JP2010080924A - 成膜装置、基板処理装置、成膜方法及び記憶媒体 - Google Patents

成膜装置、基板処理装置、成膜方法及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】真空容器内の回転テーブルに基板を回転方向に並べて載置し、また互いに反応する複数の反応ガスの処理領域をこの基板の回転方向に沿って形成し、回転テーブルを回転させてこれらの複数の処理領域に基板を順番に通過させて反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成するにあたり、基板へのガス流を一定化して面内及び面間において膜厚が均一及び膜質が均質且つ良好な薄膜を得ること。
【解決手段】夫々の反応ガスの処理領域から各々の反応ガスを排気する排気路を個別に設けると共にこれらの処理領域の間に分離領域を設けて、基板へのガス流が一定化するように、これらの排気路から排気するガス流量比及び真空容器内の圧力を調整する。
【選択図】図9

Description

本発明は、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置、基板処理装置、成膜方法及びこの方法を実施するプログラムを格納した記憶媒体に関する。
半導体製造プロセスにおける成膜手法として、基板である半導体ウェハ(以下「ウェハ」という)等の表面に真空雰囲気下で第1の反応ガスを吸着させた後、供給するガスを第2の反応ガスに切り替えて、ウェハ表面での両ガスの反応により1層あるいは複数層の原子層や分子層を形成し、このサイクルを例えば多数回行うことによって、これらの層を積層してウェハ上への成膜を行うプロセスが知られている。このプロセスは、例えばALD(Atomic Layer Deposition)やMLD(Molecular Layer Deposition)などと呼ばれており、サイクル数に応じて膜厚を高精度にコントロールすることができると共に、膜質の面内均一性も良好であり、半導体デバイスの薄膜化に対応できる有効な手法である。
このような成膜方法が好適である例としては、例えばゲート酸化膜に用いられる高誘電体膜の成膜が挙げられる。一例を挙げると、シリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する場合には、第1の反応ガス(原料ガス)として例えばビスターシャルブチルアミノシラン(以下「BTBAS」という)ガス等が用いられ、第2の反応ガス(酸化ガス)としてオゾンガス等が用いられる。
この成膜方法を実施するにあたり、例えば真空容器内に設けられた載置台と、この載置台に対向するように真空容器の上部に設けられたガスシャワーヘッドと、を備えた枚葉の成膜装置を用いて、ガスシャワーヘッドから載置台上のウェハに反応ガスを供給し、未反応の反応ガス及び反応副生成物を処理容器の底部から排気する方法が検討されている。この場合、上記の複数の反応ガス同士が真空容器内において互いに混合すると、反応生成物が生成してパーティクルの原因となってしまうので、この装置では反応ガスを切り替えるときに例えば不活性ガスなどをパージガスとして供給してガス置換を行う必要がある。このガス置換には長時間を要してしまうし、またサイクル数も例えば数百回にもなることから、この装置では処理時間が長くなってしまうという問題がある。そのため、高スループットで成膜処理できる装置、手法が要望されている。
このような背景から、特許文献1〜4に記載の装置が検討されている。この装置について概略的に説明すると、この装置の真空容器内には、複数枚のウェハを周方向(回転方向)に並べて載置するための載置台と、この載置台に対向するように真空容器の上部に設けられ、処理ガスをウェハに供給するガス供給部と、が設けられている。このガス供給部は、載置台上のウェハの配列に対応するように、例えば周方向に複数箇所に並べて配列されている。
そして、ウェハを載置台に載置して真空容器内を所定の処理圧力となるように減圧し、載置台と上記複数のガス供給部とを鉛直軸回りに相対的に回転させると共にウェハを加熱して、各々のガス供給部からウェハの表面に個別に複数種類のガス例えば既述の第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給する。また、真空容器内における反応ガス同士の混合を抑えるために、反応ガスを供給するガス供給部同士の間に物理的な隔壁を設けたり、あるいは不活性ガスをエアカーテンとして形成したりすることによって、真空容器内において第1の反応ガスにより形成される処理領域と第2の反応ガスにより形成される処理領域とを区画する。
このように、共通の真空容器内に複数種類の反応ガスを同時に供給しているが、これらの反応ガスが混合しないように各々の処理領域を区画しているので、回転中のウェハから見ると上記の第1の反応ガス及び第2の反応ガスが上記の隔壁やエアカーテンを介して交互に供給されることになり、従って上記の手法による成膜処理が行われることとなる。そのため、ガス置換が不要になるので短時間で成膜処理できるし、またパージガスなどの不活性ガスの消費量を減らすことができる(あるいはパージガスが不要になる)といったメリットがある。
ところでこの装置では、共通の真空容器内に複数種類の反応ガスを導入するにあたって、上記のように真空容器内での反応ガス同士の混合を抑えるだけでなく、真空容器内における反応ガスの気流を厳密に制御してウェハへのガス流れを一定に保つ必要がある。つまり、この装置では真空容器内に複数の処理領域が形成されるので、ウェハへのガス流が乱れると、処理領域の大きさ即ちウェハと反応ガスとの反応時間が変わることになり、その場合には成膜される薄膜の品質に影響を及ぼすことになる。
真空容器内における反応ガスの気流がウェハの面内あるいは面間において乱れた場合例えばウェハ上に必要量の反応ガスが供給されない場合には、反応ガスの吸着が不足して膜厚が薄くなったり、あるいは例えば酸化反応が完全に進行せずに膜質が悪化したりするおそれがある。また、気流が乱れて反応ガス同士が隔壁やエアカーテンを介して混合した場合には、既述のように反応生成物が生成してパーティクルの原因となってしまう。そのため、このような反応ガスの気流の制御は厳密に行う必要があるが、上記のような隔壁やエアカーテンだけでは不十分であり、また例えば処理中にガス流が乱れたとしても、そのような状況を把握することができない。
一方、このような装置では、真空容器内を所定の真空度(圧力)に保ちながらウェハの処理を行うので、真空容器内の真空度と共にこの真空容器内の反応ガスの気流を制御する必要があり、そのためこのような気流の制御は極めて困難である。また、ウェハに対して行う処理のレシピに応じて真空容器内の真空度や反応ガスの流量が変わるので、レシピ毎に真空度や反応ガスの気流を制御する必要があり、従ってこの制御は更に困難なものとなる。しかし、上記の特許文献では、このような気流の制御については何ら検討されていない。
特許文献5には、真空容器内を右側領域と左側領域とに分離すると共に、これらの領域毎にガスの供給口及び排気口を形成して、これらの領域に互いに種類の異なるガスを供給すると共に、夫々の領域からガスを排気する技術が記載されている。しかし、真空容器内における気流つまり例えば夫々の排気口から排気されるガスの流量については何ら検討されていない。そのため、排気路内に例えば堆積物が堆積して排気流量に経時変化が起こり、左右の排気流量のバランスが崩れて例えば片引きしていたとしても、そのような状態を把握できない。また、複数の排気路の夫々に排気ポンプを設けた場合には、夫々の排気ポンプの状態によって排気能力に個体差が生じる可能性があるが、そのような個体差についても検討されていない。
更に、特許文献6〜8には、ターゲット(ウェハに相当する)に複数のガスを交互に吸着させて原子層CVD方法を実施するにあたり、ウェハを載置するサセプタを回転させ、サセプタの上方からソースガスとパージガスとを供給する装置が記載されている。この装置では、不活性ガスによりガスカーテンを形成すると共に、ソースガスとパージガスとを夫々排気チャンネル30a、30bから別々に排気するようにしているが、上記の特許文献5と同様に、夫々の排気チャンネル30a、30bから排気されるガスの流量については何ら検討されていない。
また、排気路に開度を可変なバルブを介設して、このバルブの開度を介して排気路内を通流する排気ガスの流量を推定する方法が知られているが、排気ガスの実流量を計測している訳ではないので、例えば上記のように排気ポンプの排気能力が変わった場合には、実際の排気流量を把握できない。
