JP2001353605A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2001353605A
JP2001353605A JP2000180436A JP2000180436A JP2001353605A JP 2001353605 A JP2001353605 A JP 2001353605A JP 2000180436 A JP2000180436 A JP 2000180436A JP 2000180436 A JP2000180436 A JP 2000180436A JP 2001353605 A JP2001353605 A JP 2001353605A
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slider
plate
tool
wall surface
cutting
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JP2000180436A
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Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Akira Kanahoshi
彰 金星
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩耗が生じた際の凹溝の再研磨やこれに合わ
せたスライダの再製作といった事態を避けるとともに、
摩耗が生じても保守作業に要する労力を軽減することが
できる切削工具を提供する。 【解決手段】 工具本体の母線に沿って形成される凹溝
11の壁面のうち、一方の壁面11aとスライダ16と
の間に、スライダ16に摺接される摺接面13aを有す
るスペーサ13を着脱自在に介装し、他方の壁面11b
とスライダ16との間に、スライダ16に係合する係合
面14kを有するプレート14を着脱自在に介装し、プ
レート14の一部を押圧して弾性変形させることにより
係合面14kを一方の壁面11a側に近づける押圧手段
15を他方の壁面11bに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にエンジンのシ
リンダヘッドにおけるバルブ穴の加工等に用いて最適な
切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダヘッドにおけるバル
ブ穴では、一般に、穴の開口部の周縁にバルブが頻繁に
当たることになるため、この部分には焼結合金等の硬質
部材を嵌装して耐久性を得るようにしている。そのた
め、このバルブ穴を加工する切削工具としては、穴自体
を仕上げ加工するガンリーマ等の穴加工工具と前記開口
部周縁を加工する切刃チップとを備えたものが用いられ
ている。また、前記開口部はバルブヘッドの形状に合わ
せてテーパ面状に形成されることが多いため、こうした
面の切削が可能なように、前記切刃チップは当該切削工
具の回転軸線に対して斜交する方向にスライド可能に取
り付けられるのが好ましい。
【0003】図8及び図9は、このようなバルブ穴の加
工に用いられていた従来の切削工具の一例を示すもので
ある。これらの図において、工具本体1は略円錐状をな
し、アダプタ2を介して図示しない工作機械の主軸端等
に装着され、その軸線O回りに回転されて切削加工に供
される。また、この工具本体1の先端には前記軸線Oに
沿ってブッシュ3が装着されており、このブッシュ3に
上述したガンリーマ等の穴加工工具(不図示)のシャン
クを嵌挿して、工具本体1ごと回転しつつ該穴加工工具
を前進させることにより、前記穴自体の仕上げ加工が可
能とされている。なお、この穴加工工具の前進は、後述
するスライド軸の内部に同軸に挿通された軸4により行
われるようになっている。
【0004】さらに、工具本体1の先端部外周には3つ
の切刃チップ5…が設けられており、これらの切刃チッ
プ5…によってバルブ穴の前記開口部周縁が加工される
ようになっている。ただし、図8においては、一の切刃
チップ5Aだけが図示され、他の二つの切刃チップ5
B,5Cは図示が略されている。ここで、これらの切刃
チップ5…のうち、前記二つの切刃チップ5B,5Cは
工具本体1に直接的に固定される一方、前記一の切刃チ
ップ5Aは上述のようにスライド可能に取り付けられて
いる。すなわち、工具本体1にはその円錐形状の母線の
