JP2010092864A - Ac−pdp用保護膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、プラズマディスプレイ素子(PDP)の前面板保護膜の成分及び製造方法に関するものであって、既存のAC-PDPにおいて保護膜として使われた純粋MgO材料、又は塗布されているMgO材料に代えて、MgO-ZnO固溶体酸化物[(Mg1-xZn)O]を保護膜蒸着源に利用して保護膜を形成したり、MgO-ZnO固溶体酸化物[(Mg1-xZn)O]単結晶粉末材料を保護膜として使用することを目的としている。
【解決手段】本発明は、酸化マグネシウムMgOを基地成分とし、ZnOを合金元素として包含する(ZnMg1-x)O固体固溶体単一相酸化物からなり、ZnOのモル分率xが0.01乃至0.4の範囲を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、プラズマディスプレイ素子(Plasma Display Panel:PDP)の前面板に使用される保護膜材料及びその製造方法に関するものであって、詳細にはMgOとZnO酸化物間の固相固溶体(solid solution)である(Mg1-xZn)O酸化物において、Znの含有量xが0.01乃至0.4の範囲内にあり、バンドギャップ内にF-タイプ欠陥又は非化学当量による欠陥(non-stoichiometric defects)が制御された(Mg1-xZn)O酸化物パレットを電子ビーム蒸着(e-beam evaporation)、イオンプレーティング(ion-plating)、スパッタリング(sputtering)などの薄膜形成工程を介してPDP用保護膜を形成する方法を提供する。
また、MgOとZnO酸化物間の固相固溶体(solid solution)である(Mg1-xZn)O酸化物において、Znの含有量xが0.01乃至0.4の範囲内にあり、バンドギャップ内にF-タイプ欠陥又は非化学当量による欠陥(non-stoichiometric defects)が制御された(Mg1-xZn)O単結晶酸化物粉末をスプレーコーティング(spray coatign)、スピンコーティング(spin coating)、電気泳動コーティング(electrophoretic coating)、テーブルコーティング(table coating)等の厚膜形成工程を介してPDP用保護膜を形成する方法を提供する。
PDPは、平板型表示素子の一種であって、高画質、超薄型、軽量化が得られるので、40インチ以上の大型表示装置として主に使われている。プラズマディスプレイ素子は、背面板に形成された多数の隔壁と多数のアドレス電極、前面板に形成された多数のサステイン電極が垂直に交差する地点にて画素が形成され、画像を具現することになる。
このようなPDPの概略的な構造を図1に示す。ガラス又は金属基板を素材とした前面板80上に透明誘電層90がコーティングされており、アドレス電極50が背面板80又は背面誘電層90上に形成されている。アドレス電極50を挟んで長いストライプ(stripe)形状の隔壁60が存在し、前記隔壁60間の空間上表面に蛍光体が塗布されており、サブ画素(sub pixel)を構成する。ガラスからなる前面板10上には多数のサステイン電極40及びスキャンが形成されており、その下部に上部誘電体20とMgO保護層30が存在する。したがって、これら前面板10と背面板80が結合すると、前記隔壁60により仕切られた多数の画素空間が生じることになる。このような隔離空間上にはNe/Xeガス又はNe/He/Xeガスなどが封入されており、サステイン電極40とアドレス電極50に電圧が印加されると、前記空間上でグロー放電によりプラズマが形成し、サステイン電極40とスキャン電極との間にサステイン電圧を印加すると、アドレス過程で壁電圧が形成された放電セルのサステイン電極40間にグロー放電が発生し、この際に発生したプラズマから生成された真空紫外線(vacauum ultra violet)が隔壁側面及び隔壁間の下底面にコーティングされている蛍光体を励起させ、赤色、緑色及び青色の可視光線が発生することになる。
