JP2010090526A - 微細繊維およびそれを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂とのなじみが非常に良好である液晶ポリエステルからなる微細繊維が、樹脂中に良分散することによってきわめて高い異方性低減効果を与え、かつ吸湿性が改善された熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長が10μm以上1000μm以下である微細繊維および該微細繊維を含有した熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長が10μm以上1000μm以下である微細繊維および該微細繊維を含有した熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長10μm以上900μm未満の微細繊維とそれを含有する熱可塑性樹脂組成物、およびそれからなる成形品、フィルム、繊維に関するものである。
近年、樹脂材料の高性能化が要求され、様々な充填材を配合した高機能樹脂が提案されている。中でも有機フィラーが環境面からも注目されつつある。
有機高分子からなる有機フィラーの中でも、芳香族ポリエステルからなるウィスカーは、結晶弾性率が35GPaと高く、補強効果などから複合材の有機フィラーとして非常に有用であることが知られている(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献1、2には、ウィスカー状ポリ(p−オキシベンゾイル)結晶、ウィスカー状ポリ(2−オキシ−6−ナフトイル)結晶の製造方法およびそれを熱可塑性樹脂に溶液分散して製造したシート状組成物が開示されているが、ウィスカーの径0.2〜5μmと大きい。
特許文献3には、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸およびこれらの置換基を有する化合物、アセチル化合物を重合してなるポリエステル繊維凝集体が記載されているが、繊維凝集体の長さが2〜4μmと短い。また、凝集体であるためナノオーダーの径のものがあったとしても単分散させることが難しく、樹脂組成物とした際にナノ効果が得難い。
特許文献4には、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ビフェニルジカルボン酸などを重合してなるフィブリル状結晶が記載されているが、フィブリル状結晶の径0.1〜5μmと大きい。
このように大きなウィスカーは樹脂とのなじみが悪く、分散性が悪くなるために良分散した際に得られるはずの補強効果が充分に得られない。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、樹脂とのなじみが非常に良好である液晶ポリエステルからなる微細繊維が、樹脂中に良分散することによってきわめて高い異方性低減効果を与え、かつ樹脂の吸湿性が改善された熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ヒドロキシカルボン酸などの液晶性ポリエステルモノマーを特定の溶媒系、濃度、温度域で重合を行うと微細繊維を生成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、次の(1)〜(6)の構成を特徴とするものである。
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長が10μm以上1000μm以下である微細繊維。
(2)針状部の径が10nm以上90nm以下である(1)記載の微細繊維。
(3)熱可塑性樹脂に(1)または(2)記載の微細繊維を含有した熱可塑性樹脂組成物。
(4)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
(5)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
(6)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなる繊維。
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長が10μm以上1000μm以下である微細繊維。
(2)針状部の径が10nm以上90nm以下である(1)記載の微細繊維。
(3)熱可塑性樹脂に(1)または(2)記載の微細繊維を含有した熱可塑性樹脂組成物。
(4)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
(5)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
(6)(3)記載の熱可塑性樹脂組成物からなる繊維。
樹脂とのなじみが非常に良好である液晶ポリエステルからなる微細繊維が、樹脂中に良分散することによってきわめて高い異方性低減効果を与え、かつ樹脂の吸湿性が改善された熱可塑性樹脂組成物が得られる。
本発明の微細繊維は芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体である。
ここでいう芳香族ヒドロキシカルボン酸とは、分子内に芳香環と、該芳香環に結合する水酸基と、カルボン酸基を少なくとも1つずつ以上有するものであり、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸等を挙げることができる。これらは単独で用いても、混合して用いても良い。これらの中でも、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸、4−ヒドロキシ桂皮酸もしくはそれらの混合物が好ましく、より好ましくは4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸もしくはその混合物であり、最も好ましくは4−ヒドロキシ安息香酸である。
本発明でいう重合体とは、芳香族ヒドロキシカルボン酸の水酸基とカルボン酸基が分子間でエステル結合を生成して連結した高分子体であり、連結する分子数は少なくとも2以上であり、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上である。
本発明の微細繊維には芳香族ヒドロキシカルボン酸と重合しうる芳香族ジオールや芳香族ジカルボン酸などを特性に影響を及ぼさない範囲で共重合することができる。
芳香族ジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどが挙げられ、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙げられ、結晶構造の類似性から芳香族ジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましく、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
これらの共重合成分の芳香族ヒドロキシカルボン酸に対する共重合量としては、全構造単位を100モル%とした際に、芳香族ヒドロキシカルボン酸が70〜100モル%、芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸がそれぞれ0〜25モル%であることが好ましく、より好ましくは芳香族ヒドロキシカルボン酸が90〜100モル%、芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸がそれぞれ0〜10モル%である。
本発明における微細繊維とは、繊維状の構造体のことをいい、繊維の途中に分岐点を有していたり、分岐構造を介して架橋構造となっていても良いが、分岐点を有さない方が1次凝集性が改善され、樹脂への分散性が良くなるため好ましい。
本発明における針状部とは、微細繊維が分岐点を有さない場合には、繊維の両端の細くなっている部分を除いた円柱様の部分を指し、繊維が分岐点を有する場合には、分岐点及び端部を除いた円柱様の部分を指す。該針状部は表面に凹凸を有していても良く、4−ヒドロキシ(トランス)桂皮酸のような剛直性の低い部位を有するモノマーを用いると、球体が連なった形状の針状部を形成する。このような場合には、特に異方性低減効果が高く得られ好ましい。
