JP2010099809A - 放電加工方法および放電加工装置 - Google Patents

放電加工方法および放電加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工液中の腐食防止剤の減少に応じて加工液に腐食防止剤を添加することにより、加工液中の腐食防止剤の濃度を所定に維持し、防食効果を安定して得る。
【解決手段】 添加した腐食防止剤が、浸漬機器40の表面に吸着するとともに、イオン交換樹脂22bに吸着し、更に放電加工中に反応して消費されるとき、浸漬機器40の表面の吸着量、イオン交換樹脂22bの吸着量、放電加工中の消費量を求め、所定の添加量に対し浸漬機器40の表面の吸着量を更に加えた添加を行い、かつ、浸漬機器40の表面の吸着が平衡に到達した後に、イオン交換樹脂22bにより加工液のイオン交換処理を行いつつワークWの放電加工を行い、イオン交換樹脂22bの吸着量と放電加工による消費量を放電加工中に更に添加する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、放電加工方法および放電加工装置に関し、特に、加工液に腐食防止剤を添加して放電加工により生ずる腐食を防止する放電加工方法および放電加工装置に関する。
水系加工液にワークを浸漬して放電加工を行う場合、鉄系や超硬合金(焼結合金)のワークに腐食が生じることが知られている。ワークにおける腐食は、黄銅のワイヤ電極を負極、鉄系や超硬合金のワークを正極として、負極と正極の電位差から負極と正極との間に腐食電流が流れて、正極側のワークが溶出して生じると考えられている。
そこで、このような腐食を防止すべく、従来は例えば特許文献1または特許文献2に示すように、加工液に腐食防止剤を添加して放電加工を行いワークの腐食を防止する方法が広く採用されている。
特開昭62−251013号公報 特開平4−250921号公報
ところで、上述の如く腐食防止剤を用いてワークの防食を行う際には、一般に加工液中の腐食防止剤の濃度が腐食を防止するために必要な濃度に維持されるように所定量の腐食防止剤を加工液に添加する。
しかしながら、加工液に添加された腐食防止剤が加工槽や加工液循環系統のイオン交換樹脂、加工液貯留槽、配管、ろ過フィルタ等に吸着したり、放電加工により加工液中に生ずる成分と反応する等、加工液中の腐食防止剤の濃度が減少し安定してワークの防食効果が得られないことがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤を添加することにより、加工液中の腐食防止剤の濃度を所定に維持し、防食効果を安定して得ることができる放電加工方法および放電加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、放電加工方法に係る請求項1の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器に吸着するとき、機器の吸着量を求め、所定の添加量に対し求めた吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項2の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し求めた吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項3の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し求めた吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加するとともに、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後に、ワークの放電加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項4の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し求めた吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加するとともに、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、ワークの放電加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。しかも、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に確実に吸着した後に放電加工が行われるので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
放電加工方法に係る請求項5の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着するとき、イオン交換樹脂の吸着量を求め、所定の添加量に対し求めた吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤がイオン交換樹脂に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項6の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が放電加工により反応して消費されるとき、放電加工による消費量を求め、所定の添加量に対し求めた消費量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が放電加工により所要に消費されるときにも、該消費による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持されワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項7の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、放電加工による消費量を求め、所定の添加量に対し求めた消費量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が放電加工により所要に消費