MgO保護膜は、PDPのグロー放電が発生する間には2次電子放出(secondary electron emission)を発生させ、放電電圧を低下させる役割を果たし、放電終了後にはexo-電子(exo-electron)を放出し、放電遅延時間を改善する特性を持っており、PDP開発初期から電子放出材料として用いられてきた。最近、PDPの消費電力を減少させるために放電ガスのXe合量を増加させるための努力がなされている[G.Oversluizen,T.Dekker,M.F.Gillies,S.T.de Zwart,“High-Xe-content high-efficacy PDPs”,J.of the SID,12(1),pp51-55(2004)]。これら研究結果によると、放電ガス内のXe含量を50%まで増加させる場合、放電効率は、既存パネルに対比して3倍以上改善されると報告されている。しかしながら、このように放電ガス内のXe含量を増加させると、放電電圧が急激に上昇するという問題点が発生する。これは、Xeイオンにより2次電子の放出が発生し得ないためである。
AC-PDPグロー放電過程でMgO保護膜からの2次電子放出は、大部分がオージェ(Auger)中和過程を介して発生するものと知られているが、この放出過程を模式的に示すと、図2のとおりである。MgOの表面にPDP放電により生成されたイオンが接近すると、MgOの酸素イオンの2P電子軌道にある電子がトンネリングによりイオンと中和反応を起こし、この際に放出されるエネルギーがバランス(valence)バンド内に存在する電子に伝達され、外部へ放出されるのである。このような過程により、2次電子が放出されるためには、次の条件を満足しなければならない[H.Hagstrum,“Theory of Auger
Neutralization of Ions at the Surface of a Diamond-Type Semiconductor”、Phys.Review,122(1),pp83-113(1961)].
(式1)
Εi−2(Εg+Х) > 0
ここで、Εi は、ガスのイオン化エネルギーであり、Εgは、2次電子を放出する物質のバンドギャップエネルギーであり、Xは、2次電子を放出する物質の電子親和度(electron affinity)である。すなわち、電子を容易に放出するためにはガスイオンのイオン化エネルギーが大きいか、或いは2次電子を放出する材料のバンドギャップエネルギーと電子親和度が相対的に小さくなければならない。
材料のバンドギャップエネルギーを減少し、2次電子放出係数を増加させる方法は、米国特許公開公報(US2007/0262715A1号公報)に開示されている。前記特許によれば、MMg1-xOの組成において、xの組成範囲が0.01<x<1.0であり、Mは、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Na、Alから選ばれたもの、またはそれらの混合物であるものを提供している。そして、前記の組成が3.5eVないし7eVのバンドギャップエネルギーを有することを規定している。これら組成のうち、さらに望ましくは、M成分がBe、Ca、Sr、Ba、Ra元素、またはそれらの混合物であることを提案している。このようなMMg1-xOの組成物質の使用は、2次電子の放出係数を増加させて放電電圧を低下させるとともに、これにより電子加熱効率を向上でき、PDPの消費電力減少に貢献している。
米国特許出願公開第2007/0262715号明細書
(MMg1-x)O物質が、PDPグロー放電から生成されたXeイオンとのオージェ(Auger)中和反応を介して2次電子を材料の外部に放出するためには、バンドギャップエネルギーを一定値以下に減少させなければならず、電子放出に必要な多様な前提条件を満足しなければならない。
第一に、上述の式1)に、Xeイオンのイオン化エネルギー(12.13eV)と(MMg1-x)O材料の仮想電子親和度値(〜0.85eV)を代入すると、Xeイオンがオージェ中和反応を通じて電子を放出できるバンドギャップエネルギーの上限値は5.22eVとなる。もし、仮想材料の電子親和度が、0eV又は負の値を持つ場合には、バンドギャップエネルギー上限値は6.07eVまで増加することになる。しかし、電子親和度が0.85eV以上に増加すると、バンドギャップエネルギーの上限は、5.22eV以下にしなければならない。また、電子親和度が、1.5eV材料では、Xeイオンとのオージェ中和反応により電子を放出するためには4.57eVまで減少しなければならない。したがって、Xeイオンとのオージェ中和反応による2次電子放出の有無は、(MMg1-x)O物質のバンドギャップエネルギーではなく、バンドギャップエネルギーと電子親和度値に基づいて定義すべきである。また、(MMg1-x)O保護膜材料は、可視光線に対する透過度が高い必要がある。この可視光線透過度は、バンドギャツプエネルギーにより左右されるが、バンドギャップエネルギーは、青色可視光線(波長:400nm)が通過し得るような3.1eVのエネルギーよりは高くなければならないという条件を満足する必要がある。
