JP2010105115A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】低切削抵抗で精度の良い加工を行うことができる切削工具を提供する。
【解決手段】工作機械の主軸2aに装着され、差動変速機構及びカム33を内蔵した切削工具1において、前記工作機械の主軸頭2に装着して回り止めされ、差動変速機構及びカム33が内蔵され、前記主軸2aに装着される軸部7を回転支持する工具ハウジング22と、前部にインサート95を取り付けた被駆動スライダ70と、前記被駆動スライダ70を前記主軸2aの軸線に対して斜めの方向に往復移動可能に案内するガイド71aと、前記工具ハウジング22に回転支持され、前記被駆動スライダ70及びガイド溝71aを設けた出力軸10と、前記カム33と係合し、前記被駆動スライダ70を前記ガイド溝71aに沿って往復移動させるカムフォロア19と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械の主軸に装着され、差動変速機構及びカムを内蔵した切削工具であって、特に、バルブシート等のテーパ内周面の切削加工に適用される切削工具に関するものである。
バルブシート等のテーパ内周面を切削加工する方法の一つとして、内径用バイトを使用して旋削加工を行う方法がある。この方法は、旋盤のチャックに保持された加工物を回転させ、内径用バイトを回転させずに加工を行う方法である。旋削加工による方法では、大きな加工物をチャックで保持できないため、加工物の大きさが制限されるという問題があった。また、他の方法として、マシニングセンタで、テーブル上に固定された加工物に対して、主軸にクランプされた工具を回転させて転削加工を行う方法がある。転削加工による方法では、総形工具などを用いて加工することができる。
バルブシート等のテーパ内周面の切削加工に適用される切削工具ではないが、差動変速機構及びカムを内蔵した切削工具の一例が、特許文献1で開示されている。特許文献1では、内径溝入れ加工に適用されるリセッシングツールを開示している。リセッシングツールは、ツールの本体の回転を複雑なウォーム歯車機構等によることなく、平歯車の組合せのみの簡易な差動機構で、極めて僅かに減速して差動歯車に伝え、溝カムを回転させ、カムの誘導によるホルダの摺動で切削刃物を加工物の穴内面に切り込ませて、穴内面に内周溝を形成するものである。
特許文献1の第3欄の第30行目〜第44行目には、差動変速機構の構成の説明として、「本体1の段付軸の二段目には固定歯車11が固着され、後フランジ3に本体1の軸心に平行して螺着した歯車軸12にニードルローラ軸受13を介して嵌装した中間歯車14の左側歯が固定歯車11と噛合う。しかし、中間歯車14の左側歯は固定歯車11に接近してスラストリング15と共に遊嵌された差動歯車16と噛合う。差動歯車16は・・・スラストリング15の端面と常時接触してクッションとなっている。差動歯車16の右側面の一部分は・・・クラッチ歯と噛合う」と記載されている。また、特許文献1の第4欄の第6行目〜第18行目には、カム機構の説明として、「カム19はその段付外径にシフタ溝と前記スライドレール盤5の左側段付内径に遊合する頭部を有し、該頭部右端面に本実施例では1回転に2回昇降し上昇は緩やかに下降は急速なアルキメデス曲線よりなるカム溝が刻設してあり、・・・、これに相対するスライドレール盤5の頭部左側面に2等配して内径に接する盲穴が穿設してあって該穴にリセットカム25が挿入されている」と記載されている。
また、特許文献1の第6欄の第15行目〜第23行目には、差動変速機構の作用の説明として、「本体1の固定歯車1の回転が中間歯車14を経由して差動歯車16を従動させる。この場合固定歯車11と中間歯車の左歯との組合せと差動歯車16と中間歯車14の右歯の組合せにおいて歯の大きさ即ちモジュールを変えて、夫々の組合せは等心間として歯数編成を変えることにより差動歯車16の回転は固定歯車11より僅かに遅れるようになっている」と記載されている。
実公昭63−17602号公報
しかし、総形工具を用いて転削加工する場合には、マルチポイントコンタクトになるため切削抵抗が相対的に大きくなり、びびりが発生したりする心配があった。びびりが生じると、テーパ内周面にびびりマークが形成され、バルブシート部の場合はバルブとテーパ内周面との間に隙間が生じ、吸気及び排気性能が損なわれるという問題があった。
