JP2010091176A - 空気流による乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周面に外径溝3のような凹部3aを有するパイプ1等の長尺物を効率よく乾燥させる。
【解決手段】被乾燥物となるパイプ1を筒状乾燥装置6内に載置し、旋回流25を発生させる第1乃至第3ノズル8、9、10から高圧空気を一気に円筒空間15内に噴射する。これにより、上記旋回流がパイプの外径溝3の凹部3a内まで流れ、高速乾燥が可能となる。旋回流は下部治具6b内の空気排出口11a、11b、11c、11dから外部に排出される。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、洗浄液により洗浄された金属部品等の種々の部品類を乾燥する空気流による乾燥方法に関するものである。特に、本発明は、中空パイプの周面に凹部を有するものの乾燥に用いて有益である。
従来、被乾燥物の乾燥方法および乾燥装置として、タンクに保持する圧縮空気を乾燥装置を成す治具内に一気に注入することにより、治具内の被乾燥物を瞬時に乾燥可能とするものが、特許文献1で知られている。この特許文献1の技術は、上記治具内に被乾燥物(機械加工製品)を収容する。次に、高圧タンク内に貯えた空気が、開閉弁を介して、上記治具内に一気に注入されるものである。
また、上記技術は、圧縮空気を狭い治具内に一気(一時)に注入することによって圧縮熱を発生させる。そして、この圧縮熱による空気温度上昇効果と、高圧大流量空気で被乾燥物表面の空気速度を大きくしたことによる乾燥エネルギー及び水切り効果を利用するものである。
上記技術は、乾燥エネルギーとして、被乾燥物表面上を通過する常温空気速度エネルギーを利用するものである。これによりシンプルな装置で低コスト化が達成されている。
また、この特許文献2には、生おからに代表される塊状あるいは粉体状の乾燥体を空気流で乾燥させるものが開示されている。
この特許文献2に開示された乾燥装置は、複数の並置された空気ノズルにより回転空気流を発生するものである。そして、この回転空気流と共に被乾燥物を旋回させて、被乾燥物を空気流に乗せて乾燥しながら、下部から上部に旋廻流と共に被乾燥物を移動させ、乾燥したものを上部から外部に排出するものである。
また、この特許文献2の乾燥室底部には、平羽根を有し、この平羽根により上昇空気流を発生させるように構成されている。これにより、空気が乾燥室内で回転上昇することにより,空気とともに移動する被乾燥物の移動距離が増加し、乾燥時間を長く確保できるものである。
次に、特許文献3には、濡れ手を乾燥させる装置として、空気噴射孔の内壁に螺旋形をしたガイドを設けたものが開示されている。つまり、特許文献3の技術は、上記ガイドにより螺旋流を発生させて、手の両表面に対して旋回流を吹き付けるものである。このために、手のひら側と手の甲側の噴出孔を対向して設置し、手の両側から逆方向の螺旋空気流を発生させるものである。これにより、効率的な手の乾燥を実現している。
特開2008−51473号公報 特開2005−30650号公報 特開平9−285423号公報
しかしながら、上記特許文献1の乾燥空気は、被乾燥物の表面に沿って流れるだけである。本件発明が乾燥の対象とする被乾燥物の一例は、円筒形状のパイプの一端にリング状の溝部を形成している。従って、空気流が流れる被乾燥物の表面を一端から他端に直線状に流れるに特許文献1の構成では、円筒形の被乾燥物の一部表面上を空気が通過し、上記溝内まで充分な空気流が発生せず乾燥できないという結果を生じた。
換言すれば、特許文献1の技術では、溝部の溝の長手方向と垂直に空気が流れる為、単に被乾燥物の外周上を空気が通過してしまい、溝部内まで空気流が発生せず、充分に乾燥できない。
つまり、被乾燥物が長尺物で一部に溝部(凹部)が形成されているものは、特許文献1の技術では充分に乾燥できない。
また、特許文献2に記載する装置は、旋回する空気流に粉体等を乗せて空気流と共に被乾燥物を旋回させるものである。この特許文献2に記載する装置は、本件発明の対象とする被乾燥物の重量では空気流と共に飛散させることが出来ないため、本件発明の被乾燥物を乾燥させることが出来ない。
