JP2010082430A - ゴルフクラブの選択方法およびゴルフクラブの選択システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ゴルファがゴルフクラブをスイングしたときのゴルフクラブの挙動を用いてゴルフクラブを選択する方法であって、スイングのアドレス状態からスイング終了までの間、打球方向の後方から撮影して画像を取得する工程と、アドレス状態でのゴルフクラブシャフトのシャフト軸を通る第1の直線と、この第1の直線と交わり、かつ設置されるティーの根元とゴルファの首の付け根を通る第2の直線とにより、画像を少なくとも3つの領域に分割する工程と、スイングのトップ状態からインパクト状態におけるゴルフクラブヘッドが通過する領域を判別する工程と、ゴルフクラブヘッドが通過する領域に基づいて、ゴルフクラブヘッドが通過する各領域に応じて予め決定された各領域に適したゴルフクラブを選択する工程とを有する。
【選択図】図1
Description
ゴルフクラブの選択方法としては、上記選択方法以外にも、ゴルフクラブのスイングを測定し、この得られたスイングに基づいて、各ゴルファに適合したゴルフクラブを選択する方法がある(例えば、特許文献1)。
特許文献1においては、ゴルフクラブのスイングを、ポリゴン面を用いて表現しており、このポリゴン面の特性を解析することにより、時刻T−T’間の器具(ゴルフクラブシャフト)の動き方の特徴を得ている([図15]、[0048]参照)。例えば、面ABDCのポリゴン面では、辺ACの長さを(T’−T)の値で割った値が器具(ゴルフクラブシャフト)の把持側(グリップ側)の速度を示すこと、辺BDの長さを(T’−T)の値で割った値は器具(ゴルフクラブシャフト)の先端側(ヘッド側)の速度を示すことが記載されている。このように、特許文献1では、ゴルフクラブシャフトのグリップ側の速度と、ゴルフクラブシャフトの先端側の速度を求めている。
また、特許文献1においては、ゴルフクラブのスイングをポリゴン面を用いて表すことにより、スイングプレーンといわれるものが容易に判定できることも記載されている。
特許文献1においては、得られたスイング特性に関する評価結果に基づいて、ゴルフインストラクターらにスイングを改善しなくてもより好ましい結果を得ることのできるゴルフクラブを選択することが可能であることが記載されている([0048]参照)。
スイングの種類は、例えば、グリップスピードが標準的な場合、「中間タイプ」と分類され、グリップスピードが標準よりも遅い場合、「リストターンタイプ」と分類され、グリップスピードが標準よりも早い場合、「ボディターンタイプ」と分類される。このように、グリップスピードにより、スイングを分類し、予め決定された各スイングタイプに適合するゴルフクラブまたはゴルフクラブシャフトを選択する方法がある。
さらには、上述のように、グリップスピードを求めて、スイングを分類する方法においては、グリップエンドの移動速度が同じであっても、スイングプレーンの傾向が異なるゴルファでは、スイングの分類が必ずしも当てはまらないという問題点がある。
前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定においては、前記ゴルフボールのインパクト状態における、前記ゴルフクラブのグリップに対応するグリップ位置の移動速度の情報を取得するものであることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記画像を取得する工程は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記画像取得部は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得することが好ましい。
本発明においては、さらに、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報、画像取得部で取得された画像、ならびに前記グリップ位置の移動速度の情報および前記ヘッド位置の移動速度の情報をスクリーンに表示させるプロジェクタを有し、前記スクリーンは、前記打球方向に対面して設けられていることが好ましい。
さらには、選択されたゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを組み合わせたゴルフクラブにより、ゴルフボールを打球し、このときのゴルフクラブヘッドの挙動およびゴルフボールの挙動を測定することにより、選択されたゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが適正であるかを判定することができる。
また、画像取得装置により、各ゴルファについて、手の真後ろから撮影することにより、各ゴルファについて、常に同じようにスイングを評価できるため、例えば、スイングの分類をゴルファ毎に適正にできる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブの選択システムを示す模式図であり、(b)は、図1(a)に示すゴルフクラブの選択システムにおけるカメラの配置状態を示す模式図である。
本実施形態のシステム10においては、スイング中のゴルフクラブ20の挙動を画像として取得するカメラ12と、ゴルフクラブシャフト24の挙動を計測する計測装置14と、カメラ12および計測装置14の制御、およびカメラ12で得られた画像の画像データなどを画像処理する機能、および計測装置14で得られた測定データなどを表示する機能を備える処理装置16を有する。
ゴルフクラブ20は、例えば、長さ1066〜1219mm(約42〜約48インチ)、振動数3.3〜5.0Hz(200〜300cpm)、質量280〜320gの範囲内にある、標準的仕様の所定のゴルフクラブが用いられる。ゴルフクラブ20のゴルフクラブシャフト24上には反射マーカ28a、28bが間隔Lをあけて設けられている。
このカメラ12は、レンズ等の受光部を有し、この受光部へ入射した像の撮像を行うものである。
カメラ12は、打球方向a(ゴルフボールbが飛び出す方向)の反対側に配置されており、このカメラ12の視線軸がグリップ26の位置を通る線gと一致するように、高さを調整することができるスタンドに設けられている。これにより、ゴルファGのスイングが打球方向aの後方から撮影される。なお、グリップ26の位置を通る線gは、地面(図示せず)と平行である。
カメラ12は、静止画および動画を撮影する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。カメラ12としては、例えば、ビデオカメラ(記録媒体が半導体メモリ、ハードディスクなどを含む)、および高速シャッタカメラを用いることができる。
カメラ12は、後述する処理装置16の処理ユニット30に接続されている。
計測装置14は、ゴルフスイングに適したゴルフクラブシャフトの選択に利用されるものであって、ゴルファGのゴルフスイングの特徴量を算出する。
計測装置14は、スイング測定・データ処理ユニット100(以下、単にユニット100という)を備え、このユニット100が処理装置16に接続されている。
ユニット100では、後述するように、ゴルフクラブシャフト24のマーカ28a、28bの移動速度を算出する。
図3に示すように、データ処理手段116は、タイミング情報取得部130、基準線間移動所要時間算出部(以下、移動所要時間算出部という)132、および移動速度算出部(移動速度取得手段)134を備える。
データ処理手段116のタイミング情報取得部130は、ラインセンサ110から出力される信号を受け取り、反射マーカ28aおよび28bの各々について、第1測定対象領域117の第1通過基準線117sを通過するタイミングをそれぞれ求める。同様に、反射マーカ28aおよび28bの各々について、第2測定対象領域119の第2通過基準線119sを通過するタイミングをそれぞれ求める。
