JP2010100090A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】サイドウォール部の表面より突出する標章の半径方向外側におけるクラック発生を抑制できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部3のタイヤ幅方向両端部とビード部2のタイヤ径方向外方端とを連結する一対のサイドウォール部4を有し、このサイドウォール部4の表面4aより突出する標章6を備えるとともに、この標章6の表示面7より外側側壁8を、標章6の表示面7の標章外縁7aに沿って波形状に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部3のタイヤ幅方向両端部とビード部2のタイヤ径方向外方端とを連結する一対のサイドウォール部4を有し、このサイドウォール部4の表面4aより突出する標章6を備えるとともに、この標章6の表示面7より外側側壁8を、標章6の表示面7の標章外縁7aに沿って波形状に形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に空気入りタイヤは、サイドウォール部が走行中に路面から加わる様々な力をある程度吸収するいわゆるフレックスゾーンを形成しており、走行中の不快な振動やショックを特に上記サイドウォール部で軽減することにより、快適な走行操縦性を実現している。従って、上記フレックスゾーンとしてのサイドウォール部の変形量はタイヤの他の部材と比べて大きいため、サイドウォール部として変形に適するゴム種を採用するとともに、変形に有利な薄くて柔軟な構造を採用している。このような空気入りタイヤでは、長年使用した場合にゴムが劣化し、例えば、10年を超えるような長期間の使用した場合、サイドウォール部に周方向に断続する細かなクラックが発生することがある。
そこで、上記のゴムが経年劣化によるクラックの発生を抑制したり遅らせるため、例えば、特許文献1に記載されている空気入りタイヤが提案されている。
図6はこの種の従来の空気入りタイヤに設けられる標章の断面図である。図6に示す従来例は、サイドウォール部の表面101に突出する標章102を備えている。この標章102の側壁103は、サイドウォール部の表面101に対して傾斜角度を異にする複数の壁面104,105,106で形成されるとともに、隣接する壁面104,105,106間に標章102の端部と平行に延長する稜線107,108が設けられている。
上記構成では、標章102の側壁103がサイドウォール部の表面101に対して傾斜角度を異にする複数の壁面104,105,106で連接され、側壁103に対する応力が各壁面104,105,106に分散されているので、標章102の近傍からのクラックの発生を抑制することができる。
特開2006−88882号公報
図7は他の従来例を示す正面図、図8は図7のA−A線に沿う断面図である。図7及び図8に示す従来例では、サイドウォール部の表面110より突出する標章111を備え、この標章111は、文字や記号などを表示する表示面112を有し、例えば会社名「BRIGESTONE」を表示するようになっている。この表示面112より半径方向外側の側壁113は、車両装着状態での水平線HLに対して所定の角度θ、例えば30度傾き、側壁113の半径方向外側に位置する側壁外縁113aが曲率半径R3で湾曲してサイドウォール部の表面110に繋がっている。また、側壁113の側壁外縁113aは、表示面112の半径方向外側に位置する標章外縁112aに対して略平行に延長している。
しかしながら、前述した図6に示す従来例では、標章102の近傍からのクラックの発生を抑制することができるが、標章102の側壁103の根元部分では比較的クラックが発生しやすく、いわゆるクラック密度は標章のない平坦部分と比べて高いという問題があり、特に、上記の側壁103の根元部分の側壁外縁113aでは上記のクラックが発生するという問題が顕著であった。
また、図7及び図8に示す他の従来例でも、フレックスゾーンとしてのサイドウォール部が比較的大きな弾力変形を繰り返し、特に、標章111の側壁113の側壁外縁113a部分に応力が集中するため、該側壁113の側壁外縁113a部分に微小なクラックが発生した後、側壁113の側壁外縁113aに沿って略直線状にクラックが進展しやすいという問題があった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、サイドウォール部の表面より突出する標章の半径方向外側におけるクラック発生を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、一対のビード部と、この一対のビード部のタイヤ径方向の外方に配置されて、トレッド踏面部を有するトレッド部と、このトレッド部のタイヤ幅方向両端部と前記ビード部のタイヤ径方向外方端とを連結する一対のサイドウォール部とを有し、このサイドウォール部の表面より突出する標章を備えた空気入りタイヤにおいて、前記標章のタイヤ半径方向外側に位置する外側側壁を前記サイドウォール部の表面に対して斜めに立設し、車両装着状態での水平方向に沿った線を水平線、該外側側壁と該標章の表示面