方向に沿って、つまり軸線Oに斜交する方向に沿って図
9に示すようにT溝6が形成されており、このT溝6に
はスライダ7が摺動自在に嵌挿されていて、前記切刃チ
ップ5Aはこのスライダ7に着脱自在に固定されてい
る。
【0005】一方、工具本体1及びアダプタ2の内部に
は、それぞれ軸線Oに沿って穴1a,2aが形成されて
おり、これらの穴1a,2aにはスライド軸8及びカッ
プリング部材9が挿通されている。このカップリング部
材9はキー9aを介して前記穴1aに嵌着されており、
これによって工具本体1とカップリング部材9とは前記
軸線O回りに一体的に回転可能、かつスライド軸8を進
退させることによって前記穴1a内を進退可能とされて
いる。さらに、工具本体1の前記T溝6と穴1aとは、
T溝6の底面に開口する穴6aを介して連通されてい
る。また、スライダ7にはこの穴6aを通って穴1aに
突出する連結ピン10が取り付けられており、この連結
ピン10の先端がカップリング部材9に形成された斜孔
9bに嵌挿されることにより、スライダ7とカップリン
グ部材9とが連結されている。そして、スライダ軸8を
介してカップリング部材9を進退させることによって、
スライダ7がT溝6に沿って摺動し、切刃チップ5Aが
軸線Oに斜交する方向にスライドするようになってい
る。
【0006】このような構成の切削工具によって上述し
たようなバルブ穴の加工を行うには、前記ブッシュ3に
ガンリーマ等の穴加工工具を装着して軸4により工具本
体1の基端側に引き込み、その上で工具本体1を回転さ
せるとともに軸線O方向に送りを与えて、まず前記2つ
の切刃チップ5B,5Cによりバルブ穴の開口部の面取
りを行う。次いで工具本体1を一旦わずかに後退させて
から、工具本体1を回転させつつ、スライド軸8及びカ
ップリング部材9を前進させて、連結ピン10及びスラ
イダ7を介して切刃チップ5Aをスライドさせることに
より、バルブ穴の開口部周縁に上述したようなテーパ面
を形成する。しかる後、工具本体1を回転させたまま前
記軸4によって穴加工工具を前進させ、当該バルブ穴の
内部(バルブガイド穴)の仕上げ加工を行うようになっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
切削工具では、上述のようにバルブ穴の開口部周縁にテ
ーパ面を形成する際に、切刃チップ5Aに作用する切削
負荷はスライダ7を介して工具本体1のT溝6の壁面
(特に工具回転方向を向く壁面)により受けとめられる
ことになるため、長期の使用のうちにはこのような切削
負荷によってT溝6の壁面に摩耗や変形が生じてしま
う。また、スライダ7がT溝6を摺動することによって
も壁面は摩耗してしまう。そして、このような摩耗によ
ってスライダ7にガタつきが発生し、これによって切刃
チップ5Aによる加工精度が損なわれてしまう恐れがあ
る。具体的には、スライダ7が真直にスライダせずに、
例えば摩耗の生じた部分で凹んでスライドしてしまい、
これによって前記テーパ面が正確な円錐面とならずに鼓
状に膨らんだ曲面となってしまう。
【0008】ここで、上記構成の切削工具においてこの
ような摩耗が生じた場合には、T溝6を研磨等によって
拡幅、修正して新たな壁面を形成し直すとともに、この
新たなT溝6に応じた寸法、形状のスライダ7を再製作
するようにして、工具本体1等の再利用を図っている。
しかしながら、このような手段を採った場合には、摩耗
が生じるたびにT溝6の修正やスライダ7の再製作を行
わなければならないために、作業が煩雑となることは避
けられず、しかもスライダ7については再製作するたび
にその寸法、形状が変化してしまうので設計もやり直さ
なければならない。このため、工具本体1を再利用する
ことが結果的に不経済な事態となってしまう。さらに、
摩耗が生じた場合には、直ちにT溝6を再研磨し、また
スライダ7を交換しなけれければならず、比較的頻繁に
保守作業を行わざるを得ないという問題もあった。
【0009】また、上記構成の切削工具では、T溝6と
これに嵌挿されるスライダ7との係合によって切刃チッ
プ5Aの位置決めがなされているため、T溝6やスライ
ダ7の成形誤差を調整する余地がなく、所望の加工精度
を得るには、これらT溝6やスライダ7についても高い
精度で成形しなければならず、成形が困難であった。
【0010】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、摩耗が生じた際の凹溝の再研磨やこれに合
