JP2010099011A - 細胞培養装置、細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養装置、細胞培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】継代操作において、新しい培養容器に分配播種された細胞が培養容器内で均一に分散するように培養容器を動揺させることができる細胞培養装置を提供する。
【解決手段】培養容器12の底面を撮影し、その撮影した画像から細胞のバラツキ状態を表すバラツキ方向θおよびバラツキ度ωを認定し、その認定したバラツキ状態に応じて培養容器12を動揺させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、細胞の培養を自動化できる細胞培養装置に関し、特に継代操作が可能な細胞培養装置、および継代操作が可能な細胞培養装置を用いた細胞培養方法に関する。
細胞を培養するには、一般的には、培養容器内の古い培地を新しい培地に交換する培地交換操作や、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作といった煩雑な操作が必要であり、従来は、熟練した作業者が手作業で行っていた。そのため、従来の細胞培養は、時間がかかり、また容易には実施することができなかった。そこで、近年、細胞培養を自動化できる細胞培養装置が開発されてきている(例えば特許文献1や特許文献2を参照。)。
一方、培養容器内の培地に播種された細胞が均一に分散していない状態で培養を行うと、細胞が密集している領域では細胞の増殖量が少なく、細胞が少ない領域では細胞が死滅するため、細胞が所定の増殖状態とならない。所定の増殖状態とは、培養容器内で増殖した細胞が、例えば培養容器の底面の60%から80%程度の面積まで所定の時間で増殖した状態になっていることや、目的とする形態(例えば、コロニー内の細胞が中央に密集しており、周囲は散在している形態や、コロニー内の細胞が密集している形態等)になっていることをいう。そこで、従来の手作業による継代操作においては、分配された細胞を含む細胞懸濁液を新しい培養容器内に注入した後に、作業者が、経験と勘を頼りに、目視により確認した培養容器内の細胞のバラツキ(偏り)状態に応じて、細胞が均一に分散するように培養容器を動揺させていた。
しかしながら、従来の細胞培養装置には、細胞が均一に分散するように培養容器内の細胞懸濁液を攪拌する構成を備えたものはなく、継代操作において、新しい培養容器内に播種された細胞がばらついた状態であっても、その培養容器内の細胞を均一に分散させることができなかった。
特開2004−016194号公報 特開2005−218413号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作において、分配された細胞を含む細胞懸濁液が新しい培養容器内に注入された後に、細胞が均一に分散するように培養容器を動揺させて細胞懸濁液を攪拌することが可能な細胞培養装置、およびこの細胞培養装置を用いた細胞培養方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の細胞培養装置は、第1の培養容器内の培地に培養されている細胞を他の第2の培養容器へ分配播種する継代操作が可能な細胞培養装置であって、前記第1の培養容器から採取された細胞を含む細胞懸濁液が注入された前記第2の培養容器を撮影する撮像手段と、前記第2の培養容器を動揺させて前記細胞懸濁液を攪拌する攪拌手段と、前記撮像手段で撮影された画像に基づき決定された細胞を均一に分散させるための攪拌動作で前記第2の培養容器が動揺するように前記攪拌手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載の細胞培養装置は、請求項1記載の細胞培養装置であって、前記制御手段は、前記撮像手段で撮影された画像から、前記第2の培養容器内に細胞が均一に分散しているか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載の細胞培養装置は、請求項1もしくは2のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記制御手段は、前記撮像手段が撮影した画像から、前記第2の培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定することを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の細胞培養装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記制御手段は、細胞のバラツキ状態を基に、複数種類の攪拌動作のうちから少なくとも1つの攪拌動作を選定することを特徴とする。
また、本発明の請求項5記載の細胞培養装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記制御手段は、細胞のバラツキ状態を基に、攪拌動作の仕様を決定することを特徴とする。
また、本発明の請求項6記載の細胞培養装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を往復運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項7記載の細胞培養装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を8の字運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項8記載の細胞培養装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段は、前記第2の培養容器の縁を垂直方向にウェーブ運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項9記載の細胞培養装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を偏心円運動または略偏心円運動させつつ、その偏心円運動または略偏心円運動よりも大きな半径で円運動または略円運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項10記載の細胞培養装置は、請求項1ないし9のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段として、当該細胞培養装置の内部空間において培養容器を搬送する搬送手段を用いることを特徴とする。
また、本発明の請求項11記載の細胞培養装置は、請求項1ないし9のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記攪拌手段として、当該細胞培養装置の内部空間において培養容器を保持するテーブルを用いることを特徴とする。
また、本発明の請求項12記載の細胞培養装置は、請求項1ないし11のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記撮像手段は、培養容器が載置される観察ステージの下方から培養容器を撮影することを特徴とする。
また、本発明の請求項13記載の細胞培養方法は、第1の培養容器内の培地に培養されている細胞を他の第2の培養容器へ分配播種する細胞培養方法であって、第1の培養容器から採取された細胞を含む細胞懸濁液を第2の培養容器へ注入する注入工程と、前記第2の培養容器内の細胞を撮像手段で撮影して前記第2の培養容器内の細胞のバラツキ状態を観察しバラツキ状態の良否を判定する観察判定工程と、前記観察判定工程で否と判定された場合に、撮影された画像に基づき決定された細胞を均一に分散させるための攪拌動作で前記第2の培養容器を動揺させる攪拌工程と、前記観察判定工程で良と判定された場合に、前記第2の培養容器内の細胞を培養する培養工程と、を具備し、前記観察判定工程で否と判定された場合、前記観察判定工程で良と判定されるまで、前記観察判定工程と前記攪拌工程を繰り返すことを特徴とする。
また、本発明の請求項14記載の細胞培養方法は、請求項13記載の細胞培養方法であって、前記攪拌工程において、前記第2の培養容器内の細胞懸濁液が渦巻き状に回転するように前記第2の培養容器を動揺させて、前記第2の培養容器の略中央に細胞を集めた後、前記第2の培養容器を所定の方向に均等に動揺させて、前記第2の培養容器の略中央に集められた細胞を均等に分散させることを特徴とする。