との交点を標章外縁、該外側側壁と該サイドウォール部の表面との交点を側壁外縁、該標章外縁を通る該水平線と該サイドウォール部の表面との交点を基部側交点、とそれぞれ定義し、側壁外縁と基部側交点との間の寸法を標章外縁に沿って変化させたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記側壁外縁と前記基部側交点との間の寸法が前記標章外縁に沿って周期的に変化し、該側壁外縁が該標章外縁に沿って波形状に形成されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、または請求項2の発明において、前記側壁外縁が、タイヤ最大幅位置よりタイヤ半径方向外側に配置されたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、側壁外縁と基部側交点との間の寸法を標章外縁に沿って変化することで、走行時にタイヤのフレックスゾーンとしてのサイドウォール部が比較的大きな弾力変形を繰り返したとき、上記側壁外縁部分に集中する応力を分散することによりクラック発生を抑制できるとともに、上記側壁外縁に沿って微小なクラックが進展することも抑制できる。
請求項2の発明によれば、側壁外縁が標章外縁に沿って波形状に形成されることで、側壁外縁部分への応力をより効果的に分散されるので、クラック発生をより一層抑制できるとともに、上記側壁外縁に沿って微小なクラックが進展することも抑制できる。
請求項3の発明によれば、側壁外縁をタイヤ最大幅位置よりトレッド部側に配置することにより、走行時に側壁外縁部分に集中する応力を減らせるので、側壁外縁部分におけるクラック発生をさらに抑制できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、図1は空気入りタイヤの断面図、図2は空気入りタイヤに設けられる標章の正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB−B線に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、タイヤと称する)1は、図示しない左右一対のビード部2と、このビード部2のタイヤ径方向の外方に配置されてトレッド踏面3aを有するトレッド部3と、このトレッド部3の車両幅方向端部とビード部2のタイヤ径方向外方端とを連結する左右一対のサイドウォール部4とを備えており、これらのビード部2、サイドウォール部4及びトレッド部3の各内部には、これらの各部にわたって連続して延びるカーカス層5が設けられている。
また、本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部4の表面4aより突出する標章6を備えている。この標章6は、文字や記号などを表示する表示面7を有し、例えば会社名「BRIGESTONE」を表示するようになっている。また、標章6は、タイヤ半径方向外側に位置する外側側壁8がサイドウォール部4の表面4aに対して斜めに立設するように突出している。
ここで、車両装着状態での水平方向に沿った線を水平線HL、外側側壁8と標章6の表示面7との交点を標章外縁7a、外側側壁8とサイドウォール部4の表面4aとの交点を側壁外縁8a、標章外縁7aを通る水平線HLとサイドウォール部4の表面4aとの交点を基部側交点K、側壁外縁8aと基部側交点Kとの間の間隔を寸法Lとそれぞれ定義すると、寸法Lは、標章外縁7aに沿って周期的に変化し、側壁外縁8aが標章外縁7aに沿って波形状を形成するように設定されている。なお、側壁外縁8aの波形状の周期、および振幅は、タイヤ1のサイズ、内部構造、内部空気圧、装着対象となる車両等の条件に応じて設定される。また、外側側壁8の側壁外縁8aは、タイヤ最大幅位置Pより所定寸法D、トレッド部3側(すなわちタイヤ幅方向の中心寄り)に配置されている。
外側側壁8は、図2のA−A線に沿う位置にて図3に示すように水平線HLに対して所定の角度θ、例えば30度傾き、外側側壁8の側壁外縁8aが曲率半径R1で湾曲してサイドウォール部4の表面4aに繋がっている。また、外側側壁8は図2の上記A−A線に沿う位置に隣接するB−B線に沿う位置にて図4に示すように水平線HLに対して比較的大きな所定の角度θ、例えば60度に傾き、外側側壁8の側壁外縁8aが比較的大きな曲率半径R2で湾曲してサイドウォール部4の表面4aに繋がっている。同様に、外側側壁8の他の位置でも水平線HLに対する外側側壁8の角度θ及び曲率半径Rが周期的に変化している。
上記構成において、標章6の表示面7より外側側壁8が標章6の表示面7の標章外縁7aに沿ってゆるい波形状に形成され、外側側壁8の側壁外縁8aが表示面7の標章外縁7aに沿って波状に延びているので、走行時にタイヤ1のフレックスゾーンとしてのサイドウォール部4が比較的大きな弾力変形を繰り返したとき、外側側壁8の側壁外縁8a部分に集中する応力を分散することによりクラック発生を抑制できるとともに、外側側壁8の側壁外縁8aに沿って微小なクラックが進展することも抑制できる。
さらに、標章6の外側側壁8の側壁外縁8aをタイヤ最大幅位置Pよりトレッド部3側に配置することにより、走行時に外側側壁8の側壁外縁8a部分に集中する応力を減らせるので、外側側壁8の側壁外縁8a部分におけるクラック発生をさらに抑制できる。
