JP2010090924A - ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な部分のみ高周波焼入れされたねじ軸及びナットの少なくとも一方を有するボールねじを提供する。
【解決手段】ねじ軸の外周面には、ボールが転走する螺旋状のボール転走溝1aが形成される。ボール転走溝1aの表面には、ボール転走溝1aの底部16を挟んでねじ軸の軸線方向の一方側の有効硬化層10と他方側の有効硬化層10とが高周波焼入れによって形成される。深さが零になる一方側の有効硬化層10の端部10aと深さが零になる他方側の有効硬化層10の端部10aとが、ねじ軸1の軸線方向に零より大きい距離γ1を持って離れる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじに関する。
ボールねじは、ねじ軸の外周面の螺旋状のボール転走溝とナットの内周面の螺旋状の負荷ボール転走溝を対向させ、これで生ずる負荷ボール転走路に転がり運動可能に複数のボールを介在させたものである。負荷ボール転走路を転がるボールを循環させるために、ナットにはリターンパイプが取り付けられる。ナットの負荷ボール転走溝の一端まで転がったボールは、リターンパイプによって掬い上げられ、数巻き手前のナットの負荷ボール転走溝の他端に戻される。
ねじ軸のボール転走溝やナットの負荷ボール転走溝の表面には、耐磨耗性・耐疲労性の向上のために焼入れによって硬化層が形成される。焼入れの手法には、高周波焼入れ、浸炭焼入れ、レーザービーム焼入れなどが知られている。ここで、ボール転走溝や負荷ボール転走溝の硬化層は、ボールからの面圧に耐え得る深さを持たなければならない。高周波焼入れには硬化層の深さを制御し易いという利点があることから、一般的に高周波焼入れが採用されている。
従来の高周波焼入れ方法として特許文献1には、ねじ軸の高周波焼入れ範囲を接触角線の方向と谷底方向の二方向の有効硬化層の深さで規定し、接触角線の方向の有効硬化層の深さを谷底方向の有効硬化層の深さよりも深くする焼入れ方法が開示されている。すなわち、ねじ軸のボール転走溝を高周波焼入れする範囲として、ボールの中心とボール転走溝の底とを結んだ谷底方向、及び谷底方向に対して45度傾いた接触角線の方向の有効硬化層の深さが規定されていた。そして、実際に焼入れされた有効硬化層の深さが規定された有効硬化層の深さ以上になるように高周波焼入れがなされていた。
特開2005−337414号公報
しかし、二方向の深さ規定を満足させるためには、ボール転走溝の谷底まで所定の深さを持って焼入れする必要がある。ボールねじの通常の使用状態ではボール転走溝の底にボールが接触することがないので、ボール転走溝の谷底方向で有効硬化層の深さを規定すると、必要以上の焼入れになる。また、ボール転走溝のねじ山から谷底に向かって加熱することになるので、軸径の大きなねじ軸を焼入れしようとすると、ボール転走溝の谷底まで熱を到達させるのに時間がかかったり、ねじ山が加熱過剰になったりするという課題が生ずる。
そこで本発明は、必要な部分のみ高周波焼入れされたねじ軸及びナットの少なくとも一方を有するボールねじを提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝を有するナットと、前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの前記負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、を備えるボールねじにおいて、前記ねじ軸の前記ボール転走溝の表面に前記ボール転走溝の底部を挟んでねじ軸の軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、深さが零になる前記一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ねじ軸の軸線方向に零より大きい距離を持って離れるボールねじである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボールねじにおいて、あらかじめ底部に逃げ溝が形成されたボール転走溝を高周波焼入れすることによって、前記ボール転走溝の表面に前記逃げ溝を挟んで前記ねじ軸の軸線方向の前記一方側の有効硬化層と前記他方側の有効硬化層とが形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のボールねじにおいて、前記ボールと前記ボール転走溝との接触点と前記ボールの中心点とを結んだ接触角の方向における前記一方側及び前記他方側の有効硬化層の深さと、前記ボールに荷重がかかったときの前記ボールと前記ボール転走溝との接触面の最奥部と前記ボールの中心点とを結んだ最奥部方向における前記一方側及び前記他方側の有効硬化層の深さとの比は、1:0.2〜0.7に設定されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝を有するナットと、前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの前記負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、を備えるボールねじにおいて、前記ナットの前記負荷ボール転走溝の表面に前記負荷ボール転走溝の底部を挟んでナットの軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、深さが零になる一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ナットの軸線方向に零より大きい距離を持って離れるボールねじである。
