JP2010100919A - リチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正極板製造時の乾燥工程で加熱されても強度低下を生じることがなく、また、圧着工程でも変形しない十分な強度をそなえると共に、電気抵抗も十分に低く、リチウムイオン電池の高密度高エネルギ化を可能とし、とくに正極材用として好適なリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔を提供する。
【解決手段】Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.2%を含有し、残部Alおよび不可避不純物よりなり、マトリックス中に存在する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数が1.5×105〜6.0×105個/mmであり、ダブルブリッジ法により液体窒素中で測定した電気抵抗値が1.6μΩcm以下合金箔。
【選択図】なし

Description

本発明は、とくにリチウムイオン電池の正極材として好適なリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、大きなエネルギ密度を持ち、メモリ効果と呼ばれる放電容量の著しい減少も無いため、携帯電話やノートパソコン等のモバイルツール用電源として使用されており、最近では自動車用としての使用も進みつつある。リチウムイオン電池は、正極にLiCoO等の活物質、負極にC等、電解質にLiClO、LiPF等のLiイオンを含んだ有機電解液が用いられる。
リチウムイオン電池の電極材は、正極板、セパレータおよび負極板で構成される。正極板は、厚さ15μm程度の集電体用アルミニウム箔に100μm程度の厚さの上記活物質を両面に塗布する工程、塗布された活物質中の溶媒を除去するための乾燥工程、さらに活物質の密度を増大させるための圧着工程等を経て製造されており、乾燥工程での加熱によるアルミニウム箔の軟化、強度低下を抑制し、圧着工程におけるアルミニウム箔の変形を防止するために、リチウムイオン電池の正極材としては、MnやCuを含有したアルミニウム合金箔が用いられている(特許文献1参照)。
特開平11−67220号公報
近年、電池の高密度高エネルギ化がさらに進み、従来より集電体として用いられているアルミニウム合金箔では、その電気抵抗による発熱で従来の箔厚では使用できないという問題が生じ、電気効率等の電池特性に影響を及ぼすようになってきており、リチウムイオン電池の高密度高エネルギ化を可能とする正極材用アルミニウム箔が望まれている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたもので、その目的は、十分な強度を有すると共に、電気抵抗の増加を抑えたリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための請求項1によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔は、Mn:1.0〜1.5%、Cu:0.05〜0.2%を含有し、残部Alおよび不可避不純物よりなり、マトリックス中に存在する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数が1.5×105〜6.0×105個/mmであり、ダブルブリッジ法により液体窒素中で測定した電気抵抗値が1.6μΩcm以下であることを特徴とする。
請求項2によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔は、請求項1において、不純物としてのFeを0.4〜0.8%、Siを0.1〜0.4%含有することを特徴とする。
請求項3によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔は、請求項1または2において、箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が100μm以下であることを特徴とする。
請求項4によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔は、請求項1〜3のいずれかにおいて、引張強度が240MPa以上であることを特徴とする。
請求項5によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔は、請求項1〜4のいずれかにおいて、伸びが1.5%以上であることを特徴とする。