米国特許公報6,634,314号 特開2001−254181号公報:図1及び図2 特許3144664号公報:図1、図2、請求項1 特開平4−287912号公報 米国特許公報7,153,542号:図6(a)、(b) 特開2007−247066号公報:段落0023〜0025、0058、図12及び図18 米国特許公開公報2007−218701号 米国特許公開公報2007−218702号
本発明はこのような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、互いに反応する複数の反応ガスの処理領域を共通の真空容器内に形成し、これらの複数の処理領域内に基板を順番に通過させて反応生成物の層を多数積層して薄膜を成膜するにあたり、この真空容器内における反応ガスの気流を制御することにより、基板へのガス流れを一定に保ち、また反応ガス同士の混合を抑えて良好な処理を行うことができる成膜装置、基板処理装置、成膜方法及びこの方法を実施するプログラムを格納した記憶媒体を提供することにある。
本発明の成膜装置は、
真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番にこの回転テーブル上の基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置において、
前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて設けられ、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給するための第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段と、
前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との雰囲気を分離するために、前記回転方向においてこれら処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
前記回転テーブルの回転中心から見て前記第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て前記第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路と、
前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1のバルブ及び第2のバルブを介して接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段と、
前記第1のバルブと前記第1の真空排気手段との間及び前記第2のバルブと前記第2の真空排気手段との間に夫々介設された第1の圧力検出手段及び第2の圧力検出手段と、
前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの少なくとも一方の前記真空容器側に設けられ、当該真空容器内の圧力を検出するための処理圧力検出手段と、
前記第1の圧力検出手段、前記第2の圧力検出手段及び前記処理圧力検出手段により検出された各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を通流する夫々のガスの流量比と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記制御部は、前記処理圧力検出手段の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記流量比が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を実行するプログラムを含むことが好ましい。
前記プログラムは、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていても良い。
前記プログラムは、前記第2ステップの後に行われ、前記流量比が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含んでいても良い。
前記プログラムは、前記第3ステップを行った後、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていても良い。
前記制御部は、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給して前記真空容器内の圧力及び前記流量比を調整し、その後前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えて成膜処理を行うように制御信号を出力することが好ましい。
また、本発明の成膜装置は、
真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番にこの回転テーブル上の基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置において、
前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて設けられ、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給するための第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段と、
前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との雰囲気を分離するために、前記回転方向においてこれら処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
前記回転テーブルの回転中心から見て前記第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て前記第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路と、
前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1のバルブ及び第2のバルブを介して接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段と、
前記第1のバルブと前記第1の処理領域との間及び前記第2のバルブと前記第2の処理領域との間に夫々設けられ、前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の圧力を夫々検出するための第1の処理圧力検出手段及び第2の処理圧力検出手段と、
前記第1の処理圧力検出手段及び前記第2の処理圧力検出手段により検出された各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の圧力差と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記制御部は、前記第1の処理圧力検出手段の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記圧力差が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を実行するプログラムを含むことが好ましい。
前記プログラムは、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていても良い。
前記プログラムは、前記第2ステップの後に行われ、前記圧力差が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含んでいても良い。
前記プログラムは、前記第3ステップを行った後、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていても良い。
前記制御部は、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給して前記真空容器内の圧力及び前記圧力差を調整し、その後前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えて成膜処理を行うように制御信号を出力することが好ましい。
前記真空容器内に供給されるガスの総流量は、前記ガス切り替え時の前後において同じ値に設定されていることが好ましい。
前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段を接続することに代えて、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を合流させ、その合流路に共通の真空排気手段を接続するようにしても良い。
