JP2010099824A - ワイヤカット放電加工機の制御装置およびワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工機の制御装置およびワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤカット放電加工機による凹角コーナ部の多重加工における加工精度の向上。
【解決手段】加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段1と、加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段6と、前記加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段2と、加工プログラム解析手段2による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段3と、加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段7と、加工形状作成手段3により作成された形状がお互いに非平行な2つの直線移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナ部を有する加工形状の場合、当該凹角コーナ部側の各一部を削除し、該削除された部分に前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段4と、を有するワイヤカット放電加工機の制御装置と加工経路作成装置。
【選択図】図10

Description

本発明は、ワイヤカット放電加工機の制御装置に関し、更に詳しく言えば、凹角コーナ部の加工精度を向上させることができるように、ワイヤカット放電加工機の制御を行う制御装置に関する。
また、本発明は、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置に関する。更に詳しく言えば、凹角コーナ部の加工精度を向上させることができるワイヤカット放電加工機で用いられる加工経路を作成するワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置に関する。
ワイヤカット放電加工機による加工を行う場合、加工プログラムで指令されたとおりの経路をワイヤ電極がたどるように制御すると、加工によって得られる被加工物の輪郭(被加工経路)は、その指定された経路とはずれたものとなる。
指定された経路とはずれたものとなる主因は、「ワイヤ電極半径Rが無視できない大きさを持つこと」と「放電ギャップΔgpの存在」である。すなわち、ワイヤ電極経路と加工経路との間には、ワイヤ電極半径Rと放電ギャップΔgpが合わさった長さのズレが生じ、この長さのズレの分だけ被加工物が小さくなってしまう。
この長さのズレの分を回避する基本的な方法は、加工プログラムで指定された経路に対して、ワイヤ電極半径Rと放電ギャップΔgpに相当するオフセット量による修正を施した加工経路を作成し、このオフセット修正された加工経路に従ってワイヤ電極を移動させる方法である。更に、このオフセットの考え方を取り入れた多重加工の手法も知られている。
多重加工は、意図する輪郭線(被加工経路)を得るための加工を複数回に分けて行う方法で、1st加工(多重加工における第1回目の加工:以下、同じ)から回を重ねる毎に、オフセット量を徐々に小さくすることにより(R+Δgpに漸近し到達)、各回の加工によって得られる輪郭線(被加工経路)が、意図する輪郭線(被加工経路)に向かい漸進し、最終回の加工により(可能な限り)到達するように各回の加工経路が選ばれる。この多重加工により、上記した加工経路のズレ(プログラム指定の加工経路と加工によって実際に得られる輪郭のズレ)は解消できるはずである。
しかし、この加工方法を「凹角コーナ部」の加工に適用しようとすると、高い加工精度の確保が困難になるという問題が生じる。ここで、「凹角コーナ部」とは、ワイヤカット放電加工によって形作られるコーナ部の形状の1つのタイプである。ワイヤカット放電加工によって形作られるコーナ部の形状には、円弧、直角、鋭角、鈍角などの形に凹凸が組み合わさっていろいろなものが存在するが、その中の1つのタイプに「2つのブロックが交わって形作られる凹コーナ部」があり、それを「凹角コーナ部」と呼ぶことにする。
図1を参照しつつ、このような凹角コーナ部を従来技術により多重加工したときの加工の状況をみてみる。この凹角コーナ部に上記多重加工を適用したときに加工精度を高めることが困難な原因は、オフセット量のために、凹角コーナ部では、その凹角コーナ部の角度が小さくなるほど加工量が増大する一方で、多重加工の仕上加工工程(多重加工の最終回またはそれに近い回の加工)においては、通常は良質な面粗度を得るために非常に弱い放電エネルギで薄皮を剥くように加工を行うという事情が存在するからである。つまり、凹角コーナ部の仕上加工工程で加工能力を超えて加工量が増大すると、ワイヤ電極と被加工物が短絡して加工が不安定になり、加工精度の悪化を招くことになるからである。
このようなワイヤ電極と被加工物との短絡を回避するために、凹角コーナ部では加工速度を遅くするような制御技術が既に一般的になっている。しかし、凹角コーナ部の角度や電気的な加工条件等のさまざまな要因によってどの程度減速すべきであるのかを明確に知ることは困難であり、減速が足りなければ相変わらずワイヤ電極は短絡を起こし、減速が過ぎれば放電が集中して被加工物が余計に加工されてしまうというのが現実である。
なお、凹円弧コーナ部では、加工回数毎のオフセット量が異なっても、加工経路は同心円状になるので、直線部に比べて加工量が増大するということはない。従って、上記のような問題は基本的には起こらない。
凹角コーナ部に対する多重加工時の上記問題に関連した公知文献としては、下記引用文献1〜5がある。この開示の要点は以下のとおりである。
特許文献1について。
凹角コーナ部の加工について、円弧経路を追加するワイヤカット形状修正方法が提案されている。すなわち、このワイヤカット形状修正方法によれば、基本プログラムで指令される2つのブロックによる加工経路の交点が凹部加工の交点である場合、該交点を中心に加工経路に対するワイヤ電極のオフセット値を半径とする円弧のワイヤ電極移動軌跡の加工経路が、上記交点部に追加される。
この方法は、ブロック交点を中心とし、オフセット値を半径とする円弧状の加工経路を被加工物側に追加することで、金型の加工などで問題となる凹角コーナ部に生じる丸みを1st加工で除去することを企図している。つまり、この円弧経路は1st加工において被加工物を抉るように加工するもので、コーナ部の加工精度については全く問題視していない。
特許文献2について。
ワイヤ電極の放電ギャップの変化を伴う加工条件を変更可能なワイヤカット放電加工に対し、ワークを所望の形状に加工させるために、加工条件を変更する位置を適切に設定することで対処することが提案されている。ブロックの継ぎ目ではオフセットが変更される場合に、加工経路が不連続となる部分に補正ブロックを挿入し、それに対応する加工条件の変更のタイミングを適正に設定することが説明されている。オフセットによって凹角コーナ部で加工量が増大する問題に着目したものではない。
特許文献3について。
仕上げ加工時に、所定の軌跡をオフセットしたオフセット軌跡における加工除去距離が、直線を加工するときの加工除去距離よりも増加または減少し始めるワイヤ電極の位置を第1の変更点、ワイヤ電極が第1の変更点を通過し加工除去距離が変化しなくなるワイヤ電極の位置を第2の変更点、ワイヤ電極が第2の変更点を通過し加工除去距離が減少または増加に転じるワイヤ電極の位置を第3の変更点、ワイヤ電極が第3の変更点を通過し直線を加工するときの加工除去距離と同じになるワイヤ電極の位置を第4の変更点とそれぞれ定め、第1の変更点から第4の変更点間における所定単位距離毎の加工除去距離を計算して、計算された加工除去距離から適正送り速度を求め、第1の変更点と第4の変更点間において所定単位距離毎に適正送り速度に変更設定することが開示されている。
特許文献4について。
加工プログラム上の経路が円弧状であるコーナ部の形状精度を改善するための技術が開示されている。荒加工に続いて仕上げ加工を行っていく段階で、加工形状内円弧部の半径が予め設定された基準半径以下の円弧部に対して、1回目の加工で上記円弧部をこの円弧部の前後の加工経路と接し、かつ所定の半径より小さい円弧を挿入してなる加工経路により加工し、その後の加工で挿入する円弧の半径を徐々に大きくして加工経路を変換しながら加工する手法が説明されている。
この技術は、凹円弧コーナ部において、荒加工での加工経路をコーナ部のできるだけ奥までもっていき、仕上加工における加工量を極力減らそうとするもので、凹角コーナ部(加工プログラム上の経路が凹角状のコーナ部)での加工精度を改善しようとする本発明とは、先ず、目的に関わる前提が異なっている。また、「円弧経路の挿入」という点だけをみると本発明と類似しているように見えるが、後述するように、本発明は凹角コーナ部での加工量が増大しないような円弧経路を挿入するもので、円弧状加工経路の決め方が全く異なっている。
特許文献5について。
加工プログラム上の経路が円弧状であるコーナ部の形状精度を改善しようとするものである。凹円弧コーナ部において、各加工工程の経路が同一の半径を持つようにして、加工可能な最小半径を極力小さくしようとしている。そのために、オフセット値の異なる各加工工程のインコーナ部加工における円弧軌跡が同一半径となるように各加工工程におけるインコーナ部の移動軌跡を計算し、その計算結果に基づき各加工工程のインコーナ部半径が同一になるような軌跡移動を行うような制御が行われている。
特公平5−30568号公報 特開2002−11620号公報 特開2004−148472号公報 特開平4−217426号公報 特開平7−9261号公報
背景技術で説明したように、加工プログラムの経路に対してワイヤのオフセット量による修正を施してワイヤ電極が移動する加工経路を作成する。そして、多重加工においては、1st加工から回を重ねるごとにオフセット量を徐々に小さくして皮を剥くようにして繰り返して加工していくが、このオフセット量のために、凹角コーナ部では角度が小さくなるほどワイヤ電極による加工量が増大し、加工が困難となるという問題がある。
多重加工の仕上加工工程においては、通常は良質な面粗度を得るために非常に弱い放電エネルギで薄皮を剥くように加工するので、加工量が増大する凹角コーナ部では仕上加工の加工能力を超えてしまい、加工精度の悪化を引き起こしてしまう。
このような問題を解決するために、いくつかのパラメータを設けて種々の状況にも対応しようとする試みであるが、制御性を向上させるために想定する状況を多くすればするほど、これらのパラメータを確定するために莫大な手間が掛かってしまい、これも現実的ではない。
