JP2009189362A - 細胞培養装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】培養方法や培養条件等に応じて設備を容易に変更することができる細胞培養装置を提供する。
【解決手段】細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備された複数台の作業ユニット2が連接しており、各作業ユニット2は、それぞれの内部空間を互いに連通させる第1開口部を有し、それらの作業ユニット2のうちの少なくとも1台は、その内部空間を外部と連通させる第2開口部3aを有しており、連接されている作業ユニット間で培養容器等を自由に搬送可能な構成となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の培養を自動化できる細胞培養装置に関する。
細胞を培養する場合、培養容器内の培地の交換操作や、培養容器内で所定の増殖状態になった細胞を複数の他の培養容器へ分配する継代操作といった煩雑な操作が必要であり、従来は、熟練した作業者が手作業で行っていた。そのため、従来の細胞培養は、時間がかかり、また容易には実施することができなかった。所定の増殖状態とは、培養容器内で増殖した細胞が、例えば培養容器の底面の60%から80%程度の面積まで増殖した状態になっていることや、目的とする形態(例えば、コロニー内の細胞が中央に密集しており、周囲は散在している形態や、コロニー内の細胞が密集している形態等)になっていることをいう。
そこで、近年では、細胞培養を自動化できる細胞培養装置が開発されてきている。例えば、特許文献1には、培地の交換操作や細胞の継代操作を自動的に行う細胞培養装置が提案されている。この細胞培養装置は、液体を吸い出すアスピレータユニットと、培地、剥離液、洗浄液等を供給する薬液供給ユニットと、液体を定量的に吸入及び吐出するピペッティングユニットと、遠沈管内の細胞懸濁液から細胞を分離する遠心分離ユニットと、培養容器及び遠沈管を各ユニットに移動するハンドリングユニットとを備え、全ユニットがクリーンベンチ内に収納可能に構成されていることを特徴とするものである。
しかしながら、上記従来の細胞培養装置は、全てのユニットを1台のクリーンベンチ内に搭載しているため、例えば培養方法(接着、浮遊、包埋等)に応じて設備を変更したり、遠心分離を行わずに継代操作を行う等、培養条件に応じて設備を変更することができなかった。
特開2005−218413号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、培養方法や培養条件等に応じて設備を容易に変更することができる細胞培養装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の細胞培養装置は、培養容器に入れた細胞を培養する細胞培養装置であって、細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備された複数台の作業ユニットが連接しており、前記各作業ユニットは、それぞれの内部空間を互いに連通させる第1開口部と、それぞれの内部空間において少なくとも培養容器を搬送し、且つ隣接する作業ユニット間で、前記第1開口部を介して少なくとも培養容器を搬送する搬送手段と、を有し、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、その内部空間を外部と連通させる第2開口部を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載の細胞培養装置は、請求項1記載の細胞培養装置であって、隣接する作業ユニットのうちの少なくとも一方は、それぞれの内部空間を互いに連通させる前記第1開口部を開閉する第1扉を有し、前記第2開口部を有する作業ユニットは、前記第2開口部を開閉する第2扉を有し、前記第1扉を閉じると前記各作業ユニットの内部空間が密閉され、前記第2扉を閉じると当該細胞培養装置の内部空間が密閉されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載の細胞培養装置は、請求項1もしくは2のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、培養容器を消毒する消毒ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の細胞培養装置は、請求項3記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項5記載の細胞培養装置は、請求項3もしくは4のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項6記載の細胞培養装置は、請求項3ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項7記載の細胞培養装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の細胞培養装置であって、少なくとも培養容器または培養容器と遠沈管に、通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記各作業ユニットは、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項8記載の細胞培養装置は、請求項7記載の細胞培養装置であって、前記記憶手段に記憶されている情報に従い前記各作業ユニットに装備されている設備が動作することを特徴とする。
また、本発明の請求項9記載の細胞培養装置は、培養容器に入れた細胞を培養する細胞培養装置であって、細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備された複数台の作業ユニットが連接しており、前記各作業ユニットは、それぞれの内部空間を互いに連通させる第1開口部と、それぞれの内部空間において当該作業ユニットが実行する作業に使用する容器を搬送し、且つ隣接する作業ユニット間で、前記第1開口部を介して他の作業ユニットで使用する容器を搬送する搬送手段と、を有し、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、その内部空間を外部と連通させる第2開口部を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項10記載の細胞培養装置は、請求項9記載の細胞培養装置であって、隣接する作業ユニットのうちの少なくとも一方は、それぞれの内部空間を互いに連通させる前記第1開口部を開閉する第1扉を有し、前記第2開口部を有する作業ユニットは、前記第2開口部を開閉する第2扉を有し、前記第1扉を閉じると前記各作業ユニットの内部空間が密閉され、前記第2扉を閉じると当該細胞培養装置の内部空間が密閉されることを特徴とする。
また、本発明の請求項11記載の細胞培養装置は、請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項12記載の細胞培養装置は、請求項11記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項13記載の細胞培養装置は、請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットと、細胞懸濁液から細胞を分離する細胞分離ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項14記載の細胞培養装置は、請求項11ないし13のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項15記載の細胞培養装置は、請求項11ないし14のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項16記載の細胞培養装置は、請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、細胞培養に係る各種液体操作の作業工程に用いる設備が装備された液体操作ユニットと、細胞懸濁液から細胞を分離する細胞分離ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項17記載の細胞培養装置は、請求項16記載の細胞培養装置であって、前記液体操作ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項18記載の細胞培養装置は、請求項16もしくは17のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記液体操作ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項19記載の細胞培養装置は、請求項16ないし18のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記液体操作ユニットは、細胞剥離液を培養容器に注入する細胞剥離液注入手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項20記載の細胞培養装置は、請求項16ないし19のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記液体操作ユニットは、少なくとも培養容器の中の細胞を撮影する撮影手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項21記載の細胞培養装置は、請求項16ないし19のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットが連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項22記載の細胞培養装置は、請求項11ないし21のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットして、前記第2開口部を有する搬入搬出ユニットが連接しており、前記搬入排出ユニットの前記第2開口部を介して、細胞が入れられた培養容器が当該細胞培養装置の外部から搬入されることを特徴とする。
また、本発明の請求項23記載の細胞培養装置は、請求項22記載の細胞培養装置であって、前記搬入搬出ユニットは、培養容器を消毒する消毒手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項24記載の細胞培養装置は、請求項22もしくは23のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記搬入搬出ユニットは、当該細胞培養装置の一端に配置されることを特徴とする。
また、本発明の請求項25記載の細胞培養装置は、請求項9ないし24のいずれかに記載の細胞培養装置であって、培養容器に通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項26記載の細胞培養装置は、請求項11ないし21のいずれかに記載の細胞培養装置であって、作業ユニットとして、前記第2開口部を有する搬入搬出ユニットと、隣接する作業ユニットから搬送された凍結用容器内の凍結された細胞を解凍する解凍ユニットと、が連接しており、前記搬入排出ユニットの前記第2開口部を介して、凍結された細胞が入れられた凍結用容器が当該細胞培養装置の外部から搬入されることを特徴とする。
また、本発明の請求項27記載の細胞培養装置は、請求項26記載の細胞培養装置であって、前記解凍ユニットは当該細胞培養装置の一端に配置され、前記搬入搬出ユニットは前記解凍ユニットに連接していることを特徴とする。
また、本発明の請求項28記載の細胞培養装置は、請求項26もしくは27のいずれかに記載の細胞培養装置であって、凍結用容器と培養容器に通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項29記載の細胞培養装置は、請求項9ないし28のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記各作業ユニットが実行する作業に使用する容器に、通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記各作業ユニットは、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項30記載の細胞培養装置は、請求項25、28、29のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記記憶手段に記憶されている情報に従い前記各作業ユニットに装備されている設備が動作することを特徴とする。
また、本発明の請求項31記載の細胞培養装置は、請求項1ないし30のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、当該細胞培養装置の内部空間に充填されている気体を清浄化する清浄化手段または滅菌する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項32記載の細胞培養装置は、請求項1ないし31のいずれかに記載の細胞培養装置であって、前記各作業ユニットは、互いに整数倍の幅を有することを特徴とする。
本発明の好ましい形態によれば、連接されている作業ユニット間で培養容器等を自由に搬送することができるので、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え、連接されている作業ユニットの配置変換、作業ユニットの追加、不要な設備が装備されている作業ユニットの取り外し等が可能となり、培養方法や培養条件等に応じて設備を容易に変更することができ、所望の作業工程の仕様に合わせた様々な態様の細胞培養装置に変更することが可能となる。また、ES細胞やiPS細胞、間葉系幹細胞、体性幹細胞等の様々な細胞を培養対象とすることが可能となる。また、単層(接着)培養や浮遊培養、包埋培養等の様々な培養方法に用いることができる。また、実験レベルの小規模な細胞培養から、工業的な大量培養まで対応させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の細胞培養装置の実施の形態1について、図面を交えて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における細胞培養装置の一例を示す斜視図である。図1に示すように、細胞培養装置1は、複数台(図1においては5台)の作業ユニット2が互いの側壁の外面を当接させて連接されており、細胞培養に係る各作業工程に用いる設備がそれらの作業ユニット2に分散されて装備されている。また、後述するように、各作業ユニットの筐体には、隣接する作業ユニットに当接する側壁に開口部が形成されており、各作業ユニット2の内部空間がそれらの開口部により互いに連通している。
また、ここでは、細胞培養装置1の両端に配置される各作業ユニットの筐体に、細胞培養装置1の内部空間を外部と連通させる開口部(第2開口部)3aが形成されている。また、それらの作業ユニットには開口部3aを開閉する遮断扉(第2扉)4aが設けられており、それらの遮断扉4aを閉じると、細胞培養装置1の内部空間が密閉される構造となっている。このように細胞培養装置を密閉可能とすることで、コンタミネーションの防止を図ることができる。
