JP2002130417A - ねじ及びその製造方法 - Google Patents

ねじ及びその製造方法

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JP2002130417A JP2000327692A JP2000327692A JP2002130417A JP 2002130417 A JP2002130417 A JP 2002130417A JP 2000327692 A JP2000327692 A JP 2000327692A JP 2000327692 A JP2000327692 A JP 2000327692A JP 2002130417 A JP2002130417 A JP 2002130417A
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nut
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groove
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Takeki Shirai
武樹 白井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ溝に焼入れを行うことによりリード精度
の低下を招くことのないねじ及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 雄ねじ部が形成されたねじ軸と、雄ねじ
部に対応して雌ねじ部が形成されたナットからなるねじ
であって、雄ねじ部及び雌ねじ部の各ねじ溝12aの少
なくとも何れか一方が、その底部所定領域12a−3を
挟んで両側面に個別にレーザビームL又は電子ビームに
よる焼入れ領域を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はねじ軸とナットによ
って構成されるねじに関し、特に焼入れによりリード精
度の低下がないねじ及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図1は従来のこの種の転動体としてボー
ルを使用するねじ、即ちボールねじの構成を示す図であ
る。図示するように、ボールねじはねじ軸101とナッ
ト102を具備し、ねじ軸101は転動体であるボール
(図示せず)が転走する転動体転走面となる雄ねじ溝1
03aを有する雄ねじ部103が形成されており、ナッ
ト102には該雄ねじ部103の雄ねじ溝103aに対
応してボールが転走する負荷転動体転走面となる雌ねじ
溝を有する雌ねじ部(図示せず)が形成されている。
【0003】従来、上記構成のねじ軸101の転動体転
走面となる雄ねじ溝103aやナット102の負荷転動
体転走面となる雌ねじ溝には、ねじ切り加工後に焼入れ
を行っている。図2及び図3はねじ軸101の転動体転
走面となる雄ねじ溝103aに焼入れをする例を示す図
である。図2では、ねじ軸101にねじ切り加工(鍛造
又は切削加工)後に浸炭手法により軸101の全表面に
所定の厚さの焼入れ部101aを形成している。また、
図3では、ねじ軸101にねじ切り加工後に雄ねじ溝1
03aの全面を高周波焼入れして焼入れ部101bを形
成し、その後雄ねじ溝103aの底部に逃げ溝101c
を形成して応力を切断している。
【0004】上記図2に示す方法は、ねじ軸101の全
表面に焼入れ部101aを形成するため、ねじ軸101
の変形は避けられず、リード精度を高くできないという
問題があった。また、図3に示す方法も雄ねじ溝103
aの全面に焼入れ部101bを形成するため、その後に
逃げ溝101cを形成して応力を切断しようとも、若干
の影響は避けられず、リード精度を高めることが難しい
という問題があった。なお、ナット102においても、
同様な焼入れを行うため、同様な問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたもので、ねじ溝に焼入れを行うことにより
リード精度の低下を招くことのないねじ及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明は、雄ねじ部が形成されたねじ軸
と、雄ねじ部に対応して雌ねじ部が形成されたナットか
らなるねじであって、雄ねじ部及び雌ねじ部の各ねじ溝
の少なくとも何れか一方が、その底部所定領域を挟んで
両側面に個別に焼入れ領域を設けたことを特徴とする。
