JP2630684B2 - ワイヤ放電加工方法及びその装置 - Google Patents
ワイヤ放電加工方法及びその装置Info
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- JP2630684B2 JP2630684B2 JP3010296A JP1029691A JP2630684B2 JP 2630684 B2 JP2630684 B2 JP 2630684B2 JP 3010296 A JP3010296 A JP 3010296A JP 1029691 A JP1029691 A JP 1029691A JP 2630684 B2 JP2630684 B2 JP 2630684B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工精度を向上させ
つつ短時間に加工形状内円弧部を加工することができる
ワイヤ放電加工方法及びその装置に関するものである。
つつ短時間に加工形状内円弧部を加工することができる
ワイヤ放電加工方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のワイヤ放電加工装置を示
す構成図であり、図において、1はワイヤ電極、2は被
加工物、3は対向して設けられワイヤ電極1と被加工物
2間に形成される加工間隙に加工液4を供給する加工液
供給装置、5はワイヤ電極1と被加工物2間にパルス電
圧を印加する加工電源、6は被加工物2の加工部分、7
は被加工物2を載置するX−Yクロステーブル、8aは
X−Yクロステーブル7をX軸方向に自在に移動させる
為のX軸サーボモータ、8bはX−Yクロステーブル7
をY軸方向に自在に移動させる為のY軸サーボモータ、
9はX軸サーボモータ8a及びY軸サーボモータ8bの
駆動制御を行うサーボユニット、10はX−Yクロステ
ーブル7の移動量及び移動速度の制御情報をサーボユニ
ット9に出力する数値制御装置である。
す構成図であり、図において、1はワイヤ電極、2は被
加工物、3は対向して設けられワイヤ電極1と被加工物
2間に形成される加工間隙に加工液4を供給する加工液
供給装置、5はワイヤ電極1と被加工物2間にパルス電
圧を印加する加工電源、6は被加工物2の加工部分、7
は被加工物2を載置するX−Yクロステーブル、8aは
X−Yクロステーブル7をX軸方向に自在に移動させる
為のX軸サーボモータ、8bはX−Yクロステーブル7
をY軸方向に自在に移動させる為のY軸サーボモータ、
9はX軸サーボモータ8a及びY軸サーボモータ8bの
駆動制御を行うサーボユニット、10はX−Yクロステ
ーブル7の移動量及び移動速度の制御情報をサーボユニ
ット9に出力する数値制御装置である。
【0003】次に動作にについて説明する。周知の様
に、ワイヤ放電加工は図15に示す様なワイヤ放電加工
装置を用い、通常φ0.05mm〜0.3mm程度のワ
イヤ電極1と被加工物2とを対向させ、その間に形成さ
れる加工間隙に加工液供給装置3から加工液4を供給す
ると共に、ワイヤ電極1と被加工物2との間に加工電源
5からパルス電圧を印加して、上記加工間隙に連続的な
放電を繰り返し発生させつつ、X軸及びY軸サーボモー
タ8a,8bを介して被加工物2を載置したX−Yクロ
ステーブル7を移動させることにより、加工部分6を任
意に移動させて被加工物2を所定の輪郭形状に加工する
ものである。なお、X−Yクロステーブル7の移動量及
び移動速度は、数値制御装置10からサーボユニット9
に移動情報が送られ、その制御情報に基づいてサーボユ
ット9によってX軸及びY軸サーボモータ8a,8bが
制御され、所定の輪郭形状が加工される。
に、ワイヤ放電加工は図15に示す様なワイヤ放電加工
装置を用い、通常φ0.05mm〜0.3mm程度のワ
イヤ電極1と被加工物2とを対向させ、その間に形成さ
れる加工間隙に加工液供給装置3から加工液4を供給す
ると共に、ワイヤ電極1と被加工物2との間に加工電源
5からパルス電圧を印加して、上記加工間隙に連続的な
放電を繰り返し発生させつつ、X軸及びY軸サーボモー
タ8a,8bを介して被加工物2を載置したX−Yクロ
ステーブル7を移動させることにより、加工部分6を任
意に移動させて被加工物2を所定の輪郭形状に加工する
ものである。なお、X−Yクロステーブル7の移動量及
び移動速度は、数値制御装置10からサーボユニット9
に移動情報が送られ、その制御情報に基づいてサーボユ
ット9によってX軸及びY軸サーボモータ8a,8bが
制御され、所定の輪郭形状が加工される。
【0004】さて、ここで例えば図16に示す様に、ワ
イヤ電極1を経路A→C→Eと進行させて被加工物2の
コーナーを加工する場合、アウトコーナー部11a及び
インコーナー部11bに、実線で示す様な“だれ”を生
じることが知られている。この原因としてはワイヤ電極
1が非剛体であることが挙げられる。すなわち、ワイヤ
電極1と被加工物2間に生じる放電の反発力によって、
ワイヤ電極1に撓みが生じ、ワイヤ電極1の実際の動き
は経路A→B→D→Eの様に移動する為に、アウトコー
ナー部11aにおいては余分に加工され、又インコーナ
ー部11bにおいては加工残りが生じてしまう為であ
る。又、この“だれ”の大きさは放電の反発力が大きく
なる程、すなわち加工速度が速くなる程大きくなり、通
常の荒加工では数10μm〜数100μm程度になる。
イヤ電極1を経路A→C→Eと進行させて被加工物2の
コーナーを加工する場合、アウトコーナー部11a及び
インコーナー部11bに、実線で示す様な“だれ”を生
じることが知られている。この原因としてはワイヤ電極
1が非剛体であることが挙げられる。すなわち、ワイヤ
電極1と被加工物2間に生じる放電の反発力によって、
ワイヤ電極1に撓みが生じ、ワイヤ電極1の実際の動き
は経路A→B→D→Eの様に移動する為に、アウトコー
ナー部11aにおいては余分に加工され、又インコーナ
ー部11bにおいては加工残りが生じてしまう為であ
る。又、この“だれ”の大きさは放電の反発力が大きく
なる程、すなわち加工速度が速くなる程大きくなり、通
常の荒加工では数10μm〜数100μm程度になる。
【0005】又、同様の理由により図17に示す様な微
小円弧コーナーを、ワイヤ電極1を経路A→B→F→D
→Eと進行させて加工する場合にも、ワイヤ電極1の実
際の動きは経路A→B→G→D→Eと移動する為に、上
記同様アウトコーナー部11a、インコーナー部11b
において“だれ”が生ずることになる。この“だれ”の
大きさは円弧半径が小さい程大きくなり、ある程度この
円弧半径が大きくなると“だれ”の大きさは小さくな
る。以上の様な傾向からこれらの“だれ”が問題になる
のは、特に2直線、又は直線と円弧から形成されるエッ
ジコーナー、あるいは微小円弧コーナーの場合である。
小円弧コーナーを、ワイヤ電極1を経路A→B→F→D
→Eと進行させて加工する場合にも、ワイヤ電極1の実
際の動きは経路A→B→G→D→Eと移動する為に、上
記同様アウトコーナー部11a、インコーナー部11b
において“だれ”が生ずることになる。この“だれ”の
大きさは円弧半径が小さい程大きくなり、ある程度この
円弧半径が大きくなると“だれ”の大きさは小さくな
る。以上の様な傾向からこれらの“だれ”が問題になる
のは、特に2直線、又は直線と円弧から形成されるエッ
ジコーナー、あるいは微小円弧コーナーの場合である。
【0006】さて、ワイヤ放電加工により加工するコー
ナーには、この図16に示すシャープエッジコーナー
と、図17に示す円弧コーナーとがあるが、ワイヤ放電
加工の場合にコーナーは必ず円弧となる為、ほとんどの
場合コーナー部を加工するに当たっては、アウトコーナ
ー部11a、インコーナー部11b共にそれぞれコーナ
ー部に、微小円弧(以下コーナーRという:通常R=
0.1mm〜0.3mm程度である)を挿入して加工を
行っている。
ナーには、この図16に示すシャープエッジコーナー
と、図17に示す円弧コーナーとがあるが、ワイヤ放電
加工の場合にコーナーは必ず円弧となる為、ほとんどの
場合コーナー部を加工するに当たっては、アウトコーナ
ー部11a、インコーナー部11b共にそれぞれコーナ
ー部に、微小円弧(以下コーナーRという:通常R=
0.1mm〜0.3mm程度である)を挿入して加工を
行っている。
【0007】そこで、このコーナーR部の“だれ”を改
善する必要が生ずるが、ワイヤ放電加工においては、加
工精度を向上させる為に、通称荒加工を行った後に同一
の経路情報により、加工条件、及び経路補正値(オフセ
ットともいう)のみを変更して、仕上げ加工を行うセカ
ンドカット加工法が用いられており、この加工法によれ
ば、被加工物2のコーナー形状精度を、向上させること
ができることが知られている。この理由としては、仕上
げ加工として荒加工に続いて行われるセカンドカット加
工における加工代が微小(通常5μm〜10μm程度)
である為、放電によって生ずる反発力も荒加工のそれに
比してはるかに小さくなり、その結果ワイヤ電極1の撓
みも、それに伴って小さくなるので、仕上げ加工時のコ
ーナー部における“だれ”は、荒加工時のそれより必ず
小さくなり、徐々にコーナー部の“だれ”の修正を行う
ことができる為である。
善する必要が生ずるが、ワイヤ放電加工においては、加
工精度を向上させる為に、通称荒加工を行った後に同一
の経路情報により、加工条件、及び経路補正値(オフセ
ットともいう)のみを変更して、仕上げ加工を行うセカ
ンドカット加工法が用いられており、この加工法によれ
ば、被加工物2のコーナー形状精度を、向上させること
ができることが知られている。この理由としては、仕上
げ加工として荒加工に続いて行われるセカンドカット加
工における加工代が微小(通常5μm〜10μm程度)
である為、放電によって生ずる反発力も荒加工のそれに
比してはるかに小さくなり、その結果ワイヤ電極1の撓
みも、それに伴って小さくなるので、仕上げ加工時のコ
ーナー部における“だれ”は、荒加工時のそれより必ず
小さくなり、徐々にコーナー部の“だれ”の修正を行う
ことができる為である。
【0008】通常セカンドカット加工を自動的に行うに
は、メインプログラムに加工速度、加工条件、経路補正
及びサブプログラム呼び出し等を記述し、このサブプロ
グラムに加工開始点から加工終了点までの、ワイヤ電極
1と被加工物2との相対移動命令を記述し、このメイン
プログラムに従って所定の加工が実行される。この様な
加工法の一例として、プログラム指令により荒加工(フ
ァーストカット加工)から仕上げ加工(セカンドカット