メモリ118には、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の距離Wが記憶されている。移動速度算出部134は、移動所要時間算出部134が算出したタイミング差Tpaとタイミング差Tpb、およびこの距離Wを用い、ゴルフクラブシャフト24に設けられた反射マーカ28aのインパクト状態における移動速度Va(=W/Tpa)、および反射マーカ28bのインパクト状態における移動速度Vb(=W/Tpb)の少なくとも一方を求める。
図4は、ゴルフスイングでの、インパクト状態におけるヘッドスピードVhおよびグリップ端速度Vgと、ゴルフクラブシャフト24に設けられた反射マーカ28aのインパクト状態における移動速度Vaと、反射マーカ28bのインパクト状態における移動速度Vbとの関係について説明する図であり、ゴルフスイング中のインパクト状態における、ゴルフクラブ20の挙動を示す概略側面図である。
Vg=(Va×R)/(R+l) ・・・(2)
Vh={Va×(R+H)}/(R+l) ・・・(3)
Vh={(L+l−H)×Va+(H−l)×Vb}/L ・・・(5)
また、グリップスピードVgは、この値が小さいほど、先調子のゴルフクラブシャフトが好ましいとされている。
さらには、本実施形態において、ヘッドスピードVhとグリップスピードVgとの比率Vh/Vg(リストターン比率)の値は、この値が大きいほど、インパクトの際にリストの返しがより強いリストターンタイプのスイングであると判定し、先調子のゴルフクラブシャフトを選択する。
また、比Vh/Vgの値がより小さいほど、インパクトの際にリストをあまり使わないボディターンタイプのスイングと判定して、手元調子のゴルフクラブシャフトを選択する。
また、比Vh/Vgの値が中間の値である場合には、中調子のゴルフクラブシャフトを選択する。
なお、筐体106に設けられたディスプレイ104に、グリップスピードVg、ヘッドスピードVh、および比Vh/Vg等の各種情報が表示される。さらには、後述するように、処理装置16のモニタ32に表示してもよい。
操作手段34は、パーソナルコンピュータ等で使用されている一般的な入力デバイスであり、例えば、マウスやキーボードである。この操作手段34は、モニタ32に表示された画像に描画するために利用されるとともに、モニタ32に表示する表示画面の設定等の各種入力設定等に用いられる。
このデータベース36には、試打できるように、実物が用意されているゴルフクラブヘッドについて特性が記録されたゴルフクラブヘッドのデータと、実物が用意されているゴルフクラブシャフトの特性が記録されたゴルフクラブシャフトのデータとが記憶されている。
なお、ゴルフクラブヘッドのデータおよびゴルフクラブシャフトのデータにおける分類の方法は、特に限定されるものではない。
このデータベース36のゴルフクラブヘッドのデータおよびゴルフクラブシャフトのデータとして記憶されている各ゴルフクラブヘッド22およびゴルフクラブシャフト24は、試打できるように、実物が用意されている。
具体的には、処理ユニット30は、信号処理部40、画像処理部42、解析部44、出力部46、CPU48およびメモリ50を有し、モニタ32および操作手段34と接続されている。
信号処理部40、画像処理部42、解析部44および出力部46は、プログラムを実効することで機能する部分であるが、本発明では、これらの部分は、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
本実施形態においては、操作手段34からの指示入力により、画像処理部42は、図6に示すように、例えば、アドレス状態を示す画像60に、ゴルフクラブ20のゴルフクラブシャフト24のシャフト軸Sを通る第1の直線62を描画させる。
さらに、操作手段34からの指示入力により、画像処理部42は、アドレス状態を示す画像60に、第1の直線62と交わり、かつ設置されるティー(図示せず)の根元とゴルファGの首の付け根Nを通る第2の直線64を描画させる。
なお、本実施形態においては、カメラ12は固定されているため、カメラ12で撮影される画像は画角が同じで被写体の大きさは同じとなるように撮影されている。これにより、第1の直線62および第2の直線64の位置は、スイング中の画像であっても同じである。このため、画像処理部42は、他の画像においても、ユーザの操作手段34の指示入力がなくても、アドレス状態の画像60と同じ位置(同じ座標)に第1の直線62および第2の直線64を描画させる。
なお、スイング中のゴルフクラブヘッド22およびゴルフクラブシャフト24の位置については、ユーザの操作手段34からの指示入力により特定されるものであってもよい。
さらに、スイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブヘッド22およびゴルフクラブシャフト24が、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asのいずれかの領域にあるかにより、解析部44により、スイングが分類される。この分類されたスイングの分類情報がCPU50に出力されて、このCPU50がデータベース36を参照し、ゴルフクラブ22が選択される。
また、スイングが、第1のスイングであれば、ゴルフクラブヘッドとしては、重心角が中間的で、比較的重心距離の短いゴルフクラブヘッドが選択される。
さらに、スイングが、第1のスイングであれば、スイング時に測定されるグリップスピード、リストターン比率に基づいて、ゴルフクラブシャフトを選択した場合、ゴルファにとって適正なものを選択することができる。
このように、スイングが第2のスイングであれば、スイング時に測定されるグリップスピードに基づいて、ゴルフクラブシャフトを選択した場合、ゴルファにとって適正なものを選択することができる。
また、スイングが、第2のスイングである場合、ゴルフクラブヘッドとしては、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選択される。
また、スイングが第3のスイングである場合、ゴルフクラブヘッドとしては、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選択される。
例えば、アウトサイドインの軌道に最適なゴルフクラブヘッドは、インサイドアウトの軌道に最適なゴルフクラブヘッドと、重心角が異なり、アウトサイドインの軌道に最適なゴルフクラブヘッドの重心角は、インサイドアウトの軌道に最適なゴルフクラブヘッドの重心角に比べて大きい。
なお、本実施形態では、重心距離と重心角を調整して、分類されるスイングに最適なゴルフクラブヘッドを用意し選択する。しかしながら、重心距離の替わりに、重心点の、水平面からの高さを調整したものを用いることもできる。特に、アイアン系のゴルフクラブには、重心点の高さを調整したものを用いることが好ましい。なお、重心点の高さは、特開2005−211570号公報に記載されているFGHで定められる寸法をいう。
ゴルファGは、ゴルフクラブ20のグリップ26を把持するとき、グリップ26に表されている印または表示を基準にして把持するので、グリップ角度θを変えることにより、アドレス状態で、ゴルフクラブヘッド22のフェース面22aの向く向き、さらにはゴルフボール打撃直前のフェース面22aの移動する向きは変化する。このため、分類されるスイングに応じて最適なゴルフクラブを提供することができる。例えば、第2のスイングでは、グリップ角度θを正とし、第3のスイングでは、グリップ角度θを負とする。
