JP2010214484A - 放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置を提供する。
【解決手段】 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置1における加工液のイオン交換処理方法であって、加工液への補給水の補給において、腐食防止剤の添加が行われていない状態で、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂15により加工液のイオン交換処理を行い、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂16により加工液のイオン交換処理を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置1における加工液のイオン交換処理方法であって、加工液への補給水の補給において、腐食防止剤の添加が行われていない状態で、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂15により加工液のイオン交換処理を行い、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂16により加工液のイオン交換処理を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置に関し、特に、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置に関する。
水系加工液にワークを浸漬して放電加工を行う場合、鉄系や超硬合金(焼結合金)のワークに腐食を生じることが知られている。ワークにおける腐食は、黄銅のワイヤ電極を負極、鉄系や超硬合金のワークを正極として、負極と正極の電位差から負極と正極との間に腐食電流が流れて、正極側のワークが溶出して生じると考えられている。
そこで、このような腐食を防止すべく、従来は例えば特許文献1または特許文献2に示すように、加工液に腐食防止剤を添加して放電加工を行いワークの腐食を防止する方法が広く採用されている。
ところで、放電加工においては蒸発等により加工液が減少し放電加工前において加工液への水道水の補給が適宜行われるが、この水道水の補給により加工液中において腐食防止剤が希釈されるとともに、補給後の加工液の比抵抗値が大幅に低下する。
このため、補給水の補給に対応して加工液に腐食防止剤を添加し、かつ、イオン交換樹脂により補給水が補給された加工液のイオン交換処理を行うが、イオン交換処理の際に腐食防止剤がイオン交換樹脂に吸着されることがある。
そこで、このようなイオン交換樹脂への吸着に対応して加工液への腐食防止剤の添加を適宜行う等するが、水道水の補給の際には比抵抗値を所要に回復させるべく該比抵抗値を大幅に上昇させる必要があるので腐食防止剤の吸着量が多くなり、その結果腐食防止剤の添加量が増加する等、ランニングコストの増大を招いていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法に係る請求項1の発明は、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で加工液のイオン交換処理を行うこととしたので、加工液への補給水の補給において加工液の比抵抗値を所要に上昇させる場合にあっても、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
上記目的を達成するために、放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法に係る請求項2の発明は、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態でイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うこととしたので、加工液への補給水の補給において加工液の比抵抗値を所要に上昇させる場合にあっても、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
また、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときつまり補給水が補給された加工液の比抵抗値の上昇幅を相対的に大きくする必要があるときに、強型のイオン交換樹脂つまりイオン交換処理能力の高いイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うこととしたので、加工液への補給水の補給において、イオン交換処理時間の短縮が図られイオン交換処理の効率を向上させることができる。
なお、強型のイオン交換樹脂は加工液のイオン交換処理の際に腐食防止剤の吸着量が相対的に多くなるが、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときは加工液への補給量が相対的に多い状態にあるから、補給前から加工液に添加されている腐食防止剤がより希釈された状態となる。したがって、強型のイオン交換樹脂によりイオン交換処理を行うこととしても補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の吸着も抑制することができる。
