JP2010097981A - トンネル磁気抵抗効果素子及び磁気記憶装置 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果素子及び磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネルバリア層の膜厚を薄くすることなく低抵抗化を図ることができ、所要のMR比が得られるトンネル磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気抵抗デバイスを提供する。
【解決手段】トンネルバリア層27と、該トンネルバリア層27を挟む配置に設けられた磁化固定層26と磁化自由層28とを備え、前記トンネルバリア層27が、二元系岩塩型酸化物からなる絶縁層によって形成され、該絶縁層の酸素濃度が、前記二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも低く設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明はトンネル磁気抵抗効果素子及び磁気記憶装置に関し、より詳細にはトンネルバリア層の膜厚を薄くすることなくトンネルバリア層の低抵抗化を図ることができ、所要のMR比を得ることができるトンネル磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気記憶装置に関する。
トンネルバリア層に岩塩型MgOを使用した磁気抵抗効果素子は、非常に大きな磁気抵抗変化(MR比)を有することが知られている。このため、高記録密度が求められる磁気記録装置においては、トンネルバリア層にMgOを使用した磁気ヘッドが使用されている。
しかしながら、磁気記録媒体の記録密度が増大すると、これにともなって磁気抵抗効果素子のサイズを小さくしなければならなくなるため、トンネルバリア層の膜厚を変えることなく磁気抵抗効果素子を小さくしていくと、トンネルバリア層の抵抗が大きくなってしまう。トンネルバリア層の抵抗が大きくなると、磁気抵抗効果素子の高速応答特性が劣化するという問題が生じる。
したがって、磁気抵抗効果素子を小さくしても素子の特性が劣化しないようにするには、トンネルバリア層の膜厚を薄くして低抵抗化を図る必要がある。
S.Yuasa et al., Nat.Mater.3(2004)868 S.S.P.Parkin et al.,Nat.Mater.3(2004)862 D.D.Djayaprawira et al.,Appl.Phys.Lett.86(2005)092502 特開2008−85170号公報 特開2006−253303号公報 国際公開WO2006/022183号公報
しかしながら、トンネルバリア層の膜厚を薄くすると低抵抗にはなるものの、トンネルバリア層にピンホールなどの欠陥が生じやすくなり、ブレイクダウン電圧が低下して素子破壊をひきおこしやすくなるという問題が生じる。
このため、ブレイクダウン電圧の低下を招かない程度の厚さにトンネルバリア層の膜厚を維持することができ、かつ、所要のMR比特性が得られ、あわせて低抵抗化を図ることができるトンネル磁気抵抗効果素子が求められる。
本発明は、トンネルバリア層の膜厚を薄くすることなく低抵抗化を図ることができ、所要のMR比が得られるトンネル磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気記憶装置を提供することを目的とする。
実施形態の一観点によれば、トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備え、前記トンネルバリア層が、二元系岩塩型酸化物からなる絶縁層によって形成され、該絶縁層の酸素濃度が、前記二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも低く設定されているトンネル磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明に係るトンネル磁気抵抗効果素子によれば、トンネルバリア層の膜厚を薄くすることなく、磁気抵抗効果素子に求められる所要のMR比特性を備え、かつトンネル磁気抵抗効果素子の低抵抗化を図ることができる。これにより、素子破壊電圧が低下することを防止し、信頼性の高いトンネル磁気抵抗効果素子として提供される。
(トンネル磁気抵抗効果素子)
図1、2、3は、本発明に係るトンネル磁気抵抗効果素子の膜構成例を示す。図1〜3において、同一の構成層については、同一の番号を付している。
図1に示すトンネル磁気抵抗効果素子10は、下部シールド層21、反強磁性下地層22、反強磁性層23、磁化固定層26、トンネルバリア層27、磁化自由層28、キャップ層29、上部シールド層30からなる。なお、下部シールド層21は下部電極を兼ね、上部シールド層30は上部電極を兼ねる。