そこで、本発明は、凹角コーナ部に多重加工を施す際に、加工量の増大に起因して発生する加工精度の問題を解決し、凹角コーナ部における加工精度の向上を容易にすることができるワイヤカット放電加工機、および、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、ワイヤカット放電加工機の制御装置であって、加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、前記加工形状作成手段により作成された形状の1つの移動ブロックと該ブロックより予め定められた数以内の移動ブロックとの成す角度と、予め決められた角度とを順次比較し、移動ブロック同士の成す角度が前記予め決められた角度以下で、かつ、前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された円弧半径の円が挿入可能な場合に凹角コーナ部と判定する凹角コーナ部判定手段と、前記予め決められた角度を記憶する凹角コーナ角度記憶手段と、
前記凹角コーナ部判定手段により凹角コーナ部であると判断された場合、当該凹角コーナ部を形成する各移動ブロックの一部または全部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の制御装置である。
請求項2に係る発明は、ワイヤカット放電加工機の制御装置であって、加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、前記加工形状作成手段により作成された形状が互いに非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナ部を有する加工形状の場合、当該凹角コーナ部側の各一部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の制御装置である。
請求項3に係る発明は、前記円弧形状挿入手段によって補正された加工形状から、前記オフセット量記憶手段に記憶された前記ワイヤオフセット量の分だけオフセットした加工経路を作成する加工経路作成手段を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記円弧形状挿入手段により挿入する円弧形状の移動ブロックは、凹角コーナ部を形成する2つの移動ブロックに接するように挿入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記移動ブロックは直線移動ブロックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置である。
請求項6に係る発明は、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置であって、加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、前記加工形状作成手段により作成された形状の1つの移動ブロックと該ブロックより予め定められた数以内の移動ブロックとの成す角度と、予め決められた角度とを順次比較し、移動ブロック同士の成す角度が前記予め決められた角度以下で、かつ、前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された円弧半径の円が挿入可能な場合に凹角コーナ部と判定する凹角コーナ部判定手段と、前記予め決められた角度を記憶する凹角コーナ角度記憶手段と、前記凹角コーナ部判定手段により凹角コーナ部であると判断された場合、当該凹角コーナ部を形成する各移動ブロックの一部または全部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置である。
請求項7に係る発明は、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置であって、加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、前記加工形状作成手段により作成された形状が互いに非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナ部を有する加工形状の場合、当該凹角コーナ部側の各一部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置である。
請求項8に係る発明は、前記円弧形状挿入手段によって補正された加工形状から、前記オフセット量記憶手段に記憶された前記ワイヤオフセット量の分だけオフセットした加工経路を作成する加工経路作成手段を有することを特徴とする請求項6または7のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置である。
請求項9に係る発明は、前記円弧形状挿入手段により挿入する円弧形状の移動ブロックは、凹角コーナ部を形成する2つの移動ブロックに接するように挿入することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置である。
請求項10に係る発明は、前記移動ブロックは直線移動ブロックであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置である。
本発明によれば、凹角コーナ部に多重加工を施す際に、加工量の増大を回避できるので、凹角コーナ部における加工精度の向上が容易になる。即ち、加工量が過大とならないので短絡が起こり難く、放電エネルギが小さくても仕上加工を無理なく行うことができるようになる。また、加工量の増大に伴う問題を避けるための特別な速度制御(ワイヤの低速移動)等も要求されなくなる。
従来技術である凹角コーナ部の多重加工を説明する図である。 本発明である凹角コーナ部の多重加工を説明する図である。 本発明である凹角コーナ部の多重加工を行うアルゴリズムを示すフローチャートの例である。 本発明におけるn回目の加工では円弧を挿入せず、n+1回目の加工で円弧を挿入した場合を示す図である。 補正用円弧半径の挿入方法を説明する図である。 補正用円弧半径からオフセット量を減算して負の数になる場合の取扱いを説明する図である。 本発明におけるプログラム指令形状に挿入する円弧ブロックの求め方、および、凹角コーナ部を形成する2直線の変更方法を説明する図である。 2直線に接しない円弧ブロックを挿入する方法を説明する図である(その1)。 2直線に接しない円弧ブロックを挿入する方法を説明する図である(その2)。 本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機の制御装置の概略構成をブロック図で示したものである。 円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段のメモリ構成の例を示すテーブルである。 ワイヤカット放電加工による加工形状の一例を示した図である。 図12に示した加工形状を得るための加工プログラムの一例を示したものである。 オフセット量を記憶するオフセット量記憶手段のメモリ構成の例を示すテーブルである。 図12で示される制御装置を用いてワイヤカット放電加工を行う場合の加工形状の一例を示す図である。 図15に示した加工形状を得るために加工プログラムに指令する補正用円弧半径の指令とオフセット量の指令を説明する図である。 図15に示した加工形状を得るための加工プログラムのメインプログラムを示す図である。 図17に示される加工プログラムのメインプログラムが呼び出すサブプログラムの例を示す図である。 ワイヤカット放電加工機において凹角コーナ部を含む加工形状を多重加工で得る際の処理の概要を、円弧経路の挿入に関連する処理のアルゴリズムを中心に説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置の概略構成をブロック図で示したものである。 ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置において凹角コーナ部を含む加工形状を多重加工で得る際の処理の概要を、円弧経路の挿入に関連する処理のアルゴリズムを中心に説明するフローチャートである。 非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナにおいて、凹角コーナ部の一部を削除して円弧を挿入することを説明する図である。 3つ以上のブロックからなるコーナ部を認識できず、円弧を挿入できない場合を説明する図である。 3つ以上のブロックからなるコーナ部においても円弧の挿入が可能な方法を説明する図である。 ワイヤ径よりも小さいコーナRが既に挿入されている場合においても円弧の挿入が可能な方法を説明する図である。 2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を実行するワイヤカット放電加工機の概略構成を説明する図である。 ワイヤカット放電加工機において凹角コーナ部を含む加工形状を多重加工で得る際の処理の概要を、2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の円弧経路の挿入に関連する処理のアルゴリズムを中心に説明するフローチャートである。 条件1と条件2を満たす例を説明する図である。 条件1を満たさない例を説明する図である。 条件1は満たすが、条件2を満たさない例を説明する図である。 条件1および条件2を満たす他の場合を説明する図である。 2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を、本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置の概略構成をブロック図で示したものである。 2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置において凹角コーナ部を含む加工形状を多重加工で得る際の処理の概要を、円弧経路の挿入に関連する処理のアルゴリズムを中心に説明するフローチャートである。
本発明は、仕上げ時の多重加工において、凹角コーナ部(2つのブロックを含む移動ブロックが交わって形作られる凹コーナ部)の加工精度を向上させることを目指したものである。本発明は、加工精度を向上させるため、多重加工における凹角コーナ部の加工特性に着目し、図2に示されるように円弧形状の移動ブロック(以下、単に「円弧ブロック」という)の挿入を含む加工経路の変更の仕方を工夫することで課題解決を図るものである。
そこで、図4を用いてプログラム指令形状のうち、凹角コーナ部に円弧形状の移動ブロックを挿入することにより課題解決を図る本発明の方法について説明する。図4は、多重加工におけるn回目の加工では円弧形状の移動ブロックを挿入せず、n+1回目の加工で円弧形状の移動ブロックを挿入した場合を示している。n回目の加工では、ワイヤ電極は「n回目のワイヤ中心経路」のように直線的に移動し、頂点部ではn回目の被加工物端面はワイヤ電極の径のために「n回目の被加工物端面」のように円弧状に加工される。