図11(a)に示すように、支点71を中心に矢印Uの方向に揺動可能なシーソー型の天秤計70によって測定される。天秤計70には、ゴルフクラブヘッドのホーゼル孔に対して隙間の無い嵌め合いを持つシャフトピン72を有し、ゴルフクラブヘッドを装着しない状態では、アーム73が水平になるように釣り合っている。ゴルフクラブヘッドの重心Cのゴルフクラブシャフト軸からの重心距離mの測定は、図11(b)に示すように、シャフトピン72に質量wのゴルフクラブヘッドを装着し固定する。そして、アーム73が水平に釣り合うように所定の位置(L’)に精密秤を置き、天秤計70が吊り合うときの荷重を測る。そして、この荷重が最大になるように、シャフトピン72に装着されるゴルフクラブヘッドの向きを調整し、最大になるときの荷重W’を求める、この荷重w’に基づいて、釣り合いの式からm=(w’×L’)/wを算出する。この算出値が重心距離mである。
処理装置16により、グリップスピードVg、リストターン比率に基づいて、データベース36が参照されて、リストターンタイプのスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフト(先調子)、ボディターンタイプのスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフト(手元調子)、または中間タイプのスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフト(中調子)が選択される。
なお、本実施形態においては、第1のスイング〜第3のスイングと、リストターン比率とにより、いずれのゴルフクラブシャフトの調子を選択するかについて、下記表1に示すようにテーブルとしてデータベース36に記憶保持しておいてもよい。
また、CPU48は、ゴルフクラブ20をゴルファGがスイングしたとき(アドレス時を含む)におけるカメラ12の撮影タイミング、およびゴルフクラブシャフト24の挙動計測を計測装置14に行わせるとともに、カメラ12で撮影された画像、ゴルフクラブシャフト24の挙動計測結果から解析部44で得られた解析結果に基づいてゴルフクラブヘッド22およびゴルフクラブシャフト24をデータベース36から選択(抽出)する機能を有する。
また、スイング時には、リストターン比率の値も算出されており、このリストターン比率に応じて、スイングタイプも分類される。これにより、シャフトが選択される。
このようにして、打球方向の後方からの画像に基づいてスイングタイプを分類するとともに、リストターン比率に基づいてスイングタイプを分類することにより、リストターン比率だけでは、第3のスイング(アウトサイドイン軌道のスイング)のように、ゴルフクラブシャフトの選択が合わないものについても、適正なゴルフクラブシャフトを選択することができる。
なお、第3のスイング(アウトサイドイン軌道のスイング)のゴルファが手元調子、または先調子のゴルフクラブシャフトを選択した場合、ゴルフクラブシャフトの軌道が安定せず、打球の方向性にばらつきが生じる。
先ず、ゴルファGがアドレスした時のグリップ24の高さに、カメラ12を合わせる。
次に、ゴルファGが、ゴルフクラブ20のグリップ24を把持してアドレスし、スイングをする。このとき、カメラ12により、アドレス状態からスイング終了までの間の画像を取得するとともに、計測装置14により、リストターン比率の値も算出する。
これらの第1の直線62および第2の直線64は、ユーザの操作手段34を用いた指示入力により描画される。なお、第1の直線62および第2の直線64は、画像処理部42により、ゴルファG、ゴルフクラブ20を特定し、自動的に描画するようにしてもよい。
これにより、アドレス時の画像60を、第1の領域Apと、第2の領域Afと、第3の領域Asとに分割する。
本実施形態の処理装置16においては、この分類したスイングに基づいて、データベース36から適したゴルフクラブヘッドを選択する。
これにより、例えば、フックボールを打球する傾向にあれば、そのフックが抑制されるゴルフクラブを得ることができる。また、スライスボールを打球する傾向にあれば、そのスライスが抑制されるゴルフクラブを得ることができる。
次に、処理装置16により、これらグリップスピードまたはリストターン比率に基づいて、データベース36から、先調子、中調子、または元調子のゴルフクラブシャフトが選択される。これにより、飛距離を向上させることができる。
例えば、第3のスイングでは、リストターン比率に依らず、ゴルフクラブシャフトの調子は、中調子のものが適正である。このため、リストターン比率だけを測定し、このリストターン比率に応じたゴルフクラブシャフトを選択しても、適正なゴルフクラブを得ることができない。しかしながら、本実施形態においては、第33のスイングであることを特定できるため、リストターン比率に依らずに、中調子のゴルフクラブシャフトを選択することができる。
これにより、最適なゴルフクラブヘッドと最適なゴルフクラブシャフトとが組み合せられてなる最適なゴルフクラブを、より高い精度でゴルファGが得ることができる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブの選択システムを示す模式図である。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブの選択システムを示す模式的ブロック図である。
また、計測されるゴルフボールbの挙動のパラメータとしては、例えば、ヘッドスピード、ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離である。
本実施形態のシステム150においては、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158の4つの計測装置を有するため、計測装置の数に合わせて、モニタ32を4つ設けることが好ましい。
スクリーン38は、ゴルフボールbの打球方向aに対面して設けられている。すなわち、ゴルフボールbを打つ正面にスクリーン38が設けられている。これにより、ゴルファGは、スクリーン38に向かって打球する。
このスクリーン38を設けることにより、ゴルフクラブヘッド22の挙動、およびゴルフボールbの挙動等を、スイングしている位置から容易に知覚することができる。
なお、スクリーン38の手前には、スクリーン38の破損を防ぐためのネット(図示せず)などを設けることが好ましい。
処理装置16aにおいて、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、第3処理ユニット164、第4処理ユニット166、記憶部170、設定部172およびデータべース174は、制御部168により制御される。
第2処理ユニット162は、ゴルフボール挙動計測装置154に接続されている。この第2処理ユニット162については後に詳細に説明する。
第3処理ユニット164は、カメラ156に接続されている。この第3処理ユニット164については後に詳細に説明する。
第4処理ユニット166は、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158に接続されている。この第4処理ユニット166については後に詳細に説明する。
このデータベース174には、試打できるように、実物が用意されているゴルフクラブヘッドについて特性が記録されたゴルフクラブヘッドのデータと、実物が用意されているゴルフクラブシャフトの特性が記録されたゴルフクラブシャフトのデータとが記憶されている。
このデータベース174のゴルフクラブヘッドのデータおよびゴルフクラブシャフトのデータとして記憶されている各ゴルフクラブヘッド22およびゴルフクラブシャフト24は、試打できるように、実物が用意されている。
なお、ゴルフクラブヘッドのデータおよびゴルフクラブシャフトのデータにおける分類の方法は、特に限定されるものではない。
図14(a)は、ウッド系のゴルフクラブヘッドに設けられるマーカの配置位置の一例を示す模式図であり、(b)は、アイアン系のゴルフクラブヘッドに設けられるマーカの配置位置の一例を示す模式図であり、(c)は、マーカの例を示す模式図である。