細胞培養装置1の内部空間を外部と連通させる開口部(第2開口部)3aは、細胞培養装置1の外部から内部へ、細胞が播種された培地が入った培養容器を搬入したり、細胞培養装置1の内部から外部へ、細胞が播種された培地が入った培養容器を搬出するためのものであり、ここでは細胞培養装置1の両端に配置される作業ユニットに設けたが、これに限定されるものではなく、細胞培養装置1を構成する作業ユニットのうちの少なくとも1台に少なくとも1つ設ければよい。また、遮断扉(第2扉)4aは、開口部3aを閉じたときに細胞培養装置1の内部空間を密閉するためのものであり、ここでは作業ユニットの筐体内面側に設けたが、作業ユニットの筐体外面側に設けてもよい。
なお、開口部3aの大きさを、当該開口部3aを通過させる培養容器が通過可能な最小の大きさとしたり、当該開口部3aを通過させる培養容器が通過可能な最小の大きさの開口領域が形成されるように遮断扉4aを動作させることで、コンタミネーションの防止を促進させることができる。
また、本実施の形態1では、作業ユニットの側壁に開口部3aが形成されている場合について説明するが、これに限らず、例えば開口部3aを作業ユニットの前壁に設ける構成としてもよい。
各作業ユニット2は、図2に示すように、丈の高い架台5aを有する設置台5上に設置可能なように構成してもよい。なお、図2には、2台の作業ユニットを設置可能な設置台と、3台の作業ユニットを設置可能な設置台を連接ないし連結させた例を示しているが、無論、これに限定されるものではない。例えば1台の作業ユニットを設置可能な設置台を連接ないし連結させたり、5台の作業ユニットを設置可能な設置台を用いたりしてもよく、設置台の大きさは任意である。
また、作業ユニット2の筐体外面に電源コネクタを設けておき、作業ユニット2を設置台5上に設置したときに、図2に示すように、作業ユニット2の電源コネクタ(図示せず)が設置台の電源コネクタ6に接続して作業ユニット2に電源が供給される構成としてもよい。また、作業ユニット2の筐体背面に位置決めピン(図示せず)を設けておき、作業ユニット2を設置台5上に設置したときに、図2に示すように、設置台5の背板部に形成した挿入穴7に作業ユニット2の位置決めピンを嵌入して、作業ユニットを位置決めする構成としてもよい。
なお、例えば図3(a)の斜視図並びに図3(b)の正面図に示すように、作業ユニット2の筐体下面に、断面形状が先細り形状の突起部材8を延設し、設置台の架台5bに形成した略V字形状の溝9に沿って突起部材8が嵌入するように作業ユニット2を配置してもよい。
図4は作業ユニット2の一例を示す斜視図である。図4に示すように、作業ユニット2の側壁には、隣接する作業ユニットの開口部に繋がる開口部(第1開口部)3bが形成されている。この開口部3bは、隣接する作業ユニットから当該作業ユニット2の内部に培養容器等を搬入したり、当該作業ユニット2の内部から隣接する作業ユニットへ培養容器等を搬出するためのものであり、複数台の作業ユニットを連接したときに、各作業ユニットの内部空間がそれらの開口部3bにより互いに連通される。
またここでは、開口部3bを開閉する遮断扉(第1扉)4bが設けられており、遮断扉4bを閉じると、作業ユニット2の内部空間が密閉される構造となっている。このように作業ユニット単位で密閉可能にすれば、コンタミネーションの防止をより向上できる。
なお、遮断扉(第1扉)4bは、開口部3bを閉じたときに作業ユニット2の内部空間を密閉するためのものであり、ここでは作業ユニット2の筐体内面側に設けたが、作業ユニット2の筐体外面側に設けてもよいし、また、隣接する作業ユニットの一方にのみ、それぞれの内部空間同士を互いに連通させる開口部3bを開閉する遮断扉4bを設けてもよい。但し、複数台の作業ユニット2が連接されている状態において、開口部3bを開けて隣接する作業ユニットの開口部同士を互いに連通させたときに、細胞培養装置の内部空間が密閉される構造にする。
また、ここでは、作業ユニット2の前壁に開口部(図示せず)が形成さており、その開口部を開閉する遮断扉10が設けられている。このようにすれば、遮断扉10を開けて、開口部から、作業ユニット2の内部に装備されている設備のメンテナンスを行うことができる。但し、遮断扉10で開口部を塞いでいる状態において開口部3bを閉じたときに、作業ユニット2の内部空間が密閉される構造にする。なお、細胞培養装置の内部空間を外部と連通させる開口部3aを作業ユニット2の前壁に設ける場合には、遮断扉10により開閉される開口領域とは異なる領域に設けてもよいし、遮断扉10に設けてもよい。
また、作業ユニット2には、その内部空間に充填される気体を清浄化する清浄化手段としてHEPAフィルタ11が設けられており、清浄化された空気が作業ユニット2の内部空間に供給される構成となっている。図示しないが、具体的には、作業ユニットの内部に、HEPAフィルタが介装された空気供給チューブに接続する空気供給ノズルを配置して、空気供給チューブに接続するエアポンプから送気された空気がHEPAフィルタを介して空気供給ノズルへ送られ、清浄化された空気が作業ユニットの内部空間に供給される構成等にすればよい。ここでは、HEPAフィルタ11は作業ユニット2の外面に設置されているが、無論、作業ユニット2の内部に設置させてもよい。
なお、例えば図5に示すように、作業ユニット2の筐体下面にころ(キャスタとも呼ぶ)12を設けて、作業ユニットの搬送性を向上させてもよい。また、図示しないが、作業ユニット2の筐体下面に足を設けてもよい。
続いて、細胞培養装置の内部で培養容器等を搬送する構成について説明する。作業ユニットの内部空間において培養容器等を搬送し、且つ隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送する搬送手段としては、例えばコンベアを用いることができる。例えば図6(a)の縦断面図並びに図6(b)の横断面図に示すように、作業ユニット2の開口部3、3間で培養容器等を搬送したり、隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送したりするための第1コンベア13aを開口部3、3間に延設する。第1コンベア13aの分流コンベア部(破線で囲んだ部分)13bは、上昇および回動可能に構成されており、細胞培養に係る作業工程に用いる設備が設置されている作業エリア14へ搬送する培養容器等が分流コンベア部13bに到達すると、分流コンベア部13bは上昇し、90度回転して方向転換し、第1コンベア13aよりも上方に設置した第2コンベア13cに連接する。第2コンベア13cは、作業エリア14と分流コンベア部13bとの間で培養容器等を搬送する。また分流コンベア部13bは、第2コンベア13cから培養容器等が搬送されると90度回転して元の方向に戻り、下降して、元の位置に戻る。なお、作業ユニット内での作業が多岐にわたる場合には、作業ユニット内の各作業エリア間で培養容器等を搬送するコンベアを設置してもよい。
また、搬送手段として、例えば図7(a)の縦断面図並びに図7(b)の横断面図に示すように、隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送するためのコンベア13を開口部3の近傍に設けるとともに、作業ユニット2の内部空間において培養容器等を搬送するための搬送ロボットを設けてもよい。
搬送ロボットは、把持部15を有する。また、詳しくは説明しないが、把持部15をX−Y−Z方向へ移動させる機構、把持部15をZ軸を中心に回動させる機構を有する。さらに、把持している培養容器等を傾けたり、把持している培養容器を揺動させる機構を有する。図7には、把持部15をX軸方向へ移動させるためのX軸レール16、把持部15をY軸方向へ移動させるためのY軸レール17を示している。
なお、コンベア13を開口部3近傍に設ける場合に限らず、例えばコンベア13を開口部3、3間で延設させる等してもよい。また、コンベアを用いずに、開口部3近傍に載置台を設け、搬送ロボットが、把持している培養容器等を載置台に載置したり、載置台に載置されている培養容器等を把持して搬送する構成としてもよい。また、載置台も設けずに、搬送ロボット同士が培養容器等を渡し合う構成としてもよい。また、1台の作業ユニットに複数台の搬送ロボットを装備させてもよい。
図8は、本発明の実施の形態1における細胞培養装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。図8に示すように、作業ユニット2は制御部18を備える。この制御部18は、作業ユニットが装備する設備の動作を制御する。また、細胞培養装置は、各作業ユニットの制御部18に接続し当該装置全体の動作を管理・制御する上位制御部19を備える。すなわち、上位制御部19は、当該装置の現在の状況を把握して、各作業ユニットの制御部18へ指令を送る。各作業ユニットの制御部18は、上位制御部19からの指令に基づき、作業ユニットが装備する設備の動作を制御する。
なお、作業ユニットが装備する設備のうち、作業ユニット内部のメンテナンスを行うために設けた開口部の遮断扉や、細胞培養装置の外部から内部へ培養容器を搬入したり、細胞培養装置の内部から外部へ培養容器を搬出したりするために設けた開口部の遮断扉については、手動で開閉する構成としてもよい。
以上のように作業ユニットを構成することにより、連接されている作業ユニット間で培養容器等を自由に搬送することができるので、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え、連接されている作業ユニットの配置変換、作業ユニットの追加、不要な設備が装備されている作業ユニットの取り外し等が可能な細胞培養装置を提供することができる。よって、細胞培養装置を、所望の作業工程の仕様に合わせた様々な態様に変更することが可能となる。また、ES細胞やiPS細胞、間葉系幹細胞、体性幹細胞等の様々な細胞を培養対象とすることが可能となる。また、単層(接着)培養や浮遊培養、包埋培養等の様々な培養方法に用いることができる。また、実験レベルの小規模な細胞培養から、工業的な大量培養まで対応させることができる。
なお、無論、作業ユニットの入れ替え等を行うのにあわせて、動作プログラムの変更を行う必要がある。また、各作業ユニットの制御部と上位制御部は図8に示すように有線で接続してもよいが、作業ユニットの入れ替え等を容易に実行できるように、上位制御部と各作業ユニットの制御部とを無線で接続する構成とするのが好適である。
また、本実施の形態1では、作業ユニットの両側壁に形成された開口部を、隣接する作業ユニットの内部空間を互いに連通させる第1開口部3bか、または細胞培養装置の内部空間を外部と連通させる第2開口部3aとして使用する場合について説明するが、例えば、作業ユニットの前壁に第2開口部3aを形成してもよい。このようにすれば、細胞培養装置の端に配置される作業ユニット以外の作業ユニットにおいて、細胞培養装置の外部から内部への培養容器の搬入および細胞培養装置の内部から外部への培養容器の搬出が可能となる。また、この場合、細胞培養装置の両端に配置される各作業ユニットの両側壁のうちの他の作業ユニットと隣接する方の側壁にのみ開口部3bを設けてもよい。
また、第2開口部3aを有する作業ユニットに、当該作業ユニットの内部空間よりも狭い内部空間を形成する筐体を備えた搬入搬出モジュールを設けて、細胞培養装置へ外部から培養容器を搬入する際には、まず搬入搬出モジュールに培養容器を格納して当該搬入搬出モジュールの内部空間を密閉した後に、当該搬入搬出モジュールから細胞培養装置の内部空間へ培養容器を搬出し、細胞培養装置から外部へ培養容器を搬出する際には、まず搬入搬出モジュールに培養容器を格納して当該搬入搬出モジュールの内部空間を密閉した後に、当該搬入搬出モジュールから細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出する構成としてもよい。この場合、搬入搬出モジュールは、作業ユニットの内部に固定設置してもよいし、搬送可能に設置してもよい。また、搬入搬出モジュールは、作業ユニットの外部に固定設置してもよいし、搬送可能に設置してもよい。また、作業ユニットの第2開口部3aを介して、細胞培養装置の内部と外部との間で搬入搬出モジュールを出し入れ可能に構成してもよい。但し、搬入搬出モジュールを設ける場合には、細胞培養装置の内部空間が外部と直接連通しないように構成する。
このように搬入搬出モジュールを設けることにより、コンタミネーションの防止を促進させることができる。また、搬入搬出モジュールの開口部の大きさを、当該開口部を通過させる培養容器が通過可能な最小の大きさとしたり、当該開口部を通過させる培養容器が通過可能な最小の大きさの開口領域が形成されるように、当該開口部を開閉する遮断扉を動作させることで、コンタミネーションの防止をより促進させることができる。また、搬入搬出モジュールの内部空間の大きさを、当該内部空間に格納させる培養容器の格納が可能な最小の大きさとすることで、コンタミネーションの防止をより促進させることができる。
続いて、本実施の形態1における細胞培養装置の一具体例として、当該装置を単層培養の継代操作に用いる場合の一例について説明する。なお、ここでは、作業ユニットとして、容器消毒ユニットA、細胞観察ユニットB、細胞処理ユニットC、細胞分配ユニットD、細胞培養ユニットEがこの順に連接され、図1に示すように両端の作業ユニットに細胞培養装置の外部と内部を連通させる開口部が形成されており、図7に示すように各作業ユニットにコンベアと搬送ロボットが設置されている場合を例に説明するが、無論、本発明の細胞培養装置はこれに限定されるものではない。
まず、容器消毒ユニット(培養容器を消毒する消毒液噴射手段(消毒手段)を装備した搬入搬出ユニット)Aについて説明する。図9は、容器消毒ユニットAの構成の一例を説明するための説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。容器消毒ユニットAは、細胞培養装置の外部から、細胞が播種された培地が入った蓋付きの培養容器20が搬入されたときに、その搬入された培養容器20の表面全体を、例えばエタノール(エチルアルコール)等の消毒液により消毒するためのユニットであり、消毒液を培養溶器の上側や下側方向から噴射する消毒液噴射モジュール等が装備されている。図10に蓋付き培養容器の一例を示す。
なお、ここでは、消毒液噴射手段(消毒手段)を装備した作業ユニット(搬入搬出ユニット)へ細胞培養装置の外部から培養容器を搬入する場合について説明するが、消毒手段を装備しない搬入搬出ユニットを連接させてもよい。このように、消毒手段を装備しない搬入搬出ユニットを連接させた場合でも、継代操作に係る各作業を実行する作業ユニットの内部空間へ細胞培養装置の外部から培養容器を直接搬入しないで済むので、コンタミネーションの防止の促進を図ることができる。
細胞培養装置の一端に設置される容器消毒ユニットAには、一方の開口部3を通じて細胞培養装置の外部から培養容器20が搬入される。この外部からの培養容器の搬入は、例えば操作者が手動で行うようにしてもよい。この場合、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される開口部3の近傍に設けたコンベア13は稼動する必要はない。そこで、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される開口部3近傍には、コンベアではなく載置台を設けてもよい。また、操作者が開口部3からコンベア13上に培養容器を載置し、そのコンベア13が所定の位置まで培養容器を搬送する構成としてもよい。なお、細胞培養装置の外部から培養容器を搬入するための開口部3の遮断扉4は、培養容器を搬入するときにのみ開け、搬入完了後、閉じる。また、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される際に、容器消毒ユニットAの内部空間が隣接する作業ユニットの内部空間と連通しないように遮断扉を閉じておけば、コンタミネーションの防止をより向上させることができる。