本発明の好ましい形態によれば、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作において、分配された細胞を含む細胞懸濁液が新しい培養容器内に注入された後に、細胞が均一に分散するように培養容器を動揺させて細胞懸濁液を攪拌することができる。よって、細胞が均一に分散していないために細胞が所定の増殖状態とならないという問題を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を交えて説明する。図1は、本発明の実施の形態における細胞培養装置の外観の一例を示す斜視図である。本実施の形態では、図1に示すように、複数台の作業ユニット2を連接させた構成の細胞培養装置1を例に説明を行う。これら複数台の作業ユニット2には、培養容器内の古い培地を新しい培地に交換する培地交換操作や、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作といった細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備されている。
図2は、作業ユニットの外観の一例を示す斜視図である。図2に示すように、作業ユニット2の筐体の側壁には開口部3が形成されている。連接された複数台の作業ユニット2それぞれの内部空間は、各作業ユニット2の側壁に形成されている開口部3により互いに連通される。また、作業ユニット2の側壁には、開口部3を開閉する遮断扉4が設けられており、遮断扉4を閉じると、作業ユニット2の内部空間が密閉される構造となっている。
作業ユニット2の前壁には、作業ユニット2の内部に装備されている設備のメンテナンス等ができるように開口部(図示せず)が形成さており、その開口部を開閉する遮断扉5が設けられている。
作業ユニット2の天井部には、作業ユニット2の内部空間に充填される気体を清浄化する清浄化手段としてのHEPAフィルタ6が設けられており、清浄化された空気が作業ユニット2の内部空間に供給される構成となっている。
作業ユニット2の内部には、隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送したり、作業ユニットの内部空間において培養容器等を搬送するための搬送手段が設けられている。本実施の形態では、図3(a)の縦断面図並びに図3(b)の横断面図に示すように、作業ユニットの内部空間において培養容器等(図3には、代表して丸型培養容器を示している。)を搬送する搬送ロボットを設けるとともに、開口部3の近傍にコンベア7を設ける場合について説明する。
コンベア7は、隣接する作業ユニットのコンベア7と協働して、隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送する。搬送ロボットは、培養容器等を把持する把持部8を有する。また、把持部8をX−Y−Z方向へ移動させるX−Y−Z移動機構を有する。図3には、把持部8をX軸方向へ移動させるためのX軸レール9、把持部8をY軸方向へ移動させるためのY軸レール10を示している。
図4に搬送ロボットの把持部8側の斜視図を示す。本実施の形態では、図4に示すように、把持部8は、2本のアーム部8aを離したり近づけたりすることで培養容器等を把持する構成となっている(図4には、代表して丸型培養容器12を把持している状態を示している。)。また、把持部8を支持するリスト部11は、把持部8を3軸動作させる構成となっている。なお、リスト部11のリスト軸は3軸に限定されるものではなく、少なくとも、把持部8が把持する培養容器等をZ軸を中心に回動させることが可能な軸と、把持部8が把持する培養容器等を揺動させることが可能な軸を有すればよい。
このように構成された搬送ロボットは、コンベア7上の培養容器等を作業エリア13へ搬送したり、培養容器等を作業エリア13からコンベア7上へ搬送したりする。また、作業ユニット内での作業が多岐にわたる場合には、各作業エリア間で培養容器等を搬送する。
本実施の形態では、以上説明した作業ユニット2が複数台連接されてなる細胞培養装置1の一端に配置された作業ユニット2の開口部3を介して、細胞培養装置1の外部から内部へ、細胞が培養された培養容器を搬入し、細胞培養装置1の内部で細胞を継代播種する場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態における細胞培養装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。図5に示すように、作業ユニット2は制御部14を備える。制御部14は、作業ユニット2が装備する設備の動作を制御する。また、細胞培養装置1は、各作業ユニットの制御部14に接続し、細胞培養装置1全体の動作を管理・制御する上位制御部15を備える。すなわち、上位制御部15は、細胞培養装置1の現在の状況を把握して、各作業ユニットの制御部14へ指令を送る。各作業ユニットの制御部14は、上位制御部15からの指令に基づき、作業ユニット2が装備する設備の動作を制御する。各作業ユニットの制御部14と上位制御部15は図5に示すように有線で接続してもよいが、無線で接続する構成としてもよい。
続いて、複数台の作業ユニットへ分散させる設備の一例について説明する。ここでは、搬入搬出ユニットA、細胞観察ユニットB、細胞処理ユニットC、細胞分配ユニットD、細胞培養ユニットEがこの順に連接されている場合を例に説明する。なお、無論、本発明は、この構成に限定されるものではない。また、ここでは、培養容器として、丸型培養容器(ディッシュ)12を用いる場合について説明する。図6(a)に蓋を被せた状態の培養容器12を、図6(b)に蓋を外した状態の培養容器12を示す。
まず、細胞培養装置1の一端に配置される搬入搬出ユニットAについて説明する。搬入搬出ユニットAは、細胞が培養された培養容器の細胞培養装置1の外部から内部への搬入および細胞培養装置1の内部から外部への搬出のための作業ユニットであり、搬入搬出ユニットAの内部には、上記した搬送ロボット等からなる搬送手段のみが設けられている。つまり、この搬出搬入ユニットAの搬送ロボットは、一方の開口部3近傍に設けたコンベア7上の培養容器等を把持し、その把持した培養容器等を他方の開口部3近傍に設けたコンベア7上へ載置する。この搬入搬出ユニットAは、コンタミネーションの防止の促進を図るために設けられている。
続いて、細胞観察ユニットBについて説明する。図7は、細胞観察ユニットBの構成の一例を説明するための説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。細胞観察ユニットBは、培養容器内や試料容器内の細胞を観察するためのユニットであり、撮影モジュールや、培養容器等を細胞培養装置の外部へ排出するための排出機構(図示せず)等が装備されている。本実施の形態では、細胞観察ユニットBにおいて、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理、細胞が培養容器の底面から剥離しているか否かの判定処理、培養容器内に細胞懸濁液が残存しているか否かの判定処理、一定量の細胞懸濁液中の細胞数をカウントする処理、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否か(培養容器内に細胞が均一に分散しているか否か)の判定処理、培養容器内の細胞のバラツキ状態を認定する処理、培養容器の振り方を決定する処理等を実施する。
細胞観察ユニットBに装備された観察ステージ16は、培養容器等(図7には、代表して培養容器12を示している。)を下側から観察できるように、少なくとも培養容器等を載置する領域16aが透明な部材で構成されている。なお、培養容器等を下側から観察するために、培養容器を載置する領域や試料容器を載置する領域に切り抜き部を形成してもよい。但し、この場合、培養容器や試料容器が落ちないように切り抜き部を形成する必要がある。
細胞観察ユニットBに装備された撮影モジュール(撮像手段)は、図7に示すように、顕微鏡17aと撮像素子17bを備えた顕微鏡付きカメラと、顕微鏡付きカメラを保持するカメラ保持部18を有する。図示しないが、撮影モジュールは、カメラ保持部18を昇降させる昇降部を有する。昇降部は、観察ステージ16上に培養容器等が載置されると、観察ステージ16の下方に待機している顕微鏡付きカメラを昇降させて焦点合わせを行う。
また、図示しないが、顕微鏡付きカメラは細胞観察ユニットBの制御部14に接続しており、細胞観察ユニットBの制御部14は、顕微鏡付きカメラで撮影された画像を画像処理して、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等を実行し、その判定結果等の情報を上位制御部15へ送る。