次のn+1回目の加工において凹角コーナ部に円弧形状の経路を挿入する。円弧形状の経路を挿入する方法の詳細は後述する。「n+1回目のワイヤ中心経路」に従ってワイヤ電極は移動するが、凹角コーナ部の手前では、ワイヤ電極はその側面で放電しながら「n回目の被加工物端面」を舐めるようにして移動し、「n+1回目の加工代(直線部)」を除去しながら薄皮を剥くようにして加工は進み、「n+1回目の被加工物端面」が形成される。
そして、ワイヤ電極が更に移動して凹角コーナ部の頂点部にさしかかると、ワイヤ電極は円弧状に進み、凹角コーナ部の頂点部においても「n回目の被加工物端面」を舐めるようにして放電しながら移動し、「n+1回目の加工代(頂点部)」を除去しながら薄皮を剥くようにして加工が進み、「n+1回目の被加工物端面」が形成される。このときの頂点部の加工代は直線部の加工代と同じになるので、放電エネルギが不足することはなく、加工精度の悪化の原因となる短絡を抑えることができる。
次に、円弧形状の経路を挿入することによる影響について説明する。前述したように、加工経路の変更を行うと、被加工物の形状が図面などに指示された形状とは異なるものに仕上がるように危惧する者がいるかもしれない。しかし、上記に説明した円弧形状の経路を挿入することによる加工経路の変更は、ワイヤカット放電加工における凹角コーナ部においては一般的に問題視されない。
即ち、ワイヤカット放電加工においては、ワイヤ電極の断面形状が円形であることから、凹角コーナ部の加工形状は加工経路の形状とは異なって円弧状になることが知られている。そして、その円弧状の部分の大きさは放電加工に使用するワイヤ電極の径、放電エネルギ、オフセット量の大きさ、あるいはコーナの角度によっても左右されるものであるので、凹角コーナ部の仕上がり形状は元々不確定なものなのである。
従って、凹角コーナ部でその仕上がり形状を明確に指示しなければならない場合には、使用するワイヤ電極の半径と放電ギャップとを合わせた長さよりも大きな半径を持つ円弧形状を指定するのが一般的であるが、加工プログラムの作成に手間がかかったりするので、その形状を明確にする必要が特に無ければ、あるいは、研磨等の後処理をすることが明確であったりすれば、2つの移動ブロックが単純に交わる凹角状の加工プログラムで加工することも珍しくはない。
このような理由から、凹角コーナ部で求められるものは、前後のブロックで取り残しや取り過ぎが無い移動ブロックが形成され、この2ブロックが滑らかな円弧形状で繋がれることであり、本発明はこのことを十分に成し遂げることができるものである。
前記した挿入される円弧形状の曲率半径(円弧半径)は、一般的には放電エネルギが比較的強い第1回目から第3回目程度の加工で使用されるオフセット量で決まるが、概ね、第1回目の加工で使用されるオフセット量以下で、第3回目程度の加工で使用されるオフセット量以上になる。また、製品となる被加工物に求められる最終的な加工精度や面粗度によって、同じ加工回数であっても使用する放電エネルギの量は異なるので、挿入する円弧形状の曲率半径は加工の目的によって変わることはあり得る。
次に、円弧形状の経路をプログラム指令形状に挿入する方法の詳細を図5〜図9を用いて説明する。先ず、円弧ブロックの挿入方法について説明する。円弧ブロックの挿入は、円弧形状の経路をプログラム指令形状に挿入することを意味する。
(1)プログラム指令形状(加工形状作成手段)に、指定された半径の円弧ブロックを挿入する(円弧形状挿入手段)(図5参照)。
(2)前記(1)でできた円弧コーナの形状をオフセット量の分だけオフセットする(加工経路作成手段)(図5参照)。
n回目の加工経路にできる円弧ブロックは、プログラム指令形状に挿入された円弧ブロックのオフセット量の分オフセットすることで求められる。その円弧ブロックの曲率半径は、「指令された円弧の半径−任意の加工回数のオフセット量」となる。なお、前記「指令された円弧の半径−任意の加工回数のオフセット量」が負の数になる場合、つまり、指定された円弧の曲率半径よりも、n回目の加工のオフセット量が大きい場合には、円弧部分を削除する(図6参照)。これは、従来から行なわれているワイヤオフセットの技術である。
次に、プログラム指令形状に挿入する円弧ブロックの求め方、及び、円弧ブロックの挿入による凹角コーナ部を形成する2つの移動ブロックの変更方法について図7を用いて説明する。
凹角コーナ部を形成する2つの直線A,Bのそれぞれから、オフセットを掛ける方向に、挿入する円弧の半径rの長さ離れた平行な2つの直線a,bを作ると、その2直線の交点が円弧の中心になる。凹角コーナ部を形成する2直線A,Bのうち、コーナ頂点の手前の直線ブロックの終点を円弧中心からの垂線との交点に変更し、コーナ頂点後の直線ブロックの始点を円弧中心からの垂線との交点に変更する。これは、従来のコーナRの挿入技術と同様である。
円弧の挿入方法において、挿入する円弧ブロックが2直線に接しないものでもよい。このような円弧ブロックの挿入について図8、及び、図9を用いて説明する。
図8に示されるように、直線と角度(180度−θ)をなす円弧を挿入する場合、挿入する円弧の曲率半径をrとし、上述の2直線に接する円弧の求め方(図7参照)において、半径(r*cosθ)の円弧を挿入すると、円弧の中心を求めることができる(図9参照)。
凹角コーナ部を形成する2直線のうち、コーナ頂点手前の直線ブロックの終点、及び、コーナ頂点後の直線ブロックの始点は、コーナ頂点側へ長さ(r*sinθ)分移動させる。
上述したように(図7〜図9参照)、円弧ブロックを挿入する方法として、直線ブロックと挿入した円弧ブロックとが滑らかに接する場合と、所定の角度範囲内で接続される場合がある。
次に、図10を用いて、凹角コーナ部に円弧ブロックを挿入可能な本発明である、ワイヤカット放電加工機の制御装置の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る制御装置は、加工プログラム記憶手段1、加工プログラム解析手段2、加工形状作成手段3、円弧形状挿入手段4、加工経路作成手段5、オフセット量記憶手段6、及び、加工形状補正用円弧半径記憶手段7を備えている。
前記各手段1〜7について説明する。加工プログラム記憶手段1は、加工に必要となる加工プログラムを記憶する手段で、不揮発性メモリで構成されている。加工プログラム記憶手段1には、多数の加工プログラムが予め格納されている。
加工プログラム解析手段2は、加工プログラム記憶手段1に格納された加工プログラムの中から作業者等によって指定された加工プログラムを解析し、加工形状に関するデータを抽出してこれらを加工形状作成手段3に渡す手段である。また、この加工プログラム解析手段2は、加工プログラム中のオフセット量の指令コードから必要となるオフセット量をオフセット量記憶手段6に指示し、また、加工プログラム中の加工形状補正用円弧半径の指令コードから必要となる加工形状補正用円弧半径を加工形状補正用円弧半径記憶手段7に指示する手段である。
加工形状作成手段3は、加工プログラム解析手段2から渡された加工形状に関するデータに基づき加工形状を作成する手段である。
オフセット量記憶手段6は、加工に必要となるワイヤ電極のオフセット量が多数格納されているもので、加工プログラム解析手段2からの指示にしたがって加工に必要となる加工回数ごとのオフセット量を選び出し、加工経路作成手段5に渡す手段である。
加工形状補正用円弧半径記憶手段7は、加工に必要となる加工形状補正用円弧半径が多数格納されているもので、加工プログラム解析手段2からの指示にしたがって加工形状補正用円弧半径を選び出し、円弧形状挿入手段4に渡す手段である。例えば、図11に示されるように円弧半径は加工形状補正用円弧半径記憶手段7に格納されている。
円弧形状挿入手段4は、加工形状補正用円弧半径記憶手段7から加工に必要となる加工形状補正用円弧半径を受け取って、加工形状作成手段3が作成した加工形状に対して2つの移動ブロックが交わって形作られる凹角コーナ部に円弧形状の移動ブロックを挿入して補正を加え、目的とする加工形状を改めて作成する手段である。
加工経路作成手段5は、円弧形状挿入手段4が作成した加工形状に関するデータと、オフセット量記憶手段6から加工回数毎のオフセット量を受け取り、これらを基にしてワイヤ電極が実際に移動する加工経路を作成する手段である。
本発明の実施形態である制御装置を用いて加工を行う手順は次のようなものとなる。なお、実行される加工プログラムは、予め作業者によって加工プログラム記憶手段1に格納されているものとする。オフセット量は予めオフセット量記憶手段6に格納され、また、加工形状補正用円弧半径は予め加工形状補正用円弧半径記憶手段7に格納されているものとする。
次に、ワイヤカット放電加工機の制御装置が処理する加工プログラムからどのようにして加工経路を作成するかについて説明する。先ず、処理する加工プログラムを、加工プログラム記憶手段1から作業者が選択(例えば、ワイヤカット放電加工機の制御装置の図示を省略した表示装置の画面上で選択)すると、その加工プログラムが加工プログラム記憶手段1から加工プログラム解析手段2に渡される。加工プログラム解析手段2は、加工プログラム記憶手段1から渡された加工プログラムを解析し、加工プログラムの中から加工形状に関するデータを抽出し、このデータを加工形状作成手段3に渡す。また、加工プログラム解析手段2は、加工プログラムのブロックの中のオフセット量の指令コードから、必要となるオフセット量を加工経路作成手段5に渡すようオフセット量記憶手段6に指令する。さらに、加工プログラム解析手段2は、解析した加工プログラムのブロックの中の加工形状補正用円弧半径の指令コードから、必要となる加工形状補正用円弧半径を円弧形状挿入手段4に渡すよう加工形状補正用円弧半径記憶手段7に指令する。
加工形状作成手段3は、加工プログラム解析手段2から渡された加工形状に関するデータから加工形状を作成し、作成した加工形状を円弧形状挿入手段4に渡す。
円弧形状挿入手段4は、加工形状作成手段3から渡された加工形状と加工形状補正用円弧半径記憶手段7から渡された加工形状補正用円弧半径から、2つの移動ブロックが交わって形作られる凹角コーナ部に円弧形状の移動ブロックを挿入して補正し、目的とする加工形状を改めて作成し、加工経路作成手段5に渡す。
加工経路作成手段5は、円弧形状挿入手段4から渡された加工形状に関するデータとオフセット量記憶手段6から渡された加工回数ごとのオフセット量から、ワイヤ電極が実際に移動する加工経路を作成する。
前述した加工プログラムを解析し加工経路を作成することを、図3に示される凹角コーナ部の多重加工を行うアルゴリズムを示すフローチャートを用いて説明する。まず、加工プログラムのブロックを読み込み解析し(ステップT100)、凹角コーナ部であるか否かを判断し、凹角コーナ部であれば、凹角コーナ部に円弧形状の移動ブロックを挿入し、凹角コーナ部でなければ、円弧形状の移動ブロックの挿入は行わない(ステップT101,ステップT102)。次に、オフセット量分、加工形状をオフセットし(ステップT103)、加工プログラムの全てのブロックの解析が終了したか否か判断し、解析すべきブロックがあればステップT100へ戻り処理を継続し、全てのブロックの解析が終了していれば加工プログラムの解析が終了していると判断し、処理を終了する(ステップT104)。