容器消毒ユニットAの搬送ロボットは、細胞培養装置の外部から搬入された培養容器20を把持部15により把持し、その把持した培養容器20を消毒ステージ23上に載置して、退避する。
容器消毒ユニットAに装備された消毒液噴射モジュール(消毒液噴射手段)は、図9に示すように、網目状の消毒ステージ23上に載置された培養容器20に対して消毒液を斜め下方から噴射する対向配置された2個の第1消毒液噴射ノズル21aと、第1消毒液噴射ノズル21aを保持する第1ノズル保持部22aを有する。また、消毒ステージ23上に載置された培養容器20に対して消毒液を上方から噴射する第2消毒液噴射ノズル21bと、第2消毒液噴射ノズル21bを保持する第2ノズル保持部22bを有する。また、図示しないが、第1、第2消毒液噴射ノズル21a、21bの後端には、消毒液が貯留されている消毒液貯留タンクと消毒液噴射ノズルとを接続する消毒液供給チューブの一端が接続しており、それらの消毒液供給チューブには電磁バルブおよび消毒液供給ポンプが介装されている。なお、消毒液供給ポンプや消毒液貯留タンクは、容器消毒ユニットAの外部に設置してもよい。
また、図示しないが、消毒液噴射モジュールは、第1ノズル保持部22aを昇降させる昇降部を有する。この昇降部は、培養容器20の底面および側面全体に消毒液が噴射されるように第1消毒液噴射ノズル21aを昇降させる。また、消毒液噴射モジュールは、第2ノズル保持部22bを昇降させる昇降部を有する。この昇降部は、培養容器20の上面全体に消毒液が噴射されるように第2消毒液噴射ノズル21bを昇降させる。
以上説明した構成により、消毒液供給ポンプを稼動して、消毒液貯留タンクに貯留されている消毒液を消毒液噴射ノズル21a、21bから蓋付きの培養容器20へ噴射することができる。なお、消毒液は、第1消毒液噴射ノズル21aと第2消毒液噴射ノズル21bから同時に噴射してもよいし、それぞれから異なるタイミングで噴射してもよい。また、第1消毒液噴射ノズル21aと第2消毒液噴射ノズル21bを昇降させる昇降部に代えて、または昇降部に加えて、消毒ステージ23を昇降させる機構を設けてもよい。また、ここでは、培養容器20に対して斜め下方から消毒液を噴射する第1消毒液噴射ノズル21aを2個用いる場合を例に説明したが、第1消毒液噴射ノズル21aは2個に限定されるものではなく、消毒ステージ23上に載置された培養容器20の底面および側面全体に消毒液を噴射可能に配置すればよい。
消毒作業が完了すると、搬送ロボットは、消毒ステージ23上の培養容器20を再び把持し、その把持した培養容器20を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に載置して、退避する。培養容器20が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器20を搬送する。
なお、各ユニットA〜Eにおいて、隣接するユニットの開口部に繋がる開口部3の遮断扉4は、細胞培養中、常に開けておいてもよいし、隣接する作業ユニット間で培養容器等を搬送するタイミングで開閉してコンタミネーションの防止を促進させることもできる。また、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される作業ユニットや細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出する作業ユニットにおいて、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される際や、細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出する際に、当該作業ユニットの内部空間が隣接する作業ユニットの内部空間と連通しないように遮断扉を閉じておけば、コンタミネーションの防止を促進させることができる。
続いて、細胞観察ユニットBについて説明する。図11は、細胞観察ユニットBの構成の一例を説明するための説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。細胞観察ユニットBは、培養容器内や試料容器内の細胞を観察するためのユニットであり、撮影モジュール等が装備されている。ここでは、細胞観察ユニットBにおいて、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理、細胞が培養容器の底面から剥離しているか否かの判定処理、培養容器中に細胞懸濁液が残存しているか否かの判定処理、一定量の細胞懸濁液中の細胞数をカウントする処理、および培養容器中に細胞が均一に播種されているか否かの判定処理等を実施する。
細胞観察ユニットBの搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入され、その開口部3近傍に設けたコンベア13により所定の位置に搬送された培養容器等(図11には、代表して培養容器20を示している。)を把持部15により把持し、その把持した培養容器等を観察ステージ26上に載置して、退避する。観察ステージ26は、培養容器等を下側から観察できるように、少なくとも培養容器等を載置する領域26aが透明な部材で構成されている。なお、培養容器等を下側から観察するために、培養容器を載置する領域や試料容器を載置する領域に切り抜き部を形成してもよい。但し、この場合、培養容器や試料容器が落ちないように切り抜き部を形成する必要がある。
また、隣接する一方のユニットから他方のユニットへ培養容器等を搬送するときには、搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入された培養容器等を把持し、その把持した培養容器等を他方の開口部3近傍に設けたコンベア13上へ載置して、退避する。
細胞観察ユニットBに装備された撮影モジュール(撮影手段)は、図11に示すように、顕微鏡24aと撮像素子24bを備えた顕微鏡付きカメラと、顕微鏡付きカメラを保持するカメラ保持部25を有する。また、図示しないが、顕微鏡付きカメラは細胞観察ユニットBの制御部に接続しており、細胞観察ユニットBの制御部は、顕微鏡付きカメラで撮像された画像を画像処理して、上記した細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等を実行し、その判定結果等の情報を上位制御部へ送る。なお、上位制御部において、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等を実行してもよい。また、撮像した画像を表示装置に表示して、操作者が、細胞が所定の増殖状態か否かの判定等を行い、その判定結果等の情報を上位制御部に入力する構成としてもよい。
また、図示しないが、撮影モジュールは、カメラ保持部25を昇降させる昇降部を有する。昇降部は、観察ステージ26上に培養容器等が載置されると、観察ステージ26の下方に待機している顕微鏡付きカメラを昇降させて焦点合わせを行う。
以上説明した構成により、細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等を実施することができる。なお、カメラ保持部25を昇降させる昇降部に代えて、または昇降部に加えて、観察ステージ26を昇降させる機構を設けてもよい。
細胞が所定の増殖状態か否かの判定処理等の作業が完了すると、搬送ロボットは、細胞観察ステージ26上の培養容器等を再び把持し、その把持した培養容器等を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に載置して、退避する。
なお、搬送ロボットにより培養容器等が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器等を搬送する。
また、図示しないが、細胞観察ユニットBには、培養容器等を細胞培養装置の外部へ排出するための排出機構が装備されている。例えば、搬送ロボットは、細胞懸濁液が残存しないと判定された培養容器を把持し、その把持した培養容器を排出機構へ搬送する。
続いて、細胞処理ユニットCについて説明する。図12は、細胞処理ユニットCの構成の一例を説明するための説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。単層培養の継代操作を行う場合、培養容器の底面から細胞を剥離したり、細胞同士の接着を切る必要がある。細胞処理ユニットCは、培養容器の底面から細胞を剥離したり、細胞同士の接着を切るための細胞剥離液を培養容器に注入するためのユニットであり、培地吸引モジュール、細胞洗浄液注入モジュール、細胞洗浄液吸引モジュール、細胞剥離液注入モジュール等が装備されている。ここでは、細胞処理ユニットCにおいて、培養容器内の古い培地(FBS)を吸引除去する作業、細胞洗浄液(例えばPBS)を培養容器内に注入する作業、培養容器内から細胞洗浄液を吸引除去する作業、培養容器内へ細胞剥離液(例えばトリプシン)を注入する作業を実施する。
細胞処理ユニットCに装備された培地吸引モジュール(培地吸引手段)は、図12に示すように、ピペット27と、ピペット27を保持するピペット保持部28を有する。また、図示しないが、ピペット27の後端には、廃棄タンクとピペット27とを接続するチューブの一端が接続しており、そのチューブには電磁バルブおよび吸引ポンプが介装されている。なお、吸引ポンプや廃棄タンクは細胞処理ユニットCの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20内にピペット27を差し込み、吸引ポンプを稼動して培養容器20から古い培地を吸い出し、廃棄タンクに廃棄することができる。図13に蓋を外した培養容器の一例を示す。培養容器20内へのピペット27の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、培地吸引モジュールにピペット保持部28を昇降させる昇降部を設けて、培地吸引モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットおよび培地吸引モジュールの両方によって実行してもよい。なお、ピペットで培地を吸い出すときには、搬送ロボットにより培養容器20を斜めに傾けるのが好適である。
細胞処理ユニットCに装備された細胞洗浄液注入モジュール(細胞洗浄液注入手段)は、図12に示すように、ピペット29と、ピペット29を保持するピペット保持部30を有する。また、図示しないが、ピペット29の後端には、細胞洗浄液が貯留されている細胞洗浄液貯留タンクとピペット29とを接続する細胞洗浄液供給チューブの一端が接続しており、その細胞洗浄液供給チューブには電磁バルブおよび細胞洗浄液供給ポンプが介装されている。なお、細胞洗浄液供給ポンプや細胞洗浄液貯留タンクは細胞処理ユニットCの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20内にピペット29を差し込み、細胞洗浄液供給ポンプを稼動して、細胞洗浄液貯留タンクに貯留されている細胞洗浄液を培養容器20へ注入することができる。培養容器20内へのピペット29の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、細胞洗浄液注入モジュールにピペット保持部30を昇降させる昇降部を設けて、細胞洗浄液注入モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと細胞洗浄液注入モジュールの両方によって実行してもよい。なお、細胞洗浄液の注入後、搬送ロボットにより培養容器20を揺動させ、培養容器20の底面全面に細胞洗浄液が均一に行き渡るようにするのが好適である。
細胞処理ユニットCに装備された細胞洗浄液吸引モジュール(細胞洗浄液吸引手段)は、図12に示すように、ピペット31と、ピペット31を保持するピペット保持部32を有する。また、図示しないが、ピペット31の後端には、廃棄タンクとピペット31とを接続するチューブの一端が接続しており、そのチューブには電磁バルブおよび吸引ポンプが介装されている。なお、吸引ポンプや廃棄タンクは細胞処理ユニットCの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20内にピペット31を差し込み、吸引ポンプを稼動して培養容器20から細胞洗浄液を吸い出し、廃棄タンクに廃棄することができる。培養容器20内へのピペット31の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、細胞洗浄液吸引モジュールにピペット保持部32を昇降させる昇降部を設けて、細胞洗浄液吸引モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと細胞洗浄液吸引モジュールの両方によって実行してもよい。なお、ピペットで細胞洗浄液を吸い出すときには、搬送ロボットにより培養容器20を斜めに傾けるのが好適である。
細胞処理ユニットCに装備された細胞剥離液注入モジュール(細胞剥離液注入手段)は、図12に示すように、ピペット33と、ピペット33を保持するピペット保持部34を有する。また、図示しないが、ピペット33の後端には、細部剥離液が貯留されている細胞剥離液貯留タンクとピペット33とを接続する細胞剥離液供給チューブの一端が接続しており、その細胞剥離液供給チューブには電磁バルブおよび細胞剥離液供給ポンプが介装されている。なお、細胞剥離液供給ポンプや細胞剥離液貯留タンクは細胞処理ユニットCの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20内にピペット33を差し込み、細胞剥離液供給ポンプを稼動して、細胞剥離液貯留タンクに貯留されている細胞剥離液を培養容器20へ注入することができる。培養容器20内へのピペット33の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、細胞剥離液注入モジュールにピペット保持部34を昇降させる昇降部を設けて、細胞剥離液注入モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと細胞剥離液注入モジュールの両方によって実行してもよい。なお、細胞剥離液の注入後、搬送ロボットにより培養容器20を揺動させ、培養容器20の底面全面に細胞剥離液が均一に行き渡るようにするのが好適である。
続いて、細胞処理ユニットCの搬送ロボットの動作について説明する。搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入され、その開口部3近傍に設けたコンベア13により所定の位置に搬送された培養容器20の蓋を把持して、その把持した蓋を図示しない蓋載置台上に載置した後、蓋を外した培養容器20を把持して、その把持した培養容器20を、培地吸引モジュールの作業エリア、細胞洗浄液注入モジュールの作業エリア、細胞洗浄液吸引モジュールの作業エリア、細胞剥離液注入モジュールの作業エリアへこの順に搬送する。そして、細胞剥離液注入作業が完了すると、次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に培養容器20を載置し、蓋載置台上の蓋を把持して、その把持した蓋をコンベア13上の培養容器20に被せた後、退避する。