前記針状部の径は、たとえば透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により写真撮影を行い測定することができる。
本発明における針状部の径は、1nm以上100nm未満であり、好ましくは10nm以上90nm以下である。
針状部の径が1nm以上100nm未満であれば、微細繊維自信の強度が発現し、かつ適度な凝集力を持っているために、熱可塑性樹脂中に分散した際に十分な補強効果が得られるとともに、異方性低減などのナノ効果が得られる。
針状部の径が1nm未満となると、ヒドロキシカルボン酸の針状部径方向への積層度が小さくなりすぎ、十分な補強効果が得られなくなる。針状部の径が100nm以上となると、微細繊維間に発生する1次凝集力が低減し、樹脂組成物とした際にナノ効果が十分得られない。
また、本発明における全長とは、微細繊維が分岐点を有さない場合には、微細繊維の両端間の距離をいい、微細繊維が分岐点を有する場合には、微細繊維の最も長い針状部の先端間の距離を平面投射した際の長さをいい、例えば透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により写真撮影を行い測定することができる。
本発明の微細繊維の全長は、10μm以上1000μm以下であり、好ましくは、15μm以上800μm以下である。該範囲においては、繊維同士の樹脂組成物中での分散が阻害されず、かつ適度な3次元的重なりを有しており、異方性低減や補強効果が得られ好ましい。全長が10μm未満では樹脂組成物とした場合に、繊維の3次元的重なり合いが低下し、異方性低減効果が十分得られない。全長が1000μmを超える場合には、1次凝集が強くなりすぎ、分散によるナノ効果が十分得られなくなる。
前記微細繊維の全長(L)と針状部の径(D)の比(L)/(D)としては、100〜10000が好ましく、より好ましくは110〜1000であり、更に好ましくは120〜500である。
(L)/(D)が100以上10000以下の場合の場合、繊維同士の3次元的な重なり合いの頻度が適当に得られ、異方性低減効果が顕著となり好ましい。
本発明の微細繊維の製造方法は限定されるものではないが、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその他の特性に影響を与えない程度の共重合成分のフェノール性水酸基を無水酢酸を用いてアセチル化し、該芳香族アセトキシカルボン酸を重合して得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸重合体である微細繊維が微溶である溶媒中で270〜350℃で重合することによって得られる。
用いる芳香族ヒドロキシカルボン酸や特性に影響ない範囲で共重合する芳香族ジオールのフェノール性水酸基をアセチル化する方法としては、無水酢酸と重合溶媒およびこれらモノマーを共存させ、例えば120〜160℃の温度で0.5〜5時間還留加熱し、その後160〜250℃程度まで加熱して反応生成した酢酸を留去しつつ重合する方法や、モノマーと無水酢酸のみを120〜160℃の温度で0.5〜5時間還留加熱してモノマーをアセチル化した後、160℃〜250℃程度まで加熱して反応生成した酢酸を留去し、その後重合溶媒を加えて250〜350℃で重合する方法などが挙げられる。もしくは予め別反応器を用いてアセチル化したモノマーを用いても良い。
アセチル化に用いる無水酢酸量はフェノール性水酸基の当量に対して1.02〜1.15倍過剰に用いることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.12倍過剰である。
用いる重合溶媒は、反応条件において液状であれば特に限定されないが、ハンドリング性の面から室温にて液状であり、かつ沸点が200℃以上、より好ましくは沸点が250℃以上であり、最も好ましくは沸点が300℃以上400℃未満である。
また、得られる微細繊維は微溶であることが好ましい。ここでいう微溶とは、重合温度において、微細繊維を形成する芳香族ヒドロキシカルボン酸の平均重合度が3以上になった場合に析出を開始する状態をいう。このような溶媒を選択し、250℃〜350℃で重合することで、これまでにない微細な結晶が繊維状に析出し、微細繊維が得られる。重合温度としてはより好ましくは270〜330℃であり、更に好ましくは290〜320℃である。なお、平均重合度は、例えばペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーなどによって測定できる。
用いる重合溶媒は、主として用いる溶媒(A)単独でも、溶媒(B)を混合した混合溶媒でも良い。
主として用いる溶媒(A)は、具体的には、ジイソプロピルナフタレン、ジエチルナフタレン、エチル−イソプロピルナフタレン、シクロヘキシルビフェニル、ジエチルビフェニル、トリエチルビフェニル、ジフェニルエーテルなどの芳香族化合物、常圧下における沸点が200℃以上のパラフィン系炭化水素などの脂肪族化合物が挙げられる。特に沸点が200℃以上のパラフィン系炭化水素、トリエチルビフェニル、ジフェニルエーテルなどが好ましく、特にジフェニルエーテルが好ましい。
溶媒(B)としては、例えば微細繊維の良溶媒であるハロゲン置換フェノールやハロゲン置換ナフタレン、ハロゲン置換ナフトールなどが挙げられ、中でも、1−クロロナフタレンが好ましい。
(A)と(B)の混合比率は99/1〜50/50が好ましく、より好ましくは98/2〜70/30である。
(B)を混合することで、芳香族ヒドロキシカルボン酸またはそのアセチル化物が昇華して系外に出ることを、(B)の還留によって抑制することができ、収率が向上するため好ましい。
重合溶媒中から微細繊維は自己析出してくるが、積極的に微細繊維を析出させる手法として、重合系に磁流を設けたり、超音波やレーザーを当てることで析出を促すこともできる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸もしくはそのアセチル化物の重合溶媒中での濃度は0.01〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.4重量%であり、更に好ましくは0.2〜0.3重量%である。
該濃度範囲においては、繊維径が本発明の好ましい範囲となる微細繊維が得られやすく好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂の好ましい具体例は、ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系重合体、ポリスチレンなどの結晶性樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアリーレンオキシドなどの非晶性樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリエステル、液晶ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートが好ましく、ポリエステル、液晶ポリエステルおよびポリアミドが最も好ましい。また、熱可塑性樹脂はこれらの2種以上であってもよい。
