対する傾斜が小さくされて延びている。溝46は、ショルダー領域24で中間領域22より周方向に対する傾斜が大きくされて延びている。このタイヤ2では、中間領域22で周方向に傾斜して真っ直ぐに延びているが、周方向に傾斜して徐々に屈曲して延びていてもよい。
図3の一点鎖線C1は、溝46の軸線を示している。図3の両矢印A1は、先端部64及び後端部66を除く溝46の範囲を示している。この溝46の先端部64及び後端部66では、溝46の断面積は急激に小さくなっている。
図4は、図3の直線IV−IVに沿った断面図である。図4には、中間領域22のセンター側端部における溝46の断面が示されている。この溝46は、底面50、壁面52及び壁面54を備えている。壁面52及び壁面54は、溝46の長手方向に伸びる壁面である。壁面52及び壁面54は、底面50から立ち上がりトレッド面18に連続する面である。前述の範囲A1では、壁面52及び壁面54が軸線C1に沿って延びている。
トレッド面18は、先着部56、後着部58、稜60及び稜62を備えている。先着部56は、溝46に沿って伸びるトレッド面18の端部である。先着部56は、壁面52と連続している。稜60は、トレッド面18の先着部56と壁面52との交わる線分である。後着部58は、溝46に沿って伸びるトレッド面18の端部である。後着部58は、壁面54と連続している。稜62は、トレッド面18の後着部58と壁面54との交わる線分である。
点P1は、図4の断面における稜60の一点である。直線IV−IVは、図3に示されるように、この稜60に垂直な断面である。図4の直線L1は、点P1を通るトレッド面18に対する垂線である。直線L2は、図4の断面における、壁面52の延長線である。図4の角度α2は、直線L1と直線L2とのなす角度である。この角度α2は、図4の断面における壁面52の傾斜角度である。この角度α2は、トレッド面18と壁面52との間の角度θ1が90°より大きくなる向きを正とし、90°よう小さくなる向きを負として測定される。この角度α2は、稜60に垂直に切り出したトレッド4の断面で測定される。
図5は、図3の直線V−Vに沿った断面図である。図5には、中間領域22のトレッド端側端部における溝46の断面が示されている。直線V−Vは、図3に示されるように、この稜60に垂直な断面である。点P2は、図5の断面における稜60の一点である。図5の直線L3は、点P2を通るトレッド面18に対する垂線である。直線L4は、図5の断面における、壁面52の延長線である。図5の断面における角度α2は、直線L3と直線L4とのなす角度である。
図5の断面の角度α2は、図4の断面の角度α2より小さい。この角度α2は、中間領域22において、センター側端部からトレッド端側端部に向かって徐々に小さくなっている。
先端部64を除いた範囲A1の、センター領域20では、角度α2と同様にして、壁面52の角度α1が求められる。中間領域22の角度α2の最小値は、このセンター領域20の角度α1の最小値より小さい。後端部66を除く範囲A1の、ショルダー領域24では、角度α2と同様にして、壁面52の角度α3が求められる。ショルダー領域24の角度α3の最小値は、この中間領域22の角度α2の最小値より小さい。センター領域20からショルダー領域24まで角度α1、角度α2及び角度α3は徐々に小さくされている。このタイヤ2では、角度α1の最小値が角度α2の最大値以上の大きさであり、角度α2の最小値が角度α3の最大値以上にされている。
図6は、図3の直線VI−VIに沿った断面図である。図6には、中間領域22のトレッド端側端部における溝46の断面が示されている。直線VI−VIは、図3に示されるように、稜62に垂直な断面である。図6の点P3は、この断面における稜62の一点である。直線L5は、点P2を通るトレッド面18に対する垂線である。直線L6は、この断面における、壁面54の延長線である。角度β2は、直線L5と直線L6とのなす角度である。
この角度β2は、壁面54の傾斜角度である。この角度β2は、トレッド面18と壁面54との間の角度θ2が90°より大きくなる向きを正とし、90°よう小さくなる向きを負として測定される。この角度β2は、稜62に垂直に切り出したトレッド4の断面で測定される。
この角度β2と同様にして、センター領域20では傾斜角度β1が求められる。ショルダー領域24では、傾斜角度β2と同様にして、傾斜角度β3が求められる。傾斜角度β1及び傾斜角度β3は、範囲A1で計測される。このタイヤ2では、この角度β1とβ2とβ3は等しくされている。
このタイヤ2の正転では、トレッド面18の先着部56から溝46を経て後着部58が路面に接地する。