また、隣接する一方のユニットから他方のユニットへ培養容器等を搬送するときには、搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入された培養容器等を把持し、その把持した培養容器等を他方の開口部3近傍に設けたコンベア13上に載置して、退避する。
なお、搬送ロボットにより培養容器等が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器等を搬送する。
続いて、細胞分配ユニットDについて説明する。図14は、細胞分配ユニットDの構成の一例を説明するための縦断面図であり、細胞分配ユニットDの一部を示している。細胞分配ユニットDは、培養容器の底面から剥離した細胞を所定数ずつ複数個の培養容器へ分配するためのユニットであり、培地注入モジュール、ピペッティングモジュール、遠沈管ストック部、遠沈管蓋開閉モジュール、遠心分離モジュール、上清液吸引モジュール、試料採取モジュール、培養容器ストック部、細胞分配モジュール等が装備されている。
細胞分配ユニットDに装備された培地注入モジュール(培地注入手段)は、図14に示すように、ピペット35と、ピペット35を保持するピペット保持部36を有する。また図示しないが、ピペット35の後端には、培地が貯留されている培地貯留タンクとピペット35とを接続する培地供給チューブの一端が接続しており、その培地供給チューブには電磁バルブおよび培地供給ポンプが介装されている。なお、培地供給ポンプや培地貯留タンクは細胞分配ユニットDの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20や遠沈管37内にピペット35を差し込み、培地供給ポンプを稼動して、培地貯留タンクに貯留されている培地を培養容器20や遠沈管37へ注入することができる。培養容器20や遠沈管37内へのピペット35の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、培地注入モジュールにピペット保持部36を昇降させる昇降部を設けて、培地注入モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと培地注入モジュールの両方によって実行してもよい。図15(a)に培養容器20内にピペット35が差し込まれている状態の一例を示す。また、図15(b)に遠沈管37内にピペット35が差し込まれている状態の一例を示す。なお、図15には、搬送ロボットの把持部15については図示していない。また、図16に、搬送ロボットの把持部15が、蓋が外された遠沈管37を把持している状態の一例を示す。
細胞分配ユニットDに装備されたピペッティングモジュール(ピペッティング手段)は、図14に示すように、駒込ピペット38と、駒込ピペット38を保持するピペット保持部39を有する。また、図示しないが、駒込ピペット38の後端はチューブを介してポンプに接続しており、そのチューブには電磁バルブが介装されている。なお、ポンプは細胞分配ユニットDの外部に設置してもよい。図17に、ピペット保持部39が駒込ピペット38を保持している状態の一例を示す。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20や遠沈管37内に駒込ピペット38を差し込み、ポンプを稼動して、培養容器20や遠沈管37内の細胞懸濁液を駒込ピペット38に吸入したり、駒込ピペット38内の細胞懸濁液を培養容器20や遠沈管37へ吐出したり、また、搬送ロボットに把持されている蓋が外された遠沈管37内に駒込ピペット38を差し込み、ポンプを稼動して、遠沈管37内の細胞懸濁液の定量的な吸入および吐出を繰り返して、遠沈管37内の細胞懸濁液を攪拌することができる。培養容器20や遠沈管37内への駒込ピペット38の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、ピペッティングモジュールにピペット保持部39を昇降させる昇降部を設けて、ピペッティングモジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットとピペッティングモジュールの両方によって実行してもよい。
なお、細胞懸濁液の吸引時や攪拌時には、搬送ロボットにより培養容器20や遠沈管37を斜めに傾けるのが好適である。また、遠沈管37を傾ける場合、ピペッティングモジュールに駒込ピペット38を傾ける機構を設けて、遠沈管37の傾きに応じて駒込ピペット38を傾けるようにするのが好適である。
細胞分配ユニットDに装備された遠沈管ストック部40は、複数本の遠沈管37を立てた状態でストックする台であり、遠沈管ストック部40には、継代操作前に複数本の空の遠沈管37がストックされる。
細胞分配ユニットDに装備された遠沈管蓋開閉モジュール(遠沈管蓋開閉手段)41は、搬送ロボットにより把持されている遠沈管37の蓋の開閉を行うモジュールであり、例えば、遠沈管の蓋を狭持する狭持部と、狭持部を回動および昇降させる駆動部を有し、遠沈管の蓋を狭持している狭持部を駆動部により回動および上昇させて遠沈管の蓋を開け、また遠沈管の蓋を狭持している狭持部を駆動部により回動および下降させて遠沈管の蓋を閉める構成となっている。図18に、搬送ロボットの把持部15が、蓋37aが閉められた遠沈管37を把持している状態の一例を示す。また、図19に、搬送ロボットにより把持されている遠沈管の蓋37aを、遠沈管蓋開閉モジュール41の狭持部41aが狭持している状態の一例を示す。
細胞分配ユニットDに装備された遠心分離モジュール(遠心分離手段)42は、搬送ロボットによりセットされた蓋付きの遠沈管を回転して、遠心力により細胞懸濁液から細胞を分離するモジュールであり、この遠心分離モジュール42の遠心分離作業により、遠沈管の底部に細胞塊を形成する。
細胞分配ユニットDに装備された上清液吸引モジュール(上清液吸引手段)は、図14に示すように、ピペット43と、ピペット43を保持するピペット保持部44を有する。また、図示しないが、ピペット43の後端には、廃棄タンクとピペット43とを接続するチューブの一端が接続しており、そのチューブには電磁バルブおよび吸引ポンプが介装されている。なお、吸引ポンプや廃棄タンクは細胞分配ユニットDの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された遠沈管37内にピペット43を差し込み、吸引ポンプを稼動して、遠心分離作業後の遠沈管37から上清液を吸い出し、廃棄タンクに廃棄することができる。遠沈管37内へのピペット43の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、上清液吸引モジュールにピペット保持部44を昇降させる昇降部を設けて、上清液吸引モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと上清液吸引モジュールの両方によって実行してもよい。
なお、ピペットで上清液を吸い出すときには、搬送ロボットにより遠沈管37を斜めに傾けるのが好適である。また、この場合、上清液吸引モジュールにピペット43を傾ける機構を設けて、遠沈管37の傾きに応じてピペット43を傾けるようにするのが好適である。
細胞分配ユニットDに装備された試料採取モジュール(試料採取手段)は、遠沈管37内の細胞懸濁液のうちの一定量を駒込ピペットに吸入して、その吸入した駒込ピペット内の細胞懸濁液を試料容器へ吐出したり、試料容器内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入して、その吸入した駒込ピペット内の細胞懸濁液を遠沈管へ吐出するモジュールであり、図14に示すように、駒込ピペット45と、駒込ピペット45を保持するピペット保持部46を有する。また、図示しないが、駒込ピペット45の後端はチューブを介してポンプに接続しており、そのチューブには電磁バルブが介装されている。なお、ポンプは細胞分配ユニットDの外部に設置してもよい。
また、試料採取モジュールは、ピペット保持部46を横方向(X方向)へ移動させるピペット移動機構(図示せず)と、試料容器48を把持する把持部47を有する。図示しないピペット移動機構は、遠沈管内の細胞懸濁液の吸入等を実施する作業エリアと、試料容器への細胞懸濁液の吐出等を実施する作業エリアとの間で、ピペット保持部46を搬送する機構である。また、把持部47は、例えば4本のアーム47aで、試料容器48の両端部を縦方向に把持する構成等にすればよい。
図20に試料採取モジュールの構成の一例を示す。図20に示すように、図示しないピペット移動機構は、搬送ロボットの把持部15に把持されている遠沈管37の上方、および試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48の上方へ駒込ピペット45を移動させる。
図21に試料容器の一例を示す。試料容器48は、基台49と、基台49に形成された凹部50と、凹部50を開閉するスライド自在なスライド部材51を有す。基台49は、細胞観察ユニットBにおいて凹部50内の細胞の観察が可能なように、凹部50の底面部分が透明な部材で構成されている。スライド部材51には被把持部51aが接合している。搬送ロボットの把持部15は、試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48のスライド部材51の被把持部51aを把持して、スライド部材51をスライドさせる。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された遠沈管37内に駒込ピペット45を差し込み、ポンプを稼動して、遠沈管37内の細胞懸濁液のうちの一定量を駒込ピペット45に吸入したり、駒込ピペット45内の細胞懸濁液を遠沈管37へ吐出することができる。遠沈管37内への駒込ピペット45の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、試料採取モジュールにピペット保持部46を昇降させる昇降部を設けて、試料採取モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと試料採取モジュールの両方によって実行してもよい。
なお、細胞懸濁液の吸引時には、搬送ロボットにより遠沈管37を斜めに傾けるのが好適である。また、この場合、試料採取モジュールに駒込ピペット45を傾ける機構を設けて、遠沈管37の傾きに応じて駒込ピペット45を傾けるようにするのが好適である。
また、把持部47に把持されている試料容器の凹部50内に駒込ピペット45を差し込み、ポンプを稼動して、駒込ピペット45内の細胞懸濁液を試料容器の凹部50へ吐出したり、試料容器の凹部50内の細胞懸濁液を駒込ピペット45に吸入したりすることができる。なお、試料容器の凹部50内への駒込ピペット45の差し込み動作は、試料採取モジュールに、ピペット保持部46と把持部47の少なくとも一方を昇降させる昇降部を設けることで実現できる。
細胞分配ユニットDに装備された培養容器ストック部52は、複数個の蓋付きの培養容器20を積み重ねた状態でストックする台であり、培養容器ストック部52には、継代操作前に複数個の空の培養容器20がストックされる。
細胞分配ユニットDに装備された細胞分配モジュール(細胞分配手段)は、図14に示すように、駒込ピペット53と、駒込ピペット53を保持するピペット保持部54を有する。また、図示しないが、駒込ピペット53の後端はチューブを介してポンプに接続しており、そのチューブには電磁バルブが介装されている。なお、ポンプは細胞分配ユニットDの外部に設置してもよい。
以上説明した構成により、搬送ロボットに把持されている蓋が外された遠沈管37内に駒込ピペット53を差し込み、ポンプを稼動して、遠沈管37内の細胞懸濁液を駒込ピペット53に吸入したり、搬送ロボットに把持されている蓋が外された培養容器20内に駒込ピペット53を差し込み、ポンプを稼動して、駒込ピペット57内の細胞懸濁液のうちの所定量を培養容器20へ吐出したり、また、搬送ロボットに把持されている蓋が外された遠沈管37内に駒込ピペット53を差し込み、ポンプを稼動して、遠沈管37内の細胞懸濁液の定量的な吸入および吐出を繰り返して、遠沈管37内の細胞懸濁液を攪拌することができる。培養容器20や遠沈管37内への駒込ピペット53の差し込み動作は、搬送ロボットにより実行してもよいし、細胞分配モジュールにピペット保持部54を昇降させる昇降部を設けて、細胞分配モジュール側で実行してもよいし、搬送ロボットと細胞分配モジュールの両方によって実行してもよい。
なお、細胞懸濁液の吸入時や攪拌時には、搬送ロボットにより遠沈管37を斜めに傾けるのが好適である。また、この場合、細胞分配モジュールに駒込ピペット53を傾ける機構を設けて、遠沈管37の傾きに応じて駒込ピペット53を傾けるようにするのが好適である。
また、図示しないが、細胞分配ユニットDには、遠沈管等を細胞培養装置の外部へ排出するための排出機構が装備されている。搬送ロボットは、使用済みの遠沈管や試料容器を排出機構へ搬送する。
続いて、細胞分配ユニットDの搬送ロボットの動作について説明する。搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入され、その開口部3近傍に設けたコンベア13により所定の位置に搬送された培養容器20の蓋を把持して、その把持した蓋を図示しない蓋載置台上に載置した後、蓋を外した培養容器20を把持して、その把持した培養容器20を、培地注入モジュールの作業エリアへ搬送する。なお、隣接する一方のユニットから他方のユニットへ培養容器等を搬送するときには、搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入された培養容器等を把持し、その把持した培養容器等を他方の開口部3近傍に設けたコンベア13上へ載置して、退避する。また、培養容器等が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器等を搬送する。
培地注入モジュールにより培養容器20内に培地が注入されると、搬送ロボットは、その培地が注入された培養容器20をピペッティングモジュールの作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュールにより培養容器20内の細胞懸濁液が駒込ピペット38に吸入されると、次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に培養容器20を載置した後、蓋載置台に載置した蓋を把持し、その把持した蓋をコンベア13上の培養容器20に被せる。
なお、培養容器20が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器20を搬送する。具体的には、この培養容器20は、細胞観察ユニットBへ搬送される。そして、培養容器20内に細胞懸濁液が残存しないと判定されると、培養容器20は細胞観察ユニットBの排出機構へ搬送される。
