JP2010102976A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】無加湿運転制御され、かつ、カウンターフロー制御された燃料電池に関し、セル内での発電量分布を前提として、セル全体としての発電性能をより一層向上させることのできる燃料電池を提供する。
【解決手段】アノード側の供給マニホールドMan1から流入してガス流路層もしくはガス流路溝7’aを通り、排気マニホールドMan2から流出する燃料ガスの流れ方向:X2と、カソード側の供給マニホールドから流入してガス流路層もしくはガス流路溝7aを通り、排気マニホールドから流出する酸化剤ガスの流れ方向:X1が逆方向に制御されてなる燃料電池であって、アノード側の触媒層3において、排気マニホールドMan2側の端部から供給マニホールドMan1側の端部に向かって触媒担持率が高くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アノード側のガス流路層もしくはガス流路溝における燃料ガスのガス流れとカソード側の酸化剤ガスのガス流れが逆方向に制御された、いわゆるカウンターフロー運転を行う燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池のセルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側の触媒層およびカソード側の触媒層と、から膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成し、各触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL)が配されて電極体(MEGA:MEAとGDLの接合体)を形成し、このガス拡散層の外側にガス流路溝が形成されたセパレータが配されて構成されている。なお、セパレータから分離されたガス流路層が該セパレータとガス拡散層の間に介在する構造の燃料電池セルも存在する。実際には、これらの燃料電池セルが発電性能に応じた段積だけ積層され、燃料電池スタックが形成されることになる。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、各電極では固有のガス流路溝もしくはガス流路層にて面内方向にガスが流れ、次いでガス拡散層にて拡散されたガスが電極触媒に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。この電気化学反応では、アノード電極にて生成されたプロトン(水素イオン)と水が水和状態で電解質膜を透過してカソード電極に至り、カソード電極にて生成水が生成されることとなる。
ところで、燃料電池の発電に必要なプロトンの移動は水を媒体としていることから、電解質膜の含水率が低下するとプロトン伝導性が低下し、結果として発電性能の低下に至ることとなる。特に、低加湿雰囲気下での発電においては、電解質膜の含水率が大きく低下してプロトン伝導性の低下がより顕著となることが分かっている。したがって、膜電極接合体を構成する電解質膜やアノード側およびカソード側の触媒層はプロトン伝導性を低下させない程度の加湿雰囲気に保持されている必要がある。
上記する電解質膜等を加湿雰囲気に保持する方策として、これまでの燃料電池セルでは、燃料電池システムを構成する加湿モジュールにて所望の加湿雰囲気とされた酸化剤ガスや燃料ガスを燃料電池セル内に提供するようにしている。
しかし、昨今の燃料電池とその周辺機器とからなる燃料電池システムには、より一層の高性能化や小型化、軽量化、低コスト化が叫ばれており、これらを実現することで、該システムを搭載する電気自動車やハイブリッド車の燃費性能の向上とこれに起因する環境影響負荷低減に繋がるものである。この小型化、軽量化の観点に基づいて、上記する加湿モジュールを排した燃料電池システムの開発がおこなわれている。加湿モジュールを排する代わりに、セル内加湿を自己加湿にて補うというものであり、これは、電気化学反応にて生成された生成水のカソード側からアノード側への逆拡散や、アノード側からカソード側へのプロトン伝導に伴う随伴水の移動などによって膜電極接合体の内部で水分の還流をおこない、電解質膜等の加湿雰囲気を保持するものである。なお、このような燃料電池の形態もしくは加湿制御を、無加湿運転(制御)などと称することもある。