加工)までを自動的に行うセカンドカット加工法が、特
開昭57−102724号公報に開示されている。
は、メインプログラムに加工速度、加工条件、経路補正
及びサブプログラム呼び出し等を記述し、このサブプロ
グラムに加工開始点から加工終了点までの、ワイヤ電極
1と被加工物2との相対移動命令を記述し、このメイン
プログラムに従って所定の加工が実行される。この様な
加工法の一例として、プログラム指令により荒加工(フ
ァーストカット加工)から仕上げ加工(セカンドカット
加工)までを自動的に行うセカンドカット加工法が、特
開昭57−102724号公報に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤ放電加工
方法は以上の様に行われているので、図18に示す様に
荒加工後の“だれ”の大きさL1は、仕上げ加工時の加
工代に比較して非常に大きくなり、荒加工時と仕上げ加
工時のオフセット差が,この“だれ”の大きさL1より
小さい場合には、アウトコーナー部11aにおいて、荒
加工時に“だれ”として加工されてしまった部分の修正
を行うことが不可能になり、その結果加工精度を低下さ
せることになる。
方法は以上の様に行われているので、図18に示す様に
荒加工後の“だれ”の大きさL1は、仕上げ加工時の加
工代に比較して非常に大きくなり、荒加工時と仕上げ加
工時のオフセット差が,この“だれ”の大きさL1より
小さい場合には、アウトコーナー部11aにおいて、荒
加工時に“だれ”として加工されてしまった部分の修正
を行うことが不可能になり、その結果加工精度を低下さ
せることになる。
【0010】また、この不具合を回避してアウトコーナ
ー部11aを、“だれ”のないコーナー形状に仕上げる
には、荒加工時のオフセット量を“だれ”の大きさL1
に応じて大きくとらなければならない為、仕上げ加工時
の加工量あるいは加工回数を増大させねばならず、それ
に伴って総加工時間も増大してしまい、加工効率の低下
をきたすことになる。更に、荒加工後のインコーナー部
11bを仕上げ加工するに当たっては、荒加工時の“だ
れ”を除去せねばならない為、その加工量が増大し、荒
加工に比して弱い加工条件を用いる仕上げ加工に当たっ
ては、インコーナー部11bにおける取り量が増加する
と、加工が不安定になり易く、その結果加工精度を低下
させることになり、加えて、仕上げ加工によって上記の
様にアウトコーナー部11aにおける“だれ”を修正す
る為に、オフセット量を大きくとった場合には、上記同
様、仕上げ加工時における総加工時間が更に増大して、
加工効率を低下させてしまうといった課題があった。
ー部11aを、“だれ”のないコーナー形状に仕上げる
には、荒加工時のオフセット量を“だれ”の大きさL1
に応じて大きくとらなければならない為、仕上げ加工時
の加工量あるいは加工回数を増大させねばならず、それ
に伴って総加工時間も増大してしまい、加工効率の低下
をきたすことになる。更に、荒加工後のインコーナー部
11bを仕上げ加工するに当たっては、荒加工時の“だ
れ”を除去せねばならない為、その加工量が増大し、荒
加工に比して弱い加工条件を用いる仕上げ加工に当たっ
ては、インコーナー部11bにおける取り量が増加する
と、加工が不安定になり易く、その結果加工精度を低下
させることになり、加えて、仕上げ加工によって上記の
様にアウトコーナー部11aにおける“だれ”を修正す
る為に、オフセット量を大きくとった場合には、上記同
様、仕上げ加工時における総加工時間が更に増大して、
加工効率を低下させてしまうといった課題があった。
【0011】この発明は上記の様な課題を解決する為に
なされたもので、円弧部の加工を高精度且つ効率良く行
うことができる放電加工方法及びその装置を得ることを
目的とする。
なされたもので、円弧部の加工を高精度且つ効率良く行
うことができる放電加工方法及びその装置を得ることを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、仕上げ加
工経路情報と仕上げ加工経路をオフセットさせた荒加工
経路情報を有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続
いて前記仕上げ加工経路情報に基づく仕上げ加工を行
い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放電加工方
法において、荒加工か否かを判別し、その結果が荒加工
であれば、荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予
め設定された基準半径とを比較し、上記円弧経路の円弧
半径が基準半径以下であれば、上記円弧経路を、該円弧
経路の円弧の両端において該円弧に接する2直線によっ
て形成されるコーナー形状に変換して荒加工するもので
ある。
工経路情報と仕上げ加工経路をオフセットさせた荒加工
経路情報を有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続
いて前記仕上げ加工経路情報に基づく仕上げ加工を行
い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放電加工方
法において、荒加工か否かを判別し、その結果が荒加工
であれば、荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予
め設定された基準半径とを比較し、上記円弧経路の円弧
半径が基準半径以下であれば、上記円弧経路を、該円弧
経路の円弧の両端において該円弧に接する2直線によっ
て形成されるコーナー形状に変換して荒加工するもので
ある。
【0013】第2の発明は、仕上げ加工経路情報と仕上
げ加工経路をオフセットさせた複数の荒加工経路情報を
有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ
加工を行い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放
電加工方法において、荒加工経路内にある円弧経路のう
ち、その円弧の半径が予め設定された基準半径以下の円
弧経路について、該円弧経路を、上記円弧の両端におい
て該円弧に接する2直線によって形成されるコーナー形
状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円弧からなる円
弧経路に変換し、該変更後の荒加工経路で加工するもの
である。
げ加工経路をオフセットさせた複数の荒加工経路情報を
有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ
加工を行い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放
電加工方法において、荒加工経路内にある円弧経路のう
ち、その円弧の半径が予め設定された基準半径以下の円
弧経路について、該円弧経路を、上記円弧の両端におい
て該円弧に接する2直線によって形成されるコーナー形
状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円弧からなる円
弧経路に変換し、該変更後の荒加工経路で加工するもの
である。
【0014】第3の発明は、上記変更後の荒加工経路の
円弧を、使用するワイヤ電極の外径、今回の加工間隙及
び次回の加工間隙に基づいて、次回の加工で所望の形状
に修正可能な、最少の円弧とするものである。
円弧を、使用するワイヤ電極の外径、今回の加工間隙及
び次回の加工間隙に基づいて、次回の加工で所望の形状
に修正可能な、最少の円弧とするものである。
【0015】第4の発明は、仕上げ加工経路情報と仕上
げ加工経路をオフセットさせた荒加工経路情報を有し、
該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて前記仕上げ加
工経路情報に基づく仕上げ加工を行い、被加工物を所定
の形状に加工するワイヤ放電加工方法において、荒加工
か否かを判別する判別手段と、荒加工経路内にある円弧
経路の円弧半径と予め設定された基準半径とを比較する
比較処理部、及び上記それぞれの結果が荒加工且つ円弧
経路の円弧半径が基準半径以下である場合に、上記円弧
経路を、該円弧経路の円弧の両端において該円弧に接す
る2直線によって形成されるコーナー形状経路に変換す
る変換処理部とからなる演算処理手段とを備えたもので
ある。
げ加工経路をオフセットさせた荒加工経路情報を有し、
該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて前記仕上げ加
工経路情報に基づく仕上げ加工を行い、被加工物を所定
の形状に加工するワイヤ放電加工方法において、荒加工
か否かを判別する判別手段と、荒加工経路内にある円弧
経路の円弧半径と予め設定された基準半径とを比較する
比較処理部、及び上記それぞれの結果が荒加工且つ円弧
経路の円弧半径が基準半径以下である場合に、上記円弧
経路を、該円弧経路の円弧の両端において該円弧に接す
る2直線によって形成されるコーナー形状経路に変換す
る変換処理部とからなる演算処理手段とを備えたもので
ある。
【0016】第5の発明は、仕上げ加工経路情報と仕上
げ加工経路をオフセットさせた複数の荒加工経路情報を
有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ
加工を行い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放
電加工装置において、加工回数を判別する判別手段と、
荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定され
た基準半径とを比較する比較部、及び上記判別手段と上
記比較部での結果が所定の加工回数であり且つ上記円弧
半径が基準半径以下である場合に、上記円弧経路を、上
記円弧の両端において該円弧に接する2直線によって形
成されるコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小
さい円弧からなる円弧経路に変換する変換処理部とから
なる演算処理手段とを備えたものである。
げ加工経路をオフセットさせた複数の荒加工経路情報を
有し、該荒加工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ
加工を行い、被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放
電加工装置において、加工回数を判別する判別手段と、
荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定され
た基準半径とを比較する比較部、及び上記判別手段と上
記比較部での結果が所定の加工回数であり且つ上記円弧
半径が基準半径以下である場合に、上記円弧経路を、上
記円弧の両端において該円弧に接する2直線によって形
成されるコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小
さい円弧からなる円弧経路に変換する変換処理部とから
なる演算処理手段とを備えたものである。
【0017】
【作用】第1の発明においては、仕上げ加工に先立って
行われる荒加工の段階で、荒加工経路内にある円弧経路
の円弧半径が予め設定されている基準半径以下であれ
ば、上記円弧経路を、該円弧経路の円弧の両端において
該円弧に接する2直線によって形成されるコーナー形状
に変換して加工し、荒加工時における上記円弧経路部の
“だれ”を抑制する。
行われる荒加工の段階で、荒加工経路内にある円弧経路
の円弧半径が予め設定されている基準半径以下であれ
ば、上記円弧経路を、該円弧経路の円弧の両端において
該円弧に接する2直線によって形成されるコーナー形状
に変換して加工し、荒加工時における上記円弧経路部の
“だれ”を抑制する。
【0018】第2の発明においては、荒加工経路内にあ
る円弧経路のうち、その円弧の半径が予め設定された基
準半径以下の円弧経路について、該円弧経路を、上記円
弧の両端において該円弧に接する2直線によって形成さ
れるコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい
円弧からなる円弧経路に変換し、該変更後の荒加工経路
で加工することによって、上記円弧経路部の“だれ”を
抑制する。
る円弧経路のうち、その円弧の半径が予め設定された基
準半径以下の円弧経路について、該円弧経路を、上記円
弧の両端において該円弧に接する2直線によって形成さ
れるコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい
円弧からなる円弧経路に変換し、該変更後の荒加工経路
で加工することによって、上記円弧経路部の“だれ”を
抑制する。
【0019】第3の発明においては、変更後の荒加工経
路の円弧を、使用するワイヤ電極の外径、今回の加工間
隙及び次回の加工間隙に基づいて、次回の加工で所望の
形状に修正可能な、最少の円弧とすることによって、
“だれ”を抑制しつつ次回加工で所望の形状に修正でき
るようにし、効率的な加工を実現する。
路の円弧を、使用するワイヤ電極の外径、今回の加工間
隙及び次回の加工間隙に基づいて、次回の加工で所望の
形状に修正可能な、最少の円弧とすることによって、
“だれ”を抑制しつつ次回加工で所望の形状に修正でき
るようにし、効率的な加工を実現する。
【0020】第4の発明においては、判別手段によって
荒加工か否かを判別し、演算処理手段の比較部によって
荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定され
た基準半径とを比較し、及び変換処理部によって上記そ
れぞれの結果が荒加工且つ円弧経路の円弧半径が基準半
径以下である場合に、上記円弧経路を、該円弧経路の円
弧の両端において該円弧に接する2直線によって形成さ
れるコーナー形状経路に変換することによって、荒加工
時における上記円弧経路の“だれ”を抑制する。
荒加工か否かを判別し、演算処理手段の比較部によって
荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定され
た基準半径とを比較し、及び変換処理部によって上記そ
れぞれの結果が荒加工且つ円弧経路の円弧半径が基準半
径以下である場合に、上記円弧経路を、該円弧経路の円
弧の両端において該円弧に接する2直線によって形成さ
れるコーナー形状経路に変換することによって、荒加工
時における上記円弧経路の“だれ”を抑制する。
【0021】第5の発明においては、判別手段及び演算
処理手段の比較部の結果が、予め定めた所定の加工回数
であり且つ円弧半径が基準半径以下であれば、演算処理
手段の変換処理部で、上記円弧経路を、上記円弧の両端
において該円弧に接する2直線によって形成されるコー
ナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円弧から
なる円弧経路に変換することによって上記円弧経路の
“だれ”を抑制する。
処理手段の比較部の結果が、予め定めた所定の加工回数
であり且つ円弧半径が基準半径以下であれば、演算処理
手段の変換処理部で、上記円弧経路を、上記円弧の両端
において該円弧に接する2直線によって形成されるコー
ナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円弧から
なる円弧経路に変換することによって上記円弧経路の
“だれ”を抑制する。
【0022】
【実施例】図1は、第1及び第4の発明の一実施例を実
現する為の数値制御装置のブロック図である。図におい
て、101は種々のプログラムを記憶しておくプログラ
ムメモリ、102はNCテープ、103はNCテープ1
02の内容を読み取るテープリーダ、104は演算処理
手段であって、コーナー形状の円弧半径と所定値とを比
較する比較処理部、及び上記コーナー形状を2直線によ
って形成されるコーナー形状に変換する変換処理部とを
有すると共に、各種演算処理を実行する演算処理部、1
05は経路演算に用いる座標値等を格納しておく作業メ
モリ、106は判別手段に相当し、その内容により種々
の制御を実行させるスイッチ機能を有するデータを格納
しておく変数メモリ、107は演算処理部104から送
られてくるX方向、Y方向の移動量△x、△yを基にパ
ルス分配演算を実行し、X軸、Y軸の分配パルスPx、
Pyを生成するパルス分配器、108は装置外部から各
種指令等を入力する操作盤、9aは上記分配パルスPx
に基づきX軸サーボモータ8aを駆動するX軸サーボユ
ニット、9bは上記分配パルスPyに基づきY軸サーボ
モータ8bを駆動するY軸サーボユニットである。
現する為の数値制御装置のブロック図である。図におい
て、101は種々のプログラムを記憶しておくプログラ
ムメモリ、102はNCテープ、103はNCテープ1
02の内容を読み取るテープリーダ、104は演算処理
手段であって、コーナー形状の円弧半径と所定値とを比
較する比較処理部、及び上記コーナー形状を2直線によ
って形成されるコーナー形状に変換する変換処理部とを
有すると共に、各種演算処理を実行する演算処理部、1
05は経路演算に用いる座標値等を格納しておく作業メ
モリ、106は判別手段に相当し、その内容により種々
の制御を実行させるスイッチ機能を有するデータを格納
しておく変数メモリ、107は演算処理部104から送
られてくるX方向、Y方向の移動量△x、△yを基にパ
ルス分配演算を実行し、X軸、Y軸の分配パルスPx、
Pyを生成するパルス分配器、108は装置外部から各
種指令等を入力する操作盤、9aは上記分配パルスPx
に基づきX軸サーボモータ8aを駆動するX軸サーボユ
ニット、9bは上記分配パルスPyに基づきY軸サーボ
モータ8bを駆動するY軸サーボユニットである。
【0023】次に動作について説明する。与えられた加
工形状をセカンドカット加工(サードカット加工を含
む)する場合のプロセスの主要動作は、図2のフローチ
ャートに示す如くである。すなわち、ステップS1に示
す様に加工が開始されると、ステップS2において加工
対象軌跡がコーナー部であるかどうかの判別がなされ、
該判別結果がコーナー部でなければ、ステップS3に移
行して、通常の経路補正による加工が実行される。この
通常の経路補正とは、図10に示すように、最終形状に
対しワイヤ径と加工間隙の和の分だけオフセットさせて
加工経路を補正し、又円弧コーナー部では、プログラム
形状の円弧の同心円によって経路補正するものである。
工形状をセカンドカット加工(サードカット加工を含
む)する場合のプロセスの主要動作は、図2のフローチ
ャートに示す如くである。すなわち、ステップS1に示
す様に加工が開始されると、ステップS2において加工
対象軌跡がコーナー部であるかどうかの判別がなされ、
該判別結果がコーナー部でなければ、ステップS3に移
行して、通常の経路補正による加工が実行される。この
通常の経路補正とは、図10に示すように、最終形状に
対しワイヤ径と加工間隙の和の分だけオフセットさせて
加工経路を補正し、又円弧コーナー部では、プログラム
形状の円弧の同心円によって経路補正するものである。
【0024】この判別結果がコーナー部である場合に
は、ステップS4に移行して該コーナー部の円弧の半径
rが演算される。続いてステップS5において、現在行
われている加工が荒加工かどうかの判別がなされ、該判
別結果が荒加工でなければ、ステップS3に移行する。
該判別結果が荒加工である場合には、ステップS6に移
行してステップS4で演算された円弧の半径rと、所定
値として予め設定されている基準半径Rとが比較され、
上記円弧の半径rが基準半径Rよりも大きい場合にはス
テップS3に移行する。基準半径Rは例えば、ワイヤ径
以上で、1.0mm以下の範囲に定まる。上記円弧の半
径rが基準半径R以下である場合には、ステップS7に
移行して上記円弧の半径rを有するコーナー部を、円弧
の始点及び終点で該円弧に接する直線によって形成され
るコーナー形状に変換して加工を行なう。以上の動作を
プログラムエンド迄繰り返して実行し、ステップS8に
示すようにプログラムエンドが確認された時点で、加工
を終了する。
は、ステップS4に移行して該コーナー部の円弧の半径
rが演算される。続いてステップS5において、現在行
われている加工が荒加工かどうかの判別がなされ、該判
別結果が荒加工でなければ、ステップS3に移行する。
該判別結果が荒加工である場合には、ステップS6に移
行してステップS4で演算された円弧の半径rと、所定
値として予め設定されている基準半径Rとが比較され、
上記円弧の半径rが基準半径Rよりも大きい場合にはス
テップS3に移行する。基準半径Rは例えば、ワイヤ径
以上で、1.0mm以下の範囲に定まる。上記円弧の半
径rが基準半径R以下である場合には、ステップS7に
移行して上記円弧の半径rを有するコーナー部を、円弧