さて、上述したアルゴリズムのフローチャートのステップT101で凹角コーナ部であるか否かの判断を行うわけであるが、実際に制御装置を用いて上記の如く凹角コーナ部に円弧経路を挿入するためには、どのコーナ部が凹角コーナ部であるのか、制御装置内で判別する必要がある。2つのブロックが交わってコーナ部が形成されていれば、そのコーナ部は凹角コーナ部である可能性がある。しかし、それだけではそのコーナ部が凸角コーナ部である可能性を排除できない。
この点について、図12〜図14を用いて説明する。図12はワイヤカット放電加工機によって加工される加工形状の一例を示している。図13は図12に示した加工形状を得るために使用される加工プログラムの一例である。また、図14はオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段のメモリ構成の例を示すテーブルである。
図12において、[A]が凸角コーナ部の例であり、[B]が凹角コーナ部の例である。そこで、これら2つについて、凹凸判定の仕方を考える。
一般に、ワイヤカット放電加工の加工プログラムに従って多重加工を実行する際には、ワイヤ電極の移動が始まる前に、各回の加工で使用するオフセット量が加工プログラムに基づいて指令される。図13に示した例では、「D1」の指令コードによって図14のメモリ構成を持つオフセット量記憶手段の「オフセットメモリ1」に格納されているオフセット量が呼び出されて使用される。
加工開始点から加工が始まり、製品となる形状まで切り込む最初の加工ブロックでは、通常、オフセットの量や方向の誤設定を防止する等の理由でオフセットを一旦キャンセルする(「G40」指令)。そして、実際に製品となる形状を加工するブロックからオフセットを有効化する(「G41」指令)。図13に示される加工プログラムの例では、ワイヤ電極が実際に移動する経路は加工プログラムで指令される経路に対して左側にオフセットされるが、「G42」の指令コードによって右側にオフセットさせることも可能である。
そして、その後の加工ブロックにおいては、「G40」の指令コードでオフセットがキャンセルされるまで、ワイヤ電極は左側にオフセットされて加工が継続され、その間のオフセット量は「D1」で指令された値が維持される。
ここで先ず、製品となる形状の加工が始まって[A]のコーナ部を通過するときの状況を考える。オフセットは加工プログラムで指令される経路に対して左側に掛かっており、ここ[A]のコーナ部ではオフセットと反対側、つまり右側に曲がる。
次に、[B]のコーナ部ではオフセットと同じ側に、つまり左側に曲がる。そして、加工が最後まで進んで製品となる被加工物を取り出すと、[A]のコーナ部は凸状となり、[B]のコーナ部は凹状となる。即ち、ワイヤ電極のオフセットと反対に曲がるコーナ部が凸コーナ部であり、ワイヤ電極のオフセットと同じ方向に曲がるコーナ部が凹コーナ部となる。
従って、ワイヤカット放電加工機の制御装置は、加工プログラムを解析し、各コーナ部について、「オフセットと同じ側への屈曲か、それとも、オフセットと反対側への屈曲か」を判別することで、コーナ部の凹凸を判断することができる。コーナ部が角コーナ部であるか否かは、コーナ部を形成する移動ブロックが「交わる2つのブロック」であるかどうかで判別することができる。
結局、上述した2つの判別の組み合わせで、「凹角コーナ部」を特定することができる。
凹角コーナ部であると判別されたコーナ部には、実際にワイヤ電極を移動させる前に(少なくとも凹角コーナ部へ差し掛かる前に)、上述した(図5〜図9参照)半径の円弧状加工経路を、同凹角コーナ部で交わる2つのブロックに対応する加工経路に、実際に挿入しなければならない。
この点について、図15〜図18を参照しながら説明する。図15は、図12に示した加工形状の、[1]〜[5]の5箇所の凹角コーナ部に加工形状補正用円弧半径の円弧が挿入された加工形状を示している。図16は、加工形状補正用円弧半径の指令とオフセット量の指令とを説明している。図17は、図15に示される加工形状を得るために、加工形状補正用円弧半径の指令とオフセット量との指令とを挿入した加工プログラムのメインプログラムの一例である。そして、図18は図17に示されるメインプログラムの中の命令文に応じて読み出されるサブプログラムの一例である。
図17に示されるメインプログラムの例では多重加工を実行するために、図18に示される加工サブプログラム「O7516」を3回呼び出し、ワイヤカット放電加工を行う。
その後、切落し用サブプログラム「O7517」を呼び出し実行する。
第1回の加工サブプログラムの呼び出しでは、加工形状補正用円弧半径の指令(S1)と第1回のオフセット量の指令(D1)とが指令される。つまり、指令(D1)に対応するオフセット量記憶手段6に格納されているオフセット量が加工経路作成手段5に渡される。また、指令(S1)に対応する加工形状補正用円弧半径記憶手段7に格納されている円弧半径が円弧形状挿入手段4に渡される。
第2回の加工サブプログラムの呼び出しでは、第2回のオフセット量の指令(D2)が指令される。第3回の加工サブプログラムの呼び出しでは、第3回のオフセット量の指令(D3)が指令される。第2回、第3回ともそれぞれの指令に応じた、オフセット量がオフセット量記憶手段6から読み出され、加工経路作成手段5に渡される。
第1回〜第3回の加工において、加工形状補正用円弧半径の指令(S1)に対応する加工形状補正用円弧半径記憶手段7に格納されている円弧半径を有するコーナRが、円弧形状挿入手段4によって加工経路の各凹角コーナ部[1]〜[5]に挿入され、それぞれの指令(D1)〜(D3)に対応するオフセット量記憶手段6に格納されているオフセット量を使用して加工経路作成手段5により加工経路が作成され、被加工物は図15に示されるように加工される。そして、その結果として、高精度な凹角コーナ部が得られる。
第3回の多重加工の後、切落し用サブプログラム「O7517」が実行されるが、凹角コーナ部に関する本発明の加工に関係しないので記載を省略する。
また、この実施形態では、加工プログラム解析手段2で解析された加工プログラムを編集したり変更したりすることなく、円弧形状の移動ブロックが挿入された加工経路を加工経路作成手段5によって作成しているが、加工プログラム解析手段2で解析された加工プログラムに対して円弧形状の移動ブロックを自動的に挿入して編集し、円弧形状の移動ブロックを持つ加工プログラムを実際に作成することによって加工経路を作成しても、同様な効果が得られ、何ら問題はない。
次に、本発明の制御装置の実施形態により、凹角コーナ部を含む形状を多重加工で得ることが、加工プログラムで指定されているケースにおける処理の一般的な流れについて説明する。図19は、そのような多重加工における第k回目(k=1、2・・・kfinal;ただし、kfinalは最終回を意味する)の加工のための処理について、円弧形状の経路を挿入することに関連する処理を中心に説明するフローチャートである。
フローチャートにおいて、「BL」は「ブロック」を意味し、iはブロック番号を表す指標(レジスタ値)で、例えばBLiは、「i番目の移動ブロック」を意味している。以下、各ステップに従って説明する。
●ステップST1;オフセット量δk、円弧半径rkを読み取る。δk、rkは、例えば、図16に示される指令により指定される。このステップST1の処理には、オフセット量δkの決定(オフセット量記憶手段6にアクセスして、指定されたオフセット量δkのデータを加工経路作成手段5に渡す)、及び、挿入する円弧半径の決定(加工形状補正用円弧半径記憶手段7にアクセスして、指定された円弧半径rkのデータを円弧形状挿入手段4に渡す)の処理が含まれる。
●ステップST2;指標iを初期設定する(i←1)。
●ステップST3;i番目(即ち、1番目)の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップST4;i+1番目(第1回目の処理サイクルでは、2番目)の移動ブロックを読込み、解釈する。
●ステップST5;i番目の移動ブロックとi+1番目の移動ブロックが角コーナ部を形成しているかどうか判断する。即ち、両ブロックが「互いに非平行な直線移動ブロック」であればYESとし、そうでなければNOとする。YESであればステップST6へ進み、NOであればステップST7へ進む。
●ステップST6;i番目の移動ブロックとi+1番目の移動ブロックが、凹角コーナ部であるか否か判定する。判定方法は記述のとおりである。ここでは、i番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)と、i+1番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)との外積から、角コーナ部を左折で回るのか、右折で回るのかを判断し、オフセット量δkが指定する経路シフトの方向(左側か右側か)との関係をチェックする。
判定結果が、「左折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向左側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。同様に、判定結果が、「右折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向右側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。それ以外の場合は、凹角コーナ部ではない(NO)。凹角コーナ部であれば、ステップST13へ進み、そうでなければステップST7へ進む。
●ステップST7;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップST8;i番目の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。
●ステップST9;指標iを1アップする(i=i+1)。
●ステップST10;i+1番目の移動ブロックの有無をチェックする。i+1番目の移動ブロックが無ければステップST11へ進み、有ればステップST4へ戻る。なお、最初のステップST9においてはi=2となり、従って、ステップST10では3番目の移動ブロックの有無をチェックしていることになる。
●ステップST11;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップST12;i番目の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。
●ステップST13;円弧半径rkの円弧ブロックを移動ブロックBLiの終点側と移動ブロックBLi+1の始点側に挿入する。