上記ポリエステルとしては、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)を主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体が好ましく挙げられる。ここでいうジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2, 6−ナフタレンジカルボン酸、2, 7−ナフタレンジカルボン酸、1, 5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4, 4' −ビフェニルカルボン酸、4, 4' −ジフェニルエーテルカルボン酸、1, 2−ビス(p−カルボキシフェノキシ)エタン、あるいはそのエステル形成性誘導体などが挙げられる。なお、30モル%以下であればアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1, 4−シクロヘキサンジカルボン酸、1, 3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族カルボン酸で置換してもよい。また、ジオール成分としては炭素数2〜10までの脂肪族ジオールすなわちエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1, 5−ペンタングリコール、デカメチレングリコール、3−メチル−1, 3−プロペンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−1, 2−ビス(フェノキシ)エタン−4, 4' −ジカルボキシレート、ポリエチレン−2, 6−ナフタレート、ポリ−1, 4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどおよびポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ−1, 4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステルが挙げられる。これらの中で好ましいポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、およびポリ−1, 4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げられる。さらに、ポリブチレンテレフタレートがより好ましい。ポリブチレンテレフタレートの対数粘度は0.9〜1.3であることが好ましく、さらに好ましくは0.92〜1.25である。なお、ポリブチレンテレフタレートの対数粘度は、25℃で0.5重量%オルトクロロフェノール溶液を用いて求めた相対粘度の対数を濃度で割って求めることができる。
上記液晶性ポリエステルは、異方性溶融相を形成し得るポリエステルであり、例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルである。
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどから生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位が挙げられる。
液晶性ポリエステルの具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
特に好ましいのは、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリエステルである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、構造単位(III)はハイドロキノンから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を、構造単位(V)はイソフタル酸から生成した構造単位を各々示す。
構造単位(I)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して65〜80モル%であり、より好ましくは68〜75モル%である。また、構造単位(II)は構造単位(II)および(III)の合計に対して60〜75モル%であり、より好ましくは65〜73モル%である。また、構造単位(IV)は構造単位(IV)および(V)の合計に対して60〜92モル%であり、好ましくは60〜70モル%であり、より好ましくは62〜68モル%である。
特に、構造単位(IV)が構造単位(IV)および(V)の合計に対して62〜68モル%である場合には、本発明の特性である成形加工性がバランス良く発現するため好ましい。
構造単位(II)および(III)の合計と(IV)および(V)の合計は実質的に等モルであるが、ポリマーの末端基を調節するためにカルボン酸成分またはヒドロキシル成分を過剰に加えてもよい。すなわち「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットとしては等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4´−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
なかでもp−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法が好ましい。
さらに、4,4´−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンの合計使用量とテレフタル酸およびイソフタル酸の合計使用量は、実質的に等モルである。無水酢酸の使用量は、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンのフェノール性水酸基の合計の1.15当量以下であることが好ましく、1.10当量以下であることがより好ましく、下限については1.0当量以上であることが好ましい。
本発明において、液晶性ポリエステルを脱酢酸重縮合反応により製造する際に、液晶性ポリエステルが溶融する温度で減圧下反応させ、重縮合反応を完了させる溶融重合法が好ましい。例えば、所定量のp−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸、無水酢酸を攪拌翼、留出管を備え、下部に吐出口を備えた反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱し水酸基をアセチル化させた後、液晶性ポリエステルの溶融温度まで昇温し、減圧により重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。アセチル化させる条件は、通常130〜300℃の範囲、好ましくは135〜200℃の範囲で通常1〜6時間、好ましくは140〜180℃の範囲で2〜4時間反応させる。重縮合させる温度は、液晶性ポリエステルの溶融温度、例えば、250〜350℃の範囲であり、好ましくは液晶性ポリエステルの融点+10℃以上の温度である。重縮合させるときの減圧度は通常0.1mmHg(13.3Pa)〜20mmHg(2660Pa)であり、好ましくは10mmHg(1330Pa)以下、より好ましくは5mmHg(665Pa)以下である。なお、アセチル化と重縮合は同一の反応容器で連続して行っても良いが、アセチル化と重縮合を異なる反応容器で行っても良い。
得られたポリマーは、それが溶融する温度で反応容器内を例えば、およそ1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、反応容器下部に設けられた吐出口よりストランド状に吐出することができる。溶融重合法は均一なポリマーを製造するために有利な方法であり、ガス発生量がより少ない優れたポリマーを得ることができ、好ましい。
本発明において、液晶性ポリエステルを製造する際に、固相重合法により重縮合反応を完了させることも可能である。例えば、本発明における液晶性ポリエステルのポリマーまたはオリゴマーを粉砕機で粉砕し、窒素気流下、または、減圧下、液晶性ポリエステルの融点−5℃〜融点−50℃(例えば、200〜300℃)の範囲で1〜50時間加熱し、所望の重合度まで重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。固相重合法は高重合度のポリマーを製造するための有利な方法である。
液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
本発明における液晶性ポリエステルは、数平均分子量は3,000〜25,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜20,000、より好ましくは8,000〜18,000の範囲である。
なお、この数平均分子量は液晶性ポリエステルが可溶な溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
また、本発明における液晶性ポリエステルの溶融粘度は1〜200Pa・sが好ましく、10〜200Pa・sがより好ましく、さらには10〜100Pa・sが特に好ましい。
なお、この溶融粘度は液晶性ポリエステルの融点+10℃の条件で、ずり速度1,000/sの条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