このタイヤ2では、センター領域20の角度α1の最小値が中間領域22の角度α2の最小値より大きいので、センター領域20の先着部56の変形量は、中間領域22の先着部56の変形量より小さく抑えられる。これにより、センター領域20は、中間領域22に比べて直進安定性の向上に寄与する。先着部56の変形量が小さいので、センター領域20は、摩耗量が大きくなることが抑制されている。一方で、中間領域22の先着部56は、センター領域20の先着部56に比べて変形し易い。中間領域22は、センター領域20に比べて、グリップ性能の向上に寄与する。中間領域22の先着部56は変形し易いので、路面のギャップを吸収し易い。中間領域22のの先着部56は、旋回安定性に寄与する。
同様に、中間領域22の角度α2の最小値は、ショルダー領域24の角度α3の最小値より大きいので、中間領域22の先着部56は、ショルダー領域24の先着部56より変形し難い。中間領域22は、ショルダー領域24に比べて直進安定性及び耐摩耗性の向上に寄与する。ショルダー領域24は、中間領域22に比べて、グリップ性能及び旋回安定性の向上に寄与する。
更に、この中間領域22では、角度α2はセンター側端部からトレッド端側端部まで徐々に小さくされているので、センター側端部からトレッド端側端部に向かって徐々に先着部56の変形量が大きくなる。この中間領域22において、センター側端部はトレッド端側端部に比して直進安定性の向上に寄与する。トレッド端側端部はセンター側端部に比してグリップ性能の向上の寄与する。この中間領域22は、センター側端部からトレッド端側端部に向かって、直進安定性に適した部分からグリップ性能に適した部分に連続的に徐々に変化している。
溝46は、センター領域20で中間領域22より周方向に対する傾斜が小さいので、センター領域20の先着部56の変形量は小さく抑制されている。この溝46は、直進走行におけるトラクションに寄与する。この溝46は、直進安定性の向上に寄与する。一方、溝46は、ショルダー領域24で中間領域22より周方向に対する傾斜が大きいので、ショルダー領域24の先着部56は変形し易くされている。この溝46は、旋回走行におけるグリップ性能の向上に寄与する。この溝46は、旋回安定性の向上に寄与する。
中間領域22では、溝46は周方向に傾斜して延びている。中間領域22では、トラクションと旋回時のグリップ性能との両方の役割を果たしている。この中間領域22では、傾斜角度α2がセンター側端部からショルダー側端部に向かって徐々に小さくされているので、中間領域22は、センター側からショルダー側に向かって徐々にトラクションの向上に適した部分からグリップ性能の向上に適した部分に変化している。
このタイヤ2では、センター領域20からショルダー領域24に向かって、ゴムの硬度が小さくされており、溝46の壁面52の傾斜角度α1、α2及びα3が小さくされている。このゴム硬度と傾斜角度α1からα3との組合せにより、このタイヤ2は、直進安定性、耐摩耗性、旋回時のグリップ性能及び旋回安定性により一層優れている。更に、タイヤ2は、溝46の傾斜方向を組み合わせることにより、直進安定性、耐摩耗性、旋回時のグリップ性能及び旋回安定性により一層優れている。
溝46の断面積は、溝46の軸線C1に垂直な断面で計測される。この断面積の最大断面積Smaxと最小断面積Sminは、先端部64と後端部66とを除く範囲A1で計測される。底面50と壁面52と壁面54と囲まれた断面積が測定される。この溝46の最大断面積Smaxと、最小断面積Sminと、この最大断面積Smaxと最小断面積Sminとの平均断面積Smとは、好ましくは、以下の関係式を満たしている。
(Smax/Sm) ≦ 1.05
(Smin/Sm) ≧ 0.95
平均断面積Smに対する最大断面積Smaxの断面積比(Smax/Sm)が1.05倍以下であり、平均断面積Smに対する最小断面積Sminの断面積比(Smin/Sm)が0.95倍以上とされることにより、傾斜角度α1からα3がセンター領域20からショルダー領域24に向かって小さくされているにも関わらず、この溝46の断面積は、大きく変化することが抑制されている。この溝46は、排水性に優れている。このタイヤ2の溝46は、ウェットグリップ性に寄与する。
一般に、直進走行の速度は、旋回走行の速度に比べて高い。高速走行は、低速走行比べてハイドロプレーニングが発生し易くなる。センター領域20は、排水性に優れることが好ましい。溝46の断面積が最小断面積Sminから最大断面積Smaxまで変化するタイヤ2では、センター領域20に最大断面積Smaxの部分が位置することが好ましい。
一方、旋回走行の速度は、直進走行の速度に比べて低い。ショルダー領域24は、センター領域20に比べて高いグリップ性が要求される。溝46の断面積が小さくされることで、トレッド面18の接地面積が大きくされうる。接地面積が大きいトレッド面18は、グリップ性の向上に寄与する。溝46の断面積が最小断面積Sminから最大断面積Smaxまで変化するタイヤ2では、ショルダー領域24に最小断面積Sminの部分が位置することが好ましい。更に、この溝46の断面積は、センター領域20の最大断面積Smaxの部分からショルダー領域24の最小断面積Sminの部分まで徐々に小さくなっていることが好ましい。