次に、搬送ロボットは、遠沈管ストック部40にストックされている遠沈管37を把持し、その把持した遠沈管37を遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管37をピペッティングモジュールの作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュールにより、培養容器20から吸入した駒込ピペット38内の細胞懸濁液が遠沈管37へ吐出されると、遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ遠沈管37を搬送する。そして、遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋付きの遠沈管37を遠心分離モジュール42にセットして、退避する。
次に、搬送ロボットは、遠心分離作業後、遠心分離モジュールにセットされている蓋付きの遠沈管37を把持し、その把持した遠沈管37を遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管37を上清液吸引モジュールの作業エリアへ搬送し、上清液吸引モジュールにより遠沈管37内の上清液が吸引除去されると、培地注入モジュールの作業エリアへ遠沈管37を搬送する。
次に、搬送ロボットは、培地注入モジュールにより遠沈管37内に培地が注入されると、その培地が注入された遠沈管37をピペッティングモジュールの作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュールにより遠沈管37内の細胞懸濁液が攪拌されると、試料採取モジュールの作業エリアへ遠沈管37を搬送する。
次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより遠沈管37内の細胞懸濁液のうちの一定量が駒込ピペット45に吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ遠沈管37を搬送し、遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が閉められると、その蓋付きの遠沈管37を遠沈管ストック部40に立てる。
次に、搬送ロボットは、図示しない試料容器ストック部にストックされている試料容器48を把持し、その把持した試料容器48を試料採取モジュールの把持部47に渡す。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48のスライド部材51をスライドさせて凹部50を開ける。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより、遠沈管37から吸入した駒込ピペット45内の細胞懸濁液が試料容器の凹部50へ吐出されると、試料容器48のスライド部材51をスライドさせて凹部50を閉じる。
次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48を把持し、試料採取モジュールの把持部47が試料容器48を解放すると、その把持した試料容器48を、次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に載置して、退避する。
なお、試料容器48が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ試料容器48を搬送する。具体的には、この試料容器48は、細胞観察ユニットBへ搬送され、細胞懸濁液中の細胞数がカウントされた後、再度、細胞分配ユニットDへ搬送される。また、細胞観察ユニットBにおいてカウントされた細胞数の情報は上位制御部に送られる。上位制御部は、その細胞数に基づき、所定数の細胞ずつ分配されるように、細胞懸濁液を分配する量を決定する。そして、その決定した分配量の情報を、細胞分配ユニットDの制御部へ送る。
次に、搬送ロボットは、搬入された試料容器48を把持して、その把持した試料容器48を試料採取モジュールの把持部47に渡す。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48のスライド部材51をスライドさせて凹部50を開ける。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールにより試料容器の凹部50内の細胞懸濁液が駒込ピペット45に吸入されると、試料容器48のスライド部材51をスライドさせて凹部50を閉じる。次に、搬送ロボットは、試料採取モジュールの把持部47に把持されている試料容器48を把持し、試料採取モジュールの把持部47が試料容器48を解放すると、その把持した試料容器48を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、遠沈管ストック部40にストックした、細胞懸濁液が入っている遠沈管37を把持し、その把持した遠沈管37を遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管37を試料採取モジュールの作業エリアへ搬送し、試料採取モジュールにより、試料容器48から回収された駒込ピペット45内の細胞懸濁液が遠沈管37へ吐出されると、ピペッティングモジュールの作業エリアへ遠沈管37を搬送する。
次に、搬送ロボットは、ピペッティングモジュールにより遠沈管37内の細胞懸濁液が駒込ピペット38に吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ遠沈管37を搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋が閉められた遠沈管37を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、ピペッティングモジュールの駒込ピペット45に吸入した細胞懸濁液中の細胞が所定数ずつ複数個の培養容器20に播種されるように、以下の動作を繰り返す。
すなわち、搬送ロボットは、まず遠沈管ストック部40にストックされている空の遠沈管37を把持し、その把持した遠沈管37を遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が外されると、搬送ロボットは、その蓋が外された遠沈管37をピペッティングモジュールの作業エリアへ搬送し、ピペッティングモジュールにより、駒込ピペット38から所定数の細胞を含む量の細胞懸濁液が遠沈管37へ吐出されると、培地注入モジュールの作業エリアへ遠沈管37を搬送する。なお、細胞分配ユニットDの制御部は、上位制御部により決定された細胞懸濁液の分配量に基づき、所定数の細胞を含む量の細胞懸濁液が吐出されるように、ピペッティングモジュールのポンプや電磁バルブを制御する。
次に、搬送ロボットは、培地注入モジュールにより遠沈管37内に培地が注入されると、その培地が注入された遠沈管37を細胞分配モジュールの作業エリアへ搬送し、細胞分配モジュールにより遠沈管37内の細胞懸濁液が攪拌され、その攪拌された細胞懸濁液が駒込ピペット53に吸入されると、遠沈管蓋開閉モジュール41の作業エリアへ遠沈管37を搬送する。遠沈管蓋開閉モジュール41により遠沈管37の蓋が閉められると、搬送ロボットは、その蓋が閉められた遠沈管37を排出機構へ搬送する。
次に、搬送ロボットは、培養容器ストック部20にストックされている培養容器20の蓋を把持し、その把持した蓋を図示しない蓋載置台に載置した後、蓋が外された培養容器20を把持し、その把持した培養容器20を細胞分配モジュールの作業エリアへ搬送する。細胞分配モジュールにより駒込ピペット53内の細胞懸濁液が培養容器20へ吐出されると、搬送ロボットは、その細胞懸濁液が吐出された培養容器20を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3近傍に設けたコンベア13上に載置した後、蓋載置台に載置した蓋を把持して、その把持した蓋をコンベア13上の培養容器20に被せる。そして、搬送ロボットは、遠沈管ストック部40にストックされている空の遠沈管37を把持するために、遠沈管ストック部40へ移動する。
なお、培養容器20が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器20を搬送する。具体的には、この培養容器20は、細胞観察ユニットBへ搬送される。そして、培養容器20内に細胞が均一に播種されていると判定されると、培養容器20は、次ぎの作業を実施するユニットへ搬送される。一方、培養容器20内に細胞が均一に播種されていない場合には、搬送ロボットにその培養容器20を把持させ、その把持した培養容器を前後左右に揺動させ、再度観察を実施する。
続いて、細胞培養ユニットEについて説明する。図22は、細胞培養ユニットEの構成の一例を説明するための縦断面図である。細胞培養ユニットEには、培養容器に播種されている細胞を所定の環境で培養する細胞培養モジュール(培養室)55が装備されている。
図23は細胞培養モジュール55の一例を説明するための図である。図23に示すように、細胞培養モジュール55の筐体には、培養容器20を搬入および搬出するための開口部56が形成されている。また、開口部56を開閉する遮断扉57が設けられており、遮断扉57を閉じると、細胞培養モジュール55の内部空間が密閉される構造となっている。また、遮断扉57は、開口部56から培養容器20を搬入および搬出するときに開閉する。このように細胞培養モジュール55を密閉可能とすることで、培養環境の維持を図ることができる。
なお、ここでは開口部56を1つ設けたが、複数の開口部を設けてもよい。また、遮断扉57は、開口部56を閉じたときに細胞培養モジュール55の内部空間を密閉するためのものであり、遮断扉57の配置位置は、細胞培養モジュール55の筐体の外面側であっても内面側であってもよい。
また、図示しないが、細胞培養モジュール55の内部には、二酸化炭素濃度センサと、二酸化炭素供給ノズルが設置されている。また、二酸化炭素供給ノズルの後端には、二酸化炭素タンクと二酸化炭素供給ノズルとを接続する二酸化炭素供給チューブの一端が接続しており、その二酸化炭素供給チューブには電磁バルブおよび二酸化炭素供給ポンプが介装されている。なお、二酸化炭素タンクと二酸化炭素供給ポンプは、細胞培養モジュール55あるいは細胞培養ユニットEの外部に設置してもよい。細胞培養ユニットEの制御部は、二酸化炭素濃度センサの検出結果を基に、細胞培養モジュール55の内部空間の二酸化炭素濃度が一定に維持されるように二酸化炭素供給ポンプと電磁バルブを制御する。
また、細胞培養モジュール55の内部には、温度センサと加熱器が設置されており、細胞培養ユニットEの制御部は、温度センサの検出結果を基に、細胞培養モジュール55の内部空間の温度が一定に維持されるように加熱器を制御する。
また、細胞培養モジュール55の内部には、湿度センサと加湿器が設置されており、細胞培養ユニットEの制御部は、湿度センサの検出結果を基に、細胞培養モジュール55の内部空間の湿度が一定に維持されるように加湿器を制御する。
以上説明した構成により、細胞培養モジュール55の内部環境(培養環境)を細胞培養に適した状態(例えば、温度37℃、湿度95%、二酸化炭素濃度5%)に維持することができる。
また、細胞培養モジュール55は、複数個の培養容器20が載置される載置台58と、この載置台58を開口部56から搬入および搬出する機構(図示せず)を備える。すなわち、載置台58は、細胞培養モジュール55の内部へ培養容器20を搬入するとき、および細胞培養モジュール55の内部から培養容器20を搬出するときに、開口部56から搬入および搬出される。
なお、培養容器20が載置される載置台58は多段に設けてもよい。多段に設ける場合、各段ごとに開口部を設けてもよいし、載置台を細胞培養モジュール55の内部で搬送する機構を設けて、1つの開口部から搬入および搬出する構成としてもよい。
細胞培養ユニットEの搬送ロボットは、一方の開口部3から搬入され、その開口部3近傍に設けたコンベア13により所定の位置に搬送された培養容器20を把持部15により把持し、その把持した培養容器20を、細胞培養モジュール55から突出している載置台58上に載置して、退避する。載置台58は、搬送ロボットにより培養容器20が載置されると、細胞培養モジュール55の内部へ移動する。載置台58が細胞培養モジュール55の内部へ移動すると、遮断扉57は閉じる。
また、搬送ロボットは、細胞培養モジュール55から突出した載置台58上の培養容器20を把持し、その把持した培養容器20を次ぎの作業を実施するユニットに近い側の開口部3の近傍に設けたコンベア13上に載置して、退避する。載置台58は、搬送ロボットにより培養容器20が搬送されると、細胞培養モジュール55の内部へ移動する。載置台58が細胞培養モジュール55の内部へ移動すると、遮断扉57は閉じる。培養容器20が載置されたコンベア13は、次ぎの作業を実施するユニットが設置されている方向へ培養容器20を搬送する。
また、細胞培養装置の他端に設置される細胞培養ユニットEには、細胞培養装置の外部へ培養容器20を搬出するための開口部3が形成されており、搬送ロボットは、細胞培養装置の外部に培養容器を搬出するときには、細胞培養装置の外部へ連通する開口部3の近傍に設けたコンベア13上に培養容器20を載置して、退避する。
細胞培養装置の外部への培養容器の搬出は、例えば操作者が手動で行うようにしてもよい。この場合、細胞培養装置の外部に連通する開口部3の近傍に設けたコンベア13は稼動する必要はない。そこで、細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出するための開口部の近傍には、コンベアではなく載置台を設けてもよい。また、所定の位置に載置された培養容器をコンベアが開口部近傍まで搬送する構成としてもよい。なお、細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出するための開口部3の遮断扉4は、培養容器を搬出するときのみ開け、搬出完了後、閉じる。また、細胞培養装置の外部へ培養容器を搬出する際には、細胞培養ユニットEの内部空間が隣接する作業ユニットの内部空間と連通しないように遮断扉を閉じておくのが好適である。
以上説明した容器消毒ユニットA、細胞観察ユニットB、細胞処理ユニットC、細胞分配ユニットD、細胞培養ユニットEを連接することにより、単層培養の継代操作を実施することができる。続いて、この細胞培養装置による継代操作の一例について、図24〜図26を用いて説明する。
所定の培養環境に維持されたインキュベータから、細胞が播種された培地が入った培養容器が取り出され、その取り出された培養容器が容器消毒ユニットAへ搬入されると(ステップS1)、容器消毒ユニットAにより培養容器(蓋付き)の表面を消毒した後(ステップS2)、その消毒された培養容器を細胞観察ユニットBへ搬送する。細胞観察ユニットBは、培養容器の中を下側に設けた顕微鏡付きカメラにより撮影し、その撮影した画像を画像処理して、培養容器内の細胞が所定の増殖状態か否かの判定を行う(ステップS3)。
ステップS3における判定処理の結果、細胞が所定の増殖状態ではない場合(ステップS3のNo)、培養容器を細胞培養ユニットEへ搬送し、細胞培養ユニットEの細胞培養モジュール55の内部(培養室)に、所定時間、保管して細胞を培養した後(ステップS4)、細胞観察ユニットBへ搬送して、細胞観察ユニットBにより、再度、細胞が所定の増殖状態か否かの判定を行う(ステップS3)。
ステップS3における判定処理の結果、細胞が所定の増殖状態の場合には(ステップS3のYes)、培養容器を細胞処理ユニットCへ搬送する。細胞処理ユニットCは、培養容器の蓋を外して、まず培地吸引モジュールにより培養容器内の古い培地を吸引して廃棄した後(ステップS5)、細胞洗浄液注入モジュールにより培養容器内に細胞洗浄液を所定量注入し(ステップS6)、搬送ロボットにより培養容器を揺動させて細胞洗浄液を培養容器の底面全面に行き渡らせ(ステップS7)、所定時間経過後、細胞洗浄液吸引モジュールにより培養容器内の細胞洗浄液を吸引して廃棄する(ステップS8)。このステップS6〜ステップS8の操作を所定回数繰り返す。