なお、本発明では、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。
上記ポリアミドとしては、ω- アミノ酸またはω- ラクタムから得られるポリアミド、またはジアミンやm-キシレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸から得られる単独または共重合体、さらには混合重合体などである。好ましいポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66などのホモポリアミド、およびアジピン酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸/1,4-シクロヘキサンジカルボン酸/ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸/1,3-シクロヘキサンジカルボン酸/ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタンなどの共重合ポリアミドが挙げられる。
上記ポリアリーレンスルフィドとは、芳香環と硫黄が結合したものである。好ましいポリアリーレンスルフィドとしてはポリパラフェニレンスルフィドが挙げられ、これは部分的に分岐していても良い。
上記ポリオキシメチレンとしては、ポリオキシメチレンホモポリマおよび主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなるコポリマが挙げられる。
上記ポリオレフィン系重合体としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類から生成する繰返し単位を主成分とするホモポリマーまたはコポリマーが挙げられ、例えばプロピレンのホモポリマー、エチレンのホモポリマー、さらにはエチレンと他のα−オレフィン(例えばプロピレン、ブテン−1など)を共重合させたブロックまたはランダムコポリマー、具体的にはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体(例えばエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体など)、エチレン、炭素数3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重合体(例えばエチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共重合体など)が挙げられ、これらは1種または2種以上で用いることができる。好ましいポリオレフィン系重合体としてはポリプロピレンホモポリマー、ポリエチレンホモポリマー、エチレン含有量50モル%以上のエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体(例えばエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体など)、エチレン含有量30モル%以下のプロピレン/エチレン共重合体、50重量%以下のエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなるエラストマ状共重合体とポリプロピレンホモポリマーからなる組成物、50重量%以下のエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなるエラストマ状共重合体とポリエチレンホモポリマーからなる組成物およびプロピレン含有量30モル%以下のプロピレン/エチレン共重合体が挙げられる。
さらに、上記ポリオレフィン系重合体は、不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性されていることが、より好ましい。変性する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、5−ノルボルネン−2, 3−ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸などが挙げられる。その誘導体としては、上記の酸の無水物、エステル、アミド、イミド、塩などが挙げられる。
上記ポリスチレンとしては、ポリスチレンのホモポリマーのほかにHIPS(高衝撃ポリスチレン)、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体)などが挙げられる。
上記ポリカーボネートまたはポリアリレートとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3, 5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)またはビス(3, 5−ジハロ−4−ヒドロキシフェニル)置換を有する炭化水素誘導体をベースとするものが好ましく、2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)をベースとするポリカーボネートまたはポリアリレートが特に好ましい。また、これらは少量の共重合成分を含んでいてもよい。
上記ポリアリーレンオキシドとしては、ポリ(2, 6−ジメチル−1, 4−フェニレン)エーテル、2, 6−ジメチルフェノール/2, 4, 6−トリメチルフェノール共重合体、2, 6−ジメチルフェノール/2, 3, 6−トリエチルフェノール共重合体などが挙げられる。これらは不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応し、変性して用いることができる。変性する不飽和カルボン酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、5−ノルボルネン−2, 3−ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸などが挙げられる。その誘導体としては、上記の酸の無水物、エステル、アミド、イミド、塩などが挙げられる。また、ポリアリーレンオキシドには、ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を添加することができる。
熱可塑性樹脂に対する、微細繊維の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、微細繊維0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜30重量部であり、更に好ましくは1〜20重量部である。
微細繊維を上記配合量で熱可塑性樹脂に配合した場合、凝集や分散不良が起こらず、寸法安定性向上や吸湿防止の効果が顕著に得られ好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂組成物には任意に充填材を用いることができる。
充填材は、例えば繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維や液晶性ポリエステル繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウムおよび黒鉛などの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられる。本発明に使用される上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
これら充填材のなかで特にガラス繊維が入手性、機械的強度のバランスの点から好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものならば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドおよびミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、これらのうち2種以上を併用して使用することもできる。本発明で使用されるガラス繊維としては、弱アルカリ性のものが機械的強度の点で優れており、好ましく使用できる。特に酸化ケイ素含有量が50〜80重量%のガラス繊維が好ましく用いられ、より好ましくは65〜77重量%のガラス繊維である。また、ガラス繊維はエポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの被覆あるいは収束剤で処理されていることが好ましく、エポキシ系が特に好ましい。またシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤が特に好ましい。
