JP5272693B2 - インサート着脱式カッタ - Google Patents

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本発明は、特に往復動型内燃機関のシリンダーブロックにおけるベアリングキャップの取付座のような被削材に形成された凹溝の溝壁面および溝底面と、これらの交差稜線部に形成される逃げ部とを同時に加工することが可能なインサート着脱式カッタに関するものである。
例えば特許文献1〜3に記載されているように、自動車等のエンジンとして多く用いられている往復動型内燃機関では、シリンダーブロックに形成した凹溝状の取付座にベアリングキャップを取り付けることにより、クランクシャフトを支持する軸受部が形成されるように構成される。従って、このベアリングキャップが取り付けられる取付座には高い精度が要求されることになるが、一般的な並列多気筒のエンジンではこの取付座がなす凹溝の長さも長くなるため、従来はブローチを用いてこのような凹溝の溝壁面と溝底面の加工を行うようにしていた。
特開平5−23919号公報 特開平8−232094号公報 特開2005−169516号公報
ところが、このようなブローチによる加工は、ブローチ加工専用のブローチ盤に被削材であるシリンダーブロックを取り付けて行わなければならず、設備コストの増大やブローチ盤への取り付けのためにシリンダーブロック加工時間全体の延長を招くことになる。このため、ボーリング加工やフライス加工などのシリンダーブロックの他の部分の加工に用いられるマシニングセンタ等の工作機械により、かかる取付座の加工も合わせて行うことが求められている。
ここで、このようなマシニングセンタに取り付けられて凹溝を形成する工具としては、工具本体の先端部に外周刃と底刃とを備えたエンドミルが一般的に知られている。しかしながら、このようなエンドミルでは、これら底刃と外周刃とが連続して形成されていて、例えばインサート着脱式のエンドミルでも底刃と外周刃は1つの切削インサートに形成されているため、高精度の加工を行うために切削インサートの取付位置を微調整しようとしても、これら底刃と外周刃の双方を同時に精度よく調整するのは困難となる。
また、特に上述のような取付座をシリンダーブロックに形成する際には、この取付座がなす凹溝の溝壁面と溝底面との交差稜線部(角隅部)に、上記ベアリングキャップが干渉しないように凹んだ逃げ部を形成しなければならないが、そのような加工を上記エンドミルによって溝壁面および溝底面の加工と合わせて行うのも困難である。このため、エンドミルによる加工の後に、上記交差稜線部に追加工を施してこのような逃げ部を形成せざるを得ず、加工コストや加工時間が増大することが避けられない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにシリンダーブロックにおけるベアリングキャップの取付座のような被削材に形成された凹溝を、マシニングセンタ等の工作機械により他の部分の加工と合わせて加工する際に、該凹溝の溝壁面および溝底面と、これらの交差稜線部に形成される逃げ部とを同時に、しかも高精度に加工することが可能なインサート着脱式カッタを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、被削材に形成された凹溝の溝壁面と溝底面とを加工するインサート着脱式カッタであって、軸線回りに回転されるカッタ本体の先端部外周に、上記溝壁面を加工する第1の切削インサートがその切刃を外周刃として上記軸線に対する径方向外周側に向けて着脱可能に取り付けられる第1のインサート取付座と、上記溝底面を加工する第2の切削インサートがその切刃を底刃として上記軸線方向先端側に向けて着脱可能に取り付けられる第2のインサート取付座とが形成され、上記第2の切削インサートには上記底刃の外周端に連なって、上記溝底面と溝壁面との交差稜線部に逃げ部を形成する突切刃が上記径方向外周側に突出するように形成されており、上記第1のインサート取付座には上記第1の切削インサートの上記径方向の位置を調整する第1の調整機構が備えられるとともに、上記第2のインサート取付座には上記第2の切削インサートの上記軸線方向の位置を調整する第2の調整機構が備えられ、上記第1の切削インサートは、上記底刃よりも上記軸線方向後端側に位置するように配置されるとともに、上記第2の切削インサートは、上記突切刃が上記軸線回りの回転軌跡において上記外周刃と交差して該外周刃よりも上記径方向外周側に突出させる一方、この突切刃よりも上記軸線方向後端側の部分は上記外周刃よりも上記径方向内周側に位置するように取り付けられることを特徴とする。
このようなインサート着脱式カッタによれば、被削材の凹溝の溝壁面を加工する第1の切削インサートと溝底面および逃げ部を加工する第2の切削インサートとが、カッタ本体に形成された第1、第2のインサート取付座にそれぞれ着脱可能に取り付けられており、これら第1、第2のインサート取付座には、第1の切削インサートの径方向の位置と第2の切削インサートの軸線方向の位置とを調整する第1、第2の調整機構が各々備えられているので、第1の調整機構によって外周刃の径方向の位置を微調整するとともに第2の調整機構によって底刃および突切刃の軸線方向の位置を微調整することができる。