次に、細胞処理ユニットCは、細胞剥離液注入モジュールにより培養容器内に所定量の細胞剥離液を注入し(ステップS9)、搬送ロボットにより培養容器を揺動させて細胞剥離液を培養容器の底面全面に行き渡らせる(ステップS10)。
その後、蓋を被せた培養容器を細胞培養ユニットEへ搬送して、所定時間、培養室に保管する(ステップS11)。このように、細胞剥離液を注入した後、培養室で保温することで、培養容器の底面からの細胞の剥離、および細胞同士の接着の剥離を促進させることができる。なお、培養室で保温する代わりに、細胞剥離液を注入した後、その位置で所定の温度(例えば、約37℃)で所定時間維持する構成としてもよい。
その後、培養容器を細胞観察ユニットBへ搬送する。細胞観察ユニットBは、培養容器の中を下側に設けた顕微鏡付きカメラにより撮影し、その撮影した画像を画像処理して、培養容器の底面から細胞が剥がれているか否か、細胞同士の接着が切れているか否かの判定を行う(ステップS12)。
ステップS12における判定処理の結果、培養容器の底面から細胞が剥がれていなかったり、細胞同士の接着が切れていない場合(ステップS12のNo)、培養容器を細胞培養ユニットEへ搬送し、細胞培養ユニットEの培養室に、所定時間、保管した後(ステップS11)、細胞観察ユニットBへ搬送して、再度、細胞観察ユニットBにより、培養容器の底面から細胞が剥がれているか否か等の判定を行う(ステップS12)。なお、培養室で保温する代わりに、細胞を観察した後、その位置で所定の温度(例えば、約37℃)で所定時間維持する構成としてもよい。
ステップS12における判定処理の結果、培養容器の底面から細胞が剥がれており、且つ細胞同士の接着が切れている場合には(ステップS12のYes)、培養容器を細胞分配ユニットDへ搬送する。
細胞分配ユニットDは、培養容器の蓋を外し、培地注入モジュールにより培養容器内に所定量の培地を注入して、細胞剥離液の反応を止めた後(ステップS13)、ピペッティングモジュールにより培養容器内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入する(ステップS14)。
その後、蓋を被せた培養容器を細胞観察ユニットBへ搬送する。細胞観察ユニットBは、培養容器の中を下側に設けた顕微鏡付きカメラにより撮影し、その撮影した画像を画像処理して、培養容器内に細胞懸濁液が残存するか否かの判定を行う(ステップS15)。
ステップS15における判定処理の結果、培養容器内に細胞懸濁液が残存する場合(ステップS15のNo)、培養容器を細胞分配ユニットDへ搬送し、細胞分配ユニットDにより、再度、培養容器内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入した後(ステップS14)、培養容器を細胞観察ユニットBへ搬送し、細胞観察ユニットBにより、再度、細胞懸濁液が残存するか否かの判定を行う(ステップS15)。
ステップS15における判定処理の結果、培養容器内に細胞懸濁液が残存しない場合には(ステップS15のYes)、細胞分配ユニットDは、遠沈管ストック部から遠沈管を取り出し、その取り出した遠沈管の蓋を開けて、ピペッティングモジュールにより駒込ピペット内の細胞懸濁液を遠沈管へ吐出して、遠沈管の蓋を閉める(ステップS16)。なお、培養容器は、蓋を被せて、細胞観察ユニットBの排出機構へ搬送する。
次に、細胞分配ユニットDは、蓋を閉めた遠沈管を遠心分離モジュールにセットして、所定回転数で所定時間遠心分離を行い、細胞懸濁液から細胞を分離する(ステップS17)。
遠心分離作業後、細胞分配ユニットDは、遠心分離モジュールから遠沈管37を取り出し、その取り出した遠沈管の蓋を開けて、上清液吸引モジュールにより遠沈管内から上清液を吸引して廃棄する(ステップS18)。
次に、細胞分配ユニットDは、培地注入モジュールにより遠沈管内に所定量の培地を注入した後(ステップS19)、ピペッティングモジュールにより遠沈管内の細胞懸濁液を攪拌する(ステップS20)。
次に、細胞分配ユニットDは、試料採取モジュールにより、遠沈管内の攪拌された細胞懸濁液のうちの一定量を駒込ピペットに吸入し(ステップS21)、その吸入した駒込ピペット内の細胞懸濁液を試料容器へ吐出する(ステップS22)。
その後、細胞懸濁液が吐出された試料容器を細胞観察ユニットBへ搬送する。細胞観察ユニットBは、試料容器内の細胞懸濁液を撮影した画像を画像処理して、試料容器内の一定量の細胞懸濁液に含まれる細胞数をカウントする。上位制御部は、その細胞数に基づき、所定数の細胞ずつ分配されるように、細胞懸濁液を分配する量を決定する(ステップS23)。
その後、試料容器を細胞分配ユニットDへ搬送する。細胞分配ユニットDは、試料採取モジュールにより試料容器内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入し(ステップS24)、その試料容器から回収した駒込ピペット内の細胞懸濁液を遠沈管へ吐出する(ステップS25)。なお、細胞懸濁液が回収された試料容器は、細胞分配ユニットDの排出機構へ搬送する。
次に、細胞分配ユニットDは、ピペッティングモジュールにより遠沈管内の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入する(ステップS26)。なお、遠沈管は、蓋を閉めて、細胞分配ユニットDの排出機構へ搬送する。
次に、細胞分配ユニットDは、遠沈管ストック部40から空の遠沈管を取り出し、その取り出した遠沈管の蓋を開け、ピペッティングモジュールにより駒込ピペットから所定数の細胞を含む量の細胞懸濁液を遠沈管内へ吐出する(ステップS27)。
次に、細胞分配ユニットDは、培地注入モジュールにより遠沈管内に所定量の培地を注入して細胞懸濁液を希釈し(ステップS28)、細胞分配モジュールにより遠沈管内の細胞懸濁液を攪拌して(ステップS29)、その攪拌後の細胞懸濁液を駒込ピペットに吸入する(ステップS30)。なお、遠沈管は、蓋を閉めて、細胞分配ユニットDの排出機構へ搬送する。
次に、細胞分配ユニットDは、培養容器ストック部にストックされている培養容器の蓋を外し、その蓋を外した培養容器を培養容器ストック部から取り出し、細胞分配モジュールにより駒込ピペット内の細胞懸濁液を培養容器へ吐出する(ステップS31)。
以上のステップS27〜S31の処理を繰り返して、所定数の細胞を複数個の培養容器に播種する。
細胞が播種された培養容器は、蓋を被せて、細胞観察ユニットBへ搬送する。細胞観察ユニットBは、培養容器の中を下側に設けた顕微鏡付きカメラにより撮影し、その撮影した画像を画像処理して、培養容器内に細胞が均一に播種されているか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32における判定処理の結果、細胞が均一に播種されていない場合(ステップS32のNo)、搬送ロボットにその培養容器を把持させ、その把持した培養容器を前後左右に揺動させ、再度観察を実施する(ステップS33)。
ステップS32における判定処理の結果、細胞が均一に播種されている場合には(ステップS32のYes)、培養容器を細胞培養ユニットEへ搬送し、培養室に保管して培養する(ステップS34)。
上述したように、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え等が可能であるので、例えば、培養する細胞の種類に応じた顕微鏡が装備されている細胞観察ユニットに入れ替えたり、培養方法に応じた処理を行う設備が装備されている細胞処理ユニットに入れ替えたり、培養する細胞の種類に応じた培養環境を提供する設備が装備されている細胞培養ユニットに入れ替えることができる。また、ここでは、遠心分離により細胞懸濁液から細胞を分離したが、例えば、温度応答性樹脂を用いて細胞を分離する設備や、電場や超音波を用いて細胞を分離する設備が装備された細胞分配ユニットに入れ替えることができる。また、遠心分離を行わずに継代操作を行うときには、遠心分離モジュールを装備しない細胞分配ユニットに入れ替えることができる。また、ユーザが有する既存の設備を利用するために、その既存の設備に対応する設備が装備されている作業ユニットを取り外すことができる。また、細胞培養ユニットを追加することができ、大量培養に対応することができる。また、消毒液噴射手段(消毒手段)を装備しない搬入搬出ユニットを追加してもよいし、消毒手段を装備した搬入搬出ユニットである容器消毒ユニットを、消毒手段を装備しない搬入搬出ユニットに入れ替えてもよいし、搬入搬出ユニットを設けない構成としてもよい。また、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を装備しない細胞分配ユニットと、分離手段を装備した細胞分離ユニットを設けた構成としてもよい。
このように、作業ユニットの入れ替え等が可能であるので、ユーザが所望する設備が装備された細胞培養装置へ変更することができる。また、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を装備しない細胞分配ユニットを使用する場合、細胞懸濁液から細胞を分離する方法を変更する際や、細胞培養装置から分離手段を取り外す際に、分離手段を装備した作業細胞分離ユニットを入れ替えたり、細胞分離ユニットを取り外すだけで済み、細胞分配ユニットを入れ替えずに済む。また、遠心分離モジュールを装備した細胞分配ユニットを用いて、遠心分離と並行して、培地注入作業や細胞懸濁液の定量的な吸入および吐出を繰り返すピペッティング作業等の各種液体操作を実行するには、遠心分離の振動による各種液体操作への影響を回避するために、振動を遮断する機構が必要となる。さらに、遠心分離を行う環境の適温と各種液体操作を行う環境の適温が異なる場合に、遠心分離と並行して各種液体操作を実行するには、遠心分離を実行する空間と各種液体操作を実行する空間を断熱する必要があり、また遠心分離と各種液体操作を並行して実行しない場合でも、細胞分配ユニットの内部空間の温度が遠心分離や各種液体操作に適した温度となるまで待機する必要がある。これに対して、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を装備しない細胞分配ユニットと、分離手段を装備した細胞分離ユニットとを用いることにより、遠心分離による振動の他のユニットへの伝達を容易に遮断できるし、遠心分離を実行する空間と各種液体操作を実行する空間を容易に断熱できるので、遠心分離と並行して各種液体操作を実行することが容易となる。
また、ここでは、排出機構を細胞観察ユニットBと細胞分配ユニットDに設けたが、これに限らず、排出機構は、連接されている作業ユニットの少なくとも1台に設ければよい。
また、ここでは、細胞培養装置の内部空間において培養容器等を搬送する手段としてコンベアや搬送ロボットを使用する場合について説明したが、培養容器等を保持可能なステージを搬送させる構成としてもよいし、搬送ロボットやコンベアとステージを組み合わせた構成としてもよい。なお、コンベアやステージにより遠沈管を搬送する場合には、コンベアやステージにおいて遠沈管を立てた状態で保持する構成とするのが好適である。
また、各作業ユニット2の筐体は、互いに整数倍の幅を有するように形成するのが好適である。このようにすれば、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え、連接されている作業ユニットの配置変換、作業ユニットの追加、不要な設備が装備されている作業ユニットの取り外し等が容易となる。特に、設置台上に作業ユニットを設置する構成や、作業ユニットを位置決めピンおよび位置決めピン用の挿入孔により位置決めする構成、作業ユニットを設置すると同時に、作業ユニットの電源コネクタに外部の電源コネクタが接続される構成等において有利となる。
また、培養容器に、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、その培養容器に設けた記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設けてもよい。このように構成すれば、例えば、細胞培養装置に外部から搬入する初代の細胞が播種された培養容器の記憶装置に、その細胞に関する情報を記憶させておき、継代操作により細胞が分配された各培養容器の記憶装置に、その初代の細胞に関する情報を記憶させることができ、細胞の管理が容易になる。また、例えば、細胞培養装置による作業の内容や、細胞観察ユニットで認識された細胞の状態等を培養容器の記憶装置に記憶させることにより、様々な条件で培養した細胞の比較が容易になる。また、培養室で保管を開始した時刻等の時間情報を記憶させることにより、各作業における時間管理が容易になる。
また、細胞培養装置に外部から搬入する培養容器に、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、その記憶装置に予め全作業工程を記憶させておき、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、その培養容器に設けた記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設けて、その培養容器の記憶装置から作業工程を読み出して上位制御部で管理して、各作業ユニットの設備を動作させる構成としてもよい。
また、継代操作に用いる培養容器や、遠沈管、試料容器に、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、それらの記憶装置に予め作業工程を記憶させておき、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、培養容器等に設けた記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設け、培養容器等の記憶装置から読み出した作業工程に従って各作業ユニットの設備を動作させる構成としてもよい。この場合、培養容器等の記憶装置から全工程を読み出して上位制御部で管理してもよいし、培養容器等が搬送される各作業ユニットに通信装置(通信手段)を設けて、それらの作業ユニットにおいて作業工程を順次読み出してもよい。なお、作業工程を順次読み出す場合は、終了した作業の情報を培養容器等の記憶装置に書き込むのが好適である。
このように培養容器等に設けた記憶装置に予め作業工程を記憶させることにより、細胞培養装置に装備されている各設備の動作を容易に変更することができ、培養の条件の変更が容易になる。また、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え等を行ったときにも、培養容器等の記憶装置から読み出した作業工程に従って各設備を動作させることができ、容易に動作の内容を変更することができる。
また、各作業ユニットに、それぞれの内部空間に充填されている気体を清浄化する清浄化手段を設けたが、いずれか1台に清浄化手段を設けて、その清浄化手段により細胞培養装置の内部空間に充填されている気体を清浄化してもよい。また、清浄化手段に代えて、加熱や過酸化水素ガスにより細胞培養装置の内部空間(作業ユニットの内部空間)を滅菌する手段を設けてもよいし、清浄化手段と共に滅菌する手段を設けてもよい。
