以下、実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係るパチンコ機の一実施形態を示す正面図、図2はパチンコ機の遊技盤を示す拡大正面図、図3は遊技盤に設けた各種スイッチの配置態様を示す概略正面図である。
このパチンコ機1では、外枠10に対して前枠11が開閉可能に配設してある。前枠11は、窓部を有した額縁状を成すもので、該窓部に金枠12を備えている。金枠12は、ガラス板によって覆われており、その一側を介して前枠11の窓部に開閉可能に配設してある。これら前枠11と金枠12との間には、施錠装置13を設けてあり、両者を施錠することが可能である。
また、上記パチンコ機1には、前枠11の下方部に下皿セット14を設けているとともに、この下皿セット14と金枠12との間に上皿セット15を設けてある。下皿セット14には、その中央部に下皿14aを設けてあるとともに、向かって右側となる部位に、遊技球の打ち出し距離を調整するための操作ハンドル16を設けてある。上皿セット15は、フロントプレート15aに上皿15bを設けたもので、上述した金枠12と同様に、その一側を介して前枠11に開閉可能に配設してある。
図からも明らかなように、上記パチンコ機1は、前枠11に遊技盤20を備えている。遊技盤20は、前枠11の窓部から外部に臨むように配置してあり、その表面が金枠12に装着したガラス板によって開閉可能に覆われている。
この遊技盤20には、ガイドレール21で囲まれる遊技領域22に図柄表示ユニット30が設けてある。図柄表示ユニット30は、上述した遊技領域22のほぼ中央となる位置に配置したもので、特別図柄表示装置31と、第二普通図柄表示装置32と、当該パチンコ機1の第二特別始動手段を構成する第二普通電動役物40と、ランプアレイ33と、を備えて構成してある。
特別図柄表示装置31および第二普通図柄表示装置32は、それぞれ遊技者に対して数字、記号、絵などの複数の図柄を可変表示するためのものである。このうち、特別図柄表示装置31は、本実施形態の場合、図柄表示ユニット30の中央部に複数の表示域、例えば3つの表示域を有して構成してあり、これらの表示域にそれぞれ互いに異なる複数の図柄を表示することが可能である。一方、第二普通図柄表示装置32は、本実施形態の場合、図柄表示ユニット30の中央上部に唯一の表示域を有して構成してあり、この表示域に複数の図柄を表示することが可能である。これらの表示装置としては、液晶表示器のほか、機械的に回転するドラムを適用して表示を行うことも可能である。
第二普通電動役物40は、図柄表示ユニット30の向かって左側となる側縁部に設けてある。この第二普通電動役物40は、第二特別始動口41に対する遊技球の入球が困難な第一入球状態と、遊技球が入球し易い第二入球状態とに切り替わるもので、該第二特別始動口41の向かって左側において略水平方向に開口するゲート部材42と、このゲート部材42の向かって左側の開口に配設した唯一の可動入球翼片43と、この可動入球翼片43を駆動するための第二普通電動役物駆動ソレノイド(以下、単に第二普通電役駆動ソレノイド44と称する)と、を備えて構成してある。すなわち、上記第二普通電動役物40は、第二普通電役駆動ソレノイド44がOFFの場合、図2中の実線で示すように、可動入球翼片43が直立し、ゲート部材42の開口を閉塞して上述した第一入球状態となる一方、第二普通電役駆動ソレノイド44がONすると、図2中の二点鎖線で示すように、可動入球翼片43が向かって左側に傾倒し、ゲート部材42の開口を開成して上述した第二入球状態となる。なお、いずれの入球状態にあっても、第二普通電動役物40に入球した遊技球は、第二特別始動口41を介して遊技盤20の裏面側に取り込まれる。遊技盤20の裏面側に取り込まれた遊技球は、図には明示していないが、集合樋を通過した後に入賞球導入路を通じて入賞球処理装置に案内されるようになる。
この第二普通電動役物40の第二特別始動口41には、上述した図示せぬ集合樋に至るまでの間に、第二特別図柄始動検出スイッチ(以下、単に第二特図始動スイッチSW45と称する)を配設してある。第二特図始動スイッチSW45は、第二特別始動口41から入球した遊技球の通過を電気的に検出し、その検出結果を、後述する遊技制御装置110の遊技制御用CPU111に与えるものである。
ランプアレイ33は、複数個、本実施形態では4つのランプを特別図柄表示装置31の上縁に沿って配列することにより構成してある。このランプアレイ33は、特別図柄表示装置31の始動記憶を表示するためのものである。