請求項5に記載の発明は、外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸において、前記ボール転走溝の表面に前記ボール転走溝の底部を挟んでねじ軸の軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、深さが零になる前記一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ねじ軸の軸線方向に零より大きい距離を持って離れるねじ軸である。
ボールが接触する範囲に高周波焼入れ範囲が限定されることになるので、必要な範囲に対してむらのない焼入れ組織と硬さが得られる。また、高周波焼入れ範囲が従来より狭まるので、焼入れにおける変形量が小さくなり、品質の向上が達せられる。
図1は、本発明の一実施形態のねじ軸及びナットを使用したボールねじの斜視図を示す。ボールねじは、外周面に螺旋状のボール転走溝1aが形成されたねじ軸1と、内周面にボール転走溝1aに対向する螺旋状の負荷ボール転走溝2aが形成されるナット2と、ねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間に転がり運動可能に介在される複数のボール3と、を備える。
ねじ軸1の材質は炭素量0.4%以上の炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼等である。ねじ軸1の外周面には、所定のリードのボール転走溝1aが研削加工や転造加工によって形成される。ボール転走溝1aの断面形状については後述する。ボール転走溝1aは、高周波焼入れされた後、研削加工される。
図2は、ねじ軸1を取り外した状態のナット2の斜視図を示す。ナット2の材質は炭素量0.4%以上の炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼等である。ナット2には、ねじ軸1が貫通する貫通孔2eが開けられる。ナット2の内周面には、所定のリードの螺旋状の負荷ボール転走溝2aが研削加工や転造加工によって形成される。負荷ボール転走溝2aの断面形状はボール転走溝1aの断面形状と同一である。負荷ボール転走溝2aは、高周波焼入れされた後に研削加工される。
ナット2の軸線方向の一端部には、ナット2を相手方の機械部品に取り付けるためのフランジ2bが形成される。ナット2の外周面には平坦な平取り部2cが形成され、平取り部2cにはボールを循環させるリターンパイプ4が取り付けられる。リターンパイプ4は門形状に折り曲げられていて、その両端部がナット2の平取り部2cに設けた貫通孔2dに挿入される。リターンパイプ4は、押え部材5によってナット2に固定される。
リターンパイプ4には、ナット2の負荷ボール転走溝2aの一端と他端とを接続する無負荷戻し路が形成される。図3に示されるように、ねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間の負荷ボール転走路の一端まで転がったボール3は、リターンパイプ4の無負荷戻し路内に掬い上げられる。ボール3はリターンパイプ4の無負荷戻し路を経由した後、リターンパイプ4の反対側から負荷ボール転走路の他端に戻される。
図4及び図5は、高周波焼入れ装置のコイルによって加熱されるねじ軸1を示す。図4はねじ軸1の外周の全体を加熱するコイル6を示す。コイル6はねじ軸1の外周の全体を囲み、ねじ軸1の外周の全体を加熱する。このコイル6はねじ軸1の軸線方向に単層又は複層に形成される。高周波電源を用いてコイル6に高周波電流を流すと、高周波の電磁場によってねじ軸1の表面に高周波の誘導電流が流れ、ねじ軸1の表面が発熱する。ねじ軸1をコイル6に対して軸線の回りを回転させながら軸線方向に移動させることによって、ねじ軸1の全長を加熱することができる。加熱されたねじ軸1にはオイル又は水が噴射される。加熱したねじ軸1を急冷することによって、ねじ軸1に焼入れ処理を施すことができる。
なお、ボール転走溝1aの表面の有効硬化層の深さや範囲を変えるために、一つのコイル6の周波数と他のコイル6の周波数とを異ならせてもよい。また、ねじ軸1の外周の全体を囲む円形のコイル6を使用する替わりに半円形のコイルを使用してもよい。