ところで、燃料電池セルには、燃料ガスと酸化剤ガスのガスの流れ方向が異なる、いわゆるカウンターフロー制御された燃料電池セルが存在し、たとえば特許文献1にその一例が開示されている。この形態の燃料電池セルでは、酸化剤ガスの供給マニホールド側、排気マニホールド側にそれぞれ、燃料ガスの排気マニホールド、供給マニホールドが存在しており、カソード側のガス流路層もしくはセパレータに形成されたガス流路溝における酸化剤ガスの流れ方向と、アノード側における燃料ガスの流れ方向が逆方向に制御されている。
上記する無加湿運転制御され、かつ、カウンターフロー制御された燃料電池セルに関して、本発明者等の知見によれば、膜電極接合体を形成する触媒層の中で、アノード側触媒層の排気マニホールドの近傍領域が最も乾燥し易いことが特定されている。これは、この領域に対向するカソード側の領域が、酸化剤ガスが流入する供給マニホールドの近傍領域となっていることから、生成水が生成されてもすぐに乾燥してしまうため、結果としてアノード側へ逆拡散してくる生成水量が少なくなってしまうことが大きな要因である。
さらに、本発明者等が燃料電池セル内での発電量分布を解析にて確認したところによれば、上記のごとく乾燥し易いアノード側触媒層の排気マニホールド近傍領域(もしくは該領域を含むセル領域)での発電量が他の領域に比して格段に低いこと、および、他の領域に先んじて乾燥することから最初に発電不可となってしまうこと、が特定されている。
その一方で、アノード側触媒層における燃料ガスの供給マニホールド近傍領域では、アノード側触媒層に水素を豊潤に含んだ燃料ガスが直接的に流入してくること、および、対向するカソード側領域では相対的に多くの生成水が生成され、逆拡散によって提供される水分量が多いこと、などの理由から発電量の多い領域となっている。
以上のことから、無加湿運転制御され、かつ、カウンターフロー制御された燃料電池セルにおいては、セル内での水分量の偏り、プロトン量の偏りに起因して発電量にかなりの分布が存在することから、この発電量分布を前提として、セル全体としての発電性能向上を実現できるより一層の最適設計が重要な開発課題となっている。
特開2005−259650号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、無加湿運転制御され、かつ、カウンターフロー制御された燃料電池に関し、セル内での発電量分布を前提として、セル全体としての発電性能をより一層向上させることのできる燃料電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による燃料電池は、電解質膜と、これを挟持するアノード側およびカソード側の触媒層およびガス拡散層と、これらを挟持するアノード側およびカソード側のガス流路層およびセパレータもしくはガス流路溝が形成されたセパレータと、からなり、アノード側の供給マニホールドから流入してガス流路層もしくはガス流路溝を通り、排気マニホールドから流出する燃料ガスの流れ方向と、カソード側の供給マニホールドから流入してガス流路層もしくはガス流路溝を通り、排気マニホールドから流出する酸化剤ガスの流れ方向が逆方向に制御されてなる燃料電池であって、アノード側の触媒層において、前記排気マニホールド側の端部から前記供給マニホールド側の端部に向かって触媒担持率が高くなっているものである。
本発明の燃料電池は、燃料ガスおよび酸化剤ガスが上記するいわゆるカウンターフロー制御された燃料電池であり、アノード側の触媒層の触媒担持率をその部位ごとに変化させた構造の燃料電池であって、具体的には、アノード側触媒層において燃料ガスの供給マニホールド側の領域の触媒担持率を他の領域に比して相対的に高くしたものである。
燃料ガスの供給マニホールド側の領域で他の領域に比して触媒担持率を高くすることにより、相対的にプロトン量および水分量の豊潤な領域での触媒活性量を高め、より多くの電気化学反応を励起させることができ、セル全体での発電量を増加させることが可能となる。
ここで、アノード側触媒層における排気マニホールド側から供給マニホールド側への触媒担持率を変化させる形態としては、排気マニホールド側から供給マニホールド側に向かって直線傾斜的に、もしくは曲線的に担持率が変化する形態、担持率の異なる複数領域を設けて供給マニホールド側の領域が最も担持率が大きくなっている形態などがある。