わせたスライダの再製作といった事態を避けるととも
に、摩耗が生じても保守作業に要する労力を軽減するこ
とができる切削工具を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、スライダが摺動する凹溝のうち、一方の
壁面と前記スライダとの間には、前記スライダに摺接さ
れる摺接面を有するスペーサが着脱自在に介装され、他
方の壁面と前記スライダとの間には、前記スライダに係
合する係合面を有するプレートが着脱自在に介装され、
前記他方の壁面には、前記プレートの一部を押圧して弾
性変形させることにより前記係合面を前記一方の壁面側
に近づける押圧手段が設けられていることを特徴として
いる。
【0012】このような構成の切削工具では、凹溝の一
方の壁面とスライダの一方の側面との間にスペーサが着
脱自在に介装されており、切刃チップからスライダに作
用した切削負荷は、このスペーサを介して前記壁面に受
けとめられる。かかる切削負荷は直接的に前記壁面に作
用せず、スペーサによって分散されることから、切削負
荷による前記壁面の摩耗や変形は低減され、スライダの
摺動による摩耗はスペーサの摺接面に発生することにな
る。そのため、摩耗や変形が生じても、凹溝を形成し直
したり、スライダを再製作したりすることなく、スペー
サやスライダを交換することによって容易かつ経済的に
加工精度を維持することが可能となる。
【0013】さらに、凹溝の他方の壁面とスライダの他
方の側面との間にスライダに係合する係合面を有するプ
レートが着脱自在に介装され、他方の壁面にこのプレー
トの一部を押圧して弾性変形させることにより前記係合
面を前記一方の壁面側に近づける押圧手段が設けられて
いるので、摩耗によってスライダにガタつきが生じて
も、前記押圧手段によってプレートの一部を弾性変形さ
せ、係合面を一方の壁面側に近づけることで、スライダ
のガタつきを抑制し、切削加工を容易に続行することが
可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る切削工具の一
実施形態について図1から図4を参照して説明する。な
お、本実施形態は、基本的構成については図8に示した
従来の切削工具と同様であるので、共通する部分につい
ては同一の符号を配して説明を簡略化する。また、これ
らの図において、アダプタ2及びスライド軸8は図示が
略されている。
【0015】本実施形態では、従来の切削工具の工具本
体1に形成されたT溝6に代えて、互いに平行な一対の
対向する壁面11a,11bと、これらの壁面11a,
11bに直交する底面11cとにより画成される凹溝1
1が、略円錐状をなす工具本体1の母線の方向に沿って
形成されている。
【0016】この凹溝11の底面11c上には、所定厚
みに形成される板状の第1スペーサ12が配設され、凹
溝11内の工具回転方向(図2において反時計回りに方
向)Tを向く一方の壁面11aには、第2スペーサ13
がネジ部材などにより着脱自在に取り付けられている。
また、凹溝11の工具回転方向Tの後方側を向く他方の
壁面11bには、プレート14がネジ部材などにより着
脱自在に取り付けられ、このプレート14の工具回転方
向T側の凹溝11の壁面11b内には、本実施形態にお
ける押圧手段15が設けられている。そして、これら第
1スペーサ12と、第2スペーサ13と、プレート14
とにより画成される間隙部に、前記母線方向すなわち軸
線Oに斜交する方向に摺動自在にスライダ16が嵌挿さ
れている。
【0017】第1スペーサ12、第2スペーサ13、及
びプレート14は、それぞれ工具本体1への装着状態に
おいて凹溝11の略全長に亙って延在するように形成さ
れた板状あるいは柱状の部材であり、図3に示すよう
に、第1スペーサ12は凹溝11の底面11cに、第2
スペーサ13は凹溝11の前記壁面11a及び第1スペ
ーサ12の上面12aに、そして、プレート14は凹溝
11の前記壁面11b及び第1スペーサ12の上面12
aに、それぞれ密着するように取り付けられている。
【0018】また、第1スペーサ12には、長孔状に開
口する穴12bが設けられており、この穴12aと凹溝
11のの底面11aに開口する穴11d(図1参照)と
により工具本体1における凹溝11と穴1aとが連通
し、さらに、これらの穴12a,11dを通る連結ピン
10により、スライダ16とカップリング部材9とが連
結されるようになっている。また、第2スペーサ13の