また、上記パチンコ機1には、遊技領域22における図柄表示ユニット30の下方となる位置に、当該パチンコ機1の大入賞口である変動入賞装置50を設けているとともに、これら図柄表示ユニット30と変動入賞装置50との間に、特別図柄表示装置31の第一特別始動手段を構成するための第一普通電動役物60を設けている。
変動入賞装置50は、遊技球が入賞できない、あるいは入賞が極めて困難な第一入賞状態と、遊技球の入賞が極めて容易な第二入賞状態とに切り替わる入賞装置である。本実施形態では、遊技盤20に設けた横長の変動入賞用開口51と、この変動入賞用開口51を開閉するように設けたゲート板52と、該ゲート板52を駆動するための特別電役駆動ソレノイド53とによって変動入賞装置50を構成してある。すなわち、この変動入賞装置50は、特別電役駆動ソレノイド53の駆動により上記ゲート板52をその下端部を介して回転させ、図2中の実線で示すように、変動入賞用開口51を閉塞した場合に上述した第一入賞状態になる一方、図2中の二点鎖線で示すように、変動入賞用開口51を開成させた場合に上述した第二入賞状態となる。なお、変動入賞用開口51に入賞した遊技球は、遊技盤20の裏面側に取り込まれ、その後、上述した第二普通電動役物40の場合と同様に、集合樋および入賞球導入路を通じて入賞球処理装置に案内されることになる。
この変動入賞用開口51の内部には、上述した図示せぬ集合樋に至るまでの間に継続スイッチSW54およびカウントスイッチSW55を配設してある。これら継続スイッチSW54およびカウントスイッチSW55は、それぞれ変動入賞用開口51から入賞した遊技球の通過を電気的に検出し、それぞれの検出結果を後述する遊技制御装置110の遊技制御用CPU111に対して個別に与えるものである。カウントスイッチSW55は、変動入賞用開口51から入賞された遊技球のすべてが通過する位置に設けてあり、一方、継続スイッチSW54は、変動入賞用開口51から入賞された遊技球のうち、特定のもののみを検出する位置に設けてある。
第一普通電動役物60は、打ち出された遊技球の入球が比較的困難な第一入球状態と、遊技球が入球し易い第二入球状態とに切り替わるもので、第一特別始動口61の上方に配設した一対の可動入球翼片62と、第一普通電動役物駆動ソレノイド(以下、単に第一普通電役駆動ソレノイド63と称する)と、を備えた電動チューリップによって構成してある。すなわち、この第一普通電動役物60は、上記第一普通電役駆動ソレノイド63がOFFの場合、図2中の実線で示すように、一対の可動入球翼片62がそれぞれ直立し、互いの間に遊技球を唯一通過させることができる程度の間隔を確保して上述した第一入球状態となる一方、上記第一普通電役駆動ソレノイド63がONすると、図2中の2点鎖線で示すように、一対の可動入球翼片62がそれぞれ拡開するように傾倒し、互いの間に大きな間隔を確保して上述した第二入球状態となる。なお、いずれの入球状態にあっても、第一普通電動役物60に入球した遊技球は、遊技盤20に設けた第一特別始動口61を介して裏面側に取り込まれ、その後、上述した第二普通電動役物40の場合と同様に、図示せぬ集合樋および入賞球導入路を通じて入賞球処理装置に案内される。
この第一普通電動役物60の第一特別始動口61には、上述した図示せぬ集合樋に至るまでの間に第一特別図柄始動検出スイッチ(以下、単に第一特図始動スイッチSW64と称する)を配設してある。第一特図始動スイッチSW64は、上述した第二特図始動スイッチSW45等と同様に、第一特別始動口61から入球した遊技球の通過を電気的に検出し、その検出結果を後述する遊技制御用CPU111に与えるものである。
また、上記第一普通電動役物60には、第一普通図柄表示装置70を設けてある。この第一普通図柄表示装置70は、第二普通図柄表示装置32と同様に、遊技者に対して数字、記号、絵などの複数の図柄を可変表示するためのものであり、第一普通電動役物60の外表面に唯一の表示域を有し、この表示域に複数の図柄を表示することが可能である。
一方、上記パチンコ機1には、遊技領域22における第一普通電動役物60の両側となる位置にそれぞれ第一普通始動ゲート80を設けているとともに、これら第一普通始動ゲート80よりも上方において図柄表示ユニット30の下端部両側となる位置にそれぞれ第二普通始動ゲート90を設けている。