前記分離領域は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、当該分離領域から処理領域側に分離ガスが流れるための狭隘な空間を回転テーブルとの間に形成するための天井面を備えていることが好ましい。
上記成膜装置は、前記第1の処理領域と第2の処理領域との雰囲気を分離するために前記真空容器内の中心部に位置し、前記回転テーブルの基板載置面側に分離ガスを吐出する吐出孔が形成された中心部領域を備え、
前記反応ガスは、前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に前記排気口から排気されることが好ましい。
前記中心部領域は、前記回転テーブルの回転中心部と前記真空容器の上面側とにより区画され、分離ガスがパージされる領域であることが好ましい。
本発明の基板処理装置は、
内部に基板搬送手段が配置された真空搬送室と、この真空搬送室に気密に接続された上記成膜装置と、前記真空搬送室に気密に接続され、真空雰囲気と大気雰囲気との間で雰囲気が切り替え可能な予備真空室と、を備えたことを特徴とする。
本発明の成膜方法は、
互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜方法において、
真空容器内の回転テーブルに基板をほぼ水平に載置し、当該回転テーブルを回転させる工程と、
前記回転方向に互いに離れて前記真空容器に設けられた第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段から、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給する工程と、
前記回転方向において第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段の間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給手段から分離ガスを供給し、この分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程と、
前記回転テーブルの回転中心から見て第1の反応ガスが供給される第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て第2の反応ガスが供給される第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路から、これらの第1の排気路及び第2の排気路に夫々接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段により、夫々第1の処理領域及び第2の処理領域の各雰囲気を互いに独立して排気する工程と、
前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路に介設された第1のバルブと前記第1の真空排気手段との間における圧力と、前記第2の排気路に介設された第2のバルブと前記第2の真空排気手段との間における圧力と、を検出し、これらの各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を通流する夫々のガスの流量比と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
前記調整する工程は、前記真空容器内の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記流量比が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を含むことが好ましい。
前記調整する工程は、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを前記設定する工程にて設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことが好ましい。
前記調整する工程は、前記第2ステップの後に行われ、前記流量比が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含んでいても良い。
前記調整する工程は、前記第3ステップを行った後、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとをこの設定する工程で設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含んでいても良い。
前記調整する工程は、前記反応ガスを供給する工程の前に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給し、この時に前記真空容器内の圧力及び前記流量比を調整する工程であり、
前記反応ガスを供給する工程は、この調整する工程の後に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えてガスを供給する工程であることが好ましい。
また、本発明の成膜方法は、
互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜方法において、
真空容器内の回転テーブルに基板をほぼ水平に載置し、当該回転テーブルを回転させる工程と、
前記回転方向に互いに離れて前記真空容器に設けられた第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段から、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給する工程と、
前記回転方向において第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段の間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給手段から分離ガスを供給し、この分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程と、
前記回転テーブルの回転中心から見て第1の反応ガスが供給される第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て第2の反応ガスが供給される第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路から、これらの第1の排気路及び第2の排気路に夫々接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段により、夫々第1の処理領域及び第2の処理領域の各雰囲気を互いに独立して排気する工程と、
前記第1の排気路に介設された第1のバルブと前記第1の処理領域との間における圧力と、前記第2の排気路に介設された第2のバルブと前記第2の処理領域との間における圧力と、を検出し、これらの各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の圧力差と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
前記調整する工程は、前記真空容器内の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記圧力差が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を含むことが好ましい。
前記調整する工程は、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを前記設定する工程にて設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことが好ましい。
前記調整する工程は、前記第2ステップの後に行われ、前記圧力差が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含んでいても良い。
前記調整する工程は、前記第3ステップを行った後、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとをこの設定する工程で設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含んでいても良い。
前記調整する工程は、前記反応ガスを供給する工程の前に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給し、この時に前記真空容器内の圧力及び前記圧力差を調整する工程であり、
前記反応ガスを供給する工程は、この調整する工程の後に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えてガスを供給する工程であることが好ましい。