なお、ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
充填材の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、通常30〜100重量部であり、好ましくは40〜60重量部である。
本発明における熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料および顔料を含む着色剤、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、赤燐、シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤などの通常の添加剤、熱可塑性樹脂以外の重合体を配合して、所定の特性をさらに付与することができる。
熱可塑性樹脂に微細繊維や任意の充填材、添加剤を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、ドライブレンドや溶液配合法、熱可塑性樹脂の重合時添加、溶融混練などが用いることができ、熱可塑性樹脂の重合時添加、溶融混練が好ましい。熱可塑性樹脂の重合時添加においては、微細繊維の熱可塑性樹脂に対する親和性を制御することが可能であり好ましい。
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、熱可塑性樹脂の融点以上融点+50℃以下で溶融混練して樹脂組成物とすることができる。中でも、二軸押出機が好ましい。
混練方法としては、1)熱可塑性樹脂、微細繊維、任意成分である充填材、その他の添加剤との一括混練法、2)まず熱可塑性樹脂に微細繊維を高濃度に含む熱可塑性樹脂組成物(マスターペレット)を作成し、次いで規定の濃度になるように熱可塑性樹脂、任意成分である充填材およびその他の添加剤を添加する方法(マスターペレット法)、3)熱可塑性樹脂と任意成分であるその他の添加剤の一部を一度混練し、ついで残りの微細繊維、任意成分である充填材、その他の添加剤を添加する分割添加法など、どの方法を用いてもかまわない。
かくして得られる本発明における熱可塑性樹脂組成物は、ナノオーダーサイズ径の長繊維が良分散することで、異方性や吸湿性の低減や靱性の向上効果が得られる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、通常の射出成形、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性を有する成形品、シート、パイプ、フィルム、繊維などに加工することが可能である。
このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物は、例えば、エアフローメーター、エアポンプ、サーモスタットハウジング、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブースター部品、各種ケース、各種チューブ、各種タンク、各種ホース、各種クリップ、各種バルブ、各種パイプなどの自動車用アンダーフード部品、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジングなどの自動車用内装部品、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプベゼル、ドアハンドルなどの自動車用外装部品、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクターなど各種自動車用コネクター、リレーケース、コイルボビン、光ピックアップシャーシ、モーターケース、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、記録媒体(CD、DVD、PD、FDDなど)ドライブのハウジングおよび内部部品、コピー機のハウジングおよび内部部品、ファクシミリのハウジングおよび内部部品、パラボラアンテナなどに代表される電気・電子部品を挙げることができる。更に、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、ビデオカメラ、プロジェクターなどの映像機器部品、レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、ブルーレイディスクなどの光記録媒体の基板、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、などに代表される家庭・事務電気製品部品を挙げることができる。また電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機などのハウジングや内部部品、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子部品、サッシ戸車、ブラインドカーテンパーツ、配管ジョイント、カーテンライナー、ブラインド部品、ガスメーター部品、水道メーター部品、湯沸かし器部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具、階段、ドアー、床などの建築部材、釣り糸、漁網、海藻養殖網、釣り餌袋などの水産関連部材、植生ネット、植生マット、防草袋、防草ネット、養生シート、法面保護シート、飛灰押さえシート、ドレーンシート、保水シート、汚泥・ヘドロ脱水袋、コンクリート型枠などの土木関連部材、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、キーステム、カム、ラチェット、ローラー、給水部品、玩具部品、ファン、テグス、パイプ、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの機械部品、マルチフィルム、トンネル用フィルム、防鳥シート、植生保護用不織布、育苗用ポット、植生杭、種紐テープ、発芽シート、ハウス内張シート、農ビの止め具、緩効性肥料、防根シート、園芸ネット、防虫ネット、幼齢木ネット、プリントラミネート、肥料袋、試料袋、土嚢、獣害防止ネット、誘因紐、防風網などの農業部材、紙おむつ、生理用品包材、綿棒、おしぼり、便座ふきなどの衛生用品、医療用不織布(縫合部補強材、癒着防止膜、人工器官補修材)、創傷被服材、キズテープ包帯、貼符材基布、手術用縫合糸、骨折補強材、医療用フィルムなどの医療用品、カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルム、トレイ、ブリスター、ナイフ、フォーク、スプーン、チューブ、プラスチック缶、パウチ、コンテナー、タンク、カゴなどの容器・食器類、ホットフィル容器類、電子レンジ調理用容器類化粧品容器、ラップ、発泡緩衝剤、紙ラミ、シャンプーボトル、飲料用ボトル、カップ、キャンディ包装、シュリンクラベル、蓋材料、窓付き封筒、果物かご、手切れテープ、イージーピール包装、卵パック、HDD用包装、コンポスト袋、記録メディア包装、ショッピングバック、電気・電子部品等のラッピングフィルムなどの容器・包装、天然繊維複合、ポロシャツ、Tシャツ、インナー、ユニホーム、セーター、靴下、ネクタイなどの各種衣料、カーテン、イス貼り地、カーペット、テーブルクロス、布団地、壁紙、ふろしきなどのインテリア用品、キャリアーテープ、プリントラミ、感熱孔版印刷用フィルム、離型フィルム、多孔性フィルム、コンテナバッグ、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、ICカード、紙、皮革、不織布等のホットメルトバインダー、磁性体、硫化亜鉛、電極材料等粉体のバインダー、光学素子、導電性エンボステープ、ICトレイ、ゴルフティー、ゴミ袋、レジ袋、各種ネット、歯ブラシ、文房具、水切りネット、ボディタオル、ハンドタオル、お茶パック、排水溝フィルター、クリアファイル、コート剤、接着剤、カバン、イス、テーブル、クーラーボックス、クマデ、ホースリール、プランター、ホースノズル、食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネット、ペンキャップ、ガスライターなどとして有用であり、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクターなど各種自動車用コネクターとして特に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例中の特性は次の方法により測定した。
