JP2010089404A - インクジェット式記録装置用メンテナンス液 - Google Patents

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JP2010089404A
JP2010089404A JP2008262499A JP2008262499A JP2010089404A JP 2010089404 A JP2010089404 A JP 2010089404A JP 2008262499 A JP2008262499 A JP 2008262499A JP 2008262499 A JP2008262499 A JP 2008262499A JP 2010089404 A JP2010089404 A JP 2010089404A
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Hiroshi Nagasaki
弘 長崎
Hidehiko Komatsu
英彦 小松
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Abstract

【課題】インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドを覆って保湿するキャップ装置と、前記
キャップ装置にメンテナンス液を供給するメンテナンス液供給装置と、を備えたインクジ
ェット式記録装置に使用するためのメンテナンス液であって、従来のメンテナンス液と比
較して防腐力に優れ、キャップ装置を構成する部材に対する腐食を抑制することが可能な
メンテナンス液を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液は、上記のインク
ジェット式記録装置に使用するためのメンテナンス液であって、少なくとも水と、水溶性
着色剤と、pH調整剤と、アルカンジオールおよびアルキレングリコールモノエーテル誘
導体から選択される1種の水溶性有機溶剤と、を含有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット式記録装置用メンテナンス液に関する。
インクジェット式記録装置は、ヘッドを介してインクを記録媒体に吐出するため、ヘッ
ド近傍において残留インクが増粘して目詰まりし、インクの吐出を良好に行えなくなるお
それがあった。そこで、印刷処理を行っていない状態において、ヘッドを保湿用キャップ
装置で覆うと共に保湿用キャップ装置内の空間に保湿液を供給してヘッドを保湿して残留
インクの乾燥を抑制するインクジェット式記録装置が提案されている(例えば、特許文献
1参照)。
上記保湿液として、例えば、水または水にグリセリン等の水溶性保湿剤を添加したもの
が挙げられる。このような保湿液でも、ヘッドを保湿して残留インクの乾燥を抑制するこ
とは可能である。しかしながら、上記のような成分のみから構成される保湿液は、長期間
の使用により腐敗してしまうことがあった。また、保湿用キャップ装置を構成する部材の
材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合、長期間の使用により保湿液のp
H値が変動し、これにより保湿用キャップ装置の腐食を引き起こすことがあった。さらに
、保湿用キャップ装置内の空間において保湿液中の水分が優先的に揮発することにより、
保湿用キャップ装置内の保湿液の組成が次第に変化してしまい、保湿液としての性能が発
揮できなくなるという問題があった。
特開2003−334962号公報
本発明は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドを覆って保湿するキャップ装置と、
前記キャップ装置にメンテナンス液を供給するメンテナンス液供給装置と、を備えたイン
クジェット式記録装置に使用するためのメンテナンス液であって、従来のメンテナンス液
と比較して防腐力に優れ、キャップ装置を構成する部材に対する腐食を抑制することが可
能なメンテナンス液を提供することを課題とする。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液は、インクを吐出するヘッド
と、前記ヘッドを覆って保湿するキャップ装置と、前記キャップ装置にメンテナンス液を
供給するメンテナンス液供給装置と、を備えたインクジェット式記録装置に使用するため
のメンテナンス液であって、少なくとも水と、水溶性着色剤と、pH調整剤と、アルカン
ジオールおよびアルキレングリコールモノエーテル誘導体から選択される1種の水溶性有
機溶剤と、を含有することを特徴とする。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液において、前記キャップ装置
を構成する部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合には、前記pH