これら一対の第一普通始動ゲート80および一対の第二普通始動ゲート90は、それぞれ遊技球を唯一通過させることができる程度の間隔を確保した通過率一定のゲートである。これらの普通始動ゲート80,90を通過した遊技球は、いずれも遊技盤20の裏面側に取り込まれることなく、それぞれの下端からそのまま遊技領域22に戻されることになる。
一対の第一普通始動ゲート80には、それぞれのゲート内に第一普通図柄始動検出スイッチ(以下、単に第一普図始動スイッチSW81と称する)を配設し、一対の第二普通始動ゲート90には、それぞれのゲート内に第二普通図柄始動検出スイッチ(以下、単に第二普図始動スイッチSW91と称する)を配設してある。第一普図始動スイッチSW81および第二普図始動スイッチSW91は、上述した継続スイッチSW54等と同様に、各普通始動ゲート80,90において遊技球の通過を電気的に検出し、その検出結果を後述する遊技制御用CPU111に与えるものである。
なお、図中の符号100は普通入賞口であり、それぞれの内部に普通入賞検出スイッチ(以下、単に普通入賞スイッチSW101と称する)を備えている。また、符号24は遊技盤20に設けた各種装飾用のランプ、符号25は風車、符号26は普通入賞口100や第一および第二普通電動役物60,40へ入球しなかった遊技球を回収するためのアウト口である。また、図には示していないが、上記遊技盤20の遊技領域22には、多数の障害釘が植設してある。
図4は、上述したパチンコ機1の制御手段を示すブロック図である。この制御手段は、それぞれ個別のCPUを備えた遊技制御装置110および本体制御装置120を具備するもので、例えばパチンコ機1の背面側に配設してある。
遊技制御装置110の遊技制御用CPU111は、主に遊技盤20側の制御を行う部分である。すなわち、この遊技制御用CPU111は、変動入賞用開口51の内部に設けた継続スイッチSW54およびカウントスイッチSW55、第一普通電動役物60の第一特別始動口61に設けた第一特図始動スイッチSW64、第二普通電動役物40の第二特別始動口41に設けた第二特図始動スイッチSW45、第一普通始動ゲート80に設けた第一普図始動スイッチSW81、第二普通始動ゲート90に設けた第二普図始動スイッチSW91、普通入賞口100に設けた普通入賞スイッチSW101、さらには入賞球処理装置に設けた入賞球確認スイッチSW130からの出力信号を監視し、これら各スイッチからの出力信号とROM112およびRAM113に格納したプログラムやデータとに基づいて、上述した特別図柄表示装置31、第一普通図柄表示装置70、第二普通図柄表示装置32、特別電役駆動ソレノイド53、第一普通電役駆動ソレノイド63、第二普通電役駆動ソレノイド44、ランプアレイ点灯部140、装飾ランプ点灯部150等の駆動制御を行うためのものである。
本体制御装置120の本体制御用CPU121は、主にパチンコ機1本体側の制御を行う部分である。すなわち、本体制御用CPU121は、入賞球処理装置に設けた入賞球検出スイッチSW131からの出力信号を監視し、該入賞球検出スイッチSW131から与えられた出力信号と、上述した遊技制御用CPU111からの出力信号とに基づいて入賞球処理用ソレノイド132や賞球払出装置160等の駆動制御を行うためのものである。なお、図には示してはいないものの、遊技球の発射装置もこの本体制御用CPU121の制御下におかれている。
上記のように構成したパチンコ機1では、操作ハンドル16を適宜操作し、上皿15bに貯留された遊技球を遊技盤20の遊技領域22内に順次打ち出すことによってゲームが進行する。遊技領域22内に打ち出された遊技球は、障害釘や風車25によって適宜方向を転換されながら遊技領域22内を順次流下されることになる。
この間、制御手段においては、図5に示すフローチャートに従ってスタートからエンドまでの処理を繰り返し行っている。
以下、この図5に示すフローチャートを参照しながら制御手段による処理の概略についてまず説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、初期状態において、変動入賞装置50が第一入賞状態にあるとともに、第一普通電動役物60および第二普通電動役物40が、いずれも第一入球状態にあるものとする。
遊技中において遊技制御用CPU111は、まず、第一普図始動スイッチSW81を通じて第一普通始動ゲート80に対する遊技球の通過を監視する(ステップS1)。