また、図14(b)に示すように、ゴルフクラブシャフト24と、ゴルフクラブヘッド23とを有するアイアン系のゴルフクラブ20aにおいては、このゴルフクラブヘッド23の打撃面23aと接するゴルフクラブヘッド23の上端面23bおよびホーゼル部23cにマーカ52a〜52cが設けられている。
また、ゴルフクラブにおいて、マーカ52a、52b、52cを取り付ける部分を、例えば、半球状に突出させて、この突出部に再帰反射シートを張り付けるか、または再帰反射塗料を塗布して、マーカ52a、52b、52cを形成してもよい。
例えば、図14(c)に示すように、マーカ52a〜52cが円形形状を成す場合、その円形形状の中心点をマーカ特徴点53a〜53cとし、後述する画像処理部192においてその位置が抽出される。
また、各マーカの形状は同一にする必要は無く、前述の形状のものを自在に組み合せることもできる。この場合も各マーカの各マーカ特徴点は、例えば、マーカの中心点(重心点)である。
図15(a)に示すゴルフクラブヘッド挙動計測装置152(以下、挙動計測装置152という)は、異なる2方向からゴルフクラブヘッド22を撮像する照射・撮像部152aを備える。照射・撮像部152aは、この照射・撮像部152aによる撮像範囲に透明な部材が設けられたケース(図示せず)内に収納されており、例えば、スイング時のインパクト前後のゴルフクラブヘッド22を斜め上方から撮影するようにケースが設置されている。
挙動計測装置152は、照射・撮像部152aをケースに収納して、ポータブル化して運搬を容易にしている。これにより、挙動計測装置152を、持ち運んで、室内、屋外を問わず、所定の環境で、ゴルフボールの打ち出し前後におけるゴルフクラブヘッド22の挙動を計測することができる。
なお、本実施形態では、ゴルフボールbの打ち出し前後のゴルフクラブヘッド22を、異なる2方向から撮影するが、本発明では、異なる3方向、4方向、・・・のように、異なる少なくとも2方向からゴルフクラブヘッド22を撮影すればよい。
照射光源180、ハーフミラー182、カメラ184、および反射ミラー186、186a、186bが、平板の基板188の表面188aに取り付けられている。
このときのマーカ52a〜52cからの反射光(以下、マーカ反射光2とする)は、反射ミラー186から全反射されて再帰反射マーカに照射する照射光の光路と重なり、反射ミラー186の全反射面に向かう。そして、反射ミラー186の全反射面において、マーカ反射光2はハーフミラー182方向へ向けて反射される。ハーフミラー182では、ハーフミラー182から射出して反射ミラー186に向かう光の反射角度(射出角)と、マーカ反射光2がハーフミラー182に入射する入射角度は略同一である。
さらに、ハーフミラー182を透過したマーカ反射光2はハーフミラー182で反射されたマーカ反射光1とともにカメラ184のレンズ等の受光部に入射する。
したがって、異なる2方向から反射した照射光の光路と略一致したマーカ52a〜52cからの2つの反射光による反射マーカの像がカメラ184で撮像される。
こうして、1つのカメラで移動物体の反射マーカの像をステレオ画像として撮像することができる。2つの像の取り込み方は、例えば、画像の上下方向で二分割等として取り込む。
このように光路長を近づけることにより、カメラ184は、マーカの2つの像についてピントを合わせて撮像することができる。
この場合、マーカ反射光1の光路に設けられる反射鏡が反射ミラー186a、186bの2枚であるため、マーカ反射光1の反射は反射ミラー186b、反射ミラー186a、ハーフミラー182の順に計3回行われ、マーカ反射光2の反射は反射ミラー186で1回行われる。つまり、2つの反射光(マーカ反射光1、2)がマーカ52a〜52cからカメラまでの光路で反射される回数は奇数回になっている。
図15(b)に示すように、具体的には、第1処理ユニット160は、信号処理部190、画像処理部192、解析部194、出力部196、およびメモリ198を有する。
信号処理部190、画像処理部192、解析部194および出力部196は、プログラムを実効することで機能する部分であるが、本発明では、これらの部分は、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
なお、第1処理ユニット160は、制御部168により各機能が制御されている。
さらには、抽出部192aは、2方向で撮影されたそれぞれの各マーカ52a、52b、52cの像の対応付けを行い、同時刻にカメラ184で撮影された各マーカ52a、52b、52cの像を特定する。
次に、抽出部192aにおいては、同時刻にカメラ184で撮影された、同時刻における異なる方向から撮影された画像内における各マーカ52a、52b、52cの像について各マーカ特徴点53a〜53cの位置座標をそれぞれ求める。この求められた各マーカ特徴点53a〜53cの位置座標を、マーカの位置座標として、これを用いてゴルフクラブヘッド22が通過する空間を定めた3次元座標系における位置座標を求め、各マーカ特徴点の3次元座標系における位置を抽出するように構成される。
カメラ184の撮影方向が既知となっているので、これらのカメラ184によって撮影される画像における2次元位置座標の情報を求めることで、ゴルフクラブヘッド22が通過する空間を表した所定の3次元座標系における位置(3次元位置座標)を求めることができる。
具体的には、メモリ198に予めゴルフクラブヘッドの3次元形状モデルのデータ(CADデータ)と、上記マーカ特徴点の配置位置に対応する、3次元形状モデル上の対応点の位置の情報とが記憶されており、このデータと情報を呼び出し、3次元形状モデル上の対応点の、上記3次元座標系における位置座標が、抽出部192aで抽出されたマーカ特徴点の3次元位置座標と一致するように、3次元形状モデルの位置および向きを算出し、この位置と向きをゴルフクラブヘッドの位置および向きとして、ゴルフクラブヘッドの位置および向きの時系列データを算出するように構成される。
図16中、所定の位置を原点として、ゴルフボールの打ち出し方向をX方向、この方向に直交し、地面に平行な方向をY方向、地面に鉛直な方向をZ方向として表したXYZ座標系である。点εはゴルフボールの打ち出し位置である。
図16中、3つのマーカを表す3つのプロット群M1、M2〜M10は、2000分の1秒の時間間隔で撮影されたマーカから抽出される3つのマーカ特徴点の位置を示す。
さらには、マーカを表す3つの各プロット群M1、M2〜M10にゴルフクラブヘッドを対応させて、ゴルフクラブヘッドの移動を連続的に表示することにより、ゴルフクラブヘッドの位置およびフェースの向きの変化を知ることができる。
また、解析部194は、打点位置でのゴルフクラブヘッド22のフェース面22a(打撃面)の向きから、ゴルフクラブヘッド22の挙動パラメータとして、ダイナミックロフト、フェース角およびライ角を算出し、更には、打撃前後におけるゴルフクラブヘッド22の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度(ゴルフクラブヘッド22の移動方向)を算出する部位でもある。
例えば、ヘッドスピードは、マーカ52bの時系列データを用いて算出される。
本実施形態においては、例えば、ゴルフクラブヘッドの打撃面のゴルフボールの打点位置を例えば、±0.5(mm)以内の精度で特定することができる。また、この打点位置でのヘッドスピードを算出することができ、ヘッドスピードの変化を例えば、±0.5(m/秒)以内の精度で算出することができる。
メモリ198は、上述した画像データ、CADデータを記憶保持する部分である。