調整剤によりメンテナンス液のpHを5.0〜8.5の範囲内に調整する。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液において、前記インクは、イ
ンク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体に画像を形成するための水溶性インク組成
物であることができる。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液において、前記水溶性インク
組成物は、少なくとも着色剤、熱可塑性樹脂、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコ
ール系界面活性剤、アルカンジオール、ピロリドン誘導体、多価アルコール類および水を
含有することができる。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液において、前記水溶性着色剤
は、染料であることができる。
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液において、前記pH調整剤は
、アルコールアミン類であることができる。
以下、本発明に好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.インクジェット式記録装置用メンテナンス液
本発明に係るインクジェット式記録装置用メンテナンス液(以下、単に「メンテナンス
液」ともいう。)は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドを覆って保湿するキャップ
装置と、前記キャップ装置にメンテナンス液を供給するメンテナンス液供給装置と、を備
えたインクジェット式記録装置に使用するためのメンテナンス液であって、少なくとも水
と、水溶性着色剤と、pH調整剤と、アルカンジオールおよびアルキレングリコールモノ
エーテル誘導体から選択される1種の水溶性有機溶剤と、を含有することを特徴とする。
以下、これらの成分について具体的に説明する。
1.1 水溶性有機溶剤
本実施形態に係るメンテナンス液は、アルカンジオールおよびアルキレングリコールモ
ノエーテル誘導体から選択される1種の水溶性有機溶剤を含有する。アルカンジオールお
よびアルキレングリコールモノエーテル誘導体は、メンテナンス液の保湿力を高めるだけ
でなく、メンテナンス液の防腐力を高めることができる。
アルカンジオールとして、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオ
ペンチルグリコール)、カプリリルグリコール等が挙げられる。
アルキレングリコールモノエーテル誘導体として、例えば、モノまたはポリエチレング
リコールモノエーテル誘導体、モノまたはポリプロピレングリコールモノエーテル誘導体
等が挙げられる。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
メンテナンス液の全質量に対する水溶性有機溶剤の含有量は、好ましくは0.01〜5
.0質量%であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%であり、特に好ましくは0.3
〜1.5質量%である。水溶性有機溶剤の含有量が0.01質量%未満の場合、メンテナ
ンス液の保湿力および防腐力の双方が得られないことがある。一方、水溶性有機溶剤の含
有量が5.0質量%を超えると、保湿のための水分が蒸発した後に残留した水溶性有機溶
剤が徐々に蓄積されていき、濃縮された水溶性有機溶剤によってヘッドおよびヘッド周辺
を構成する部材を腐食させるおそれがある。また、残留した水溶性有機溶剤が酸化するこ
とで保湿液のpHが下がり、キャップ装置を構成するアルミ部材を腐食させるおそれがあ
る。
1.2 水溶性着色剤
本実施形態に係るメンテナンス液は、水溶性着色剤を含有する。水溶性着色剤は、メン
テナンス液を着色する目的で添加される。メンテナンス液を着色することにより、メンテ
ナンス液がメンテナンス液タンク内に必要量充填されているか否かを目視で確認すること
が容易となる。また、メンテナンス液の液漏れ等のトラブルが発生したときに原因を特定
しやすい。
水溶性着色剤は、メンテナンス液を着色することができればよく、色の種類も特に限定
されない。水溶性着色剤は、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料等の染料であるこ
とが好ましい。
メンテナンス液の全質量に対する水溶性着色剤の含有量は、好ましくは0.001〜1
.0質量%であり、より好ましくは0.001〜0.1質量%であり、特に好ましくは0
.001〜0.01質量%である。水溶性着色剤の含有量が0.001質量%未満の場合
、メンテナンス液への着色が不十分となる。一方、水溶性着色剤の含有量が1.0質量%
を超えると、保湿のための水分が蒸発した後に残留した水溶性着色剤が、キャップ装置内
に堆積し、キャップ装置の機能を損ねてしまうおそれがある。
1.3 pH調整剤
本実施形態に係るメンテナンス液は、pH調整剤を含有する。詳細は後述するが、キャ