さらに、こうして位置が調整されて取り付けられた第1、第2の切削インサートは、第1の切削インサートが第2の切削インサートの底刃よりも軸線方向後端側に配置されるため、この第2の切削インサートの底刃による溝底面の加工に第1の切削インサートが干渉することはない。その一方で、第2の切削インサートは、上記突切刃のみが外周刃よりも径方向外周側に突出していて、この突切刃よりも軸線方向後端側部分は外周刃より径方向内周側に後退しているので、突切刃により溝壁面と溝底面の交差稜線部に逃げ部が形成されるだけで、他の部分が第1の切削インサートの外周刃による溝壁面の加工に干渉することがない。
従って、上記構成のインサート着脱式カッタによれば、マシニングセンタ等の工作機械を用いて、その主軸にカッタ本体を取り付けて軸線回りに回転させるとともに該軸線に直交する方向に向けて被削材の凹溝に沿うように送りを与えることで、第1、第2の調整機構によって位置が調整された第1、第2の切削インサートの外周刃と底刃および突切刃とにより、該凹溝の溝壁面と溝底面および逃げ部とを同時に加工することができる。
そして、このように第1、第2の調整機構によって外周刃と底刃および突切刃とが個別に位置調整されることにより、外周刃によって溝壁面を、また底刃および突切刃によって溝底面および逃げ部を、それぞれ高精度に加工することができるとともに、こうして底刃により加工された溝底面に第1の切削インサートが干渉することがなく、また外周刃により加工された溝壁面に突切刃を除いて第2の切削インサートが干渉することがないことにより、加工された溝底面や溝壁面が傷付けられたり、あるいは調整された外周刃や底刃および突切刃の位置にずれが生じたりすることがないので、このような高精度の加工を長期に亙って安定して行うことが可能となって、加工効率の向上を図ることができる。
ここで、上記第2の調整機構による第2の切削インサートの底刃の軸線方向の位置調整は、例えばカッタ本体をその先端部が上向きとなるように定盤上に載置して、この定盤に備えたゲージによって底刃の定盤からの高さを測定しつつ調整することにより、定盤に密着したカッタ本体後端部からの軸線方向の位置として比較的容易に調整可能であるが、第1の調整機構による第1の切削インサートの径方向の位置調整は、基準となる軸線自体が仮想線である上、実際にカッタ本体が工作機械の主軸に取り付けられた状態でなければ、回転の中心となる軸線が厳密には確定しないため、精度のよい調整は困難となる。
そこで、この第1の調整機構による第1の切削インサートの位置調整は、上記カッタ本体の後端部に、該カッタ本体が取り付けられる工作機械側の回転軸部に設けられた上記軸線を中心とする円錐面に密着可能な円錐面状の取付面を形成するとともに、上記カッタ本体の先端部には、上記第1の調整機構による上記第1の切削インサートの上記径方向の位置調整の基準となる円筒面状の基準面を、上記取付面と同軸となるように形成して、この基準面からの上記外周刃の径方向の位置を調整するようにすればよく、工作機械側の回転軸部の円錐面とカッタ本体の取付面とが密着することによって取付面の中心線が回転中心となる軸線と一致して、これと同軸の基準面も正確に軸線中心に配置されるので、外周刃の位置を高精度に調整することが可能となる。
また、上記第1、第2の調整機構は、例えば特開平7−223108号公報に記載の調整機構のように、切削インサートを、工具本体の取付溝内に挿入されたロケータに備わるインサート取付座に装着して、このロケータに螺合する調整ネジにより微調整するものであったり、あるいはカッタ本体にねじ込まれる調整ネジによってクサビ部材を押し込んで切削インサートを押圧することによりその位置を微調整するものであったりしてもよいが、これらの調整機構では、調整ネジによる調整量が僅かでも大きくて切削インサートが所望の位置から極微小ながらでも突出しすぎてしまうと、調整ネジを戻してからロケータや切削インサートのクランプも一旦緩めて元の位置に戻し、再び調整ネジを回転させて位置調整を行わなければならない。
そこで、上記切削インサートは、該切削インサートを貫通するクランプネジをインサート取付座にねじ込むことによって着脱可能に取り付けるとともに、上記調整機構としては、カッタ本体に形成された凹所に挿入される調整部材と、この調整部材に形成された貫通穴に挿通されて上記凹所の底部にねじ込まれる調整ネジとを備え、上記調整部材には、上記貫通穴の中心線方向に延びるとともに切削インサートに当接する当接面と、この当接面に並行して延びるとともに上記貫通穴に連通するスリットとを形成するとともに、上記調整ネジには、該調整ネジのねじ込みによって上記スリットを押し広げるように上記調整部材を弾性変形させるネジ頭部を設けるようにしてもよい。