ゴルフクラブヘッド22を所定のアドレス状態に配置し、この状態でカメラ184で静止時の画像が撮影され、第1処理ユニット160の抽出部192aでゴルフクラブヘッド22の3つのマーカ52a、52b、52cの配置位置の情報が正確に求められる。この配置位置の情報は、CADデータによって構成される3次元形状モデル上の対応点としてメモリ198に記憶される。配置位置の情報とは、例えば、ゴルフクラブヘッド22の重心位置を原点とした3次元位置座標である。
なお、ゴルフクラブヘッド22上の3つのマーカ52a、52b、52cの配置位置の情報は、挙動計測装置152とは別のレーザ光を用いた3次元形状測定器を使ってより正確に取得して第1処理ユニット160のメモリ198に予め記憶しておいてもよい。
まず、ゴルファGが、ゴルフクラブ20を把持してゴルフスウィングをすると、このゴルフスウィング中のゴルフボールbの打ち出し前後のゴルフクラブヘッド22がカメラ184で撮影される。
カメラ184で撮影された画像は、信号処理部190で、所定の処理が行われ、デジタル画像データとして画像処理部192に供給される。
次に、マーカ52a、52b、52cの像のマーカ特徴点の位置がXYZ座標系における3次元位置座標として抽出される。
図17に示す画面200においては、ゴルフクラブヘッドのフェース面の中心位置の軌跡について、上下方向の軌跡のグラフ202aと、左右方向の軌跡のグラフ202bが示される。この軌跡より求められる、ゴルフボールを打撃したフェース面の位置(ゴルフボールの打点位置)についての情報がゴルフクラブヘッド図形上に表示される。ゴルフクラブヘッドの移動の軌跡も領域206に重ね書きにより示される。
図17の表示画面200に表示されるように、例えば、進入角(上下)は、4回のゴルフスウィングで、3.7度、4.5度、4.5度、3.9度であり、進入角(左右)は、1.5度、1.6度、2.8度、2.0度である。
また、ゴルフクラブヘッドが、ゴルフボールを飛球させようとする目標方向に対して、ゴルフクラブヘッドがゴルファから見て内側から外側に移動するゴルフスウィングをインサイドアウトといい、外側から内側に移動するゴルフスウィングをアウトサイドインという。
したがって、図18中、Aタイプ、Bタイプは、進入角(上下)が正であり、アッパーブローであることを表している。Cタイプ、Dタイプは、進入角(上下)が負であり、ダウンブローであることを表している。
したがって、タイプAでは、ゴルフボールは高めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。タイプBでは、ゴルフボールは高めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。タイプCでは、ゴルフボールは低めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。タイプDでは、ゴルフボールは低めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。
図19(a)は、水平面B上にティーtにより設置されたゴルフボールbをY方向(横)から見た図であり、この図19(a)に示すように、ゴルフボールbを横から見た場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド12がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド12の移動軌跡FVとする。この移動軌跡FVは、算出されたゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動を表す位置座標の時系列データを用いて、ゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動軌跡として表されるものである。
図19(a)では、ゴルフボールbから丁度50mm離れた位置における角度γVを示している。
なお、本実施形態においては、進入角(上下)については、水平面Bと平行な面B1よりも上側を正(プラス)の角度とし、水平面Bと平行な面B1よりも下側を負(マイナス)の角度とする。
図19(b)に示すように、ゴルフボールbを上からみた場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド12がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド12の移動軌跡FHとする。この移動軌跡FHは、算出されたゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動を表す位置座標の時系列データを用いて、ゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動軌跡として表されるものである。
ここで、設置されたゴルフボールbの中心bcを通るとともに、X方向と平行であり、かつ水平面Bに対して垂直な面を面X1とする。
なお、本実施形態においては、進入角(左右)については、面X1よりもゴルファの反対側を正(プラス)の角度とし、面X1よりもゴルファ側を負(マイナス)の角度とする。
図20は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブの選択システムに用いられるゴルフボール挙動計測装置を示す模式図である。
基板210の表面210aに、ミラー212a、212bと、調整用ミラー212cと、ハーフミラー212dと、CCDカメラ214とが後述するように配置されている。
計測装置154においては、ケースに収納される本体部216は、ゴルフボールbを試打するゴルファGとゴルフボールbを挟んで対向する位置に配置される。
計測装置154は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152によりもスクリーン38に近い側に設けられている。
ゴルフボールbは、ゴルファGの試打によって、打ち出し方向に打ち出されるが、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー212bで反射されてハーフミラー212dに投影され、投影されたゴルフボールbの像はハーフミラー212dを透過してCCDカメラ214に至るように構成されている。
また、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー212aで、この後、調整用ミラー212cで反射され、調整用ミラー212cで反射されたゴルフボールbの像はさらにハーフミラー212dで反射されてCCDカメラ214に至るように構成されている。
また、本実施形態の調整用ミラー212cは、ミラー212aとハーフミラー212dとともに投影された像を反射するので、CCDカメラ214で撮像するゴルフボールbの像はゴルフボールbの鏡像となる。一方、ミラー212bで反射しハーフミラー212dで透過してCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像も鏡像となる。このように調整用ミラー212cは、ミラー212aで反射されてCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像を鏡像とするための調整用のミラーであり、ミラー212bで反射されてCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像と同様に鏡像とする。
一方、ゴルフボールの像232bは、ミラー212a、調整用ミラー212c、ハーフミラー212dで反射された2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像であり、ゴルフボールの像234bは、ミラー212bで反射されハーフミラー212dを透過した2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像である。
