JP2010083315A - フェンダパネル取付用ブラケット - Google Patents

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Abstract

【課題】通常時の支持剛性の確保と、衝突時の衝撃吸収性能の向上とを両立することができるフェンダパネル取付用ブラケットを提供する。
【解決手段】フェンダパネル55が固定されるフェンダ取付部25と、フェンダ取付部25の各端部をサイドアッパフレーム11から離間した位置にそれぞれ支持する一対の脚部26とを備えたブラケット本体21をサイドアッパフレーム11に固定すると共に、ブラケット本体21の側部に嵌合する補剛板30を備えた補剛部材22をブラケット本体21とは別個にサイドアッパフレーム11に固設し、これらブラケット本体21と補剛部材22との嵌合により、閉断面(組み合いボックス構造)を有するブラケット20を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車体骨格とフェンダパネルとの間に介装され、歩行者の頭部等の衝突時に変形によって衝撃吸収を行うフェンダパネル取付用ブラケットに関する。
従来より、自動車等の車体においては、歩行者の頭部等が上方からフェンダに衝突した際の衝撃吸収性能を向上すること等を目的として、フェンダパネルとサイドアッパフレーム等の車体骨格との間にブラケットを介装したものが数多く提案されている。
例えば、特許文献1に開示されているように、この種のブラケットは、一般に、フェンダパネルが固定されるフェンダ取付部と、フェンダ取付部の両端部に連設する脚部と、脚部を車体骨格に固定する車体取付部とを有し、衝突時には、主として、脚部を変形させることによって衝撃吸収を行う。
特開2008−137540号公報
ところで、上述のように、車体骨格との間にブラケットを介在させてフェンダパネルを支持した場合、一般に、その支持剛性(実用剛性)は低下する。従って、ブラケットの脚部等には、フェンダパネルの支持剛性を確保するために最低限の材料強度等を必要とし、車体構造等によっては、通常時の支持剛性の確保と、衝突時の衝撃吸収性能の向上とを高いレベルで両立させることに限界があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、通常時の支持剛性の確保と、衝突時の衝撃吸収性能の向上とを両立することができるフェンダパネル取付用ブラケットを提供することを目的とする。
本発明は、フェンダパネルが固定されるフェンダ取付部と、前記フェンダ取付部の各端部をそれぞれ支持する一対の脚部と、前記各脚部の下端部をそれぞれ車体骨格に固定する一対の車体取付部とを有するブラケット本体と、前記ブラケット本体の側部に嵌合する補剛板と、前記補剛板の下端部を前記車体骨格に固定する車体取付部とを有する補剛部材と、を備えたことを特徴とするフェンダパネル取付用ブラケット。
本発明のフェンダパネル取付用ブラケットによれば、通常時の支持剛性の確保と、衝突時の衝撃吸収性能の向上とを両立することができる。
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係わり、図1は車体左側前部の要部を示す斜視図、図2は車体前部の要部を示す平面図、図3はフェンダパネル取付用ブラケットの要部を示す分解斜視図、図4はフード取付用ヒンジを兼用するフェンダパネル取付用ブラケットの要部を示す分解斜視図、図5は図2のV−V線に沿う要部断面図、図6は図2のVI−VI線に沿う要部断面図、図7は頭部衝突時におけるフェンダ取付用ブラケットの圧潰動作を示す説明図、図8乃至図10は補剛板の変形例を示す要部断面図、図11は補剛板の変形例の要部を示す斜視図、図12はフェンダ取付用ブラケットの変形例の要部を示す分解斜視図である。
図1,2において、符号1は車両を構成する車体を示す。この車体1の前部の車幅方向両側には、前後に延出するフロントサイドフレーム2が配設され、各フロントサイドフレーム2の前端部にはラジエータパネル5の左右両側が連結されている。このラジエータパネル5は、ラジエータロアフレーム6と、このラジエータロアフレーム6の上方に略平行に配設されたラジエータアッパフレーム7と、両フレーム6,7の両端部を連結する左右一対のラジエータサイドフレーム8とを有している。さらに、ラジエータアッパフレーム7の両端部には、車幅方向斜め後方に延出する延出部9が一体形成され、これら延出部9の下方にヘッドランプ取付部10が形成されている。また、各延出部9の車体方向外側の端部には、車体1の前後に延出するサイドアッパフレーム11の前端部が連結されている。