されるときにも、該消費による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて加工液に腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持されワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工方法に係る請求項8の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、機器の表面の吸着量、イオン交換樹脂の吸着量、および放電加工による消費量を求め、所定の添加量に対し求めた機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行うととともに、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、イオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行いつつワークの放電加工を行い、求めたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加することを特徴する。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるときにも、このような吸着や消費による加工液中の腐食防止剤の各減少に応じて加工液に腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持されワークの防食効果を安定して得ることができる。しかも、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に確実に吸着した後に放電加工が行われるので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
放電加工方法に係る請求項9の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、機器の表面の吸着量、イオン交換樹脂の吸着量、および放電加工による消費量を求め、加工液中の腐食防止剤の濃度が飽和濃度となるような添加量に対し求めた機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行うとともに、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、イオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行いつつワークの放電加工を行い、求めたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加することを特徴する。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるときにも、このような吸着や消費による加工液中の腐食防止剤の各減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に飽和濃度に維持されワークの防食効果をより安定して得ることができる。しかも、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に確実に吸着した後に放電加工が行われるので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
ここで、腐食防止剤はプリン塩基類からなることとし(請求項10)、プリン塩基類は例えばアデニンとすることができる(請求項11)。すなわち、プリン塩基類であるアデニンは加工液に浸漬する機器に吸着したり、加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費され、加工液中のアデニン濃度が減少するが、本発明によりこのような吸着や消費による加工液中のアデニンの各減少に応じてアデニンが添加されるので、加工液中のアデニン濃度が所定に維持されワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工装置に係る請求項12の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、所定の添加量に対し予め求められた機器の表面の吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加する手段と、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後に、ワークの放電加工を行う手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
放電加工装置に係る請求項13の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、所定の添加量に対し予め求められた機器の表面の吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加する手段と、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、ワークの放電加工を行う手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に吸着するときにも、該吸着による加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。しかも、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に確実に吸着した後に放電加工が行われるので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
放電加工装置に係る請求項14の発明は、加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、所定の添加量に対し予め求められた機器の表面の吸着量を更に加えて腐食防止剤を加工液に添加する手段と、機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、イオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行いつつワークの放電加工を行う手段と、予め求められたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加する手段と、を有することを特徴する。