上記目的を達成するために、放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法に係る請求項3の発明は、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、加工液への補給水の補給において、該補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態でイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うこととしたので、加工液への補給水の補給において、加工液の比抵抗値を所要に上昇させる場合にあっても、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
また、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときつまり加工液への補給量が相対的に少なく補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の濃度が補給による希釈によっても相対的に高い状態となるときに、弱型のイオン交換樹脂つまり腐食防止剤の吸着量が少ないイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うこととしたので、補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の吸着も抑制することができる。
なお、弱型のイオン交換樹脂はイオン交換処理能力が相対的に低くなるが、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときは補給水が補給された加工液の比抵抗値の上昇幅が相対的に小さくなるので、加工液への補給水の補給において、イオン交換処理が長時間に及ぶことも少なくイオン交換処理の効率も所定に維持することができる。
ここで、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後に、弱型のイオン交換樹脂により加工液のイオン交換処理を行うこととすれば、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後にあってもイオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる(請求項4)。なお、請求項1乃至請求項4に記載の放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法において、腐食防止剤は例えばアデニンとすることができる(請求項5)。
上記目的を達成するために、放電加工装置に係る請求項6の発明は、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置であって、強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂を選択し、加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂を選択する手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂を選択し、加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂を選択する手段と、を有することとしたので、例えば加工液よりも比抵抗値の低い水を補給する場合において、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができるとともに、イオン交換処理の効率も所定に維持することができる。
上記目的を達成するために、放電加工装置に係る請求項7の発明は、腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置であって、強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、加工液への補給水の補給サイクルにおいて、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂を選択し、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂を選択してイオン交換処理を行い補給水が補給された加工液の比抵抗値を所定値まで上昇させる手段と、比抵抗値を所定値まで上昇させた後に補給に対応した腐食防止剤の添加を行う手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、加工液への補給水の補給サイクルにおいて、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂を選択し、補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂を選択してイオン交換処理を行い補給水が補給された加工液の比抵抗値を所定値まで上昇させる手段と、比抵抗値を所定値まで上昇させた後に補給に対応した腐食防止剤の添加を行う手段と、を有することとしたので、加工液の補給サイクルにおいて、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で補給水が補給された加工液のイオン交換処理を行うことができ、加工液の比抵抗値を所要に上昇させる場合にあっても、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。更に、加工液の補給サイクルにおいて、イオン交換処理が長時間に及ぶことも少なくイオン交換処理の効率も所定に維持することができる。