(1)微細繊維の全長、針状部の径
得られた微細繊維50本について走査型電子顕微鏡を用いて写真撮影し、最長の針先端間距離を測定し、数平均値として全長を算出した。同様に50本の針状部の直径を測定し、数平均値として径を算出した。分岐点を有するものは、分岐点を介して、最も長い針状部の先端間距離を全長とし、針状部については、それぞれ1本と数えて径を測定した。
得られた微細繊維50本について走査型電子顕微鏡を用いて写真撮影し、最長の針先端間距離を測定し、数平均値として全長を算出した。同様に50本の針状部の直径を測定し、数平均値として径を算出した。分岐点を有するものは、分岐点を介して、最も長い針状部の先端間距離を全長とし、針状部については、それぞれ1本と数えて径を測定した。
(2)異方性
角形成形品(80mm×80mm×2mm厚)を成形し、中心部を流れ方向に対し垂直(MD)および直行(TD)方向に幅1mm×長さ10mm×厚み2mmの角柱状に切削し、得た試験片、それぞれ4本ずつをTMA(セイコー電子工業SSC−5020)を用い、30℃→5℃/分→100℃の条件で測定を行い、線膨張係数(MD、TDそれぞれの数平均値)を求め、異方性=MDの線膨張係数/TDの線膨張係数として評価した。
角形成形品(80mm×80mm×2mm厚)を成形し、中心部を流れ方向に対し垂直(MD)および直行(TD)方向に幅1mm×長さ10mm×厚み2mmの角柱状に切削し、得た試験片、それぞれ4本ずつをTMA(セイコー電子工業SSC−5020)を用い、30℃→5℃/分→100℃の条件で測定を行い、線膨張係数(MD、TDそれぞれの数平均値)を求め、異方性=MDの線膨張係数/TDの線膨張係数として評価した。
(3)吸湿性
厚さ3.1mm×長さ127mm×幅12.6mmの試験片を10本射出成形し、オートクレーブを用い、50℃で50時間水中に浸積し、重量変化の数平均値から吸湿率を評価した。
厚さ3.1mm×長さ127mm×幅12.6mmの試験片を10本射出成形し、オートクレーブを用い、50℃で50時間水中に浸積し、重量変化の数平均値から吸湿率を評価した。
(4)重合度
重合度(数平均重合度)は、ペンタフルオロフェノール溶媒で80℃において高圧液体クロマトグラフィーなどによって絶対数平均分子量を測定し、繰り返し構造単位の分子量(4−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位からなる微細繊維では120.1)で割ることで算出した。
重合度(数平均重合度)は、ペンタフルオロフェノール溶媒で80℃において高圧液体クロマトグラフィーなどによって絶対数平均分子量を測定し、繰り返し構造単位の分子量(4−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位からなる微細繊維では120.1)で割ることで算出した。
微細繊維(A)
[実施例1]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)0.25g(0.0018モル)および無水酢酸0.20g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.75gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
[実施例1]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)0.25g(0.0018モル)および無水酢酸0.20g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.75gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後330℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−1)を得た。収率は96%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.2であった。
[実施例2]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.5g(0.0036モル)および無水酢酸0.40g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.5gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.5g(0.0036モル)および無水酢酸0.40g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.5gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後320℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−2)を得た。収率は99%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.4であった。
[実施例3]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.4g(0.0029モル)および無水酢酸0.325g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル96.6gおよび1−クロロナフタレン3g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.4重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.4g(0.0029モル)および無水酢酸0.325g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル96.6gおよび1−クロロナフタレン3g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.4重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後320℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−3)を得た。収率は98%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.3であった。
[実施例4]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.1g(0.0007モル)および無水酢酸0.08g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.9gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.1重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.1g(0.0007モル)および無水酢酸0.08g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.9gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.1重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後330℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−4)を得た。収率は93%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.1であった。