このような調整機構によれば、こうして調整ネジのねじ込みによりネジ頭部によってスリットが押し広げられるように調整部材が弾性変形させられると、切削インサートに当接した当接面が切削インサートを押圧するのに伴い、切削インサートを取り付けたクランプネジが弾性変形して撓むことにより該切削インサートが変位して位置が微調整される。そして、切削インサートが所望の位置から突出しすぎたときは、調整ネジを緩めることにより、弾性変形した調整部材が元の状態に戻ろうとするのに伴い撓んでいたクランプネジも元の状態に戻ろうとして伴い切削インサートが後退するので、クランプネジを緩めたりすることなく切削インサートの位置の正確な微調整が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、第1、第2の調整機構によってそれぞれ個別に位置調整された第1の切削インサートの外周刃によって被削材の凹溝の溝壁面を、また第2の切削インサートの底刃および突切刃によって該凹溝の溝底面および逃げ部を、同時に、かつ高精度に加工することができる。そして、第1の切削インサートはこうして底刃により加工された溝底面に干渉することがなく、また第2の切削インサートは突切刃を除いて外周刃により加工された溝壁面に干渉することがないので、これら加工された溝底面や溝壁面が傷付けられたり、位置調整した外周刃や底刃、突切刃にずれが生じたりするのを防ぐことができ、上述のような高精度の加工を安定して行うことができる。
図1ないし図3は、本発明に一実施形態を示すものである。本実施形態のインサート着脱式カッタは、そのカッタ本体1が鋼材等から形成されて軸線Oを中心とした外形円板状をなし、このカッタ本体1の後端面2には該軸線Oに沿ってカッタ本体1に形成された取付孔3が開口させられている。そして、この取付孔3に、マシニングセンタ等の工作機械の主軸側から突出する回転軸部30が挿入されて係合させられることにより、本実施形態のインサート着脱式カッタは上記主軸側に取り付けられて、軸線O回りに回転方向Tに向けて回転されつつ該軸線Oに垂直な方向に送り出され、例えばアルミニウム鋳物製のシリンダーブロックのような被削材Wに、図1に示すように溝壁面Aと溝底面B、およびこれら溝壁面Aと溝底面Bとの交差稜線部に逃げ部Cを備えたベアリングキャップ取付座のような凹溝を形成してゆく。
ここで、上記回転軸部30は、図1に示すように先端側(図1において下側)から後端側(図1において上側)に向けて順に、主軸の回転軸線Lを中心とした円板部31Aの外周に、該回転軸線Lに対する径方向に突出する複数(本実施形態では4つ)の突片31Bが周方向に等間隔に形成された係合部31と、この係合部31の円板部31Aより僅かに小径の軸部32と、これら係合部31および軸部32よりも大径で上記回転軸線Lを中心とした略円錐台状をなす取付部33とから構成されている。従って、本実施形態ではこのうち取付部33の外周面33Aが回転軸線Lを中心とした凸円錐面状をなしている。
また、係合部31と軸部32は一体に形成されて、取付部33に対し回転軸線L方向に僅かなストロークで進退可能とされているのに対して、取付部33は、当該回転軸部30が突出する主軸側の端面34と一体に形成されており、この端面34には、回転軸部30から上記回転軸線Lに対する径方向外周側に離れた位置に、回転軸線Lと平行な中心線を有する円柱状のピン35が突設されている。さらに、この端面34は、回転軸部30と上記ピン35を除いて、回転軸線Lに垂直な平坦面とされている。なお、これら回転軸部30や端面34、ピン35は、主軸に直接設けられずに、例えば主軸に着脱可能に装着されるアダプタに設けられていてもよく、すなわち本実施形態のインサート着脱式カッタはこのアダプタを介して主軸に取り付けられていてもよい。
一方、上記取付孔3は、後端面2側からカッタ本体1の先端面4側に向けて順に、回転軸部30の上記取付部33を収容可能な位置決め部5と、内径が上記係合部31の円板部31Aよりは大径かつ突片31Bの外径よりは小径で、上記軸部32の長さよりも厚さの小さい円周壁部であり、該突片31Bが通過可能な切り欠き6Aが突片31Bと同数周方向に等間隔に形成された、図2に破線で示すような花弁状の被係合部6と、この被係合部6の内径より大きな内径を有して突片31Bも含めた係合部31を収容可能な収容部7とが、順次連通するようにして形成されている。
そして、上記位置決め部5の内周面は、カッタ本体1の軸線Oを中心とした凹円錐面状に形成されて本実施形態における取付面5Aとされ、この取付面5Aがなす凹円錐面は、カッタ本体1の後端面2を主軸側の上記端面34に先端側から当接させたところで、上記取付部33の凸円錐面状をなす外周面33Aと全面に亙って密着するように、そのテーパ角や径が互いに略等しくされている。
なお、後端面2には、軸線Oに対して所定の中心角(本実施形態では45°)の円弧状をなす凹溝2Aが軸線Oに関して対称に一対形成されていて、上述のように後端面2が端面34と当接させられたところで、これらの凹溝2Aの一方に上記ピン35が収容可能とされ、かつ上記中心角の範囲でカッタ本体1が主軸側に対して軸線O回りに回転可能とされている。さらに、この凹溝2Aや上記取付孔3を除いて、後端面2は軸線Oに垂直な平坦面とされている。