請求項6によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔の製造方法は、請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム合金箔を製造する方法であって、請求項1または2記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊に、20〜60℃/hrの昇温条件で400〜530℃の温度域に加熱して1hr以上保持する均質化処理を施し、ついで開始温度を400〜480℃、終了温度を200〜280℃とする熱間圧延を行った後、冷間圧延を行い、該冷間圧延の途中で板厚が350〜850μmとなった時点で、連続焼鈍炉により350〜450℃に加熱する中間焼鈍を施し、該中間焼鈍後、冷間圧延を続行することを特徴とする。
本発明によれば、正極板製造時の乾燥工程で加熱されても強度低下を生じることがなく、また、圧着工程でも変形しない十分な強度をそなえると共に、電気抵抗も十分に低く、リチウムイオン電池の高密度高エネルギ化を可能とする、とくに正極材用として好適なリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔およびその製造方法が提供される。
本発明によるリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔の合金成分の意義およびその限定理由について説明する。
Mnは、箔の強度を高めるよう機能し、また、リチウムイオン電池の製造において、乾燥工程での加熱による軟化や強度低下を抑制する。Mnの好ましい含有量は1.0〜1.5%の範囲であり、1.0%未満では十分な強度を得ることができず、1.5%を超えると粗大な金属間化合物が生じて箔圧延性が低下する。Mnのより好ましい含有範囲は1.1〜1.3%である。
Cuは、強度向上に有効な元素である。Cuの好ましい含有量は0.05〜0.2%の範囲であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.2%を超えるとアルミニウム合金箔の電気抵抗が増大して電池特性に影響を及ぼすと共に、耐食性の低下も招き易くなる。Cuのより好ましい含有範囲は0.11〜0.18%である。
Feはアルミニウム中に不可避不純物として含有される。本発明では特に制限していないが、強度向上に寄与する元素であり,0.4%未満では強度向上の効果が小さく、0.8%を超えるとAl−Fe系化合物が母材と局部電池を形成して耐食性を低下させるため、0.4〜0.8%の範囲で含有させることが好ましい。Feのより好ましい含有範囲は0.5〜0.7%である。
Siはアルミニウム中に不可避不純物として含有される。本発明では特に制限していないが、Siの含有量は母材の再結晶粒度に著しく影響し、0.4%を超えると粗大な結晶粒が混入され易くなる。また、0.1%未満では高純度のアルミニウム地金を必要とするためコスト高となるから、0.1〜0.4%の範囲で含有させることが好ましい。Siのより好ましい含有範囲は0.2〜0.3%である。
Tiは、アルミニウム合金箔の結晶粒を微細化する元素であるが、0.02%を超えて含有すると、アルミニウム合金箔にピンホールが生じ易くなるため、0.02%以下に制限することが望ましい。BもTiと共存して結晶粒を微細化する元素であるが、上記と同様の理由で、0.01%以下に制限することが望ましい。
アルミニウム合金箔には、この他、Mg、Cr、Zn、Ga、Ni、Sn、Pb、V等の不可避不純物が含有されている。本発明においては、これらの成分は、各々0.02%以下に制限するのが好ましく、0.01%以下に制限するのがさらに好ましい。
特に、Mgは、アルミニウム素地とアルミニウム酸化皮膜との界面に濃縮してMgO層を形成し、このMgO層がウィークバウンダリーレイヤーとなってアルミニウム合金箔への接着性が低下させるため、0.005%以下に制限することが望ましい。
本発明においては、粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物をアルミニウム合金箔のマトリックス中に1.5×105〜6.0×105個/mm分散させることにより、高強度と高導電性を兼ね備えた集電体を形成することができる。化合物の数が1.5×105個/mm未満では、化合物の数が少ないため電気抵抗が大きくなって電気効率が低下し易くなり、化合物の数が6.0×105個/mmを超えると、化合物の数が多くなり必要強度が得られなくなる。
なお、粒径、すなわち直径(円相当径)0.1〜1.0μmの化合物数の測定は、アルミニウム合金箔の表面を脱脂洗浄後、硝酸、フッ酸および塩酸を混合した水溶液(ケラー氏液)で10秒間エッチングし、光学顕微鏡で1000倍に拡大した写真を撮影し、晶・析出物の粒径分布を画像解析装置((株)ニレコ製ルーゼックス500)を用いて測定することにより行う。この場合、晶・析出物の直径は、円相当直径すなわち写真における晶・析出物の面積と同じ面積を有する円の直径として換算し、この結果から金属間化合物の分布密度を求める。