[実施例5]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−アセトキシ安息香酸0.02g(0.00011モル)およびジフェニルエーテル96gおよび1−クロロナフタレン3.85g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.02重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−アセトキシ安息香酸0.02g(0.00011モル)およびジフェニルエーテル96gおよび1−クロロナフタレン3.85g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.02重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後340℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−5)を得た。収率は91%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は6.2であった。
[実施例6]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.5g(0.0036モル)および無水酢酸0.40g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル99.5g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.5g(0.0036モル)および無水酢酸0.40g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル99.5g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後320℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−6)を得た。収率は83%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は4.9であった。
[実施例7]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HNA)0.5g(0.0027モル)および無水酢酸0.30g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル99.5g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HNA)0.5g(0.0027モル)および無水酢酸0.30g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル99.5g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.5重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後320℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−7)を得た。収率は99%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.8であった。
[実施例8]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.25g(0.0018モル)および無水酢酸0.20g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.75gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸0.25g(0.0018モル)および無水酢酸0.20g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル97.75gおよび1−クロロナフタレン2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後330℃まで5時間で等速昇温して、攪拌を停止し、24時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−8)を得た。収率は96%であった。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.8であった。
[実施例9]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ桂皮酸(HCA)0.25g(0.0015モル)および無水酢酸0.17g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、流動パラフィン99.75g(4−ヒドロキシ桂皮酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
[実施例9]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ桂皮酸(HCA)0.25g(0.0015モル)および無水酢酸0.17g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、流動パラフィン99.75g(4−ヒドロキシ桂皮酸の濃度として0.25重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、攪拌しつつ140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後330℃まで15分で昇温して、攪拌を停止し、6時間温度保持を続けた。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、クロロホルムで洗浄した後真空乾燥し、微細繊維(A−9)を得た。収率は95%であった。電子顕微鏡で観察したところ微細繊維は粒子が数珠繋ぎして生成した規則的な凹凸のある構造を有していた。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.1であった。
[比較例1]
特開2007−254645の実施例1に従い合成したフィブリル状結晶(D−1)(全長9.5μm、針状部の直径1.8μm)。
特開2007−254645の実施例1に従い合成したフィブリル状結晶(D−1)(全長9.5μm、針状部の直径1.8μm)。
[比較例2]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル76.2gおよびパラクロロフェノール2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として15重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル76.2gおよびパラクロロフェノール2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として15重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後180℃まで1時間で昇温して、650torrに減圧して1時間加熱攪拌を続け、ジフェニルエーテルを還留しつつ酢酸を留去した。その後0.5時間で200℃まで昇温し、500torrまで減圧し、1時間加熱攪拌を続けた後攪拌を停止し、超音波を10分間印可した。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、アセトンで洗浄した後真空乾燥し、ナノウィスカー(D−2)を回収した。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.1であった。