本発明は、内蔵されている差動変速機構及びカム機構により、工作機械の主軸の回転と共に切れ刃を動かすことにより、低切削抵抗で精度の良い加工を行うことができる転削用の切削工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、工作機械の主軸に装着され、差動変速機構及びカムを内蔵した切削工具において、前記主軸に装着され、前端面にカム溝が形成された前記カムを有する入力軸と、前記差動変速機構により前記入力軸と異なる回転速度で回転する出力軸であって、前記入力軸と同軸に配置された出力軸と、切れ刃を有し、前記出力軸に設けられたスライダであって、前記主軸の回転軸線に対して傾斜した方向に移動するスライダと、該スライダを前記主軸の軸線に対して斜めの方向に案内するガイド部と、を具備する切削工具が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記スライダが、前記カム溝に係合するカムフォロアを有し、前記回転軸線に直交する方向に移動する駆動スライダと、該駆動スライダに係合されて前記回転軸線に対して傾斜した方向に移動する被駆動スライダとを備え、前記ガイド部が、前記駆動スライダを前記回転軸線に直交する方向に案内する第1のガイド部と、前記被駆動スライダを前記主軸の回転軸線に対して傾斜した方向に案内する第2のガイド部とを備える。また、本発明の他の態様によれば、前記回転軸線の方向の孔を加工する孔加工工具を前記出力軸の先端側に装着する装着部を有することもできる。
以上の如く、本発明の切削工具によれば、差動変速機構により入力軸と出力軸とに回転速度の差が生じ、入力軸と出力軸との回転速度の差によってカム溝に誘導されてカムフォロアが移動することにより、ガイド部に案内されてスライダが回転軸線に対して傾斜した方向に移動する。これにより、スライダに備わる切れ刃によりテーパ孔内周面の加工をシングルポイントコンタクトで低切削抵抗で高精度に行うことができる。また、スライダを、回転軸線に直交する方向に摺動する駆動スライダと、駆動スライダに連結して回転軸線に対して傾斜した方向に摺動する被駆動スライダとに分け、駆動スライダを第1のガイド部で案内し、被駆動スライダを第2のガイド部で案内することにより、駆動スライダ及び被駆動スライダを精度良く案内することができ、高精度の切削を行うことができる。また、出力軸の先端側に孔加工工具を装着すれば、孔加工とテーパ孔内周面を同時加工して高い同軸度を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る切削工具の実施の形態を示す断面図である。本発明に係る切削工具は、マシニングセンタの主軸頭に装着されて使用されるものであり、一端に主軸に装着されるテーパ部を有し、他端に軸部を有する工具本体(入力軸)と、軸部に装着される出力軸と、工具本体の回転を出力軸に伝動する差動変速機構と、出力軸の端部に備わるスライダを主軸の回転軸線に対して傾斜した方向に移動させるためのカム機構及びガイド機構と、を備えている。すなわち、本発明に係る切削工具は、差動変速機構とカム機構とガイド機構の協働により、出力軸の端部に備わるスライダを回転軸線に対して傾斜した方向に移動させ、加工物のテーパ孔内周面を切削加工するものである(図6参照)。スライダの形態は、制限されるものではなく、分離型又は一体型とすることができる。分離型のスライダは本実施の形態で説明され、一体型のスライダは本実施の形態の変形例として図4に示されている。また、本発明の切削工具は、一例として、エンジンの燃焼室やコンプレッサの混合室のバルブシート面を精度良く切削できるものであるが、これに限られず、テーパ孔内周面の切削加工に広く適用されるものである。
図1には、主軸頭2に装着されている本実施の形態の切削工具1が示されている。本実施の形態の主軸頭2は、スピンドルスルー方式でクーラントを供給できるようになっている。クーラントは、工具本体3の内部を通り、出力軸10先端の吐出口から吐出されるようになっている。クーラントの冷却作用により切れ刃寿命を延長させ、クーラントの潤滑作用により仕上げ面を良好にし、クーラントの圧力により切りくず処理性を向上させることができる。クーラントの圧力は任意であるが、高圧でクーラントを吐出することにより、上記効果を高めることも可能である。
工具本体3は、一端にショートテーパ部5を有し、マシニングセンタの主軸2aのテーパ穴内面4aと端面4bとにより二面拘束で保持されるようになっているが、これには限られない。例えば、ショートテーパ部5に代えてロングテーパ部を形成し、主軸頭2のテーパ穴内面4aに一面で拘束されるようにすることもできる。本実施の形態のように、工具本体3を二面で拘束する場合には、工具1の剛性が高まり、精度の良い加工を行うことができる。工具本体3には、ショートテーパ部5に続いて断面V字状の外周溝6aを有するフランジ部6が形成されている。外周溝6aには、工具交換装置のATCアームが係合し、工具本体3が把持されるようになっている。工具本体3の先端側に形成された軸部7は、工具ハウジング22の内側で一対の軸受23,24により回動可能に支持されている。軸部7の先端部には、カム機構を構成するカム33が軸部7と同軸に設けられている。