本発明によれば、添加した腐食防止剤が、加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるときにも、該吸着や消費による加工液中の腐食防止剤の各減少に応じて加工液に腐食防止剤が添加されるので、加工液中の腐食防止剤の濃度が放電加工中に所定に維持されワークの防食効果を安定して得ることができる。しかも、添加した腐食防止剤が加工液に浸漬する機器の表面に確実に吸着した後に放電加工が行われるので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
本発明によれば、加工液中の腐食防止剤の減少に応じて腐食防止剤が添加することにより、加工液中の腐食防止剤の濃度が所定に維持され、ワークの防食効果を安定して得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示すワイヤカット放電加工装置の全体構成の概略を示す図である。同図を参照してワイヤカット放電加工装置1の概要を説明すると、ワイヤカット放電加工装置1は、上側ガイド組体2と下側ガイド組体3との間に工具電極としてのワイヤ電極Eを連続的に供給し、ワークWを加工槽4内のワークスタンド5に載置した状態で水系加工液(以下、水系加工液を単に加工液とする)に浸漬し、各軸モータ6によりワイヤ電極EとワークWとの極間の距離を所定に設定しつつ電源装置7により極間に所定の電圧を印加して放電を発生させワークWの放電加工を行う構成となっており、加工槽4には加工液循環系統10により加工液が連続的に循環供給される。
すなわち、図2に示すように、加工液循環系統10は、汚液槽11aとろ過フィルタ11bと清水槽11cとを備える加工液貯留槽11、イオン交換樹脂12、加工液温度設定装置13、第1腐食防止剤添加装置14、第2腐食防止剤添加装置15、各種ポンプ、配管、およびバルブ類を構成機器として含む。
加工液循環系統10においては、加工槽4から排出された汚れた加工液が汚液槽11aに貯留されるとともに、ろ過フィルタ11bを介して清澄化された加工液が清水槽11cに貯留され、加工液は加工液温度設定装置13により所定の温度に、イオン交換樹脂12により所定の比抵抗値に、それぞれ設定され、更に第1腐食防止剤添加装置14および第2腐食防止剤添加装置15により腐食防止剤が所定量添加されて加工槽4に供給される。清水槽11bには加工液の温度を検出する温度検出器40および比抵抗値を検出する比抵抗値検出器41が備えられている。
第1腐食防止剤添加装置14は、添加部14aと攪拌部14bからなる。すなわち、添加部14aにより所定量の粉末状の腐食防止剤を加工槽4に添加し、攪拌部14bにより加工槽4内の加工液を攪拌することで添加された腐食防止剤を効率よく溶解させることができる。腐食防止剤を加工液に一度に大量に添加する必要があるときは、第1腐食防止剤添加装置14により腐食防止剤の添加を行う。
第2腐食防止剤添加装置15は、図3に示すように、腐食防止剤添加用ポンプ15aおよび溶解槽15bを備えている。すなわち、通水性のある包装材に包装した粉末状の腐食防止剤を溶解槽15bに備え、該溶解槽15bに腐食防止剤添加用ポンプ15aを介して加工液を供給し腐食防止剤を加工液に溶解させながら添加する。なお、図4に示すように、第2腐食防止剤添加装置15において、腐食防止剤添加用ポンプ15aの単位時間当たりの吐出量(以下、単に吐出量)と腐食防止剤の単位時間当たりの溶解量(以下、単に溶解量とする)との相関関係が予め求められている。
本発明においては、第1腐食防止剤添加装置14および第2腐食防止剤添加装置15により、プリン塩基類からなる薬剤より詳しくは化1に示す粉末状のアデニン(6−アミノプリン)〔CAS登録番号73−24−5〕を腐食防止剤として加工液に添加し放電加工を行う。
Figure 2010099809
すなわち、図5に示すように、プリン塩基類であるアデニンは、放電加工により加工屑を介して加工液中に生ずる金属イオンと反応して金属錯体を形成し、加工液循環系統10の構成機器、加工槽4、およびワークテーブル5等の加工液に浸漬する機器20(以下、浸漬機器20とする)やワークWに金属イオンが付着する等して生ずる着色や腐食を防止し、更に、ワークWの表面および浸漬機器20の表面に吸着して保護皮膜を形成し、ワークW等の酸化や溶出を防止する。このような加工液中の金属イオンの錯体化およびワークWや浸漬機器20の表面への吸着により加工液中の濃度が減少する。また、放電加工中は間欠的に行われるイオン交換樹脂12への通水によっても該イオン交換樹脂12に吸着され加工液中のアデニン濃度が減少する。
そこで、本発明においては、このように添加した腐食防止剤が吸着や消費するとき、加工液中のアデニンの各減少に応じて加工液にアデニンを添加することとしている。
つまり、放電加工前は、第1腐食防止剤添加装置14を介して腐食を防止するために必要な所定の添加量に対し浸漬機器20の表面の吸着量(以下、浸漬機器20の表面の吸着量は機器表面吸着量とする)を更に加えてアデニンを加工液に添加することにより、浸漬機器20の表面にアデニンを予め吸着させる吸着操作をまず行う。
この機器表面吸着量は実験等により予め求める。機器表面吸着量は上記の如く浸漬機器20の表面の吸着量であって、汚液槽11aの内面、ろ過フィルタ11bのろ過面、清水槽11cの内面、加工槽4の内面、ワークテーブル5の表面、各種ポンプの内部表面、配管の内面、およびバルブ類の内部表面等の吸着量を含む一方、イオン交換樹脂12の吸着量は含まない(つまり、浸漬機器20の表面には、汚液槽11aの内面、ろ過フィルタ11bのろ過面、清水槽11cの内面、加工槽4の内面、ワークテーブル5の表面、各種ポンプの内部表面、配管の内面、およびバルブ類の内部表面等を含む一方、イオン交換樹脂12の表面は含まない)。機器表面吸着量を更に加えた添加後は浸漬機器20の表面の吸着が所定時間で平衡に到達し加工液中のアデニン濃度が平衡濃度になる。この平衡到達時間も予め実験等により求める。