側面のうち、工具本体1への取付状態において凹溝11
の内側すなわち工具回転方向T側を向く側面は、スライ
ダ16に摺接される摺接面13aとされ、壁面11aに
密着する側面13bに平行に形成されている。
【0019】一方、プレート14の側面のうち、工具本
体1への取付状態において凹溝11の内側すなわち工具
回転方向Tの後方側を向く側面14aは、スライダ16
に係合する係合面14kとされ、壁面11aに密着する
側面14bに対して斜めに形成されている。ここでは、
プレート14の係合面14kは、工具本体1への取付状
態において凹溝11の底面11cから外方に向かって凹
溝11の内側すなわち工具回転方向Tの後方側に傾く平
面からなり、これによりこの係合面14kは、凹溝11
の底面11cを臨みかつこの底面11cに対して斜めに
配されるようになっている。
【0020】さらに、図4に示すように、プレート14
には、プレート14の延在方向と直交し、かつ取付面1
4c(工具本体1への取付状態において凹溝11の底面
11c側に配される面)に向かって延在する複数(ここ
では2つ)の切り込み14dが設けられ、さらに、プレ
ート14の前記取付面14aと平行にヌスミ14eが設
けられている。これにより、プレート14は、ネジ部材
などによって凹溝11に固定される部位に比べ、切り込
み14dに挟まれる部位(以後、変位部14fと称す
る)が側面14a,14b方向に曲がりやすい(撓みや
すい)構造となっている。
【0021】また、スライダ16は、図1に示すように
「く」字状に曲折する角柱状部材であって、その基端側
が凹溝11内に配置されるとともに、先端部には前記切
刃チップ5Aが着脱自在に取り付けられている。さら
に、このスライダ16の基端部には、図3に示すよう
に、工具本体1への取付状態において前記壁面11b
側、すなわち工具回転方向T側を向く一方の側面16a
に、プレート14の係合面14kに当接される被係合面
としての斜面16kが形成されている。さらに、工具本
体1への取付状態において前記壁面11a側、すなわち
工具回転方向Tの後方側を向く他方の側面16bと、前
記凹溝11の底面11c側、すなわち工具本体1の前記
軸線O側の下面16cとには、潤滑剤の流れを助けるた
めの油溝16d,16eが形成されている。そして、こ
のスライダ16は、前記斜面16kがプレート14の係
合面14kに係合するととともに、その基端部の工具回
転方向Tの後方側を向く他方の側面16bが第2スペー
サ13の摺接面13aに密着し、さらにその下面16c
が第1スペーサ12の上面12aに密着することによ
り、前記間隙部に摺動自在に嵌挿されるようになってい
る。
【0022】また、凹溝11の他方の壁面11bには、
この壁面11bに垂直に工具本体1の外周面に向けて貫
通しかつ雌ネジ部を有する取付孔11dが設けられてお
り、この取付孔11dには、調節部材としてのネジ部材
17が螺着され、これらにより本実施形態の押圧手段1
5が構成されている。ネジ部材17は、その先端頭部1
7aを壁面11bからわずかに突出させて該壁面11b
の取付穴11dの開口部に嵌挿されることにより、その
先端頭部17aがプレート14の変位部14f(図4参
照)と当接するようになっている。したがって、本実施
形態では、ネジ部材17を締め込んだり緩めたりして進
退させ、プレート14の変位部14fを弾性変形させる
ことにより、プレート14の係合面14kの傾きが調節
されるようになっている。
【0023】なお、本実施形態において、工具本体1の
先端には3つの切刃チップ5…が取り付けられており、
このうちの一の切刃チップ5Aが前記スライダ16に装
着され、スライド可能となっている。一方、他の二つの
切刃チップ5B,5Cは、図2に示すように、工具全体
1の先端部に固定されていて、3つの切刃チップ5…は
工具本体1の周方向に等間隔となるように、また工具本
体1の軸線O方向には互いにずらされて配置されてい
る。ここで、図5はこれらの切刃チップ5A,5B,5
Cが描く軸線O回りの回転軌跡を示すものである。この
図5に示されるように、前記2つの切刃チップ5B,5
Cは、その切削に供される切刃部分5b,5cが前記回
転軌跡において互いに鈍角に交差するように配置されて
いる。そして、切刃チップ5Aは前記回転軌跡におい
て、スライダ16を摺動させることによりその切刃部分
5aが描く移動軌跡Rが切刃チップ5B,5Cの前記切
刃部分5b,5cが挟む部分にあって両切刃部分5b,
5cに鈍角に交差するように配置されている。
