JP2010092524A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成膜前の洗浄工程においてパーティクルをさらに効果的に除去し、表面の平滑性の高い磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 磁気記録媒体の製造方法において、基体を洗浄する工程と、基体に少なくとも磁気記録層122を成膜する工程とを含み、洗浄する工程においては、ガラス基体110を洗浄液に浸漬し、洗浄液に浸漬されたガラス基体110に向かって超音波を発生させ、超音波を発生させた状態で洗浄液から取り出し、超音波の発生を停止させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気記録媒体の製造方法に関し、特に成膜前の洗浄工程に関する。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。垂直磁気記録媒体であるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板として、磁気記録媒体の小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、従来多く用いられてきたアルミニウム基板に代えて基板主表面の平坦性及び基板強度に優れたガラス基体が用いられるようになってきている。
また、磁気記録媒体には高記録密度化が要求されており、近年、磁気記録媒体の情報記録密度は400Gbit/inch程度までの高記録密度化が達成されている。この高記録密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきていて、磁気ヘッドの基板(磁気記録媒体)からの浮上量が10nmから5nm程度にまで狭くなってきている。このように、磁気ヘッドの磁気記録媒体からの浮上量(磁気的スペーシング)を低浮上量化することによって、スペーシングロスを改善してSN比(シグナルノイズ比)を向上させることができ、更なる高記録密度化を達成することが可能となっている。
上記の磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドには固有の障害としてヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。ヘッドクラッシュとは、磁気ヘッドが磁気記録媒体表面の突起に衝突することによって物理的に損傷する障害である。サーマルアスペリティ障害とは、磁気記録媒体面上の微小な凸或いは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。
従って、磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気記録媒体表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を形成すると凸部が形成されてしまうため、ガラス基体には、塵埃や異物を完全に除去する高度な洗浄が求められている。
磁気記録媒体用のガラス基体は安価に大量生産するため、数十枚〜数百枚のガラス基体を一つのホルダに収納した状態で運搬し、そのまま洗浄槽に浸漬して洗浄する。複数の洗浄槽を用いて洗浄を行う場合にも、ホルダに収容したままで各槽を順に移動して洗浄を行う。このように物品を流しつつ一定の処理時間(タクト時間)単位で処理を行う方式をタクト方式という。
従来から磁気記録媒体を製造する際には、ガラス基体の洗浄を超音波で行っていた。水やイソプロピルアルコール等の溶液にガラス基体を浸し、超音波を発生させることで、ガラス基体表面に付着したパーティクル等を洗浄していた。ガラス基体を洗浄する工程において、洗浄によってガラス基体に付着している塵埃や異物を除去しても、洗浄液からガラス基体を搬出するとき、洗浄液に残留する塵埃や異物がガラス基体に再付着することがある。従って洗浄工程では、ガラス基体から塵埃を除去するのみではなく、再付着を防止するために洗浄液に含まれる塵埃や異物の数を低減する必要があった。かかる洗浄液は資源の有効利用のため通常は循環して利用しており、循環供給の際に洗浄液を濾過し、塵埃や異物を捕捉していた。
ガラス基体洗浄時の塵埃や異物が再付着することを防止する技術としては、例えば特許文献1によれば、超音波を用いて部品の洗浄を行った後、ジェットポンプにて発生したジェットエアーを用いて部品をさらに洗浄し、洗浄後の溶液に遊離した異物を効果的に除去する機構を設けられている。特許文献1には、洗浄に使用される溶液を全体的に循環させながら除去した異物をフィルターで濾過を行い洗浄に使用する溶液を清浄に保つ方法が開示されている。
また特許文献2には、オゾン水と希フッ酸水溶液を使用して洗浄を行うことにより、一度の工程で異物の除去を行うことが可能な洗浄装置と洗浄法に関する技術が開示されている。特許文献2によれば、十分な濃度のオゾン水によって、基板表面に存在する有機及び金属不純物を溶解除去すると共に、処理した表面に酸化膜を形成して金属不純物を取込み、1回の洗浄で、確実な汚染除去が可能であり、枚葉処理により処理時間の短縮が可能であるとされている。