なお、アデニンは浸漬機器20の表面に一度吸着するとその吸着状態が所定に維持されることが本発明者により明らかとされている。よって、本発明においては、浸漬機器20の表面への吸着操作はワイヤカット放電加工装置1の最初の稼動時すなわち最初の放電加工前に行い、その後はワイヤカット放電加工装置1の洗浄後の最初の放電加工前に行うこととしている。
次いで、放電加工中は、第2腐食防止剤添加装置15を介して、イオン交換樹脂12の吸着量(以下、イオン交換樹脂12の吸着量は樹脂吸着量とする)および放電加工により生ずる金属イオンの錯体化による消費量(以下、放電加工により生ずる金属イオンの錯体化による消費量は放電加工中消費量とする)を更に加えて加工液に添加する。なお、樹脂吸着量はイオン交換樹脂12の通水時における該イオン交換樹脂12の単位時間当たりの吸着量として予め実験等により求める。また、放電加工中消費量は放電加工中における単位時間当たりの金属イオンの錯体化による消費量として予め実験等により求める。
放電加工中のアデニン濃度の低下は、放電加工とイオン交換樹脂12への通水が同時に行われたときに最大となるので、本実施形態においては放電加工中は第2腐食防止剤添加装置15における溶解量を樹脂吸着量と放電加工中消費量との加算値となるように設定する。なお、図6に示すように、イオン交換樹脂12への通水は放電加工中のみならず放電加工前にも行うが、本実施形態にあっては、放電加工前のアデニンの添加は、イオン交換樹脂12の通水終了後に行うこととしており、放電加工前に樹脂吸着量を更に加えた添加を行う必要はない。
ワイヤカット放電加工装置1にはNC制御装置30が併設されており、このNC制御装置30は上述したアデニンの添加方法を採用した放電加工が実行可能に構成されている。図7に示すように、NC制御装置30は、入力部31、記憶部32、および処理部33からなる。
入力部31は、例えば、キーボード、マウス、或いはタッチパネル等で構成されており、入力部31から処理部33における各種処理に必要な情報が入力される。
記憶部32は、ハードディスク、CD−ROM等で構成されており、放電加工を実行するために必要な加工液の温度および比抵抗値等の加工液条件や各種NCプログラムを記憶するとともに、実験等により予め求められた機器表面吸着量データ、平衡到達時間データ、樹脂吸着量データ、および放電加工中消費量データを記憶する機能を有している。
処理部33は、入力部31から入力された各種情報と記憶部32に記憶された加工液条件、NCプログラム、および各種データに基づいて上述したアデニンの添加方法を採用した放電加工を実行すべく、加工データ設定手段331、放電加工前添加量演算手段332、平衡到達時間設定手段333、放電加工中添加量演算手段334、判断手段335、第1腐食防止剤添加手段336、第2腐食防止剤添加手段337、加工実行手段338として機能する。
加工データ設定手段331は、放電加工の実行に必要な加工液条件やNCプログラムを記憶部32から読み出し、加工液条件、電気加工条件、各軸モータ6の駆動データを設定する機能を有している。
放電加工前添加量演算手段332は、入力部31からの入力情報と記憶部32に記憶されている機器表面吸着量データに基づいて放電加工前のアデニンの添加量を演算する機能を有している。すなわち、放電加工前のアデニンの添加量は機器表面吸着量および腐食を防止するために必要な所定の添加量に基づいて数1の如く演算される。なお、腐食を防止するために必要な所定の添加量は腐食を防止するために必要な濃度および加工槽4および加工液循環系統10の加工液量に基づいて数2の如く演算される。
[数1]
放電加工前のアデニンの添加量
=機器表面吸着量+腐食を防止するために必要な所定の添加量
[数2]
腐食を防止するために必要な所定の添加量
=腐食を防止するために必要な濃度×加工液量
平衡到達時間設定手段333は、記憶部32に記憶されている機器表面吸着量を更に加えた添加後の平衡到達時間データを読み出して設定する機能を有している。
放電加工中添加量演算手段334は、記憶部32に記憶されている樹脂吸着量データおよび放電加工中消費量データを読み出すとともに、読み出した樹脂吸着量データと放電加工中消費量データに基づいて放電加工中のアデニンの添加量を演算する。
判断手段335は、加工データ設定手段331により設定された加工液条件、平衡到達時間設定手段333により設定された平衡到達時間、第1腐食防止剤添加手段336から出力される制御信号、各検出器により検出された加工液の温度および比抵抗値、NC制御装置30に備えたタイマーから入力される時間データに基づいて各種判断を行う機能を有している。
第1腐食防止剤添加手段336は、放電加工前添加量演算手段332により演算された放電加工前のアデニンの添加量と判断手段335による判断結果に基づいて第1腐食防止剤添加装置14の添加部14aおよび攪拌部14bを所要に動作させるための制御信号を出力する機能を有している。
第2腐食防止剤添加手段337は、放電加工中添加量演算手段334により演算された放電加工中のアデニンの添加量と判断手段335の判断結果に基づいて腐食防止剤添加用ポンプ15aを所要に動作させるための制御信号を出力する機能を有している。
加工実行手段338は、加工データ設定手段331により設定された加工液条件、電気加工条件、および各軸モータ6の駆動データと判断手段335による判断結果に基づいて加工液温度設定装置13、イオン交換樹脂12のバルブ12a、電源装置7、各軸モータ6を所要に動作等させるための制御信号を出力する機能を有している。なお、処理部33はCPUがその機能を果たす。
次にNC制御装置30による上述したアデニンの添加方法を採用した放電加工方法を図8のフローチャートに基づいて図9も参照しつつ説明する。
すなわち、ステップS10において、まず入力部31から腐食を防止するために必要な濃度、加工槽4および加工液循環系統10の加工液量を入力するとともに、記憶部32に記憶されている加工液条件、NCプログラム、および各データを読み出すための情報を入力する。
ここで、図9に示すように腐食を防止するために必要な濃度は腐食を防止するために必要な最小濃度に対し所定の余裕代+αを考慮した濃度とする。余裕代+αは例えばワークWの表面へのアデニンの吸着量等を含むように設定される。