遊技領域22を流下する遊技球が第一普通始動ゲート80を通過し、第一普図始動スイッチSW81によって当該遊技球の通過が検出されると、手順はステップS2に進み、第一普通図柄表示装置70に表示すべき停止図柄の抽選が所定の当たり確率、例えば1/10で行われる。
第一普通図柄表示装置70の抽選を実施した遊技制御用CPU111は、この抽選結果に基づく制御信号を第一普通図柄表示装置70に出力し、当該第一普通図柄表示装置70を所定の変動時間だけ駆動して可変表示を行う(ステップS3)。
所定の変動時間が経過した後に、第一普通図柄表示装置70の表示域に表示された停止図柄が予め設定した図柄に合致した場合、例えば「7」となった場合には、ステップS4において当たりとなり、予め設定した態様で第一普通電動役物60の開放処理を行う(ステップS5)。例えば、第一普通電役駆動ソレノイド63を適宜ONし、0.5秒経過する、あるいは第一特図始動スイッチSW64が1個の遊技球を検出する、のいずれかが達成されるまでの間、当該第一普通電動役物60を第二入球状態に切り替える。従って、障害釘の調整状態に関わらず、第一入球状態に比べて第一普通電動役物60への入球が容易となり、後述する特別図柄表示装置31の始動機会が多くなる。
第一普通電動役物60の開放処理を実施した遊技制御用CPU111は、ステップS6において後述する第二普通図柄処理を実施し、さらにステップS7において後述する特別図柄処理を実施した後、今回の処理を終了する。なお、上記遊技制御用CPU111は、ステップS1において遊技球の通過を検出しない場合、上述したステップS2からS5の処理を経ることなく手順をステップS6に進め、また、ステップS4において第一普通図柄表示装置70の停止図柄が予め設定した図柄に合致しない場合、ステップS5の処理を経ることなく手順をステップS6に進める。
以下、図6および図7に示すフローチャートを参照しながら、上述したステップS6において実施される第二普通図柄処理、並びにステップS7において実施される特別図柄処理について説明し、併せて本発明の特徴部分についてさらに詳述する。なお、以下においては便宜上、ステップS7において実施される特別図柄処理について、図6を参照しながら先に説明する。
この特別図柄処理において遊技制御用CPU111は、まず、第一特図始動スイッチSW64を通じて第一特別始動口61への入球の有無を監視し(ステップS702)、さらに第二特図始動スイッチSW45を通じて第二特別始動口41への入球の有無を監視する(ステップS704)。
遊技領域22内を流下する遊技球が第一特別始動口61に入球し、第一特図始動スイッチSW64によって当該遊技球の入球が検出されると手順はステップS706に進み、一方、遊技球が第二特別始動口41に入球し、第二特図始動スイッチSW45によって当該遊技球の入球が検出されると手順はステップS708に進み、それぞれのステップS706,S708において特別図柄表示装置31に表示すべき停止図柄の抽選が互いに異なる大当たり確率で行われる。この大当たり確率は、第一特別始動口61に入球した場合に比べて、第二特別始動口41に入球した場合の方が大きくなるように設定してある。例えば、第一特別始動口61に入球した場合の大当たり確率が1/250に設定されている場合、第二特別始動口41に入球した場合の大当たり確率を1/50としてある。
特別図柄表示装置31に対する停止図柄の抽選を実施した遊技制御用CPU111は、次いでリーチ抽選を行う(ステップS710)。このリーチ抽選では、特別図柄表示装置31にリーチ状態を創出するか否かの抽選、さらにはリーチ状態を創出する場合に選択すべきリーチ演出プログラムの抽選が実施される。但し、先のステップS706およびステップS708で実施された特別図柄表示装置31の抽選結果が後述する大当たりの場合には、リーチ状態を創出するか否かの抽選結果に関わらず「リーチ状態を創出する」という結果を得る。なおこのリーチ抽選は、特別図柄表示装置31に対する停止図柄の抽選とともに実施しても構わない。
この間、第一特別始動口61、もしくは第二特別始動口41に入球した遊技球に対しては、遊技盤20の裏面側に取り込んだ後、入賞球処理装置において個別に入賞処理が行われる。すなわち、入賞した遊技球が入賞球処理装置に案内されると、入賞球検出スイッチSW131によってこれら遊技球が個別に検出され、その検出結果が本体制御用CPU121に与えられる。入賞球検出スイッチSW131から検出信号が与えられた本体制御用CPU121は、第一特図始動スイッチSW64、あるいは第二特図始動スイッチSW45からの検出信号に基づいて賞球数を決定し、この賞球数に対応した賞球を遊技者に対して払い出すべく賞球払出装置160を駆動する。入賞球確認スイッチSW130によって賞球の払い出しが確認されると、入賞球処理用ソレノイド132が駆動し、遊技球が機外に排出されることになる。