●ステップST14/ST15;円弧ブロックの挿入に伴って削除されるV字形状の直線区間の両端の点の内、i番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の終点となるように、i番目の移動ブロックの終点を補正する。同様に、同V字形状の直線区間の両端の点の内、i+1番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の始点となるように、i+1番目の移動ブロックの始点を補正する。図5を参照して説明すると、V字形状は指定された円弧半径rの円弧の左側のプログラム指令形状(オフセット前)の部分である。
●ステップST16;ステップST13で挿入された円弧ブロックとi番目の移動ブロックBLiにオフセット量δkでオフセット補正する。
●ステップST17;ステップST6で凹角コーナ部と判定されたコーナ部について、円弧経路の移動ブロック挿入の要否をチェックする。ステップST1で読み込まれた円弧半径rkがオフセット量δkより大きいか否か判断し、大きい場合にはステップST18へ進み、そうではない場合にはステップST20へ進む。
●ステップST18;i番目の移動ブロックBLiの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。なお、このステップで対象とする移動ブロックは、ステップST15を経ているので、同ステップST14で終点の補正がなされたものである。
●ステップST19;挿入された円弧経路の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。次のステップはステップST9である。 ●ステップST20;円弧部分を削除し、ステップST21へ進む。
●ステップST21;i番目の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。次のステップは、ステップST9である。
以上のサイクルをk=1、2・・・kfinalについて繰り返せば、円弧経路挿入を含む経路変更を希望する凹角コーナ部について、加工形状補正用円弧半径記憶手段7に予め格納された円弧形状の曲率半径rと、オフセット量記憶手段6に格納されたオフセット量とにより算出される円弧経路が挿入され、その加工経路が確定され、その加工経路に沿ってワイヤ電極が移動し、高精度な加工を実行することができる。
なお、ステップST3,ステップST4で読み込まれる移動ブロックが、ステップST5で「互いに非平行な直線移動ブロック」であるか否か判断している。ここで、2つの移動ブロックが、直線移動ブロックと円弧移動ブロック、または、円弧移動ブロックと円弧移動ブロックで、交点における2つの移動ブロックの成す角度が180度以外の場合も、互いに非平行な2つの直線移動ブロックと同様に、非平行とみなす。
次に、図20を用いて、凹角コーナ部に円弧ブロックを挿入可能な本発明である、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る加工経路作成装置は、加工プログラム記憶手段1、加工プログラム解析手段2、加工形状作成手段3、円弧形状挿入手段4、加工経路作成手段5、オフセット量記憶手段6、加工形状補正用円弧半径記憶手段7、および、加工経路記憶手段8を備えている。
なお、加工経路作成装置はワイヤカット放電加工機の制御装置とは独立した演算処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて構成することができる。
前記各手段1〜8について説明する。加工プログラム記憶手段1は、加工に必要となる加工プログラムを記憶する手段で、不揮発性メモリで構成されている。加工プログラム記憶手段1には、多数の加工プログラムが予め格納されている。
加工プログラム解析手段2は、加工プログラム記憶手段1に格納された加工プログラムの中から作業者等によって指定された加工プログラムを解析し、加工形状に関するデータを抽出してこれらを加工形状作成手段3に渡す手段である。また、この加工プログラム解析手段2は、加工プログラム中のオフセット量の指令コードから必要となるオフセット量をオフセット量記憶手段6に指示し、また、加工プログラム中の加工形状補正用円弧半径の指令コードから必要となる加工形状補正用円弧半径を加工形状補正用円弧半径記憶手段7に指示する手段である。
なお、加工プログラム解析手段2は、加工プログラム記憶手段1に記憶される加工プログラムから作業者等によって指定された加工プログラムを解析することに替えて、加工プログラム読み取り装置を用いて、加工経路作成装置の外部から加工プログラムを読込ませるようにしてもよい。
加工形状作成手段3は、加工プログラム解析手段2から渡された加工形状に関するデータに基づき加工形状を作成する手段である。
オフセット量記憶手段6は、加工に必要となるワイヤ電極のオフセット量が多数格納されているもので、加工プログラム解析手段2からの指示にしたがって加工に必要となる加工回数ごとのオフセット量を選び出し、加工経路作成手段5に渡す手段である。
加工形状補正用円弧半径記憶手段7は、加工に必要となる加工形状補正用円弧半径が多数格納されているもので、加工プログラム解析手段2からの指示にしたがって加工形状補正用円弧半径を選び出し、円弧形状挿入手段4に渡す手段である。例えば、図11に示されるように円弧半径は加工形状補正用円弧半径記憶手段7に格納されている。
円弧形状挿入手段4は、加工形状補正用円弧半径記憶手段7から加工に必要となる加工形状補正用円弧半径を受け取って、加工形状作成手段3が作成した加工形状に対して2つの移動ブロックが交わって形作られる凹角コーナ部に円弧形状の移動ブロックを挿入して補正を加え、目的とする加工形状を改めて作成する手段である。
加工経路作成手段5は、円弧形状挿入手段4が作成した加工形状に関するデータと、オフセット量記憶手段6から渡された加工回数ごとのオフセット量から、ワイヤ電極が実際に移動する加工経路を作成する。そして、加工経路作成手段5で作成された加工経路は加工経路記憶手段8に格納される。
次に、本発明の加工経路作成装置の実施形態により、凹角コーナ部を含む形状を多重加工で得ることが、加工プログラムで指定されているケースにおける処理の一般的な流れについて説明する。図21は、そのような多重加工における第k回目(k=1、2・・・kfinal;ただし、kfinalは最終回を意味する)の加工のための処理について、円弧形状の経路を挿入することに関連する処理を中心に説明するフローチャートである。
フローチャートにおいて、「BL」は「ブロック」を意味し、iはブロック番号を表す指標(レジスタ値)で、例えばBLiは、「i番目の移動ブロック」を意味している。以下、各ステップに従って説明する。
●ステップSP1;オフセット量δk、円弧半径rkを読み取る。δk、rkは、例えば、図16に示される指令により指定される。このステップSP1の処理には、オフセット量δkの決定(オフセット量記憶手段6にアクセスして、指定されたオフセット量δkのデータを加工経路作成手段5に渡す)、及び、挿入する円弧半径の決定(加工形状補正用円弧半径記憶手段7にアクセスして、指定された円弧半径rkのデータを円弧形状挿入手段4に渡す)の処理が含まれる。
●ステップSP2;指標iを初期設定する(i←1)。
●ステップSP3;i番目(即ち、1番目)の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップSP4;i+1番目(第1回目の処理サイクルでは、2番目)の移動ブロックを読込み、解釈する。
●ステップSP5;i番目の移動ブロックとi+1番目の移動ブロックが角コーナ部を形成しているかどうか判断する。即ち、両ブロックが「互いに非平行な直線移動ブロック」であればYESとし、そうでなければNOとする。YESであればステップSP6へ進み、NOであればステップSP7へ進む。
●ステップSP6;i番目の移動ブロックとi+1番目の移動ブロックが、凹角コーナ部であるか否か判定する。判定方法は記述のとおりである。ここでは、i番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)と、i+1番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)との外積から、角コーナ部を左折で回るのか、右折で回るのかを判断し、オフセット量δkが指定する経路シフトの方向(左側か右側か)との関係をチェックする。
判定結果が、「左折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向左側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。同様に、判定結果が、「右折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向右側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。それ以外の場合は、凹角コーナ部ではない(NO)。凹角コーナ部であれば、ステップSP13へ進み、そうでなければステップSP7へ進む。
●ステップSP7;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップSP8;ステップSP3で算出したi番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。
●ステップSP9;指標iを1アップする(i=i+1)。
●ステップSP10;i+1番目の移動ブロックの有無をチェックする。i+1番目の移動ブロックが無ければステップSP11へ進み、有ればステップSP4へ戻る。なお、最初のステップSP9においてはi=2となり、従って、ステップSP10では3番目の移動ブロックの有無をチェックしていることになる。
●ステップSP11;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップSP12;i番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。
●ステップSP13;円弧半径rkの円弧ブロックを移動ブロックBLiの終点側と移動ブロックBLi+1の始点側に挿入する。
●ステップSP14/SP15;円弧ブロックの挿入に伴って削除されるV字形状の直線区間の両端の点の内、i番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の終点となるように、i番目の移動ブロックの終点を補正する。同様に、同V字形状の直線区間の両端の点の内、i+1番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の始点となるように、i+1番目の移動ブロックの始点を補正する。図5を参照して説明すると、V字形状は指定された円弧半径rの円弧の左側のプログラム指令形状(オフセット前)の部分である。
●ステップSP16;ステップSP13で挿入された円弧ブロックとi番目の移動ブロックBLiにオフセット量δkでオフセット補正する。
●ステップSP17;ステップSP6で凹角コーナ部と判定されたコーナ部について、円弧経路の移動ブロック挿入の要否をチェックする。ステップSP1で読み込まれた円弧半径rkがオフセット量δkより大きいか否か判断し、大きい場合にはステップSP18へ進み、そうではない場合にはステップSP20へ進む。