続いて、細胞観察ユニットBの制御部14において、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かの判定(細胞のバラツキ状態の良否の判定)を行う場合の処理方法の一例の概略を説明する。なお、無論、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かの判定処理は、以下で説明する方法に限定されるものではない。
細胞観察ユニットBの制御部14は、例えば図8に示すように、顕微鏡付きカメラで撮影された培養容器12の底面の画像を画像処理して、直交する2本のラインで培養容器12の底面を4等分した各分割エリアA〜Dの細胞数をカウントし、各分割エリアA〜Dの細胞数が所定の範囲内に収まれば、培養容器12内に細胞が均一に播種されていると判断し、そうでなければ均一に播種されていないと判断する。または、分割エリアの細胞数の平均値を算出して、各分割エリアA〜Dの細胞数の平均値からのずれ量(例えば、平均値との差または比)を算出し、その算出した各ずれ量が所定の範囲内に収まるか否かにより、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かを判定してもよいし、標準偏差値を算出して、その算出した標準偏差値が所定値以下であるか否かにより、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かを判定してもよい。なお、培養容器12の底面を4等分する場合に限るものではなく、培養容器の底面を一定面積で区切った各区画の細胞数をカウントすればよい。
本実施の形態では、細胞観察ユニットBの制御部14が、顕微鏡付きカメラで撮影された培養容器12の底面の画像から、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する場合について説明するが、上位制御部15が、撮影された画像から、細胞が均一に播種されているか否かを判定してもよいし、操作者が、撮影された画像から、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かを判定して、その判定した情報を細胞観察ユニットBの制御部14または上位制御部15に入力する構成としてもよい。
細胞観察ユニットBの制御部14は、培養容器12内に細胞が均一に播種されていない場合、顕微鏡付きカメラで撮影された培養容器12の底面の画像から、培養容器12内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理を実施する。以下、細胞のバラツキ状態を認定する処理の一例として、細胞数が多い領域(または少ない領域)を指す方向を表すバラツキ方向と、細胞数が多い領域と少ない領域の細胞数の差ないし比を表すバラツキ度を認定する処理の概略を説明する。なお、無論、バラツキ方向とバラツキ度を認定する処理は、以下で説明する方法に限定されるものではない。また、細胞のバラツキ状態を、バラツキ方向とバラツキ度以外の尺度で表してもよい。
本実施の形態では、培養容器の底面を4等分する2本のラインのうちの一方を基準ラインとして、その基準ラインからの角度θでバラツキ方向を表すものとする。ここでは図8に示す分割エリアA、Bの境界ラインを通るラインを基準ラインとする。また、バラツキ度は、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割して、細胞数が多い領域の細胞数E1と細胞数が少ない領域の細胞数E2の比で表すものとする。ここでは「バラツキ度ω=T(E1/E2)」を算出する。なお、Tは補正係数であり、実験によって求める。
例えば図9(a)に示すように、分割エリアA、B、C、Dのうち分割エリアAおよびBの細胞数が多く、且つ分割エリアAおよびBの細胞数が同数の場合には、分割エリアAと分割エリアBの境界ラインを通るラインの方向をバラツキ方向として認定する。つまり、「θ=0度」と認定する。そして、図9(b)に示すように、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割し、それらの領域の細胞数E1、E2の比からバラツキ度ωを求める。例えば、「E1=200」、「E2=100」の場合、「T=2」とすると「ω=4度」となる。同じ「θ=0度」でも、例えば「E1=400」、「E2=100」の場合、「T=2」とすると「ω=8度」となる。なお、「θ=0度」のときには、バラツキ方向のラインに直交するラインは、分割エリアBと分割エリアCの境界ラインと一致するので、既にカウントされている各分割エリアの細胞数を用いて細胞数E1、E2を求める。
また例えば、図10(a)に示すように、分割エリアA、B、C、Dのうち分割エリアAの細胞数が多い場合には、分割エリアAを2分割するラインの方向をバラツキ方向として認定する。つまり、「θ=−45度」と認定する。そして、図10(b)に示すように、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割し、それらの領域の細胞数E1、E2の比からバラツキ度ωを求める。例えば、「E1=300」、「E2=100」の場合、「T=2」とすると「ω=6度」となる。なお、このように、バラツキ方向のラインに直交するラインが隣接する分割エリアの境界ラインに一致しないときには、細胞数E1、E2は培養容器12の底面の画像を画像処理して求める。
また例えば、図11(a)に示すように、分割エリアA、B、C、Dのうち分割エリアAおよびBの細胞数が多く、且つ分割エリアAの細胞数の方が分割エリアBの細胞数よりも多い場合には、分割エリアAと分割エリアBの境界ラインを通るラインを基準に、培養容器12の底面の中心を軸として、細胞が最も多い分割エリアA側へラインを回転させて、分割エリアA1、分割エリアDおよび分割エリアC2の合計細胞数と、分割エリアA2、分割エリアBおよび分割エリアC1の合計細胞数とが同数となるライン(培養容器12の底面を2分割したときの各領域の細胞数が同数となるライン)を検出し、そのラインの方向をバラツキ方向として認定する。このとき、培養容器12の底面の画像を画像処理して、分割エリアA1、分割エリアDおよび分割エリアC2の合計細胞数と、分割エリアA2、分割エリアBおよび分割エリアC1の合計細胞数をカウントする。図11(a)には、「θ=−10度」となる場合を示している。そして、図11(b)に示すように、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割し、それらの領域の細胞数E1、E2の比からバラツキ度ωを求める。例えば、「E1=200」、「E2=80」の場合、「T=2」とすると「ω=5度」となる。なお、細胞数E1、E2は培養容器12の底面の画像を画像処理して求める。
また例えば、図12(a)に示すように、分割エリアA、B、C、Dのうち分割エリアBの細胞数が少ない場合には、分割エリアBを2分割するラインの方向をバラツキ方向として認定する。つまり、「θ=45度」と認定する。そして、図12(b)に示すように、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割し、それらの領域の細胞数E1、E2の比からバラツキ度ωを求める。例えば、「E1=300」、「E2=200」の場合、「T=2」とすると「ω=3度」となる。
本実施の形態では、細胞観察ユニットBの制御部14が、顕微鏡付きカメラで撮影された培養容器12の底面の画像から、細胞のバラツキ状態を認定する場合について説明するが、上位制御部15が、撮影された画像から、細胞のバラツキ状態を認定してもよいし、操作者が、撮影された画像から、細胞のバラツキ状態(バラツキ方向θとバラツキ度ω)を認定して、その認定した情報を細胞観察ユニットBの制御部14または上位制御部15に入力する構成としてもよい。
細胞観察ユニットBの制御部14は、バラツキ方向θとバラツキ度ωが認定されると、そのバラツキ方向θとバラツキ度ωを基に、細胞を均一に分散させるための培養容器12の振り方を決定し、その決定した振り方で培養容器12が動揺するように搬送ロボットの動作を制御して、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌する。このように、本実施の形態では、攪拌手段として搬送ロボットを用いる。以下、培養容器12の振り方を決定する処理の一例について説明する。なお、無論、培養容器12の振り方を決定する処理は、以下で説明する方法に限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、培養容器12の縁が垂直方向にウェーブ運動するように培養容器12を左右に傾ける攪拌動作で、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌して細胞を均一に分散させる場合、バラツキ方向に直交する方向のラインを軸として、細胞が多い領域E1から少ない領域E2へ細胞が移動するように左右の傾き角度に差をつけて(δ1>δ2)培養容器12を左右に傾ける。この場合、細胞観察ユニットBの制御部14は攪拌動作の仕様として、左右の傾き角度の差や加速度をバラツキ度ωから決定する。