特開平07−088444号公報 特開2004−121907号公報
磁気記録媒体は記録密度の向上に伴って、磁気ヘッドの低浮上量化が進んだが、同時に磁気記録媒体の平滑化が従来よりも強く求められている。そして平滑化を進める上において、ガラス基体の表面に付着する塵芥が問題となっている。磁気記録媒体には磁気記録層をはじめとして10層前後の皮膜が成膜されるが、そもそも基体に塵埃が付着していると、最終的に製造された磁気記録媒体にも凸欠陥が形成されてしまうためである。
さらに、垂直磁気記録媒体では、ガラス基体の表面に垂直方向に結晶を成長させて、磁気異方性を高めているので、ガラス基体の表面にパーティクル(コンタミネーション)が付着していると、形成する膜の層を重ねるごとに、表面の凸形状が助長されて大きな凸欠陥が形成されてしまうこともあった。
そのように、特許文献1に記載されているように超音波を発生させて(印加して)洗浄を行っても、未だパーティクルの除去が不十分となってきた。そのため、さらに確実にパーティクルを除去しうる洗浄方法の開発が求められている。
また、洗浄装置に取り付けられた超音波振動装置の振動板は、使用する超音波の周波数にもよるが、振動板自体がキャビテーションにより浸食されてしまう。浸食された振動板は、一部が洗浄液に遊離しパーティクルの原因になってしまうこともあった。
本発明は、このような課題に鑑み、成膜前の洗浄工程においてパーティクルをさらに効果的に除去し、表面の平滑性の高い磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、洗浄工程において遊離させたパーティクルが基体に再付着する可能性に着眼した。そして、さらに検討したところ、基体を洗浄液から引き上げる際に、洗浄液が表面張力によって基体に沿って流れ、その際にパーティクルが基体に残留していることを突き止め、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、基体を洗浄する工程と、基体に少なくとも磁気記録層を成膜する工程とを含み、基体を洗浄する工程において、基体を洗浄液に浸漬し、洗浄液に浸漬された基体に向かって超音波を発生させ、超音波を発生させた状態で洗浄液から取り出すことを特徴とする。
上記の構成においては、基体を洗浄液から搬出する際に超音波を発生させ続けている。一方、基体を洗浄液から搬出する際には、水の表面張力により磁気記録媒体の表面に薄い水の膜ができる。薄い水の膜は、水面とかかる水の膜がつながっている間中、超音波の照射による超音波振動を伝えるので、超音波振動は、洗浄液を介して基体へと伝わる。したがって基体を搬出する際に、いったん除去されたパーティクルが基体に再付着することを防止し、各層を成膜して磁気記録媒体とした後の凸欠陥を減少させることができる。
上記の超音波の周波数が900KHz〜1000KHz(1MHz)であるとよい。洗浄工程で用いる超音波は、高周波の超音波を用いることにより、キャビテーションの発生を抑止することができる。 上記磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体であるとよい。垂直磁気記録媒体は、基体表面と垂直な方向に結晶を配向させて磁気異方性を高めているため、基体の表面にパーティクル(コンタミネーション)が付着していると、形成する膜の層を重ねるごとに、表面の凸形状が助長されて大きな凸欠陥が形成されてしまう。しかし基体上のパーティクルを減少させることにより垂直磁気記録媒体の表面の平滑性を向上させることができ、磁気ヘッドの低浮上量化を図り、高記録密度化を達成することができる。
上記基体はガラス基体であってもよい。ガラス基体は、表面の平滑性がアルミ製の基体に比べ優れている。しかし、代わりにガラス基体は硬いために欠損によるパーティクルが発生しやすい。そこで本発明によってパーティクルがガラス基体に付着することを防止することにより、さらにガラス基体の平滑性を有効に利用することができる。
上記の磁気記録媒体はディスクリートトラック型メディアであってもよい。ディスクリートトラック型メディアは、現行の磁気記録媒体に比べさらに高い記録密度で情報を記録することができる。したがって本発明によって磁気記録媒体の表面の平滑性を向上させることにより、磁気ヘッドの低浮上量化を図り、高記録密度化を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、成膜前の洗浄工程においてパーティクルをさらに効果的に除去し、表面の平滑性の高い磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
まず、本実施形態にかかる磁気記録媒体用ガラス基体について説明し、次に洗浄工程について説明する。洗浄工程については、まず通常の洗浄工程の流れを説明した後、本実施形態で特徴的な超音波を用いた洗浄方法について説明する。
(ガラス基体)
図1は、本実施形態にかかる磁気記録媒体用ガラス基体(以下単に「ガラス基体110」という。)を説明する図であり、図1(a)は磁気記録媒体用ガラス基体の斜視図である。ガラス基体110は、円板形状をしていて、その中心には内孔が形成されている。主表面102は、情報を記録再生するための領域であるため、記録ヘッドが浮上走行するために実質的に平滑になっている。