従って、周方向において、係合部31の上記突片31Bの位置を被係合部6の切り欠き6Aの位置に合わせるとともに、ピン35をいずれか一方の凹溝2Aのカッタ回転方向T側の端部の位置に合わせた上で、回転軸部30を取付孔3に挿入するとともにピン35を凹溝2Aに収容することにより後端面2は端面34に密着し、次いでカッタ本体1をカッタ回転方向T後方側に上記中心角分だけ回転させると、軸線O方向視に係合部31の突片31Bが被係合部6の切り欠き6A間の部分と重なり合うので、この係合部31を軸部32ごと回転軸線L方向に後退させることにより、係合部31が被係合部6に係合して後端面2が端面34に押し付けられ、カッタ本体1が工作機械の主軸側に固定される。
また、取付孔3のさらに先端側には、上記収容部7よりも一段小径の凹孔部8が形成されるとともに、カッタ本体1の先端面4には、該先端面4から後端側に一段凹むようにして、軸線Oを中心とした円筒面をなす内周面と先端側を向く軸線Oに垂直な円形の底面とを有する基準孔部9が形成されており、この基準孔部9の上記内周面が後述する基準面9Aとされる。
すなわち、上述のようにカッタ本体1を工作機械の主軸側に固定した状態で、取付孔3の上記位置決め部5における取付面5Aが回転軸部30の上記取付部33の外周面33Aと互いの円錐面同士を全面に亙って密着させられるので、主軸の回転軸線Lがカッタ本体1の軸線Oと一致させられ、これに伴いカッタ本体1の回転の中心となる軸線L、Oを中心として基準面9Aが配置されることになる。
なお、これら凹孔部8と基準孔部9との間には軸線Oに沿って延びる貫通孔10が形成されているが、この貫通孔10は、凹孔部8側から埋め栓10Aがねじ込まれることにより封止されていて、凹孔部8と基準孔部9とが連通することはない。
このようなカッタ本体1の上記先端面4から外周面にかけては、先端面4において上記基準孔部9と間隔をあけた位置から外周側に延びた後、外周面を軸線O方向後端側に向けて延びる複数(本実施形態では8つ)のチップポケット11A、11Bが周方向に間隔をあけて形成されている。これらのチップポケット11A、11Bは、図2に示すように周方向の幅および先端面4での径方向内周側への深さの大きいチップポケット11Aと小さいチップポケット11Bとが周方向に交互に配設されていて、チップポケット11A同士とチップポケット11B同士は、それぞれ同形同大とされるとともに周方向に等間隔に配置されている。
なお、埋め栓10Aによって貫通孔10が封止された凹孔部8からは、これらのチップポケット11A、11Bに向けて直線的に、あるいは曲折して、切削油剤の供給路8Aが形成されて該チップポケット11A、11Bに開口させられており、工作機械側から供給された切削油剤が、上記回転軸部30に形成された図示されない供給路を介して凹孔部8に導入され、さらに上記供給路8Aを介してチップポケット11A、11B内に噴出するようにされている。
そして、上記チップポケット11Aのカッタ回転方向T後方側には、カッタ本体1の先端部外周に臨むように第1のインサート取付座12Aが形成されて、この第1のインサート取付座12Aには被削材Wの上記凹溝の溝壁面Aを加工する第1の切削インサート13Aが着脱可能に取り付けられている。また、上記チップポケット11Bのカッタ回転方向T後方側には、やはりカッタ本体1の先端部外周に臨むようにして第2のインサート取付座12Bが形成され、この第2のインサート取付座12Bには被削材Wの凹溝の溝底面Bと上記逃げ部Cとを加工する第2の切削インサート13Bが着脱可能に取り付けられている。
これら第1、第2の切削インサート13A、13Bは、いずれも超硬合金等の硬質材料よりなる平板状のインサート本体14の厚さ方向(図1において、第1の切削インサート13Aについては上下方向、第2の切削インサート13Bについては左右方向)に沿う1つの側面がすくい面14Aとされ、このすくい面14Aの辺稜部に切刃14Bが形成された、いわゆる縦刃式の切削インサートとされている。ここで、本実施形態では、上記すくい面14Aの切刃14Bを含む部分にダイヤモンド焼結体等の超高硬度材料よりなる切刃部材14Cがろう付けや一体焼結により配設されて、この切刃部材14C上に切刃14Bが形成されている。
このような第1、第2の切削インサート13A、13Bが取り付けられる第1、第2のインサート取付座12A、12Bはいずれも、チップポケット11A、11Bに臨んでカッタ本体1の先端面4と外周面とに開口する凹所として形成され、平板状のインサート本体14の平板面が着座させられる底面15Aと、この底面15Aから立ち上がってカッタ本体1の先端面4または外周面に連なる2つの壁面15B、15Cとを備えている。また、底面15Aには図示されないネジ孔が形成されており、第1、第2の切削インサート13A、13Bは、上記インサート本体14をその厚さ方向に貫通する貫通孔14Dに挿通された鋼製のクランプネジ16がこのネジ孔にねじ込まれることによりインサート取付座12A、12Bに取り付けられる。
このうち、第1の切削インサート13Aは、インサート本体14が等脚台形平板状に形成されていて、その平板面である等脚台形面の平行な長短辺のうち長辺に連なる長方形状の側面がすくい面14Aとされ、このすくい面14Aの4つの辺稜部のうちインサート本体14の厚さ方向に一直線状に延びる2辺が切刃14Bとされており、上記等脚台形面を表裏反転させることによりこれら2つの切刃14Bを使い回し可能な反転対称形状とされている。なお、切刃部材14Bはすくい面14Aのこれら2つの切刃14B側にそれぞれ1つずつ配設されている。