図5は、ねじ軸1の一つのねじ山1a1のみを加熱するコイル8を示す。このコイル8はねじ山を挟んだV字形状に形成される。ねじ山1a1に沿ったコイル8の長さは、ねじ山1a1の一周未満の長さに設定され、例えばねじ山1a1の周囲を90度程度囲む長さに設定される。コイル8に高周波電流を流すと、ねじ軸1のねじ山1a1が発熱する。コイル8をねじ山1a1に沿って相対的に移動させると(すなわち、ねじ軸1を回転させながらリードに合わせてねじ軸1を軸線方向に移動させると)、ねじ山1a1を一山ずつ加熱することが可能になる。ねじ軸1の径が大きくなると、ねじ山1a1を一山ずつ加熱する方がねじ軸1の外周の全体を加熱するよりも、有効硬化層の深さを得るまでの加熱時間を短くすることができる。加熱されたねじ軸1にはオイル又は水が噴射される。加熱したねじ軸1を急冷することによって、ねじ軸1に焼入れ処理を施すことができる。
図6は、ねじ軸1の高周波焼き入れ範囲を示す。ねじ軸1の高周波焼入れ範囲は、ボール3からの面圧に耐える有効硬化層10の深さを持ち、かつボール3が接触する接触面11の全体をカバーするものでなくてはならない。ねじ軸1のボール転走溝1aの断面形状は、二つの円弧からなるゴシックアーチ溝形状に形成される。二つの円弧R1,R2の中心C1,C2はねじ軸1の軸長方向に距離α離れ、またボール3の中心C3から軸長方向に直交する方向に距離β離れる。ボール3はねじ軸1のボール転走溝1aに二点で接触する。
ボール3とボール転走溝1aとの接触点P1とボール3の中心点C3とを結んだ線L1と、ねじ軸1の軸長方向L3とのなす角度(接触角)は、45度に設定される。ボール3に荷重がかかると、接触角の方向(1)のボール転走溝1aの面圧が最大になる。また、ボール3に荷重がかかると、ボール3とボール転走溝1aとの接触面積も増える。ボールねじに例えば静定格荷重かかかったとき、ボール3が接触する接触面11の最奥部14は、ねじ軸1の軸長方向L3に対して最奥部方向(2)に位置する。そこで、面圧が最大となるねじ軸1の軸長方向L3に対して45度の方向(1)と、接触面11の最奥部方向(2)の二方向で有効硬化層10の深さを規定する。ボール3の中心点C3と最奥部14とを結んだ線L2とねじ軸1の軸長方向L3とのなす角度θは、55度〜75度に設定される。そして、接触角の方向1)における有効硬化層10の深さと最奥部方向(2)における有効硬化層10の深さとの比を、1:0.2〜0.7に規定する。ここで、有効硬化層10の深さは、50%マルテンサイト(ハーフマルテンサイトと呼ばれる)までの深さに該当し、鋼のC%によってその限界硬さが決められる。例えば炭素量0.6%の鋼材の場合、ビッカース(HV)硬さ500までの深さが有効硬化層10の深さと定義される。有効硬化層10の深さの絶対値は、例えば最大せん断応力深さをもって設定される。
このように有効硬化層の深さを規定することにより、ボール転走溝1aの表面に底部16を挟んでねじ軸1の軸線方向の一方側の有効硬化層10(図中左側)と他方側の有効硬化層10(図中右側)とを分離して形成することができる。接触角の方向(1)における有効硬化層10の深さと最奥部方向(2)における有効硬化層10の深さとの比が0.7を超えると、一方側の有効硬化層10と他方側の有効硬化層10とを分離しにくくなる。0.2未満だと接触面11の全体に有効硬化層10を形成しにくくなる。一方側及び他方側の有効硬化層10の深さは、ボール転走溝1aの底部16に向かって徐々に浅くなり、底部16にたどりつく前に零になる。深さが零になる一方側の有効硬化層10の端部10a(図中左側)と深さが零になる他方側の有効硬化層10の端部10a(図中右側)とは、ねじ軸1の軸長方向L3に零より大きい距離γ1を持って離れる。
ボール転走溝1aの底部16には、研削時の逃げのための逃げ溝18が加工されることがある。この場合、一方側の有効硬化層10と他方側の有効硬化層10とは逃げ溝18を挟んで分離して形成されることになる。一方側及び他方側の有効硬化層10の端部10aは逃げ溝18の横幅γ2の内側に入ってもいいが、これらの端部10aは繋がらない。一方側の有効硬化層10の端部10aと他方側の有効硬化層10の端部10aとの間の距離γ1は、逃げ溝18の横幅γ2と同じかそれ以上が望ましい。
本実施形態によれば、ボール3が接触する範囲に高周波焼入れ範囲が限定されることになるので、必要な範囲に対してむらのない焼入れ組織と硬さが得られる。また、焼入れにおけるねじ軸1の変形量を低減することができ、ねじ軸1のリードが伸びたり、縮んだりするのを防止することができるので、研削加工や矯正工程での負荷が低減し、品質を向上させることができる。
さらに、ボール転走溝1aの底部に逃げ溝18を形成した場合、逃げ溝18は熱を逃がす役割も持つ。コイル6,8はボール転走溝1aの左右方向の一方側を加熱した後、ボール転走溝1aの他方側を加熱する。コイル6,8がボール転走溝1aの他方側を加熱するとき、ボール転走溝1aの一方側は冷え始めている。このため、ボール転走溝1aの他方側の熱はボール転走溝1aの一方側に移動しようとする。しかし、一旦冷やされたボール転走溝1aの一方側が再度加熱されると、ボール転走溝1aの一方側が焼なましされ、ボール転走溝1aの一方側の硬度が低下してしまう。これに対して、ボール転走溝1aの底部に形成される逃げ溝18は、ボール転走溝1aの他方側から一方側に伝わる熱を大気に逃がし、他方側から一方側に熱が伝わるのを遮断することもできる。
ナット2を高周波焼入れするとき、ナット2の内側に円柱形状のコイルを挿入し、ナット2の負荷ボール転走溝2aとねじ山とを、ねじ軸1と同様にして高周波焼入れする。このときも、ねじ軸1と同様に有効硬化層の深さが規定される。