リーチ抽選を実施した遊技制御用CPU111は、このリーチ抽選の結果および停止図柄の抽選結果に基づく制御信号をそれぞれ特別図柄表示装置31に出力し、当該特別図柄表示装置31を所定の変動時間だけ駆動して可変表示を行う(ステップS712)。
可変表示から所定の変動時間が経過すると、特別図柄表示装置31の各表示域が順次停止図柄を表示するようになる。この間、ステップS710で実施されたリーチ抽選の結果が「リーチ状態を創出する」であれば、遊技制御装置110のROM112に格納した複数種類のリーチ演出プログラムの中から、抽選結果に応じたものが適宜読み出され、所定のリーチ演出が実施される。リーチ演出は、例えば、特別図柄表示装置31の2つの表示領域に「11?」や「22?」などのように、残り1つが揃えば大当たりとなる停止図柄を表示した後、該特別図柄表示装置31に特別なキャラクタを表示したり残り1つの変動スピードを遅くするなどして表示態様を変える、パチンコ機1に設けた各種装飾ランプ24を点灯・点滅させる、等々、遊技者の大当たりへの期待感を高めるようにしたもので、上述した大当たりへの移行信頼度が高いものほど、より華やかになるように設定してある。
最終的に特別図柄表示装置31の各表示域に表示された停止図柄が、予め設定した組み合わせ態様に合致した場合、例えば「111」、「222」、「☆☆☆」などのように3つの停止図柄が同一となった場合には、ステップS714において大当たりとなり、特別遊技状態に移行して大当たり処理を行う(ステップS716)。
この特別遊技状態に移行した後に実施される大当たり処理では、上記遊技制御用CPU111によって特別電役駆動ソレノイド53がONされ、所定の期間だけ変動入賞装置50が第二入球状態に切り替えられるため、つまり通常の遊技状態においては閉成している変動入賞用開口51が開放されることになるため、この変動入賞用開口51に対する入球数が短時間に大量となる。変動入賞用開口51に入賞したそれぞれの遊技球に対しては、第一特別始動口61や第二特別始動口41に入賞した遊技球と同様に、入賞球処理装置において個別に入賞処理が行われ、それぞれに対して所定数の賞球が払い出されることになる。従って、遊技者は、特別遊技状態に移行した場合、極めて大きな利益を得ることができるようになる。
この特別遊技状態は、例えば30秒経過、もしくはカウントスイッチSW55が10個の遊技球を検出する、のいずれかが達成されるまでの間、変動入賞装置50が継続的に第二入球状態に切り替えられる状態を1サイクルとし、このサイクル中に継続スイッチSW54が遊技球を検出した場合、最大16サイクルまで更新することが可能となっている。
なお、特別図柄表示装置31が可変表示を行っている間に第一特別始動口61、もしくは第二特別始動口41に入球した場合、上記遊技制御用CPU111は、最大4つまでこれを記憶・保留し、この記憶結果をランプアレイ33の点灯数で遊技者に可視表示する。その後、特別図柄表示装置31の可変表示、または特別遊技状態が終了した時点で順次この記憶数に応じた回数だけ特別図柄表示装置31の可変表示を実施する。ここで、上述したように、このパチンコ機1では、第一特別始動口61に入球した場合と、第二特別始動口41に入球した場合とで、大当たりになる確率が異なるため、ランプアレイ33の点灯態様等を適宜変更することにより、記憶・保留した入球が第一特別始動口61のものであるか第二特別始動口41のものかを遊技者に対して識別表示できるようにすることが好ましい。
上述した特別遊技状態が終了すると、遊技制御用CPU111は、次いでステップS718において、特別図柄表示装置31が表示した停止図柄が、予め設定した特定の態様、例えば「111」、「333」、「555」などのように3つの停止図柄が奇数であったか否かを判断する。
先の大当たりが奇数であると判断した場合、手順がステップS720に進んで特定遊技状態となり、第二普通図柄の当たり確率を高確率にセットした後に手順をリターンし、一方、先の大当たりが奇数以外であると判断した場合には、手順がステップS722に進み、第二普通図柄の当たり確率を低確率にセットした後に手順をリターンする。