また、前記排気する工程は、前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段を接続することに代えて、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を合流させ、その合流路に共通の真空排気手段を接続し、この共通の真空排気手段により前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の各雰囲気を排気する工程であっても良い。
前記分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、回転テーブルと真空容器の天井面との間の狭隘な空間を介して前記分離領域から処理領域側に分離ガスを供給する工程であることが好ましい。
上記成膜方法は、前記真空容器内の中心部に位置する中心部領域に分離ガスをパージして、当該中心部領域に形成された吐出口から分離ガスを当該回転テーブルの基板載置面側に吐出する工程と、
前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に、前記反応ガスを前記排気口から排気口から排気する工程と、を含むことが好ましい。
本発明の記憶媒体は、
互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置に用いられるプログラムを格納する記憶媒体であって、
前記プログラムは、上記成膜方法を実施するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。
本発明によれば、互いに反応する複数の反応ガスの処理領域を回転テーブルの回転方向に沿って共通の真空容器内に形成し、これらの複数の処理領域内に回転テーブルにより基板を順番に通過させて反応生成物の層を多数積層して薄膜を成膜するにあたり、処理領域の間に分離ガスを供給する分離領域を介在させると共に互いに異なる反応ガスを分離して排気するように排気口が位置する第1の排気路及び第2の排気路を設けている。そして、真空容器内の圧力が設定値となり、また夫々の排気路から排気するガスの流量比あるいは各処理領域間における圧力差が設定値となるように、夫々の排気路に介設されたバルブの開度を調整している。そのため、分離領域の両側において適切な気流を安定して形成することができ、従って基板の表面における反応ガスの気流が一定化することから面内及び面間において膜厚が均一で膜質が均質且つ良好な薄膜を得ることができる。また、分離領域の両側における排気の偏りを防止できるので、互いに反応する反応ガス同士が分離領域を通り抜けて混合することを避けることができ、これにより基板の表面以外における反応生成物の生成が抑えられ、そのためパーティクルの発生を抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る成膜装置の縦断面図である。 上記の成膜装置の内部の概略構成を示す斜視図である。 上記の成膜装置の横断平面図である。 上記の成膜装置における処理領域及び分離領域を示す縦断面図である。 上記の成膜装置の一部を示す縦断面図である。 上記の成膜装置の一部破断斜視図である。 分離ガスあるいはパージガスの流れる様子を示す説明図である。 上記の成膜装置の一部破断斜視図である。 上記の成膜装置の制御部の一例を示す概略図である。 上記の成膜装置において行われる処理の全体の一例を示す工程フロー図である。 上記の成膜装置において排気流量を調整するときの一例を示す工程フロー図である。 上記の成膜装置の排気路を通流するガスの流量などを模式的に示した概略図である。 上記の排気路を通流するガスの流量を調整するときの様子を示す概略図である。 上記の処理中の真空容器内の圧力等を概略的に示す特性図である。 第1の反応ガス及び第2の反応ガスが分離ガスにより分離されて排気される様子を示す説明図である。 上記の成膜装置の他の実施の形態の一例を示す概略図である。 上記の他の実施の形態において行われる排気流量を調整するときの一例を示す工程フロー図である。 上記の成膜装置の他の実施の形態の一例を示す概略図である。 分離領域に用いられる凸状部の寸法例を説明するための説明図である。 分離領域の他の例を示す縦断面図である。 分離領域に用いられる凸状部の他の例を示す縦断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る成膜装置を示す横断平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る成膜装置を示す横断平面図である。 本発明の更に他の実施の形態に係る成膜装置の内部の概略構成を示す斜視図である。 本発明の上記以外の実施の形態に係る成膜装置を示す横断平面図である。 本発明の上記以外の実施の形態に係る成膜装置を示す縦断面図である。 本発明の成膜装置を用いた基板処理システムの一例を示す概略平面図である。 本発明の成膜装置の他の実施の形態を示す縦断面図である。 上記の他の実施の形態における制御部の一例を示す模式図である。 上記の他の実施の形態における基板の処理の流れを示す工程フロー図である。 上記の他の実施の形態における基板の処理の流れを示す工程フロー図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態である成膜装置は、図1(図3のI−I’線に沿った断面図)〜図3に示すように平面形状が概ね円形である扁平な真空容器1と、この真空容器1内に設けられ、当該真空容器1の中心に回転中心を有する回転テーブル2と、を備えている。真空容器1は天板11が容器本体12から着脱できるように構成されている。この天板11は、真空容器1内が減圧されることにより、容器本体12の上面の周縁部にリング状に設けられた封止部材例えばOリング13を介して容器本体12側に押し付けられていて気密状態を維持しているが、容器本体12から分離するときには図示しない駆動機構により上方に持ち上げられる。
回転テーブル2は、中心部にて円筒形状のコア部21に固定され、このコア部21は、鉛直方向に伸びる回転軸22の上端に固定されている。回転軸22は真空容器1の底面部14を貫通し、その下端が当該回転軸22を鉛直軸回りにこの例では時計回りに回転させる駆動部23に取り付けられている。回転軸22及び駆動部23は、上面が開口した筒状のケース体20内に収納されている。このケース体20はその上面に設けられたフランジ部分が真空容器1の底面部14の下面に気密に取り付けられており、ケース体20の内部雰囲気と外部雰囲気との気密状態が維持されている。
回転テーブル2の表面部には、図2及び図3に示すように回転方向(周方向)に沿って複数枚例えば5枚の基板である半導体ウェハ(以下「ウェハ」という)Wを載置するための円形状の凹部24が設けられている。なお図3には便宜上1個の凹部24だけにウェハWを描いてある。ここで図4は、回転テーブル2を同心円に沿って切断しかつ横に展開して示す展開図であり、凹部24は、図4(a)に示すようにその直径がウェハWの直径よりも僅かに例えば4mm大きく、またその深さはウェハWの厚みと同等の大きさに設定されている。従ってウェハWを凹部24に落とし込むと、ウェハWの表面と回転テーブル2の表面(ウェハWが載置されない領域)とが揃うことになる。ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との間の高さの差が大きいとその段差部分で圧力変動が生じることから、ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との高さを揃えることが、膜厚の面内均一性を揃える観点から好ましい。ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との高さを揃えるとは、同じ高さであるかあるいは両面の差が5mm以内であることをいうが、加工精度などに応じてできるだけ両面の高さの差をゼロに近づけることが好ましい。凹部24の底面には、ウェハWの裏面を支えて当該ウェハWを昇降させるための例えば後述する3本の昇降ピン16(図8参照)が貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
凹部24はウェハWを位置決めして回転テーブル2の回転に伴なう遠心力により飛び出さないようにするためのものであり、本発明の基板載置領域に相当する部位であるが、この基板載置領域(ウェハ載置領域)は、凹部に限らず例えば回転テーブル2の表面にウェハWの周縁をガイドするガイド部材をウェハWの周方向に沿って複数並べた構成であってもよく、あるいは回転テーブル2側に静電チャックなどのチャック機構を持たせてウェハWを吸着する場合には、その吸着によりウェハWが載置される領域が基板載置領域となる。