(実施の形態2)
以下、本発明の細胞培養装置の実施の形態2について、図面を交えて説明する。但し、前述の実施の形態1において説明した要素と同様の要素については同一符号を付して、説明を省略する。また、前述の実施の形態1において説明した構成および方法と同様の構成および方法についても、説明を省略する。
ここでは、本発明の細胞培養装置の実施の一形態として、凍結された細胞が入れられた凍結チューブ(凍結用容器)が搬入されると、その凍結された細胞を解凍し、その解凍した細胞を培養する細胞培養装置について説明する。
図27は、本発明の実施の形態2における細胞培養装置の一例を示す斜視図である。図27に示すように、この細胞培養装置は、作業ユニットとして、細胞解凍ユニット60と、搬入搬出ユニット59と、細胞継代ユニット61と、細胞分離ユニット62と、2台の細胞培養ユニット63がこの順に連接されている。
なお、本実施の形態2では、搬入搬出ユニット59の一方側に細胞解凍ユニット60を配置し、他方側に細胞継代ユニット61、細胞分離ユニット62および細胞培養ユニット63を配置したが、このようにすれば、高いクリーン度を要求されない細胞解凍ユニット60と、高いクリーン度を要求される細胞継代ユニット61、細胞分離ユニット62および細胞培養ユニット63とを搬入搬出ユニット59を介して分離して、お互いの環境に対して影響を与え難くすることができる。
本実施の形態2では、細胞培養装置の内部空間を外部と連通させる第2開口部を有する作業ユニットとして、側壁ではなく前壁に第2開口部が形成された搬入搬出ユニット59を用いる。搬入搬出ユニット59は、細胞培養装置の端には配置されておらず、その両側壁には、隣接する作業ユニットの内部空間を互いに連通させる第1開口部が形成されている。但し、搬入搬出ユニット59には、前述の実施の形態1で説明した消毒手段は装備されていない。
また、本実施の形態2では、搬入搬出ユニット59の第2開口部を介して、凍結チューブの搬入、および培養容器の搬出を行う。したがって、前述の実施の形態1で説明したように、搬入搬出ユニット59へ外部から凍結チューブが搬入される際や、搬入搬出ユニット59から外部へ培養容器を搬出する際には、搬入搬出ユニット59の内部空間が隣接する作業ユニットの内部空間と連通しないように遮断扉を閉じておくのが好適である。また、搬入搬出ユニット59の第2開口部は、当該第2開口部を通過させる培養容器や凍結チューブが通過可能な最小の大きさとするのが好適である。または、第2開口部を通過させる培養容器や凍結チューブが通過可能な最小の大きさの開口領域が形成されるように遮断扉を動作させるのが好適である。または、この搬入搬出ユニット59に、搬入搬出ユニット59の内部空間よりも狭い内部空間を形成する筐体を備えた搬入搬出モジュールを設けるのが好適である。
細胞解凍ユニット60には、搬送された凍結チューブ内の凍結された細胞を解凍させる設備や、その解凍された細胞を凍結チューブから遠沈管へ移す設備が装備されている。解凍された細胞を凍結チューブから遠沈管へ移す設備としては、例えば駒込ピペットにより凍結チューブ内の細胞懸濁液を吸引し、その駒込ピペット内に吸入された細胞懸濁液を遠沈管へ吐出する構成としてもよい。
また、本実施の形態2では、細胞培養に係る各種液体操作の作業工程に用いる設備が装備された液体操作ユニットとして、細胞継代ユニット61が連接されている。本実施の形態2では、この細胞継代ユニット61において、単層培養の継代操作に係る各種液体操作を実行する。具体的には、細胞継代ユニット61には、前述の実施の形態1で説明した細胞観察ユニットBが備える撮影モジュールや、細胞処理ユニットCが備える細胞剥離液注入モジュール等、細胞分配ユニットDが備える培地注入モジュール等の各設備が装備されている。但し、細胞継代ユニット61には、細胞懸濁液から細胞を分離する設備は装備されておらず、細胞懸濁液から細胞を分離する設備は、細胞分離ユニット62に装備されている。ここでは、細胞分離ユニット62には、遠心分離により細胞懸濁液から細胞を分離する設備(遠心分離モジュール)が装備されている。
このように、細胞懸濁液から細胞を分離する設備を独立したユニットに装備させることで、前述の実施の形態1で説明したように、細胞懸濁液から細胞を分離する方法を変更する際や、細胞懸濁液から細胞を分離する装備を細胞培養装置から取り外す際に、細胞分離ユニットを入れ替えたり、細胞分離ユニットを取り外すだけで済む。また、遠心分離により細胞懸濁液から細胞を分離する場合、遠心分離による振動の他のユニットへの伝達を容易に遮断でき、かつ遠心分離を実行する空間と各種液体操作を実行する空間を容易に断熱できるので、遠心分離と並行して、培地吸引作業や培地注入作業等の各種液体操作を実行することが容易となる。
細胞培養ユニット63は、前述の実施の形態1で説明した細胞培養ユニットEと同様の構成であり、培養容器に播種されている細胞を所定の環境で培養する細胞培養モジュール(培養室)が装備されている。図27には、細胞培養ユニットを2台使用する場合について例示しているが、無論、細胞培養ユニットの台数は2台に限定されるものではなく、細胞培養ユニットは1台以上連接させればよい。
なお、図27には、各作業ユニットの制御部に接続し細胞培養装置全体の動作を管理・制御する上位制御部が装備されている制御装置64と、加熱や過酸化水素ガスにより細胞培養装置の内部空間(作業ユニットの内部空間)を滅菌するための滅菌装置65を図示している。
また、図27には、細胞継代ユニット61の幅が他の作業モジュールの幅よりも長い場合について例示している。このように、各作業モジュールの幅が異なる場合には、前述の実施の形態1で説明したように、各作業ユニットの筐体は、互いに整数倍の幅を有するように形成するのが好適である。
続いて、図28を用いて、この細胞培養装置の動作の概要について説明する。図28は、本発明の実施の形態2における細胞培養装置の動作の概略を示すブロック図である。図28に示すように、この細胞培養装置には、搬入搬出ユニット59の第2開口部を介して、外部から凍結チューブ66が搬入される。凍結チューブ66が搬入されると、搬入搬出ユニット59は、隣接する細胞解凍ユニット60へ凍結チューブ66を搬送する。
細胞解凍ユニット60は、例えば、搬送された凍結チューブ66を温めた水等の液体に浸すことで、凍結チューブ66内の細胞を解凍する。なお、無論、凍結された細胞の解凍方法はこれに限定されるものではなく、例えば、凍結チューブ66内に温めた培地を注入した後に、ピペッティングを数回行う等してもよい。
細胞解凍ユニット60は、解凍された細胞を遠沈管37へ移し、その解凍された細胞が入れられた遠沈管37に培地を注入した後、遠沈管37に蓋をして、その蓋が閉められた遠沈管37を搬入搬出ユニット59へ搬送する。
なお、細胞解凍ユニット60には、その内部空間において凍結チューブや遠沈管を搬送する設備や、温めた水等の液体に凍結チューブを浸漬させる設備、凍結チューブや遠沈管の蓋を開閉する設備、凍結チューブ内の細胞懸濁液を遠沈管へ移す設備、遠沈管ストック部、遠沈管に培地を注入する設備、使用済みの凍結チューブを細胞培養装置の外部へ排出するための排出機構等が装備されている。
解凍された細胞が入れられた遠沈管37は、搬入搬出ユニット59から、細胞継代ユニット61を介して細胞分離ユニット62へ搬送される。細胞分離ユニット62は、遠心分離作業により遠沈管37の底部に細胞塊を形成した後、この細胞塊が形成された遠沈管37を細胞継代ユニット61へ搬送する。
細胞塊が形成された遠沈管37が搬送された細胞継代ユニット61は、まず遠沈管37内の上清液を吸引除去した後、遠沈管37に培地を注入し、その新たな培地が注入された遠沈管37内の細胞懸濁液を培養容器20へ移し、その培養容器20に蓋をして、その蓋をした培養容器20を細胞分離ユニット62へ搬送する。この培養容器20は、細胞分離ユニット62を介して細胞培養ユニット63へ搬送される。細胞培養ユニット63は、その培養容器20内の細胞を培養室において培養する。培養容器20内の細胞を培養した後の動作は、前述の実施の形態1で説明した継代操作の動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
なお、ここでは、細胞解凍ユニット60において、解凍された細胞が入れられた遠沈管への培地の注入を行ったが、この遠沈管への培地の注入は、細胞継代ユニット61において行ってもよい。また、ここでは、解凍された細胞を遠沈管へ移す場合について説明したが、一旦、培養容器へ移してもよい。
以上のように、細胞解凍ユニット60と細胞継代ユニット61との間に搬入搬出ユニット59を介在させることで、細胞解凍ユニット60と細胞継代ユニット61とを離すことができるので、コンタミネーションの防止の促進を図ることができる。
なお、ここでは、作業ユニットとして、細胞解凍ユニット60と、搬入搬出ユニット59と、細胞継代ユニット61と、細胞分離ユニット62と、胞培養ユニット63が連接されている構成について説明したが、例えば、凍結チューブ内の凍結された細胞を人手で解凍する場合には、図29に示すように、細胞解凍ユニットを設けない構成としてもよい。なお、図29には、培養容器を細胞培養装置へ搬入する場合について示している。この場合、前述の実施の形態1で説明したように、搬入搬出ユニット59内に消毒手段(消毒液噴射手段)を設けてもよい。
また、ここでは、コンタミネーションの防止を促進させるために搬入搬出ユニットを連接させる場合について説明したが、例えば細胞培養装置の設置スペースの関係等から、図30に示すように、搬入搬出ユニットを設けない構成としてもよい。なお、図30には、培養容器を細胞培養装置へ搬入する場合について示している。この場合でも、安全キャビネット程度のクリーン度を維持することができる。また、この場合、前述の実施の形態1で説明したように、細胞培養装置の外部から培養容器が搬入される作業ユニット(図30に示す例では、細胞継代ユニット61)に、その作業ユニットの内部空間よりも狭い内部空間を形成する筐体を備えた搬入搬出モジュールを設けるのが好適である。
また、ここでは、遠心分離により細胞懸濁液から細胞を分離させる細胞分離ユニットを連接させる場合について説明したが、細胞懸濁液からの細胞の分離を行わずに継代操作を行うときには、図31に示すように、細胞分離ユニットを設けない構成としてもよい。なお、図31には、培養容器を細胞培養装置へ搬入する場合について示している。
また、ここでは、細胞継代ユニットに、培養容器等の中の細胞を観察するための撮影モジュールを装備させる場合について説明したが、細胞継代ユニットに撮影モジュールを装備させずに、撮影モジュールを装備させた作業モジュールを連接させた構成としてもよい。
また、ここでは、細胞継代に係る各種液体操作の作業工程に用いる設備が装備された細胞継代ユニット61を使用する場合について説明したが、例えば前述の実施の形態1で説明したように、細胞観察ユニットBと、細胞処理ユニットCと、細胞懸濁液から細胞を分離する設備が装備されていない細胞分配ユニットDを連接させてもよい。
また、前述の実施の形態1と同様に、凍結チューブと培養容器に、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、凍結チューブや培養容器の記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設けてもよい。このように構成すれば、例えば、細胞培養装置に外部から搬入された凍結チューブの記憶装置に、その凍結チューブ内の細胞に関する情報を記憶させておき、継代操作により細胞が分配された各培養容器の記憶装置に、その凍結チューブに入れられた細胞に関する情報を記憶させることができ、細胞の管理が容易になる。また、例えば、細胞培養装置による作業の内容や、撮影モジュールで認識された細胞の状態等を培養容器の記憶装置に記憶させることにより、様々な条件で培養した細胞の比較が容易になる。また、培養室で保管を開始した時刻等の時間情報を記憶させることにより、各作業における時間管理が容易になる。
また、前述の実施の形態1と同様に、細胞培養装置に外部から搬入する凍結チューブに、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、その記憶装置に予め全作業工程を記憶させておき、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、凍結チューブの記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設けて、凍結チューブの記憶装置から作業工程を読み出して上位制御部で管理して、各作業ユニットの設備を動作させる構成としてもよい。
また、前述の実施の形態1と同様に、当該細胞培養装置において実行する各種作業に用いる凍結チューブや、培養容器、遠沈管、試料容器に、ICタグのような通信機能を備えた記憶装置(記憶手段)を設け、それらの記憶装置に予め作業工程を記憶させておき、連接されている複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台に、凍結チューブ等の記憶装置と通信する通信装置(通信手段)を設け、凍結チューブ等の記憶装置から読み出した作業工程に従って各作業ユニットの設備を動作させる構成としてもよい。この場合、凍結チューブ等の記憶装置から全工程を読み出して上位制御部で管理してもよいし、凍結チューブ等が搬送される各作業ユニットに通信装置(通信手段)を設けて、それらの作業ユニットにおいて作業工程を順次読み出してもよい。なお、作業工程を順次読み出す場合は、終了した作業の情報を凍結チューブ等の記憶装置に書き込むのが好適である。
このように凍結チューブ等に設けた記憶装置に予め作業工程を記憶させることにより、細胞培養装置に装備されている各設備の動作を容易に変更することができ、培養の条件の変更が容易になる。また、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え等を行ったときにも、凍結チューブ等の記憶装置から読み出した作業工程に従って各設備を動作させることができ、容易に動作の内容を変更することができる。
なお、ここでは、細胞解凍ユニット60を連接させたが、凍結チューブ内の凍結された細胞を解凍する設備に加えて、例えば遠心分離により底部に細胞塊が形成され、上清液が吸い出された遠沈管が他の作業ユニットから搬送されると、DMSO、グリセロール、セルバンガー等の凍結保護剤を注入して懸濁した後、遠沈管から凍結チューブへ細胞懸濁液を移して、その凍結チューブを凍結保存する設備が装備された細胞保存・解凍ユニットに入れ替えてもよい。
本発明にかかる細胞培養装置は、連接されている作業ユニットの一部の他の作業ユニットへの入れ替え、連接されている作業ユニットの配置変換、作業ユニットの追加、不要な設備が装備されている作業ユニットの取り外し等が可能となり、所望の作業工程の仕様に合わせた様々な態様の細胞培養装置に変更することができ、ES細胞やiPS細胞、間葉系幹細胞、体性幹細胞等の様々な細胞の培養の自動化に有用である。また、単層(接着)培養や浮遊培養、包埋培養等の様々な培養方法による細胞培養の自動化に有用である。また、実験レベルの小規模な細胞培養から、工業的な大量培養の自動化に有用である。