の始点及び終点で該円弧に接する直線によって形成され
るコーナー形状に変換して加工を行なう。以上の動作を
プログラムエンド迄繰り返して実行し、ステップS8に
示すようにプログラムエンドが確認された時点で、加工
を終了する。
【0025】次に、図3に示すNCプログラムを用い、
図4に示す様な形状を加工する場合を例にとり、上記プ
ロセスを更に詳細に説明する。図3において、(1)は
プログラム名がL1000で示されるメインプログラ
ム、(2),(4),(6)はH100で表わされ加工
回数が代入される変数、(3),(5),(7)はそれ
ぞれファーストカット加工、セカンドカット加工、及び
サードカット加工のNCデータを示し、文字列Fは加工
速度、Eは加工条件、H1は経路補正値を代入する変
数、G22はサブプログラムを呼び出す命令コードであ
る。(8)はプログラム名がL2000で示されるサブ
プログラム、(9)はM80が加工液4の供給、M82
がワイヤ電極1の送り、M84が加工電源5の投入をそ
れぞれ指令する命令コード、(10)はG01が直線移
動、G02が円弧移動をそれぞれ指令する命令コード、
(11)はM85が加工電源5の切り、M83がワイヤ
電極1の送り切り、M81が加工液4の供給切りをそれ
ぞれ指令する命令コード、(12)はG23で表わされ
メインプログラムL1000への復帰を指令する命令コ
ードである。
図4に示す様な形状を加工する場合を例にとり、上記プ
ロセスを更に詳細に説明する。図3において、(1)は
プログラム名がL1000で示されるメインプログラ
ム、(2),(4),(6)はH100で表わされ加工
回数が代入される変数、(3),(5),(7)はそれ
ぞれファーストカット加工、セカンドカット加工、及び
サードカット加工のNCデータを示し、文字列Fは加工
速度、Eは加工条件、H1は経路補正値を代入する変
数、G22はサブプログラムを呼び出す命令コードであ
る。(8)はプログラム名がL2000で示されるサブ
プログラム、(9)はM80が加工液4の供給、M82
がワイヤ電極1の送り、M84が加工電源5の投入をそ
れぞれ指令する命令コード、(10)はG01が直線移
動、G02が円弧移動をそれぞれ指令する命令コード、
(11)はM85が加工電源5の切り、M83がワイヤ
電極1の送り切り、M81が加工液4の供給切りをそれ
ぞれ指令する命令コード、(12)はG23で表わされ
メインプログラムL1000への復帰を指令する命令コ
ードである。
【0026】さて、図4に示す形状をセカンドカット加
工により加工するには、先ずテープリーダ103によ
り、メインプログラムL1000、及びサブプログラム
L2000の内容を読み取って、プログラムメモリ10
1に格納する。続いて、操作盤108を介してメインプ
ログラムL1000の実行が指令されると、演算処理部
104がプログラム名に基づいてプログラム判別を実行
し、そのプログラムデータに基づきメインプログラムL
1000の処理を開始する。続いて、(2)に示す様
に、変数H100の内容が1回目の加工を示す“1”に
設定されているので、この場合の加工はファーストカッ
ト加工であると判別される。続いて、文字列F及びEに
て設定された加工速度及び加工条件が、a1及びb1に
セットされると共に、コーナー変換処理スイッチ用の変
数H1に経路補正値c1が代入される。
工により加工するには、先ずテープリーダ103によ
り、メインプログラムL1000、及びサブプログラム
L2000の内容を読み取って、プログラムメモリ10
1に格納する。続いて、操作盤108を介してメインプ
ログラムL1000の実行が指令されると、演算処理部
104がプログラム名に基づいてプログラム判別を実行
し、そのプログラムデータに基づきメインプログラムL
1000の処理を開始する。続いて、(2)に示す様
に、変数H100の内容が1回目の加工を示す“1”に
設定されているので、この場合の加工はファーストカッ
ト加工であると判別される。続いて、文字列F及びEに
て設定された加工速度及び加工条件が、a1及びb1に
セットされると共に、コーナー変換処理スイッチ用の変
数H1に経路補正値c1が代入される。
【0027】続いて、演算処理部104により命令コー
ドG22が判別されると、それに続くサブプログラムL
2000の読み出しが実行される。サブプログラムL2
000が読み出されると、命令コードM80,M82及
びM84が判別されて、加工液4の供給、ワイヤ電極1
の送りが開始されると共に、ワイヤ電極1と被加工物2
間にパルス電圧が印加され、又、次の移動指令に従って
ワイヤ電極1と被加工物2との相対移動が開始されて放
電加工が実行される。すなわち、先ず命令コードG92
が判別されると、(X0、Y0)が作業メモリ105の
加工開始点エリア(Xs、Ys)に書き込まれる。続い
て、命令コードG01が判別され、△x1、△y1が作
業メモリ105の直線移動量エリア(△xa、△ya)
に書き込まれ、同時にパルス分配器107にも入力され
る。パルス分配器107は直線移動量エリア(△xa、
△ya)の内容に基づいてパルス分配演算を実行し、X
軸及びY軸の分配パルスを、それぞれX軸サーボユニッ
ト9a及びY軸サーボユニット9bに入力する。これら
X軸サーボユット9a及びY軸サーボユニット9bによ
って、X軸サーボモータ8a及びY軸サーボモータ8b
が駆動され、この駆動力によりX−Yクロステーブル7
が移動して、図4に示す経路P0→P1が加工される。
ドG22が判別されると、それに続くサブプログラムL
2000の読み出しが実行される。サブプログラムL2
000が読み出されると、命令コードM80,M82及
びM84が判別されて、加工液4の供給、ワイヤ電極1
の送りが開始されると共に、ワイヤ電極1と被加工物2
間にパルス電圧が印加され、又、次の移動指令に従って
ワイヤ電極1と被加工物2との相対移動が開始されて放
電加工が実行される。すなわち、先ず命令コードG92
が判別されると、(X0、Y0)が作業メモリ105の
加工開始点エリア(Xs、Ys)に書き込まれる。続い
て、命令コードG01が判別され、△x1、△y1が作
業メモリ105の直線移動量エリア(△xa、△ya)
に書き込まれ、同時にパルス分配器107にも入力され
る。パルス分配器107は直線移動量エリア(△xa、
△ya)の内容に基づいてパルス分配演算を実行し、X
軸及びY軸の分配パルスを、それぞれX軸サーボユニッ
ト9a及びY軸サーボユニット9bに入力する。これら
X軸サーボユット9a及びY軸サーボユニット9bによ
って、X軸サーボモータ8a及びY軸サーボモータ8b
が駆動され、この駆動力によりX−Yクロステーブル7
が移動して、図4に示す経路P0→P1が加工される。
【0028】続く次行も命令コードG01であるので、
上記と同様の処理が行われて経路P1→P2の加工が行
われる。そして、次の命令コードG02が判別された時
点で、変数メモリ106の中のコーナー変換処理スイッ
チ用の変数H100の内容が“1”であるかどうかが判
別される。その結果、この場合コーナー変換処理スイッ
チ用の変数H100の内容は“1”であるから、先ず、
作業メモリ105の円弧移動量エリア(△Xb、△Y
b、△i、△j)に命令コードG02に続くデータが記
憶され、更に次行の命令コードG01に続くデータが作
業メモリ105の(Xc、Yc)に記憶される。そし
て、円弧移動量エリア(△Xb、△Yb、△i、△j)
に記憶された△i、△jから円弧の半径rが演算され、
その結果が作業メモリ105の半径データエリアに書き
込まれる。
上記と同様の処理が行われて経路P1→P2の加工が行
われる。そして、次の命令コードG02が判別された時
点で、変数メモリ106の中のコーナー変換処理スイッ
チ用の変数H100の内容が“1”であるかどうかが判
別される。その結果、この場合コーナー変換処理スイッ
チ用の変数H100の内容は“1”であるから、先ず、
作業メモリ105の円弧移動量エリア(△Xb、△Y
b、△i、△j)に命令コードG02に続くデータが記
憶され、更に次行の命令コードG01に続くデータが作
業メモリ105の(Xc、Yc)に記憶される。そし
て、円弧移動量エリア(△Xb、△Yb、△i、△j)
に記憶された△i、△jから円弧の半径rが演算され、
その結果が作業メモリ105の半径データエリアに書き
込まれる。
【0029】
【数1】
【0030】そして、予め変数メモリ106の変数H1
01に設定されている基準半径Rと、演算された円弧の
半径rとが比較され、その結果がr≦Rであれば次に示
すコーナー処理が行われる。すなわち、現時点において
は、作業メモリ105の加工開始点エリア(Xs、Y
s)には点P1の座標値、つまり(X0+△x1、Y0
+△y1)が記憶されており、又、直線移動量エリア
(△xa、△ya)には(△x2、△y2)が記憶され
ている。
01に設定されている基準半径Rと、演算された円弧の
半径rとが比較され、その結果がr≦Rであれば次に示
すコーナー処理が行われる。すなわち、現時点において
は、作業メモリ105の加工開始点エリア(Xs、Y
s)には点P1の座標値、つまり(X0+△x1、Y0
+△y1)が記憶されており、又、直線移動量エリア
(△xa、△ya)には(△x2、△y2)が記憶され
ている。
【0031】そして、作業メモリ105の直線移動量エ
リア(△xa、△ya)、円弧移動量エリア(△Xb、
△Yb、△i、△j)、(Xc、Yc)及び加工開始点
エリア(Xs、Ys)に記憶された各値に基づいて、図
5に示す様な円弧を挾む2直線の交点(Xp、Yp)が
下式から求められる。
リア(△xa、△ya)、円弧移動量エリア(△Xb、
△Yb、△i、△j)、(Xc、Yc)及び加工開始点
エリア(Xs、Ys)に記憶された各値に基づいて、図
5に示す様な円弧を挾む2直線の交点(Xp、Yp)が
下式から求められる。
【0032】
【数2】
【0033】この数2の式からx、yを求め、上記2直
線の交点(Xp、Yp)とする。そして、これらの値を
基に、加工開始点エリア(Xs、Ys)の内容を(Xs
+△x2、Ys+△y2)に設定して、点P2の加工開
始点の座標値とし、又、直線移動量エリア(△Xa、△
Ya)の内容を(Xp−Xs、Yp−Ys)に設定し
て、直線移動量として直線加工を行い、更に加工開始点
エリア(Xs、Ys)の内容を(Xp、Yp)、直線移
動量エリア(△Xa、△Ya)の内容を(Xe−Xp、
Ye−Yp)に設定して、交点(Xp、Yp)から点P
4までの加工を行うことによって、コーナー部を2直線
によって形成されるコーナー形状に変換し、該変換され