次に、特許文献3の技術は、被乾燥物の表面に垂直に旋回流を衝突させるものである。しかし、長尺物の場合は、特許文献3のように、順次旋回流を長尺物の一端から他端にかけて衝突させ乾燥させていくと、時間がかかりすぎるという問題がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、全体形状が長尺物であり周面の一部に溝部を有する被乾燥物を迅速に乾燥させることが出来る空気流による乾燥方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、全体形状が長尺物であり周面の一部に長尺物の長手方向と交わる方向に長く形成された凹部(3a)を有する被乾燥物(1)を、内部に収納可能な筒状乾燥装置(6)に、被乾燥物(1)を収納し、筒状乾燥装置(6)内の被乾燥物収納空間(15)内の一端から他端に向かって、旋廻する空気流を流し、該空気流が被乾燥物(1)の少なくとも外周面に沿って流れるようにして、旋回する空気流により凹部(3a)内の液体を乾燥させることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、空気流が被乾燥物(1)の少なくとも外周面に沿って旋廻しながら流れるため、被乾燥物(1)の外周面に形成された溝等の凹部(3a)内の液体まで高速乾燥することが出来る。
次に、請求項2に記載の発明では、空気流は、空気タンク(31)内に蓄えられた高圧の空気を開閉弁(32)の開放により一気に筒状乾燥装置(6)内に被乾燥物(1)の少なくとも外周面に沿って流すことを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、筒状乾燥装置(6)内で被乾燥物表面上に高速空気流を発生させるため、高速乾燥に寄与する。
次に、請求項3に記載の発明では、長尺物からなる被乾燥物(1)は、周面に凹部(3a)が形成された中空パイプから成り、該中空パイプの一端開口部から他端開口部にかけて空気流を流すことを特徴としている。
この請求項3に記載の発明によれば、中空パイプの外周面に旋廻する空気流が流れ、かつ内周面にも空気が流れて被乾燥物(1)を乾燥することが出来る。
次に、請求項4に記載の発明では、筒状乾燥装置(6)内に外部からの空気を供給する第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)を有し、
第1ノズル(8)と第2ノズル(9)は、中心軸方向から見たときに、所定のオフセット量(t12)だけ離間して、被乾燥物収納空間(15)内にそれぞれのノズル先端が導入されており、
筒状乾燥装置(6)の側壁の外側から被乾燥物収納空間(15)まで貫通したノズル通路を、第1ノズル(8)と第2ノズル(9)がそれぞれ有しており、
第1ノズル(8)と第2ノズル(9)のノズル通路の、筒状乾燥装置(6)の外側に位置する入口部と、それぞれのノズル通路の被乾燥物収納空間(15)側に位置する出口部とを、第1ノズル(8)と第2ノズル(9)のノズル通路がそれぞれ有しており、
入口部が出口部よりも被乾燥物収納空間(15)内の一端側に近づき、出口部が入口部よりも被乾燥物収納空間(15)内の他端側に近づくように、第1ノズル(8)と第2ノズル(9)が、筒状乾燥装置(6)内の被乾燥物収納空間(15)の中心軸に対して傾斜したノズル角度(θ)を設定されて配設され、第1ノズル(8)と第2ノズル(9)から同時に吹出される空気によって旋回する空気流が形成されることを特徴としている。
この請求項4に記載の発明によれば、第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)の傾斜したノズル通路よって、強力な旋回流を前記被乾燥物収納空間(15)の一端から他端に向かって流すことが出来る。
次に、請求項5に記載の発明では、更に、筒状乾燥装置(6)内に、外部からの空気を供給する第3ノズル(10)を有し、該第3ノズル(10)は、筒状乾燥装置(6)内の被乾燥物収納空間(15)の中心に沿って、一端から他端に向けて空気流を噴射するノズルから成り、被乾燥物(1)の外周及び内側表面を乾燥することを特徴としている。
この請求項5に記載の発明によれば、第3ノズル(10)によって長い被乾燥物の一端から他端の全域に至るまで高速空気流を発生させることが出来、被乾燥物の外周だけでなく内側表面をも乾燥することが出来る。