これら左右の各サイドアッパフレーム11は、フェンダパネル55の上部を支持する車体骨格としての機能を有し、これら各サイドアッパフレーム11は、例えば、上面の前後3箇所にそれぞれ固設されたブラケット20を介して、左右のフェンダパネル55を支持する。図1,2に示すように、本実施形態において、各ブラケット20は、例えば、サイドアッパフレーム11の前端部と、サイドアッパフレーム11の略中央部及び後部であってフロントストラットタワー12の前方及び後方の所定位置にそれぞれ配設されている。
ここで、図5,6に示すように、フェンダパネル55は、車両側部の意匠面を構成する外側縦壁部56と、この外側縦壁部56の上端部から折曲されて下方に延在する内側縦壁部57とを有し、さらに、内側縦壁部57の下端部から折曲されて車幅方向内側(エンジンルーム側)に延在するフランジ部58を有する。そして、フランジ部58は、サイドアッパフレーム11の上面に対向配置され、各ブラケット20を介して、サイドアッパフレーム11の上方に支持されている。
具体的に説明すると、図3、図5に示すように、ブラケット20は、例えば、側面視略ハット形状に折曲形成されたブラケット本体21と、このブラケット本体21の一側を補剛する補剛部材22とを有する。
ブラケット本体21は、例えば、フェンダパネル55のフランジ部58が固定されるフェンダ取付部25と、このフェンダ取付部25の各端部をサイドアッパフレーム11の上面から離間した上方位置にそれぞれ支持する一対の脚部26と、各脚部26の下端部をそれぞれサイドアッパフレーム11に固定する一対の車体取付部27と、が短冊状をなす単一の板金部材により折曲形成されて要部が構成されている。
フェンダ取付部25は、例えば、サイドアッパフレーム11と略平行に配置される平面視略矩形形状の頂面を有し、その中央部にはボルト挿通孔25aが穿設されている。また、フェンダ取付部25の裏面側には、ボルト挿通孔25aに対応する位置に、ウェルドナット25bが溶着されている。一方、例えば、図3乃至6に示すように、フェンダパネル55のフランジ部58には、ボルト挿通孔25aに対応するボルト挿通孔58aが穿設されている。そして、フェンダ取付部25の頂面にフランジ部58が載置され、両ボルト挿通孔58a,25aを貫通するボルト35がウェルドナット25bに螺合されることにより、フェンダ取付部25にはフェンダパネル55のフランジ部58が固定されている。
各脚部26は、フェンダ取付部25の前後端部からそれぞれ下方に延設されている。これらの脚部26の中途には折曲部26aが形成され、この折曲部26aより下側部分が上側部分よりも大きな俯角で下方に延設されている。これにより、各脚部26は、フェンダパネル55の上方等からの衝撃が入力された際に、折曲部26aを起点として変形することが可能となっている。
各車体取付部27は、例えば、図1,3,4に示すように、略中央部にボルト挿通孔27aが穿設された平面視略矩形の部材で構成され、これら車体取付部27は各脚部26の下端部から折曲されて車体前後方向にそれぞれ延出されている。一方、例えば、図3,4に示すように、サイドアッパフレーム11の上面にはボルト挿通孔27aに対応するボルト挿通孔11aが穿設されている。さらに、サイドアッパフレーム11の内面には、ボルト挿通孔11aに対応する位置に、ウェルドナット11bが溶着されている。そして、サイドアッパフレーム11の上面に各車体取付部27が載置され、両ボルト挿通孔27a,11aを貫通するボルト36がウェルドナット11bに螺合されることにより、ブラケット本体21はサイドアッパフレーム11に固定されている。
補剛部材22は、ブラケット本体21の一側部に配設される補剛板30と、この補剛板30の下端部をサイドアッパフレーム11に固定する車体取付部31と、が板金部材により折曲形成されて要部が構成されている。
補剛板30は、例えば、ブラケット本体21の車幅方向内側に配設されている。この補剛板30は、例えば、フェンダ取付部25及び脚部26の側端面に沿ってブラケット本体21の側部開口を閉塞する略五角形の平板部材によって要部が構成されている。
この補剛板30の車幅方向外側の面には、ブラケット本体21の内面に嵌合する嵌合用突起32が設けられている。図3,4に示すように、本実施形態において、この嵌合用突起32は、例えば、フェンダ取付部25及び脚部26の内面に沿って折曲された細長な板金部材が、溶着等により補剛板30の外面に固設されることにより形成されている。そして、補剛板30は、嵌合用突起32を介してブラケット本体21に嵌合されることにより、当該ブラケット本体21の車幅方向内側に閉断面(組み合いボックス構造)を形成する。
また、補剛板30の上部には、ブラケット本体21のフェンダ取付部25よりも上方に突出する突起部33が設けられている。本実施形態において、この突起部33は、補剛板30と一体形成されており、その先端部がエンジンフード50の縁辺部に臨まされている。