たコーナー形状に沿った加工が実施される。
線の交点(Xp、Yp)とする。そして、これらの値を
基に、加工開始点エリア(Xs、Ys)の内容を(Xs
+△x2、Ys+△y2)に設定して、点P2の加工開
始点の座標値とし、又、直線移動量エリア(△Xa、△
Ya)の内容を(Xp−Xs、Yp−Ys)に設定し
て、直線移動量として直線加工を行い、更に加工開始点
エリア(Xs、Ys)の内容を(Xp、Yp)、直線移
動量エリア(△Xa、△Ya)の内容を(Xe−Xp、
Ye−Yp)に設定して、交点(Xp、Yp)から点P
4までの加工を行うことによって、コーナー部を2直線
によって形成されるコーナー形状に変換し、該変換され
たコーナー形状に沿った加工が実施される。
【0034】以後同様に、上記の様な処理が行われつつ
加工が継続されて行く訳であるが、ここで、例えば円弧
P4・P5において、円弧移動量エリア(△Xb、△Y
b、△i、△j)に記憶された△i5、△j5の値から
求められる円弧の半径rが、r>Rであれば、コーナー
変換処理スイッチ用の変数H100の内容が“1”であ
っても、コーナー処理は実行されず通常の円弧移動処理
が実行される。
加工が継続されて行く訳であるが、ここで、例えば円弧
P4・P5において、円弧移動量エリア(△Xb、△Y
b、△i、△j)に記憶された△i5、△j5の値から
求められる円弧の半径rが、r>Rであれば、コーナー
変換処理スイッチ用の変数H100の内容が“1”であ
っても、コーナー処理は実行されず通常の円弧移動処理
が実行される。
【0035】以上の様にして、図3の(10)で示す加
工経路情報の処理が完了すると、続いて(11)に示す
様に、命令コードM85,M83,M81によりそれぞ
れ加工電源5の切り、ワイヤ電極1の送り切り、および
加工液4の供給切りが指令されて加工が停止され、続い
て(12)に示す様に、命令コードG23が判別される
とメインプログラムL1000に戻る。その後、メイン
プログラムL1000に従って、上記ファーストカット
加工終了後、引き続きセカンドカット加工が開始され
る。この加工ではメインプログラムL1000の(4)
に示される様に、変数メモリ106のコーナー変換処理
スイッチ用の変数H100の内容が“2”であること、
すなわちファーストカット加工以外であることが判別さ
れるので、それに続いて行われる処理においては、上記
の如くコーナー部を2直線によって形成されるコーナー
形状に変換する処理は実行されず、通常の補正による加
工経路に基づいた加工が行われる。そして、このセカン
ドカット加工が終了した後、引き続きサードカット加工
が開始される。この加工においてもメインプログラムL
1000の(6)に示される様に、変数メモリ106の
コーナー変換処理スイッチ用の変数H100の内容が
“3”であること、すなわちファーストカット加工以外
であることが判別されるので、上記セカンドカット加工
と同様の処理が実行される。
工経路情報の処理が完了すると、続いて(11)に示す
様に、命令コードM85,M83,M81によりそれぞ
れ加工電源5の切り、ワイヤ電極1の送り切り、および
加工液4の供給切りが指令されて加工が停止され、続い
て(12)に示す様に、命令コードG23が判別される
とメインプログラムL1000に戻る。その後、メイン
プログラムL1000に従って、上記ファーストカット
加工終了後、引き続きセカンドカット加工が開始され
る。この加工ではメインプログラムL1000の(4)
に示される様に、変数メモリ106のコーナー変換処理
スイッチ用の変数H100の内容が“2”であること、
すなわちファーストカット加工以外であることが判別さ
れるので、それに続いて行われる処理においては、上記
の如くコーナー部を2直線によって形成されるコーナー
形状に変換する処理は実行されず、通常の補正による加
工経路に基づいた加工が行われる。そして、このセカン
ドカット加工が終了した後、引き続きサードカット加工
が開始される。この加工においてもメインプログラムL
1000の(6)に示される様に、変数メモリ106の
コーナー変換処理スイッチ用の変数H100の内容が
“3”であること、すなわちファーストカット加工以外
であることが判別されるので、上記セカンドカット加工
と同様の処理が実行される。
【0036】以上の様に荒加工であるファーストカット
加工においては、基準半径R以下のコーナー部について
は、該コーナー部を挾む2直線によって形成されるコー
ナー形状に変換し、該コーナー形状に対応した加工を行
った後に、所定の仕上げ加工を行うことによって、上記
コーナー部を所望の形状に加工することができる。従っ
て図6に示す様に、荒加工時におけるコーナー部の“だ
れ”が大きい場合でも、荒加工時のオフセット差を大き
くとることなく、所望のコーナー部に仕上げることがで
きる。又、仕上げ加工の経路情報を作成する際に、特別
のコーナー処理をしなくても良いため、荒加工と仕上げ
加工で別々のプログラムを作成する必要もない。
加工においては、基準半径R以下のコーナー部について
は、該コーナー部を挾む2直線によって形成されるコー
ナー形状に変換し、該コーナー形状に対応した加工を行
った後に、所定の仕上げ加工を行うことによって、上記
コーナー部を所望の形状に加工することができる。従っ
て図6に示す様に、荒加工時におけるコーナー部の“だ
れ”が大きい場合でも、荒加工時のオフセット差を大き
くとることなく、所望のコーナー部に仕上げることがで
きる。又、仕上げ加工の経路情報を作成する際に、特別
のコーナー処理をしなくても良いため、荒加工と仕上げ
加工で別々のプログラムを作成する必要もない。
【0037】図7は、第2、第3及び第5の発明の一実
施例を実現するための数値制御装置のブロック図であ
る。図1と同一符号は同一物を示し、説明は省略する。
104aは演算処理手段であって、コーナー形状の円弧
半径と所定値とを比較する比較部、加工条件に対する加
工間隙から、上記コーナー部の加工経路を変換する変換
処理部とを有するとともに、各種演算処理を実行する演
算処理部、109は加工電源の電気条件パラメータ及び
その電気条件で、加工を行ったときの加工間隙等を格納
しておく加工条件メモリである。
施例を実現するための数値制御装置のブロック図であ
る。図1と同一符号は同一物を示し、説明は省略する。
104aは演算処理手段であって、コーナー形状の円弧
半径と所定値とを比較する比較部、加工条件に対する加
工間隙から、上記コーナー部の加工経路を変換する変換
処理部とを有するとともに、各種演算処理を実行する演
算処理部、109は加工電源の電気条件パラメータ及び
その電気条件で、加工を行ったときの加工間隙等を格納
しておく加工条件メモリである。
【0038】次に動作について説明する。与えられた加
工形状をセカンドカット加工(サードカット加工以上の
多数回加工も含む)する場合のプロセスの主要動作は、
図8のフローチャートに示すとおりである。ここでは、
荒加工(ファーストカット)の後に、セカンドカットに
よって所望の形状に修正する、2回加工方法を説明す
る。
工形状をセカンドカット加工(サードカット加工以上の
多数回加工も含む)する場合のプロセスの主要動作は、
図8のフローチャートに示すとおりである。ここでは、
荒加工(ファーストカット)の後に、セカンドカットに
よって所望の形状に修正する、2回加工方法を説明す
る。
【0039】先ず、ステップS11に示すように加工が
開始されると、NCプログラムが読み込まれ、NCプロ
グラムによって与えられた加工形状にしたがって、所定
の補正値分だけ補正された通常の加工経路を演算する。
この通常の加工経路とは、図10に示すように、最終形
状に対しワイヤ径と加工間隙の和の分だけオフセットさ
せて加工経路を補正し、円弧コーナー部ではプログラム
形状の円弧の同心円によって加工経路を補正するもので
ある。
開始されると、NCプログラムが読み込まれ、NCプロ
グラムによって与えられた加工形状にしたがって、所定
の補正値分だけ補正された通常の加工経路を演算する。
この通常の加工経路とは、図10に示すように、最終形
状に対しワイヤ径と加工間隙の和の分だけオフセットさ
せて加工経路を補正し、円弧コーナー部ではプログラム
形状の円弧の同心円によって加工経路を補正するもので
ある。
【0040】次に、ステップS12によって加工対象軌
跡がコーナー部であるかどうかの判別がなされ、該判別
結果がコーナー部でなければ、ステップS13におい
て、ステップS11で演算された通常の経路補正がなさ
れて、ステップS14で加工が実行される。又、該判別
結果がコーナー部である場合には、ステップS15に移
行して該コーナー部の円弧半径が演算される。続いてス
テップS16において、現在行われている加工が、コー
ナー部経路を新たに変換する加工回数かどうかの判別が
なされ、該判別結果が該当回数でなければ、ステップS
13に移行する。又、該判別結果が該当回数である場合
には、ステップS17に移行して、ステップS15で演
算された円弧の半径と所定値として予め設定されている
基準半径Rとが比較され、演算された円弧の半径が基準
半径Rよりも大きい場合にはステップS13に移行す
る。又、演算された円弧の半径が基準半径R以下である
場合には、ステップS18に移行して、上記円弧の半径
を有するコーナー部に対する加工経路を、以下に示す方
法によって補正する。
跡がコーナー部であるかどうかの判別がなされ、該判別
結果がコーナー部でなければ、ステップS13におい
て、ステップS11で演算された通常の経路補正がなさ
れて、ステップS14で加工が実行される。又、該判別
結果がコーナー部である場合には、ステップS15に移
行して該コーナー部の円弧半径が演算される。続いてス
テップS16において、現在行われている加工が、コー
ナー部経路を新たに変換する加工回数かどうかの判別が
なされ、該判別結果が該当回数でなければ、ステップS
13に移行する。又、該判別結果が該当回数である場合
には、ステップS17に移行して、ステップS15で演
算された円弧の半径と所定値として予め設定されている
基準半径Rとが比較され、演算された円弧の半径が基準
半径Rよりも大きい場合にはステップS13に移行す
る。又、演算された円弧の半径が基準半径R以下である
場合には、ステップS18に移行して、上記円弧の半径
を有するコーナー部に対する加工経路を、以下に示す方
法によって補正する。
【0041】つまり、ステップS18では図9に示すよ
うに、まずステップS181で上記コーナー部が、アウ