ここで、平面画像230において、ゴルフボールの像232aが下側に、ゴルフボールの像234aが上側に撮像されるように、ミラー212a、212bまたは調整用ミラー212cの反射面の傾斜角等の配置の調整が成されている。
また、調整用ミラー212cを用いて、撮像されるゴルフボールbの像はともに鏡像となり、図21中、ゴルフボールbの像は同一方向に移動する。
CCDカメラ214で撮像された平面画像230の画像データは、第2処理ユニット162に送られる。
すなわち、図20に示すように、2個のミラー212a、212bは任意の角度だけ傾斜しているので、これらのミラー212a、212bによって投影されて平面画像230として撮像された画像におけるゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置の座標やマーク236の像の中心位置の座標は、ミラー212a、212bの傾斜角度に応じて鉛直面および水平面の成分が合成されたものとなっている。従って、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心の位置の座標やマーク236の像の中心位置の座標の数値が鉛直面および水平面の成分となるようにミラー212a、212bの配置に応じて演算して分解する。そして、分解して得られた鉛直面および水平面の成分のそれぞれにおける最初のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク236の中心位置の座標および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク236の中心位置の座標を測定する。測定された各座標は演算部224に送られる。
また、演算部224は、マーク236の中心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールbの回転角速度と回転方向を算出して、バックスピン、およびサイドスピンを算出する。
計測装置154においては、ゴルファGによってゴルフクラブ20のスウィングが開始され、ゴルフクラブ20のゴルフクラブヘッドがインパクト直前の領域に設置された図示しないゴルフクラブヘッド検出装置の検出位置を通過すると、トリガー信号がゴルフクラブヘッド検出装置において生成される。そして、ゴルフクラブヘッド検出装置からコントローラ226に送られる。
コントローラ226では、トリガー信号の立ち上がりからT1秒後にCCDカメラ214の電子シャッターが開くように、カメラ作動信号が生成されてCCDカメラ214に送られ、このカメラ作動信号によって、電子シャッターがT2秒間開く。
なお、挙動パラメータに、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、ゴルフボールのキャリー、ラン、スライス、フックの曲がりを推測してキャリー、左右ズレ(曲がり量)および最終的な飛距離(トータルの距離)を演算する。この演算結果も挙動パラメータのデータとして記憶部170に記憶させる。
画面240には、ゴルファGが、例えば、ゴルフボールbを5球、打球した状態が示されており、第1の領域242に、打球の軌跡244がゴルフコースを模した図形246上に表示される。
さらには、打球毎に、ゴルフボールの挙動パラメータの欄248を設け、表248aの形式で,ゴルフボールの挙動パラメータの計測結果を表示する。
本実施形態のカメラ156は、第3処理ユニット164に接続されている。
このカメラ156は、第1の実施形態のシステム10のカメラ12と同様の構成である。このため、その詳細な説明は省略する。
カメラ156も、高さを調整することができるスタンド(図示せず)に設けられており、垂直方向の高さを変えることができる。これにより、カメラ156の視線軸がグリップ26の位置を通る線g(図1(b))と一致するように高さを調整でき、図24に示す画像61のように、アドレス状態においてゴルファGがグリップ26を把持している手の真後ろから、ゴルファの身長などに依らず、撮影することができる。
カメラ156により、ゴルファGが打球する際、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向aの後方(ゴルフボールbが飛び出す方向の反対側)から撮影して、アドレス時、およびゴルフスイング中の画像を取得する。
第3処理ユニット164により、カメラ156で撮影されたアドレス時からスイング終了までの画像、信号処理された画像、画像処理された画像、スイングの画像等がモニタ32に表示される。モニタ32での表示形態は、特に限定されるものではない。例えば、アドレス時からスイング終了までの映像を、複数のコマで、連続写真として、表示してもよい。
信号処理部40、画像処理部42、および解析部44は、プログラムを実効することで機能する部分でも、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
なお、本実施形態においては、カメラ156は固定されているため、カメラ156で撮影される画像は画角が同じで被写体の大きさは同じとなるように撮影されている。これにより、図6に示す第1の直線62および第2の直線64の位置は、スイング中の画像であっても同じである。
なお、スイングの分類およびゴルフクラブシャフトの選択については、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図25はゴルフクラブシャフト挙動計測装置の構成を示す模式図である。
図25に示すように、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158は、3次元位置方向計測ユニット250を備え、第4処理ユニット166に接続されている。
トランスミッタ250aは、図12に示すように、ゴルフスウィングするゴルファGの後方に配置されたポール252aの上部に設けられている。このトランスミッタ250aは後述するコントローラ250cの駆動回路250dに接続線(図示せず)により接続されている。
レシーバ250bは、ゴルフクラブ20のグリップ26の端部に固定されている。このレシーバ250bは後述するコントローラ250cの検出回路250eに接続線251により接続されている。なお、スイングの邪魔にならないように、接続線251は、例えば、べストに取り付けられており、ゴルファGは、このベストを着てスイングをてしてもよい。
また、コントローラ250cは、ゴルファGの後方に設けられたケース252b内に収納されている。
レシーバ250bは、トランスミッタ250aで形成された磁場の強さや方向に応じて3軸方向の出力電圧を発生するものであり、磁場を感知することにより、基準位置に対するグリップ位置の3次元位置と、このレシーバ250bが固定されたゴルフクラブ20の、このシャフト中心軸のオイラー角の情報を含んだ信号を出力する。
このレシーバ250bは、ゴルフクラブ20のシャフト中心軸を通る仮想線上の、ゴルフクラブ20のグリップ部に対応する位置(グリップ位置)に固定されている。
レシーバ250bは、図25に示されるように、お互いに直交する3軸方向に向いてコイルがループ状に巻かれているので、この3軸方向の向きの一つをゴルフクラブシャフト22の軸方向に合わせ、さらに、残りの2軸方向のうちの1つをゴルフクラブの打撃方向に合わせるように、レシーバ250bの方向を定めてゴルフクラブ20のグリップ位置に固定される。このようなゴルフクラブシャフト挙動計測装置158には、例えば、LIBERTY(Polhemus社製)を用いることができる。
グリップ位置の時系列データは、トランスミッタ250aの位置を基準位置とし、お互いに直交する3軸X,Y,Zを基準とするレシーバ250bの3次元位置(xm,ym,zm)の時系列データであり、向きの時系列データは、X,Y,Z座標軸方向に対するレシーバ250bの向きを表す姿勢角度、つまり、ヨー角、ピッチ角およびロール角で表されるオイラー角(θy、θp、θr)の時系列データである。