【0007】上記のように、ねじ溝の底部所定領域を挟
んで両側面に個別に焼入れ領域を設けたことにより、ね
じ溝の底部所定領域は焼入れのない部分となり両側面の
みが焼入れ部分となり、他は焼入れによる組成の収縮を
受けないから、ピッチ精度、リード精度は殆ど影響を受
けず、荒い加工時、研削加工時の精度を維持し、最小の
研削代で済み、研削リード誤差も小さくなる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のねじにおいて、ねじ軸の雄ねじ部のねじ溝は転動体転
走面となっており、ナットの雌ねじ部のねじ溝は該転動
体転走面に対応する負荷転動体転走面となっており、該
ナットは該負荷転動体転走面を含む転動体循環路を具備
し、転動体循環路に複数の転動体を配列収容し、該転動
体はねじ軸及びナットの相対回転に伴って循環するよう
に構成したことを特徴とする。
【0009】上記のように転動体転走面となっているね
じ軸のねじ溝及び負荷転動体転走面となっているナット
のねじ溝の少なくとも何れか一方が、その底部所定領域
を挟んで両側面に個別に焼入れ領域を設けた構成である
ので、高いピッチ精度、リード精度を有するねじ軸、ナ
ットで構成されたねじとなる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のねじにおいて、ねじ軸の転動体転走面及びナットの負
荷転動体転走面は、異なる2つの円弧が交差する断面形
状を有し、転動体はボールであることを特徴とする。
【0011】上記のようにねじ軸の転動体転走面及びナ
ットの負荷転動体転走面は、異なる2つの円弧が交差す
る断面形状、即ちゴシックアーチ形状となっているの
で、2つの円弧が交差する部分の底部は転動体であるボ
ールが接触しない部分であり、焼入れを必要としていな
い部分であるから、この底部所定領域を挟んで両側面に
個別に焼入れ領域を設けることにより、本発明の上記効
果が有効に作用する。
【0012】請求項4に記載の発明は、雄ねじ部が形成
されたねじ軸と、雄ねじ部に対応して雌ねじ部が形成さ
れたナットからなるねじの製造方法であって、雄ねじ部
及び雌ねじ部の各ねじ溝の少なくとも何れか一方に、そ
の底部所定領域を挟んで両側面を個別にレーザービーム
或いは電子ビームで焼入れしたことを特徴とする。
【0013】レーザービーム或いは電子ビームによる焼
入れでは、ねじ軸及びナットを構成する母材表面にレー
ザービーム或いは電子ビームを照射し、その高エネルギ
ー密度の熱源によって局部的に該母材の表面層をごく短
時間に熱処理温度に到達させて加熱を中断するから、熱
は母材内部に伝導し、急速に冷却が進む結果、焼入れが
行われるものである。その特徴は母材に殆ど変形が生じ
ないので、後加工が省略できること、小さい部分、深い
溝底面などにも適用できるというものである。従って、
上記のようにねじ溝の底部所定領域を挟んで両側面を個
別にレーザービーム或いは電子ビームにより焼入れを行
うことにより、後加工が省略でき、ねじ溝形成の荒い加
工時、研削加工時の精度を維持できる焼入れが可能とな
る。また、レーザービーム或いは電子ビームによる焼入
れの特徴である小さい部分、深い溝底面などにも適用で
きることから、適用するにも困難性がなく、容易に焼入
れ加工を実施できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づいて説明する。図4は本発明に係るねじを構成
するねじ軸の雄ねじ部に焼入れを施す概略構成を示す図
であり、図5はその部分拡大図である。11はねじ軸で
あり、該ねじ軸11は雄ねじ溝12aが形成された雄ね
じ部12を有する。1はレーザービーム照射装置であ
り、該レーザービーム照射装置1はレーザービーム照射
ヘッド2を具備し、ねじ軸11の雄ねじ溝12aの所定
の部分にレーザービームを照射できるようになってい
る。
【0015】ねじ軸11は回転送り機構(図示せず)に
装着し、矢印Aに示す方向に所定の速度で回転させ、且
つ矢印Bに示すように所定の速度で移動するようになっ
ている。レーザービーム照射装置1は所定の位置に固定
され、そのレーザービーム照射ヘッド2は図5に示すよ
うに、雄ねじ溝12aの底部所定領域12a−3を挟ん
だ片側にレーザービーム(光)Lを照射するように向け
られている。雄ねじ溝12aは2つの円弧12a−1、
12a−2が交差する断面形状、即ちゴシックアーチ形
状となっている。
【0016】レーザービーム照射装置1のレーザービー
ム照射ヘッド2から上記のように雄ねじ溝12aの底部