下部シールド層21には軟磁性材料、たとえばNiFeが使用される。反強磁性下地層22には、たとえばTaとRuを積層して形成する。反強磁性層23にはIrMnが使用される。反強磁性下地層22は、反強磁性層23に使用するIrMnを(111)方向に結晶配向させるために設けている。反強磁性層23には、PtMn、PdPtMn等の反強磁性材も使用される。
磁化固定層26は、強磁性材たとえばCoFeB、もしくはCoFeB/CoFeの積層構造に形成される。磁化固定層26は反強磁性層23との交換結合によって磁化方向が固定される。
トンネルバリア層27は、ダイレクトスパッタリング法、反応性スパッタリング法、自然酸化法、プラズマ酸化法、オゾン酸化法等によって形成される。一例として、トンネルバリア層にMgOを用い、これをダイレクトスパッタリング法により形成する場合を考える。このとき、ターゲットにMgOを使用し、絶縁体をスパッタリングできる高周波スパッタリング法によりMgO層を形成すればよい。使用するガス種としては、Ar、He、Ne、Kr、Xe、N2ガスのいずれか、またはこれらの混合ガスを用いることができる。
なお、MgOをスパッタリングしてMgO層を成膜する際に、バリア層の酸素濃度がMgOの化学量論的組成よりも少なくなるように、たとえばMg60O40(at.%表記)として形成されるようにスパッタリング条件を設定して成膜する。
トンネルバリア層27には、MgOに限らず二元系の岩塩型酸化物を使用することができる。この二元系岩塩型結晶酸化物を使用する場合、トンネルバリア層27としては、化学量論組成よりも酸素濃度が低くなるように岩塩型酸化物を形成する。
トンネルバリア層27に使用できる二元系岩塩型酸化物としては、MgO、ZnO、EuO、TiO等が上げられる。
MgOをトンネルバリア層に使用する場合に、MgOを(001)方向に結晶配向させることによって大きなMR比が得られることが知られている。MgOはアモルファスの下地層上に成膜することによって岩塩型の(001)方向に結晶配向する。前述した磁化固定層26に使用するCoFeBはアモルファスとして成膜されるから、磁化固定層26、もしくは磁化固定層26のトンネルバリア層27に接する層をCoFeBによって形成することにより、MgOによってトンネルバリア層27を形成した場合、MgO層を(001)方向に結晶配向させることができる。
なお、MgO以外の二元系岩塩型酸化物によってトンネルバリア層を形成する場合も、トンネルバリア層を(001)方向に結晶配向させることが有効である。
更に、磁化固定層ならびに磁化自由層とトンネルバリア層と接する面側には体心立方構造を有し、基板面に対し(001)方向に結晶配向した強磁性体を用いることが有効である。これは体心立方構造の強磁性体を用いることで、体心立方構造の(001)面でのΔ1バンド(完全対称性を持ったs電子的な性質を有する電子状態)の電子が岩塩構造を有した絶縁体の(001)面を優先的にトンネルでき、かつそのΔ1バンドがフェルミ準位EFで完全にスピン分極しているために、大きなトンネル磁気抵抗効果が生じるからである。アモルファスとして成膜されたCoFeBは熱処理を施すことでMgO界面の結晶構造に倣って結晶化し、(001)配向した体心立方構造をもつことが知られている。
図1において、磁化自由層28は、CoFe、CoFeB、Ta、NiFeの4層構造とした。磁化自由層28はNiFeの単層構造とすることも可能である。磁化自由層28を4層構造としているのは、磁化自由層28の特性を向上させるためである。キャップ層29は、保護層として作用するものであり、TaとRuの2層構造とした。上部シールド層30は、下部シールド層21と同様にNiFeによって形成した。
図2に示すトンネル磁気抵抗効果素子11は、下層側から、下部シールド層21、反強磁性下地層22、反強磁性層23、第1の磁化固定層26a、反強磁性結合層25、第2の磁化固定層26b、トンネルバリア層27、磁化自由層28、キャップ層29、上部シールド層30からなる。
本実施形態のトンネル磁気抵抗効果素子11は、磁化固定層を、第1の磁化固定層26a、反強磁性結合層25、第2の磁化固定層26bによって形成した点が、上述したトンネル磁気抵抗効果素子10と相異する。
磁化固定層は、外部磁界が作用してもできるだけ磁化方向が固定されている必要がある。図2に示す磁化固定層は、反強磁性結合層25を介して磁化固定層を積層する構造とすることによって磁化固定層の磁化方向をより安定させた構造としている。
第1の磁化固定層26aとしては、IrMnからなる反強磁性層23と強い交換結合作用を有するCoFeを使用し、反強磁性結合層25にRu、第2の磁化固定層26bとしてCoFeBを使用することができる。
本実施形態においても、トンネルバリア層27には前述した実施形態と同様に、二元系岩塩型酸化物を使用し、二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも酸素濃度が低くなるようにスパッタリング条件を設定してトンネルバリア層27を形成する。