駆動回路250dは、制御ユニット250fの指令信号に従って、周波数と位相が常時一定の同一信号を出力し、トランスミッタ250aの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルを順次励磁するものである。
各ループ状コイルは、励磁のたびに各々異なる磁場を発生し、この磁場に基づいてレシーバ250bの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルに各々独立な電圧を発生させる。この電圧は、トランスミッタ250aの3つのループ状コイルによって励磁される3つの磁場それぞれに応じて、レシーバ250bの3つのループ状コイルに発生する3つの独立した電圧であるため、合計9個(3×3個)の電圧が得られる。
制御ユニット250fは、検出回路250eから送られてきた9つの電圧を用いて、3次元位置(xm,ym,zm)とオイラー角(θy、θp、θr)のデータを求めるものである。
第4処理ユニット166においては、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158によって測定された、グリップ端(グリップ位置)における3次元位置(xm,ym,zm)の時系列データとオイラー角(θy、θp、θr)の時系列データを処理して、ゴルフクラブ20のシャフト中心軸上のゴルフクラブ20のグリップ端(グリップ位置)およびゴルフクラブ20のシャフト中心軸を通る仮想線上でグリップ端(グリップ位置)からシャフト中心軸に沿って所定の距離だけ離間したヘッド位置のそれぞれについて、ゴルフスウィングにおける時系列の移動速度履歴を算出する。
また、ヘッド位置は、上述のようにグリップ位置と、例えば、1143mmだけ離れた、ゴルフクラブ20のシャフト中心軸を通る仮想線上の点である。このため、ゴルフクラブヘッドの速度履歴は、グリップ端の測定点の3次元位置(xm,ym,zm)の時系列データとオイラー角(θy、θp、θr)の時系列データとから算出される。
このようにして、ゴルフクラブヘッドの速度履歴およびグリップ端の速度履歴を得ることができる。
さらに、演算部254においては、ゴルフスイングにおける、インパクト状態でのヘッドスピードVh、グリップスピード(グリップ端速度)Vgを算出し、ヘッドスピードVhとグリップスピードVgとの比率Vh/Vg(リストターン比率)の値を算出する。
さらには、ゴルフクラブヘッドの速度履歴とグリップ端の速度履歴が同時に表示される表示領域264、およびスイング中のゴルフクラブの移動軌跡が表示される表示領域266を有する。
グリップ位置およびヘッド位置の間隔は、既知であり、第4処理ユニット166の演算部254に記憶されている。
なお、本実施形態においてヘッド位置は、ゴルフクラブシャフト軸に沿って、グリップ端(グリップ位置)からゴルフクラブヘッド側に700mm以上離れた任意の位置に設定すればよく、より好ましくは863mm(約34インチ)以上離れた任意の位置に設定すればよい。
また、本実施形態においては、磁気センサを用いたゴルフクラブシャフト挙動計測装置158を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態のスイング測定・データ処理ユニット100を用いて、インパクト状態でのヘッドスピードVh、グリップスピードVg、比率Vh/Vg(リストターン比率)を得てもよい。
この場合、打球がスライスしていたのが、打球が真っ直ぐになった場合、または打球がフックしていたのが、打球が真っ直ぐになった場合には、適正であると判定される。
さらには、打球方向に対面して、計測結果が表示されるスクリーン38を設けることにより、ゴルファGは、アドレスした位置から、容易にスイング動作、ゴルフクラブヘッドの挙動、打球の方向などを知ることができる。なお、スクリーン38への表示は、領域を分割して、多くの計測結果を一度に見ることができるようにしてもよい。
なお、プロジェクタ33およびスクリーン38は、必ずしも設ける必要はない。例えば、打球を、ティーグランドまたは打球方向が解放されたゲージ等で行う場合には、プロジェクタ33およびスクリーン38を設ける必要はない。
センサ272は、レーザ光274を遮ると、その遮ったことが検知されて第1の検知信号を出力し、レーザ光276を遮ると、その遮ったことが検知されて第2の検知信号を出力するものである。センサ272からのレーザ光274、276を遮る順序、すなわち、第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序により、ゴルフクラブヘッドが撮影領域270に進入するか、またはゴルフクラブヘッドが撮影領域270から出ていくかを判定することができる。
センサ272では、レーザ光274がレーザ光276よりも打球方向aの後方で射出されている。このため、第1の検知信号が第2の検知信号よりも先であれば、ゴルフクラブヘッドが進入すると判定される。すなわち、ダウンスイングであると判定される。一方、第1の検知信号が第2の検知信号よりも後であれば、ゴルフクラブヘッドが出ていくと判定される。すなわち、バックスイングであると判定される。
このような第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序と、ダウンスイングとバックスイングとの関係を、例えば、第1処理ユニット160の信号処理部190に登録しておく。これにより、カメラ184で取得された画像が、第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序により、信号処理部190においては、どの画像かを判定することができる。
そして、ダウンスイングした場合、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152のカメラ184で、撮影領域270を多重露光による撮像を行い、ゴルフクラブヘッドのマーカの移動軌跡(マーカの移動軌跡画像データ)を得る。
信号処理部190において、マーカの移動軌跡画像データから背景画像データを減算し、撮影領域270における背景画像を取り除く。画像処理部192の抽出部192aで、このような減算処理がなされたマーカの移動軌跡画像データについて、各マーカ52a、52b、52cの像の各マーカ特徴点を特定して3次元座標系における位置を抽出する。
各マーカ特徴点の抽出以降は、上述のように、第1処理ユニット160の画像処理部192および解析部194により所定の処理がなされて、ゴルフクラブヘッドの挙動パラメータを得ることができる。
この場合、信号処理部190におけるコントラスト補正、諧調処理等の程度を少なくすることができ、信号処理部190における処理を簡素化することができる。
次に、画像読取部220においては、平面画像の画像データから背景画像データを減算処理した後、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置を算出するとともに、マーク236の像の中心位置を算出する。
そして、上述のように、ゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを演算部224で算出する。
さらには、背景画像を取り除くことができるため、画像読取部220におけるゴルフボールの像の重心位置の算出精度、およびマークの抽出精度を高くすることができる。また、マークの抽出精度を高くできるため、ストロボの光量を小さくすることができる。これにより、ストロボに光量の小さなものを用いることができる。また、背景画像を取り除くため、撮影中に、光量が変動しても、マークを所定の精度で抽出することができる。
12 カメラ
14 計測装置
16、16a 処理装置