ここで、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後に、弱型のイオン交換樹脂を選択する手段を有することとすれば、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後にあってもイオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる(請求項8)。
本発明によれば、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示すワイヤカット放電加工装置の全体構成の概略を示す図である。同図を参照してワイヤカット放電加工装置1の概要を説明すると、ワイヤカット放電加工装置1は、ベース2と、ベース2の後部から立設するコラム3と、コラム3の前面上部に装着される加工ヘッド4と、ベース2の前部に載置される加工槽5と、加工槽5に収容されワークWを保持するワークスタンド6と、を有している。
すなわち、加工ヘッド4に上側ガイド組体7aが、コラム3の前面下部に下側ガイド組体7bが、ワークWを挟むように備えられており、上側ガイド組体7aと下側ガイド組体7bとの間に工具電極としてのワイヤ電極Eを連続的に供給しながら各軸モータ8によりワイヤ電極EとワークW間の極間距離を所定に設定しつつ電源装置9により極間に所定の電圧を印加して放電を発生させワークWの放電加工を行う構成となっており、加工液系統10により所要にイオン交換処理され腐食防止剤が添加された水系加工液(以下、所要にイオン交換処理され腐食防止剤が添加された水系加工液を単に加工液とする)が加工槽5に連続的に循環供給される。
図2に示すように、加工液系統10は、該加工液系統10の主系統をなし加工槽5に加工液を循環供給する加工液循環供給系統10a、加工液循環供給系統10aに補給水を補給する加工液補給系統10b、加工液循環供給系統10aにおける加工液のイオン交換処理を行うイオン交換処理系統10cからなる。
加工液循環供給系統10aは汚液槽11aとろ過フィルタ11bと清水槽11cとを備える加工液の貯留槽11、加工液温度設定装置12、および腐食防止剤添加装置13等を構成機器として含む。図3に示すように、腐食防止剤添加装置13は、ポンプ13aおよび溶解槽13bからなり、通水性のある包装材に包装された粉末状の腐食防止剤13cを溶解槽13bに備え、溶解槽13bにポンプ13aを介して加工液を供給し腐食防止剤を加工液に溶解させながら添加する。ポンプ13aの吐出量を所定に設定することで腐食防止剤の濃度を所要に調整することができる。
図2に戻り、加工液補給系統10bは清水槽11cに接続されており、該清水槽11cに補給水を補給する水源14を含む。補給水はイオン交換処理がされておらず加工液よりも比抵抗値が低い水であって腐食防止剤も添加されていない水、より詳しくは水道水が用いられる。更にイオン交換処理系統10cは清水槽11cとの間で加工液の循環系統を形成しており、相互に並列に配置された第1のイオン交換樹脂15および第2のイオン交換樹脂16とこれらイオン交換樹脂15,16に清水槽11cの加工液を通水するポンプ17を含む。
すなわち、加工液循環系統10aにおいて清水槽11cの加工液の液量が所要に減少したときは、放電加工の開始前において、図4A、図5、および図6に示すように、水源14の出口側のバルブ14aを開放して水源14からの水道水を清水槽11cに補給し、清水槽11cの液面レベルを所定に調整する。これにより加工液中において腐食防止剤が希釈された状態になるとともに、相対的に比抵抗値の低い水道水が加工液に補給されることで該水道水(補給水)が補給された加工液(以下、水道水(補給水)が補給された加工液を補給後の加工液とする)の比抵抗値が低下した状態となる。
そして、図4B、図4C、図5、および図6に示すように、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で、補給後の加工液の温度を加工液温度設定装置12により所定に調整しつつ、第1のイオン交換樹脂15または第2のイオン交換樹脂16により補給後の加工液のイオン交換処理を行い、該加工液の比抵抗値を上限設定値まで上昇させる。このように補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態でイオン交換処理を行うことで、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
ここで、本発明においては、第1のイオン交換樹脂15は強型のイオン交換樹脂からなり、より詳しくは第1のイオン交換樹脂15は強酸性陽イオン交換樹脂および強塩基性陰イオン交換樹脂を均一に混合した樹脂からなる。また、第2のイオン交換樹脂16は弱型のイオン交換樹脂からなり、より詳しくは弱酸性陽イオン交樹換脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂を均一に混合した樹脂からなる。
そして、本発明者により、強型のイオン交換樹脂は相対的にイオン交換処理能力が高く、かつ、腐食防止剤の吸着量が多くなることが明らかとされており、弱型のイオン交換樹脂は強型のイオン交換樹脂よりもイオン交換処理能力が低く、かつ、腐食防止剤の吸着量が少なくなることが明らかとされている。