トコーナーかインコーナーかを判別して、ステップS1
82に移行する。ステップS181の判別結果がアウト
コーナーであれば、加工経路の補正を行うのである。図
11はこの加工経路の補正を説明する説明図である。図
において、破線はファーストカットによる形状(荒加工
形状)、実線はセカンドカットによる形状(仕上げ形
状)、一点鎖線はファーストカット経路(補正後の経
路)、二点鎖線はセカンドカット経路(仕上げ経路)を
それぞれ示している。また、Prは仕上げ形状における
コーナー部の円弧中心、rは該コーナー部の円弧半径、
H1,H2はそれぞれファーストカット、セカンドカッ
トのオフセットを示している。なお、補正前の経路は図
示されていないが、直線L1からPs1点までの直線経
路、Ps1点を始点としてPe1点を終点とする円弧経路及
びPe1点から直線L2に至る直線経路の3つの経路を連
続させたものが補正前の経路である。したがって、経路
補正としては、Ps1点を始点としてPe1点を終点とする
円弧経路を、該円弧経路の円弧の両端において該円弧に
接する2直線(直線L1と直線L2)によって形成され
るコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円
弧からなる円弧経路に変換する必要がある。そして、図
11においてはこの補正後の経路の一例としてPs2点を
始点としてPe2点を終点とする円弧経路を求めたのであ
る。以下、このPs2点を始点としてPe2点を終点とする
円弧経路の求め方について説明する。仮に補正後の経路
によってファーストカットしたとすれば図中の破線で示
す形状となるから、セカンドカット(次回の加工)で形
状修正して最終的に実線の形状に仕上げるには、ファー
ストカットによる形状のコーナー部の頂点の位置は円弧
中心Prからの距離が、円弧半径r+セカンドカット時
の加工間隙g2+ワイヤ電極径d、以下である必要があ
る。したがって、ファーストカットの経路はさらに、フ
ァーストカット時の加工間隙g1+ワイヤ電極径の半分
d/2、だけ離れた点Pより内側にあることが必要にな
る。換言すれば、補正後の経路はP点よりも円弧中心P
r側にある必要があり、P点を通る経路がセカンドカッ
ト(次回の加工)で形状修正して最終的に実線の形状に
仕上げることができる経路のうち、最も外側にある経路
であると言える。そして、直線Pr・Pは数3の式によ
って求められる。
うに、まずステップS181で上記コーナー部が、アウ
トコーナーかインコーナーかを判別して、ステップS1
82に移行する。ステップS181の判別結果がアウト
コーナーであれば、加工経路の補正を行うのである。図
11はこの加工経路の補正を説明する説明図である。図
において、破線はファーストカットによる形状(荒加工
形状)、実線はセカンドカットによる形状(仕上げ形
状)、一点鎖線はファーストカット経路(補正後の経
路)、二点鎖線はセカンドカット経路(仕上げ経路)を
それぞれ示している。また、Prは仕上げ形状における
コーナー部の円弧中心、rは該コーナー部の円弧半径、
H1,H2はそれぞれファーストカット、セカンドカッ
トのオフセットを示している。なお、補正前の経路は図
示されていないが、直線L1からPs1点までの直線経
路、Ps1点を始点としてPe1点を終点とする円弧経路及
びPe1点から直線L2に至る直線経路の3つの経路を連
続させたものが補正前の経路である。したがって、経路
補正としては、Ps1点を始点としてPe1点を終点とする
円弧経路を、該円弧経路の円弧の両端において該円弧に
接する2直線(直線L1と直線L2)によって形成され
るコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小さい円
弧からなる円弧経路に変換する必要がある。そして、図
11においてはこの補正後の経路の一例としてPs2点を
始点としてPe2点を終点とする円弧経路を求めたのであ
る。以下、このPs2点を始点としてPe2点を終点とする
円弧経路の求め方について説明する。仮に補正後の経路
によってファーストカットしたとすれば図中の破線で示
す形状となるから、セカンドカット(次回の加工)で形
状修正して最終的に実線の形状に仕上げるには、ファー
ストカットによる形状のコーナー部の頂点の位置は円弧
中心Prからの距離が、円弧半径r+セカンドカット時
の加工間隙g2+ワイヤ電極径d、以下である必要があ
る。したがって、ファーストカットの経路はさらに、フ
ァーストカット時の加工間隙g1+ワイヤ電極径の半分
d/2、だけ離れた点Pより内側にあることが必要にな
る。換言すれば、補正後の経路はP点よりも円弧中心P
r側にある必要があり、P点を通る経路がセカンドカッ
ト(次回の加工)で形状修正して最終的に実線の形状に
仕上げることができる経路のうち、最も外側にある経路
であると言える。そして、直線Pr・Pは数3の式によ
って求められる。
【0042】
【数3】
【0043】また、ステップS181の結果がインコー
ナーであれば、図12に示すようなファーストカット
(今回の加工)経路を求める。つまり、ファーストカッ
トによって図中の破線で示す形状になるから、セカンド
カット(次回加工)で最終形状に可能するには、ファー
ストカット形状(破線)がセカンドカット形状(実線)
より内側にある必要がある。すなわち、ファーストカッ
ト(今回の加工)経路の円弧の頂点Pは、セカンドカッ
ト形状の円弧の頂点より、ファーストカットの加工間隙
g1+ワイヤ電極径の半分d/2、以上円弧rの中心P
rに近いところにある必要がある。従って、直線Pr・
Pは数4の式により求められる。
ナーであれば、図12に示すようなファーストカット
(今回の加工)経路を求める。つまり、ファーストカッ
トによって図中の破線で示す形状になるから、セカンド
カット(次回加工)で最終形状に可能するには、ファー
ストカット形状(破線)がセカンドカット形状(実線)
より内側にある必要がある。すなわち、ファーストカッ
ト(今回の加工)経路の円弧の頂点Pは、セカンドカッ
ト形状の円弧の頂点より、ファーストカットの加工間隙
g1+ワイヤ電極径の半分d/2、以上円弧rの中心P
rに近いところにある必要がある。従って、直線Pr・
Pは数4の式により求められる。
【0044】
【数4】
【0045】以上のようにして、点Pをアウトコーナ
ー、インコーナーについてそれぞれ求めれば、“だれ”
が小さい場合でも、アウトコーナーにおけるセカンドカ
ット(次回加工)での切り落としが発生せず、スクラッ
プによる短絡が防止でき、又インコーナーにおいては、
オーバーカットになりセカンドカット(次回加工)で加
工できない面ができることが全くなくなり、“だれ”の
部分が効率よく修正できる。
ー、インコーナーについてそれぞれ求めれば、“だれ”
が小さい場合でも、アウトコーナーにおけるセカンドカ
ット(次回加工)での切り落としが発生せず、スクラッ
プによる短絡が防止でき、又インコーナーにおいては、
オーバーカットになりセカンドカット(次回加工)で加
工できない面ができることが全くなくなり、“だれ”の
部分が効率よく修正できる。
【0046】ステップS182で求めた点Pをもとに、
ステップS183では、図11,図12に示すように、
点Pを通り、円弧部前後の2直線に対して経路補正され
た直線L1、L2に接する円を求め、その接点Ps2、
Pe2を求める。次に、ステップS184に移行して、
最終的に補正された経路、
ステップS183では、図11,図12に示すように、
点Pを通り、円弧部前後の2直線に対して経路補正され
た直線L1、L2に接する円を求め、その接点Ps2、
Pe2を求める。次に、ステップS184に移行して、
最終的に補正された経路、
【0047】 直線Ps1・Ps2→円弧Ps2・P・Pe2→直線Pe2・Pe1 を演算する。以上の方法によってコーナー部に次回の加
工で形状の修正可能な最小の円弧を当てはめて経路を補
正し、次のステップS19で加工が実行される。以上の
動作をプログラムエンドまで繰り返して実行し、次の加
工段階を同様に実行して所定の加工回数の加工が終了し
た時点で加工を終了する。
工で形状の修正可能な最小の円弧を当てはめて経路を補
正し、次のステップS19で加工が実行される。以上の
動作をプログラムエンドまで繰り返して実行し、次の加
工段階を同様に実行して所定の加工回数の加工が終了し
た時点で加工を終了する。
【0048】次に、図13に示すNCプログラムを用
い、図14に示すような形状を加工する場合を例に取
り、上記プロセスをさらに詳細に説明する。図13にお
いて、(21)はプログラム名がL1000で示される
メインプログラム、(22)はH100で表されコーナ
ー部を変換する総加工回数が代入される変数であり、H
100=2の場合はファーストカットとセカンドカット
が該当し、H100=1の場合にはファーストカットの
みが該当する。(23)、(25)はH101で表され
加工回数が代入される変数、(24)、(26)はそれ
ぞれファーストカット、セカンドカットのNCデータを
示し、文字列Fは加工速度、文字列Eは加工条件、変数
H1は経路補正値であり、G22はサブプログラムを呼
び出す命令コードである。(27)はプログラム名がL
2000で示されるサブプログラム、(28)はM80
が加工液4の供給、M82がワイヤ電極1の送り、M8
4が加工電源5の投入をそれぞれ指令する命令コード、
(29)はG41が加工進行方向に対し、左側に変数H
1で示される補正値分だけ加工経路を補正する命令コー
ド、G01が直線移動、G02、G03が円弧移動をそ
れぞれ指令する命令コード、(30)はM85が加工電
源5の切り、M83がワイヤ電極1の送り切り、M81
が加工液4の供給切りを指令する命令コード、(31)
はG23で表され、メインプログラムL1000への復
帰を指令する命令コードである。
い、図14に示すような形状を加工する場合を例に取
り、上記プロセスをさらに詳細に説明する。図13にお
いて、(21)はプログラム名がL1000で示される
メインプログラム、(22)はH100で表されコーナ
ー部を変換する総加工回数が代入される変数であり、H
100=2の場合はファーストカットとセカンドカット
が該当し、H100=1の場合にはファーストカットの
みが該当する。(23)、(25)はH101で表され
加工回数が代入される変数、(24)、(26)はそれ
ぞれファーストカット、セカンドカットのNCデータを
示し、文字列Fは加工速度、文字列Eは加工条件、変数
H1は経路補正値であり、G22はサブプログラムを呼
び出す命令コードである。(27)はプログラム名がL