このような第1の切削インサート13Aは、インサート本体14の厚さ方向が軸線Oと平行となるようにして、上記すくい面14Aをチップポケット11Aに臨ませてカッタ回転方向Tに向けるとともに、切刃14Bのうちの1つを外周刃14Eとしてカッタ本体1の円筒面状の外周面から僅かに突出させて、正のアキシャルレーキ角とラジアルレーキ角とが与えられるように、またこのすくい面14Aとの間で上記外周刃14Eとされる切刃14Bを挟んでカッタ本体1外周側に向けられる側面には、逃げ面として所定の逃げ角が与えられるようにして、上記第1のインサート取付座12Aに取り付けられる。
従って、このような第1の切削インサート13Aが取り付けられる第1のインサート取付座12Aの底面15Aは、カッタ本体1の先端面4から軸線O方向後端側にインサート本体14の厚さ分だけ後退した位置に配置されて、カッタ回転方向T側に平行な長短辺のうちの長辺を有する等脚台形状をなし、インサート本体14の一方の上記等脚台形面が着座させられることになる。
また、この第1のインサート取付座12Aの2つの壁面15B、15Cは、底面15Aに対して垂直な方向に延びてカッタ本体1の先端面4に至り、このうち壁面15Bは、底面15Aがなす等脚台形の短辺に沿ってカッタ回転方向T側を向き、インサート本体14の上記すくい面14Aとは反対の側面が当接させられるとともに、壁面15Cは、底面15Aがなす等脚台形の径方向内周側に位置する斜辺に沿って外周側を向き、インサート本体14の上記逃げ面とされる側面とは反対側の側面が当接させられる。
一方、第2の切削インサート13Bは、そのインサート本体14が図3に示すように互いに平行な長短辺に対して斜辺が1つで、残りの1辺は長短辺に垂直とされた台形の平板状をなし、その平板面であるこの台形のやはり長辺に連なる長方形状の側面がすくい面14Aとされるとともに、上記斜辺に連なる側面が逃げ面とされていて、これらすくい面14Aと逃げ面との交差稜線部に、切刃14Bのうち底刃14Fがインサート本体14の厚さ方向に一直線状に延びるように形成されている。
このような第2の切削インサート13Bは、インサート本体14の厚さ方向が軸線Oに対する径方向に沿うようにして、上記すくい面14Aをチップポケット11Aに臨ませてカッタ回転方向Tに向けるとともに、上記底刃14Fを軸線Oに垂直な平面上に位置させてカッタ本体1の先端面4から僅かに突出させて、第2のインサート取付座12Bに取り付けられる。ここで、この底刃14Fには、やはり正のアキシャルレーキ角とラジアルレーキ角とが与えられ、また上記斜辺に連なって逃げ面とされる側面には所定の逃げ角が与えられる。
さらに、こうして第2のインサート取付座12Bに取り付けられた状態でカッタ本体1の径方向外周側を向く第2の切削インサート13Bのインサート本体14の一方の台形面には、上記底刃14F側に突部が形成され、この突部が上記すくい面14Aと交差することにより、底刃14Fの外周端には該底刃14Fに連なって径方向外周側に突出する突切刃14Gが形成される。ここで、この突切刃14Gは、底刃14Fの外周端において該底刃14Fに滑らかに連なる略1/4突円弧状をなして外周側に向かいつつ軸線O方向後端側に向かい、最も外周側に突出した後は傾斜直線状をなして軸線O方向後端側に向かうに従い径方向内周側に向かうように延びている。
また、第2の切削インサート13Bのこうして突出した突切刃14Gよりも軸線O方向後端側において、上記一方の台形面は、軸線Oに平行に延びつつ段階的に径方向内周側に凹む多段面とされている。なお、この第2の切削インサート13Bにおいて上記切刃部材14Cは、図1に示すようにすくい面14Aの上記底刃14Fと突切刃14Gとを含む範囲に中心角90°の略扇状をなすように配設される。
従って、このような第2の切削インサート13Bが取り付けられる第2のインサート取付座12Bの底面15Aは、カッタ本体1の外周面から径方向内周側に第2の切削インサート13Bのインサート本体14の厚さ分だけ後退した位置に配置されて、突切刃14Gが形成された側とは反対側の他方の台形面が着座させられることになる。また、第2のインサート取付座12Bの2つの壁面15B、15Cは、やはり底面15Aに対して垂直な方向に延びてカッタ本体1の外周面に至り、このうち壁面15Bはカッタ回転方向T側に向けられてインサート本体14の上記すくい面14Aとは反対の側面が当接させられるとともに、壁面15Cは軸線O方向先端側に向けられて、インサート本体14の上記逃げ面とされる側面とは反対側の側面が当接させられる。
なお、これらのようにしてインサート本体14の2つの側面を壁面15B、15Cに当接させて、第1、第2の切削インサート13A、13Bを第1、第2のインサート取付座12A、12Bに着座させた状態で、それぞれそのインサート本体14の上記貫通孔14Dに対して各底面14Aに形成された上記ネジ孔は、これら壁面15B、15Cの交差する角部側に僅かに偏心するように配置されており、このネジ孔に上記クランプネジ16がねじ込まれることにより、該クランプネジ16の頭部によってインサート本体14が上記角部側に押圧させられて、第1、第2の切削インサート13A、13Bともに上記2つの側面が壁面15B、15Cに押し付けられるようになされている。