本発明においては、電気抵抗を1.6μΩcm以下とするのが好ましく、1.3μΩcm以下とするのがさらに好ましい。アルミニウム合金箔の電気抵抗は、アルミニウム合金箔に含まれる添加元素、不可避不純物のアルミニウム中での固溶量を示すパラメーターであり、合金成分の析出量、すなわち前記金属間化合物の分散量との関係で、強度と電気抵抗値を共に最適な範囲とすることが重要である。
合金成分の固溶量が多く、金属間化合物の分散量が少なくなると、電気抵抗は大きくなり,合金成分の固溶量が少なく、金属間化合物の分散量が多くなると、電気抵抗は小さくなるが強度特性は低下する。金属間化合物の分散量が1.5×105個/mm未満となって電気抵抗が1.6μΩcmを超えると、引張強度は高くなるが、電気抵抗増大による発熱で従来の箔厚では使用できないという問題が生じ、電気効率が低下し易くなる。また、金属間化合物の数が6.0×105個/mmを超えると、強度特性が低下するので、必要な強度が付与される合金成分の固溶量から、電気抵抗値としては0.80μΩcmを下限値とするのが好ましい。
電気抵抗の測定は、アルミニウム合金箔を、幅3mm、長さ230mmの矩形状に成形して試料とし、マイクロメーターで厚みを測定し、四端子スポット溶接を行い、ダブルブリッジ法を用いて液体窒素中で試料抵抗を測定した後、比抵抗(電気抵抗)を計算することにより行う。
本発明においては、アルミニウム合金箔の表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が100μm以下とするの望ましく、箔表面から見た結晶粒幅をこの範囲に規定することによって、箔圧延時の圧延性、箔歪形状を良好なものとすることができる。平均結晶粒幅が100μmを超えると幅方向での圧延性が不均一となり、圧延時に切れ易くなったり、箔表面の歪形状が不安定となり箔の平面性が保たれなくなるため、塗布された活物質との密着性が低下し易くなる。
なお,結晶粒幅の測定は、アルミニウム合金箔の表面を脱脂洗浄した後、鏡面研磨し、パーカー氏液で陽極酸化して,光学顕微鏡の偏光モードで結晶粒観察を行い、圧延方向と垂直方向の結晶粒幅を切断法により求めることにより行う。
本発明においては、引張強度を240MPa以上、伸びを1.5%以上とするのが好ましい。この範囲の強度バランスをそなえることによって、乾燥工程で加熱された場合、若干の強度低下が生じることはあるが、圧着工程において塑性変形することはなく、活物質の剥離が生じることがないと共に、その後のセパレータを介しての正極と負極の巻回時に破断が生じることもない。引張強度が240MPa未満では、乾燥工程で強度低下を生じた場合、圧着工程での塑性変形を防ぐことが難しく、活物質が剥離し易くなり、伸びが1.5%未満であると巻回時に破断が生じるおそれがある。
本発明のアルミニウム合金箔においてはまた、表面粗度Raを0.08〜0.30μmとするのが好ましい。表面粗度Raが大きいと、アルミニウム合金箔にピンホールを生じやすくなり、表面粗度Raが小さい場合には、活物質、バインダー、導電剤および溶媒等の練合物の密着性が低下する。さらに好ましい表面粗度Raの範囲は0.12〜0.25μmである。
表面粗度Raは、JIS B0601−2001 に準拠して測定されたものであり、具体的には、アルミニウム合金箔の幅方向の表面粗度Raは、アルミニウム合金箔の表面において、幅方向に任意5点の表面粗度Raを測定し、その平均値をいう。
また、アルミニウム合金箔の圧延油等の油分の除去が不十分であると、上記練合物の密着性が低下するのばかりでなく、電池として充放電を繰り返した場合、活物質層(電極合剤層)と集電体との密着性が低下するので、本発明においては、アルミニウム合金箔の残留油分を140μg/m以下とするのが好ましい。
残留油分について説明すると、以下のとおりである。
所定の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊に均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、必要に応じて最終焼鈍を施すが、通常、冷間圧延後のアルミニウム合金箔表面には圧延油が残存し、鉱油、脂肪酸、エステル等の圧延油成分が検出される。箔表面における圧延油残存状態は、箔表面外層部に位置する付着油と、箔内層部に位置する、アルミニウム素地との結合力がきわめて高い吸着油とに分類できる。