たとえば、後者の形態について例示すれば、アノード側触媒層を燃料ガスの供給マニホールド側から排気マニホールド側に向かって平面的に4箇所の同面積の領域に分割する。カソード側がその全面で30重量%の触媒担持率の触媒層からなる場合に、従来はアノード側もその全面で30重量%の触媒担持率の触媒層から構成されていた。これに対して、本願発明の燃料電池のアノード側触媒層では、上記4箇所の領域において、排気マニホールド側から順に、10重量%、20重量%、40重量%、50重量%の触媒担持率とすることにより、従来構造の燃料電池と同じ金属触媒の使用量でありながら、より発電に寄与するアノード側の供給マニホールド側の領域に相対的に多くの金属触媒を配することでその発電性能を格段に向上させることができる。
なお、異なる触媒担持率を具備する領域の設定は、発電量に関する解析等の結果に基づいて、排気マニホールド近傍の発電量の無い、もしくは極めて少ない領域が、触媒が担持されていない領域に設定された形態であってもよい。
金属触媒が担持されていない領域を有するアノード側触媒層に関して、上記と同様の例示を挙げれば、たとえば、排気マニホールド側から順に、0重量%、20重量%、40重量%、60重量%の触媒担持率の領域からアノード側の触媒層を形成することにより、カソード側触媒層全体の担持触媒量と同量の担持触媒量を有したアノード側触媒層とすることができる。
上記する燃料電池は、セパレータにガス流路溝が形成された形態、セパレータからガス流路が分離されて該セパレータとガス拡散層の間に金属発泡焼結体やエキスパンドメタル等の多孔体からなるガス流路層が介層された形態、のいずれであってもよい。
ここで、触媒層は、たとえば、白金やその合金等の触媒が担持された導電性担体(粒子状のカーボン担体など)と、電解質と、分散溶媒(有機溶媒)と、を混合して触媒溶液(触媒インク)を生成し、これを電解質膜やガス拡散層等の基材に塗工ブレードにて層状に引き伸ばして塗膜を形成し、温風乾燥炉等で乾燥することで形成されるものである。本発明の燃料電池においては、アノード側の触媒層に関し、この触媒溶液を形成する導電性担体の製造過程で、白金等の触媒担持率の異なる複数種の導電性担体を製造し、各導電性担体ごとに触媒溶液を生成して、アノード側で分離された複数の領域ごとに固有の触媒担持率の触媒溶液を塗工することにより、基材表面に複数の触媒担持率の領域からなるアノード側触媒層を形成することができる。なお、カソード側の触媒層は、その全面で触媒担持率が均一な触媒層であり、好ましくは、アノード側触媒層とカソード側触媒層の双方で、全体の担持触媒量が同量に設定されているのがよい。
上記する本発明の燃料電池によれば、燃料ガスおよび酸化剤ガスが上記するいわゆるカウンターフロー制御された燃料電池に関し、供給される燃料ガスや酸化剤ガスを無加湿運転制御する場合でも、アノード側の触媒層において、その金属触媒使用量を増加させることなく、発電寄与度の高い燃料ガスの供給マニホールド側に触媒担持率の高い触媒層を配したことにより、発電性能に優れた燃料電池を形成することができる。
また、本発明の燃料電池の他の実施の形態において、触媒層は電解質膜に比して狭小な平面積を有しており、該電解質膜が触媒層で被覆されていない周縁の露出領域とガス拡散層の間には保護フィルムが介在しており、前記触媒が担持されていない排気マニホールド側の端部およびその近傍を、前記保護フィルムが覆っており、該保護フィルムで覆われた領域において、ガス拡散層から流れる燃料ガスが触媒層の該領域に提供されないようになっているものである。
一般に、触媒層の周縁であって電解質膜が該触媒層と密着していない露出領域には、ガス拡散層から突出する毛羽が電解質膜に突き刺さるのを防止し、さらには、射出成形されるガスケットに対して電解質膜を補強する効果を奏する保護フィルムが接着されている。そこで、本実施の形態では、この保護フィルムを発電に寄与しないアノード側の触媒層領域を包囲するように延ばしたものである。
たとえば、上記する例示において、触媒担持率が0重量%のアノード側触媒層領域を包囲するように保護フィルムを延した形態などを挙げることができる。
上記する本発明の燃料電池を具備する燃料電池システムは、従来の加湿モジュールを排してセル内で自己加湿をおこなう燃料電池からなるものであり、したがって、システム全体の軽量化、小型化を実現することができる。しかも、その燃料電池は、燃料ガスや酸化剤ガスのガス流れがいわゆるカウンターフロー制御されたものであり、アノード側触媒層において担持触媒率を部位ごとに変化させたことでその発電性能が格段に向上している。