【0024】このような構成の切削工具において、工具
本体1は、その先端にガンリーマ等の穴加工工具が装着
された上で、アダプタ等を介して工作機械の主軸端に取
り付けられて切削加工に供される。すなわち、まず前記
穴加工工具を基端側に引き込んだ状態で、工具本体1を
その軸線O回りに回転しつつその軸線O方向に送りを与
え、切刃チップ5B,5Cによって図5に示すように穴
の開口部に面取りC,Cを形成する。ただし、図5にお
いて符号Sで示すのは、上述したようにバルブ穴等の開
口部周縁に嵌装される焼結合金等の硬質部材である。そ
して、こうして面取りC,Cが形成された後に、図1に
示す工具本体1を回転させたまま一旦工具本体1をわず
かに後退させ、次いで不図示のスライド軸を突き出して
カップリング部材9を前進させることにより、連結ピン
10を介しスライダ16を前記母線方向にスライドさ
せ、切刃チップ5Aを移動軌跡Rに沿って移動させるこ
とにより、穴の開口部にテーパ面Pを形成する。その
後、工具本体1を回転させた状態のまま、前記ガンリー
マ等の穴加工工具を前進させてバルブ穴の内部に挿入
し、このバルブ穴自体の仕上げ加工を行うようになって
いる。
【0025】このとき、上記構成の切削工具では、テー
パ面Pを形成する際に切刃チップ5Aに作用する切削負
荷は、図3に示すスライダ16を介して、主としてその
工具回転方向Tの後方側に位置する第2スペーサ13に
より受けとめられることになる。従って、かかる切削負
荷は直接的に前記壁面11aに作用せず、第2スペーサ
13によって分散されることから、切削負荷による前記
壁面11aの摩耗や変形はほとんど生じない。また、ス
ライダ16を摺動させることによって生じる摩耗も、こ
の第2スペーサ13や第1スペーサ12、及びプレート
14に生じ、工具本体1の損傷が抑制される。そして、
これら第1及び第2スペーサ12,13やプレート14
は工具本体1に着脱自在に取り付けられているので、摩
耗や変形が生じた場合にはこれらの部材を交換すること
によって、きわめて容易に加工精度等を回復することが
可能である。しかも交換する部材は、交換前の部材と同
一の規格のものを用意すればよく、摩耗が生じるたびに
部材を設計し直す必要がないのできわめて経済的であ
る。これはスライダ16を交換する場合についても同様
である。
【0026】しかも、上記構成の切削工具では、凹溝1
1の他方の壁面11bとスライダ16の他方の側面であ
る斜面16kとの間にスライダ16に係合する係合面1
4kを有するプレート14が着脱自在に介装されるとと
もに、他方の壁面11bにこのプレート14の一部(変
位部14f)を押圧して弾性変形させることにより係合
面14kを一方の壁面11a側に傾ける押圧手段15が
設けられているので、摩耗によってスライダ16にガタ
つきが生じても、押圧手段16によってプレート14の
変位部14fを弾性変形させ、係合面14kを一方の壁
面11a側に傾けることで、スライダ16のガタつきが
生じるのを抑制することができる。したがって、上記切
削工具によれば、わずかな摩耗が生じた程度では、押圧
手段15のネジ部材17を進退させてプレート14の係
合面14kを傾けるだけで、係合状態を調節して、支障
なく切削作業を続行することが可能である。これにより
第1及び第2スペーサ12,13やスライダ16の交換
間隔を延長して工具寿命の延長を図ることができるとと
もに、保守等に要する労力を軽減することが可能とな
る。なお、本実施形態では一の押圧手段15しか図示さ
れていないが、スライダ16の摺動する前記母線方向に
平行に複数の押圧手段15を設け、上述した効果の一層
の増強を図るようにしてもよい。
【0027】また、上記構成の切削工具では、プレート
14の一部すなわち変位部14fだけを弾性変形させて
スライダ16との係合状態を調節するので、プレート1
4全体はネジ部材などによってその位置が固定された状
態にあり、プレート14の一部である変位部14fの配
設状態、すなわちプレート14とスライダ16との係合
状態は比較的安定的に維持される。そのため、スライダ
16の取付精度が高まり、切刃チップ5Aが精度よく位
置決めされることから、加工精度の向上を図ることが可
能となる。さらに、本実施形態では、係合面14kを有
する変位部14f自身の弾性力によって、その係合状態
が維持されることから、少ない部品で簡潔に構成され、
交換や調節等に要する労力が少ない。なお、本実施形態
では、複数の切り込み14dにより弾性変形させるため