なお、上記遊技制御用CPU111は、ステップS702およびS704のいずれにおいても入球したことを検出しない場合、上述したステップS706からS722の処理を経ることなく手順をリターンし、また、ステップS714において特別図柄表示装置31の各表示域に表示された停止図柄が予め設定した組み合わせ態様に合致しない場合、上述したステップS716からS722の処理を経ることなく手順をリターンする。
次に、ステップS6において実施される第二普通図柄処理について図7を参照しながら説明する。
この第二普通図柄処理において遊技制御用CPU111は、まず、第二普図始動スイッチSW91を通じて第二普通始動ゲート90に対する遊技球の通過を監視する(ステップS602)。
遊技領域22を流下する遊技球が第二普通始動ゲート90を通過し、第二普図始動スイッチSW91によって当該遊技球の通過が検出されると、手順はステップS604に進み、現在の第二普通図柄の当たり確率が高確率であるか否かを判断する。すなわち、このステップS604において遊技制御用CPU111は、第二普通図柄の当たり確率に基づいて、パチンコ機1が特定遊技状態に移行しているか否かを判断している。
第二普通図柄の当たり確率が低確率である場合、つまり通常の遊技状態であると判断した場合、上記遊技制御用CPU111は、その低い当たり確率、例えば1/15で、当該第二普通図柄表示装置32に表示すべき停止図柄の抽選を実施する(ステップS606)。
一方、第二普通図柄の当たり確率が高確率である場合、つまり特定遊技状態であると判断した場合、上記遊技制御用CPU111は、その高い当たり確率、例えば10/15で、当該第二普通図柄表示装置32に表示すべき停止図柄の抽選を実施する(ステップS608)。
ステップS606、あるいはステップS608において第二普通図柄表示装置32の抽選を実施した遊技制御用CPU111は、それぞれの抽選結果に基づく制御信号を第二普通図柄表示装置32に出力し、当該第二普通図柄表示装置32を所定の変動時間だけ駆動して可変表示を行う(ステップS610またはS612)。
所定の変動時間が経過した後に、第二普通図柄表示装置32の表示域に表示された停止図柄が予め設定した図柄に合致した場合、例えば「7」となった場合には、ステップS614、あるいはステップS616において当たりとなる。
ここで、ステップS614において当たりとなった場合、つまり通常の遊技状態において第二普通図柄表示装置32の停止図柄が「7」となった場合には、手順がステップS618に進み、予め設定した第一パターンで第二普通電動役物40の開放処理を行った後手順がリターンされる。この第一パターンでは、例えば、第二普通電役駆動ソレノイド44が適宜ONし、0.5秒経過する、あるいは第二特図始動スイッチSW45が1個の遊技球を検出する、のいずれかが達成されるまでの間、当該第二普通電動役物40が第二入球状態に切り替えられる。従って、障害釘の調整状態に関わらず、第一入球状態に比べて第二普通電動役物40への入球が容易となり、特別図柄表示装置31の始動機会が多くなる。
一方、ステップS616において当たりとなった場合、つまり特定遊技状態において第二普通図柄表示装置32の停止図柄が「7」となった場合には、手順がステップS620に進み、予め設定した第二パターンで第二普通電動役物40の開放処理を行った後手順がリターンされる。この第二パターンでは、例えば、第二普通電役駆動ソレノイド44が適宜ONし、3秒経過する、あるいは第二特図始動スイッチSW45が3個の遊技球を検出する、のいずれかが達成されるまでの間、当該第二普通電動役物40が第二入球状態に切り替えられる。従って、障害釘の調整状態に関わらず、第一入球状態に比べて第二普通電動役物40への入球が容易となるばかりか、上述した通常の遊技状態に比べて、第二入球状態となる期間が長くなり、特別図柄表示装置31の始動機会がより一層多くなる。
なお、上述した第二普通図柄処理において、ステップS602においても入球したことを検出しない場合、上記遊技制御用CPU111は、上述したステップS604からS620の処理を経ることなく手順をリターンし、また、ステップS614,またはS616において第二普通図柄表示装置32の表示域に表示された停止図柄が予め設定した図柄に合致しない場合、上述したステップS618およびS620の処理を経ることなく手順をリターンする。