このような燃料電池とこれを具備する燃料電池システムは、家庭用の定置型燃料電池や車載用燃料電池など、その適用分野は多岐に亘るが、特に、近時その生産が拡大しており、車載機器に一層の高性能化、小型化、軽量化を要求する電気自動車やハイブリッド車に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の燃料電池によれば、燃料ガスおよび酸化剤ガスがいわゆるカウンターフロー制御される燃料電池に関し、燃料電池セルによる自己加湿を実現でき、アノード側触媒層において本来的に発電寄与度の大きな領域の触媒担持率を高く設定し、発電寄与度の小さな領域の触媒担持率を低く(担持率が0%も含む)設定することにより、金属触媒量を増加させることなく、より発電性能に優れた燃料電池を形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示する燃料電池セルはセパレータにガス流路溝が形成された形態であるが、この形態以外にも、セパレータからガス流路層が分離され、セパレータとガス拡散層の間に金属発泡焼結体やエキスパンドメタル等の多孔体からなるガス流路層が介層された形態であってもよいことは勿論のことである。
図1は、燃料電池セルの一実施の形態を示している。この燃料電池セル10は、電解質膜1と、カソード側およびアノード側の触媒層2,3と、から膜電極接合体4が形成され、これをカソード側およびアノード側のガス拡散層5,5’が挟持して電極体(MEGA)を形成し、これをカソード側およびアノード側のセパレータ7,7’が挟持するとともに、電極体の周縁に樹脂素材の流体シール用のガスケット8が形成されている。この燃料電池セルは酸化剤ガスと燃料ガスのセル内での流れ方向が逆方向に制御されている(いわゆるカウンターフロー制御)。なお、図1の縦断面図は、ガスケット8に形成されてアノード側電極に燃料ガスを供給する供給マニホールドMan1とセル内を流れた燃料ガス(X2方向)が排気される排気マニホールドMan2を通る断面で切断した図である。したがって、カソード側電極に酸化剤ガスを供給する供給マニホールドとセル内を流れた酸化剤ガス(X1方向)が排気される排気マニホールドは別途の断面に形成されており、図1には図示されていない。
ここで、触媒層2,3は電解質膜1に比してそれらの面積が狭小であり、したがって、電解質膜1の両側の触媒層2,3の周縁には該触媒層2,3が存在しない露出領域が形成されており、この露出領域には、カソード側およびアノード側の保護フィルム6,6’が配されており、ガス拡散層5,5’から突出する毛羽が電解質膜1に突き刺さるのを防護している。
ここで、膜電極接合体4を構成する電解質膜1は、たとえば、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどから形成される。
また、触媒層2,3は、触媒が担持された導電性担体(粒子状のカーボン担体など)と、電解質と、分散溶媒(有機溶媒)と、を混合して触媒溶液(触媒インク)を生成し、これを電解質膜1やガス拡散層5,5’等の基材に塗工ブレードにて層状に引き伸ばして塗膜を形成し、温風乾燥炉等で乾燥することで触媒層が形成される。ここで、触媒溶液を形成する電解質は、プロトン伝導性ポリマーである、有機系の含フッ素高分子を骨格とするイオン交換樹脂、例えばパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレンなどのスルホアルキル化プラスチック系電解質などを挙げることができる。なお、市販素材としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標、デュポン社製)やフレミオン(Flemion)(登録商標、旭硝子株式会社製)などを挙げることができる。また、分散溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネート、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、芳香族系あるいはハロゲン系の種々の溶媒を挙げることができ、さらには、これらを単独で、もしくは混合液として使用することができる。さらに、触媒が担持された導電性担体に関し、この導電性担体としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素材料のほか、炭化ケイ素などに代表される炭素化合物などを挙げることができ、この触媒(金属触媒)としては、たとえば、白金や白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウムなどのうちのいずれか一種を使用することができ、好ましくは白金または白金合金を使用するのがよい。さらに、この白金合金としては、たとえば、白金と、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタンおよび鉛のうちの少なくとも一種との合金を挙げることができる。