そこで、本発明においては、図4Bおよび図5に示すように、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値(閾値は上述した上限設定値および後述する下限設定値によりも小さい)以下であるときは、第1のイオン交換樹脂15の入口側のバルブ15aを開放し、かつ、第2のイオン交換樹脂16の入口側のバルブ16aを閉塞し、ポンプ17を動作させて第1のイオン交換樹脂15により補給後の加工液のイオン交換処理を行い、該加工液の比抵抗値を上限設定値まで上昇させる。
すなわち、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値以下のときは該比抵抗値の上限設定値に対する上昇幅を相対的に大きくする必要があるので、イオン交換処理能力の高い強型の第1のイオン交換樹脂15によりイオン交換処理を行うことで、加工液への補給水の補給においてイオン交換処理時間の短縮が図られイオン交換処理の効率を向上させることができる。
補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値以下であるときは加工液への補給量が相対的に多い状態にあるから、補給前から加工液に添加されている腐食防止剤がより希釈された状態となるので、強型のイオン交換樹脂によりイオン交換処理を行うこととしても補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の吸着も抑制することができる。なお、本発明においては強酸性陽イオン交換樹脂にはアンバーライトIR120BHを、強塩基性陰イオン交換樹脂にはアンバーライトIRA410OHを、それぞれ採用している。
一方、図4Cおよび図6に示すように、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときは、第1のイオン交換樹脂15の入口側のバルブ15aを閉塞し、かつ、第2のイオン交換樹脂16の入口側のバルブ16aを開放し、ポンプ17を動作させて第2のイオン交換樹脂16により補給後の加工液のイオン交換処理を行う。
すなわち、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときは、加工液への補給量が相対的に少なく補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の濃度が補給による希釈によっても相対的に高い状態となるが、弱型の第2のイオン交換樹脂16によりイオン交換処理を行うことで、補給前から添加されている腐食防止剤の吸着を抑制することができる。
補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときは該比抵抗値の上限設定値に対する上昇幅が相対的に小さくなるので、イオン交換処理能力が相対的に低い弱型の第2のイオン交換樹脂16によりイオン交換処理を行うこととしても加工液への補給水の補給においてイオン交換処理が長時間に及ぶことも少なくイオン交換処理の効率も所定に維持することができる。なお、本発明においては弱酸性陽イオン交換樹脂にはダイヤイオンWK10Lを、弱塩基性陰イオン交換樹脂にはダイヤイオンWA10を、それぞれ採用している。
ここで、本発明においては比抵抗値の閾値はワイヤカット放電加工装置1のランニングコストが所定以下となるように設定される。すなわち、比抵抗値の閾値を相対的に高く設定すると加工液への補給量が相対的に少なくなり、補給前から加工液に添加されている腐食防止剤の濃度が相対的に高い状態で強型の第1のイオン交換樹脂15によるイオン交換処理が行われることとなるので、強型の第1のイオン交換樹脂15による腐食防止剤の吸着量の増加に起因したランニングコストの増加が顕著となる。
一方で、比抵抗値の閾値を相対的に低く設定すると比抵抗値の上限設定値に対する上昇幅が相対的に大きい状態で弱型の第2のイオン交換樹脂16によるイオン交換処理が行われることとなるので、弱型の第2のイオン交換樹脂16によるイオン交換処理時間の増加に起因したランニングコストの増加が顕著となる。
そこで、本発明においては第1のイオン交換樹脂15による腐食防止剤の吸着量に起因するランニングコストと第2のイオン交換樹脂16によるイオン交換処理時間に起因するランニングコストの和が所定以下となるように比抵抗値の閾値を設定することとしている。
水道水の補給後に比抵抗値を上限設定値まで上昇させた後は、図4D、図5、および図6に示すように、バルブ15aおよび16aを閉塞して第1のイオン交換樹脂15および第2のイオン交換樹脂16の通水を停止した状態とし、補給後の加工液に対し水道水の補給量に対応した量の腐食防止剤を添加する。
そして、補給に対応した腐食防止剤の添加後は放電加工を行う。図4E、図5、および図6に示すように、放電加工中も腐食防止剤添加装置13による腐食防止剤の添加を行いつつ、放電加工により比抵抗値が低下して所定の下限設定値以下となったときは、第2のイオン交換樹脂16の入口側のバルブ16aを開放し、かつ、第1のイオン交換樹脂15の入口側のバルブ15aを閉塞し、更にポンプ17を動作させて第2のイオン交換樹脂16によりイオン交換処理を行い、比抵抗値を上限設定値まで回復させる。