そして、これらの壁面15B、15Cのうち、第1、第2のインサート取付座12A、12Bともに上記壁面15C側には、第1、第2の切削インサート13A、13Bの位置を調整する第1、第2の調整機構17A、17Bがそれぞれ備えられている。すなわち、第1の調整機構17Aは、上述のように第1のインサート取付座12Aに取り付けられた第1の切削インサート13Aの軸線Oに対する径方向の位置を調整し、第2の調整機構17Bは、第2のインサート取付座12Bに取り付けられた第2の切削インサート13Bの軸線O方向の位置を調整する。
これらの調整機構17A、17Bはいずれも、上記壁面15Cに開口してそれぞれインサート取付座12A、12Bに連通するようにカッタ本体1に形成された凹所18に、貫通穴19Aが形成された調整部材19が挿入されて、上記貫通孔19Aに挿通される調整ネジ20を凹所18底面のネジ孔18Aにねじ込むことにより、該調整部材19を取り付けた構成とされている。ここで、凹所18は、上記ネジ孔18Aが形成される部分が、該ネジ孔18Aの中心線を中心とした断面円形で、ただしその内径が底面側に向けて一段小さくなる段付き穴とされるとともに、ここから上記壁面15Cに開口する部分は、該壁面15Cに対して垂直に延びる断面「コ」字形の凹溝とされている。
また、調整部材19は鋼材等からなり、凹所18の上記段付き穴に挿入される部分は、その外形が上記貫通穴19Aの中心線を中心とした断面円形で、ただしその外径がやはり凹所18の底面側に向けて一段小さくなる段付き円筒状とされ、このうち小径の部分は上記段付き穴の小径部に嵌合可能な大きさとされる一方、大径部は段付き穴の大径部の内径より僅かに小さくされている。さらに、貫通穴19Aは、この大径部側の開口部が、開口端側に向けて漸次拡径する凹円錐面状とされる一方、それ以外の部分は一定の内径とされている。
さらにまた、この調整部材19の大径部には、上記中心線に対する径方向外周側に突出する直方体状の突出部19Bが一体に形成されて、凹所18の上記凹溝部分に収容されている。そして、この突出部19Bの突端面は、該中心線方向に延びて、特に本実施形態では当該突出部19Bの突出方向に垂直で、すなわち上記中心線と平行とされており、後述するようにインサート取付座12A、12Bの上記壁面15Cから突出してインサート本体14の側面に当接する当接面19Cとされている。
さらに、調整部材19の上記大径部側の端面からは、この当接面19Cと並行するように延びて上記貫通穴19Aに連通するスリット19Dが小径部に至る部分にまで形成されている。特に、本実施形態におけるスリット19Dは、当接面19Cと平行で上記中心線を含む平面に沿って貫通穴19Aに交差するように形成されており、またその底部は、該スリット19Dの開口幅より大きな直径の丸穴状とされて上記中心線と直交する方向に延びている。
一方、調整ネジ20は、上記ネジ孔18Aにねじ込まれるネジ部20Aと、貫通穴19Aの一定内径の部分に嵌挿される円柱状の軸部20Bと、この軸部20Bより大径のネジ頭部20Cとがこの順に同軸一体に形成されている。さらに、このうちネジ頭部20Cの軸部20B側を向く裏面は、貫通孔19Aの大径部側の上記開口部がなす凹円錐面と等しいテーパ角でネジ頭部20Cの端面側に向かうに従い漸次拡径する凸円錐面状とされている。
ここで、上述のように調整ネジ20を上記ネジ孔18Aにねじ込んで調整部材19の小径部先端を凹所18の底面に当接させることにより該調整部材19を凹所18に取り付けただけの状態では、上記突出部19Bの当接面19Cはインサート取付座12A、12Bの上記壁面15Cと面一か極僅かに後退した位置とされている。そして、この状態から、これら調整機構17A、17Bによって切削インサート13A、13Bの位置を調整するには、調整ネジ20をさらにネジ穴18Aにねじ込んでゆく。
すると、調整ネジ20のネジ頭部20C裏面が調整部材19の貫通穴19A開口部を押圧し、これにより上記スリット19Dが押し広げられるようにして調整部材19の上記大径部が弾性変形するのに伴い、この大径部に一体形成された突出部19Bが凹所18の凹溝部分に沿って壁面15Cから突出して、その突端の当接面19Cが、壁面15Cに当接していた切削インサート13A、13Bのインサート本体14の上記側面を押圧する。
従って、これにより、クランプネジ16によってインサート本体14がインサート取付座12A、12Bの壁面15B、15Cの角部側に押圧させられていた切削インサート13A、13Bは、その押圧力に抗してクランプネジ16を僅かに弾性変形させるようにして壁面15Bに沿って移動させられ、第1の切削インサート13Aは軸線Oに対する径方向外周側に、第2の切削インサート13Bは軸線O方向先端側に位置調整させられる。