一対の軸受23,24の両側には、複数のオイルシール41,42,43が配設されており、工具本体3と工具ハウジング22との間や、オイルシールケース44と出力軸10との間にクーラントや切りくずが侵入しないように、密封されている。主軸頭2側に設けられたオイルシール41は、工具ハウジング22と工具本体3の軸部7との間を密封し、軸部7の先端側に設けられた一対のオイルシール42,43は、オイルシールケース44と出力軸10との間を密封する。
一対の軸受23,24の間には、工具本体3の軸部7の外周面に固定された入力歯車26と、出力軸10の端部側の外周面に固定された出力歯車27とが互いに離間して位置している。入力歯車26と出力歯車27には、両歯車26,27で歯数が異なることを除いて、外径寸法や歯幅などは同じである転位歯車を使用することができる。入力歯車26と出力歯車27は、伝達歯車28に噛合して、工具本体3の回転が出力軸10に伝達されるようになっている。伝達歯車28は、一対の軸受46,47に支持され、伝達歯車軸48の周りを回転する。入力歯車26と出力歯車27と伝達歯車48は、差動変速機構の構成要素である。差動変速機構によれば、歯数の異なる入力歯車26と出力歯車27に伝達歯車48を噛合させることにより、入力軸としての工具本体3と出力軸としての出力軸10の回転速度を変化させることができる。すなわち、入力歯車26の歯数をaとし、出力歯車27の歯数をbとした場合は、出力軸のギア比はa/bとなるため、主軸を回転速度NSで回転させた場合、出力軸の回転速度NOは、NO=NS×(a/b)となる。このため、入出力歯車26,27の歯数を僅かに違う数にすることによって、入力軸と出力軸に僅かな回転速度の差を生じさせることができる。例えば、入力歯車26の歯数を149とし、出力歯車27の歯数を150とした場合、入力軸を150回転させると出力軸は149回転し、入力軸を出力軸よりも相対的に1回転多く回転させることができる。後述するように、工具本体3の軸部7の先端に設けられたカム33を、相対的に1回転させることで、カム33に設けられたカム溝37(図5参照)に沿ってカムフォロア19を一周させることができ、これにより、駆動スライダ60を半径方向に一往復動作させることができる。
カム33は、頭部35と柄部36とを有して段付き円柱形状をなし、工具本体3の軸部7の先端側に形成された穴部8aに軸部7と同軸に柄部36が着脱可能に挿入されている。カム33には、軸方向の一端から他端に亘って、クーラントを通す貫通孔38が形成されている。カム33は、軸部7のねじ穴8bに螺合する止めねじ39の先端を柄部36の係止穴36aに係合させることにより、穴部8aに固定されるようになっている。カム33が軸部7に固定された状態で、頭部35の垂直面は軸部7の先端面に当接するようになっている。頭部35の先端面には、図5に示すように、カムフォロア19が係合するカム溝37が形成されている。
カム溝37に係合するカムフォロア19は、ピン状をなしており、基部側が駆動スライダ60の移動方向に対して直角方向で、駆動スライダ60の側面に圧入などにより一体的に固定されている。工具本体3と出力軸10との回転速度の差により、カム33が相対的に1回転する。カム33の回転によって、カムフォロア19の中心とカム33の回転中心との間の中心距離が変化することで(図5参照)、駆動スライダ60が半径方向に移動するようになっている。
カム33の回転に伴ってカムフォロア19は同様の動きを繰り返すこととなる。カムフォロア19の半径方向の移動量は、カムフォロア19の中心とカム33の回転中心との間の中心距離に等しい。すなわち、カム33のカム溝37の形態により、カムフォロア19の半径方向の移動量が規定され、駆動スライダ60に連動する被駆動スライダ70が主軸2aの回転軸線に対して斜め方向に所定の移動量だけ移動するようになっている。
工具本体3の軸部7に回動自在に隙間を有して外挿される出力軸10は、大径部11と、大径部11に続く小径部13とを有している。先端側の大径部11には、駆動スライダ60及び被駆動スライダ70が設けられている。また、大径部11の先端には、加工物80(図6参照)の孔81内で予め形成されている小径の下孔82を仕上げ加工するセンターリーマ90が装着されている。センターリーマ90は、刃部91とシャンク部92を有し、シャンク部92の基端側が大径部11に、雌ねじ18に螺合する止めねじで着脱自在に固定されている。図6には、加工物80のバルブシート部の模式図が示されているように、センターリーマ90と被駆動スライダ60に備わるスローアウェイタイプの切削インサート95により、小径のバルブガイド孔(下孔)82とテーパ孔内周面83とが高精度に同軸加工されるようになっている。これにより、バルブとテーパ孔内周面83とのシール性が向上する。