図1(b)は、図1(a)のX−X断面図である。ガラス基体110は、情報の記録再生領域となる主表面102と、当該主表面102に対して直交している端面104と、当該主表面102と端面104との間に介在している面取面106とを備えている。なお、端面研磨工程により端面104と面取面106との境界が不明瞭となる場合もあるため、本実施形態は端面104とその両側の面取面106があわせて1つの曲面を構成する場合も含むものとする。
磁気記録媒体の成膜工程前にガラス基体110、特にその主表面102にパーティクルや異物が付着すると、成膜工程においてパーティクルの上から磁気記録層などの皮膜を形成することとなるため、最終製品である磁気記録媒体に凸欠陥が生じてしまう。そのため、成膜前に、まずガラス基体の洗浄を行う。
(洗浄工程)
図2は、ガラス基体が収納されるホルダおよび洗浄槽の概観図である。図2に示すように、ガラス基体110は、ホルダ200に複数枚並べられ、アーム202に吊り下げられた状態で、ホルダ200ごと洗浄液220が供給されている洗浄槽210に浸漬される。そして、洗浄槽210内の洗浄液220の水流と、洗浄槽210の超音波振動装置230による振動によって、ガラス基体110に付着しているパーティクルが除去される。超音波振動装置230は、超音波照射による超音波振動を印加して洗浄を行うことにより、ガラス基体110付着しているパーティクルをより効果的に除去することができる。なお、超音波照射によるガラス基体110の洗浄については、後ほど詳述する。
洗浄工程は、洗浄処理、乾燥処理、測定処理の3つの処理に大分される。図3は、洗浄処理の詳細を説明する図である。図3に示すように、本実施形態においては、5つの洗浄槽210を使用した5種類の洗浄液での洗浄処理を例に挙げているが、これに限定されるものではない。また、洗浄処理において、ガラス基体110は複数枚ホルダ200に収納されているが、理解を容易にするため、図3中ではホルダ200およびアーム202の図示は省略している。また、本実施形態では、洗浄工程の処理の内、乾燥処理と測定処理についての説明は省略している。
上記の5つの洗浄槽210(210a〜210e)には、洗浄の目的に応じてそれぞれ異なる洗浄液220(220a〜220e)が洗浄液供給部(図示せず)およびイソプロピルアルコール(以下、「IPA」と称する)タンク(図示せず)から供給されている。洗浄処理において当該洗浄槽210を複数備えることにより、各洗浄槽ごとに少なくとも成分の異なる2種類以上の洗浄液を用いて順に洗浄することが可能となる。
洗浄液220は、硫酸や有機酸、アルカリ性水溶液、中性水溶液、界面活性剤、キレート剤、蒸留水(純水)、IPA等を使い分けることができる。図3においては、酸洗浄槽210aには酸性溶液220aが、純水洗浄槽210bには純水220bが、中性洗剤洗浄槽210cには中性洗剤溶液220cが、純水洗浄槽210dには純水220dが、IPA洗浄槽210eにはIPA220eが、洗浄液220として供給されている。
洗浄液220は、ガラス基体110に付着している塵埃を除去し、洗浄液中に浮遊させる。なお、洗浄液供給部から供給される洗浄液220は濾過または蒸留して再利用しつつ、適宜新しいものを補充しながら用いられる。
(超音波を用いた洗浄工程)
本実施形態で説明する洗浄工程は、洗浄液220を用いた洗浄槽210で行われる。(文章の追加)5つの洗浄槽210(210a〜210e)は、それぞれ異なる洗浄液220(220a〜220e)を用いて洗浄を行っている。それぞれの洗浄槽210(210a〜210e)には、底部に超音波を照射する超音波振動装置230がそれぞれ設置されている。本実施形態では、洗浄槽210としてまとめて説明する。故に、それぞれの洗浄槽210(210a〜210e)で本実施形態を利用することは可能である。
図4は、本実施形態において超音波の照射を行うタイミングを示したタイミングチャートである。タイミングチャート(a)は従来の洗浄工程での超音波照射を表している。一方、タイミングチャートは(b)本実施形態を利用した洗浄工程での超音波照射を表している。
従来の方法では、ガラス基体110を洗浄槽210に搬入(t1)し、洗浄液220に順次浸漬する。超音波振動装置230は、ガラス基体110を洗浄液220に浸漬した後、超音波の照射を開始(t3)する。超音波振動装置230は、超音波を介して洗浄液220全体に超音波振動を印加する。ガラス基体110は、超音波振動をうけ、表面のパーティクルが洗浄液220に遊離する。超音波振動装置230はガラス基体110を搬出する前(t4)に超音波の照射を停止する。ガラス基体は超音波の照射が停止した後、洗浄槽210から搬出(t2)する。
次に、タイミングチャート(b)について説明する。本実施形態の洗浄工程は、ガラス基体110の搬入(t1)まで従来の洗浄工程と同一である。従来の洗浄工程との違いは、超音波の照射を開始する時間が従来と相違する点である。超音波を照射する時間を開始する時間は、従来と比べ遅い時間(t5)となる。また、超音波の照射が終了する時間(t6)は、従来と異なりガラス基体110が洗浄槽210から搬出された後に超音波の照射が停止する。