また例えば、図14に示すように、水平面上または略水平面上で、S字を描くように培養容器12を移動させた後、逆S字を描くように培養容器12を移動させてスタート位置に戻す攪拌動作で、つまり培養容器12が8の字運動する攪拌動作で、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌して細胞を均一に分散させる場合、S字の始端側および逆S字の終端側のカーブが、S字の終端側および逆S字の始端側のカーブよりも小さくなり、且つS字の始端側および逆S字の終端側のカーブを描く際の移動速度が、S字の終端側および逆S字の始端側のカーブを描く際の移動速度よりも速くなるように培養容器12を移動させれば、S字の始端側から終端側へ向かう方向へ細胞が移動するので、細胞の多い領域E1がS字の始端側を常に向くようにしながら培養容器12をS字状よび逆S字状に移動させれば、細胞が多い領域E1から少ない領域E2へ細胞を移動させることができる。この場合、細胞観察ユニットBの制御部14は攪拌動作の仕様として、カーブの大きさや移動速度、加速度をバラツキ度ωから決定する。なお、培養容器12を傾けた状態で移動させてもよい。
また例えば、図15に示すように、水平面上または略水平面上でバラツキ方向に沿って培養容器12を往復運動させる攪拌動作で、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌して細胞を均一に分散させる場合、細胞の多い領域E1が往路側を向くようにして、往路の移動速度V1を復路の移動速度V2よりも大きくすれば、復路の方向、つまり細胞が少ない領域E2へ細胞が移動する。この場合、細胞観察ユニットBの制御部14は攪拌動作の仕様として、移動速度や加速度をバラツキ度ωから決定する。
本実施の形態では、細胞観察ユニットBの制御部14が、バラツキ状態(バラツキ方向θとバラツキ度ω)を基に、培養容器12の振り方を決定する場合について説明するが、上位制御部15が、バラツキ状態(バラツキ方向θとバラツキ度ω)を基に、培養容器12の振り方を決定してもよいし、操作者が、撮影された画像またはバラツキ状態(バラツキ方向θとバラツキ度ω)から培養容器12の振り方を決定して、その決定した振り方の情報を細胞観察ユニットBの制御部14または上位制御部15に入力する構成としてもよい。
続いて、細胞観察ユニットBの搬送ロボットの動作について説明する。搬送ロボットは、培養容器内や試料容器内の細胞を観察する際に、隣接するユニットから搬入された培養容器等を把持部8により把持し、その把持した培養容器等を観察ステージ16上に載置して、退避する。その後、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等の作業が完了すると、細胞観察ステージ16上の培養容器等を再び把持し、その把持した培養容器等を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア7上に載置して、退避する。
また、細胞が均一に播種されていない場合、搬送ロボットは、細胞観察ステージ16上の培養容器12を把持し、決定された振り方(攪拌動作およびその仕様)で、少なくとも1回、培養容器12を動揺させて、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌した後、再度、培養容器12を観察ステージ16上に載置する。搬送ロボットは、細胞が均一に播種されるまで、培養容器12内の細胞懸濁液を攪拌する動作を繰り返す。
なお、培養容器内の細胞懸濁液を攪拌させる手段は搬送ロボットに限定されるものではない。例えば、観察ステージ16に培養容器を一時的に保持する機構を設けた上で、図16に示すように、観察ステージ16を水平面上で移動させるX−Y移動機構19を設け、観察ステージ16をX−Y移動機構19によって動作させることにより、攪拌動作を実行してもよい。その他にも、例えば、観察ステージ16を左右に傾ける機構を設け、観察ステージ16を左右に傾けることにより、攪拌動作を実行してもよい。また、観察ステージ16とは別個に攪拌用のステージを設けてもよい。
なお、本実施の形態では、細胞観察ユニットBの制御部14が、バラツキ状態を基に、予め決められた攪拌動作(所定の攪拌動作)の仕様を決定する場合について説明するが、複数種類の攪拌動作のうちからバラツキ状態を基に攪拌動作を選定し、その選定した攪拌動作の仕様を決定してもよい。
また、1種類の攪拌動作で培養容器を動揺させるのではなく、複数種類の攪拌動作で順次培養容器を動揺させてもよい。このように複数種類の攪拌動作を組み合わせる場合、バラツキ状態を基に、予め決められた複数種類の攪拌動作の順序を決め、それぞれの仕様を決定する。予め順序が決められているときには、それらの攪拌動作の仕様を決定する。または、バラツキ状態を基に、複数種類の攪拌動作を選定し、その選定した攪拌動作の順序を決め、それぞれの仕様を決定してもよい。
また、操作者が攪拌動作を決め、細胞観察ユニットBの制御部14が、その操作者が入力した攪拌動作の仕様を決定してもよいし、所定の攪拌動作または細胞観察ユニットBの制御部14により選定された攪拌動作に対する仕様の情報を操作者が入力する構成としてもよい。
また、培養容器12内に細胞が均一に播種されているか否かの判定処理が実施されるごとに、攪拌動作を変更してもよい。この場合、攪拌動作の変更順序は、予め定めておいてもよい。
また、従来の手作業による継代操作においては、作業者が、経験と勘を頼りに培養容器を動揺させていた。そこで、作業者が経験で得た知識を基に、バラツキ状態(バラツキ方向θおよびバラツキ度ω)と攪拌動作および攪拌動作の仕様の関係をデータ化して、図示しない記憶部に予め記憶させておき、そのデータを用いて培養容器の振り方を決定してもよい。
ここでは、培養容器を左右に傾けて揺動させる攪拌動作、培養容器を8の字運動させる攪拌動作、および培養容器を往復運動させる攪拌動作について説明したが、攪拌動作はこれらに限定されるものではない。例えば図17に示す攪拌動作を実行してもよい。すなわち、まず、水平面上または略水平面上で、培養容器12を、一定の姿勢を保ったまま(B−1)→(B−2)→(B−3)→(B−4)のように一定の方向へ偏心円運動または略偏心円運動させつつ、その偏心円運動や略偏心円運動よりも大きい半径で、一定の方向へ円運動または略円運動させる(工程1〜2)。このとき、偏心円運動や略偏心円運動の周期よりも円運動や略円運動の周期を長くする。このように培養容器12が動揺すると、培養容器12内の細胞懸濁液が渦巻状に回転して、細胞が培養容器12の略中央に集まる。その後、水平面上または略水平面上で、培養容器12を一定の姿勢を保ったまま、前後左右等の所定の方向に均等に動揺させて、培養容器12の中央に集まっていた細胞を均等に分散させる(工程3〜4)。この攪拌動作は、細胞の偏り方がランダムである場合に有効である。
なお、本実施の形態では、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する際や、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する際に、培養容器の底面の全範囲の細胞数をカウントしたが、例えば図18に示すように、各分割エリアに設定した複数の観察領域の細胞数をカウントしてもよい。図18には、培養容器12の底面の円周に沿って所定間隔ごとに観察領域を設定することで、各分割エリアA〜Dに3つの観察領域を設定した例を示している。
このように、各分割エリアA〜Dに複数の観察領域を設定した場合、各分割エリアA〜Dの細胞数として各分割エリアA〜Dの観察領域の合計細胞数を用いて、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する。