なお、このような位置調整は、第2の切削インサート13Bの底刃14Fの軸線O方向の位置については、先端部が上向きとなるように定盤等に後端面2を密着させてカッタ本体1を載置し、定盤を基準として底刃14Fの高さをゲージ等で測定して調整すればよい。これに対して、第1の切削インサート13Aの外周刃14Eの軸線Oに対する径方向の位置は、本実施形態ではカッタ本体1の先端面4に形成された基準孔部9の内周面である基準面9Aを基準として調整することができる。
そして、このように位置調整された状態でも、第1の切削インサート13Aは、第2の切削インサート13Bの切刃14Bのうち上記底刃14Fよりも軸線O方向後端側に位置するように配置される。また、第2の切削インサート13Bは、軸線O回りの回転軌跡において、その切刃14Bのうちの突切刃14Gが第1の切削インサート13Aの外周刃14Eとされる切刃14Bと交差して、その突端がこの外周刃14Eよりも径方向外周側に突出させられる一方、この突切刃14Gよりも軸線O方向後端側の部分は外周刃14Eよりも径方向内周側に位置するように設定されて取り付けられる。
従って、このようなインサート着脱式カッタによれば、こうして第1、第2の切削インサート13A、13Bの位置が設定されることにより、第1の切削インサート13Aは、第2の切削インサート13Bの底刃14Fによって被削材Wに加工される凹溝の底面Bに干渉することなく壁面Aを加工することができ、その一方で第2の切削インサート13Bは、この壁面Aと底面Bとの交差稜線部に上記突切刃14Gによって逃げ部Cを形成するだけで、この突切刃14Gよりも軸線O方向後端側の部分は壁面Aと干渉することなく上記底面Bを形成することができる。
そして、これら切削インサート13A、13Bの位置は、それぞれ第1、第2の調整機構17A、17Bにより、第1の切削インサート13Aは軸線Oに対する径方向のみに、また第2の切削インサート13Bは軸線O方向のみに微調整可能であるので、このような互いの加工面である壁面Aや底面Bに第1、第2の切削インサート13A、13Bが干渉しない状態を維持したまま、これら壁面Aおよび底面Bと、上記逃げ部Cよりなる凹溝を高精度に被削材Wに形成することが可能となる。すなわち、このような干渉がないために、第1、第2の切削インサート13A、13Bの一方によって加工された壁面Aや底面Bが他方によって傷付けられたりすることがなく、また調整機構17A、17Bによって微調整された切削インサート13A、13Bの位置が干渉によりずれて加工精度が損なわれたりすることもない。
このため、例えば被削材Wとしてのシリンダーブロックに、上記凹溝としてベアリングキャップの取付座を形成するような場合でも、マシニングセンタのような工作機械の主軸に上記構成のインサート着脱式カッタを装着して、同工作機械によるボーリング加工やフライス加工などと連続して高精度の加工を長期に亙って安定して行うことが可能であり、ブローチ盤などを用いるのに比べて加工作業全体としての効率化を図ることができるとともに、設備コストの削減を促すことができる。
しかも、このような凹溝の壁面Aおよび底面Bと逃げ部Cとを同時に加工することが可能であるとともに、例えば図1に示したように外周刃14Fの回転径を凹溝の溝幅と一致するように第1の切削インサート13Aの位置を調整しておけば、この凹溝の両壁面Aを同時に切削して、当該インサート着脱式カッタを1回だけ凹溝に沿って送り出すことで該凹溝を所望の寸法、形状に成形することも可能となるので、一層効率的な加工を促すことができる。
さらに、当該カッタはインサート着脱式であるので、切削インサート13A、13Bの切刃14Bに摩耗が生じたりしたときは、該切削インサート13A、13Bだけを交換すればよい。特に、第1の切削インサート13Aについては、上述のように1つのインサート本体14で2回の使い回しが可能であり、しかも切刃14Bが摩耗したインサート本体14は、逃げ面となる側面を再研磨して新しい切刃14Bを形成しても、第1の調整機構17Aによって外周刃14Fとしての回転径を維持することができるので、一層経済的である。
また、本実施形態では、カッタ本体1の先端面4に基準孔部9が形成されていて、この基準孔部9の内周面を基準面9Aとして、第1の調整機構17Aによる第1の切削インサート13Aの位置調整を行って、このような外周刃14Fとしての切刃14Bの回転径を正確に設定することが可能となる。
すなわち、上述のようにカッタ本体1を工作機械の主軸側に固定すると、取付孔3の位置決め部5の取付面5Aがなす凹円錐面が、回転軸部30の取付部33の外周面33Aがなす凸円錐面と密着して主軸の回転軸線Lがカッタ本体1の軸線Oと一致させられ、カッタ本体1の回転の中心となるこれら軸線L、Oを中心とした円筒面として基準面9Aが配置されるので、この基準面9Aからの切刃14B(外周刃14F)の径方向の距離を測定しつつ第1の切削インサート13Aの位置を調整することにより、この外周刃14Fがなす回転径を高精度に所望の大きさに設定することができるのである。