車体取付部31は、例えば、図3乃至図6に示すように、前後一対のボルト挿通孔31aが穿設された平面視略矩形の部材で構成され、補剛板30の下端部から折曲されて車幅方向外側に延設されている。一方、例えば、図3,4に示すように、サイドアッパフレーム11の上面には、ボルト挿通孔31aに対応するボルト挿通孔11cが穿設されている。さらに、サイドアッパフレーム11の内面には、ボルト挿通孔11cに対応する位置に、ウェルドナット11dが溶着されている。そして、サイドアッパフレーム11の上面に車体取付部31が載置され、両ボルト挿通孔31a,11cを貫通するボルト37がウェルドナット11dに螺合されることにより、補剛部材22はサイドアッパフレーム11に固定されている。
ここで、本実施形態において、図1,2,4,6に示すように、各サイドアッパフレーム11上に固設されるブラケット20のうち、最後部に位置するブラケット20は、エンジンフード50を支持するフードヒンジ51のヒンジベースを兼用する。このため、補剛板30の略中央部には、ヒンジアーム52を軸支するためのピン挿通孔30aが穿設されている。
ここで、ヒンジアーム52の基部側(固定端側)には、ピン挿通孔30aに対応するピン挿通孔52aが穿設されている。そして、ヒンジアーム52は、両ピン挿通孔52a,30aを貫通するヒンジピン38を介して、補剛板30に揺動自在に軸支されている。一方、ヒンジアーム52の先端側(自由端側)には、複数(例えば、3個)のボルト挿通孔52bが穿設されている。エンジンフード50のインナパネル53には、各ボルト挿通孔52bに対応するボルト挿通孔53aが穿設され、さらに、インナパネル53の内面には、ボルト挿通孔53aに対応する位置に、ウェルドナット53bが溶着されている。そして、両ボルト挿通孔52b,53aを貫通するボルト39がウェルドナット53bに螺合されることにより、エンジンフード50は、ヒンジアーム52の自由端側に連結されている。
このような構成において、例えば、歩行者の頭部100が上方からフェンダ等に衝突すると、図7(a)に示すように、フェンダパネル55の上部が下方に変形すると共に、エンジンフード50の縁辺部が変形しながら下方に移動する。そして、これらフェンダパネル55及びエンジンフード50に入力された衝撃はブラケット20に伝達され、この衝撃によってブラケット本体21及び補剛部材22が撓まされることにより、嵌合用突起32による嵌合状態が解かれ、ブラケット本体21と補剛部材22は個別の剛性部材に分離される。その際、エンジンフード50には補剛部材22の突起部33が臨まされているため、エンジンフード50に入力された衝撃は、衝突初期の段階で補剛部材22に伝達され、ブラケット本体21と補剛部材22とが好適に分離される。そして、ブラケット本体21と補剛部材22との分離によって閉断面が開放されることにより、ブラケット20全体としての剛性が低下し、ブラケット本体21及び補剛部材22は容易に変形される(図7(b)参照)。そして、これらの変形により、好適な衝撃吸収が実現される。
このような実施形態によれば、フェンダパネル55が固定されるフェンダ取付部25と、フェンダ取付部25の各端部をサイドアッパフレーム11から離間した位置にそれぞれ支持する一対の脚部26とを備えたブラケット本体21をサイドアッパフレーム11に固定すると共に、ブラケット本体21の側部に嵌合する補剛板30を備えた補剛部材22をブラケット本体21とは別個にサイドアッパフレーム11に固設し、これらブラケット本体21と補剛部材22との嵌合により、閉断面(組み合いボックス構造)を有するブラケット20を構成することにより、通常時の支持剛性の確保と、衝突時の衝撃吸収性能の向上とを両立することができる。
すなわち、ブラケット本体21と補剛部材22との嵌合によってブラケット20を構成することにより、低い材料強度のブラケット本体21と補剛部材22とを用いて所望の支持剛性を実現することができ、衝突時にはこれらを分離させることにより好適な衝撃吸収性能を実現することができる。
この場合において、ブラケット本体21のフェンダ取付部25よりも上方に突出する突起部33を補剛板30に設け、衝突時にはこの突起部33を通じてエンジンフード50等からの衝撃を入力可能な構成とすることにより、ブラケット本体21と補剛部材22とを強い嵌合強度で嵌合させた場合にも、衝突時にはこれらを的確に分離させることができる。従って、ブラケット本体21と補剛部材22とを強い嵌合状態で嵌合させることができ、エンジンフード50の開閉時の衝撃や車両走行時のロール等に対しても嵌合状態を的確に維持することができる。