このセンター領域20のゴム組成物は、好ましくはシリカを含む。このセンター領域20のゴム組成物がシリカを含むことで、傾斜角度α1からα3がセンター領域20からショルダー領域24に向かって小さくされているにも関わらず、このタイヤ2は直進走行時のウェットグリップ性に優れる。この観点から、好ましくは基材ゴム100質量部に対して、シリカは20質量部以上であり、更に好ましくは50質量部以上である。
シリカの量が多い組成物は粘性が大きい。シリカの量を少なくすることで、組成物の加工が容易にされている。この観点から、好ましくは基材ゴム100質量部に対して、シリカは120質量部以下であり、更に好ましくは100質量部以下である。
このタイヤ2では、直進時には高硬度のセンター領域20が主に接地する。このタイヤ2は直進安定性能に優れる。旋回時には低硬度のショルダー領域24が主に接地する。ゴム硬度が小さいショルダー領域24はグリップ性能に優れている。このタイヤ2は、旋回性能に優れる。このタイヤ2をリアタイヤに用いた二輪自動車は、直進走行及び旋回走行の性能を両立しうる。
トレッド面18の後着部58において、傾斜角度β1の最小値が傾斜角度β2の最小値より大きくされてもよい。傾斜角度β2の最小値が傾斜角度β3の最小値より大きくされてもよい。傾斜角度β2は、センター側部分からトレッド端側部分に向かって徐々に小さくさくされてもよい。傾斜角度β1、β2及びβ3が角度α1、α2及びα3と同様に変化させられることにより、後着部58においても、先着部56と同様に直進安定性と旋回時のグリップ性能に寄与し得る。更に、先着部の角度α1からα3を変化させる共に、後着部58の傾斜角度β1からβ3を変化させてもよい。
トレッドの領域の分割数が多いタイヤでは、分割された領域毎の材質の変化が小さい。センター側に位置する領域とトレッド端側に位置する領域との間でトレッド面の接地面が移行する際に、ライダーが受ける違和感が軽減される。タイヤ2ではトレッドが5分割されていたが、この観点からトレッドは7分割以上にされてもよい。2以上の中間領域を備えるタイヤでは、センター側の中間領域の傾斜角度の最小値がショルダー側の中間領域の傾斜角度の最小値より大きくされることが好ましい。センター側の中間領域からショルダー側の中間領域に向かって傾斜角度が徐々に小さくされることが好ましい。一方で生産性の観点からトレッドの分割数は少ない方が好ましい。この観点から、トレッドの分割数は、13分割以下が好ましい。
ゴム硬度は、「JIS−K 6253」の規定に準拠して、23°Cの条件下でタイプAのデュロメータがタイヤ2に押しつけられて測定される。この実施形態ではリアタイヤについて説明したが、この発明はフロントタイヤにも同様に実施できる。
本発明では、特に言及がない限り、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1]
[実施例1]
図1に示された構造を備えた実施例1のタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「190/50ZR17」である。各領域のゴム硬度、傾斜角度及び溝の断面積比は、表1に示されるようにされた。なお、このタイヤのトレッドのセンター領域は、シリカを含有していない。
[比較例1及び2]
比較例1及び2のタイヤは、溝の壁面の傾斜角度を表1に示された角度とした。その他は、実施例1と同様にして、比較例1及び2のタイヤが得られた。
[実施例2から5]
実施例2から5のタイヤは、溝の断面積比を表1に示されたようにした。その他は、実施例1と同様にして、実施例2から5のタイヤが得られた。実施例2から4のタイヤでは、最小断面積Sminがショルダー領域に位置しており、最大断面積Smaxがセンター領域に位置している。実施例5のタイヤでは、最小断面積Sminがセンター領域に位置しており、最大断面積Smaxがショルダー領域に位置している。
[走行性能の評価]
排気量が1000ccの二輪自動車の後輪に、試作タイヤが装着された。リム巾6.0インチ、タイヤ空気内圧は250kPaとした。なお、前輪のタイヤは従来のタイヤをそのまま使用した。この二輪自動車を、テストコースで走行させ、直進安定性、旋回安定性及びグリップ性能をライダーに官能評価させた。このグリップ性能は、乾いた路面を直進走行させて評価する直進ドライと、旋回走行させて評価する旋回ドライと、水が撒かれた路面で直進走行させて評価する直進ウェットと、旋回走行させて評価する旋回ウェットとが評価された。
[耐摩耗性評価]
この二輪自動車が、速度150km/hでテストコースの200kmを走行させられた。走行後のトレッドの摩耗量を評価した。この結果が、下記の表1に示されている。表1の評価は、比較例1のタイヤを基準値5.0として、10点満点で相対評価された。この評価の数字が大きいほど評価が高い。
Figure 0005606896
[実験2]
[実施例6から9]