図2及び図3に示すように真空容器1には、回転テーブル2における凹部24の通過領域と各々対向する上位置に第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32と2本の分離ガスノズル41、42とが真空容器1の周方向(回転テーブル2の回転方向)に互いに間隔をおいて中心部から放射状に伸びている。この例では、第2の反応ガスノズル32、分離ガスノズル41、第1の反応ガスノズル31及び分離ガスノズル42がこの順に時計回りに配列されている。これら反応ガスノズル31、32及び分離ガスノズル41、42は、例えば真空容器1の側周壁に取り付けられており、その基端部であるガス導入ポート31a、32a、41a、42aは当該側壁を貫通している。
ガスノズル31、32、41、42は図示の例では、真空容器1の周壁部から真空容器1内に導入されているが、後述する環状の突出部5から導入してもよい。この場合、突出部5の外周面と天板11の外表面とに開口するL字型の導管を設け、真空容器1内でL字型の導管の一方の開口にガスノズル31、(32、41、42)を接続し、真空容器1の外部でL字型の導管の他方の開口にガス導入ポート31a(32a、41a、42a)を接続する構成を採用することができる。
図3に示すように、反応ガスノズル31は、バルブ36a及び流量調整部37aが介設されたガス供給管31bにより、第1の反応ガスであるBTBAS(ビスターシャルブチルアミノシラン)ガスが貯留された第1のガス供給源38aに接続されている。反応ガスノズル32は、バルブ36b及び流量調整部37bが介設されたガス供給管32bにより、第2の反応ガスであるO3(オゾン)ガスが貯留された第2のガス供給源38bに接続されている。また、分離ガスノズル41は、バルブ36c及び流量調整部37cが介設されたガス供給管41bにより、分離ガス及び不活性ガスであるN2ガス(窒素ガス)が貯留されたN2ガス供給源38cに接続されており、分離ガスノズル42は、バルブ36d及び流量調整部37dが介設されたガス供給管42bにより、このN2ガス供給源38cに接続されている。
反応ガスノズル31とバルブ36aとの間におけるガス供給管31bには、バルブ36e及び流量調整部37eを介して既述のN2ガス供給源38cに接続されており、後述するように、排気ガスの流量比を調整するときには、この反応ガスノズル31からN2ガスが真空容器1内に供給されることとなる。また、同様に反応ガスノズル32とバルブ36bとの間におけるガス供給管32bには、バルブ36f及び流量調整部37fを介してN2ガス供給源38cが接続されている。これらのバルブ36a〜36f及び流量調整部37a〜37fによりガス供給系39が構成される。
反応ガスノズル31、32には、下方側に反応ガスを吐出するための例えば口径が0.5mmの吐出孔33が真下を向いてノズルの長さ方向に例えば10mmの間隔を置いて配列されている。また分離ガスノズル41、42には、下方側に分離ガスを吐出するための例えば口径が0.5mmの吐出孔40が真下を向いて長さ方向に例えば10mm程度の間隔を置いて穿設されている。反応ガスノズル31、32は夫々第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段に相当し、その下方領域は夫々BTBASガスをウェハWに吸着させるための第1の処理領域91及びO3ガスをウェハWに吸着させるための第2の処理領域92となる。
分離ガスノズル41、42は、前記第1の処理領域91と第2の処理領域92とを分離するための分離領域Dを形成するためのものであり、この分離領域Dにおける真空容器1の天板11には図2〜図4に示すように、回転テーブル2の回転中心を中心としかつ真空容器1の内周壁の近傍に沿って描かれる円を周方向に分割してなる、平面形状が扇型で下方に突出した凸状部4が設けられている。分離ガスノズル41、42は、この凸状部4における前記円の周方向中央にて当該円の半径方向に伸びるように形成された溝部43内に収められている。即ち分離ガスノズル41(42)の中心軸から凸状部4である扇型の両縁(回転テーブル2の回転方向上流側の縁及び下流側の縁)までの距離は同じ長さに設定されている。
なお、溝部43は、本実施形態では凸状部4を二等分するように形成されているが、他の実施形態においては、例えば溝部43から見て凸状部4における回転テーブル2の回転方向上流側が前記回転方向下流側よりも広くなるように溝部43を形成してもよい。
従って分離ガスノズル41、42における前記回転方向両側には、前記凸状部4の下面である例えば平坦な低い天井面44(第1の天井面)が存在し、この天井面44の前記回転方向両側には、当該天井面44よりも高い天井面45(第2の天井面)が存在することになる。この凸状部4の役割は、回転テーブル2との間に第1の反応ガス及び第2の反応ガスの侵入を阻止してこれら反応ガスの混合を阻止するための狭隘な空間である分離空間を形成することにある。
即ち、分離ガスノズル41を例にとると、回転テーブル2の回転方向上流側からO3ガスが侵入することを阻止し、また回転方向下流側からBTBASガスが侵入することを阻止する。「ガスの侵入を阻止する」とは、分離ガスノズル41から吐出した分離ガスであるN2ガスが第1の天井面44と回転テーブル2の表面との間に拡散して、この例では当該第1の天井面44に隣接する第2の天井面45の下方側空間に吹き出し、これにより当該隣接空間からのガスが侵入できなくなることを意味する。そして「ガスが侵入できなくなる」とは、隣接空間から凸状部4の下方側空間に全く入り込むことができない場合のみを意味するのではなく、多少侵入はするが、両側から夫々侵入したO3ガス及びBTBASガスが凸状部4内で交じり合わない状態が確保される場合も意味し、このような作用が得られる限り、分離領域Dの役割である第1の処理領域91の雰囲気と第2の処理領域92の雰囲気との分離作用が発揮できる。従って狭隘な空間における狭隘の程度は、狭隘な空間(凸状部4の下方空間)と当該空間に隣接した領域(この例では第2の天井面45の下方空間)との圧力差が「ガスが侵入できなくなる」作用を確保できる程度の大きさになるように設定され、その具体的な寸法は凸状部4の面積などにより異なるといえる。またウェハWに吸着したガスについては当然に分離領域D内を通過することができ、ガスの侵入阻止は、気相中のガスを意味している。
この例では直径300mmのウェハWを被処理基板としており、この場合凸状部4は、回転テーブル2の回転中心から140mm外周側に離れた部位(後述の突出部5との境界部位)においては、周方向の長さ(回転テーブル2と同心円の円弧の長さ)が例えば146mmであり、ウェハWの載置領域(凹部24)の最も外側部位においては、周方向の長さが例えば502mmである。なお図4(a)に示すように、当該外側部位において分離ガスノズル41(42)の両脇から夫々左右に位置する凸状部4の周方向の長さLでみれば、長さLは246mmである。
また図4(a)に示すように凸状部4の下面即ち天井面44における回転テーブル2の表面までの高さhは、例えば0.5mmから10mmであってもよく、約4mmであると好適である。この場合、回転テーブル2の回転数は例えば1rpm〜500rpmに設定されている。そのため分離領域Dの分離機能を確保するためには、回転テーブル2の回転数の使用範囲などに応じて、凸状部4の大きさや凸状部4の下面(第1の天井面44)と回転テーブル2の表面との高さhを例えば実験などに基づいて設定することになる。なお分離ガスとしては、窒素(N2)ガスに限られずアルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスなどを用いることができるが、このようなガスに限らず水素(H2)ガスなどであってもよく、成膜処理に影響を与えないガスであれば、ガスの種類に関しては特に限定されるものではない。また、流量調整に用いるガスとしては、上記のN2ガスなどの不活性ガスに限られず、同様に成膜処理に影響を与えないガスであれば良い。この例においては、分離ガス及び不活性ガスとしてN2ガスを用いているので、後述するように成膜処理を開始するときにこの不活性ガスについては切り替えないようにしているが、これらの分離ガス及び不活性ガスとして互いに異なる種類のガスを用いても良い。
一方天板11の下面には、回転テーブル2におけるコア部21よりも外周側の部位と対向するようにかつ当該コア部21の外周に沿って突出部5が設けられている。この突出部5は凸状部4における回転テーブル2の回転中心側の部位と連続して形成されており、その下面が凸状部4の下面(天井面44)と同じ高さに形成されている。図2及び図3は、前記天井面45よりも低くかつ分離ガスノズル41、42よりも高い位置にて天板11を水平に切断して示している。なお突出部5と凸状部4とは、必ずしも一体であることに限られるものではなく、別体であってもよい。