次に、請求項6に記載の発明では、第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)は被乾燥物(1)に第3ノズル(10)よりも近接しており、第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)から吹出される空気が被乾燥物の端部に衝突することを特徴としている。
この請求項6に記載の発明によれば、被乾燥物(1)が第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)に接近して配置されるため、被乾燥物(1)に直接的に第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)から旋廻流が衝突し、良好に被乾燥物(1)を高速乾燥することが出来る。
次に、請求項7に記載の発明では、筒状乾燥装置(6)は、一端側治具(6a)と他端側治具(6b)から構成され、
他端側治具(6b)は、被乾燥物収納空間(15)内の他端側にて長尺物からなる被乾燥物(1)を保持し、かつ空気排出口(11a、11b、11c、11d)を有する着座面を供え、
一端側治具(6a)は、他端側治具(6b)に着脱自在に設けられ、第1乃至第3ノズル(10)が設けられており、
他端側治具(6b)によって、被乾燥物収納空間(15)の内壁に接触することなく被乾燥物(1)を保持し、被乾燥物収納空間(15)の内壁と被乾燥物(1)の表面との間の隙間(20)を旋廻流として流れた空気を空気排出口(11a、11b、11c、11d)から排出することを特徴としている。
この請求項7に記載の発明によれば、筒状乾燥装置(6)の他端側治具(6b)によって被乾燥物収納空間(15)の内壁に接触することなく被乾燥物(1)を保持し、被乾燥物収納空間(15)の内壁と被乾燥物(1)の表面との間の隙間を旋廻流として流れる空気によって品質の良い乾燥が行える。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図7を用いて詳細に説明する。図1は、被乾燥物の一例となる自動車の燃料配管系に用いるステンレス製のコネクタパイプ1の外形図である。この被乾燥物1は、全体として円筒形であり、他端4に溝部と成る外形溝3が形成されている。また、コネクタパイプ1の一端2に縮径部5が形成されている。
この被乾燥物1は中空であり、上記外形溝3または縮径部5によって、被乾燥物1の外周面または内周面に凹部または凸部が形成されることになる。例えば、外径溝3周りには、外形溝3の凹部3aが外周面に形成され、縮径部5周りには、縮径部の凹部5aが形成される。また、これらの凹部3a、5aから見れば周辺に凸部が存在することになる。
図2は、上記コネクタパイプ1を収納可能な筒状乾燥装置6の平面図である。また、図3は、筒状乾燥装置6の一部破断正面図であり、下部は、破断して断面で図示している。更に、図4は、下部治具6b(他端側治具)の平面図であり、図5は、図4における下部治具6bの矢視V−V断面図である。
図3において、適当な内径寸法t7の筒状空間15に沿って、第1ノズル8、第2ノズル9、及び第3ノズル10からの旋回流が下方の空気排出口11a、11b、11c、11d(図4)へ向かうにように設計されている。
そして、図3のように、筒状乾燥装置6の斜め上方から斜め下方に向かって、互いに対向し、かつ旋回流が生じる程度のオフセット量t12(図2)が設定されて第1ノズル8と第2ノズル9が設けられている。
上記筒状乾燥装置6の上部治具6a(一端側治具)の内部には、被乾燥物収納空間となる筒状空間15が存在し、この筒状空間15内にコネクタパイプ1が載置されている。また、下方には、着座面16を上面に持つ下部治具6bを備えている。この下部治具6bは、被乾燥物1を上部治具6aの筒状空間15内に立てることが出来るように、コネクタパイプ1と嵌合する突起部と成る中空パイプ部6cが形成されている。
この中空パイプ部6cの周りには、長円形の空気排出口11a、11b、11c、11d(図3、図4)が形成されている。また、上部治具6aと被乾燥物1との間には隙間20が存在するように被乾燥物1が下部治具6bに立てられている。
そして、左右の第1ノズル8と第2ノズル9から噴出された空気は、上部治具6aと被乾燥物1との間の隙間20内を旋廻しながら被乾燥物1の表面に沿って流れる。そして、上記空気は、下部治具6bの排出口11a、11b、11c、11dと中空パイプ部6c内から排出される。