駆動スライダ60は、ガイドブロック61(図2参照)と共に大径部11のガイド孔14に挿入されている。駆動スライダ60は、一方の側面にカム溝37に係合するカムフォロア19を有し、他方の側面に係合孔62を有し、ガイドブロック61にガイドされて回転軸線に直交する方向、すなわち半径方向に摺動する。ガイド孔14に固定されているガイドブロック61は、駆動スライダ60の下面に突設された突条部60aに係合し、回転軸線に直交する方向に駆動スライダ60をガイドするガイド溝(第1のガイド部)61aを有している。
図2に示すように、被駆動スライダ70は、大径部11の溝17(図2参照)内にガイドプレート71と共に装着されている。被駆動スライダ70は、前側に三角形状の切削インサート95を備え、後側に駆動スライダ60の係合孔62に係合する係合突部72を有し、ガイドプレート71に案内されて回転軸線に対して傾斜した方向に摺動する。駆動スライダ60の係合孔62と被駆動スライダ70の係合突部72とは、主軸の軸方向に摺動自在に係合している。大径部11の溝17に固定されているガイドプレート71は、被駆動スライダ70の下面に突設された突条部70aに係合し、回転軸線に対して傾斜する方向に被駆動スライダ70を案内するガイド溝(第2のガイド部)71aを有している。
図3では、駆動スライダ60と被駆動スライダ70とが連結している状態が示されている。駆動スライダ60が上方向aに動くと、被駆動スライダ70は切削インサート95の切れ刃が回転軸線に近づく方向aaに連動して動き、駆動スライダ60が下方向bに動くと、被駆動スライダ70は切削インサート95の切れ刃が回転軸線から離れる方向bbに連動して動くようになっている。
出力軸10の基端側の小径部13の外周面には、出力歯車27が一体的に設けられている。また、小径部13の外周面には、出力歯車27に隣接して、オイルシールケース44との間で一対のオイルシール42,43が接している。出力軸10の内部には、工具本体3の軸部7の先端が入る小径穴部15と大径穴部16とが形成されている。先端側の小径穴部15は、ガイド孔14に連通する連通孔を有しており、この連通孔を介して、小径穴部15に配置されたカム33の頭部35に形成されたカム溝37に、駆動スライダ60の側面に突設されたカムフォロア19の先端側が係合するようになっている。
さらに、本実施の形態の切削工具1は、被駆動スライダ70の先端側に備わるインサート95の切れ刃位置が原点にあること、すなわち、カム33の回転位置が原点にあることを検出するための位置決め機構を備えている。位置決め機構により、カム33の原点を検出することで、加工物80の孔81内に切削工具1を挿入する際に、インサート95の切れ刃が加工物に干渉することを防止することができる。位置決め機構は、主軸頭2の端面に固定されているソケット51と、ソケット51に接続する回り止めピン52と、一端が回り止めピン52に接続し、他端がオイルシールケース44に接続するエアチューブ53と、供給されたエアの背圧を検出する圧力センサ(図示せず)と、を備えている。ソケット51、回り止めピン52、エアチューブ53には、エアを流すための貫通孔54がそれぞれ形成されている。また、工具本体3の軸部7及び出力軸10には、カム33の回転位置が原点にあるときに、機械側から供給されたエアが、ソケット51、回り止めピン52、エアチューブ53の貫通孔54を通り、工具本体3の軸部7及び出力軸10を通って、外に排出されるようにするための連通孔56が形成されている。したがって、供給されたエアが工具本体3の外部に排出されて、背圧が低下したとき、切れ刃位置が原点にあると認識でき、逆に、背圧が検出されたとき、切れ刃位置が原点にないと認識することができる。
本実施の形態の位置決め機構において、切削工具1が、ATCマガジン(図示せず)内に存するときは、常にカム33は定められた周回数ごとにくる原点位相(所定の角度位置)になるようにする。位置決め機構による工具1の位置決めを含む、実際のシーケンスは、次のようになる。
1.工具1をATC(自動工具交換装置)によって主軸頭2に装着する。
2.工具1を位置決め機構により原点出しして、工具1の先端(出力軸10の先端)を加工物の孔81の中に挿入する。
3.マシニングセンタの主軸2aを、主軸周回数カウント機能、例えば、Cs軸制御(主軸回転送り制御)により、所定の周回数(r周とする)だけ回転し、テーパ孔内周面を加工する。