凸状部4及び分離ガスノズル41(42)の組み合わせ構造の作り方については、凸状部4をなす1枚の扇型プレートの中央に溝部43を形成してこの溝部43内に分離ガスノズル41(42)を配置する構造に限らず、2枚の扇型プレートを用い、分離ガスノズル41(42)の両側位置にて天板11の下面にボルト締めなどにより固定する構成などであってもよい。
真空容器1の天板11の下面、つまり回転テーブル2のウェハ載置領域(凹部24)から見た天井面は既述のように第1の天井面44とこの天井面44よりも高い第2の天井面45とが周方向に存在するが、図1では、高い天井面45が設けられている領域についての縦断面を示しており、図5では、低い天井面44が設けられている領域についての縦断面を示している。扇型の凸状部4の周縁部(真空容器1の外縁側の部位)は図2及び図5に示されているように回転テーブル2の外端面に対向するようにL字型に屈曲して屈曲部46を形成している。扇型の凸状部4は天板11側に設けられていて、容器本体12から取り外せるようになっていることから、前記屈曲部46の外周面と容器本体12との間には僅かに隙間がある。この屈曲部46も凸状部4と同様に両側から反応ガスが侵入することを防止して、両反応ガスの混合を防止する目的で設けられており、屈曲部46の内周面と回転テーブル2の外端面との隙間、及び屈曲部46の外周面と容器本体12との隙間は、回転テーブル2の表面に対する天井面44の高さhと同様の寸法に設定されている。この例においては、回転テーブル2の表面側領域からは、屈曲部46の内周面が真空容器1の内周壁を構成していると見ることができる。
容器本体12の内周壁は、分離領域Dにおいては図5に示すように前記屈曲部46の外周面と接近して垂直面に形成されているが、分離領域D以外の部位においては、図1に示すように例えば回転テーブル2の外端面と対向する部位から底面部14に亘って縦断面形状が矩形に切り欠かれて外方側に窪んだ構造になっている。この窪んだ部位における既述の第1の処理領域91及び第2の処理領域92に連通する領域を夫々第1の排気領域E1及び第2の排気領域E2と呼ぶことにすると、これらの第1の排気領域E1及び第2の排気領域E2の底部には、図1及び図3に示すように、夫々第1の排気口61及び第2の排気口62が形成されている。
第1の排気口61は、既述の図1に示すように、第1のバルブ65aが介設された第1の排気路63aを介して第1の真空排気手段である例えば真空ポンプ64aに接続されている。この第1のバルブ65aは、開度が可変に構成された例えばAPC(Auto Pressure Controller)などであり、このバルブ65aの開度に応じて第1の排気路63a内を通流するガスの流量を調整できるように構成されている。この第1のバルブ65aの上流側(真空容器1側)と下流側(真空ポンプ64a側)とにおける第1の排気路63aには、夫々圧力計などからなる第1の処理圧力検出手段66a及び第1の圧力検出手段67aが介設されている。第1の処理圧力検出手段66aは、第1のバルブ65aの上流側である真空容器1内の圧力を測定するためのものであり、第1の圧力検出手段67aは第1のバルブ65aと真空ポンプ64aとの間の圧力を測定するものである。後述する制御部80により、これらの第1の処理圧力検出手段66a及び第1の圧力検出手段67aにより検出される圧力検出値の差(差圧)から、例えばベルヌーイの定理などを用いた計算により第1の排気路63aや第1のバルブ65aの圧損を考慮して当該第1の排気路63a内(第1のバルブ65a)を通流するガスの流量が算出されるように構成されている。
また、既述の第2の排気口62についても、同様に第2のバルブ65bが介設された第2の排気路63bを介して第2の真空排気手段である例えば真空ポンプ64bに接続されている。この第2のバルブ65bは、既述の第1のバルブ65aと同様にAPCなどからなり、当該バルブ65bの開度に応じて第2の排気路63b内を通流するガスの流量を調整できるように構成されている。この第2のバルブ65bの上流側と下流側とにおける第2の排気路63bには、夫々圧力計などからなる第2の処理圧力検出手段66b及び第2の圧力検出手段67bが介設されている。第2の処理圧力検出手段66b及び第2の圧力検出手段67bは、夫々真空容器1内の圧力及び第2のバルブ65bの下流側の圧力を検出するためのものである。これらの第2の処理圧力検出手段66b及び第2の圧力検出手段67bにより検出される圧力の差から、同様に制御部80により第2の排気路63b内(第2のバルブ65b)を通流するガスの流量が算出されるように構成されている。以下において、便宜的に上記の第1のバルブ65a及び第2のバルブ65bを夫々バルブM(マスター)及びバルブS(スレーブ)と呼ぶ場合がある。
上記のように、これらの排気口61、62は、分離領域Dの分離作用が確実に働くように、平面で見たときに前記分離領域Dの前記回転方向両側に設けられており、詳しく言えば、回転テーブル2の回転中心から見て第1の処理領域91とこの第1の処理領域91に対して例えば回転方向下流側に隣接する分離領域Dとの間に第1の排気口61が形成され、回転テーブル2の回転中心から見て第2の処理領域92とこの第2の処理領域92に対して例えば回転方向下流側に隣接する分離領域Dとの間に第2の排気口62が形成されており、夫々各反応ガス(BTBASガス及びO3ガス)の排気を専用に行うようにしている。この例では一方の排気口61は、第1の反応ガスノズル31とこの反応ガスノズル31に対して前記回転方向下流側に隣接する分離領域Dの第1の反応ガスノズル31側の縁の延長線との間に設けられ、また他方の排気口61は、第2の反応ガスノズル32とこの反応ガスノズル32に対して前記回転方向下流側に隣接する分離領域Dの第2の反応ガスノズル32側の縁の延長線との間に設けられている。即ち、第1の排気口61は、図3中に一点鎖線で示した回転テーブル2の中心と第1の処理領域91とを通る直線L1と、回転テーブル2の中心と前記第1の処理領域91の下流側に隣接する分離領域Dの上流側の縁を通る直線L2との間に設けられ、第2の排気口62は、この図3に二点鎖線で示した回転テーブル2の中心と第2の処理領域92とを通る直線L3と、回転テーブル2の中心と前記第2の処理領域92の下流側に隣接する分離領域Dの上流側の縁を通る直線L4との間に位置している。
尚、既述の第1の処理圧力検出手段66a及び第2の処理圧力検出手段66bにて測定される圧力はほとんど同じであることから、第1の排気路63a及び第2の排気路63bにおける各ガス流量を計算するために用いるバルブ65a、65bよりも上流側の圧力の値としては、第1の処理圧力検出手段66a及び第2の処理圧力検出手段66bのいずれか一方の圧力検出値を用いても良い。また、バルブ65a、65bよりも上流側の排気路63a、63bの圧力は真空容器1内の圧力とほぼ同じであることから、前記ガス流量を計算するために用いる圧力値としては、処理圧力検出手段66a、66bの圧力検出値に代えて、真空容器1内に別途設けた圧力検出手段の圧力検出値を用いても良い。
また、排気口の設置数は2個に限られるものではなく、例えば分離ガスノズル42を含む分離領域Dと当該分離領域Dに対して前記回転方向下流側に隣接する第2の反応ガスノズル32との間に更に排気口を設置して3個としてもよいし、4個以上であってもよい。この例では排気口61、62は回転テーブル2よりも低い位置に設けることで真空容器1の内周壁と回転テーブル2の周縁との間の隙間から排気するようにしているが、真空容器1の底面部に設けることに限られず、真空容器1の側壁に設けてもよい。また排気口61、62は、真空容器1の側壁に設ける場合には、回転テーブル2よりも高い位置に設けるようにしてもよい。このように排気口61、62を設けることにより回転テーブル2上のガスは、回転テーブル2の外側に向けて流れるため、回転テーブル2に対向する天井面から排気する場合に比べてパーティクルの巻上げが抑えられるという観点において有利である。
前記回転テーブル2と真空容器1の底面部14との間の空間には、図1及び図6に示すように加熱手段であるヒータユニット7が設けられており、回転テーブル2を介して回転テーブル2上のウェハWをプロセスレシピで決められた温度に加熱するように構成されている。前記回転テーブル2の周縁付近の下方側には、回転テーブル2の上方空間から排気領域Eに至るまでの雰囲気とヒータユニット7が置かれている雰囲気とを区画するために、ヒータユニット7を全周に亘って囲むようにカバー部材71が設けられている。このカバー部材71は上縁が外側に屈曲されてフランジ形状に形成され、その屈曲面と回転テーブル2の下面との間の隙間を小さくして、カバー部材71内に外方からガスが侵入することを抑えている。