●ステップSP18;i番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。なお、このステップで対象とする移動ブロックは、ステップSP15を経ているので、同ステップSP14で終点の補正がなされたものである。
●ステップSP19;挿入された円弧経路の移動ブロックの加工経路を記憶する。次のステップはステップSP9である。
●ステップSP20;円弧部分を削除し、ステップSP21へ進む。
●ステップSP21;i番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。次のステップは、ステップSP9である。
以上のサイクルをk=1、2・・・kfinalについて繰り返せば、円弧経路挿入を含む経路変更を希望する凹角コーナ部について、加工形状補正用円弧半径記憶手段7に予め格納された円弧形状の曲率半径rと、オフセット量記憶手段6に格納されたオフセット量とにより算出される円弧経路が挿入され、その加工経路が確定され、その加工経路に沿ってワイヤ電極が移動し、高精度な加工を実行することができる。
なお、ステップSP3,ステップSP4で読み込まれる移動ブロックが、ステップSP5で「互いに非平行な直線移動ブロック」であるか否か判断している。ここで、2つの移動ブロックが、直線移動ブロックと円弧移動ブロック、または、円弧移動ブロックと円弧移動ブロックで、交点における2つの移動ブロックの成す角度が180度以外の場合も、互いに非平行な2つの直線移動ブロックと同様に、非平行とみなす。
オフセット量を徐々に小さくして皮を剥くようにして繰り返して加工していく多重加工において、凹角コーナ部では角度が小さくなるほど加工量が増大し、加工が困難になる問題があったが、上述した本発明の実施形態は、凹角コーナ部に円弧を挿入して加工量の増大を防止し、加工精度を向上させることができた。図22は、非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナにおいて、凹角コーナ部の一部を削除して円弧を挿入することを説明する図である。ブロック1とブロック2とで凹角コーナを形成している。前述した本発明の実施形態では、図に示されるように円弧を挿入することができる。
凹角コーナ部は、上述した本発明の実施形態では、「非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹コーナ部」と定義されており、直線−直線、直線−円弧などの2つのブロックからなるコーナが対象であった。このため、直線―円弧−直線のような3つのブロックでコーナ部が形成されるような場合、上述した実施形態では円弧を挿入することができなかった。図23は3つ以上のブロックからなるコーナ部を認識できず、円弧を挿入できない場合を説明する図である。オフセット前のプログラム指令形状は、ブロック1とブロック2とブロック3とで凹角状の形状をなすものの、ブロック1とブロック2で形成される凹角形状と、ブロック2とブロック3とで形成される凹形状とは、上述した本発明の実施形態では凹角コーナ部と認識することはできなかった。
コーナ部のブロック数が3ブロック以上となり、そのコーナ部に円弧を挿入したい場合として、例えば、細いワイヤ、すなわち、小さな径補正量で加工することを前提として予めコーナRが挿入されているプログラムを、太いワイヤ、すなわち、大きな径補正量で加工する場合があげられる。換言すれば、挿入されているコーナRがワイヤ径に対して小さすぎる場合である。また、CAMが出力した実際には加工できない微細な形状がコーナ部に存在する場合である。
このように2ブロック以上からなるコーナ部の凹角コーナ部を判断する方法として、任意の2つのブロックの成す角度が、予め記憶した角度よりも小さい場合、その2つのブロック、および、それらの間にあるブロックを含めて、凹角コーナ部と判断し、2つ以上のブロックに跨る凹角コーナ部を削除して、円弧を挿入する。
図24は、3つ以上のブロックからなるコーナ部においても円弧の挿入が可能な方法を説明する図である。この方法では、各2ブロック間(隣り合ったブロックでなくてもよい)の角度が予め記憶した角度α(例えば、α=90度)よりも小さい場合に、凹角コーナ部と判断する。図24において、まず、ブロック1とブロック2の成す角aをチェックし、角aが角度αより大きいため、凹角コーナ部と判断しない。次に、ブロック1とブロック3の成す角bをチェックし、角bが角度αより小さいため、凹角コーナ部と判断する。その結果、ブロック1の終点側、ブロック3の始点側と、その間のブロック2を削除し、円弧を挿入する。なお、ブロック1とブロック3の成す角とは、ブロック1とブロック3とを延長して交差する角である。
図25は、ワイヤ径よりも小さいコーナRが既に挿入されている場合においても円弧の挿入が可能な方法を説明する図である。まず、ブロック1とブロック2の成す角aをチェックし、角aが角度αより大きいため、凹角コーナ部と判断しない。次に、ブロック1とブロック3の成す角bをチェックし、角bと角度αがより小さいため、凹角コーナ部と判断する。その結果、ブロック1の終点側、ブロック3の始点側、とその間のブロック2を削除し、円弧を挿入する。
図26は、2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を実行するワイヤカット放電加工機の概略構成を説明する図である。ワイヤカット放電加工機は、加工プログラム記憶手段1、加工プログラム解析手段2、加工形状作成手段3、円弧形状挿入手段4、加工経路作成手段5、オフセット量記憶手段6、加工形状補正用円弧半径記憶手段7、を備える。これらの各手段は、2つのブロックからなる凹角コーナ部に円弧を挿入する場合の本発明の実施形態で説明したのと同様である。
凹角コーナ部判定手段9は上述したように任意の2つのブロック間(隣り合ったブロックでなくてもよい)の角度が予め記憶した角度αより小さいか否かで凹角コーナ部であるか否か判断する手段である。また、凹角コーナ角度記憶手段10は、凹角コーナ部判定手段9で凹角コーナか否かを判定するときの判定基準の角度αを予め記憶しておく手段である。なお、2つのブロックが凹角コーナ部であるか否かを判断する実施形態を説明する図10や図20に示されるブロック図においても、図19や図21に示されるアルゴリズムのフローチャートの処理を実行することから、2つのブロックが凹角コーナ部を形成しているか否かを判断する判断手段を備えている。
図27は、2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●ステップSQ1;オフセット量δk、円弧半径rk、角度αを読み取る。δk、rkは、例えば、図16に示される指令により指定される。このステップSQ1の処理には、オフセット量δkの決定(オフセット量記憶手段6にアクセスして、指定されたオフセット量δkのデータを加工経路作成手段5に渡す)、及び、挿入する円弧半径の決定(加工形状補正用円弧半径記憶手段7にアクセスして、指定された円弧半径rkのデータを円弧形状挿入手段4に渡す)の処理が含まれる。角度αは凹角コーナ角度記憶手段10に記憶されており、ステップSQ1の処理には、凹角コーナ角度記憶手段10に記憶された角度αを凹角コーナ部判定手段9に渡す処理も含まれる。
●ステップSQ2;指標iを初期設定する(i←1)。
●ステップSQ3;i番目(即ち、1番目)の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップSQ4;オフセット量δk<円弧半径rkであるか否か判断し、オフセット量δkが円弧半径rkより小さい場合にはステップSQ5へ移行し、そうでない場合にはステップSQ12へ移行する。
●ステップSQ5;指標nを初期設定する(n←1)。指標nは、2つ以上の移動ブロックに跨る凹角コーナ部を判断するために用いる指標である。最大いくつの移動ブロックに跨るまで凹角コーナ部と判断するかはnの最大値nmaxとして予め設定しておく。nが2の場合には、2つの移動ブロックで形成される角が凹角コーナ部であるか否かが判断されることになる。nが2の場合には、図23に示されるように3つの移動ブロックから構成されるコーナ部を判断することになる。
●ステップSQ6;i+n番目の移動ブロックが存在するか否か判断し、存在する場合にはステップSQ7へ移行し、存在しない場合にはステップSQ12へ移行する。
●ステップSQ7;i+n番目の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップSQ8;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックの成す角度は予め設定された角度α以下か否か判断し、角度α以下である場合にはステップSQ9へ移行し、角度α以下ではない場合にはステップSQ10へ移行する。i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックとが成す角度は、両移動ブロックを表すベクトルの成す角度から求めることができる。2つのベクトルの成す角度はベクトルの内積演算を用いて求めることができる。
●ステップSQ9;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックが、凹角コーナ部であるか否か判定する。判定方法は記述のとおりである。ここでは、i番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)と、i+n番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)との外積から、角コーナ部を左折で回るのか、右折で回るのかを判断し、オフセット量δkが指定する経路シフトの方向(左側か右側か)との関係をチェックする。
判定結果が、「左折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向左側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。同様に、判定結果が、「右折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向右側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。それ以外の場合は、凹角コーナ部ではない(NO)。凹角コーナ部であれば、ステップSQ16へ移行し、そうでなければステップSQ10へ移行する。
●ステップSQ10;指標nを1アップする(n+1)。
●ステップSQ11;指標nは最大値nmaxより大きいか否か判断し、nmaxより大きければステップSQ12へ移行し、大きくなければステップSQ6へ移行する。
●ステップSQ12;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップSQ13;i番目の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。