このように弱型の第2のイオン交換樹脂16によりイオン交換処理を行うことで、放電加工中つまり補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後にあってもイオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができる。なお、放電加工中の比抵抗値の上昇幅つまり比抵抗値の上限設定値と下限設定値の差は相対的に小さく、弱型の第2のイオン交換樹脂16によりイオン交換処理を行うこととしてもイオン交換処理が長時間に及ぶことも少なくイオン交換処理の効率も所定に維持することができる。
ここで、本発明においては、加工液に添加される腐食防止剤にはプリン塩基類からなる薬剤、より詳しくは化1に示す粉末状のアデニン(6−アミノプリン)〔CAS登録番号73−24−5〕を採用することとしている。
図7に示すように、プリン塩基類であるアデニンは、加工液中の金属イオンと反応して金属錯体を形成し、ワークWに金属イオンが付着する等して生ずる着色や腐食を低減するとともに、ワークWの表面に吸着して保護皮膜を形成し、ワークWの酸化や溶出も低減することが本発明者により明らかとされている。そして、アデニンは強型のイオン交換樹脂では吸着量が相対的に多く、弱型のイオン交換樹脂では強型のイオン交換樹脂に対し吸着量が少なくなることも本発明者により明らかとされており、上述した加工液のイオン交換処理方法を採用することでイオン交換樹脂における吸着を抑制することができる。
ワイヤカット放電加工装置1には第1のイオン交換樹脂15および第2のイオン交換樹脂16による加工液のイオン交換処理を行いつつ放電加工を実行すべくNC制御装置20が併設されている。このNC制御装置20は、図8に示すように、入力部21、記憶部22、処理部23からなる。
入力部21は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成されており、この入力部21から処理部23における各種処理に必要な情報が入力される。入力部21から入力される情報には、加工液への水道水の補給サイクルを開始させるための情報、記憶部22に記憶されている加工液の温度、比抵抗値の上限設定値や下限設定値、および閾値等の加工液条件やNCプログラムを読み出すための情報、ポンプ13aの吐出量等がある。
記憶部22は、ハードディスク、CD−ROM等で構成されており、各種加工液条件やNCプログラム等を記憶する機能を有している。NCプログラムには放電加工の実行に必要な電気加工条件や各軸モータ8の駆動データに関する情報が含まれている。
処理部23には、比抵抗値検出器18から加工液の比抵抗値の検出信号が入力される。そして、処理部23は、該加工液の比抵抗値、入力部21から入力された各種情報、記憶部22に記憶された加工液条件やNCプログラムに基づいて所定の制御信号を出力し、水源14のバルブ14a、第1のイオン交換樹脂15のバルブ15a、第2のイオン交換樹脂16のバルブ16a、樹脂通水用のポンプ17、加工液温度設定装置12、腐食防止剤添加装置13のポンプ13a、各軸モータ8、電源装置9を所要に動作させる機能等を有している。
より詳しくは、処理部23は、加工液への補給水の補給サイクル中であるか否かを判断する手段、加工液の補給サイクル中において、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われない状態としつつ、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値以下のときに、第1のイオン交換樹脂15を選択し、補給後の加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、第2のイオン交換樹脂16を選択してイオン交換処理を行い補給後の加工液の比抵抗値を上限設定値まで上昇させる手段、補給後の加工液の比抵抗値を上限設定値まで上昇させた後つまり加工液の補給サイクルの終了後に補給に対応した腐食防止剤の添加を行う手段、補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後に、第2のイオン交換樹脂16を選択する手段、放電加工を実行する手段等として機能する。なお、処理部23はCPUとメモリが協働してその機能を果たす。
次にNC制御装置20による上述した加工液のイオン交換処理方法を図9Aおよび図9Bのフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS10において、オペレータが清水槽11cの加工液(加工液は所要にイオン交換処理され腐食防止剤が添加されている)の液量が所要に減少していることを確認すると、オペレータが入力部21から加工液への水道水の補給サイクルを開始するための情報を入力し、該入力された情報に基づいて処理部23が以後加工液の補給サイクル中であると判断するとともに、該補給サイクルが終了するまでポンプ13aの動作を常時OFFとする信号を出力する。これにより補給サイクル中はオペレータの誤操作等により入力部21を介してポンプ13aを動作させる操作が行われたとしてもポンプ13aの動作は不許可の状態となり、腐食防止剤添加装置13による補給に対応した腐食防止剤の添加が厳に行われない状態となる。更に、処理部23は入力部21からの補給サイクルを開始するための情報に基づいて制御信号を出力しバルブ14aを開放して水源14からの水道水を清水槽11cに補給する(図4A、図5、および図6参照)。なお、水道水の比抵抗値は通常10000Ω・cm以下である。