また、バラツキ方向を認定する処理においては、各観察領域の細胞数を用いて、細胞数が多い領域(または少ない領域)を指す方向を認定する。例えば図19(a)に示すように、分割エリアAの観察範囲A3から分割エリアBの観察範囲B2にわたって細胞数が少ない場合には、観察範囲B1と観察範囲B1に対向する観察範囲D1とを結ぶラインの方向をバラツキ方向として認定し、また図19(b)に示すように、分割エリアBの観察範囲B3から分割エリアDの観察範囲D2にわたって細胞数が少ない場合、観察範囲C2と観察範囲C2に対向する観察範囲A2とを結ぶライン、または観察範囲C3と観察範囲C3に対向する観察範囲A3とを結ぶラインの方向をバラツキ方向として認定してもよい。
またバラツキ度を認定する処理においては、バラツキ方向のラインに直交するラインによって培養容器12の底面を2分割して、それぞれの領域に含まれる観察範囲の合計細胞数の比を算出すればよい。
また、分割エリアA〜Dそれぞれの観察領域の合計細胞数が所定の範囲内であっても、図19(c)に示すように細胞がランダムにばらついているときには、細胞が均一に播種されていないと判断してもよい。この場合には、バラツキ方向を変化させながら培養容器を動揺させればよい。
続いて、細胞処理ユニットCについて説明する。図20は、細胞処理ユニットCの構成の一例を説明するための説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。単層培養の継代操作を行う場合、培養容器の底面から細胞を剥離したり、細胞同士の接着を切る必要がある。細胞処理ユニットCは、培養容器の底面から細胞を剥離したり、細胞同士の接着を切るための細胞剥離液を培養容器に注入するためのユニットであり、培地吸引モジュール20、細胞洗浄液注入モジュール21、細胞洗浄液吸引モジュール22、細胞剥離液注入モジュール23が装備されている。
培地吸引モジュール20は、ピペット20aが培養容器内に差し込まれた状態で、培養容器内の古い培地(FBS)を吸引除去する作業を実施する。細胞洗浄液注入モジュール21は、ピペット21aが培養容器内に差し込まれた状態で、細胞洗浄液(例えばPBS)を培養容器内に注入する作業を実施する。細胞洗浄液吸引モジュール22は、ピペット22aが培養容器内に差し込まれた状態で、培養容器内から細胞洗浄液を吸引除去する作業を実施する。細胞剥離液注入モジュール23は、ピペット23aが培養容器内に差し込まれた状態で、培養容器内へ細胞剥離液(例えばトリプシン)を注入する作業を実施する。
この細胞処理ユニットCの搬送ロボットは、培養容器の底面から細胞を剥離したり、細胞同士の接着を切る際に、隣接するユニットから搬入された培養容器12の蓋を把持して、その把持した蓋を図示しない蓋載置台上に載置した後、蓋を外した培養容器12を把持して、その把持した培養容器12を、培地吸引モジュール20の作業エリア、細胞洗浄液注入モジュール21の作業エリア、細胞洗浄液吸引モジュール22の作業エリア、細胞剥離液注入モジュール23の作業エリアへこの順に搬送する。そして、細胞剥離液注入作業が完了すると、次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア7上に培養容器12を載置し、蓋載置台上の蓋を把持して、その把持した蓋をコンベア7上の培養容器12に被せた後、退避する。
続いて、細胞分配ユニットDについて説明する。図21は、細胞分配ユニットDの構成の一例を説明するための縦断面図であり、細胞分配ユニットDの一部を示している。細胞分配ユニットDは、培養容器の底面から剥離した細胞を所定数ずつ他の培養容器へ分配播種するためのユニットであり、培地注入モジュール24、ピペッティングモジュール25、遠沈管ストック部26、遠沈管蓋開閉モジュール28、遠心分離モジュール29、上清液吸引モジュール30、試料採取モジュール、培養容器ストック部37、細胞分配モジュール38等が装備されている。また、図示しないが、細胞分配ユニットDには、培養容器等を細胞培養装置の外部へ排出するための排出機構が装備されている。
培地注入モジュール24は、ピペット24aが培養容器や遠沈管内に差し込まれた状態で、培養容器や遠沈管内へ培地を注入する作業を実施する。
ピペッティングモジュール25は、駒込ピペット25aが培養容器や遠沈管内に差し込まれた状態で、培養容器や遠沈管内の細胞懸濁液を駒込ピペット25aに吸入する作業や、駒込ピペット25a内の細胞懸濁液を培養容器や遠沈管へ吐出する作業、遠沈管内の細胞懸濁液の定量的な吸入および吐出を繰り返して遠沈管内の細胞懸濁液を攪拌する作業を実施する。
遠沈管ストック部26は、複数本の遠沈管27を立てた状態でストックする台であり、遠沈管ストック部26には、継代操作前に複数本の空の遠沈管27がストックされる。
遠沈管蓋開閉モジュール28は遠沈管の蓋を開閉する作業を実施する。遠沈管蓋開閉モジュール28は、例えば、遠沈管の蓋を狭持する狭持部と、狭持部を回動および昇降させる駆動機構を有し、遠沈管の蓋を狭持している狭持部を駆動機構により回動および上昇させて遠沈管の蓋を開け、また遠沈管の蓋を狭持している狭持部を駆動機構により回動および下降させて遠沈管の蓋を閉める構成としてもよい。図22に、搬送ロボットの把持部8により把持されている遠沈管27の蓋27aを、遠沈管蓋開閉モジュール28の狭持部28aが狭持している状態の一例を示す。
遠心分離モジュール29は、セットされた蓋付きの遠沈管を回転して、遠心力により細胞懸濁液から細胞を分離する作業を実施する。この遠心分離モジュール29の遠心分離作業により、遠沈管の底部に細胞塊を形成する。
上清液吸引モジュール30は、ピペット30aが遠沈管内に差し込まれた状態で、遠心分離作業後の遠沈管から上清液を吸引除去する作業を実施する。
試料採取モジュールは、遠沈管内の細胞懸濁液のうちの一定量を駒込ピペットに吸入して、その吸入した駒込ピペット内の細胞懸濁液を試料容器へ吐出する作業や、試料容器内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入して、その吸入した駒込ピペット内の細胞懸濁液を遠沈管へ吐出する作業を実施する。
試料採取モジュールは、駒込ピペット31と、駒込ピペット31を保持する駒込ピペット保持部32を横方向(X方向)へ移動させるピペット移動機構(図示せず)と、試料容器34を把持する把持部33を有する。図示しないピペット移動機構は、遠沈管内の細胞懸濁液の吸入等を実施する作業エリアと、試料容器への細胞懸濁液の吐出等を実施する作業エリアとの間で、駒込ピペット保持部32を搬送する機構である。また、把持部33は、例えば4本のアーム33aで、試料容器34の両端部を縦方向に把持する構成等にすればよい。
図23に試料採取モジュールの構成の一例を示す。図23に示すように、図示しないピペット移動機構は、搬送ロボットに把持されている遠沈管27の上方、および試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34の上方へ駒込ピペット31を移動させる。
図24に試料容器の一例を示す。試料容器34は、基台35と、基台35に形成された凹部35aと、凹部35aを開閉するスライド自在なスライド部材36を有する。基台35は、細胞観察ユニットBにおいて凹部35a内の細胞の観察が可能なように、凹部35aの底面部分が透明な部材で構成されている。スライド部材36には被把持部36aが接合している。搬送ロボットの把持部は、試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34のスライド部材の被把持部36aを把持して、スライド部材36をスライドさせる。
培養容器ストック部37は、複数個の蓋付きの培養容器12を積み重ねた状態でストックする台であり、培養容器ストック部37には、継代操作前に複数個の空の培養容器12がストックされる。
細胞分配モジュール38は、駒込ピペット38aが遠沈管内に差し込まれた状態で、遠沈管内の細胞懸濁液を駒込ピペット38aに吸入する作業や、駒込ピペット38aが培養容器内に差し込まれた状態で、駒込ピペット38a内の細胞懸濁液のうちの所定量を培養容器へ吐出する作業を実施する。さらに、細胞分配モジュール38は、駒込ピペット38aが遠沈管内に差し込まれた状態で、遠沈管内の細胞懸濁液の定量的な吸入および吐出を繰り返して遠沈管内の細胞懸濁液を攪拌する作業を実施する。
続いて、培養容器(第1の培養容器)内の培地に培養されている細胞を他の培養容器(第2の培養容器)へ分配播種する際における細胞分配ユニットDの搬送ロボットの動作について説明する。
搬送ロボットは、隣接するユニットから搬入された培養容器(第1の培養容器)12の蓋を把持して、その把持した蓋を図示しない蓋載置台上に載置した後、蓋を外した培養容器12を把持して、その把持した培養容器12を、培地注入モジュール24の作業エリアへ搬送する。