本発明の実施の形態1における細胞培養装置の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の作業ユニットの設置例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の作業ユニットの他の設置例を示す斜視図および正面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の作業ユニットの一例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の作業ユニットの他例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の搬送手段の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の搬送手段の他例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の制御ブロックの一例を示すブロック図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の容器消毒ユニットAの構成の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置に用いる蓋付きの培養容器の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の細胞観察ユニットBの構成の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の細胞処理ユニットCの構成の一例を説明するための縦断面図および横断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置に用いる培養容器の蓋を外した状態の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の細胞分配ユニットDの構成の一例を説明するための縦断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の培地注入モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の搬送ロボットが遠沈管を把持している状態の一例を示す図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置のピペッティングモジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の搬送ロボットが遠沈管を把持している状態の一例を示す図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の遠沈管蓋開閉モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の試料採取モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置に用いる試料容器の一例を説明するための斜視図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の細胞培養ユニットEの構成の一例を説明するための縦断面図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置の細胞培養モジュールの一例を説明するための図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置による継代操作を示す第1フロー図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置による継代操作を示す第2フロー図 本発明の実施の形態1における細胞培養装置による継代操作を示す第3フロー図 本発明の実施の形態2における細胞培養装置の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態2における細胞培養装置の動作の概略を示すブロック図 本発明の実施の形態2における細胞培養装置の他例1を示すブロック図 本発明の実施の形態2における細胞培養装置の他例2を示すブロック図 本発明の実施の形態2における細胞培養装置の他例3を示すブロック図
符号の説明
1 細胞培養装置
2 作業ユニット
3、3a、3b 作業ユニットの開口部
4、4a、4b 作業ユニットの遮断扉
5 設置台
5a、5b 設置台の架台
6 設置台の電源コネクタ
7 設置台の挿入穴
8 作業ユニットの突起部材
9 架台の溝
10 作業ユニットの前壁に設けた遮断扉
11 HEPAフィルタ
12 ころ
13 コンベア
13a 第1コンベア
13b 分流コンベア部
13c 第2コンベア
14 作業エリア
15 搬送ロボットの把持部
16 搬送ロボットのX軸レール
17 搬送ロボットのY軸レール
18 作業ユニットの制御部
19 細胞培養装置の上位制御部
20 培養容器
21a、21b 消毒液噴射モジュールの消毒液噴射ノズル
22a、22b 消毒液噴射モジュールのノズル保持部
23 消毒ステージ
24a 顕微鏡付きカメラの顕微鏡
24b 顕微鏡付きカメラの撮像素子
25 撮影モジュールのカメラ保持部
26 観察ステージ
26a 載置領域
27 培地吸引モジュールのピペット
28 培地吸引モジュールのピペット保持部
29 細胞洗浄液注入モジュールのピペット
30 細胞洗浄液注入モジュールのピペット保持部
31 細胞洗浄液吸引モジュールのピペット
32 細胞洗浄液吸引モジュールのピペット保持部
33 細胞剥離液注入モジュールのピペット
34 細胞剥離液注入モジュールのピペット保持部
35 培地注入モジュールのピペット
36 培地注入モジュールのピペット保持部
37 遠沈管
38 ピペッティングモジュールの駒込ピペット
39 ピペッティングモジュールのピペット保持部
40 遠沈管ストック部
41 遠沈管蓋開閉モジュール
42 遠心分離モジュール
43 上清液吸引モジュールのピペット
44 上清液吸引モジュールのピペット保持部
45 試料採取モジュールの駒込ピペット
46 試料採取モジュールのピペット保持部
47 試料採取モジュールの把持部
47a 把持部のアーム
48 試料容器
49 試料容器の基台
50 基台の凹部
51 試料容器のスライド部材
51a スライド部材の被把持部
52 培養容器ストック部
53 細胞分配モジュールの駒込ピペット
54 細胞分配モジュールのピペット保持部
55 細胞培養モジュール
56 細胞培養モジュールの開口部
57 細胞培養モジュールの遮断扉
58 細胞培養モジュールの載置台
59 搬入搬出ユニット
60 細胞解凍ユニット
61 細胞継代ユニット
62 細胞分離ユニット
63 細胞培養ユニット
64 制御装置
65 滅菌装置
66 凍結チューブ

Claims (32)

  1. 培養容器に入れた細胞を培養する細胞培養装置であって、細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備された複数台の作業ユニットが連接しており、
    前記各作業ユニットは、それぞれの内部空間を互いに連通させる第1開口部と、それぞれの内部空間において少なくとも培養容器を搬送し、且つ隣接する作業ユニット間で、前記第1開口部を介して少なくとも培養容器を搬送する搬送手段と、を有し、
    前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、その内部空間を外部と連通させる第2開口部を有する
    ことを特徴とする細胞培養装置。
  2. 隣接する作業ユニットのうちの少なくとも一方は、それぞれの内部空間を互いに連通させる前記第1開口部を開閉する第1扉を有し、
    前記第2開口部を有する作業ユニットは、前記第2開口部を開閉する第2扉を有し、
    前記第1扉を閉じると前記各作業ユニットの内部空間が密閉され、前記第2扉を閉じると当該細胞培養装置の内部空間が密閉されることを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、培養容器を消毒する消毒ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載の細胞培養装置。
  4. 前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を有することを特徴とする請求項3記載の細胞培養装置。
  5. 前記細胞分配ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする請求項3もしくは4のいずれかに記載の細胞培養装置。
  6. 前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  7. 少なくとも培養容器または培養容器と遠沈管に、通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記各作業ユニットは、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の細胞培養装置。
  8. 前記記憶手段に記憶されている情報に従い前記各作業ユニットに装備されている設備が動作することを特徴とする請求項7記載の細胞培養装置。
  9. 培養容器に入れた細胞を培養する細胞培養装置であって、細胞培養に係る各作業工程に用いる設備が分散されて装備された複数台の作業ユニットが連接しており、
    前記各作業ユニットは、それぞれの内部空間を互いに連通させる第1開口部と、それぞれの内部空間において当該作業ユニットが実行する作業に使用する容器を搬送し、且つ隣接する作業ユニット間で、前記第1開口部を介して他の作業ユニットで使用する容器を搬送する搬送手段と、を有し、
    前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、その内部空間を外部と連通させる第2開口部を有する
    ことを特徴とする細胞培養装置。
  10. 隣接する作業ユニットのうちの少なくとも一方は、それぞれの内部空間を互いに連通させる前記第1開口部を開閉する第1扉を有し、
    前記第2開口部を有する作業ユニットは、前記第2開口部を開閉する第2扉を有し、
    前記第1扉を閉じると前記各作業ユニットの内部空間が密閉され、前記第2扉を閉じると当該細胞培養装置の内部空間が密閉されることを特徴とする請求項9記載の細胞培養装置。
  11. 作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置。
  12. 前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液から細胞を分離する分離手段を有することを特徴とする請求項11記載の細胞培養装置。
  13. 作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、所定数の細胞ずつ分配されるように細胞懸濁液を複数個の培養容器に分配する細胞分配ユニットと、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットと、少なくとも細胞剥離液を培養容器に注入する細胞処理ユニットと、細胞懸濁液から細胞を分離する細胞分離ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置。
  14. 前記細胞分配ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の細胞培養装置。
  15. 前記細胞分配ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載の細胞培養装置。
  16. 作業ユニットとして、培養容器に入れた細胞を所定の環境で培養する培養室を有する細胞培養ユニットと、細胞培養に係る各種液体操作の作業工程に用いる設備が装備された液体操作ユニットと、細胞懸濁液から細胞を分離する細胞分離ユニットのうちから選択したユニットが連接していることを特徴とする請求項9もしくは10のいずれかに記載の細胞培養装置。
  17. 前記液体操作ユニットは、培地を注入する培地注入手段を有することを特徴とする請求項16記載の細胞培養装置。
  18. 前記液体操作ユニットは、細胞懸濁液を定量的に吸入もしくは吐出するピペッティング手段を有することを特徴とする請求項16もしくは17のいずれかに記載の細胞培養装置。
  19. 前記液体操作ユニットは、細胞剥離液を培養容器に注入する細胞剥離液注入手段を有することを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の細胞培養装置。
  20. 前記液体操作ユニットは、少なくとも培養容器の中の細胞を撮影する撮影手段を有することを特徴とする請求項16ないし19のいずれかに記載の細胞培養装置。
  21. 作業ユニットとして、少なくとも培養容器の中の細胞を観察する細胞観察ユニットが連接していることを特徴とする請求項16ないし19のいずれかに記載の細胞培養装置。
  22. 作業ユニットして、前記第2開口部を有する搬入搬出ユニットが連接しており、前記搬入排出ユニットの前記第2開口部を介して、細胞が入れられた培養容器が当該細胞培養装置の外部から搬入されることを特徴とする請求項11ないし21のいずれかに記載の細胞培養装置。
  23. 前記搬入搬出ユニットは、培養容器を消毒する消毒手段を有することを特徴とする請求項22記載の細胞培養装置。
  24. 前記搬入搬出ユニットは、当該細胞培養装置の一端に配置されることを特徴とする請求項22もしくは23のいずれかに記載の細胞培養装置。
  25. 培養容器に通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする請求項9ないし24のいずれかに記載の細胞培養装置。
  26. 作業ユニットとして、前記第2開口部を有する搬入搬出ユニットと、隣接する作業ユニットから搬送された凍結用容器内の凍結された細胞を解凍する解凍ユニットと、が連接しており、前記搬入排出ユニットの前記第2開口部を介して、凍結された細胞が入れられた凍結用容器が当該細胞培養装置の外部から搬入されることを特徴とする請求項11ないし21のいずれかに記載の細胞培養装置。
  27. 前記解凍ユニットは当該細胞培養装置の一端に配置され、前記搬入搬出ユニットは前記解凍ユニットに連接していることを特徴とする請求項26記載の細胞培養装置。
  28. 凍結用容器または凍結用容器と培養容器に通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする請求項26もしくは27のいずれかに記載の細胞培養装置。
  29. 前記各作業ユニットが実行する作業に使用する容器に、通信機能を備えた記憶手段が設けられており、前記各作業ユニットは、前記記憶手段と通信を行う通信手段を有することを特徴とする請求項9ないし28のいずれかに記載の細胞培養装置。
  30. 前記記憶手段に記憶されている情報に従い前記各作業ユニットに装備されている設備が動作することを特徴とする請求項25、28、29のいずれかに記載の細胞培養装置。
  31. 前記複数台の作業ユニットのうちの少なくとも1台は、当該細胞培養装置の内部空間に充填されている気体を清浄化する清浄化手段または滅菌する手段を有することを特徴とする請求項1ないし30のいずれかに記載の細胞培養装置。
  32. 前記各作業ユニットは、互いに整数倍の幅を有することを特徴とする請求項1ないし31のいずれかに記載の細胞培養装置。

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