すなわち、ステップS10において、オペレータが清水槽11cの加工液(加工液は所要にイオン交換処理され腐食防止剤が添加されている)の液量が所要に減少していることを確認すると、オペレータが入力部21から加工液への水道水の補給サイクルを開始するための情報を入力し、該入力された情報に基づいて処理部23が以後加工液の補給サイクル中であると判断するとともに、該補給サイクルが終了するまでポンプ13aの動作を常時OFFとする信号を出力する。これにより補給サイクル中はオペレータの誤操作等により入力部21を介してポンプ13aを動作させる操作が行われたとしてもポンプ13aの動作は不許可の状態となり、腐食防止剤添加装置13による補給に対応した腐食防止剤の添加が厳に行われない状態となる。更に、処理部23は入力部21からの補給サイクルを開始するための情報に基づいて制御信号を出力しバルブ14aを開放して水源14からの水道水を清水槽11cに補給する(図4A、図5、および図6参照)。なお、水道水の比抵抗値は通常10000Ω・cm以下である。
次に、ステップS20において、オペレータがステップS10の水道水の補給により清水槽11cの加工液の液量が所要に満たされたことを確認すると、オペレータが入力部21から所定の情報を入力するとともに、該入力された情報に基づいて処理部23が制御信号を出力してバルブ14aを閉塞し加工液への水道水の補給を停止する。
次いで、ステップS30において、オペレータが入力部21から記憶部22に記憶されている加工液条件を読み出すための情報を入力する。そして、該入力した情報に基づいて処理部23が記憶部22から加工液条件を読み出して加工液の温度、比抵抗値の上限設定値や下限設定値、閾値を設定するとともに、更にオペレータが入力部21からポンプ13aの吐出量を入力する。本実施形態にあっては、加工液の温度は25℃程度、比抵抗値の上限設定値は100000Ω・cm、比抵抗値の下限設定値は50000Ω・cmに設定される。またポンプ13aの吐出量は加工液中の腐食防止剤の濃度つまりアデニン濃度が10mg/L乃至1000mg/Lに調整されるように入力される。
続いて、ステップS40において、処理部23がステップS30で設定された加工液の温度に基づいて制御信号を出力して加工液温度設定装置12を動作させて加工液の温度を所定に調整しつつ、同じくステップS30で設定された比抵抗値の閾値と比抵抗値検出器18により検出された補給後の加工液の比抵抗値とを比較し、該比較結果に基づいてステップS50A乃至ステップS50Bにおいて処理部23が第1のイオン交換樹脂15および第2のイオン交換樹脂16のうちいずれかを選択する。
より詳しくは、ステップS40において、処理部23が補給後の加工液の比抵抗値が閾値以下であることを確認すると、ステップS50Aにおいて、処理部23が制御信号を出力してバルブ15aを開放し、かつ、バルブ16aを閉塞して、第1のイオン交換樹脂15を選択した状態つまり第1のイオン交換樹脂15を通水可能な状態とし、かつ、第2のイオン交換樹脂16を通水されない状態とする(図4Bおよび図5参照)。
一方、ステップS40において、処理部23が補給後の加工液の比抵抗値が閾値よりも大きいことを確認すると、ステップS50Bにおいて、処理部23が制御信号を出力してバルブ16aを開放し、かつ、バルブ15aを閉塞して、第2のイオン交換樹脂16を選択した状態つまり第2のイオン交換樹脂16を通水可能な状態とし、かつ、第1のイオン交換樹脂15を通水されない状態とする(図4Cおよび図6参照)。
そして、ステップS60において、処理部23が制御信号を出力してポンプ17を動作させて第1のイオン交換樹脂15または第2のイオン交換樹脂16により補給後の加工液のイオン交換処理を開始する。
続いて、ステップS70において、処理部23が比抵抗値検出器18により検出された比抵抗値がステップS30で設定された上限設定値以上であることを確認つまり処理部23が補給サイクルの終了を確認すると、ステップS80において、処理部23が制御信号を出力してバルブ15aまたは16aを閉塞させ、かつ、ポンプ17を停止させて第1のイオン交換樹脂15または第2のイオン交換樹脂16による補給後の加工液のイオン交換処理を終了するとともに、更に処理部23がステップS10において出力されたポンプ13aの動作を常時OFFとする信号をキャンセルする。これにより以後ポンプ13aの動作が許可の状態となり腐食防止剤添加装置13による補給に対応した腐食防止剤の添加が可能な状態となる。
続いて、ステップS90において、補給に対応した腐食防止剤の添加を行う。すなわち、処理部23がステップS30で設定したポンプ13aの吐出量に基づいて所定のON信号を出力してポンプ13aを動作させる。これにより、水道水の補給量に対応する量の腐食防止剤を添加し加工液中の腐食防止剤の濃度を水道水の補給前の濃度に回復させる(図4D、図5、および図6参照)。
このようにステップS40乃至ステップS90の如く処理部23により第1のイオン交換樹脂15または第2のイオン交換樹脂16を選択して補給後の加工液のイオン交換処理を行った後に、補給に対応した腐食防止剤の添加を行うことで、補給に対応した腐食防止剤の添加が確実に行われていない状態で補給後の加工液のイオン交換処理が行われる。
次に、ステップS100において、オペレータが入力部21から記憶部22に記憶されているNCプログラムを読み出すための情報を入力する。そして、該入力された情報に基づいて処理部23が記憶部22からNCプログラムを読み出しつつ電気加工条件、各軸モータ8の駆動データを設定する。