の変位部14fを設けているので、簡単な構造で容易に
プレート14の一部を弾性変形させることができるとい
う利点がある。しかしながら、弾性変形させる部位の構
造はこれに限るものではなく、様々な構造のものが適用
されうる。
【0028】また、上記構成の切削工具では、プレート
14の係合面14kが、凹溝11の底面11cを臨みか
つこの底面11cに対して斜めに形成され、スライダ1
6には、このプレート14の係合面14kに当接される
被係合面としての斜面16kが形成されているので、凹
溝11からのスライダ16の脱離を防止して、スライダ
16を確実に保持することができる。また、摩耗による
ガタつきが生じた場合にも、押圧手段15によって変位
部14fを弾性変形させることで、係合面14kがスラ
イダ16の斜面16kに向かって傾きながら近づくの
で、本実施形態のようにプレート14の一部だけを弾性
変形させるような場合に対応して、係合面14kと斜面
16kとの両者の接触面積を大きく変化させることな
く、そのガタつきを確実に抑制することができる。
【0029】次に、図7は本発明の他の実施形態を示す
ものであり、上述した実施形態と共通する部分について
は同一の符号を配して説明を省略する。本実施形態で
は、プレート14の側面のうち、工具本体1への取付状
態において凹溝11の内側すなわち工具回転方向Tの後
方側を向く側面14aが、壁面11bに密着する側面1
4bに対して平行に形成され、この側面14aの上端部
(工具本体1の外周方向端部)において凹溝11の底面
11cを臨みかつこの底面11cに対して斜めに配され
る係合面14kが局所的に形成されている。また、この
プレート14に対応するように、スライダ16には、工
具本体1への取付状態において前記壁面11b側、すな
わち工具回転方向T側を向く一方の側面16aが壁面1
1bに略平行に形成され、この側面16aの上端部(工
具本体1の外周方向端部)においてプレート14の係合
面14kに当接される被係合面としての斜面16kが局
所的に形成されている。
【0030】このように本実施形態では、プレート14
の係合面14kとスライダ16の被係合面としての斜面
16kとが工具本体1の外周方向端部において局所的に
形成されているため、前述した実施形態に比べて、係合
面14kと斜面16kとの両者の接触面積が小さく、ス
ライダ16の摺動時における摩擦力が小さく抑制される
ことから、スライダ16をスムーズにスライドさせるこ
とができる。そのため、切刃チップ5Aの位置精度がさ
らも高められ、加工精度の向上を図ることが可能であ
る。
【0031】さらに、図8は本発明のその他の実施形態
を示すものであり、上記各実施形態と共通の部分には同
一の符号を配している。本実施形態では、上記各実施形
態と異なり、凹溝11の他方の壁面11bに平行に工具
本体1の外周面に向けて貫通しかつ雌ネジ部を有する取
付孔11dが形成されており、この取付孔11dには、
押圧手段15における調節部材としてのネジ部材20が
工具本体1の母線と略直交する方向に進退自在に螺着さ
れている。また、ネジ部材20としてはネジ溝が設けら
れる後端頭部に略円錐形状の斜面20aを有するもの
(例えば皿ネジ)が用いられ、このネジ部材20の斜面
20aがプレート14の変位部14fと当接するように
なっている。なお、プレート14の変位部14fの背面
側(側面14b側)には、ネジ部材20の斜面20aに
当接される当接面14sが設けられている。
【0032】上記構成の本実施形態では、押圧手段15
のネジ部材20が前記母線と直交する方向に進退させら
れて、このネジ部材20の斜面20aがプレート14の
一部である変位部14fの当接面14sに当接すること
により、変位部14fが凹溝11の内側に向かって弾性
変形し、これにより、プレート14の係合面14kの傾
きが変化して、プレート14とスライダ16との係合状
態が調節されるようになっている。そのため、ネジ部材
20を締め込んだり緩めたりするといったことが前記母
線の直交方向から行われるために、工具本体1(図1参
照)の外側から作業を実施するといったことを容易に行
うことができる。したがって、ネジ部材20の取り付け
やプレート14とスライダ16との係合状態の調節とい
った作業を容易に実施でき、保守等に要する労力をさら
に軽減することが可能となる。
【0033】なお、上述した各実施形態において示した
各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本