20 ゴルフクラブ
22 ゴルフクラブヘッド
24 ゴルフクラブシャフト
26 グリップ
28a、28b 反射マーカ
30 処理ユニット
32 モニタ
34 操作手段
36、174 データベース
38 スクリーン
40 信号処理部
42 画像処理部
44 解析部
46 出力部
48 CPU
50 メモリ
100 測定装置
152 ゴルフクラブヘッド挙動計測装置
154 ゴルフボール挙動計測装置
156 カメラ
158 ゴルフクラブシャフト挙動計測装置
160 第1処理ユニット
162 第2処理ユニット
164 第3処理ユニット
166 第4処理ユニット
168 制御部
170 記憶部
172 設定部
G ゴルファ
Claims (10)
- ゴルファがゴルフクラブを把持してスイングしたときのゴルフクラブの挙動を用いてゴルフクラブを選択する方法であって、
前記ゴルファがゴルフクラブをスイングするとき、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向の後方から撮影して画像を取得する工程と、
前記アドレス状態における前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトのシャフト軸を通る第1の直線と、前記第1の直線と交わり、かつ設置されるティーの根元と前記ゴルファの首の付け根を通る第2の直線とにより、前記画像を少なくとも3つの領域に分割する工程と、
前記スイングのトップ状態からインパクト状態までの間における前記ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドが通過する領域を判別する工程と、
前記ゴルフクラブヘッドが通過する各領域に応じて、予め適したゴルフクラブが決定されており、前記ゴルフクラブヘッドが通過する領域に基づいて、各領域に適したゴルフクラブを選択する工程とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択方法。 - 前記ゴルフクラブのスイング中の画像を取得する工程は、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程を含むものであり、
前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定においては、前記ゴルフボールのインパクト状態における、前記ゴルフクラブのグリップに対応するグリップ位置の移動速度の情報を取得する請求項1に記載のゴルフクラブの選択方法。 - 前記グリップ位置の移動速度の情報は、
前記ゴルフクラブシャフトに、再帰反射部材により構成されたマーカを少なくとも2つ所定の距離をあけて設け、前記スイング中の前記各マーカの移動速度の情報を取得し、前記各マーカの移動速度差に基づいて得られる請求項2に記載のゴルフクラブの選択方法。 - 前記画像を取得する工程は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得する請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
- ゴルファがゴルフクラブを把持してスイングしたときのゴルフクラブの挙動を用いてゴルフクラブを選択する選択システムであって、
前記ゴルファがゴルフクラブをスイングするとき、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向の後方から撮影して画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記アドレス状態の画像に対して、前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトのシャフト軸を通る第1の直線と、前記第1の直線と交わり、かつ設置されるティーの根元と前記ゴルファの首の付け根を通る第2の直線とを描画し、前記第1の直線および前記第2の直線により、前記画像を少なくとも3つの領域に分割する画像処理部と、
前記スイングのトップ状態からインパクト状態までの間における前記ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドが通過する領域を判別するとともに、前記ゴルフクラブヘッドが通過する各領域に応じて、予め適したゴルフクラブが決定されており、前記ゴルフクラブヘッドが通過する領域に基づいて、各領域に適したゴルフクラブを選択する解析部とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択システム。 - さらに、前記ゴルフクラブのスイング中のゴルフクラブシャフトの挙動を測定する挙動測定装置を有し、
前記挙動測定装置は、前記ゴルフボールのインパクト状態における、前記ゴルフクラブのグリップに対応するグリップ位置の移動速度の情報を取得する移動速度取得手段を備える請求項5に記載のゴルフクラブの選択システム。 - さらに、前記ゴルフクラブシャフトに、再帰反射部材により構成されたマーカが少なくとも2つ所定の距離をあけて設けられており、
前記移動速度取得手段は、前記スイング中の前記各マーカの移動速度の情報を取得し、前記各マーカの移動速度差に基づいて前記グリップ位置の移動速度を得る請求項6に記載のゴルフクラブの選択システム。 - 前記画像取得部は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得する請求項6または7に記載のゴルフクラブの選択システム。
- ゴルファがゴルフクラブを把持してスイングしたときのゴルフクラブの挙動を用いてゴルフクラブを選択する選択システムであって、
ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃する際、ゴルフクラブヘッドの挙動を計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置と、
前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置とともに、前記打撃されたゴルフボールの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置と、
アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから、前記ゴルファがゴルフボールを打撃する際に、前記アドレス状態からスイング終了までの間、撮影して画像を取得する画像取得装置と、
前記ゴルフボールのインパクト状態における、前記ゴルフクラブのグリップに対応するグリップ位置の移動速度の情報および前記ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドに対応するヘッド位置の移動速度の情報を取得するゴルフクラブシャフト挙動計測装置と、
前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報、画像取得部で取得された画像、ならびに前記グリップ位置の移動速度の情報および前記ヘッド位置の移動速度の情報を表示する表示装置とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択システム。 - さらに、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報、画像取得部で取得された画像、ならびに前記グリップ位置の移動速度の情報および前記ヘッド位置の移動速度の情報をスクリーンに表示させるプロジェクタを有し、
前記スクリーンは、前記打球方向に対面して設けられている請求項9に記載のゴルフクラブの選択システム。
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