ップ装置を構成する部材の材質に応じてメンテナンス液にpH調整剤を添加してpHを制
御することにより、キャップ装置を構成する部材の腐食等を防ぐことができる。例えば、
キャップ装置を構成する部材の材質がアルミニウムまたはアルミニウム合金である場合、
強酸性または強アルカリ性のメンテナンス液ではキャップ装置が腐食するおそれがあるが
、pH調整剤を添加してpHを5.0〜8.5の範囲に設定することにより、キャップ装
置の腐食を防ぐことができる。
pH調整剤として、例えば、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ト
リイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類であることが好ましい。
1.4 水
本実施形態に係るメンテナンス液は、水を含有する。水は、メンテナンス液の保湿力を
発揮するための主成分である。メンテナンス液の全質量に対する水の含有量は、好ましく
は95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。
1.5 pH
本実施形態に係るメンテナンス液のpHは、後述するキャップ装置を構成する部材に応
じて任意に設定することができるが、該部材がアルミニウムまたはアルミニウム合金であ
る場合には、5.0〜8.5の範囲内であることが好ましい。pHを5.0〜8.5の範
囲に設定することにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金の部材から構成されるキ
ャップ装置の腐食を防ぐことができる。
1.6 用途
本実施形態に係るメンテナンス液は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドを覆って
保湿するキャップ装置と、前記キャップ装置にメンテナンス液を供給するメンテナンス液
供給装置と、を備えたインクジェット式記録装置に適用される。以下、本実施形態に係る
メンテナンス液を適用可能なインクジェット式記録装置について詳細に説明するが、本発
明の適用範囲は下述するインクジェット式記録装置に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るメンテナンス液を適用可能なインクジェット式プリンタの概
略構成を示す説明図である。プリンタ100は、フレーム10を有している。フレーム1
0には、プラテン24が配置されている。プラテン24上には、図示しない紙送り機構が
設けられ、これにより印刷用紙P1が配送される構成となっている。また、プリンタ10
0は、キャリッジ12を有している。キャリッジ12は、ガイド部材22を介してプラテ
ン24の長手方向(X軸方向)へ移動可能に支持され、キャリッジモーター20によりタ
イミングベルト18を介して往復運動される構成となっている。
キャリッジ12には、インクカートリッジ14が搭載されている。また、キャリッジ1
2の下部には、図示しないインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう
。)が搭載されている。キャリッジ12は、プラテン24に沿って移動することで、印刷
用紙P1上を往復するようにヘッド(図示省略)を搬送する。このとき、ヘッド(図示省
略)からインクが吐出されて印刷処理が実行される。
フレーム10において、ヘッド(図示省略)からインクを吐出可能な領域(以下、「印
刷領域」と呼ぶ。)PAの横は、インクが吐出されない非印刷領域となっており、この非
印刷領域内にホームポジションH1が設けられている。キャリッジ12は、これら印刷領
域PAとホームポジションH1との間を移動可能に構成されている。
ホームポジションH1には、保湿用キャップ装置40と、保湿用キャップ装置昇降手段
48と、メンテナンス液タンク60と、メンテナンス液タンク昇降手段70とが配置され
ている。保湿用キャップ装置40は、電源オフの状態においてヘッド(図示省略)の吐出
面を覆うように配置されるが、これは以下の理由による。印刷処理やフラッシング処理(
印刷処理とは別に、全てのノズルから所定量のインクを吐出して増粘インク等を除去する
処理)等の後において、ヘッド(図示省略)の吐出面やノズル内部にインク滴が付着した
ままとなる場合がある。この場合、吐出面等に付着したインクが乾燥するとノズル孔を塞
いで吐出不良の原因となり得る。そこで、この吐出面等に付着したインクを乾燥させない
ようにするために、電源オフ時には保湿用キャップ装置40でヘッド(図示省略)の吐出
面を覆うようにしている。
保湿用キャップ装置昇降手段48は、保湿用キャップ装置40を上下に移動させること
ができる。保湿用キャップ装置昇降手段48としては、例えば、モーターとスクリューネ
ジとを組み合わせた機構など公知の昇降機構を用いることができる。メンテナンス液タン
ク60の内部にはメンテナンス液が貯留されており、保湿用キャップ装置40に対してヘ
ッドを保湿するためのメンテナンス液を供給する。なお、ヘッドを保湿するためのメンテ