次いで、ステップS20において、加工データ設定手段331がステップS10で入力された情報に基づいて記憶部32から放電加工を実行するために必要な加工液条件およびNCプログラムを読み出す。そして、加工データ設定手段331は、読み出した加工液条件およびNCプログラムに基づいて加工液条件、電気加工条件、および各軸モータの駆動データを設定する。
続いて、ステップS30乃至ステップS50において、各演算手段332,334や設定手段333が所要の演算および設定を行う。
すなわち、ステップS30において、放電加工前添加量演算手段332が記憶部32から機器表面吸着量データを読み出すとともに、読み出した機器表面吸着量データ、ステップS10で入力された腐食を防止するために必要な濃度、加工槽4および加工液循環系統10の加工液量に基づいて数1および数2により放電加工前のアデニンの添加量を演算する。
そして、ステップS40において、平衡到達時間設定手段333が記憶部32に記憶されている平衡到達時間データを読み出して機器表面吸着量を更に加えた添加後の平衡到達時間を設定する。
次に、ステップS50において、放電加工中添加量演算手段334が記憶部32に記憶されている樹脂吸着量データおよび放電加工中消費量データを読み出すとともに、読み出した樹脂吸着量データと放電加工中消費量データを足し合わせて放電加工中のアデニンの添加量を演算する。
続いて、ステップS60乃至ステップS120において、アデニンの添加方法を採用した放電加工を実行する。
すなわち、ステップS60において、加工実行手段338がステップS20で設定された加工液条件に基づいて制御信号を出力して加工液循環系統10を動作させる。より詳しくは、加工液温度設定装置13の起動、バルブ12aの開操作によるイオン交換樹脂12への加工液の通水を行う。
そして、ステップS70において、判断手段335が各検出器により検出された加工液の温度および比抵抗値と、ステップS20で設定された各設定値と、を比較して各検出値が各設定値に設定されたと判断した場合は、ステップS80において、加工実行手段338が制御信号を出力してバルブ12aを閉としイオン交換樹脂12への加工液の通水を一旦停止するとともに、第1腐食防止剤添加装置14の攪拌部14bを起動する。
次いで、ステップS90において、第1腐食防止剤添加手段336がステップS30で演算された放電加工前のアデニンの添加量となるように制御信号を出力して添加量が第1腐食防止剤添加装置14の添加部14aを動作させ、加工槽4にアデニンを粉末状のまま添加する。
続いて、ステップS100において、判断手段335がステップS90において出力された制御信号とタイマーから入力される時間データに基づいて、アデニン添加後の経過時間をカウントし、経過時間が平衡到達時間に到達したと判断したとき、つまり浸漬機器20の表面の吸着が平衡に到達して加工液中のアデニン濃度が平衡濃度に達したときは、ステップS110において、第2腐食防止剤添加手段337がステップS50で演算された放電加工中のアデニンの添加量に対応する溶解量となるように制御信号を出力して腐食防止剤添加用ポンプ15aの吐出量を設定し加工液にアデニンを更に添加する。
そして、ステップS120において、加工実行手段338が制御信号を出力して各軸モータ6および電源装置7、更にはイオン交換樹脂12のバルブ12aを動作させて放電加工を実行する。なお、図6に示すように、放電加工中のイオン交換樹脂12への通水は比抵抗値が所定の範囲に制御されるように間欠的に行うが、放電加工中の樹脂吸着量と放電加工中消費量を足し合わせたアデニンの添加は、イオン交換樹脂12の通水時および非通水時に拘わらず行なわれる。したがって、図9に示すように、イオン交換樹脂12の通水休止期間には加工液中のアデニン濃度が上昇し、遂には飽和濃度に到達することがある。飽和濃度到達後は加工液中のアデニン濃度は飽和濃度一定で推移することとなる。
以上説明したように本実施形態にあっては、添加したアデニンが浸漬機器20の表面に吸着するとともに、イオン交換樹脂12に吸着し、更に放電加工により所要に消費されるときにも、このような吸着や消費による加工液中のアデニンの各減少に応じてアデニンが添加されるので、加工液中のアデニン濃度が所定に維持されワークWの防食効果を安定して得ることができる。
しかも、浸漬機器20の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後に、ワークWの放電加工を行うこととしたので、加工液中のアデニン濃度が放電加工中に所定に維持され、ワークWの防食効果をより安定して得ることができる。更に、放電加工は、浸漬機器20の表面の吸着が平衡に到達した後に行うこととしたので、機器側の腐食も確実に防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の応用実施または変形実施が可能であることは勿論である。例えば、上述した実施形態にあっては、放電加工中における樹脂吸着量の添加は、通水時および非通水時に拘わらず行うこととしているが、イオン交換樹脂12の通水時にのみ行うこととしても勿論構わない。
この場合においては、図10に示すように、放電加工中添加量演算手段334に代えて樹脂吸着量設定手段334aおよび放電加工中消費量設定手段334bを処理部33に設け、各手段334a,334bが記憶部32に記憶されたデータに基づいて樹脂吸着量および放電加工中消費量をそれぞれ分けて設定する。
そして、設定された樹脂吸着量および放電加工中消費量と加工実行手段338からイオン交換樹脂22のバルブ12aに対し出力される制御信号を第2腐食防止剤添加手段337に入力し、浸漬機器40の吸着が平衡に到達した後つまり放電加工中において、非通水時は放電加工中消費量のみに基づいてアデニンの添加が行われるように、通水時は樹脂吸着量と放電加工中消費量との加算値に基づいてアデニンの添加が行われるように、第2腐食防止剤添加手段337が腐食防止剤添加用ポンプ15aに対し制御信号を出力する。
これにより、図11に示すように放電加工中のアデニンの添加を過不足なく行うことができる。なお、図11に示すように、この場合においても上述した実施形態と同様に放電加工は機器表面吸着量に基づく添加後であって、浸漬機器40の表面の吸着が平衡に到達した後に行うこととする。