補足的な説明として超音波照射時間は、従来の洗浄工程と本実施形態の洗浄工程で同一の時間となる。本実施形態では、超音波照射時間は従来と同様である。超音波照射を従来と同様の時間とすることによって、照射時間が固定された超音波振動装置230であっても、ガラス基体110の投入する時間を調整することで、本実施形態を利用することが可能となる。もっとも、従来と同様の時間(t3)に超音波照射を開始し、搬出後の時間(t6)に超音波照射を終了させてもよい。
本実施形態は、磁気記録媒体の洗浄以外にも、微少な異物の除去等を目的とした各種部品の洗浄に用いてもよい。例えば、電子部品の洗浄や、精度を要求される機械部品などの洗浄に用いてもよい。本実施形態は、高周波を用いた超音波で洗浄を行う部品であれば適用することが可能である。
図5は、ガラス基体110からパーティクル234が洗浄液230中に遊離する様子を示した図である。
図5(a)は、パーティクル234が付着したガラス基体110を示している。図5(a)のガラス基体110は、まだ洗浄工程を経ていない、ホルダに搭載された状態である。ガラス基体110は、まだ洗浄槽210に浸漬されていいないので、表面にはまだパーティクル234が付着した状態である。
図5(b)は、ガラス基体110が洗浄槽210の洗浄液220に浸漬された状態である。洗浄槽210の洗浄液220に浸漬された状態であり、ガラス基体110の周りにはまだパーティクル234が付着している。
図5(c)は、ガラス基体110が洗浄液220中に浸漬された状態で、超音波振動装置230が超音波を照射している状態である。超音波振動装置230から照射された超音波振動232は、洗浄液220を介して洗浄槽210全体に広がる。広がった超音波は、洗浄液220を介してパーティクル234に超音波振動232を印加している。
図5(d)は、超音波振動232により、洗浄槽210に浸漬されているガラス基体110の表面から異物であるパーティクル234が洗浄液220中に遊離した状態である。
本実施形態では、超音波振動装置230から超音波の照射がなされている状態でガラス基体110を搬出する。搬出時に超音波を照射するとパーティクル234等がガラス基体110に付着しにくい理由は、洗浄液220が表面張力でガラス基体110の表面に薄い膜を形成し、洗浄槽210中の洗浄液220と連続しているために、超音波振動232が伝達されるためである。搬出されたガラス基体110は、表面の異物が取り除かれた状態で次工程に進むことにより、表面の平滑性が生かされ、より歩留まりが高く品質に優れた磁気記録媒体となる。
以上説明したように、本発明にかかる磁気ディスク用ガラス基体の製造方法によれば、洗浄工程におけるガラス基体へのパーティクルの付着(再付着)を防止することにより、洗浄工程後のガラス基体の表面状態のバラツキを低減でき、当該ガラス基体の品質を安定させることが可能となる。
また、本発明を適用して製造した磁気ディスク用ガラス基体は平坦度および平滑度が極めて良好であるため、かかるガラス基体を用いて製造した磁気ディスクにおいても平滑度および平坦度が良好である。したがって、当該磁気ディスクへの書き込みの際の磁気ヘッドの浮上安定性が向上し、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が低減され、磁気ヘッドの低浮上量化を実現できるため、高記録密度化の実現に資することができる。
特に垂直磁気記録媒体は、基体表面と垂直な方向に結晶を配向させて磁気異方性を高めているため、ガラス基体110の表面にパーティクル(コンタミネーション)が付着していると、形成する膜の層を重ねるごとに、表面の凸形状が助長されて大きな凸欠陥が形成されてしまう。しかしガラス基体110上のパーティクルを減少させることにより垂直磁気記録媒体の表面の平滑性を向上させることができ、磁気ヘッドの低浮上量化を図り、高記録密度化を達成することができる。
また磁気記録媒体がディスクリートトラック型メディアである場合も同様に、磁気記録媒体の表面の平滑性を向上させることにより、磁気ヘッドの低浮上量化を図り、高記録密度化を実現することができる。
(実施例)
次に、上記実施形態を適用して洗浄および成膜した磁気記録媒体の実施例と比較例について説明する。実施例1は、上記実施形態のように搬出が完了した後に超音波の照射を停止したものである。比較例1は洗浄の際に超音波を照射しないもの、比較例2は洗浄の際に超音波を照射するが、超音波を停止した後に搬出するものである。
実施例1および比較例1、比較例2のいずれにおいても、ガラス基体110に洗浄工程を行った後に、少なくとも磁気記録層を成膜する工程を行った。本実施例においては磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体を例示したが、他の構成の磁気記録媒体であっても、本実施例で示す洗浄工程については実施可能である。