ナンス液として、上述したようなメンテナンス液を用いることができる。
図2は、電源オフ状態でのホームポジションH1付近の構成を示す断面図である。プリ
ンタ100の電源オフの状態において、キャリッジ12は、ホームポジションH1に配置
される。なお、電源オンの状態においても、印刷処理やフラッシング処理を実行していな
い状態(待機状態)においては、キャリッジ12と保湿用キャップ装置40とは、図2に
示す配置となっている。
メンテナンス液タンク60と保湿用キャップ装置40とは、チューブ62によって接続
されている。チューブ62の一端はメンテナンス液タンク60の内部に接続されており、
チューブ62内部には、メンテナンス液タンク60内の貯留液W1が入り込んでいる。こ
こで、メンテナンス液タンク60内の貯留液W1の水頭はフレーム底面10gから高さh
1の位置となっている。メンテナンス液タンク60の下には、メンテナンス液タンク昇降
手段70が配置されている。メンテナンス液タンク昇降手段70は、メンテナンス液タン
ク60内の貯留液W1が保湿用キャップ装置40に供給されて減っても、貯留液W1の水
頭がほぼ高さh1を維持するようにメンテナンス液タンク60の位置を調整する。このよ
うなメンテナンス液タンク昇降手段70としては、例えば、バネで構成することができる
。この場合、貯留液W1が減るにしたがってメンテナンス液タンク60全体の重量が減る
ので、メンテナンス液タンク60全体が上昇して水頭の位置が高さh1を維持することが
できる。
保湿用キャップ装置40は、キャップホルダ42と、キャップホルダ42上に配置され
Z軸方向に突出したキャップ部44と、キャップ部44で囲まれた空間の底部に配置され
たシート状の吸収剤46と、を備えている。キャップホルダ42には、保湿用キャップ装
置昇降手段48が接続されている。キャップ部44は、例えば、合成ゴムで構成すること
ができる。チューブ62の一端は、キャップ部44を貫通して吸収材46に達している。
吸収材46としては、例えば、ウレタンやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジや不
織布など水を吸収して保持可能な任意の部材を用いることができる。
例えば、印刷終了後にキャリッジ12が印刷領域PAからホームポジションH1に戻っ
てきて待機状態に移行する際に、保湿用キャップ装置昇降手段48は、保湿用キャップ装
置40を上昇させる。そうすると、キャリッジ12の底面S1にキャップ部44が当接し
、底面S1とキャップ部44と吸収材46とで囲まれた略密閉された空間AR1が形成さ
れる。このとき、吸収材46にはメンテナンス液が保持されており、かかるメンテナンス
液が蒸発して空間AR1を加湿する。したがって、ヘッド16の吐出面S2やノズル(図
示省略)内に残留するインクの乾燥を防ぎ、残留インクの増粘を抑えることができる。
ここで、電源オフ状態(待機状態)では、吸収材46の上面S3の高さh0は、メンテ
ナンス液タンク60内の貯留液W1の水頭の高さh1よりも高い。したがって、この状態
においては、メンテナンス液タンク60から保湿用キャップ装置40に貯留液W1が液体
として供給されることはない。但し、チューブ62内に入り込んだ貯留液W1は蒸発して
、ごくわずかなメンテナンス液が吸収材46に供給される。
なお、上述した保湿用キャップ装置40は、請求項におけるキャップ装置に相当する。
また、メンテナンス液タンク60、チューブ62、メンテナンス液昇降手段70は、請求
項におけるメンテナンス液供給装置として機能する。
図3は、印刷処理実行中のホームポジションH1付近の構成を示す断面図である。待機
状態(図2)から印刷処理の実行状態に移行する際に、保湿用キャップ装置昇降手段48
は、保湿用キャップ装置40を下降させる。そして、キャリッジ12(図1)は、印刷領
域PAに移動する。ここで、保湿用キャップ装置昇降手段48(図3)は、吸収材46の
上面S3(図3)の位置が貯留液W1の高さh1よりも低い高さh2となるように保湿用
キャップ装置40を下降させる。そうすると、貯留液W1と吸収材46(吸収材46に吸
収された水の水頭)との水頭差d1(h1−h2)によって、メンテナンス液タンク60
から吸収材46へと貯留液W1が流れ込む。なお、吸収材46の上面S3と貯留液W1と
の水頭差よりも大きくなる。この場合でも、当該水頭差によって貯留液W1が吸収材46
に流れ込むことになる。こうして、電源オフ状態および待機状態(図2)において吸収材
46から蒸発して水分が失われても、印刷処理実行中においてメンテナンス液タンク60
から吸収材46にメンテナンス液が供給されることとなる。
以上説明したように、プリンタ100では、印刷処理のためキャリッジ12が移動する
のに先立ち保湿用キャップ装置40が下降する際に、吸収材46の上面S3がメンテナン
ス液タンク60内の貯留液W1の水頭よりも低い位置となるように構成されている。それ
ゆえ、吸収材46とメンテナンス液W1との間に水頭差が生じ、この水頭差を利用して貯
留液W1を吸収材46に供給することができ、保湿用キャップ装置40内部の空間AR1