発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基
づき種々変更可能であることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、切
刃チップからスライダを介して作用する切削負荷やスラ
イダの摺動による摩耗や変形は、主としてスライダと凹
溝の壁面との間に介装されるスペーサに生じることか
ら、摩耗や変形が生じた場合には、これらの部材を交換
することにより、凹溝の再研磨やこれに合わせたスライ
ダの再製作といった事態を避けるとともに、押圧手段を
調節するだけで、容易にスライダの取付精度や位置精度
を回復して加工精度を維持することができる。また、プ
レートの一部だけを弾性変形させてプレートとスライダ
との係合状態を調節するので、その係合状態が安定的に
維持される。そのため、スライダの取付精度が高まり、
加工精度の向上を図ることができる。さらに、プレート
の一部の弾性力によって、前記係合状態が保持されるこ
とから、少ない部品で簡潔に構成し、交換や調節等に要
する労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態のXX断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態のプレート14の正面図
である。
【図5】 図1に示す実施形態の切刃チップ5A,5
B,5Cの軸線O回りの回転軌跡である。
【図6】 図1のXX断面に相当する、本発明の他の実
施形態を示す断面図である。
【図7】 図1のXX断面に相当する、本発明の他の実
施形態を示す断面図である。
【図8】 従来の切削工具を示す断面図である。
【図9】 図8に示す従来のZZ断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体 5A,5B,5C 切刃チップ 16 スライダ 8 スライド軸 9 カップリング部材 10 連結ピン 11 凹溝 11a,11b 凹溝11の壁面 12 第1スペーサ 13 第2スペーサ 13a 摺接面 14 プレート 14k 係合面 15 押圧手段 16k 斜面 17,20 ネジ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C037 BB15 EE05 3C046 LL02 LL07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される略円錐状の工具本
    体に、この円錐の母線に沿って凹溝が形成され、この凹
    溝内には切刃チップを備えたスライダが該凹溝に沿って
    摺動自在に装着されるとともに、前記工具本体の内部に
    は、該工具本体と一体に回転可能、かつ前記軸線に沿っ
    て進退自在とされて、前記スライダに係合して該スライ
    ダを摺動せしめるカップリング部材が挿入されている切
    削工具であって、 前記凹溝の壁面のうち、一方の壁面と前記スライダとの
    間には、前記スライダに摺接される摺接面を有するスペ
    ーサが着脱自在に介装され、他方の壁面と前記スライダ
    との間には、前記スライダに係合する係合面を有するプ
    レートが着脱自在に介装され、前記他方の壁面には、前
    記プレートの一部を押圧して弾性変形させることにより
    前記係合面を前記一方の壁面側に近づける押圧手段が設
    けられていることを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 前記プレートの係合面は、前記凹溝の底
    面を臨みかつ該底面に対して斜めに形成され、前記スラ
    イダには、該プレートの係合面に当接される被係合面と
    しての斜面が形成されることを特徴とする請求項1に記
    載の切削工具。
  3. 【請求項3】 前記押圧手段は、前記母線と略直交する
    方向に進退自在に取り付けられるネジ部材を有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工
    具。
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Cited By (3)

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