また、補剛部材22をフードヒンジ51のヒンジベースとして兼用すればサイドアッパフレーム11上の近接した位置に別体のブラケットとフードヒンジとを配置する必要がなく、この部位における衝撃吸収性能を向上することができる。
ここで、上述の実施形態においては、補剛板30と面一に突出する突起部33を設けた一例ついて説明したが、例えば、図8に示すように、突起部33を車幅方向内側(或いは、図中破線で示す外側)に傾斜させた状態でエンジンフード50に臨ませることが可能である。このように構成すれば、エンジンフード50等から伝達される衝撃によって補剛板30が変形する方向を、車幅方向内側或いは外側の任意の方向に設定することが可能となる。
また、上述の実施形態においては、補剛板30を平板状の部材で構成した一例について説明したが、例えば、図9に示すように、補剛板30の一部をクランク状に折曲形成してもよく、また、図10に示すように、補剛板30の一部を略”く”の字状に折曲形成することも可能である。このように形成すれば、ブラケット20やエンジンフード50等のレイアウト等によっては、突起部33を省略した構成においても、衝突時にブラケット本体21と補剛部材22とを好適に分離させることが可能となる。
また、上述の実施形態においては、別途の板金部材によって補剛板30に嵌合用突起32を形成した一例について説明したが、例えば、図11に示すように、補剛板30の縁辺部を折曲することによって嵌合用突起32を形成することも可能である。
また、例えば、図12に示すように、補剛部材22側に代えて、ブラケット本体21側に、補剛板30の外周面と嵌合する嵌合用突起40を形成することも可能である。
車体左側前部の要部を示す斜視図 車体前部の要部を示す平面図 フェンダパネル取付用ブラケットの要部を示す分解斜視図 フード取付用ヒンジを兼用するフェンダパネル取付用ブラケットの要部を示す分解斜視図 図2のV−V線に沿う要部断面図 図2のVI−VI線に沿う要部断面図 頭部衝突時におけるフェンダ取付用ブラケットの圧潰動作を示す説明図 補剛板の変形例を示す要部断面図 補剛板の変形例を示す要部断面図 補剛板の変形例を示す要部断面図 補剛板の変形例の要部を示す斜視図 フェンダ取付用ブラケットの変形例の要部を示す分解斜視図
符号の説明
1 … 車体
2 … フロントサイドフレーム
5 … ラジエータパネル
6 … ラジエータロアフレーム
7 … ラジエータアッパフレーム
8 … ラジエータサイドフレーム
9 … 延出部
10 … ヘッドランプ取付部
11 … サイドアッパフレーム
11a … ボルト挿通孔
11b … ウェルドナット
11c … ボルト挿通孔
11d … ウェルドナット
12 … フロントストラットタワー
20 … ブラケット
21 … ブラケット本体
22 … 補剛部材
25 … フェンダ取付部
25a … ボルト挿通孔
25b … ウェルドナット
26 … 脚部
26a … 折曲部
27 … 車体取付部
27a … ボルト挿通孔
30 … 補剛板
30a … ピン挿通孔
31 … 車体取付部
31a … ボルト挿通孔
32 … 嵌合用突起
33 … 突起部
35 … ボルト
36 … ボルト
37 … ボルト
38 … ヒンジピン
39 … ボルト
40 … 嵌合用突起
50 … エンジンフード
51 … フードヒンジ
52 … ヒンジアーム
52a … ピン挿通孔
52b … ボルト挿通孔
53 … インナパネル
53a … ボルト挿通孔
53b … ウェルドナット
55 … フェンダパネル
56 … 外側縦壁部
57 … 内側縦壁部
58 … フランジ部
58a … ボルト挿通孔
100 … 頭部

Claims (3)

  1. フェンダパネルが固定されるフェンダ取付部と、前記フェンダ取付部の各端部を車体骨格から離間した位置にそれぞれ支持する一対の脚部と、前記各脚部の下端部をそれぞれ前記車体骨格に固定する一対の車体取付部とを有するブラケット本体と、
    前記ブラケット本体の側部に嵌合する補剛板と、前記補剛板の下端部を前記車体骨格に固定する車体取付部とを有する補剛部材と、を備えたことを特徴とするフェンダパネル取付用ブラケット。
  2. 前記補剛部材は前記フェンダ取付部よりも上方に突出する突起部を有することを特徴とする請求項1記載のフェンダパネル取付用ブラケット。
  3. 前記補剛板は、前記フェンダパネルの車幅方向内側でエンジンフードを支持するフードヒンジのヒンジベースを兼用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェンダパネル取付用ブラケット。
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