したがって、本発明では、Xeイオンが(MMg1-x)O物質とのオージェ中和反応を通じて電子が放出されるための物質の物理的特性を正確に提供する。
第二に、AC-PDPの保護膜として用いられる(MMg1-x)O物質は、単一相のものが要求される。大部分のセラミック酸化物材料は、相互溶解度が小さいため、二つの酸化物を混合した場合、通常、単一相(single phase)を形成するよりは、二つの互いに異なる結晶構造、物質特性を有した相を形成する。しかし、これら二つの相は、物理的性質が互いに相違しているので、2次電子の放出係数が違うのはもちろん、グロー放電ガス内のイオン又は準安定気体原子によりスパッタリングされる程度が異なる。このように、2相構造を持った保護膜は、AC-PDPのグロー放電が進められることにより、材料表面のスパッタリング(sputtering)が非常に不均一に進められ、これにより材料の2次電子放出係数が時間に応じて変化することになる。このような2次電子放出係数の経時的変化は、放電電圧の変化を誘発させ、ディスプレイ素子に致命的な欠陥として作用することになる。したがって、本発明では、2次電子放出係数が高い単一相(MMg1-x)O物質の組成を提供する。
第三に、(MMg1-x)O材料内でオージェ中和反応により真空エネルギー準位に励起された電子は、材料の格子を形成するイオン又は原子等と弾性衝突を引き起こす過程を経て材料の表面まで移動した後、材料の外部へ放出される。このように励起された電子が材料表面から外部に放出され得る確率を、電子の脱出確率(electron escape probability)というが、この確率は、電子エネルギー、材料欠陥密度及び種類などにより左右される。電子エネルギーが低いほど(真空エネルギー準位よりそれほど大きくない場合)電子の脱出確率は低くなるのが一般的である。これは、電子が材料内を移動する過程で弾性衝突を経験することになるが、この過程でエネルギーが少しずつ減少していくからである。したがって、電子エネルギーが真空エネルギー準位に近い場合には、連続的な弾性衝突により電子エネルギーが真空エネルギー準位の下に低下し、これにより電子が材料の外部に放出されなくなり、電子の脱出確率が低下するのである。
また、材料内に欠陥が多いほど、電子の脱出確率は低下するのが一般的である。これは、励起された電子が移動中に、これら欠陥に捕獲(trapping)されることによって、材料外部に放出できなくなるためである。セラミック材料内の欠陥は、大部分、有効電荷(effective charge)を有しているのが一般的である。したがって、これら欠陥と材料内に励起された電子は、これら欠陥、特に正の有効電荷を有する欠陥と静電気的人力による結合(association)を行うが、このように捕獲された電子は材料外に排出されなくなる。したがって、本発明では、励起された電子が、材料の外部に放出され得る確率である電子放出確率が高い(MMg1-x)O物質組成を提供する。
前記目的等を達成するために、本発明の保護膜は、酸化マグネシウムMgOを基地成分とし、ZnOを合金元素として含有する(ZnMg1-x)O固体固溶体(solid solution)単一相酸化物からなり、前記ZnOのモル分率xが0.01乃至0.4の範囲を有することを特徴とする。
本発明による保護膜は、Xeイオンとのオージェ中和反応により2次電子を放出することができるバンドギャップエネルギーと電子親和度を有し、欠陥濃度及び種類が制限された単一相の(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物を保護膜としているものの、これを備えたパネルは、放電電圧が画期的に減少し、放電特性が時間によって一定であり、発光効率が上昇する極めて優れた放電特性を有する。特に、本発明による保護膜は、放電ガス内にXeの含量を10%ないし100%まで増加させることができるので、消費電力が低く、作動電圧の低いHD(high definition)及びフルHDなどの高解像度PDPの製造に適用することができる。