付着油はヘキサンに溶解する油成分であり、吸着油は箔表面の油分をヘキサンで抽出しても残存する油分である。前記残留油分の測定において、吸着油の抽出方法は、箔表面積約400cmをヘキサン(5000倍濃縮検定品)80ml中に浸漬して、20分間超音波洗浄を実施し、ヘキサン抽出後の箔を蒸留水90ml、ヘキサン30mlおよび6N塩酸(ヘキサン洗浄塩酸)30mlを加え、アルミニウムの分解反応がおさまるまで放置する。さらに6N塩酸10mlを加え、箔の表面が完全に分解するまで放置する。
次に、蒸留水40mlを加え、ガラス製のスポイトでヘキサン抽出液を100mlビーカーに移し入れ、抽出液が約20mlになるまで加熱蒸発させ、さらに室温で約5mlまで蒸発させる。その後、吸引デシケーターで減圧濃縮し、ヘキサンを完全に蒸発させ、箔表面吸着物質を得る。これをヘキサン100μlで溶解し、その4μlをガスクロマトグラフに注入する。ガスクロマトグラフ分析条件を以下に示す。
ガスクロマトグラフ分析条件
装置:島津製GC−14B
カラム:Gカラム G−205 40m
カラム温度:70℃→270℃ 10℃/min 10min保持
検出器:FID
検出器温度:320℃
注入口温度:320℃
キャリヤガス:窒素ガス 30ml/min
RANGE:101 ATT5
次いで、本発明によるアルミニウム合金箔の製造方法について説明する。
前記の組成を有するアルミニウム合金を溶解し、公知の半連続鋳造法により造塊する。アルミニウム合金箔の電気抵抗を1.6μΩcm以下とし、強度を確保するために、得られた鋳塊を均質化処理し、固溶している合金元素を微細に析出させる。通常、電解コンデンサ用等のアルミニウム合金箔の製造においては、550℃以上の高温で均質化処理を行って合金元素を再固溶させるが、本発明においては、固溶している合金元素を微細に析出させるために、昇温速度を20〜60℃/hrとし、400〜530℃の温度域で1〜10時間の均質化処理を行うのが好ましい。均質化処理温度を400〜500℃とするのがさらに好ましく、この条件で必要な強度が確保されると共に、電気抵抗値が1.6μΩcm以下のアルミニウム合金箔を確実に得ることができる。電気抵抗値が1.3μΩcm以下のアルミニウム合金箔を得ることも可能である。
均質化処理された鋳塊については、さらに合金元素の微細析出させるために熱間圧延を行う。熱間圧延は、開始温度を400〜480℃とし、終了温度を200〜280℃とするのが好ましく、この条件により、分散する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数を1.5×105〜6.0×105個/mmとし、電気抵抗値が1.6μΩcm以下のアルミニウム箔を得ることができる。
その後、冷間圧延を行い、最終厚さを10〜40μm、好ましくは10〜20μmとするが、冷間圧延の途中で、厚さが350〜850μmとなった時点で、連続焼鈍炉を用いて、350〜450℃の温度に加熱する中間焼鈍を行うことが望ましい。この時点で連続焼鈍炉を用いる中間焼鈍を行うことにより、再結晶粒を微細にすることができ、箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅を100μm以下とし、以後の冷間圧延において、幅方向での均一な圧延性を確保し、箔切れなどを生じない圧延を行うことができる。中間焼鈍後、さらに冷間圧延を行い、所定の厚さとする。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。なお、これらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定されない。
実施例1、比較例1
表1に示す組成のアルミニウム合金を半連続鋳造により造塊し、得られた鋳塊を面削して表面の不均一層を除去した後、35℃/hrの昇温速度で450℃の温度に加熱し、この温度で3hr保持する均質化処理を行った。次いで、開始温度を440℃、終了温度を225℃とする熱間圧延を行い、板厚を3mmとした。なお、表1において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
熱間圧延後、厚さ600μmまで冷間圧延し、昇温速度100℃/秒、保持温度400℃、保持時間0秒、冷却速度150℃/秒の条件で連続焼鈍炉を使用した中間焼鈍を行った。以後、冷間圧延を繰返し厚さ15μmのアルミニウム合金箔を作製した。
得られたアルミニウム合金箔を試験材として、前記の方法に従って、金属間化合物数、平均結晶粒幅、電気抵抗値を測定し、また、JISに従って、引張強度および伸びを測定した。結果を表2に示す。
Figure 2010100919
Figure 2010100919