図6は、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100の構成を説明する図である。図6に示す垂直磁気記録媒体100は、ガラス基体110、ガラス基体に対する剥離強度を高める付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、下地層118の結晶配向性を向上させるための前下地層116、磁気記録層122の結晶配向性を向上させるための第1下地層118aおよび第2下地層118b、グラニュラー構造の初期成長層において磁性粒を孤立化させるための非磁性グラニュラー層120、保持力Hcを担保するための第1磁気記録層122a、主記録層である第2磁気記録層122b、面内方向に磁気的に連続して書き込み特性を向上させるための補助記録層124、カーボン皮膜からなる硬い媒体保護層126、樹脂からなる潤滑層128で構成されている。
なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて書き込み時に磁路を形成する軟磁性層114を構成する。スペーサ層114bは第1軟磁性層114aと第2軟磁性層114bとの間に介在しAFCカップリングを備えるように構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとはあわせて磁気記録層122を構成する。
ガラス基体110は、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のガラス基体110を得ることができる。
そして、ガラス基体110に対して、上記の実施例1、比較例1、比較例2のように洗浄した。その結果については後述する。
洗浄後のガラス基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112から補助記録層126まで順次成膜を行い、媒体保護層128はCVD法により成膜した。この後、潤滑層130をディップコート法により形成した。
(磁気記録媒体の評価)
図7は洗浄後のパーティクルの数を比較する図である。洗浄処理の後、ガラス基体110は、超音波を照射しない比較例1に比して、超音波停止後に搬出する比較例2では付着しているパーティクルの数が多くなっている。この理由としては、超音波処理によって大きなパーティクル234が破壊され、微細化したパーティクル234がガラス基体110に再付着したためと考えられる。
これに対し、搬出後に超音波を停止した実施例1は、付着しているパーティクルの数が飛躍的に削減できていることがわかる。詳細には、実施例1は比較例1、比較例2に比べて、約20%〜25%程度の数しか付着していないことが読み取れる。
上記説明した如く、磁気記録媒体の製造工程において、成膜前の洗浄工程で洗浄液から取り出した後に超音波の発生を停止させることにより、基体に付着するパーティクルを効果的に除去し、凸欠陥が少なく、表面の平滑性の高い磁気記録媒体を製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、磁気記録媒体の製造方法として利用することができる。
本実施形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板を説明する図である。 ガラス基板が収納されるホルダおよび洗浄槽の概観図である。 洗浄処理の詳細を説明する図である。 洗浄処理の超音波を照射する時間を示した図である。 ガラス基体に付着したパーティクルが超音波の照射により洗浄液中に遊離する様子を示した図である。 垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。 洗浄後のパーティクル数を比較する図である。
符号の説明
100 …垂直磁気記録媒体
102 …主表面
104 …端面
106 …面取面
110 …ガラス基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …補助記録層
126 …媒体保護層
128 …潤滑層
200 …ホルダ
202 …アーム
210 …洗浄槽
210a …酸洗浄槽
210b …純水洗浄槽
210c …中性洗剤洗浄槽
210d …純水洗浄槽
210e …IPA洗浄槽
220 …洗浄液
220a …酸性溶液
220b …純水
220c …中性洗剤溶液
220d …純水
220e …イソプロピルアルコール
230 …超音波振動装置
232 …超音波振動
234 …パーティクル

Claims (5)

  1. 基体を洗浄する工程と、
    前記基体に少なくとも磁気記録層を成膜する工程とを含み、
    前記基体を洗浄する工程において、
    前記基体を洗浄液に浸漬し、
    前記洗浄液に浸漬された基体に向かって超音波を発生させ、
    前記超音波を発生させた状態で洗浄液から取り出す
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記超音波の周波数が900KHz〜1000KHzであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記基体はガラス基体であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記磁気記録媒体はディスクリートトラック型メディアであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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