次いで、ステップS110において、処理部23がステップS100で設定された電気加工条件および各軸モータ8の駆動データに基づいて制御信号を出力して電源装置9および各軸モータ8を動作させ放電加工を開始する。放電加工中においては腐食防止剤が消費されるので処理部23が所定の制御信号を出力してポンプ13aを動作させ加工液中の腐食防止剤の濃度を所要に維持する。なお、放電加工中は加工屑を介して加工液中に金属イオンが連続的に発生することにより比抵抗値が低下する。
続いて、ステップS120乃至ステップS160において、処理部23が放電加工の開始後つまり補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後に所定の制御信号を出力して第2のイオン交換樹脂16による加工液のイオン交換処理を行う。
すなわち、ステップS120において、処理部23が比抵抗値検出器18により検出された放電加工中の比抵抗値がステップS30で設定された下限設定値以下であることを確認すると、ステップS130において、処理部23が制御信号を出力してバルブ16aを開放(バルブ15aは閉塞)して、第2のイオン交換樹脂16を選択した状態つまり第2のイオン交換樹脂16を通水可能な状態(第1のイオン交換樹脂15は通水されない状態)とし、更にポンプ17を動作させて第2のイオン交換樹脂16により加工液のイオン交換処理を開始する(図4E、図5、および図6参照)。
そして、ステップS140において、処理部23が比抵抗値検出器18により検出された放電加工中の比抵抗値がステップS30で設定された上限設定値以上であることを確認すると、ステップS150において、処理部23が制御信号を出力しポンプ17を停止させるとともに、第2のイオン交換樹脂16のバルブ16aを閉塞する。これにより、放電加工中つまり補給に対応した腐食防止剤の添加が行われた後の第2のイオン交換樹脂16によるイオン交換処理を終了する。
以下、ステップS160において、処理部23が放電加工の終了を確認するまでステップS120乃至ステップS150の動作を繰り返し行う。
このように上記ステップS10乃至ステップS160の如く補給後の加工液のイオン交換処理を行うことで、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制することができるとともに、加工液への補給水の補給においてイオン交換処理が長時間に及ぶことも少なくイオン交換処理の効率も所定に維持することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の応用実施または変形実施が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施形態では腐食防止剤にアデニンを採用することとしているが、他の腐食防止剤であってもイオン交換樹脂に吸着されるものであれば本発明の効果を奏する。また強型のイオン交換樹脂で吸着量が相対的に多く、弱型のイオン交換樹脂で吸着量が相対的に少なくなるような腐食防止剤であればアデニン以外のものでも本発明を適用することにより更に大きな効果を奏する。
本発明は、イオン交換樹脂における腐食防止剤の吸着を抑制する場合に役立つ。
E:ワイヤ電極
W:ワーク
1:ワイヤカット放電加工装置
2:ベース
3:コラム
4:加工ヘッド
5:加工槽
6:ワークテーブル
7a:上側ガイド組体
7b:下側ガイド組体
8:各軸モータ
9:電源装置
10:加工液系統
10a:加工液循環供給系統
10b:加工液補給系統
10c:イオン交換処理系統
11:貯留槽
11a:汚液槽
11b:ろ過フィルタ
11c:清水槽
12:加工液温度設定装置
13:腐食防止剤添加装置
13a:ポンプ
13b:溶解槽
13c:腐食防止剤
14:水源
14a:バルブ
15:第1のイオン交換樹脂
15a:バルブ
16:第2のイオン交換樹脂
16a:バルブ
17:ポンプ
18:比抵抗値検出器
20:NC制御装置
21:入力部
22:記憶部
23:処理部
W:ワーク
1:ワイヤカット放電加工装置
2:ベース
3:コラム
4:加工ヘッド
5:加工槽
6:ワークテーブル
7a:上側ガイド組体
7b:下側ガイド組体
8:各軸モータ
9:電源装置
10:加工液系統
10a:加工液循環供給系統
10b:加工液補給系統
10c:イオン交換処理系統
11:貯留槽
11a:汚液槽
11b:ろ過フィルタ
11c:清水槽
12:加工液温度設定装置
13:腐食防止剤添加装置
13a:ポンプ
13b:溶解槽
13c:腐食防止剤
14:水源
14a:バルブ
15:第1のイオン交換樹脂
15a:バルブ
16:第2のイオン交換樹脂
16a:バルブ
17:ポンプ
18:比抵抗値検出器
20:NC制御装置
21:入力部
22:記憶部
23:処理部
Claims (8)
- 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、
前記加工液への補給水の補給において、該補給に対応した前記腐食防止剤の添加が行われていない状態で前記加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法。 - 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、