また、ガス流路溝7a,7’aを流れたガスを膜電極接合体4に拡散提供する(ガス流れX1’,X2’)ガス拡散層5,5’は、拡散層基材51,51’と集電層52,52’(MPL)からなるものであり、拡散層基材51,51’としては、電気抵抗が低く、集電を行えるものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、導電性無機物質を主とするものを挙げることができ、この導電性無機物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛等の炭素材やこれらのナノカーボン材料、ステンレススチール、モリブデン、チタン等を挙げることができる。また、拡散層基材51,51’の導電性無機物質の形態は特に限定されるものではなく、たとえば繊維状あるいは粒子状で用いられるが、ガス透過性の点から無機導電性繊維であって、特に炭素繊維が好ましい。無機導電性繊維を用いた拡散層基材51,51’としては、織布あるいは不織布いずれの構造のものも使用することができ、カーボンペーパーやカーボンクロスなどを挙げることができる。織布としては、平織、紋織、綴織など、特に限定されるものではなく、不織布としては、抄紙法、ニードルパンチ法、ウォータージェットパンチ法によるものなどが挙げられる。さらに、この炭素繊維としては、フェノール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などを挙げることができる。さらに、集電層52,52’はアノード側、カソード側の触媒層3,2から電子を集める電極の役割を果たすものであり、導電性材料である、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、銀、銅及びこれらの化合物または合金、導電性炭素材料などから形成できる。
また、保護フィルム6,6’は、ポリテトラフルオロエチレン、PVDF(二フッ化ポリビニル)、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマ、ポリイミド、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマ、シリコーン、シリコンゴム、シリコンベースのエラストマなどから形成されるものである。
また、セパレータ7,7’は、導電性金属であるステンレスやチタンなどから形成されており、平面視で蛇行状もしくは直線状のガス流路溝7a,7’aがガス拡散層5,5’側に形成されており、その外側には不図示の冷媒流路(冷媒としては、冷却水や冷却エア、冷却エチレングリコールなど)が形成されている。
さらに、電極体の周縁であってセパレータ7,7’に挟まれた領域に設けられたガスケット8は、たとえば成形型内に電極体を収容し、その周縁に樹脂を射出成形することで成形される。ここで、ガスケット8は、ブチル系ゴムやウレタン系ゴム、シリコーンRTVゴム、耐メタノール性を有するエポキシ系樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、炭化水素樹脂などの樹脂素材にて成形される。
ここで、カソード側の触媒層2は、その全面が均一な触媒担持率の導電性担体からなる一方で、アノード側の触媒層3は、その供給マニホールドMan1側から排気マニホールドMan2側に向かって触媒担持率の異なる4つの領域に分割されている。
この4つの領域は、供給マニホールドMan1側に近い側から順に領域3a,3b,3c,3dとなっており、領域3aが最も触媒担持率が高い領域であり、この順に触媒担持率が低くなっている。たとえば、カソード側の触媒層2の全面が30重量%の触媒担持率の場合には、アノード側もその全面が30重量%の場合に相当するようにして、各領域3a,3b,3c,3dに異なる触媒担持率を分配する。たとえば、この4箇所の領域において、領域3aから順に、50重量%、40重量%、20重量%、10重量とすることで、触媒使用量は触媒層3の全体が30重量%の触媒担持率の場合と同一となる。
なお、図示例は、4つの領域の平面積が均一な場合を示しているが、発電量に関する解析結果等に基づいて、その面積比率を変化させてもよいし、触媒担持率の配分もそのバリエーションは多様である。さらには、分割領域が2つの場合、5つ以上の場合など、その分割数も適宜設定できる。