培地注入モジュール24により培養容器12内に培地が注入されると、搬送ロボットは、その培地が注入された培養容器12をピペッティングモジュール25の作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュール25により培養容器12内の細胞懸濁液が駒込ピペット25aに吸入されると、次ぎの作業を実施する細胞観察ユニットBに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア7上に培養容器12を載置した後、蓋載置台に載置した蓋を把持し、その把持した蓋をコンベア7上の培養容器12に被せて、退避する。培養容器12は、細胞観察ユニットBへ搬送され、細胞観察ユニットBにおいて、培養容器12内に細胞懸濁液が残存しないと判断されると、細胞観察ユニットBの排出機構へ搬送される。
次に、搬送ロボットは、遠沈管ストック部26にストックされている遠沈管27を把持し、その把持した遠沈管27を遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管27をピペッティングモジュール25の作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュール25により、培養容器12から吸入した駒込ピペット25a内の細胞懸濁液が遠沈管27へ吐出されると、遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。そして、遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋付きの遠沈管27を遠心分離モジュール29にセットして、退避する。
次に、搬送ロボットは、遠心分離作業後、遠心分離モジュール29にセットされている蓋付きの遠沈管27を把持し、その把持した遠沈管27を遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管27を上清液吸引モジュール30の作業エリアへ搬送し、上清液吸引モジュール30により遠沈管27内の上清液が吸引除去されると、培地注入モジュール24の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。
次に、搬送ロボットは、培地注入モジュール24により遠沈管27内に培地が注入されると、その培地が注入された遠沈管27をピペッティングモジュール25の作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュール25により遠沈管27内の細胞懸濁液が攪拌されると、試料採取モジュールの作業エリアへ遠沈管27を搬送する。
次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより遠沈管27内の細胞懸濁液のうちの一定量が駒込ピペット31に吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ遠沈管27を搬送し、遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が閉められると、その蓋付きの遠沈管27を遠沈管ストック部26に立てる。
次に、搬送ロボットは、図示しない試料容器ストック部にストックされている試料容器34を把持し、その把持した試料容器34を試料採取モジュールの把持部33に渡す。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34のスライド部材36をスライドさせて凹部35aを開ける。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより、遠沈管27から吸入した駒込ピペット31内の細胞懸濁液が試料容器34の凹部35aへ吐出されると、試料容器34のスライド部材36をスライドさせて凹部35aを閉じる。
次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34を把持し、試料採取モジュールの把持部33が試料容器34を解放すると、その把持した試料容器34を、次ぎの作業を実施する細胞観察ユニットBに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア7上に載置して、退避する。試料容器34は、細胞観察ユニットBへ搬送され、細胞監察ユニットBにおいて細胞懸濁液中の細胞数がカウントされた後、再度、細胞分配ユニットDへ搬送される。また、細胞観察ユニットBにおいてカウントされた細胞数の情報は上位制御部15に送られる。上位制御部15は、その細胞数に基づき、所定数の細胞ずつ分配されるように、細胞懸濁液を分配する量を決定する。そして、その決定した分配量の情報を、細胞分配ユニットDの制御部14へ送る。
次に、搬送ロボットは、搬入された試料容器34を把持して、その把持した試料容器34を試料採取モジュールの把持部33に渡す。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34のスライド部材36をスライドさせて凹部35aを開ける。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより試料容器34の凹部35a内の細胞懸濁液が駒込ピペット31に吸入されると、試料容器34のスライド部材36をスライドさせて凹部35aを閉じる。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部33に把持されている試料容器34を把持し、試料採取モジュールの把持部33が試料容器34を解放すると、その把持した試料容器34を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、遠沈管ストック部26にストックした、細胞懸濁液が入っている遠沈管27を把持し、その把持した遠沈管27を遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管27を試料採取モジュールの作業エリアへ搬送し、試料採取モジュールにより、試料容器34から回収された駒込ピペット31内の細胞懸濁液が遠沈管27へ吐出されると、ピペッティングモジュール25の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。
次に、搬送ロボットは、ピペッティングモジュール25により遠沈管27内の細胞懸濁液が駒込ピペット25aに吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋が閉められた遠沈管27を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、ピペッティングモジュール25の駒込ピペット25aに吸入した細胞懸濁液中の細胞が所定数ずつ空の培養容器12に播種されるように、以下の動作を繰り返す。
すなわち、搬送ロボットは、まず遠沈管ストック部26にストックされている空の遠沈管27を把持し、その把持した遠沈管27を遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管27をピペッティングモジュール25の作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュール25により、駒込ピペット25aから所定数の細胞を含む量の細胞懸濁液が遠沈管27へ吐出されると、培地注入モジュール24の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。
次に、搬送ロボットは、培地注入モジュール24により遠沈管27内に培地が注入されると、その培地が注入された遠沈管27を細胞分配モジュール38の作業エリアへ搬送し、細胞分配モジュール38により遠沈管27内の細胞懸濁液が攪拌され、その攪拌された細胞懸濁液が駒込ピペット38aに吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール28の作業エリアへ遠沈管27を搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール28により遠沈管27の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋が閉められた遠沈管27を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、培養容器ストック部37にストックされている培養容器(第2の培養容器)12の蓋を把持し、その把持した蓋を図示しない蓋載置台に載置した後、蓋が外された培養容器12を把持し、その把持した培養容器12を細胞分配モジュール38の作業エリアへ搬送する。細胞分配モジュール38により駒込ピペット38a内の細胞懸濁液が培養容器12へ吐出されると、搬送ロボットは、その細胞懸濁液が吐出された培養容器12を細胞観察ユニットBに近い側の開口部3近傍に設けたコンベア7上に載置した後、蓋載置台に載置した蓋を把持して、その把持した蓋をコンベア7上の培養容器12に被せる。そして、搬送ロボットは、遠沈管ストック部26にストックされている空の遠沈管27を把持するために、遠沈管ストック部26へ移動する。一方、培養容器12は細胞観察ユニットBへ搬送される。そして、細胞観察ユニットBにおいて、培養容器12内に細胞が均一に播種されていると判断されると、培養容器12は細胞培養ユニットEへ搬送される。細胞が均一に播種されていないと判断された場合には、細胞観察ユニットBは、細胞が均一に分散するように培養容器12を動揺させる。