を十分に加湿することが可能となる。
1.7 インク
本実施形態に係るメンテナンス液は、水を主成分としたヘッドの保湿を目的とする保湿
液であるため、インクとして水溶性インク組成物を使用するプリンタに適用されることが
好ましい。前記水溶性インク組成物としては、特に限定されないが、例えば、特開200
6−282823号公報に記載されているようなノンコートメディア・プラスチックメデ
ィアに印刷するための水溶性インク組成物が挙げられる。かかる水溶性インク組成物は、
少なくとも着色剤、熱可塑性樹脂、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面
活性剤、アルカンジオール、ピロリドン誘導体、多価アルコール類および水を含有するも
のである。
上記のような水溶性インク組成物は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に印刷
することを目的として開発されたものであり、非常に優れたインク乾燥性を有する。この
ため、印刷処理を行っていない状態においてヘッドを適度に保湿しなければ、ヘッド近傍
において残留インクが増粘して目詰まりし、インクの吐出を良好に行えなくなることがあ
った。本実施形態に係るメンテナンス液を適用すれば、かかる不具合を解消することがで
きる。
インク非吸収性の記録媒体として、例えば、インクジェット印刷用に表面処理をしてい
ない(すなわち、インク吸収層を形成していない)プラスチックフィルム、紙等の基材上
にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されている
もの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等が挙げられる。インク低吸収性の記録媒体として、アート紙、コート紙、マ
ット紙等の印刷本紙が挙げられる。
本明細書において「インク非吸収性または低吸収性の記録媒体」とは、「ブリストー(
Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL
/m以下である記録媒体」を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定
方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPP
I)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法
2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に
述べられている。
2.実施例
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
2.1 メンテナンス液A〜Fの調製
2.1.1 メンテナンス液A
ネオペンチルグリコール1質量%、C.I.アシッドブルー9 0.005質量%、ト
リイソプロパノールアミン0.01質量%、純水98.985質量%をビーカーに秤り取
り、十分に撹拌混合することによってメンテナンス液Aを得た。
2.1.2 メンテナンス液B
1,2−ヘキサンジオール1質量%、C.I.ダイレクトレッド189 0.005質
量%、トリエタノールアミン0.01質量%、純水98.985質量%をビーカーに秤り
取り、十分に撹拌混合することによってメンテナンス液Bを得た。
2.1.3 メンテナンス液C
トリエチレングリコールモノブチルエーテル0.9質量%、C.I.アシッドグリーン
25 0.005質量%、トリイソプロパノールアミン0.01質量%、純水99.08
5質量%をビーカーに秤り取り、十分に撹拌混合することによってメンテナンス液Cを得
た。
2.1.4 メンテナンス液D
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル0.9質量%、C.I.アシッドイエロー
42 0.005質量%、トリエタノールアミン0.01質量%、純水99.085質量
%をビーカーに秤り取り、十分に撹拌混合することによってメンテナンス液Dを得た。
2.1.5 メンテナンス液E
純水100質量%をメンテナンス液Eとした。
2.1.6 メンテナンス液F
グリセリン1質量%、純水99質量%をビーカーに秤り取り、十分に撹拌混合すること
によってメンテナンス液Fを得た。
2.2 メンテナンス液の保存安定性試験
2.2.1 pH値
上記メンテナンス液A〜Fを25℃で1ヶ月間保存した。メンテナンス液A〜Fについ
て、調製直後および25℃で1ヶ月間保存した後のpH値を測定し、pH値の変化量に関
する評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、判定基準は以下の通りとした。
A:pH値の変化量が±0.7以下であって、pH値が5.0〜8.5の範囲内にあった

B:pH値の変化量が±1.0以上、±1.3未満であって、pH値が5.0〜8.5の
範囲内にあった。
C:pH値の変化量が±1.3以上、またはpH値が5.0〜8.5の範囲外にあった。