ヒータユニット7が配置されている空間よりも回転中心寄りの部位における底面部14は、回転テーブル2の下面の中心部付近、コア部21に接近してその間は狭い空間になっており、また当該底面部14を貫通する回転軸22の貫通穴についてもその内周面と回転軸22との隙間が狭くなっていて、これら狭い空間は前記ケース体20内に連通している。そして前記ケース体20にはパージガスであるN2ガスを前記狭い空間内に供給してパージするためのパージガス供給管72が設けられている。また真空容器1の底面部14には、ヒータユニット7の下方側位置にて周方向の複数部位に、ヒータユニット7の配置空間をパージするためのパージガス供給管73が設けられている。
このようにパージガス供給管72、73を設けることにより図7にパージガスの流れを矢印で示すように、ケース体20内からヒータユニット7の配置空間に至るまでの空間がN2ガスでパージされ、このパージガスが回転テーブル2とカバー部材71との間の隙間から排気領域Eを介して排気口61、62に排気される。これによって既述の第1の処理領域91と第2の処理領域92との一方から回転テーブル2の下方を介して他方にBTBASガスあるいはO3ガスの回り込みが防止されるため、このパージガスは分離ガスの役割も果たしている。
また真空容器1の天板11の中心部には分離ガス供給管51が接続されていて、天板11とコア部21との間の空間52に分離ガスであるN2ガスを供給するように構成されている。この空間52に供給された分離ガスは、前記突出部5と回転テーブル2との狭い隙間50を介して回転テーブル2のウェハ載置領域側の表面に沿って周縁に向けて吐出されることになる。この突出部5で囲まれる空間には分離ガスが満たされているので、第1の処理領域91と第2の処理領域92との間で回転テーブル2の中心部を介して反応ガス(BTBASガスあるいはO3ガス)が混合することを防止している。即ち、この成膜装置は、第1の処理領域91と第2の処理領域92との雰囲気を分離するために回転テーブル2の回転中心部と真空容器1とにより区画され、分離ガスがパージされると共に当該回転テーブル2の表面に分離ガスを吐出する吐出口が前記回転方向に沿って形成された中心部領域Cを備えているということができる。なおここでいう吐出口は前記突出部5と回転テーブル2との狭い隙間50に相当する。
更に真空容器1の側壁には図2、図3及び図8に示すように外部の搬送アーム10と回転テーブル2との間でウェハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されており、この搬送口15は図示しないゲートバルブにより開閉されるようになっている。また回転テーブル2におけるウェハ載置領域である凹部24はこの搬送口15に臨む位置にて搬送アーム10との間でウェハWの受け渡しが行われることから、回転テーブル2の下方側において当該受け渡し位置に対応する部位に、凹部24を貫通してウェハWを裏面から持ち上げるための受け渡し用の昇降ピン16の昇降機構(図示せず)が設けられる。
また、この成膜装置は、図9に示すように、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部80を備えている。この制御部80は、CPU81、メモリ82、処理プログラム83、ワークメモリ84及びタイマ86を備えている。このメモリ82には、既述の第1の反応ガスノズル31から供給されるBTBASガスの流量Va、第2の反応ガスノズル32から供給されるO3ガスの流量Vb、処理圧力P、第1の排気路63a及び第2の排気路63bから排気されるガスの流量比F(第2の排気路63bを通流するガスの流量/第1の排気路63aを通流するガスの流量)などの処理条件が書き込まれる領域がレシピ毎に設けられている。このガスの流量比Fは、定常状態において第1の処理領域91、第2の処理領域92にてウェハWに供給されるガス流がウェハWの面内及び面間で一定化(安定化)するように設定された値である。具体的には、処理温度や処理圧力がレシピに応じた値に安定化し、また第1の排気路63a及び第2の排気路63bから排気されるガスの流量が第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32から供給されるガス(より詳しくはパージガスとして供給されるN2ガスも含む)に応じた流量となるように設定された値である。
処理プログラム83は、上記のメモリ82に書き込まれたレシピをワークメモリ84に読み出し、このレシピに合わせて成膜装置の各部に制御信号を送り、後述の各ステップを進行させることでウェハWの処理を行うように命令が組み込まれている。この処理プログラム83により行われる処理について簡単に説明すると、この処理プログラム83は、BTBASガスやO3ガスを供給する前(成膜処理を行う前)に、処理温度を例えばレシピから読み出した設定値に設定する。そして、処理中に供給されるガスの総流量と同じ流量で真空容器1内にN2ガスを供給し、この状態で第1の排気路63a及び第2の排気路63bから排気されるガスの流量比F及び真空容器1内の圧力(真空度)Pが設定値となるように、第1の処理圧力検出手段66a(66b)及び圧力検出手段67による各圧力検出値に基づいて、第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度を調整し、ウェハWに供給されるガス流を一定化した後(定常状態となった後)上記のBTBASガスやO3ガスを供給して後述の成膜処理を行うように命令が組み込まれている。このように排気ガスの流量比F及び真空容器1内の圧力Pを調整するにあたって、具体的には後で詳述するが、第1のバルブ65aにより真空容器1内の圧力Pを調整する第1ステップを行い、次いで第2のバルブ65bにより排気ガスの流量比Fを調整する第2ステップを行い、そして再度第1ステップを行うといったように、これらのバルブ65による真空容器1内の圧力P及び排気ガスの流量比Fの調整を所定の時間(回数)が経過するまで繰り返すようにしている。尚、この例ではレシピ毎に排気ガスの流量比Fが異なる場合について説明したが、排気ガスの流量比Fをレシピ毎に共通化するようにしても良い。
タイマ86は、上記の処理プログラム83によるバルブ65の調整を繰り返す時間(回数)を設定するためのものであり、例えばこの繰り返し時間を自動で設定するようにしても良いし、あるいは例えば作業者によりこの繰り返し時間を例えばレシピ毎に設定するようにしても良い。
上記の処理プログラム83は、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部85から制御部80内にインストールされる。
次に上述実施の形態の作用について、図10〜図15を参照して説明する。先ず、メモリ82からレシピを読み出し、また図示しないゲートバルブを開き、外部から搬送アーム10により搬送口15を介してウェハWを回転テーブル2の凹部24内に受け渡す(ステップS11)。この受け渡しは、凹部24が搬送口15に臨む位置に停止したときに図8に示すように凹部24の底面の貫通孔を介して真空容器1の底部側から昇降ピン16が昇降することにより行われる。このようなウェハWの受け渡しを回転テーブル2を間欠的に回転させて行い、回転テーブル2の5つの凹部24内に夫々ウェハWを載置する。続いて、回転テーブル2を成膜処理を行うときと同じ回転数で時計回りに回転させて(ステップS12)、以下に説明するように、ステップS13(ステップS21〜ステップS28)における真空容器1内の圧力Pの調整と排気ガスの流量比Fの調整とを行う。
先ず、第1のバルブ65a及び第2のバルブ65bを全開にして真空容器1内を真空引きすると共に、ヒータユニット7によりウェハWを設定温度例えば300℃に加熱する(ステップS21)。詳しくは、回転テーブル2はヒータユニット7により予め例えば300℃に加熱されており、この回転テーブル2に載置されることで、上記のようにウェハWが設定温度に加熱されることになる。そして、後述の成膜中に真空容器1内に供給されるガスの総流量と同じ流量で真空容器1内にN2ガスを供給する。この時、図12(a)にも示すように、成膜中にノズル31、32、41、42から供給されるガスの分量と同じだけの分量となるように、分離ガスノズル41、42から例えば夫々20000sccm、20000sccmでN2ガスを供給すると共に、第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32からも例えば夫々100sccm、10000sccmでN2ガスを供給する。また、分離ガス供給管51及びパージガス供給管72からも所定の流量でN2ガスを中心部領域C及び既述の狭い空間内に供給する。更に、レシピの設定値となるように圧力設定値をP1例えば1067Pa(8Torr)、流量比設定値をF1例えば1.5に設定する(ステップS22)。次いで、タイマ86をセットして後述のステップS24〜ステップ27を繰り返す時間t1を設定する(ステップS23)。