所定領域12a−3を挟んだ片側の円弧12a−1面に
レーザービームLを照射しながら、ねじ軸11を矢印A
に示すように所定の速度で回転させ且つ矢印Bに示すよ
うに所定の速度で移動させることにより、雄ねじ溝12
aの上記円弧12a−1面の焼入れを行う。ねじ軸11
の雄ねじ部12の一端から他端までの円弧12a−1面
の焼入れが終わったら、反対に該他端から一端までの円
弧12a−2面の焼入れを行う。
【0017】レーザービームLによる焼入れでは、母材
表面にレーザービームLを照射し、その高エネルギー密
度の熱源によって局部的に母材表面層をごく短時間に熱
処理温度に到達させて加熱を中断するから、熱は母材内
部に伝導し、急速に冷却が進む結果、焼入れが行われ
る。その特徴は上記のように母材に殆ど変形を生じない
ので、後加工が省略できることである。従って、上記の
ように雄ねじ溝12aの底部所定領域12a−3を挟ん
で両側の円弧12a−1、12a−2の面に焼入れを行
うことにより、後加工が省略でき、ねじ溝形成の荒い加
工時、研削加工時の精度を維持できる焼入れが可能とな
る。また、レーザービームLによる焼入れの特徴を活か
して狭い雄ねじ溝12aの部分的焼入れであるから、容
易に焼入れ加工が実施できる。
【0018】なお、上記例では雄ねじ溝12aは2つの
円弧12a−1、12a−2が交差する断面形状になっ
ているから、底部は転動体であるボールの当接しない部
分であり、この部分に焼入れを施さなくとも問題はな
い。また、雄ねじ溝12aを単一の円弧で形成した場合
でも、底部に転動体であるボールが当接しないように凹
みを設けることにより対処することが可能である。
【0019】図6はレーザービーム照射装置(炭酸ガス
レーザー装置)1の構成例を示す図である。図示するよ
うに、レーザービーム照射装置1は筒状で両端部に全反
射鏡1−5及び半透明鏡1−6が設けられたレーザー容
器1−1を有し、該レーザー容器1−1内にレーザーガ
ス(CO2+N2+Heの混合ガス)Gを充填し、強制循
環ポンプ1−2により強制循環させるようになってい
る。1−3、1−4はそれぞれ陰極電極、陽極電極であ
り、該陰極電極1−3と陽極電極1−4の間に所定の電
圧を印加することにより、レーザー容器1−1でグロー
放電が発生し、レーザー発振が起りレーザー光が発生す
る。発生したレーザー光は半透明鏡1−6を通り反射鏡
1−7で反射され、レーザービーム照射ヘッド2に導か
れる。なお、レーザー容器1−1内のグロー放電で加熱
したレーザーガスは熱交換器1−8で冷却され、強制循
環ポンプ1−2より循環する。
【0020】図7は本発明に係るねじを構成するナット
の雌ねじ部に焼入れを施す概略構成を示す図である。1
3はナットであり、該ナット13は上記ねじ軸11の雄
ねじ部12に対応して雌ねじ溝14aが形成された雌ね
じ部14を有する。3はレーザービーム照射装置(図示
せず)のレーザービーム照射ヘッドであり、ナット13
の雌ねじ溝14aの所定部分にレーザー光を照射できる
ようになっている。
【0021】ナット13は回転送り機構(図示せず)に
装着し、矢印Cに示す方向に所定の速度で回転させ、且
つ矢印Dに示すように所定の速度で移動するようになっ
ている。図示しないレーザービーム照射装置は所定の位
置に固定され、そのレーザービーム照射ヘッド3は図5
に示すと同様、雌ねじ溝14aの底部所定領域を挟んだ
片側面にレーザー光Lを照射するように向けられてい
る。雌ねじ溝14aは異なる2つの円弧が交差する断面
形状、即ちゴシックアーチ形状となっている。なお、雌
ねじ溝14aを単一の円弧で形成した場合でも、上記と
同様、底部に転動体であるボールが当接しないように凹
みを設けることにより、底部にボールが当接しないよう
にすることができる。
【0022】レーザービーム照射ヘッド3から上記のよ
うに雌ねじ溝14aの底部所定領域を挟んだ片側の円弧
面にレーザービームLを照射しながら、ナット13を矢
印Cに示すように所定の速度で回転させ、且つ矢印Dに
示すように所定の速度で移動させることにより、雌ねじ
溝14aの片側円弧面の焼入れを行う。ナット13の雌
ねじ部14の一端から他端までの片側円弧面の焼入れが
終わったら、反対に該他端から一端までの反対側円弧面
の焼入れを行う。これによりねじ軸11と同様、後加工
が省略でき、ねじ溝形成の荒い加工時、研削加工時の精
度を維持できる焼入れが可能となる。また、レーザー光
による焼入れの特徴を活かして狭い雌ねじ溝14aの部
分的焼入れであるから、容易に焼入れ加工が実施でき