2.2.2 防腐性
上記メンテナンス液A〜Fを25℃で1ヶ月間保存した。1ヶ月間保存した後のメンテ
ナンス液A〜Fの状態について、カビ等の異物発生の有無を目視で評価した。評価結果を
表1に示す。なお、判定基準は以下の通りとした。
A:異物の発生が認められなかった。
B:わずかに異物の発生が認められた。
C:異物の発生が認められた。
Figure 2010089404
2.3 評価結果
表1に示した結果からも明らかなように、実施例1〜実施例4のメンテナンス液は、初
期pH値および放置後のpH値共に目的の範囲内に入っており、変化量も小さい。また、
異物の発生もなく、長期間の使用にも問題ない。
これに対して、比較例1〜比較例2のメンテナンス液は初期または保存後のpH値が目
的とする範囲から外れたり、変化量が大きかったりするため、長期間の使用でアルミニウ
ム容器を腐食してしまうおそれがある。また、異物の発生も見られることから頻繁なメン
テナンスを必要とするため、使いづらい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例
えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法お
よび結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は
、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は
、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成するこ
とができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した
構成を含む。
インクジェット式プリンタの概略構成を示す説明図。 図1におけるインクジェット式プリンタの電源オフ状態でのホームポジションH1付近の詳細構成を示す説明図。 図1におけるインクジェット式プリンタの印刷処理実行中のホームポジションH1付近の詳細構成を示す説明図。
符号の説明
10…フレーム、10g…フレーム底面、12…キャリッジ、14…インクカートリッジ
、16…ヘッド、18…タイミングベルト、20…キャリッジモーター、22…ガイド部
材、24…プラテン、40…保湿用キャップ装置、42…キャップホルダ、44…キャッ
プ部、46…吸収材、48…保湿用キャップ装置昇降手段、60…メンテナンス液タンク
、62…チューブ、70…メンテナンス液昇降手段、100…プリンタ、P1…印刷用紙
、H1…ホームポジション、W1…貯留液、d1…水頭差、S1…底面、S2…吐出面、
S3…上面、PA…印刷領域、AR1…空間

Claims (6)

  1. インクを吐出するヘッドと、
    前記ヘッドを覆って保湿するキャップ装置と、
    前記キャップ装置にメンテナンス液を供給するメンテナンス液供給装置と、
    を備えたインクジェット式記録装置に使用するためのメンテナンス液であって、
    少なくとも水と、水溶性着色剤と、pH調整剤と、
    アルカンジオールおよびアルキレングリコールモノエーテル誘導体から選択される1種
    の水溶性有機溶剤と、
    を含有することを特徴とする、インクジェット式記録装置用メンテナンス液。
  2. 請求項1において、
    前記キャップ装置を構成する部材の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であ
    って、
    前記pH調整剤によりpHが5.0〜8.5の範囲内に調整された、インクジェット式
    記録装置用メンテナンス液。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記インクは、インク非吸収性またはインク低吸収性の記録媒体に画像を形成するため
    の水溶性インク組成物である、インクジェット式記録装置用メンテナンス液。
  4. 請求項3において、
    前記水溶性インク組成物は、少なくとも着色剤、熱可塑性樹脂、シリコン系界面活性剤
    、アセチレングリコール系界面活性剤、アルカンジオール、ピロリドン誘導体、多価アル
    コール類および水を含有する、インクジェット式記録装置用メンテナンス液。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記水溶性着色剤は、染料である、インクジェット式記録装置用メンテナンス液。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記pH調整剤は、アルコールアミン類である、インクジェット式記録装置用メンテナ
    ンス液。
JP2008262499A 2008-10-09 2008-10-09 インクジェット式記録装置用メンテナンス液 Pending JP2010089404A (ja)

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