図3に示すトンネル磁気抵抗効果素子12は、下層側から、下部シールド層21、磁化自由層28、トンネルバリア層27、第2の磁化固定層26b、反強磁性結合層25、第1の磁化固定層26a、反強磁性層23、キャップ層29、上部シールド層30からなる。本実施形態のトンネル磁気抵抗効果素子12は、下層側に磁化自由層28とトンネルバリア層27を配置し、トンネルバリア層27の上層に第2の磁化固定層26b等からなる磁化固定層を配置している。これら各層の配置は、図2に示すトンネル磁気抵抗効果素子11と逆の配置となっている。磁気抵抗効果素子の層構成としては、本実施形態のように、積層方向を逆にすることも可能である。
本実施形態のトンネル磁気抵抗効果素子12においても、トンネルバリア層27には二元系岩塩型酸化物を使用し、二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも酸素濃度が低くなるようにスパッタリング条件を設定してトンネルバリア層27を形成する。
本実施形態においては磁化自由層28がトンネルバリア層27の下地層となるから、磁化自由層28のトンネルバリア層27に接する層(下地となる層)はアモルファスとして成膜される層とし、トンネルバリア層27が(001)方向に結晶配向させるのがよい。
図1、2、3に示したトンネル磁気抵抗効果素子10、11、12は、トンネル磁気抵抗効果素子の層構成として典型的な例を示したものである。トンネル磁気抵抗効果素子は、上述した構成以外に種々の層構成とすることが可能である。本発明において特徴とするトンネルバリア層27についての構成は、層構成が上記例とは異なるトンネル磁気抵抗効果素子についても同様に適用することができる。
また、前述した実施の形態において示したトンネル磁気抵抗効果素子に用いる反強磁性材、強磁性材等は一例を示したもので、トンネル磁気抵抗効果素子を構成する材料は適宜選択可能である。なお、従来のトンネル磁気抵抗効果素子は、上述したトンネル磁気抵抗効果素子10、11、12において、トンネルバリア層27をMgO単層に置き換えたものとみればよい。
(トンネルバリア層)
トンネル磁気抵抗効果素子に用いられるトンネルバリア層は絶縁体によって形成される。一般に、酸化物の抵抗率は酸素濃度によって変化し、酸素濃度の上昇とともに抵抗率が高くなることが知られている。すなわち、酸化物は酸素濃度が低い方が抵抗を下げる点で有利である。ただし、酸素濃度が低くなり過ぎると酸化物は絶縁体としての機能が失われるため、酸素濃度には下限が存在する。また、酸素濃度が化学量論組成から大きく異なると、結晶構造が不安定になると予想される。この点からも、酸化物をトンネルバリア層の絶縁体として使用する場合の酸素濃度には下限が存在する。
図4(a)に、岩塩型酸化物であるTiOの抵抗率の温度依存性、図4(b)に、抵抗の酸素濃度依存性を示す。岩塩型TiOは、酸素濃度40at.%から60at.%の範囲において岩塩型として存在し、抵抗率は酸素濃度の増加とともに単調に増加すると報告されている。
図5に、酸素濃度が30at.%から50at.%の範囲のMgOをトンネルバリア層とするトンネル磁気抵抗効果素子を作成し、MR比と接合抵抗RA(素子抵抗と素子面積との積)の酸素濃度依存性を測定した結果を示す。
測定に使用したサンプルは、シリコン基板上に、反強磁性下地層としてTa(3nm)/Ru(2nm)、反強磁性層としてIrMn(6nm)、第1の磁化固定層としてCoFe(1.8nm)、反強磁性結合層としてRu(0.9nm)、第2の磁化固定層としてCoFeB(1.8nm)/CoFe(0.5nm)、トンネルバリア層MgO、自由磁化層としてCoFe(0.3nm)/CoFeB(1.5nm)/Ta(0.25nm)/NiFe(3.5nm)、キャップ層としてTa(5nm)/Cu(20nm)/Ru(7nm)をそれぞれスパッタリング法により成膜して形成したものである。トンネルバリア層のMgOについて、酸素濃度の制御はターゲットへの投入電力やプロセスガス圧等のスパッタリング条件を変えることによって行った。
図5(a)に示す測定結果は、MR比は酸素濃度40at.%付近で極大となり、そのときのMR比が30%程度であることを示す。図5(b)に示すRAの測定結果は、酸素濃度の増加とともにRAが単調に増加することを示す。なお、図5(a)、(b)における各測定点はトンネルバリア層のMgOの酸素濃度を変えて作製したサンプル、すなわち酸素濃度が約37at.%、39at.%、42at.%、46at.%、50at.%として形成した(A)〜(E)の5種類のサンプルについての測定結果を示す。
図5(a)に示す測定結果から、MR比20%を目安とすると、MgOをトンネルバリア層として使用する場合の、酸素濃度としては38at.%〜46at.%が好適範囲と考えられる。