前記加工液への補給水の補給において、該補給に対応した前記腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、前記補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、強型のイオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法。 - 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法であって、
前記加工液への補給水の補給において、該補給に対応した前記腐食防止剤の添加が行われていない状態で、かつ、前記補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、弱型のイオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法。 - 前記補給に対応した前記腐食防止剤の添加が行われた後に、弱型のイオン交換樹脂により前記加工液のイオン交換処理を行うことを特徴とする放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法。
- 前記腐食防止剤はアデニンとすることを特徴する請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法。
- 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置であって、
強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、
前記加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、前記強型のイオン交換樹脂を選択し、前記加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、前記弱型のイオン交換樹脂を選択する手段と、を有することを特徴とする放電加工装置。 - 腐食防止剤が添加された加工液を供給しつつワークの放電加工を行う放電加工装置であって、
強型のイオン交換樹脂および弱型のイオン交換樹脂を有するとともに、
前記加工液への補給水の補給サイクルにおいて、前記補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも小さいときに、前記強型のイオン交換樹脂を選択し、前記補給水が補給された加工液の比抵抗値が所定の閾値よりも大きいときに、前記弱型のイオン交換樹脂を選択してイオン交換処理を行い前記補給水が補給された加工液の比抵抗値を所定値まで上昇させる手段と、
前記比抵抗値を所定値まで上昇させた後に前記補給に対応した前記腐食防止剤の添加を行う手段と、を有することを特徴とする放電加工装置。 - 前記補給に対応した前記腐食防止剤の添加が行われた後に、前記弱型のイオン交換樹脂を選択する手段を有することを特徴とする請求項7に記載の放電加工装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009061549A JP2010214484A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | 放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009061549A JP2010214484A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | 放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010214484A true JP2010214484A (ja) | 2010-09-30 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009061549A Pending JP2010214484A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | 放電加工装置における加工液のイオン交換処理方法および放電加工装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010214484A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012056788A1 (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-03 | 三菱電機株式会社 | 液質調整装置 |
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JP2017047512A (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | ファナック株式会社 | 加工液追加手段を有する放電加工機 |
-
2009
- 2009-03-13 JP JP2009061549A patent/JP2010214484A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106493441B (zh) * | 2015-09-03 | 2018-11-02 | 发那科株式会社 | 放电加工机 |
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