続いて、細胞培養ユニットEについて説明する。図25は、細胞培養ユニットEの構成の一例を説明するための縦断面図である。細胞培養ユニットEには、培養容器に播種されている細胞を所定の環境で培養する細胞培養モジュール(培養室)40が装備されている。
図26は細胞培養モジュール40の一例を説明するための図である。図26に示すように、細胞培養モジュール40の筐体には、培養容器12を搬入および搬出するための開口部41が形成されている。また、開口部41を開閉する遮断扉42が設けられており、遮断扉42を閉じると、細胞培養モジュール40の内部空間が密閉される構造となっている。また、遮断扉42は、開口部41から培養容器12を搬入および搬出するときに開閉する。このように細胞培養モジュール40を密閉可能とすることで、培養環境の維持を図ることができる。
また、細胞培養モジュール40は、複数個の培養容器12が載置される載置台43と、この載置台43を開口部41から搬入および搬出する機構(図示せず)を備える。すなわち、載置台43は、細胞培養モジュール40の内部へ培養容器12を搬入するとき、および細胞培養モジュール40の内部から培養容器12を搬出するときに、開口部41から搬入および搬出される。
細胞培養ユニットEの搬送ロボットは、他のユニットから搬入された培養容器12を把持部8により把持し、その把持した培養容器12を、細胞培養モジュール40から突出している載置台43上に載置して、退避する。載置台43は、搬送ロボットにより培養容器12が載置されると、細胞培養モジュール40の内部へ移動する。載置台43が細胞培養モジュール40の内部へ移動すると、遮断扉42は閉じる。
また、搬送ロボットは、細胞培養モジュール40から突出した載置台43上の培養容器12を把持し、その把持した培養容器12を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア7上に載置して、退避する。載置台43は、搬送ロボットにより培養容器12が搬送されると、細胞培養モジュール40の内部へ移動する。載置台43が細胞培養モジュール40の内部へ移動すると、遮断扉42は閉じる。
以上説明した搬入搬出ユニットA、細胞観察ユニットB、細胞処理ユニットC、細胞分配ユニットD、細胞培養ユニットEを連接することにより、単層培養の継代操作を実施することができる。
続いて、培養容器(第2の培養容器)を動揺させて、培養容器内に分配播種された細胞を均一に分散させる動作の一例について、図27を用いて説明する。細胞が所定の増殖状態となった培養容器(第1の培養容器)から採取された所定数の細胞を含む細胞懸濁液が注入された培養容器(第2の培養容器)が細胞観察ユニットBへ搬送されると、細胞観察ユニットBは、培養容器の底面を下側から撮影することで培養容器内の細胞を撮影し、その撮影した画像を画像処理することで培養容器内の細胞のバラツキ状態を観察して、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否か(バラツキ状態の良否)を判定する(ステップS1)。
ステップS1における判定処理の結果、バラツキ状態が非と判定された場合、つまり細胞が均一に播種されていない場合(ステップS1のNo)、細胞観察ユニットBは、撮影された画像に基づき決定された細胞を均一に分散させるための攪拌動作で培養容器を動揺させる。具体的には、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態(バラツキ方向θとバラツキ度ω)を認定し(ステップS2)、その認定したバラツキ状態を基に培養容器の振り方を決定して(ステップS3)、その決定した振り方で培養容器が動揺するように搬送ロボットの動作を制御して培養容器内の細胞懸濁液を攪拌した後(ステップS4)、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを再び判定する(ステップS1)。
ステップS1における判定処理の結果、バラツキ状態が良と判定された場合、つまり細胞が均一に播種されている場合には(ステップS1のYes)、培養容器は細胞培養ユニットEへ搬送され、培養室に保管されて、培養容器内の細胞の培養が行われる(ステップS5)。このように、細胞が均一に分散するまで、ステップS1〜ステップS4を繰り返す。
以上のように、本実施の形態によれば、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作において、分配された細胞を含む細胞懸濁液が新しい培養容器内に注入された後に、細胞が均一に分散するように培養容器を動揺させて細胞懸濁液を攪拌することができる。よって、細胞が均一に分散していないために細胞が所定の増殖状態とならないという問題を回避することができる。
なお、本実施の形態では、攪拌手段として搬送ロボットを用いる場合について説明したが、攪拌手段は搬送ロボットに限定されるものではない。例えば、培養容器を攪拌動作させることが可能なステージを設けてもよいし、観察ステージにより培養容器を攪拌動作させる構成としてもよい。
また、本発明は、設備が分散されて装備された複数台の作業ユニットを連接させて構成した細胞培養装置に限定されるものではなく、1つの筐体内に全ての設備を装備させた細胞培養装置にも適用することができる。
本発明にかかる細胞培養装置および細胞培養方法は、培養容器内で増殖した細胞を他の培養容器へ分配播種する継代操作において、分配された細胞を含む細胞懸濁液が新しい培養容器内に注入された後に、細胞が均一に分散するように培養容器を動揺させて細胞懸濁液を攪拌することができる。よって、細胞が均一に分散していないために細胞が所定の増殖状態とならないという問題を回避することができ、細胞の培養を自動化できる細胞培養装置に有用である。
本発明の実施の形態における細胞培養装置の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の作業ユニットの一例を示す斜視図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の搬送手段の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の搬送ロボットの一例を示す斜視図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の制御ブロックの一例を示すブロック図 本発明の実施の形態における細胞培養装置に用いる培養容器の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の細胞観察ユニットBの構成の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態における、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する処理の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における培養容器の攪拌動作の一例を説明するための図 