プラズマディスプレイ素子の構造を概略的に示した断面斜視図である。 オージェ(Auger)中和過程を通じて行われる電子放出過程を概略的に示した工程図である。 MgOバンド構造と放電ガスに使用されるガスのイオン化エネルギー状態及び準安定状態のエネルギー準位を示す模式図である。 MgO基地内にZnOが固溶し添加されることによって生じるバンドギャップエネルギーの変化を示した模式図である。 MgO-ZnO単一相固溶体酸化物パレットが多様な雰囲気で焼結された際に、材料内の欠陥をHe-Cd photoluminescence spectraを用いて示した実験結果である。 (Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物を保護膜として使用した場合、放電電圧に及ぼす影響に関する実験結果である。 (Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物を保護膜として使用した場合、テストパネルの放電効率を純粋なMgO蒸着源を用いて製造されたパネルでNe-10%Xe放電ガスの条件で放電効率を比較して示した実験結果である。
本発明で提供する保護膜材料及び製造方法を適用したプラズマディプレイ素子(PDP)は、前面基板の表示領域上に形成の多数の電極がシングルスキャン駆動方式により駆動され、放電空間にキセノン(Xe)ガスを包含する放電ガスが封入されたPDPにおいて、前記前面基板上に形成の多数のスキャン電極をコーティングしている前面誘電体層を覆っている保護膜と、前記前面基板に対向する背面基板、背面基板上に形成の多数のアドレス電極、アドレス電極を覆っている背面誘電体層、前記背面誘電体層上に形成の隔壁、前記背面誘電体層と隔壁表面に形成されている蛍光体層を有する背面基板を備える。
前記保護膜は、酸化マグネシウム(MgO)を基地成分とし、ZnOを合金元素として包含する(ZnMg1-x)O固体固溶体(solid solution)単一相酸化物からなり、前記ZnOのモル分率xは、0.01乃至0.4の範囲を有する保護膜組成を提供する。MgOに添加されたZnOが単一相の固溶体を成す条件は、製造温度及び工程条件によって変化するが、与えられた条件等のうち単一相を成す最も大きいZnOのモル分率を使用することが望ましい。ZnOがMgOに添加されることにより、固体固溶体のバンドギャップエネルギーは、図4に示したように漸次減少していくが、Xeイオンとのオージェ中和反応により2次電子を放出するためにはZnOの含量をできるだけ多く添加する必要がある。しかし、ZnOの含量を過剰に添加し、ZnOのモル分率が0.4以上となり、2相領域に進入すると、前述した保護膜の不均一性を誘発するので、避けなければならない。
本発明で提供する(ZnMg1-x)O固体固溶体単一相酸化物は、バンドギャップエネルギーと電子親和度(electron affinity)値の和が、Xeイオンとのオージェ中和反応により2次電子を放出できる条件を満足しなければならない。上述した式1)によれば、バンドギャップエネルギーと電子親和度の和が6.07eV以下にならなければならない。Xeイオンとのオージェ反応により電子を放出することができるバンドギャップエネルギーの最大値は、電子親和度により決められるが、これを表に示すと、次の表1のとおりである。
Xeイオンとのオージェ中和反応により2次電子を放出することができる最大バンドギャップエネルギー
前記表1により、電子を放出することができるバンドギャップエネルギーの上限は、電子親和度によって6.07eVから4.87eVの範囲まで変化することがわかる。これらバンドギャップより大きい場合には、Xeイオンとのオージェ中和反応による2次電子を放出することができなくなる。したがって、本発明で提供する(ZnMg1-x)O固体固溶体単一相酸化物は、バンドギャップエネルギーと電子親和度値の和が6.07eV以下のものを提供する。
バンドギャップエネルギーと電子親和度値との和が、6.07eV以下にさらに減少するほど、2次電子放出係数が増加するので、これらを減少させることが望ましい。このような目的を達成するために、SrO、BaO、CaOなどのアルカリ土類金属酸化物(第2の合金成分)を(ZnMg1-x)O固体固溶体に添加することも可能である。これら酸化物は、MgOより低いバンドギャップエネルギーを有しており、同じ結晶構造を有しており、原子価が同じであるので、MgO内に相対的に高い溶解度を持つことになる。したがって、これら酸化物は、(ZnMg1-x)O酸化物内に固溶体を形成すると同時に、材料のバンドギャップエネルギーをさらに低める役割を奏することになる。これらSrO、BaO、CaOなどのアルカリ土類金属酸化物は、モル分率で0.01乃至0.1まで添加する。
一方、(ZnMg1-x)O固溶体には、多様な形態の欠陥が存在可能である。遷移元素のZn原子は、製造される工程の酸素分圧によって、Zn1+又はZn2+の原子価を持つことが可能であるが、Zn1+は、Mg2+イオンに比して相対的にマイナス電荷を帯びることになり、これによりelectronのdonor又はhole trap欠陥に作用することが可能である。結局、このような欠陥の存在は、電子の脱出確率を急激に低下させることになる。したがって、(ZnMg1-x)O固溶体に存在するZnイオンは、Zn2+の形態に存在することが2次電子放出係数の極大化に多いに貢献することになる。以下、本発明の望ましい実施例について説明する。