図6は、接合抵抗RAのトンネルバリア層の膜厚依存性を示す。
一般にトンネルバリア層の膜厚が増加するとともに抵抗は増大するのに対し、今回検討した酸素濃度が化学量論組成よりも少ないトンネルバリア層では、トンネルバリア層の膜厚が厚くなっても抵抗が大きくならないことがわかった。
たとえば、トンネルバリア層の酸素濃度が50at.%、トンネルバリア層の膜厚が5.5Åのサンプル(E)にくらべて、トンネルバリア層の酸素濃度が約37at.%、トンネルバリア層の膜厚が7.5Åのサンプル(A)の方が、抵抗値が低くなる結果が得られた。
以上の実験結果は、化学量論組成よりも酸素濃度が低い二元系岩塩型酸化物をトンネルバリア層に用いることによって、膜厚を薄くすることなくRA値を低下させることができ、かつ所要のMR値を有するトンネル磁気抵抗効果素子が得られることを意味している。上述した実験結果は、とくにトンネルバリア層のRA値が1Ωμm2以下といった低RA領域において、トンネルバリア層を形成する場合に有効な技術と考えられる。
(酸素濃度の評価方法)
トンネルバリア層をたとえばMgOによって形成する場合、トンネルバリア層の酸素濃度は、スパッタリング条件によって制御することができる。すなわち、スパッタリングに用いるガスのガス圧と、投入電力を制御することによってMgOの酸素濃度を変えることができる。これはスパッタリング条件を変えることによって、Mgと酸素の解離状態が変化し、これによってMgOの酸素濃度が変化することによる。
MgOの酸素濃度を変えてトンネルバリア層を形成した実験は、スパッタリング条件を変えてシリコン基板上にMgOを成膜し、成膜されたMgOの酸素濃度を測定し、MgOの酸素濃度に対するスパッタリング条件を確認して行った。
酸化物の酸素濃度の評価には、XPS(X線光電子分光装置)やEDX(エネルギー分散型蛍光X線装置)を用いることができる。より簡便には、XRF(蛍光X線分析)によって評価が可能である。XRFを用いた場合、相対評価になるため校正試料が必要となる。たとえば、成膜したMgOの酸素濃度を評価する場合は、MgO単結晶基板を校正試料とすることにより、校正試料との比較により酸素濃度の推定ができる。少なくとも、化学量論より酸素濃度が大きいか小さいかを評価することは容易に可能である。
(磁気抵抗デバイスへの適用例)
本発明に係るトンネル磁気抵抗効果素子は磁気抵抗デバイスとして、磁気ヘッドのリード素子、不揮発性メモリ等に利用することができる。
図7は、上述したトンネル磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッドの構成を、ABS面に対して垂直な面方向の断面図として示したものである。
この磁気ヘッドは、再生ヘッド40と記録ヘッド50とを備える。再生ヘッド40は、下部シールド層41及び上部シールド層42と、下部シールド層41及び上部シールド層42に挟まれて配置されている磁気抵抗効果膜43とを備える。下部シールド層41、上部シールド層42及び磁気抵抗効果膜43が上述したトンネル磁気抵抗効果素子10、11、12に相当する。磁気抵抗効果膜43には、上述したトンネルバリア層27が形成されている。
記録ヘッド50は、主磁極51、第1リターンヨーク53及び第2リターンヨーク52とを備える。主磁極51のABS面から離間する側の下面に磁極層54が設けられ、主磁極51と磁極層54にコイル55が巻回されている。
本実施形態の磁気ヘッドによれば、再生ヘッドの特性を劣化させることなく磁気抵抗効果素子を微小化することが可能であり、これによって高記録密度の情報の再生が可能な磁気ヘッドとして提供される。
図8は上述した磁気ヘッドを備える磁気記憶装置60を示す。
磁気記憶装置60は、矩形の箱状に形成されたケーシング61内に、スピンドルモータによって回転駆動される複数の磁気記録媒体62を備える。磁気記録媒体62の側方には、媒体面に平行に揺動可能に支持されたアクチュエータアーム63が配されている。アクチュエータアーム63の先端には、アクチュエータアーム63の延長方向にサスペンション64が取り付けられ、サスペンション64の先端に、磁気記録媒体62の媒体面に向けてヘッドスライダ65が取り付けられている。
ヘッドスライダ65には、前述したトンネルバリア層を備えたトンネル磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッドが形成されている。
磁気ヘッドはサスペンション64に形成された配線、及びアクチュエータアーム63に付設されたフレキシブルケーブル66を介して、磁気記録媒体に信号を記録し、磁気記録媒体に記録された信号を再生する制御回路に接続される。
磁気ヘッドにより磁気記録媒体62に情報を記録し、情報を再生する処理は、アクチュエータ67により、アクチュエータアーム63を所定位置に揺動させる操作(シーク動作)とともになされる。