以上説明したように、上記パチンコ機1によれば、互いに大当たり確率の異なる第一特別始動口61および第二特別始動口41を具備し、かつ第一普通電役駆動ソレノイド63および第二普通電役駆動ソレノイド44の駆動により、障害釘の調整状態に関わらずそれぞれの入球率を変化させることが可能である。従って、これら第一特別始動口61および第二特別始動口41への入球比率に偏りが生じたり、特別始動口61,41へ入球し易いパチンコ機1にのみ遊技者が集中するような、遊技店にとって好ましくない問題を招来する虞れがない。
しかも、第二特別始動口41にあっては、その入球率を、通常の遊技状態においては第一パターンで変化させる一方、特定遊技状態にある場合には第一パターンとは異なる第二パターンで変化させるようにしている。従って、それぞれのパターンに応じて大当たりへの期待感も変化するようになり、遊技者に対する興趣を著しく高めることができるようになる。
さらに、特別図柄表示装置31の停止図柄が奇数という特定の態様で大当たりとなり、かつ当該特別遊技状態が終了した後に特定遊技状態を創出するようにし、この特定遊技状態において第二特別始動口41を開閉処理する第二パターンを、通常の遊技状態において第二特別始動口41を開閉処理する第一パターンよりも遊技者に有利となるようにしている。この結果、遊技者に対して連続した大当たりへの期待感を高めることができるようになる。
なお、上記実施例では、特別図柄表示装置31の停止図柄が奇数という特定の態様で大当たりとなり、かつ当該特別遊技状態が終了した後に特定遊技状態を創出するようにしているが、例えば図8および図9に示す第二実施例、図11および図12に示す第三実施例、図13および図14に示す第四実施例のように、特定遊技状態としては種々のものが考えられる。
以下、それぞれの実施例について順次説明する。
まず、図8に示す第二実施例の特別図柄処理では、先の特別図柄処理においてステップS712で実施される特別図柄表示装置31の変動処理の後に、当該特別図柄表示装置31の変動回数をカウントする処理(ステップS724)を加えている。また、ステップS716の大当たり処理の後において実施されるステップS718からステップS722までの処理に代えて、つまり停止図柄が特定態様であるか否かの判断処理および第二普通図柄の当たり確率の設定処理に代えて、上述した特別図柄表示装置31の変動数をクリアする処理(ステップS726)を実施するようにしている。
一方、図9に示す第二実施例の第二普通図柄処理では、先の第二普通図柄処理においてステップS604で実施される第二普通図柄の当たり確率が高確率であるか否かを判断処理に代えて、大当たり発生後であるかの判断処理(ステップS622)および上述した特別図柄表示装置31の変動数が所定値であるか否かの判断を行っている(ステップS624)。但し、ステップS622の判断において大当たり発生後でない場合にはステップS624の処理を経ることなく手順をステップS606に進めるようにし、またステップS624の判断において所定数に達している場合に手順をステップS606に進め、かつ所定数に達していない場合に手順をステップS608に進めている。
こうした第二実施例によれば、大当たりの発生後、特別図柄表示装置31の変動回数が所定値となるまでの間を特定遊技状態とすることができる。従って、この場合にも、第一実施例と同様に、遊技者に対して連続した大当たりへの期待感を高めることができるようになる。
なお、上述した第二実施例では、図9に示した第二普通図柄処理のステップS622およびS624に代えて、図10に示した第二普通図柄処理の第一変形例のように、特別図柄表示装置31の変動回数が所定値であるか否かの判断処理(ステップS626)を行い、所定数に達していない場合に手順をステップS606に進め、かつ所定数に達している場合に手順をステップS608に進めるようにすれば、特別図柄表示装置31の変動数が所定数に達したことを条件に特定遊技状態を創出することができる。この場合には、特別図柄表示装置31は変動するものの、なかなか大当たりとならない遊技者に対して、更なるチャンスを与えることができるようになる。
次に、図11に示す第三実施例の特別図柄処理では、先の特別図柄処理(図6)においてステップS716の大当たり処理の後において実施されるステップS718からステップS722までの処理に代えて、後述する第二普通図柄表示装置32の当たり回数をクリアする処理(ステップS728)を実施するようにしている。