本発明で提供する保護膜は、(ZnMg1-x)O固溶体酸化物を用いて形成される。この保護膜は、(ZnMg1-x)O固溶体酸化物単結晶を利用して厚膜に製造されたり、MgOとZnO単結晶又は多結晶粉末を、又は、これらが混合された粉末を利用して(ZnMg1-x)O固溶体酸化物多結晶蒸着源を製造し、これを蒸発させて薄膜に製造することができる。前記(ZnMg1-x)O固溶体MgO単結晶粉末は、高純度MgOを原料とし、電融(arc fusion)法を用いて製造することが可能であり、通常の不純物を含有することができる。また、これらZn及びMg金属を加熱して発生した金属蒸気を酸素雰囲気で酸化させ、固溶体単結晶粉末に製造することができ、この場合も通常の不純物を含有することができる。このような固溶体単結晶粉末は、スプレーコーティング(spray coating)、スピンコーティング(spin coating)、電気泳動コーティング(electrophoretic coating)、テーブルコーティング(table coating)などの厚膜形成工程を利用してPDP用保護膜を形成することができる。
また、前記MgOとZnO粉末を、又はこれらが混合した粉末を、仮焼、焼結工程を介して(ZnMg1-x)O固溶体酸化物多結晶蒸着源を製造し、これを蒸発させて保護膜用の薄膜を製造する工程としては、化学気相蒸着(chemical Vapor Deposition)、電子ビーム蒸着(electron−beam evaporation)、イオンプレーティング(ion−plating)、スパッタリング(sputtering)などの真空蒸着法を介して多数のサステイン電極が誘電層に覆われているPDP前面基板の誘電層表面に形成することが可能である。
図5は、実施例の一つとして、ZnO粉末とMgO粉末を混合した後、これらを多様な雰囲気内で仮焼、焼結した後、得られたパレット(pallet)状の蒸着源材料のphotoluminescence技法を用いて内部の欠陥を評価した結果である。そこで、MgOとZnOパレットは大気雰囲気で焼結し、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物の場合には、酸素、アルゴン、窒素の雰囲気でそれぞれ焼結し、材料内の欠陥状態をHe-Cdレーザー(波長:325nm)をソースとするphotoluminescence実験を実施して観察した。MgOパレットでは伝統的なF-タイプ欠陥により発生する2.5eV及び3.1eV付近でピークが観察された。これに比してZnOパレットではバンドからバンドへ転移により発生する発光ピークの3.3eVが観察された。(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物材料を酸素雰囲気で焼結する場合に1.9eV及び2.45eV付近でピークが観察され、材料のバンドギャップ内で欠陥準位が形成されることを示している。これに比して窒素又はアルゴンガス雰囲気のような不活性雰囲気で焼結されたパレットの場合にはそのような欠陥による発光ピークが観察されなかった。即ち、焼結雰囲気によって材料内の欠陥密度及び種類が大きく変化することを表している。
図6は、窒素雰囲気で焼結された(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物パレット蒸着源を用いて、電子ビーム蒸着工程で形成された保護膜を用いて製造されたテストパネル(test panel)の放電電圧を測定して示したものである。この際、比較のために純粋なMgOパレットを用いて製作した保護膜を有するテストパネルの放電電圧を同時に表した。この際、放電ガスは、Ne-10%Xe混合気体を使用しており、サステイニング(sustaining)周期は30kHzであった。この場合、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物パレット蒸着を電子ビーム蒸着工程により蒸着するとき、蒸着チェンバー内に一定分圧の酸素を流し、これらの影響も観察した。図6に示すように、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物保護膜の放電電圧が純粋なMgO保護膜に比し、低く表れることがわかり、酸素分圧が増加するにつれ(図面で数字が増加するにつれ)、放電電圧も減少していることがわかる。こうした放電電圧の減少は、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物保護膜の2次電子放出係数が増加したからであり、MgO内へのZnOの添加が2次電子放出係数を増加させるのに効果的であることがわかる。しかし、この場合にも固溶体酸化物材料内の欠陥種類及び含量を調節することが2次電子放出係数に影響を及ぼしていることがわかる。