る。
【0023】なお、上記例では、レーザービーム照射装
置1からのレーザービームLによる焼入れを説明した
が、レーザー光による焼入れに限定されるものではな
く、ねじ溝の底部所定領域を挟んで両側面に個別に加熱
でき、焼入れ領域を設けことができるものであれば、例
えば電子ビームや他の粒子ビームを用いてもよいことは
当然である。
【0024】上記ねじ軸11の材料としては、炭素成分
0.4%以上でレーザー或いは電子ビーム焼入れにて、
硬度HRC50以上を確保できる材料を用いる。
【0025】次に、上記のように焼入れ加工されたねじ
軸及びナットを用いたねじについて説明する。図8及び
図9は上記ねじ軸及びナットを用いたボールねじの構成
例を示す図である。ボールねじ20は、外周面に螺旋状
のボール転走溝21aを有するねじ軸21(上記ねじ軸
11に相当する)と、内周面に前記ボール転走溝21a
と対向する螺旋状の負荷転走溝22aを有するナット部
材22(上記ナット13に相当する)と、ボール転走溝
21aと負荷転走溝22aの間を転動するボール23…
とを備えている。
【0026】上記ねじ軸21のボール転走溝21aと、
ナット部材22の負荷転走溝22aとの間で負荷転走路
が構成されている。ナット部材22には、2つのリター
ンパイプ25が嵌合されている。リターンパイプ25
は、負荷転送溝22aの一端と他端を連結して無負荷通
路を構成する。リターンパイプ25の両側は曲げられ、
負荷転送路内に数ピッチの間隔を開けて、嵌入されてい
る。リターンパイプ25はパイプ押え24によってナッ
ト部材22に固定されている。
【0027】ナット部材22は、略円筒状をなし、その
端面にボールねじ20を機械等に取付けるためのフラン
ジ26を備える。ナット部材22の内周面には、ねじ軸
21のボール転走溝21aに対向する負荷転走溝22a
が形成されている。該負荷転走溝22aは上記のように
異なる2つの円弧が交差する断面形状、即ちゴシックア
ーチ形状を有している。ナット部材22には、その上面
が一部平取りされた平面部27が形成されている。該平
面部27には、リターンパイプ25の両側が挿入される
リターンパイプ嵌合穴28が4個所開けられている。こ
のリターンパイプ嵌合穴28は、負荷転走溝22a内ま
で延びている。
【0028】図10は、ねじ軸21とリターンパイプ2
5を示したものである。図示するように、リターンパイ
プ25の脚部25a、25bは、ねじ軸21のリード角
に合わせて傾けて配置されている。ボール23…は、ね
じ軸21のリード角方向すなわち進行方向を保ったま
ま、脚部25a、25bに掬い上げられる。したがっ
て、25a、25b内で方向転換する必要がなく、脚部
25a、25bに強い衝撃が加わるのを防止できる。ま
た、ボール23…が進行方向を保ったまま脚部25a、
25bに掬い上げられるので、切り口の片側に片寄るこ
となく、両脇でバランス良く掬い上げられる。
【0029】ねじ軸21を回転させると、ボール転走溝
21a内を周方向に軸方向荷重を受けながら転がるボー
ル23…は、リターンパイプ25の脚部25a先端で掬
い上げられる。この掬い上げられたボール23…は、リ
ターンパイプ25内を循環する。そして、ボール23…
は、数ピッチ間隔を開いた脚部25bから、再びボール
転走溝21aに戻され,循環する。
【0030】なお、上記例ではボール23…が転走する
ボールねじを説明したが、本発明はボールねじに限定さ
れるものではなく、ボールを使用しない雄ねじ部が形成
されたねじ軸と、該雄ねじ部に対応して雌ねじ部が形成
されたナットからなるねじであってよい。雄ねじ部及び
雌ねじ部の各ねじ溝の底部所定領域を挟んで両側面に個
別に焼入れ領域を設けた構成であればよい。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように各請求項に記載の
発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0032】請求項1に記載の発明によれば、ねじ溝の
底部所定領域を挟んで両側面に個別に焼入れ領域を設け
たことにより、ねじ溝の底部所定領域は焼入れのない部
分となり両側面のみが焼入れ部分となり、他は焼入れに
よる組成の収縮を受けないから、ピッチ精度、リード精
度は殆ど影響を受けず、荒い加工時、研削加工時の精度
を維持し、最小の研削代で済み、研削リード誤差も小さ
くなる。
【0033】請求項2に記載の発明によれば、転動体転
走面となっているねじ軸のねじ溝及び負荷転動体転走面