また、上述した実施形態では放電加工前のアデニンの添加は、イオン交換樹脂22の通水停止中に行うこととしているが、図12に示すようにイオン交換樹脂12の通水期間中に行うこととしてもよい。この場合においてはイオン交換樹脂12にアデニンが吸着されるので、樹脂吸着量に対応するように第2腐食防止剤添加装置15によりアデニンを加工液に添加すればよい。
更に、上述した実施形態にあっては、腐食を防止するために必要な濃度を腐食を防止するために必要な最小濃度に基づいて設定することとしているが、例えば腐食を防止するために必要な濃度をアデニンの飽和濃度とすることとしてもよい。
この場合においては数3および数4の如く加工液中のアデニン濃度が飽和濃度となるような添加量に対し機器表面吸着量を更に加えた添加量が放電加工前に添加されるので、加工液中のアデニン濃度が飽和濃度に維持され、ワークWの防食効果をより安定して得ることができる。
[数3]
放電加工前のアデニンの添加量
=機器表面吸着量+加工液中のアデニン濃度が飽和濃度となるような添加量
[数4]
加工液中のアデニン濃度が飽和濃度となるような添加量
=アデニンの飽和濃度×加工液量
なお、数3および数4の添加量に基づくアデニンの添加後は、上述した実施形態と同様に浸漬機器20の表面の吸着が平衡に到達した後にイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行いつつワークWの放電加工を行い、樹脂吸着量および放電加工中消費量を放電加工中に更に添加する。
本発明は、放電加工において放電加工により生ずる腐食を防止する場合に役立つ。
本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工装置の全体概要を示す構成図である。 ワイヤカット放電加工装置における加工液循環系統の構成を示す系統図である。 第2腐食防止剤添加装置の構成を示す図である。 腐食防止剤添加用ポンプの吐出量と腐食防止剤(アデニン)の溶解量との相関関係を示すグラフである。 アデニンの腐食防止機構および加工液中のアデニンの減少機構を説明するための図である。 イオン交換樹脂の通水タイミングを示す図である。 NC制御装置の構成を示すブロック図である。 NC制御装置によるアデニンの添加方法を採用した放電加工方法を説明するためのフローチャートである。 加工液中のアデニン濃度の時間変化を示すグラフである。 本発明の変形例に係るNC制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の変形例に係る加工液中のアデニン濃度の時間変化を示すグラフである。 本発明の変形例に係るイオン交換樹脂の通水タイミングを示す図である。
符号の説明
E:ワイヤ電極
W:ワーク
1:ワイヤカット放電加工装置
2:上側ガイド組体
3:下側ガイド組体
4:加工槽
5:ワークスタンド
6:各軸モータ
7:電源装置
10:加工液循環系統
11a:汚液槽
11b:ろ過フィルタ
11c:清水槽
12:イオン交換樹脂
12a:バルブ
13:加工液温度設定装置
14:第1腐食防止剤添加装置
14a:添加部
14b:攪拌部
15:第2腐食防止剤添加装置
15a:腐食防止剤添加用ポンプ
20:加工液に浸漬する機器(浸漬機器)
30:NC制御装置
31:入力部
32:記憶部
33:処理部
331:加工データ設定手段
332:放電加工前添加量演算手段
333:平衡到達時間設定手段
334:放電加工中添加量演算手段
334a:樹脂吸着量設定手段
334b:放電加工中消費量設定手段
335:判断手段
336:第1腐食防止剤添加手段
337:第2腐食防止剤添加手段
338:加工実行手段

Claims (14)

  1. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器に吸着するとき、前記機器の吸着量を求め、所定の添加量に対し前記求めた吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加することを特徴とする放電加工方法。
  2. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、前記機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し前記求めた吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加することを特徴とする放電加工方法。
  3. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、前記機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し前記求めた吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加するとともに、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後に、前記ワークの放電加工を行うことを特徴とする放電加工方法。
  4. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、前記機器の表面の吸着量を求め、所定の添加量に対し前記求めた吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加するとともに、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、前記機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、前記ワークの放電加工を行うことを特徴とする放電加工方法。
  5. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着するとき、前記イオン交換樹脂の吸着量を求め、所定の添加量に対し前記求めた吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加することを特徴とする放電加工方法。