図7は、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物を保護膜として採用したテストパネルの放電効率を純粋MgOを保護膜として有しているテストパネルの放電効率と比較して示したものである。図7に示したように、(Mg0.8Zn0.2)O固溶体酸化物を保護膜として採用したテストパネルの作動電圧が約50V程度低くなり、放電効率が画期的に改善されていることがわかる。したがって、本発明による保護膜は、PDPパネルに適用すると、効率が画期的に上昇し、PDP消費電力を減少させると共に、製造部品の原価コストを削減させることができる。
本発明は、また、このような保護膜が形成された前面板を使用して製造したプラズマディスプレイ素子(PDP)に関する。保護膜の形成された前面板を用いてPDPを製造する方法は、当業界に既に公知の技術であるので、これに対する詳しい説明は省略する。
10 前面基板
20 前面基板誘電体
30 MgO保護層
40 サステイン電極
50 アドレス電極
60 隔壁
70 蛍光体
80 背面基板
90 背面基板誘電層

Claims (12)

  1. ZnO酸化物のモル分率xが0.01乃至0.4である(Mg1-xZn)O単一相酸化物からなるAC-PDP用保護膜。
  2. 前記ZnO酸化物のモル分率xが0.2乃至0.4であることを特徴とする請求項1に記載のAC-PDP用保護膜。
  3. 第2の合金成分をさらに包含する(MZnMg1-x-y)O単一相酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載のAC-PDP用保護膜。
    (式中、Mは、Ba、Ca、またはSrであり、xは、0.01乃至0.1、yは、0.01乃至0.4)
  4. (Mg1-xZn)O単一相酸化物のバンドギャップエネルギーと電子親和度値の和が6.07eV以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のAC-PDP用保護膜。
  5. (Mg1-xZn)O単一相酸化物のバンドギャップエネルギー値が3.10eV以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のAC-PDP用保護膜。
  6. (ZnMg1-x)O単一相固溶体単結晶粉末を厚膜に形成することにより、又は(ZnMg1-x)O単一相固溶体多結晶蒸着源を真空蒸着させることにより製造することを特徴とするAC-PDP用保護膜の製造方法。
    (式中、xはZnO酸化物のモル分率を示す。)
  7. 前記固溶体単結晶粉末は、高純度MgOを原料として電融法を用いて製造される、又はZn及びMg金属を加熱して発生した金属蒸気を酸素雰囲気で酸化させて製造されることを特徴とする請求項6に記載のAC-PDP用保護膜の製造方法。
  8. 前記厚膜は、スプレーコーティング、スピンコーティング、電気泳動コーティング、またはテーブルコーティングにより形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載のAC-PDP用保護膜の製造方法。
  9. 前記固溶体多結晶蒸着源は、MgO粉末及びZnO粉末を混合し、仮焼し、焼結する過程を経て製造することを特徴とする請求項6に記載のAC-PDP用保護膜の製造方法。
  10. 前記焼結は、窒素、アルゴンのような不活性雰囲気でなされることを特徴とする請求項9に記載のAC-PDP用保護膜の製造方法。
  11. 前記真空蒸着は、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、または化学蒸着により行われることを特徴とする請求項6、9又は10に記載のAC-PDP用保護膜の製造方法。
  12. 請求項1に記載のAC−PDP用保護膜を有することを特徴とするAC-プラズマディスプレイ素子。
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