図7は高周波焼入れしたねじ軸の断面図を示す。ボール転走溝に形成される一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とをねじ軸の軸線方向に分離させることができた。
図8はねじ軸のボール転走溝の有効硬化層の深さを測定した結果を示す。ビッカース(HV)硬さ500までの深さを測定したところ、図7のa方向(ねじ軸の軸長に対して45度の方向)、b方向(ねじ軸の軸長に対して最奥部方向)、c方向(ねじ軸の軸長に対して45度の方向)、d方向(ねじ軸の軸長に対して最奥部方向)のいずれも規定された有効硬化層の深さを超えることができた
なお、本発明は上記実施形態に限られず、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態にも適用できる。例えば本発明は、リターンパイプ方式のボールねじに限られず、エンドキャップ方式やデフレクタ方式のボールねじに適用することができる。また、一般的な接触角は45度に設定されることが多いが、負荷容量に応じて接触角が45度以外に設定されることもある。もちろん、接触角が45度でなくても同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態のねじ軸及びナットを使用したボールねじの斜視図 ナットの斜視図 ねじ軸及びリターンパイプを示す側面図 コイルによって加熱されるねじ軸を示す側面図(ねじ軸の外周の全体を加熱する場合) コイルによって加熱されるねじ軸を示す側面図(ねじ軸の一つのねじ山を加熱する場合) ねじ軸の高周波焼き入れ範囲を示す断面図 高周波焼入れしたねじ軸の断面図 有効硬化層の深さを測定したグラフ
符号の説明
1…ねじ軸,1a…ボール転走溝,1a1…ねじ山,2…ナット,2a…負荷ボール転走溝,3…ボール,6,8…コイル,10…有効硬化層,10a…端部,16…底部,18…逃げ溝


Claims (5)

  1. 外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝を有するナットと、前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの前記負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、を備えるボールねじにおいて、
    前記ねじ軸の前記ボール転走溝の表面に前記ボール転走溝の底部を挟んでねじ軸の軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、
    深さが零になる前記一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ねじ軸の軸線方向に零より大きい距離を持って離れるボールねじ。
  2. あらかじめ底部に逃げ溝が形成されたボール転走溝を高周波焼入れすることによって、前記ボール転走溝の表面に前記逃げ溝を挟んで前記ねじ軸の軸線方向の前記一方側の有効硬化層と前記他方側の有効硬化層とが形成されることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記ボールと前記ボール転走溝との接触点と前記ボールの中心点とを結んだ接触角の方向における前記一方側及び前記他方側の有効硬化層の深さと、前記ボールに荷重がかかったときの前記ボールと前記ボール転走溝との接触面の最奥部と前記ボールの中心点とを結んだ最奥部方向における前記一方側及び前記他方側の有効硬化層の深さとの比は、1:0.2〜0.7に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
  4. 外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸と、内周面に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝を有するナットと、前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの前記負荷ボール転走溝との間に介在される複数のボールと、を備えるボールねじにおいて、
    前記ナットの前記負荷ボール転走溝の表面に前記負荷ボール転走溝の底部を挟んでナットの軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、
    深さが零になる一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ナットの軸線方向に零より大きい距離を持って離れるボールねじ。
  5. 外周面にボールが転走する螺旋状のボール転走溝を有するねじ軸において、
    前記ボール転走溝の表面に前記ボール転走溝の底部を挟んでねじ軸の軸線方向の一方側の有効硬化層と他方側の有効硬化層とが高周波焼入れによって形成され、
    深さが零になる前記一方側の有効硬化層の端部と深さが零になる前記他方側の有効硬化層の端部とが、前記ねじ軸の軸線方向に零より大きい距離を持って離れるねじ軸。
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