となっているナットのねじ溝の少なくとも何れか一方
が、その底部所定領域を挟んで両側面に個別に焼入れ領
域を設けた構成であるので、高いピッチ精度、リード精
度を有するねじ軸、ナットで構成されたねじとなる。
【0034】請求項3に記載の発明によれば、ねじ軸の
転動体転走面及びナットの負荷転動体転走面は、異なる
2つの円弧が交差する断面形状、即ちゴシックアーチ形
状となっているので、2つの円弧が交差する部分の底部
は転動体であるボールが接触しない部分であり、この底
部所定領域を挟んで両側面に個別に焼入れ領域を設ける
ことにより、本発明の上記効果が有効に作用するねじを
構成できる。
【0035】請求項4に記載の発明によれば、ねじ軸及
びナットを構成する母材表面にレーザー或いは電子ビー
ムを照射し、その高エネルギー密度の熱源によって局部
的に表面層をごく短時間に熱処理温度に到達させて加熱
を中断するから、母材に殆ど変形が生じることなく、後
加工が省略でき、ねじ溝形成時の荒い加工時、研削加工
時の精度を維持できる焼入れが可能となる。また、レー
ザービーム或いは電子ビームによる焼入れのため狭いね
じ溝でも適用にも困難性がなく、容易に焼入れ加工を実
施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のボールねじの構成を示す図である。
【図2】従来の雄ねじ溝に焼入れ(浸炭手法)をする例を
示す図である。
【図3】従来の雄ねじ溝に焼入れ(高周波焼入れ法)をす
る例を示す図である。
【図4】本発明に係るねじを構成するねじ軸の雄ねじ部
に焼入れを施す概略構成を示す図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】レーザービーム照射装置(炭酸ガスレーザー装
置)の構成例を示す図である。
【図7】本発明に係るねじを構成するナットの雌ねじ部
に焼入れを施す概略構成を示す図である。
【図8】本発明に係るねじ軸及びナットを用いたボール
ねじの構成例を示す図である。
【図9】本発明に係るねじ軸及びナットを用いたボール
ねじの構成例を示す図である。
【図10】ねじ軸とリターンパイプの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 レーザービーム照射装置 2 レーザービーム照射ヘッド 3 レーザービーム照射ヘッド 11 ねじ軸 12 雄ねじ部 13 ナット 14 雌ねじ部 20 ボールねじ 21 ねじ軸 22 ナット部材 23 ボール 24 パイプ押え 25 リターンパイプ 26 フランジ 27 平面部 28 リターンパイプ嵌合穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ねじ部が形成されたねじ軸と、前記雄
    ねじ部に対応して雌ねじ部が形成されたナットからなる
    ねじであって、 前記雄ねじ部及び雌ねじ部の各ねじ溝の少なくとも何れ
    か一方が、その底部所定領域を挟んで両側面に個別に焼
    入れ領域を設けたことを特徴とするねじ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のねじにおいて、 前記ねじ軸の雄ねじ部のねじ溝は転動体転走面となって
    おり、前記ナットの雌ねじ部のねじ溝は該転動体転走面
    に対応する負荷転動体転走面となっており、該ナットは
    該負荷転動体転走面を含む転動体循環路を具備し、 前記転動体循環路に複数の転動体を配列収容し、該転動
    体は前記ねじ軸及びナットの相対回転に伴って循環する
    ように構成したことを特徴とするねじ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のねじにおいて、 前記ねじ軸の転動体転走面及び前記ナットの負荷転動体
    転走面は、異なる2つの円弧が交差する断面形状を有
    し、前記転動体はボールであることを特徴とするねじ。
  4. 【請求項4】 雄ねじ部が形成されたねじ軸と、前記雄
    ねじ部に対応して雌ねじ部が形成されたナットからなる
    ねじの製造方法であって、 前記雄ねじ部及び雌ねじ部の各ねじ溝の少なくとも何れ
    か一方に、その底部所定領域を挟んで両側面を個別にレ
    ーザービーム或いは電子ビームで焼入れしたことを特徴
    とするねじの製造方法。
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