上部治具6aに対して、下部治具6bは、嵌合されるようになっている。即ち、図3に示すように、上部治具6aの下面には、下部治具6bが挿入されるための凹部21が形成されている。そして、この凹部21には、被乾燥物1であるコネクタパイプを挿入するための上記隙間20を含む筒状空間15が設けられている。そして、この筒状空間15の上部に上述の3個のノズル8、9、10が空気流を吹き付けるように構成されている。
上記構成において、乾燥工程を図6に基づいて説明する。図6は、この一実施形態の模式的構成図であり、空気流の流れを説明するものである。先ず、下部治具6bの突起状パイプ(中空パイプ部)6cの上にコネクタパイプ1を立て、その上から筒状の上部治具6aを被せる。この上部治具6aには、各ノズル8、9,10の孔に図示しないホースを介して高圧空気が導かれるようになっている。
そして、高圧空気が図示されないホースを介して上記各ノズル8、9,10から円筒空間15に吹き付けられると、上から下に向かって旋回流25が発生する。そして、この旋回流25は下部治具6b内を通って外部に排出される。
第3ノズル10は、上部治具6aの真上から真下に向かって空気流を噴射し、中空のコネクタパイプ1の内周面(内側表面)を乾燥するものである。また、第1ノズル8は、左側の斜め上から斜め下に向かって空気流を吹き付けるものである。更に、第2ノズル9は、右側の斜め上から斜め下に向かって空気流を吹き付けるものである。なお、第1ノズル8と第2ノズル9の取り付け角度(図3、及び図6のノズル角度θ)は、下降する旋回流25発生のために適当な値に設定されている。
これによって、空気は旋回しながら下方に移動し、円筒状の被乾燥物1の外形溝3内にも空気は旋回しながら流れるため、外径溝3の凹部3a内まで迅速に乾燥することが出来る。
このように、本件の一実施形態においては、一対の対向設置された第1ノズル8及び第2ノズル9によって、旋回流を発生させ、かつ真上からも第3ノズル10の噴射流を発生させるので、旋廻流25が上方から下方まで移動する。これにより、被乾燥物1となるコネクタパイプの全表面を空気が高速で通過する。
そして、この旋回流25中心に被乾燥物1の中心が位置する関係にある。このため、中空のコネクタパイプ1の内部にも空気流が発生することに成り、コネクタパイプ1の内周面も乾燥可能となる。
なお、各ノズル8、9、10に空気流を供給する構成は、特許文献1に開示された構成と同じである。即ち、図7の模式配管図に示すように、工場内のユーティリティ配管内の空気は、図示されない仕切弁を介して増圧弁30に供給される。
この増圧弁30を介して増圧した空気は、空気タンク31内に高圧空気として貯留される。そして開閉弁32を介して上記空気タンク31内の高圧常温空気は、治具となる筒状乾燥装置6内に三つのノズル8、9、10から供給される。
これにより、高圧の大量の空気を筒状乾燥装置6に一気(一時)に注入でき、圧縮熱による空気温度の上昇が発生する。
そして、被乾燥物表面の空気速度が大きくなり、乾燥エネルギーが上昇することによって、高速乾燥が可能となる。このとき、単に被乾燥物の表面を高速流が通過するだけでなく、螺旋状に旋廻しながら、円筒状の被乾燥物1の周面を上方(一端)2から下方(他端)4に向かって空気が流れる。また、同時に、凹部3a(図1)と平行に、上記空気が流れ、凹部3a内の水滴まで旋回空気流によって速やかに乾燥できる。
次に、上記第1実施形態の重要な構成を換言して説明する。第3ノズル10は、空気を真下に向かって被乾燥物1から若干離れた位置から空気を噴射するノズルを構成している。また、第1ノズル8及び第2ノズル9は、コネクタパイプ1先端に向かって直接的に旋廻流を吹付けるノズルを構成している。
第1ノズル8及び第2ノズル9は、共に筒状乾燥装置6内の前記被乾燥物収納空間15の中心軸に対して傾斜したノズル角度θで一端から他端に向けて空気流を噴射するノズルから成る。
また、第1ノズル8と前記第2ノズル9は、前記中心軸方向から見たときに、所定のオフセット量t12(図2)だけ離間して、被乾燥物収納空間15内にそれぞれのノズル先端が導入されている。
また、筒状乾燥装置6の側壁の外側から前記被乾燥物収納空間15まで貫通したノズル通路が、第1ノズル8と前記第2ノズル9のそれぞれに設けられている。