本実施形態の磁気記憶装置は、磁気記録媒体の高密度化に対応した磁気ヘッドを搭載したことによって、高密度記録が可能な製品として提供される。
上記トンネル磁気抵抗効果素子を不揮発メモリ用の磁気抵抗デバイスとして使用する場合は、トンネルバリア層を挟んで固定磁化層と自由磁化層を配置した磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction)を備えた構造とすればよい。
自由磁化層の磁化方向はビット線によって制御され、自由磁化層の磁化方向によってトンネル磁気抵抗が異なることを利用して記録信号を検出する。自由磁化層の磁化状態を利用することにより不揮発性となる。この不揮発メモリに前述した化学量論組成よりも酸素濃度が低いトンネルバリア層を用いることにより、絶縁バリア層が厚膜化でき、層間磁気結合を弱め、トンネル磁気抵抗のばらつきを抑えてメモリの信頼性を向上させることが可能となる。
トンネル磁気抵抗効果素子の層構成を示す説明図である。 トンネル磁気抵抗効果素子の層構成の他の例を示す説明図である。 トンネル磁気抵抗効果素子の層構成のさらに他の例を示す説明図である。 TiOの抵抗率の温度依存性(a)、抵抗の酸素濃度依存性(b)を示すグラフである。 MgOをトンネルバリア層とする場合の、MgOの酸素濃度に対するMR比(a)、RA値(b)の測定結果を示すグラフである。 MgOをトンネルバリア層とする場合の、トンネルバリア層の厚さに対するRA値を示すグラフである。 トンネル磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッドの構造を示す断面図である。 磁気記憶装置の内部構成を示す平面図である。
符号の説明
10、11、12 トンネル磁気抵抗効果素子
21 下部シールド層
26 磁化固定層
27 トンネルバリア層
28 磁化自由層
30 上部シールド層
40 再生ヘッド
50 記録ヘッド
60 磁気記憶装置
65 ヘッドスライダ

Claims (8)

  1. トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備え、
    前記トンネルバリア層が、二元系岩塩型酸化物からなる絶縁層によって形成され、
    該絶縁層の酸素濃度が、前記二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも低く設定されていることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  2. 前記二元系岩塩型酸化物としてMgOが用いられ、
    前記絶縁層を形成するMgOの酸素濃度が、50at.%未満であることを特徴とする請求項1記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  3. 前記絶縁層を形成するMgOの酸素濃度が、38at.%以上46at.%以下であることを特徴とする請求項2記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  4. 前記絶縁層が、岩塩型(001)方向に結晶配向して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  5. 前記絶縁層が、Mg、Zn、Eu、Tiのいずれか一つの岩塩型酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  6. 再生ヘッドと記録ヘッドとを備える磁気ヘッドが形成されたヘッドスライダと、
    該ヘッドスライダを媒体上で支持するサスペンションと、
    該サスペンションを支持するアクチュエータアームと、
    前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記磁気記録媒体に情報を記録・再生する制御回路とを備え、
    前記磁気ヘッドの再生ヘッドは、
    トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備え、
    前記トンネルバリア層が、二元系岩塩型酸化物からなる絶縁層によって形成され、
    該絶縁層の酸素濃度が、前記二元系岩塩型酸化物の化学量論組成よりも低く設定されていることを特徴とする磁気記憶装置。
  7. 前記二元系岩塩型酸化物としてMgOが用いられ、
    前記絶縁層を形成するMgOの酸素濃度が、50at.%未満であることを特徴とする請求項6記載の磁気記憶装置。
  8. 前記絶縁層を形成するMgOの酸素濃度が、38at.%以上46at.%以下であることを特徴とする請求項7記載の磁気記憶装置。
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