2000で示されるサブプログラム、(28)はM80
が加工液4の供給、M82がワイヤ電極1の送り、M8
4が加工電源5の投入をそれぞれ指令する命令コード、
(29)はG41が加工進行方向に対し、左側に変数H
1で示される補正値分だけ加工経路を補正する命令コー
ド、G01が直線移動、G02、G03が円弧移動をそ
れぞれ指令する命令コード、(30)はM85が加工電
源5の切り、M83がワイヤ電極1の送り切り、M81
が加工液4の供給切りを指令する命令コード、(31)
はG23で表され、メインプログラムL1000への復
帰を指令する命令コードである。
【0049】図14の形状をセカンドカット方法により
加工するには、まず、テープリーダ103により上記メ
インプログラムL1000、及びザブプログラムL20
00の内容を読み取って、プログラムメモリ101に格
納する。続いて、操作盤108を介してL1000の実
行が指令されると、演算処理部104aはプログラム名
によってプログラムを判別して、メインプログラムL1
000の処理をプログラムデータに基づいて開始する。
変数H101の内容が1回目の加工を示す“1”に設定
されているので、ファーストカット加工であると判断さ
れる。次に、文字列Fを判別し加工速度をa1にセット
し、同様にEより加工条件をb1にセットし、変数H1
にc1をセットして経路補正値(オフセット)を設定す
る。
加工するには、まず、テープリーダ103により上記メ
インプログラムL1000、及びザブプログラムL20
00の内容を読み取って、プログラムメモリ101に格
納する。続いて、操作盤108を介してL1000の実
行が指令されると、演算処理部104aはプログラム名
によってプログラムを判別して、メインプログラムL1
000の処理をプログラムデータに基づいて開始する。
変数H101の内容が1回目の加工を示す“1”に設定
されているので、ファーストカット加工であると判断さ
れる。次に、文字列Fを判別し加工速度をa1にセット
し、同様にEより加工条件をb1にセットし、変数H1
にc1をセットして経路補正値(オフセット)を設定す
る。
【0050】また、演算処理部104aによりG22が
判別されると、それに続くサブプログラムL2000の
呼び出しが実行され,M80,M82,M84を判別し
て、加工液4の供給、ワイヤ電極1の送りが開始される
と共に、ワイヤ電極1と被加工物2の間にパルス電圧が
印加され、次の移動指令にしたがってワイヤ電極1と被
加工物2との相対移動が開始されて放電加工が実行され
る。
判別されると、それに続くサブプログラムL2000の
呼び出しが実行され,M80,M82,M84を判別し
て、加工液4の供給、ワイヤ電極1の送りが開始される
と共に、ワイヤ電極1と被加工物2の間にパルス電圧が
印加され、次の移動指令にしたがってワイヤ電極1と被
加工物2との相対移動が開始されて放電加工が実行され
る。
【0051】すなわち、まず、命令コードG92が判別
されると(X0,Y0)を加工開始点とする。続く命令
コードG01を判別し、さらに命令コードG41によっ
て,変数H1に先に設定したc1の分だけ、加工進行方
向に対して左側に(図の形状では外側に)加工経路を補
正する。従って、移動量として与えられた(△x1,△
y1)を補正してパルス分配器107に入力する。パル
ス分配器107はパルス分配演算を実行し、X軸および
Y軸の分配パルスを、それぞれX軸サーボユニット9
a、Y軸サーボユニット9bに入力し、X軸サーボモー
タ8a、Y軸サーボモータ8bを回転し、X−Yクロス
テーブル7を移動させ、図14のP0→P11を加工す
る。次行もG01であるので同様な処理を行い、P11
→P21の経路の加工を行う。そして、命令コードG0
2を判別した時点で、変数H101が変数100以下の
値であるかどうかを判別し、この場合変数H101は
“1”であり、変数H100は“2”であるから、△
i、△jから円弧の半径rを演算する。
されると(X0,Y0)を加工開始点とする。続く命令
コードG01を判別し、さらに命令コードG41によっ
て,変数H1に先に設定したc1の分だけ、加工進行方
向に対して左側に(図の形状では外側に)加工経路を補
正する。従って、移動量として与えられた(△x1,△
y1)を補正してパルス分配器107に入力する。パル
ス分配器107はパルス分配演算を実行し、X軸および
Y軸の分配パルスを、それぞれX軸サーボユニット9
a、Y軸サーボユニット9bに入力し、X軸サーボモー
タ8a、Y軸サーボモータ8bを回転し、X−Yクロス
テーブル7を移動させ、図14のP0→P11を加工す
る。次行もG01であるので同様な処理を行い、P11
→P21の経路の加工を行う。そして、命令コードG0
2を判別した時点で、変数H101が変数100以下の
値であるかどうかを判別し、この場合変数H101は
“1”であり、変数H100は“2”であるから、△
i、△jから円弧の半径rを演算する。
【0052】
【数5】
【0053】さらに、半径rを作業メモリ105の半径
データエリアに書き込み、予め変数メモリ106に入力
されていた基準半径Rと円弧半径rを比較し、r≦Rで
あれば次に示す処理を行う。まず、(29)で命令コー
ドG41により、加工進行方向に対して左側に経路補正
されており、命令コードG02で右回り円弧であること
が判別されるので、G41とG02から該円弧は、アウ
トコーナーであることが判別される。従って、数3の式
に従い点Pを求めることによって、コーナー部P21・
P31の経路補正を行なう。その際、g1,g2,dは
変数メモリ106から読み込まれる。
データエリアに書き込み、予め変数メモリ106に入力
されていた基準半径Rと円弧半径rを比較し、r≦Rで
あれば次に示す処理を行う。まず、(29)で命令コー
ドG41により、加工進行方向に対して左側に経路補正
されており、命令コードG02で右回り円弧であること
が判別されるので、G41とG02から該円弧は、アウ
トコーナーであることが判別される。従って、数3の式
に従い点Pを求めることによって、コーナー部P21・
P31の経路補正を行なう。その際、g1,g2,dは
変数メモリ106から読み込まれる。
【0054】以後、同様にこのような処理が行われつつ
加工が継続されて行くが、例えば円弧P4・P5におい
て、(△i5,△j5)から求めた円弧半径rが、R≦
rであれば、変数H101=“1”であり、変数H10
0の値“1”以下であっても上記のコーナー処理は行わ
ず、通常の経路補正により、円弧P4,P5の加工が行
われる。
加工が継続されて行くが、例えば円弧P4・P5におい
て、(△i5,△j5)から求めた円弧半径rが、R≦
rであれば、変数H101=“1”であり、変数H10
0の値“1”以下であっても上記のコーナー処理は行わ
ず、通常の経路補正により、円弧P4,P5の加工が行
われる。
【0055】以上のようにして、図13に示す加工経路
情報(29)の処理が完了すると、続いて(30)に示
すように命令コードM85、M83、M81によりそれ
ぞれ加工電源5の切り、ワイヤ電極1の送り、及び加工
液4の供給切りが指令されて加工が停止され、(31)
に示すようにでG23を判別するとメインプログラムL
1000に戻る。
情報(29)の処理が完了すると、続いて(30)に示
すように命令コードM85、M83、M81によりそれ
ぞれ加工電源5の切り、ワイヤ電極1の送り、及び加工
液4の供給切りが指令されて加工が停止され、(31)
に示すようにでG23を判別するとメインプログラムL
1000に戻る。
【0056】その後、プログラムに従ってファーストカ
ットが終了し、引続きセカンドカットが開始するが、メ
インプログラムの(25)に示されるように、変数メモ
リ106のH101=“2”を判別することによって、
それに続く処理では、コーナーを変換する処理は行わ
ず、サブプログラムの加工経路に基づく加工が行なわれ
る。
ットが終了し、引続きセカンドカットが開始するが、メ
インプログラムの(25)に示されるように、変数メモ
リ106のH101=“2”を判別することによって、
それに続く処理では、コーナーを変換する処理は行わ
ず、サブプログラムの加工経路に基づく加工が行なわれ
る。
【0057】以上のように、ファーストカット(荒加
工)では、所定の半径以下のコーナーを、セカンドカッ
トで形状修正できる最小の円弧をあてはめて、加工経路
を補正して加工し、セカンドカット以降の仕上げ加工で
コーナー形状を仕上げる本実施例による方法で加工を行
なえば、先に示した図6のように、荒加工時のコーナー
部の“だれ”がある程度大きい場合にでも、荒加工時と
仕上げ加工時のオフセット差を大きく取ることなく、所
望のコーナー形状に仕上げることができる。又、この方
法では可能な最小の円弧半径を利用しているので、形状
修正時(次回の加工)にアウトコーナー部で切り落した
り、インコーナー部で形状修正不可能なオーバーカット
が発生することもない。さらに、仕上げの加工の情報を
作成する際に、特別のコーナー処理をしなくても良く、
荒加工と仕上げ加工で別々のプログラムを作成する必要
もない。
工)では、所定の半径以下のコーナーを、セカンドカッ
トで形状修正できる最小の円弧をあてはめて、加工経路
を補正して加工し、セカンドカット以降の仕上げ加工で
コーナー形状を仕上げる本実施例による方法で加工を行
なえば、先に示した図6のように、荒加工時のコーナー
部の“だれ”がある程度大きい場合にでも、荒加工時と
仕上げ加工時のオフセット差を大きく取ることなく、所
望のコーナー形状に仕上げることができる。又、この方
法では可能な最小の円弧半径を利用しているので、形状
修正時(次回の加工)にアウトコーナー部で切り落した
り、インコーナー部で形状修正不可能なオーバーカット
が発生することもない。さらに、仕上げの加工の情報を
作成する際に、特別のコーナー処理をしなくても良く、
荒加工と仕上げ加工で別々のプログラムを作成する必要
もない。
【0058】なお、上記の実施例では、セカンドカット
までの加工で説明したが、サードカット以上の加工でも
同様な加工ができ、上記演算によれば、コーナー部の円
弧半径を変換する指定加工回数の間、加工間隙gは通常
g1>g2>g3・・>gn(添え字は加工回数を示
す)であるから、挿入される円弧半径rの関係はr1<
r2<r3・・<rn(添え字は加工回数を示す)が常
に成り立つことになり、加工回数を増やす毎に円弧は徐
々に大きくなり、最終的には所定の円弧形状に仕上げる
ことができることになる。