●ステップSQ14;指標iを1アップする(i=i+1)。
●ステップSQ15;i番目の移動ブロックの有無をチェックする。i番目の移動ブロックが有ればステップSQ3へ戻り、無ければk回目の加工を終了する。
●ステップSQ16;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックとの間に円弧を挿入可能であるか否か判断し、挿入可能でない場合にはステップSQ10へ移行し、挿入可能な場合にはステップSQ17へ移行する。ステップSQ16における円弧を挿入可能かの判断は、図28、図29、図30、および図31を用いて後述して説明する。
●ステップSQ17;i番目の移動ブロックの終点補正を行う。
●ステップSQ18;i+1番目の移動ブロックからi+n−1番目の移動ブロックを削除する。
●ステップSQ19;i+n番目の移動ブロックの始点補正を行う。ステップSQ17〜SQ19において、円弧ブロックの挿入に伴って削除されるV字形状の直線区間の両端の点の内、i番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の終点となるように、i番目の移動ブロックの終点を補正する。同様に、同V字形状の直線区間の両端の点の内、i+n番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の始点となるように、i+n番目の移動ブロックの始点を補正する。図24を参照して説明すると、V字形状は指定された円弧半径rの円弧の左側のプログラム指令形状(オフセット前)の部分である。
●ステップSQ20;円弧半径rkの円弧ブロックを挿入する。
●ステップSQ21;i番目の移動ブロックと円弧ブロックのオフセット量δkによる補正を行う。
●ステップSQ22;i番目の移動ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。
●ステップSQ23;円弧ブロックの移動のための処理(補間、各軸サーボへの移動指令等の処理)を実行する。
●ステップSQ24;指標iをi+nとし、ステップSQ15へ移行する。
ここで図28〜図31を用いて、ステップSQ16におけるi番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックの間に円弧を挿入可能か否かの判断方法について補足して説明する。ステップSQ16において「i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックの間に円弧を挿入可能」と判断するのは、条件1および条件2を両方満たす場合である。
条件1:円弧を挿入する点が、円弧を挿入するi番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロック上にある。
条件2:挿入された円弧が、元の経路i+1番目からi+n−1番目と交点を持たない。但し、接している場合を除く。
図28は、条件1と条件2を満たす例を説明する図である。条件1および条件2を満たすので、この場合には円弧を挿入できる。点Aはi番目の移動ブロック上に挿入する円弧の始点であり、点Bはi+n番目の移動ブロック上に挿入する円弧の終点である。i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックの間の移動ブロックに、挿入する円弧が交点あるいは接点を持たない場合である。
図29は、条件1を満たさない例を説明する図である。この場合には円弧を挿入できない。円弧の始点Aはi番目の移動ブロック上になく、円弧の終点Bはi+n番目の移動ブロック上にない。
図30は、条件1は満たすが、条件2を満たさない例を説明する図である。この場合には円弧を挿入できない。円弧の始点Aはi番目の移動ブロック上にあり、円弧の終点Bはi+n番目の移動ブロック上にあるものの、挿入する円弧がi+1番目と交点を持つ場合である。
図31は、条件1および条件2を満たす他の場合を説明する図である。この場合は挿入する円弧がi+1番目の移動ブロックと接している場合である。
図27に示したフローチャートの処理を、図24と図25の移動ブロックに適用して補足して説明する。ここで、凹角コーナ角度記憶手段10に記憶されている角度αを90度とする。まず、図24では、ブロック1とブロック2の成す角aは90度より大きいことから、ステップSQ8からステップSQ10へ移行し、nの値を1つアップし2とし、nの値がnmaxより小さいとして(nmaxは2より大きいとして設定されているとして)、ステップSQ6へ戻り、ブロック3を読み込みブロック1とブロック3の成す角b(仮想的に成す角度である)が90度より小さいことから、ステップSQ9で凹角コーナ部か否か判断し、ステップSQ16で円弧を挿入可能か判断される。図25に示されるようにブロック2が円弧ブロックの場合にも同様に処理される。
以上のサイクルをk=1、2・・・kfinalについて繰り返せば、円弧経路挿入を含む経路変更を希望する凹角コーナ部について、加工形状補正用円弧半径記憶手段7に予め格納された円弧形状の曲率半径rと、オフセット量記憶手段6に格納されたオフセット量とにより算出される円弧経路が挿入され、その加工経路が確定され、その加工経路に沿ってワイヤ電極が移動し、高精度な加工を実行することができる。
なお、ステップSQ3,ステップSQ7で読み込まれる移動ブロックが、ステップSQ8で「互いの移動ブロックの成す角度が角度α以下か否か」であるか否か判断している。ここで、2つの移動ブロックが、直線移動ブロックと円弧移動ブロック、または、円弧移動ブロックと円弧移動ブロックで、交点(仮想上の交点も含む)における2つの移動ブロックの成す角度が角度α以下か否か判断する。
図32は、2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を、本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置の概略構成をブロック図で示したものである。
図32に示される任意の2つのブロック間(隣り合ったブロックでなくてもよい)の角度が予め記憶した角度より小さい場合の本発明の実施形態に係る加工経路作成装置は、加工プログラム記憶手段1、加工プログラム解析手段2、加工形状作成手段3、円弧形状挿入手段4、加工経路作成手段5、オフセット量記憶手段6、加工形状補正用円弧半径記憶手段7、加工経路記憶手段8、凹角コーナ部判定手段9、および凹角コーナ角度記憶手段10を備えている。
なお、加工経路作成装置はワイヤカット放電加工機の制御装置とは独立した演算処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて構成することができる。
図33は、2つ以上のブロックからなる凹角コーナ部の場合の処理を、ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置において凹角コーナ部を含む加工形状を多重加工で得る際の処理の概要を、円弧経路の挿入に関連する処理のアルゴリズムを中心に説明するフローチャートである。
●ステップSR1;オフセット量δk、円弧半径rk、角度αを読み取る。δk、rkは、例えば、図16に示される指令により指定される。このステップSR1の処理には、オフセット量δkの決定(オフセット量記憶手段6にアクセスして、指定されたオフセット量δkのデータを加工経路作成手段5に渡す)、及び、挿入する円弧半径の決定(加工形状補正用円弧半径記憶手段7にアクセスして、指定された円弧半径rkのデータを円弧形状挿入手段4に渡す)の処理が含まれる。角度αは凹角コーナ角度記憶手段10に記憶されており、ステップSR1の処理には、凹角コーナ角度記憶手段10に記憶された角度αを凹角コーナ部判定手段9に渡す処理も含まれる。
●ステップSR2;指標iを初期設定する(i←1)。
●ステップSR3;i番目(即ち、1番目)の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップSR4;オフセット量δk<円弧半径rkであるか否か判断し、オフセット量δkが円弧半径rkより小さい場合にはステップSR5へ移行し、そうでない場合にはステップSR12へ移行する。
●ステップSR5;指標nを初期設定する(n←1)。指標nは、2つ以上の移動ブロックに跨る凹角コーナ部を判断するために用いる指標である。最大いくつの移動ブロックに跨るまで凹角コーナ部と判断するかはnの最大値nmaxとして予め設定しておく。nが2の場合には、2つの移動ブロックで形成される角が凹角コーナ部であるか否かが判断されることになる。nが2の場合には、図23に示されるように3つの移動ブロックから構成されるコーナ部を判断することになる。
●ステップSR6;i+n番目の移動ブロックが存在するか否か判断し、存在する場合にはステップSR7へ移行し、存在しない場合にはステップSR12へ移行する。
●ステップSR7;i+n番目の移動ブロックを読み込み、解釈する。
●ステップSR8;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックの成す角度は予め設定された角度α以下か否か判断し、角度α以下である場合にはステップSR9へ移行し、角度α以下ではない場合にはステップSR10へ移行する。i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックとが成す角度は、両移動ブロックを表すベクトルの成す角度から求めることができる。2つのベクトルの成す角度はベクトルの内積演算を用いて求めることができる。
●ステップSR9;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックが、凹角コーナ部であるか否か判定する。判定方法は記述のとおりである。ここでは、i番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)と、i+n番目の移動ブロックを表すベクトル(向きは移動方向と一致)との外積から、角コーナ部を左折で回るのか、右折で回るのかを判断し、オフセット量δkが指定する経路シフトの方向(左側か右側か)との関係をチェックする。
判定結果が、「左折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向左側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。同様に、判定結果が、「右折」で且つオフセット量δkが指定する経路シフトが進行方向右側であれば、その角コーナ部は凹角コーナ部である(YES)。それ以外の場合は、凹角コーナ部ではない(NO)。凹角コーナ部であれば、ステップSR16へ移行し、そうでなければステップSR10へ移行する。
●ステップSR10;指標nを1アップする(n+1)。
●ステップSR11;指標nは最大値nmaxより大きいか否か判断し、nmaxより大きければステップSR12へ移行し、大きくなければステップSR6へ移行する。