また、第1ノズル8と第2ノズル9のノズル通路の、筒状乾燥装置6の外側に位置する入口部8a、9a(図3)と、それぞれのノズル通路の被乾燥物収納空間15側に位置する出口部8b、9bとを、第1ノズル8と第2ノズル9のノズル通路がそれぞれ有している。
そして、上記入口部8a、9aが、出口部8b、9bよりも被乾燥物収納空間15内の一端2側に近づき、出口部8b、9bが、入口部8a、9aよりも被乾燥物収納空間15内の他端4側に近づいて配設されている。そして、これにより適当なノズル角度θに設定されている。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態の模式的斜視図である。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
この第2実施形態は、図8のように各ノズル8、9、10に連通するホース接続部8a1、9a1、10a1を有する。また、上部治具6aと下部治具6bとは、分割面40で接合されている。そして下部治具6b内には、コネクタパイプ1の他端側を支障する支持バー41が設けられている。支持バー41の下端は開放孔となっている。
この第2実施形態では、下部治具6bが中心に貫通孔を有するパイプから構成できるので、製作が容易である。なお、支持バーは下部治具6bの側面に穿設した孔から上記貫通孔内にバーを差し込むことにより形成される。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の実施形態では、被乾燥物として断面円筒形状のものを示したが、被乾燥物の断面が多角形の角柱状のものであっても良い。
また、外形溝は、必ずしもリング状に連続して繋がって形成されていなくともよく。外周に沿って凹部が断片的に形成されているものであっても良い。即ち、被乾燥物が長尺物であり、この長手方向と直交する方向に溝、穴、及び貫通孔のいずれかより成る凹部を有する被乾燥物であって、凹部内の水滴をも迅速に乾燥する必要のあるものに本件発明は適用可能である。
従って、本発明に言う凹部(3a)とは、被乾燥物の長手方向と直交する方向に長く形成された溝、穴、及び貫通孔のいずれかより成る窪みである。
上記一実施形態では、筒状の治具の上方から下方にかけて円筒形の治具の長手方向に空気流を発生させる第3ノズル10を設けたが、この第3ノズル10は省略することも可能である。
また、第3ノズルの代わりに旋廻流を発生させる二つの第1ノズル8及び第2ノズル9の下方の筒状乾燥装置6の最下部に、空気を吸引する吸引口を設けてもよい。
また、旋回流を発生させる第1ノズルと第2ノズルを対向配置したが、対向配置させずに、例えば特許文献2のように一方向側に複数のノズルを並列配置しても旋回流を発生させることが出来る。
また、第1実施形態では、図3の隙間20が正しく形成されるように、コネクタパイプ1を中空パイプ部6cに立てたが、隙間20が確保されるように、コネクタパイプ1の側面と上部治具6aとの間に上部治具6a側から突出する位置決め用突起がコネクタパイプ1を取り囲むように複数個設けられても良い。第2実施形態では特に有益であり、この第2実施形態の場合は、位置決め突起(図8に追記した突起20a、及び20b)が下部治具6bの貫通孔の内周壁からコネクタパイプ1側に向かって複数個設けられればよい。
第1実施形態に使用する被乾燥物となるコネクタパイプの外形図である。 上記実施形態に使用する筒状乾燥装置の平面図である。 上記実施形態における上記筒状乾燥装置の一部破断正面図である。 上記実施形態における上記筒状乾燥装置の他端側治具の平面図である。 上記実施形態における上記筒状乾燥装置の他端側治具の矢視V−V断面図である。 上記実施形態における旋回流の様子を示す模式的構成図である。 上記実施形態における摸式配管図である。 第2実施形態を説明するための筒状乾燥装置の模式的構成図である。
符号の説明
1…被乾燥物となるコネクタパイプ
2…一端
3…外径溝
3a…凹部
4…他端
6…筒状乾燥装置
6a…一端側治具となる上部治具
6b…他端側治具となる下部治具
8…第1ノズル
9…第2ノズル
10…第3ノズル
11a、11b、11c、11d…空気排出口
15…被乾燥物収納空間となる筒状空間
16…着座面

Claims (7)