従来の燃料電池セルにおいては、そのアノード側触媒層はその全面で触媒担持率が均一であったため、それがいわゆるカウンターフロー制御された燃料電池セルにおいては、アノード側の排気マニホールド近傍の触媒層領域において十分な触媒担持率を有していたにも関わらず、水分不足やプロトン不足によって発電量が格段に低下し、これがセル全体の発電性能低下や発電量低下に直結していた。これに対して、図示する燃料電池セル10では、供給マニホールドMan1に近いアノード側の触媒層領域が相対的に触媒担持率の高い領域となっていること、カウンターフロー制御された燃料電池セルであることからアノード側の供給マニホールド近傍領域にはカソード側の排気マニホールド近傍領域が対向しており、カソード側の排気マニホールド近傍では生成水が豊潤であってその逆拡散量も多いこと、供給マニホールドMan1に近い触媒層領域には水素の豊潤な燃料ガスが提供されること、により、従来の燃料電池セルに比してその発電量、発電性能は格段に向上する。
図2は、図1で示す燃料電池セルの構造に対して、アノード側触媒層3のうち、排気マニホールドMan2近傍の領域3dを保護フィルム6Aが完全に包囲した構造の燃料電池セル10Aを示している。この構造によれば、アノード側のガス拡散層5’を流れてきた燃料ガスを、触媒の担持されていない、もしくは担持量の極めて少ない領域3dに提供されないようにすることができ、本来的に領域3dに提供されるはずの燃料ガスが他の触媒担持率の高い触媒領域に提供されることで、セルの発電性能向上に繋がる。
実際の燃料電池は、所望する発電量に応じて図示する燃料電池セル10、10Aが所定段積層されて燃料電池スタックが形成される。さらに、この燃料電池スタックは、最外側にエンドプレート、テンションプレート等を備え、両端のテンションプレート間に圧縮力が加えられて燃料電池が形成される。電気自動車等に車載される燃料電池システムは、この燃料電池と、水素ガスや空気を収容する各種タンク、これらのガスを燃料電池に提供するためのブロア、燃料電池を冷却するためのラジエータ、燃料電池で生成された電力を蓄電するバッテリ、この電力で駆動する駆動モータ等から大略構成されるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の燃料電池を形成する燃料電池セルの一実施の形態を示した縦断面図である。 本発明の燃料電池を形成する燃料電池セルの他の実施の形態を示した縦断面図である。
符号の説明
1…電解質膜、2…触媒層(カソード側)、3…触媒層(アノード側)、3a,3b,3c,3d…領域、4…膜電極接合体(MEA)、5,5’…ガス拡散層、51,51’…拡散層基材、52,52’…集電層(MPL)、6,6’,6A…保護フィルム、7,7’…セパレータ、7a,7’a…ガス流路溝、8…ガスケット、10,10A…燃料電池セル

Claims (3)

  1. 電解質膜と、これを挟持するアノード側およびカソード側の触媒層およびガス拡散層と、これらを挟持するアノード側およびカソード側のガス流路層およびセパレータもしくはガス流路溝が形成されたセパレータと、からなり、アノード側の供給マニホールドから流入してガス流路層もしくはガス流路溝を通り、排気マニホールドから流出する燃料ガスの流れ方向と、カソード側の供給マニホールドから流入してガス流路層もしくはガス流路溝を通り、排気マニホールドから流出する酸化剤ガスの流れ方向が逆方向に制御されてなる燃料電池であって、
    アノード側の触媒層において、前記排気マニホールド側の端部から前記供給マニホールド側の端部に向かって触媒担持率が高くなっている、燃料電池。
  2. 前記アノード側の触媒層において、前記排気マニホールド側の端部およびその近傍では触媒が担持されておらず、該近傍よりも前記供給マニホールド側の領域おいて、該供給マニホールド側の端部に向かって触媒担持率が高くなっている、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 触媒層は電解質膜に比して狭小な平面積を有しており、該電解質膜が触媒層で被覆されていない周縁の露出領域とガス拡散層の間には保護フィルムが介在しており、
    前記触媒が担持されていない排気マニホールド側の端部およびその近傍を、前記保護フィルムが覆っており、該保護フィルムで覆われた領域において、ガス拡散層から流れる燃料ガスが触媒層の該領域に提供されないようになっている、請求項2に記載の燃料電池。
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