●ステップSR12;移動ブロックBLiをオフセット量δkによりオフセット補正する。
●ステップSR13;i番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。
●ステップSR14;指標iを1アップする(i=i+1)。
●ステップSR15;i番目の移動ブロックの有無をチェックする。i番目の移動ブロックが有ればステップSR3へ戻り、無ければk回目の加工を終了する。
●ステップSR16;i番目の移動ブロックとi+n番目の移動ブロックとの間に円弧を挿入可能であるか否か判断し、挿入可能でない場合にはステップSR10へ移行し、挿入可能な場合にはステップSR17へ移行する。
●ステップSR17;i番目の移動ブロックの終点補正を行う。
●ステップSR18;i+1番目の移動ブロックからi+n−1番目の移動ブロックを削除する。
●ステップSR19;i+n番目の移動ブロックの始点補正を行う。ステップSR17〜SR19において、円弧ブロックの挿入に伴って削除されるV字形状の直線区間の両端の点の内、i番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の終点となるように、i番目の移動ブロックの終点を補正する。同様に、同V字形状の直線区間の両端の点の内、i+n番目の移動ブロックに対応する直線経路上のものが同直線経路の始点となるように、i+n番目の移動ブロックの始点を補正する。図24を参照して説明すると、V字形状は指定された円弧半径rの円弧の左側のプログラム指令形状(オフセット前)の部分である。
●ステップSR20;円弧半径rkの円弧ブロックを挿入する。
●ステップSR21;i番目の移動ブロックと円弧ブロックのオフセット量δkによる補正を行う。
●ステップSR22;i番目の移動ブロックの加工経路を記憶する。
●ステップSR23;挿入された円弧ブロックの移動ブロックを記憶する。
●ステップSR24;指標iをi+nとし、ステップSR15へ移行する。
以上のサイクルをk=1、2・・・kfinalについて繰り返せば、円弧経路挿入を含む経路変更を希望する凹角コーナ部について、加工形状補正用円弧半径記憶手段7に予め格納された円弧形状の曲率半径rと、オフセット量記憶手段6に格納されたオフセット量とにより算出される円弧経路が挿入され、その加工経路が確定され、その加工経路に沿ってワイヤ電極が移動し、高精度な加工を実行することができる。
なお、ステップSR3,ステップSR7で読み込まれる移動ブロックが、ステップSR8で「互いの移動ブロックの成す角度が角度α以下か否か」であるか否か判断している。ここで、2つの移動ブロックが、直線移動ブロックと円弧移動ブロック、または、円弧移動ブロックと円弧移動ブロックで、交点(仮想上の交点も含む)における2つの移動ブロックの成す角度が角度α以下か否か判断する。
なお、ステップSR16における円弧を挿入可能か否かの判断方法は、図27において図28〜図31を用いて説明した内容と同様である。
1 加工プログラム記憶手段
2 加工プログラム解析手段
3 加工形状作成手段
4 円弧形状挿入手段
5 加工経路作成手段
6 オフセット量記憶手段
7 加工形状補正用円弧半径記憶手段
8 加工経路記憶手段
9 凹角コーナ部判定手段
10 凹角コーナ角度記憶手段

Claims (10)

  1. ワイヤカット放電加工機の制御装置であって、
    加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、
    加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、
    前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、
    該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、
    前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、
    前記加工形状作成手段により作成された形状の1つの移動ブロックと該ブロックより予め定められた数以内の移動ブロックとの成す角度と、予め決められた角度とを順次比較し、移動ブロック同士の成す角度が前記予め決められた角度以下で、かつ、前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された円弧半径の円が挿入可能な場合に凹角コーナ部と判定する凹角コーナ部判定手段と、
    前記予め決められた角度を記憶する凹角コーナ角度記憶手段と、
    前記凹角コーナ部判定手段により凹角コーナ部であると判断された場合、当該凹角コーナ部を形成する各移動ブロックの一部または全部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、
    を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の制御装置。
  2. ワイヤカット放電加工機の制御装置であって、
    加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、
    加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、
    前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、
    該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、
    前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、
    前記加工形状作成手段により作成された形状が互いに非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナ部を有する加工形状の場合、当該凹角コーナ部側の各一部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、
    を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の制御装置。
  3. 前記円弧形状挿入手段によって補正された加工形状から、前記オフセット量記憶手段に記憶された前記ワイヤオフセット量の分だけオフセットした加工経路を作成する加工経路作成手段を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置。
  4. 前記円弧形状挿入手段により挿入する円弧形状の移動ブロックは、凹角コーナ部を形成する2つの移動ブロックに接するように挿入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置。
  5. 前記移動ブロックは直線移動ブロックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の制御装置。
  6. ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置であって、
    加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶手段と、
    加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、
    前記加工プログラム記憶手段に記憶されている加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、
    該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、
    前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、
    前記加工形状作成手段により作成された形状の1つの移動ブロックと該ブロックより予め定められた数以内の移動ブロックとの成す角度と、予め決められた角度とを順次比較し、移動ブロック同士の成す角度が前記予め決められた角度以下で、かつ、前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された円弧半径の円が挿入可能な場合に凹角コーナ部と判定する凹角コーナ部判定手段と、
    前記予め決められた角度を記憶する凹角コーナ角度記憶手段と、
    前記凹角コーナ部判定手段により凹角コーナ部であると判断された場合、当該凹角コーナ部を形成する各移動ブロックの一部または全部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、
    を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置。
  7. ワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置であって、
    加工回数毎のワイヤオフセット量を記憶するオフセット量記憶手段と、
    加工プログラムを解析する加工プログラム解析手段と、
    該加工プログラム解析手段による解析結果に基づいて被加工物の加工形状を作成する加工形状作成手段と、
    前記加工形状の補正を行うために用いる予め決められた円弧半径を記憶する加工形状補正用円弧半径記憶手段と、
    前記加工形状作成手段により作成された形状が互いに非平行な2つの移動ブロックが交わることで形成される凹角コーナ部を有する加工形状の場合、当該凹角コーナ部側の各一部を削除し、該削除された部分に前記加工形状補正用円弧半径記憶手段に記憶された前記円弧半径を持つ円弧形状の移動ブロックを挿入する円弧形状挿入手段と、
    を有することを特徴とするワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置。
  8. 前記円弧形状挿入手段によって補正された加工形状から、前記オフセット量記憶手段に記憶された前記ワイヤオフセット量の分だけオフセットした加工経路を作成する加工経路作成手段を有することを特徴とする請求項6または7のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置。
  9. 前記円弧形状挿入手段により挿入する円弧形状の移動ブロックは、凹角コーナ部を形成する2つの移動ブロックに接するように挿入することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置。
  10. 前記移動ブロックは直線移動ブロックであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載のワイヤカット放電加工機の加工経路作成装置。
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