  6. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記放電加工により反応して消費されるとき、前記放電加工による消費量を求め、所定の添加量に対し前記求めた消費量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加することを特徴とする放電加工方法。
  7. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、前記放電加工による消費量を求め、所定の添加量に対し前記求めた消費量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加することを特徴とする放電加工方法。
  8. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が、前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、前記加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に前記放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、
    前記機器の表面の吸着量、前記イオン交換樹脂の吸着量、および前記放電加工による消費量を求め、
    所定の添加量に対し前記求めた前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行うととともに、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、前記機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、前記イオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行いつつ前記ワークの放電加工を行い、前記求めたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加することを特徴する放電加工方法。
  9. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工方法であって、
    前記添加した腐食防止剤が、前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、前記加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に前記放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、
    前記機器の表面の吸着量、前記イオン交換樹脂の吸着量、および前記放電加工による消費量を求め、
    前記加工液中の前記腐食防止剤の濃度が飽和濃度となるような添加量に対し前記求めた前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行うとともに、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、前記機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、前記イオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行いつつ前記ワークの放電加工を行い、前記求めたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加することを特徴する放電加工方法。
  10. 前記腐食防止剤はプリン塩基類からなることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の放電加工方法。
  11. 前記プリン塩基類はアデニンとすることを特徴とする請求項10に記載の放電加工方法。
  12. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、
    所定の添加量に対し予め求められた前記機器の表面の吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加する手段と、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後に、前記ワークの放電加工を行う手段と、を有することを特徴とする放電加工装置。
  13. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、
    前記添加した腐食防止剤が前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとき、
    所定の添加量に対し予め求められた前記機器の表面の吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加する手段と、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、前記機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、前記ワークの放電加工を行う手段と、を有することを特徴とする放電加工装置。
  14. 加工液に腐食防止剤を添加してワークの放電加工を行う放電加工装置であって、
    前記添加した腐食防止剤が、前記加工液に浸漬する機器の表面に吸着するとともに、前記加工液のイオン交換処理を行うイオン交換樹脂に吸着し、更に前記放電加工により加工液中に生ずる金属イオンと反応して錯体を形成し消費されるとき、
    所定の添加量に対し予め求められた前記機器の表面の吸着量を更に加えて前記腐食防止剤を前記加工液に添加する手段と、
    前記機器の表面の吸着量を更に加えた添加を行った後であって、前記機器の表面の吸着が平衡に到達した後に、前記イオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行いつつ前記ワークの放電加工を行う手段と、
    前記予め求められたイオン交換樹脂の吸着量および放電加工による消費量を放電加工中に更に添加する手段と、を有することを特徴する放電加工装置。
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