[比較例3]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル78.2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として15重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル78.2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として15重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後180℃まで1時間で昇温して、1時間加熱攪拌を続け、ジフェニルエーテルを還留しつつ酢酸を留去した。その後0.5時間で250℃まで昇温し、1時間加熱攪拌を続けた後攪拌を停止した。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、アセトンで洗浄した後真空乾燥し、ウィスカー(D−3)を回収した。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.8であった。
[比較例4]
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル124.2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として10重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
攪拌翼、留出管を備えた0.5Lの反応容器に4−ヒドロキシ安息香酸13.8g(0.1モル)および無水酢酸11.2g(フェノール性水酸基に対して1.10倍当量)、ジフェニルエーテル124.2g(4−ヒドロキシ安息香酸の濃度として10重量%相当量の合計溶媒量)を秤量した。
窒素気流下、140℃で2時間アセチル化反応を行い、その後180℃まで1時間で昇温して、1時間加熱攪拌を続け、ジフェニルエーテルを還留しつつ酢酸を留去した。その後0.5時間で250℃まで昇温し、1時間加熱攪拌を続けた後攪拌を停止した。
溶液を冷却した後、メンブレンフィルターを用いて濾過し、アセトンで洗浄した後真空乾燥し、ウィスカー(D−4)を回収した。
ペンタフルオロフェノール溶媒での高圧液体クロマトグラフィーにより測定した平均重合度は5.8であった。
熱可塑性樹脂(B)
B−1:ポリカーボネート(PC):三菱エンシ゛ニアリンク゛フ゜ラスチック社製 ユーピロンS−3000(融点を持たないため推奨加工温度280℃を融点+10℃相当温度とした)
B−2:液晶性樹脂(LCP)
p−ヒドロキシ安息香酸870g(6.300モル)、4,4´−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
B−1:ポリカーボネート(PC):三菱エンシ゛ニアリンク゛フ゜ラスチック社製 ユーピロンS−3000(融点を持たないため推奨加工温度280℃を融点+10℃相当温度とした)
B−2:液晶性樹脂(LCP)
p−ヒドロキシ安息香酸870g(6.300モル)、4,4´−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル(B−2)はp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4´−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、4,4´−ジオキシビフェニル単位が4,4´−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル%からなり、Tm(液晶性ポリエステルの融点)は314℃、液晶開始温度295℃で、数平均分子量12,000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が20Pa・sであった。
なお、融点(Tm)は示差熱量測定において、ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)とした。
また、液晶開始温度は、剪断応力加熱装置(CSS−450)により剪断速度1,000(1/秒)、昇温速度5.0℃/分、対物レンズ60倍において測定し、視野全体が流動開始する温度を測定とした。
また、分子量は液晶性ポリエステルが可溶な溶媒であるペンタフルオロフェノールを使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定し、数平均分子量を求めた。
充填材(C)
C−1 日本電気硝子製 Eガラスチョップドストランド(ECS−03T747GH)。
C−1 日本電気硝子製 Eガラスチョップドストランド(ECS−03T747GH)。
[実施例10〜25、比較例5〜14]
東芝機械製TEM35B型2軸押出機(噛み合い型同方向)に、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。
東芝機械製TEM35B型2軸押出機(噛み合い型同方向)に、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。
ニーディングブロックをC2部、C4部に組み込んだスクリューアレンジを用い、熱可塑性樹脂(B−1またはB−2)100重量部をホッパーから投入し、表1に示す配合量の微細繊維(A−1〜7)およびフィブリル状結晶(D−1〜3)、場合によって充填材(C−1)をサイドから投入し、シリンダー温度を熱可塑性樹脂の融点+10℃に設定し、溶融混練してペレットとした。
得られたペレットを熱風乾燥後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製)に供し成形品を得て、上述の評価を行った。結果は表1、2に示す。
[実施例26]
p−ヒドロキシ安息香酸870g(6.300モル)、4,4´−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、実施例1で得た微細繊維(A−1)を液晶性樹脂の理論収量に対して0.5重量%になるように配合し、その後320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
p−ヒドロキシ安息香酸870g(6.300モル)、4,4´−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、実施例1で得た微細繊維(A−1)を液晶性樹脂の理論収量に対して0.5重量%になるように配合し、その後320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル(B−3)はp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4´−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、4,4´−ジオキシビフェニル単位が4,4´−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル%からなり、Tm(液晶性ポリエステルの融点)は314℃、液晶開始温度295℃で、数平均分子量12,000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が18Pa・sであった。
表1、2からも明らかなように本発明の微細繊維は収率が高く、組成物とした際に熱可塑性樹脂の寸法安定性を特異的に向上し、異方性を改良することがわかる。また、熱可塑性樹脂の吸水性の改善効果が高く、耐候性の向上などに有効な有機フィラーであることがわかる。また、特に熱可塑性樹脂の重合時添加により、その分散性が改良され、効果が顕著に得られることがわかる。
Claims (6)
- 芳香族ヒドロキシカルボン酸の重合体であり、針状部の径が1nm以上100nm未満であり、かつ微細繊維の全長が10μm以上1000μm以下である微細繊維。
- 針状部の径が10nm以上90nm以下である請求項1記載の微細繊維。
- 熱可塑性樹脂に請求項1または2記載の微細繊維を含有した熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
- 請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物からなる繊維。
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