本発明の実施の形態における培養容器の攪拌動作の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における培養容器の攪拌動作の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における培養容器内の細胞懸濁液を攪拌させる手段の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における培養容器の攪拌動作の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する処理と、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における、培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定する処理の他例を説明するための図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の細胞処理ユニットCの構成の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の細胞分配ユニットDの構成の一例を説明するための縦断面図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の遠沈管蓋開閉モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の試料採取モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態における細胞培養装置に用いる試料容器の一例を説明するための斜視図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の細胞培養ユニットEの構成の一例を説明するための縦断面図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の細胞培養モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態における細胞培養装置の培養容器内に播種された細胞を均一に分散させる際の動作の一例を示すフロー図
符号の説明
1 細胞培養装置
2 作業ユニット
3 作業ユニットの開口部
4 作業ユニットの遮断扉
5 作業ユニットの前壁に設けた遮断扉
6 HEPAフィルタ
7 コンベア
8 搬送ロボットの把持部
8a 搬送ロボットの把持部のアーム部
9 搬送ロボットのX軸レール
10 搬送ロボットのY軸レール
11 搬送ロボットのリスト部
12 培養容器
13 作業エリア
14 作業ユニットの制御部
15 細胞培養装置の上位制御部
16 観察ステージ
16a 観察ステージの載置領域
17a 顕微鏡付きカメラの顕微鏡
17b 顕微鏡付きカメラの撮像素子
18 撮影モジュールのカメラ保持部
19 観察ステージのX−Y移動機構
20 培地吸引モジュール
20a 培地吸引モジュールのピペット
21 細胞洗浄液注入モジュール
21a 細胞洗浄液注入モジュールのピペット
22 細胞洗浄液吸引モジュール
22a 細胞洗浄液吸引モジュールのピペット
23 細胞剥離液注入モジュール
23a 細胞剥離液注入モジュールのピペット
24 培地注入モジュール
24a 培地注入モジュールのピペット
25 ピペッティングモジュール
25a ピペッティングモジュールの駒込ピペット
26 遠沈管ストック部
27 遠沈管
27a 遠沈管の蓋
28 遠沈管蓋開閉モジュール
28a 遠沈管蓋開閉モジュールの狭持部
29 遠心分離モジュール
30 上清液吸引モジュール
30a 上清液吸引モジュールのピペット
31 試料採取モジュールの駒込ピペット
32 試料採取モジュールの駒込ピペット保持部
33 試料採取モジュールの把持部
33a 試料採取モジュールの把持部のアーム
34 試料容器
35 試料容器の基台
35a 基台の凹部
36 試料容器のスライド部材
36a スライド部材の被把持部
37 培養容器ストック部
38 細胞分配モジュール
38a 細胞分配モジュールの駒込ピペット
40 細胞培養モジュール
41 細胞培養モジュールの開口部
42 細胞培養モジュールの遮断扉
43 細胞培養モジュールの載置台

Claims (14)

  1. 第1の培養容器内の培地に培養されている細胞を他の第2の培養容器へ分配播種する継代操作が可能な細胞培養装置であって、
    前記第1の培養容器から採取された細胞を含む細胞懸濁液が注入された前記第2の培養容器を撮影する撮像手段と、
    前記第2の培養容器を動揺させて前記細胞懸濁液を攪拌する攪拌手段と、
    前記撮像手段で撮影された画像に基づき決定された細胞を均一に分散させるための攪拌動作で前記第2の培養容器が動揺するように前記攪拌手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする細胞培養装置。
  2. 前記制御手段は、前記撮像手段で撮影された画像から、前記第2の培養容器内に細胞が均一に分散しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 前記制御手段は、前記撮像手段が撮影した画像から、前記第2の培養容器内に分散している細胞のバラツキ状態を認定することを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載の細胞培養装置。
  4. 前記制御手段は、細胞のバラツキ状態を基に、複数種類の攪拌動作のうちから少なくとも1つの攪拌動作を選定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の細胞培養装置。
  5. 前記制御手段は、細胞のバラツキ状態を基に、攪拌動作の仕様を決定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞培養装置。
  6. 前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を往復運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  7. 前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を8の字運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  8. 前記攪拌手段は、前記第2の培養容器の縁を垂直方向にウェーブ運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  9. 前記攪拌手段は、前記第2の培養容器を偏心円運動または略偏心円運動させつつ、その偏心円運動または略偏心円運動よりも大きな半径で円運動または略円運動させる攪拌動作を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  10. 前記攪拌手段として、当該細胞培養装置の内部空間において培養容器を搬送する搬送手段を用いることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の細胞培養装置。
  11. 前記攪拌手段として、当該細胞培養装置の内部空間において培養容器を保持するテーブルを用いることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の細胞培養装置。
  12. 前記撮像手段は、培養容器が載置される観察ステージの下方から培養容器を撮影することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の細胞培養装置。
  13. 第1の培養容器内の培地に培養されている細胞を他の第2の培養容器へ分配播種する細胞培養方法であって、
    第1の培養容器から採取された細胞を含む細胞懸濁液を第2の培養容器へ注入する注入工程と、
    前記第2の培養容器内の細胞を撮像手段で撮影して前記第2の培養容器内の細胞のバラツキ状態を観察しバラツキ状態の良否を判定する観察判定工程と、
    前記観察判定工程で否と判定された場合に、撮影された画像に基づき決定された細胞を均一に分散させるための攪拌動作で前記第2の培養容器を動揺させる攪拌工程と、
    前記観察判定工程で良と判定された場合に、前記第2の培養容器内の細胞を培養する培養工程と、
    を具備し、前記観察判定工程で否と判定された場合、前記観察判定工程で良と判定されるまで、前記観察判定工程と前記攪拌工程を繰り返すことを特徴とする細胞培養方法。
  14. 前記攪拌工程において、前記第2の培養容器内の細胞懸濁液が渦巻き状に回転するように前記第2の培養容器を動揺させて、前記第2の培養容器の略中央に細胞を集めた後、前記第2の培養容器を所定の方向に均等に動揺させて、前記第2の培養容器の略中央に集められた細胞を均等に分散させることを特徴とする請求項13記載の細胞培養方法。
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