4.工具1を孔81から抜き出す。
5.他に加工する箇所があるときは他の加工位置に工具1を移動させ、上記2〜4のシーケンスを繰り返し実施する。
6.加工を終了する。
7.この時点において、主軸2aは、Cs軸制御によって、正確にr×h(hは整数)周回転している。
8.ATCで工具交換を行い、工具1を工具マガジン内に戻す。
なお、上記2における工具1の原点出しは、Cs軸制御により主軸の回転位置決めを行うことにより達成される。
以上のように、本実施の形態の切削工具によれば、差動変速機構により工具本体3と出力軸10とに回転速度の差が生じ、工具本体3と出力軸10との回転速度の差によってカム溝37に案内されてカムフォロア19が移動することにより、駆動スライダ60がガイドブロック6に案内されて半径方向に移動し、被駆動スライダ70がガイドプレート71に案内されて、被駆動スライダ70が回転軸線に対して傾斜した方向に移動する。これにより、被駆動スライダ70に備わるインサート95の切れ刃によりテーパ孔内周面83の加工をシングルポイントコンタクトで低切削抵抗で行うことができる。本実施の形態の切削工具1が、エンジンやコンプレッサの燃焼室のバルブシートの加工に適用された場合には、びびりマークのない加工面が得られ、バルブ(図示せず)とテーパ孔内周面83とのシール性が向上し、燃焼室の燃焼効率などを高めることに貢献する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施の形態では、スライダが駆動スライダ60と被駆動スライダ70とに分離された分離型の形態で示されているが、図4に示すように、一体型のスライダ75とすることもできる。この変形例では、一体型のスライダ75は、大径部11に形成されたガイド溝76に案内されて、回転軸線に対して斜め方向に移動するようになっている。また、本実施の形態では、駆動スライダ60及び被駆動スライダ70に突条部60a,70aが形成され、ガイドブロック61及びガイドプレート71にガイド溝61a,71aが形成されているが、駆動スライダ60及び被駆動スライダ70に溝を形成し、ガイドブロック61及びガイドプレート71に突部を形成してもよい。また、本実施の形態では、出力軸10の大径部11にセンターリーマ90が装着され、被駆動スライダ70にスローアウェイタイプの切削インサート95が備わっているが、センターリーマ90に代えてドリルを装着することも可能であり、スローアウェイタイプの切削インサート95に代えてろう付けタイプの刃部を備えることも可能である。
本発明に係る切削工具の実施の形態を示す断面図である。 図1に示す切削工具の斜視図である。 駆動スライダと被駆動スライダの動きを説明する断面図である。 駆動スライダと被駆動スライダとが一体化された本実施の形態の切削工具の変形例を示す断面図である。 カム溝を有するカムの正面図である。 加工部位を切削している状態を示す説明図である。
符号の説明
1 切削工具
2 主軸頭
2a 主軸
3 工具本体
10 出力軸
14 ガイド孔
19 カムフォロア
26 入力歯車
27 出力歯車
48 伝達歯車
33 カム
37 カム溝
60 駆動スライダ
61 ガイドブロック
70 被駆動スライダ
71 ガイドプレート

Claims (3)

  1. 工作機械の主軸に装着され、差動変速機構及びカムを内蔵した切削工具において、
    前記主軸に装着され、前端面にカム溝が形成された前記カムを有する入力軸と、
    前記差動変速機構により前記入力軸と異なる回転速度で回転する出力軸であって、前記入力軸と同軸に配置された出力軸と、
    切れ刃を有し、前記出力軸に設けられたスライダであって、前記主軸の回転軸線に対して傾斜した方向に移動するスライダと、
    該スライダを前記主軸の軸線に対して斜めの方向に案内するガイド部と、
    を具備することを特徴とした切削工具。
  2. 前記スライダは、前記カム溝に係合するカムフォロアを有し、前記回転軸線に直交する方向に移動する駆動スライダと、該駆動スライダに係合されて前記回転軸線に対して傾斜した方向に移動する被駆動スライダとを備え、前記ガイド部は、前記駆動スライダを前記回転軸線に直交する方向に案内する第1のガイド部と、前記被駆動スライダを前記回転軸線に対して傾斜した方向に案内する第2のガイド部とを備えた請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記回転軸線の方向の孔を加工する孔加工工具を前記出力軸の先端側に装着する装着部を有した請求項1又は2に記載の切削工具。
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