実施例6から9のタイヤは、トレッドのセンター領域のシリカ量を表2に示された量とした。表2のシリカ量は、基材ゴム100質量部に対する質量部で示されている。その他は、実施例1と同様にして、実施例6から9のタイヤが得られた。
[比較例3]
実施例3のタイヤは、トレッドのセンター領域のシリカ量を表2に示された量とした。その他は、比較例1と同様にして、比較例3のタイヤが得られた。
[実施例10]
実施例10のタイヤは、トレッドのセンター領域のシリカ量と溝の断面積比を表2に示されたようにした。実施例10のタイヤでは、最小断面積Sminがショルダー領域に位置しており、最大断面積Smaxがセンター領域に位置している。その他は、実施例1と同様にして、実施例10のタイヤが得られた。
[走行性能の評価]
実験1で使用した二輪自動車の後輪に、試作タイヤが装着された。なお、前輪のタイヤは従来のタイヤをそのまま使用した。この二輪自動車を、テストコースで走行させ、直進安定性及びグリップ性能をライダーに官能評価させた。グリップ性能は、乾いた路面を直進走行させて評価する直進ドライと、水が撒かれた路面で直進走行させて評価する直進ウェットとが評価された。
[耐摩耗性評価]
この二輪自動車が、速度150km/hでテストコースの200kmを走行させられた。走行後のトレッドの摩耗量を評価した。この結果が、下記の表2に示されている。この評価は、比較例1のタイヤを基準値5.0として、10点満点で評価され、数字が大きいほど評価が高い。
Figure 0005606896
表1及び表2に示されるように、この実施例は、直進安定性、耐摩耗性、旋回安定性及びグリップ性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の二輪自動車に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・インナーライナー
16・・・チェーファー
18・・・トレッド面
20・・・センター領域
22・・・中間領域
24・・・ショルダー領域
26・・・コア
28・・・エイペックス
30・・・カーカスプライ
36・・・ベルトプライ
40、42、44、46、48・・・溝
50・・・底面
52、54・・・壁面
56・・・先着部
58・・・後着部
60、62・・・稜
64・・・先端部
66・・・後端部

Claims (7)

  1. 軸方向において複数の領域に分割されたトレッドを備えており、
    このトレッドが、センターに位置するセンター領域と、この領域よりも軸方向外側に位置する1又は2以上の領域とを備えており、
    nが自然数とされたとき、センターから(n+1)番目の領域のゴム硬度H(n+1)がセンターからn番目の領域のゴム硬度Hnより小さく、
    このトレッドがセンター領域から最もトレッド端側に位置するショルダー領域まで跨る溝を備えており、
    この溝が壁面を備えており、
    この壁面の傾斜角度の、センターから(n+1)番目の領域での最小値が、センターからn番目の領域での最小値よりも小さい二輪自動車用タイヤ。
  2. 上記傾斜角度が、センターからn番目の領域での最小値からセンターから(n+1)番目の領域での最小値に向かって徐々に小さくなっている請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記トレッドがセンター領域と、ショルダー領域と、センター領域とショルダー領域との間に位置する1以上の中間領域を備えており、この中間領域の溝の壁面の傾斜角度が、中間領域のセンター側端部からトレッド端側端部に向かって徐々に小さくなっている請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記溝の最小断面積Sminと、最大断面積Smaxと、この最小断面積Sminと最大断面積Smaxとの平均断面積Smとが、以下の関係式を満たす請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。。
    (Smax/Sm) ≦ 1.05
    (Smin/Sm) ≧ 0.95
  5. 上記溝の最小断面積Sminの部分がショルダー領域に位置しており、最大断面積Smaxの部分がセンター領域に位置している請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 上記センター領域では架橋されるゴム組成物が基材ゴムを100質量部に対してシリカを20以上120以下質量部含有している請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 上記溝が中間領域で周方向に傾斜して延びており、センター領域で中間領域より周方向に対する傾斜が小さくされて延びており、ショルダー領域で中間領域より周方向に対する傾斜が大きくされて延びている請求項3から6のいずれかに記載のタイヤ。
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