までの加工で説明したが、サードカット以上の加工でも
同様な加工ができ、上記演算によれば、コーナー部の円
弧半径を変換する指定加工回数の間、加工間隙gは通常
g1>g2>g3・・>gn(添え字は加工回数を示
す)であるから、挿入される円弧半径rの関係はr1<
r2<r3・・<rn(添え字は加工回数を示す)が常
に成り立つことになり、加工回数を増やす毎に円弧は徐
々に大きくなり、最終的には所定の円弧形状に仕上げる
ことができることになる。
【0059】
【発明の効果】第1の発明、及び第4の発明によれば、
仕上げ加工に先立って行われる荒加工の段階で、荒加工
経路内にある円弧経路の円弧半径が、予め設定されてい
る基準半径かどうかを判別し、基準半径以下であれば上
記円弧経路を2直線によって形成されるコーナー形状に
変換して加工するようにしたので、荒加工時における上
記円弧経路の“だれ”が抑制される。したがって、イン
コーナーの場合にはアンダーカットが防止でき、アウト
コーナーの場合にはオーバーカットが防止でき、加工形
状内の円弧部を高精度且つ効率良く仕上げ加工すること
ができる。
仕上げ加工に先立って行われる荒加工の段階で、荒加工
経路内にある円弧経路の円弧半径が、予め設定されてい
る基準半径かどうかを判別し、基準半径以下であれば上
記円弧経路を2直線によって形成されるコーナー形状に
変換して加工するようにしたので、荒加工時における上
記円弧経路の“だれ”が抑制される。したがって、イン
コーナーの場合にはアンダーカットが防止でき、アウト
コーナーの場合にはオーバーカットが防止でき、加工形
状内の円弧部を高精度且つ効率良く仕上げ加工すること
ができる。
【0060】第2の発明、第3の発明、及び第5の発明
によれば、荒加工に続いて仕上げ加工を行なっていく各
段階で、荒加工経路内の円弧経路部の円弧半径が予め設
定した基準半径以下の円弧経路に対して、今回の加工段
階で前記円弧経路を上記円弧の両端において該円弧に接
する2直線によって形成されるコーナー形状に内接し、
かつ上記円弧よりも小さい円弧からなる円弧経路に変換
し、変更後の荒加工経路で加工するようにしたので、上
記円弧経路部の“だれ”が抑制され、上記と同様にイン
コーナーの場合にはアンダーカットが防止でき、アウト
コーナーの場合にはオーバーカットが防止でき、加工形
状内の円弧部を高精度且つ効率良く仕上げ加工すること
ができる。また、これらの発明では上記の発明のように
直線ではなく円弧経路に経路変換しているので、インコ
ーナーの場合におけるオーバーカットの危険性及びアウ
トコーナーの場合の切り残し過ぎを防止することができ
る。
によれば、荒加工に続いて仕上げ加工を行なっていく各
段階で、荒加工経路内の円弧経路部の円弧半径が予め設
定した基準半径以下の円弧経路に対して、今回の加工段
階で前記円弧経路を上記円弧の両端において該円弧に接
する2直線によって形成されるコーナー形状に内接し、
かつ上記円弧よりも小さい円弧からなる円弧経路に変換
し、変更後の荒加工経路で加工するようにしたので、上
記円弧経路部の“だれ”が抑制され、上記と同様にイン
コーナーの場合にはアンダーカットが防止でき、アウト
コーナーの場合にはオーバーカットが防止でき、加工形
状内の円弧部を高精度且つ効率良く仕上げ加工すること
ができる。また、これらの発明では上記の発明のように
直線ではなく円弧経路に経路変換しているので、インコ
ーナーの場合におけるオーバーカットの危険性及びアウ
トコーナーの場合の切り残し過ぎを防止することができ
る。
【図1】第1及び第4の発明の一実施例を実現する数値
制御装置のブロック図である。
制御装置のブロック図である。
【図2】第1及び第4の発明の一実施例の動作を説明す
るフローチャートである。
るフローチャートである。
【図3】第1及び第4の発明の一実施例の動作を説明す
るNCプログラムを示す図である。
るNCプログラムを示す図である。
【図4】図3のNCプログラムによる加工形状を示す図
である。
である。
【図5】図4の局部を示す拡大図である。
【図6】本発明による加工精度の向上を示す説明図であ
る。
る。
【図7】第2、第3及び第5の発明の一実施例を実現す
る数値制御装置のブロック図である。
る数値制御装置のブロック図である。
【図8】第2、第3及び第5の発明の一実施例の動作を
説明するフローチャートである。
説明するフローチャートである。
【図9】図8の一部を詳説するフローチャートである。
【図10】通常(又は従来)の加工における経路補正を
示す図である。
示す図である。
【図11】第2、第3及び第5の発明の一実施例による
アウトコーナー部の経路補正を示す図である。
アウトコーナー部の経路補正を示す図である。
【図12】第2、第3及び第5の発明の一実施例による
インコーナー部の経路補正を示す図である。
インコーナー部の経路補正を示す図である。
【図13】第2、第3及び第5の発明の一実施例の動作
を説明するNCプログラムを示す図である。
を説明するNCプログラムを示す図である。
【図14】図13のNCプログラムによる加工形状を示
す図である。
す図である。
【図15】従来のワイヤ放電加工装置の構成図である。
【図16】エッジコーナー部の“だれ”の説明図であ
る。
る。
【図17】円弧コーナー部の“だれ”の説明図である。
【図18】従来の方法による円弧コーナー部の加工にお
ける不具合の説明図である。
ける不具合の説明図である。
101 プログラムメモリ 104,104a 演算処理部 105 作業メモリ 106 変数メモリ 109 加工条件メモリ
Claims (5)
- 【請求項1】 仕上げ加工経路情報と仕上げ加工経路を
オフセットさせた荒加工経路情報を有し、該荒加工経路
情報に基づく荒加工に続いて前記仕上げ加工経路情報に
基づく仕上げ加工を行い、被加工物を所定の形状に加工
するワイヤ放電加工方法において、 荒加工か否かを判別し、その結果が荒加工であれば、荒
加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定された
基準半径とを比較し、上記円弧経路の円弧半径が基準半
径以下であれば、上記円弧経路を、該円弧経路の円弧の
両端において該円弧に接する2直線によって形成される
コーナー形状に変換して荒加工することを特徴とするワ
イヤ放電加工方法。 - 【請求項2】 仕上げ加工経路情報と仕上げ加工経路を
オフセットさせた複数の荒加工経路情報を有し、該荒加
工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ加工を行い、
被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放電加工方法に
おいて、 荒加工経路内にある円弧経路のうち、その円弧の半径が
予め設定された基準半径以下の円弧経路について、該円
弧経路を、上記円弧の両端において該円弧に接する2直
線によって形成されるコーナー形状に内接し、かつ上記
円弧よりも小さい円弧からなる円弧経路に変換し、該変
更後の荒加工経路で加工することを特徴とするワイヤ放
電加工方法。 - 【請求項3】 上記変更後の荒加工経路の円弧を、使用
するワイヤ電極の外径、今回の加工間隙及び次回の加工
間隙に基づいて、次回の加工で所望の形状に修正可能
な、最少の円弧とすることを特徴とする請求項2項記載
のワイヤ放電加工方法。 - 【請求項4】 仕上げ加工経路情報と仕上げ加工経路を
オフセットさせた荒加工経路情報を有し、該荒加工経路
情報に基づく荒加工に続いて前記仕上げ加工経路情報に
基づく仕上げ加工を行い、被加工物を所定の形状に加工
するワイヤ放電加工方法において、 荒加工か否かを判別する判別手段と、荒加工経路内にあ
る円弧経路の円弧半径と予め設定された基準半径とを比
較する比較処理部、及び上記それぞれの結果が荒加工且
つ円弧経路の円弧半径が基準半径以下である場合に、上
記円弧経路を、該円弧経路の円弧の両端において該円弧
に接する2直線によって形成されるコーナー形状経路に
変換する変換処理部とからなる演算処理手段とを備えた
ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 【請求項5】 仕上げ加工経路情報と仕上げ加工経路を
オフセットさせた複数の荒加工経路情報を有し、該荒加
工経路情報に基づく荒加工に続いて仕上げ加工を行い、
被加工物を所定の形状に加工するワイヤ放電加工装置に
おいて、 加工回数を判別する判別手段と、 荒加工経路内にある円弧経路の円弧半径と予め設定され
た基準半径とを比較する比較部、及び上記判別手段と上
記比較部での結果が所定の加工回数であり且つ上記円弧
半径が基準半径以下である場合に、上記円弧経路を、上
記円弧の両端において該円弧に接する2直線によって形
成されるコーナー形状に内接し、かつ上記円弧よりも小
さい円弧からなる円弧経路に変換する変換処理部とから
なる演算処理手段とを備えたことを特徴とするワイヤ放
電加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-188420 | 1990-07-17 | ||
JP18842090 | 1990-07-17 | ||
JP3010296A JP2630684B2 (ja) | 1990-07-17 | 1991-01-31 | ワイヤ放電加工方法及びその装置 |
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Family
ID=26345554
Family Applications (1)
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JP3010296A Expired - Fee Related JP2630684B2 (ja) | 1990-07-17 | 1991-01-31 | ワイヤ放電加工方法及びその装置 |
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JPH07106496B2 (ja) * | 1987-01-09 | 1995-11-15 | 三菱電機株式会社 | 表示制御 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP3010296A patent/JP2630684B2/ja not_active Expired - Fee Related
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