一方、図12に示す第三実施例の第二普通図柄処理では、先の第二普通図柄処理(図7)においてステップS604で実施される第二普通図柄の当たり確率が高確率であるか否かの判断処理に代えて、大当たり発生後であるかの判断処理(ステップS628)および後述する第二普通図柄表示装置32の当たり回数が所定値であるか否かの判断を行っている(ステップS630)。但し、ステップS628の判断において大当たり発生後でない場合にはステップS630の処理を経ることなく手順をステップS606に進めるようにし、またステップS630の判断において所定数に達している場合に手順をステップS606に進め、かつ所定数に達していない場合に手順をステップS608に進めている。また、ステップS618およびS620で実施される第二普通電動役物40の開放処理の後に第二普通図柄表示装置32の当たり回数をカウントする処理を加えている(ステップS632)。
こうした第三実施例によれば、大当たりの発生後、第二普通電動役物40が所定回数駆動されるまでの間を特定遊技状態とすることができる。従って、この場合にも、第一実施例と同様に、遊技者に対して連続した大当たりへの期待感を高めることができるようになる。
最後に、図13に示す第四実施例の特別図柄処理では、先の特別図柄処理(図6)においてステップS716の大当たり処理の後において実施されるステップS718からステップS722までの処理を省略している。
一方、図14に示す第四実施例の第二普通図柄処理では、先の第二普通図柄処理(図7)においてステップS604で実施される第二普通図柄の当たり確率が高確率であるか否かの判断処理に代えて、大当たり発生後であるかの判断処理(ステップS634)および大当たりへの移行信頼度が高いリーチ演出(所謂スーパーリーチ)の後であるか否かの判断処理を行っている(ステップS636)。但し、ステップS634の判断において大当たり発生後である場合にはステップS636の処理を経ることなく手順をステップS606に進めるようにし、またステップS636の判断においてスーパーリーチの後でない場合に手順をステップS606に進め、かつスーパーリーチの後である場合に手順をステップS608に進めている。
こうした第四実施例によれば、スーパーリーチが報知されたにも関わらず、特別遊技状態へ移行しなかった場合に、再び遊技者の遊技心をかき立てるべく特定遊技状態を創出することができる。
なお、上述した第四実施例では、図14に示した第二普通図柄処理のステップS634およびS636に代えて、図15に示した第二普通図柄処理の第二変形例のように、普通入賞スイッチSW101を通じて普通入賞口100に対する遊技球の入賞から所定期間が経過しているか否かの判断処理(ステップS638)を行い、所定期間が経過している場合に手順をステップS606に進め、かつ所定期間が経過していない場合に手順をステップS608に進めるようにすれば、普通入賞口100に入賞してから所定の期間が経過するまでの間に特定遊技状態を創出することができる。所定期間とは、例えば普通入賞口100へ入賞してから予め設定した時間が経過するまでとしてもよいし、あるいは普通入賞口100へ入賞してから次の遊技球が普通入賞口100へ入賞するまでとしてもよい。これらの場合には、通常の遊技状態において突然に特定遊技状態が発生することになり、遊技に意外性が加わるようになる。しかも、普通入賞口100を狙うことによって特定遊技状態を創出することができるようになり、さらに次の遊技球が普通入賞口100へ入賞するまでを特定遊技状態とする場合にあっては、特定遊技状態に移行した後において今度は普通入賞口100へ入賞させないようにする、等々、遊技者の技術介入も可能になる。
これら第一実施例から第四実施例およびそれぞれの変形例に示した特定遊技状態は、必ずしも択一的に適用する必要はなく、適宜組み合わせるようにすれば、より一層パチンコ機1の遊技性を向上することができるようになる。この場合、各特定遊技状態ごとに第二普通電動役物40の開放パターンを変化させるようにすれば、遊技がより変化に富んだものとなる。
なお、上述した実施の形態では、第二普通電動役物40の開放パターンのみを変化させるようにしているが、この第二普通電動役物40の開放パターン変化に加え、第一普通電動役物60の開放パターンを変化させるようにしてももちろん構わない。また、第一パターンに対して第二パターンを、より遊技者に有利となるように設定しているが、必ずしもこれに限定されない。