以上説明したように、本実施形態のタイヤ1によれば、サイドウォール部4の表面4aより突出する標章6の半径方向外側におけるクラック発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、角度θ、および曲率半径Rをともに変化させることで、寸法Lを変化させて、側壁外縁8aを波形形状に形成しているが、角度θと曲率半径Rのいずれか一方を変化させることで、寸法Lを変化させて、側壁外縁8aの形状を任意の形状に変化させても同様の作用効果が得られる。
従来例と実施例の空気入りタイヤを80℃の恒温室に2週間放置した後、室内で低内圧130kPa/高荷重560kgのドラム試験を実施し、発生したクラックの個数、及びクラックの進展長さを測定してクラック発生の抑制効果を評価した。図5は、その際の各種データを示す。
試験タイヤ:タイヤサイズは235/40R18(商品名:RE050A)である。
従来例は、前述した図7及び図8に示すタイプのタイヤであり、また実施例は、前述した図1〜図4に示すタイプのタイヤである。この実施例にあっては、発生したクランクの個数が6個で、従来例(8個)と比べて2個少なく、かつクラックの進展長さが平均5mmで、従来例(平均20mm)と比べて15mm短かった。従って、実施例によりクランクの発生を抑制する効果が認められ、特に、クラックの進展長さを抑制する大きな効果が認められた。
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 トレッド部
3a トレッド踏面
4 サイドウォール部
4a 表面
5 カーカス層
6 標章
7 表示面
7a 標章外縁
8 外側側壁
8a 側壁外縁
K 基部側交点
L 側壁外縁と基部側交点との間の寸法
P タイヤ最大幅位置
2 ビード部
3 トレッド部
3a トレッド踏面
4 サイドウォール部
4a 表面
5 カーカス層
6 標章
7 表示面
7a 標章外縁
8 外側側壁
8a 側壁外縁
K 基部側交点
L 側壁外縁と基部側交点との間の寸法
P タイヤ最大幅位置
Claims (3)
- 一対のビード部と、この一対のビード部のタイヤ径方向の外方に配置されて、トレッド踏面部を有するトレッド部と、このトレッド部のタイヤ幅方向両端部と前記ビード部のタイヤ径方向外方端とを連結する一対のサイドウォール部とを有し、このサイドウォール部の表面より突出する標章を備えた空気入りタイヤにおいて、
前記標章のタイヤ半径方向外側に位置する外側側壁を前記サイドウォール部の表面に対して斜めに立設し、
車両装着状態での水平方向に沿った線を水平線、
該外側側壁と該標章の表示面との交点を標章外縁、
該外側側壁と該サイドウォール部の表面との交点を側壁外縁、
該標章外縁を通る該水平線と該サイドウォール部の表面との交点を基部側交点、
とそれぞれ定義し、
側壁外縁と基部側交点との間の寸法を標章外縁に沿って変化させたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記側壁外縁と前記基部側交点との間の寸法が前記標章外縁に沿って周期的に変化し、該側壁外縁が該標章外縁に沿って波形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記側壁外縁が、タイヤ最大幅位置よりタイヤ半径方向外側に配置されたことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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JP2008270915A JP2010100090A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | 空気入りタイヤ |
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WO2013105482A1 (ja) | 2012-01-11 | 2013-07-18 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
KR101362946B1 (ko) * | 2011-12-12 | 2014-02-17 | 한국타이어 주식회사 | 다단계 문구디자인을 갖는 사이드월 구조 |
JP2021084484A (ja) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ、金型及びタイヤ製造方法 |
US11192405B2 (en) * | 2017-12-22 | 2021-12-07 | Toyo Tire Corporation | Pneumatic tire and pneumatic tire molding |
-
2008
- 2008-10-21 JP JP2008270915A patent/JP2010100090A/ja active Pending
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