さらに、このような切削インサート13A、13Bの位置の調整を行う調整機構17A、17Bが、本実施形態では調整ネジ20をねじ込んでスリット19Dを押し広げるように調整部材19を弾性変形させ、これによって当接面19Cをインサート取付座12A、12Bの壁面15Cからせり出させてインサート本体14を押圧することにより、クランプネジ16を僅かに撓むように弾性変形させてインサート本体14を突出させるものであり、従って調整ネジ20を緩めると変形した調整部材19およびクランプネジ16が元に戻ろうとしてインサート本体14は後退させられることになる。
このため、調整ネジ20をねじ込みすぎて切削インサート13A、13Bの切刃14Bが所望の位置から突出してしまっても、こうして調整ネジ20を緩めることでインサート本体14が後退するので、再び調整ネジ20をねじ込んで所望の位置となるように調整したり、あるいはインサート本体14を後退させたときに所望の位置に切刃14Bが位置するように調整することにより、比較的容易かつ簡略に、しかしながら正確に切削インサート13A、13Bの位置調整を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示す縦断面図である(ただし、第1、第2の切削インサート13A、13Bのすくい面14Aは、説明のため同じ側を向いている。)。 図1に示す実施形態を軸線O方向先端側から見た図である。 図1における第2のインサート取付座12B周辺を示す拡大左側面図である。
符号の説明
1 カッタ本体
3 取付孔
5A 取付面
9A 基準面
12A 第1のインサート取付座
12B 第2のインサート取付座
13A 第1の切削インサート
13B 第2の切削インサート
14 インサート本体
14A すくい面
14B 切刃
14E 外周刃
14F 底刃
14G 突切刃
16 クランプネジ
17A 第1の調整機構
17B 第2の調整機構
18 凹所
19 調整部材
19A 調整部材19の貫通穴
19C 調整部材19の当接面
19D 調整部材19のスリット
20 調整ネジ
20C 調整ネジ20のネジ頭部
30 回転軸部
33A 回転軸部30の取付部33の外周面
O カッタ本体1の軸線
L 回転軸線
T カッタ回転方向
W 被削材
A 被削材Wに形成される凹溝の壁面
B 被削材Wに形成される凹溝の底面
C 被削材Wに形成される凹溝の逃げ部

Claims (3)

  1. 被削材に形成された凹溝の溝壁面と溝底面とを加工するインサート着脱式カッタであって、
    軸線回りに回転されるカッタ本体の先端部外周に、上記溝壁面を加工する第1の切削インサートがその切刃を外周刃として上記軸線に対する径方向外周側に向けて着脱可能に取り付けられる第1のインサート取付座と、上記溝底面を加工する第2の切削インサートがその切刃を底刃として上記軸線方向先端側に向けて着脱可能に取り付けられる第2のインサート取付座とが形成され、上記第2の切削インサートには上記底刃の外周端に連なって、上記溝底面と溝壁面との交差稜線部に逃げ部を形成する突切刃が上記径方向外周側に突出するように形成されており、
    上記第1のインサート取付座には上記第1の切削インサートの上記径方向の位置を調整する第1の調整機構が備えられるとともに、上記第2のインサート取付座には上記第2の切削インサートの上記軸線方向の位置を調整する第2の調整機構が備えられ、
    上記第1の切削インサートは、上記底刃よりも上記軸線方向後端側に位置するように配置されるとともに、上記第2の切削インサートは、上記突切刃が上記軸線回りの回転軌跡において上記外周刃と交差して該外周刃よりも上記径方向外周側に突出させられる一方、この突切刃よりも上記軸線方向後端側の部分は上記外周刃よりも上記径方向内周側に位置するように取り付けられることを特徴とするインサート着脱式カッタ。
  2. 上記カッタ本体の後端部には、該カッタ本体が取り付けられる工作機械側の回転軸部に設けられた上記軸線を中心とする円錐面に密着可能な円錐面状の取付面が形成されるとともに、上記カッタ本体の先端部には、上記第1の調整機構による上記第1の切削インサートの上記径方向の位置調整の基準となる円筒面状の基準面が、上記取付面と同軸となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインサート着脱式カッタ。
  3. 上記切削インサートは、該切削インサートを貫通するクランプネジが上記インサート取付座にねじ込まれることによって着脱可能に取り付けられるとともに、上記調整機構は、上記カッタ本体に形成された凹所に挿入される調整部材と、この調整部材に形成された貫通穴に挿通されて上記凹所の底部にねじ込まれる調整ネジとを備え、上記調整部材には、上記貫通穴の中心線方向に延びるとともに上記切削インサートに当接する当接面と、この当接面に並行して延びるとともに上記貫通穴に連通するスリットとが形成されるとともに、上記調整ネジには、該調整ネジのねじ込みによって上記スリットを押し広げるように上記調整部材を弾性変形させるネジ頭部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート着脱式カッタ。
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