  1. 全体形状が長尺物であり周面の一部に前記長尺物の長手方向と交わる方向に長く形成された凹部(3a)を有する被乾燥物(1)を、内部に収納可能な筒状乾燥装置(6)に、前記被乾燥物(1)を収納し、前記筒状乾燥装置(6)内の被乾燥物収納空間(15)内の一端から他端に向かって、旋廻する空気流を流し、該空気流が前記被乾燥物(1)の少なくとも外周面に沿って流れるようにして、前記旋回する空気流により前記凹部(3a)内の液体を乾燥させることを特徴とする空気流による乾燥方法。
  2. 前記空気流は、空気タンク(31)内に蓄えられた高圧の空気を開閉弁(32)の開放により一気に前記筒状乾燥装置(6)内に前記被乾燥物(1)の少なくとも外周面に沿って流すことを特徴とする請求項1に記載の空気流による乾燥方法。
  3. 前記長尺物からなる被乾燥物(1)は、周面に凹部(3a)が形成された中空パイプから成り、該中空パイプの一端開口部から他端開口部にかけて前記空気流を流すことを特徴とする請求項1または2に記載の空気流による乾燥方法。
  4. 前記筒状乾燥装置(6)内に外部からの空気を供給する第1ノズル(8)及び第2ノズル(9)を有し、
    前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)は、前記中心軸方向から見たときに、所定のオフセット量(t12)だけ離間して、前記被乾燥物収納空間(15)内にそれぞれのノズル先端が導入されており、
    前記筒状乾燥装置(6)の側壁の外側から前記被乾燥物収納空間(15)まで貫通したノズル通路を、前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)がそれぞれ有しており、
    前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)の前記ノズル通路の、前記筒状乾燥装置(6)の外側に位置する入口部と、前記それぞれのノズル通路の前記被乾燥物収納空間(15)側に位置する出口部とを、前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)の前記ノズル通路がそれぞれ有しており、
    前記入口部が前記出口部よりも前記被乾燥物収納空間(15)内の一端側に近づき、前記出口部が前記入口部よりも前記被乾燥物収納空間(15)内の他端側に近づくように、前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)が、前記筒状乾燥装置(6)内の前記被乾燥物収納空間(15)の中心軸に対して傾斜したノズル角度(θ)を設定されて配設され、前記第1ノズル(8)と前記第2ノズル(9)から同時に吹出される空気によって前記旋回する空気流が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気流による乾燥方法。
  5. 更に、前記筒状乾燥装置(6)内に、外部からの空気を供給する第3ノズル(10)を有し、該第3ノズル(10)は、前記筒状乾燥装置(6)内の前記被乾燥物収納空間(15)の中心に沿って、前記一端から前記他端に向けて空気流を噴射するノズルから成り、前記被乾燥物(1)の外周及び内側表面を乾燥することを特徴とする請求項4に記載の空気流による乾燥方法。
  6. 前記第1ノズル(8)及び前記第2ノズル(9)は前記被乾燥物(1)に前記第3ノズル(10)よりも近接しており、前記第1ノズル(8)及び前記第2ノズル(9)から吹出される空気が前記被乾燥物の端部に衝突することを特徴とする請求項5に記載の空気流による乾燥方法。
  7. 前記筒状乾燥装置(6)は、一端側治具(6a)と他端側治具(6b)から構成され、
    前記他端側治具(6b)は、前記被乾燥物収納空間(15)内の他端側にて前記長尺物からなる被乾燥物(1)を保持し、かつ空気排出口(11a、11b、11c、11d)を有する着座面を供え、
    前記一端側治具(6a)は、前記他端側治具(6b)に着脱自在に設けられ、前記第1乃至第3ノズル(10)が設けられており、
    前記他端側治具(6b)によって、前記被乾燥物収納空間(15)の内壁に接触することなく前記被乾燥物(1)を保持し、前記被乾燥物収納空間(15)の内壁と前記被乾燥物(1)の表面との間の隙間(20)を前記旋廻流として流れた空気を前記空気排出口(11a、11b、11c、11d)から排出することを特徴とする請求項6に記載の空気流による乾燥方法。
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