表2に示すように、本発明に従う試験材1〜5はいずれも、マトリックス中に存在する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数が1.5×105〜6.0×105個/mm、電気抵抗値が1.6μΩcm以下であり、箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が100μm以下で、240MPa以上の引張強度、1.5%の伸びを有し、リチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔として優れた特性をそなえていた。
これに対して、試験材6は、Mn含有量が少ないため強度が劣り、試験材7は、Mn含有量が多いため箔圧延性が低下し、ピンホールが増加した。試験材8は、Cu含有量が少ないため強度が劣り、試験材9は、Cu含有量が多いため電気抵抗値が増大した。
実施例2、比較例2
表1に示すアルミニウム合金Aの鋳塊を用い、鋳塊を面削して表面の不均一層を除去した後、表3に示す条件で、均質化処理(昇温速度は35℃/hr)、熱間圧延を行い、板厚を3mmとした。熱間圧延後、厚さ600μmまで冷間圧延し、表2に示す条件で中間焼鈍(連続焼鈍の場合の保持時間は0秒、バッチ炉による焼鈍の場合の保持時間は 6hr)を行い、以後、冷間圧延を繰返し厚さ15μmのアルミニウム合金箔を作製した。なお、表2において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
得られたアルミニウム合金箔を試験材として、実施例1と同様に、金属間化合物数、平均結晶粒幅、電気抵抗値、引張強度、伸びを測定した。結果を表4に示す。なお、試験材1は、実施例1の試験材1に相当するものである。
Figure 2010100919
Figure 2010100919
表4に示すように、本発明に従う試験材10および12は、マトリックス中に存在する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数が1.5×105〜6.0×105個/mm、電気抵抗値が1.6μΩcm以下であり、箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が100μm以下で、240MPa以上の引張強度、1.5%の伸びを有し、リチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔として優れた特性をそなえていた。
これに対して、試験材11、13、15は、バッチ炉による中間焼鈍を行ったため、箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が大きくなり、幅方向での圧延性が不均一となって、箔の平面性が劣ったものとなり、塗布される活物質との密着性の低下が予測されるものとなった。試験材14は、均質化処理温度、熱間圧延開始温度が高いため、分散する金属間化合物の数が少なく、電気抵抗値が大きくなった。

Claims (6)

  1. Mn:1.0〜1.5%(質量%、以下同じ)、Cu:0.05〜0.2%を含有し、残部Alおよび不可避不純物よりなり、マトリックス中に存在する粒径0.1〜1.0μmの金属間化合物の数が1.5×105〜6.0×105個/mmであり、ダブルブリッジ法により液体窒素中で測定した電気抵抗値が1.6μΩcm以下であることを特徴とするリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔。
  2. 不純物としてのFeを0.4〜0.8%、Siを0.1〜0.4%含有することを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔。
  3. 箔表面における圧延方向と垂直方向の平均結晶粒幅が100μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔。
  4. 引張強度が240MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔。
  5. 伸びが1.5%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム合金箔を製造する方法であって、請求項1または2記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊に、20〜60℃/hrの昇温条件で400〜530℃の温度域に加熱して1hr以上保持する均質化処理を施し、ついで開始温度を400〜480℃、終了温度を200〜280℃とする熱間圧延を行った後、冷間圧延を行い、該冷間圧延の途中で板厚が350〜850μmとなった時点で、連続焼鈍炉により350〜450℃に加熱する中間焼鈍を施し、該中間焼鈍後、冷間圧延を続行することを特徴とするリチウムイオン電池電極用アルミニウム合金箔の製造方法。
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