次に、図13に示すように、真空容器1内の圧力Pが圧力設定値P1例えば1067Pa(8Torr)となるように、第1のバルブ65aの開度(A1)を調整する(ステップS24)。具体的には、第1の排気路63aを通流するガスの流量が少なくなるように、第1のバルブ65aの開度を小さくする。そして、この時の第1のバルブ65aの上流側の圧力と下流側の圧力との(前後における)圧力差(ΔPa1)及び第2のバルブ65bの前後の圧力差(ΔPb1)から、夫々の排気路63を通流する夫々のガスの流量(Qa1、Qb1)を算出する。そして、このガス流量からガス流量比F(Qb1/Qa1)を求めて、この流量比Fが上記の設定値F1となっているか否かを判断し(ステップS25)、設定値F1となっている場合には、後述のステップS14の成膜処理に移る。流量比が設定値F1よりも大きくなっている場合には、流量比が設定値F1なるように第2のバルブ65bの開度(B1)を小さくする(ステップ26)。
そして、圧力Pが設定値P1からずれていないかを確認し(ステップS27)、ずれていない場合にはステップS14の成膜処理に移る。圧力が設定値P1からずれている場合には、これまでの工程(ステップS24〜ステップS27)に要した時間が上記のステップS23において設定した繰り返し時間t1に達したかを確認し(ステップS28)、この繰り返し時間t1に達するか、あるいはステップS25またはステップS27において流量比F及び圧力Pが夫々設定値F1及び設定値P1に達するまで、このステップS24〜ステップS27の工程を繰り返す。具体的には、例えばバルブ65bの開度の調整(ステップS26)により圧力Pが設定値P1よりも高くなっている場合にはバルブ65aの開度を大きくし、圧力Pが設定値P1よりも低くなっている場合にはバルブ65aの開度を小さくする。また、このバルブ65aの開度の調整(ステップS24)により流量比Fが設定値F1よりも大きくなっている場合にはバルブ65bの開度を小さくし、流量比Fが設定値F1よりも小さくなっている場合にはバルブ65bの開度を大きくする。こうしてバルブ65a、65bの開度を交互に調整することにより、既述の図13に示すように圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1に近づいて(収束して)いくことになる。
これらのステップS24〜ステップS27を行って圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1となった場合には、排気路63a、63bから排気されるガスの流量が夫々20sccm、30sccmとなり、既述の図12(b)に示すように、この時の第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度が夫々例えばA2、B2に設定されることとなる。一方、上記のステップS28においてタイムアップとなった場合であっても、第1のバルブ65aによる圧力Pの調整と、第2のバルブ65bによる流量比Fの調整と、を交互に行っているので、既述のように、調整後の圧力P及び流量比Fの設定値P1及びF1からの夫々のずれ量がステップの繰り返しと共に徐々に小さくなっていく。そのため、タイムアップの時の圧力P及び流量比Fは、設定値P1及びF1に極めて近くなる。そのため、タイムアップとなった場合であっても、その後の成膜処理(ステップS14)以降の工程が行われることとなる。
その後、以上の工程において設定した圧力P及び流量比Fが維持されるように、第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度が微少に調整されることとなる。この例では反応ガスノズル31、32が配置されている第2の天井面45の下方側の空間に沿った容器本体12の内周壁においては、既述のように内周壁が切り欠かれて広くなっており、この広い空間の下方に排気口61、62が位置しているので、第1の天井面44の下方側の狭隘な空間及び前記中心部領域Cの各圧力よりも第2の天井面45の下方側の空間の圧力の方が低くなる。
そして、ウェハWの温度が図示しない温度センサにより設定温度になり、また真空容器1内の圧力P及び排気ガスの流量比Fが安定化して定常状態となったことを確認する。次いで、図14(a)に示すように、第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32より供給するガスをN2ガスから夫々BTBASガス及びO3ガスに切り替える(ステップS14)。この時、同図(b)に示すように、真空容器1内に供給するガスの総流量(各ノズル31、32から供給されるガスの流量)が変わらないようにガスを切り替える。このようにガスを切り替えることによって、ウェハWへのガス流の変動が抑えられ、また真空容器1内の圧力についても変動が抑えられる。そのため、第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度を改めて上記の各ステップS21〜S28のように調整しなくても、図12(c)に示すように、真空容器1内の圧力P、排気ガス流量比Fが設定値P1及びF1に維持されることとなる。従って、ガスを切り替えた時から真空容器1内には定常状態が維持されるので、図15に示すように、ウェハWの面内及び面間に亘ってガス流が安定化する。また、既述のように成膜中においても、排気路63a、63bから排気されるガス流の流量比Fが設定値F1に維持されるようにバルブ65の開度を微少に調整しているので、ウェハWへ供給されるガス流が乱れずに、この定常状態が維持されることとなる。尚、上記の図14(a)においては、各ガスの流量については簡略化して概略的に示している。
そして、ウェハWは回転テーブル2の回転により、第1の処理領域91と第2の処理領域92とを交互に通過するため、BTBASガスが吸着し、次いでO3ガスが吸着してBTBAS分子が酸化されて酸化シリコンの分子層が1層あるいは複数層形成され、こうして酸化シリコンの分子層が順次積層されて所定の膜厚のシリコン酸化膜が成膜される。
この時、第1の処理領域91及び第2の処理領域92の間においてN2ガスを供給し、また中心部領域Cにおいても分離ガスであるN2ガスを供給しており、更にウェハWへ供給されるガス流が安定化するようにバルブ65の開度を微少に調整しているので、BTBASガスとO3ガスとが混合しないように各ガスが排気されることとなる。また、分離領域Dにおいては、屈曲部46と回転テーブル2の外端面との間の隙間が既述のように狭くなっているので、BTBASガスとO3ガスとは、回転テーブル2の外側を介しても混合しない。従って、第1の処理領域91の雰囲気と第2の処理領域92の雰囲気とが完全に分離され、BTBASガスは排気口61に、またO3ガスは排気口62に夫々排気される。この結果、BTBASガス及びO3ガスが雰囲気中においてもウェハW上においても混じり合うことがない。
なおこの例では、回転テーブル2の下方側をN2ガスによりパージしているため、排気領域Eに流入したガスが回転テーブル2の下方側を潜り抜けて、例えばBTBASガスがO3ガスの供給領域に流れ込むといったおそれは全くない。こうして成膜処理が終了すると、ガスの供給を停止して真空容器1内を真空排気し(ステップS15)、その後回転テーブル2の回転を停止して各ウェハWを搬入時と逆の動作によって順次搬送アーム10により搬出する(ステップS16)。
ここで処理パラメータの一例について記載しておくと、回転テーブル2の回転数は、300mm径のウェハWを被処理基板とする場合は例えば1rpm〜500rpm、真空容器1の中心部の分離ガス供給管51からのN2ガスの流量は例えば5000sccmである。また1枚のウェハWに対する反応ガス供給のサイクル数、即ちウェハWが処理領域91、92の各々を通過する回数は目標膜厚に応じて変わるが、多数回例えば600回である。
上述の実施の形態によれば、互いに反応する反応ガスであるBTBASガス及びO3ガスが夫々供給される処理領域91、92を回転テーブル2の回転方向に沿って共通の真空容器1内に形成し、これらの処理領域91、92内に回転テーブル2によりウェハWを順番に通過させて反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成するにあたって、処理領域91、92間に分離ガスを供給する分離領域Dを介在させると共に互いに異なる反応ガスを分離して排気するように排気口61、62が位置する第1の排気路63a及び第2の排気路63bを設けている。そして、これらの排気路63a、63bから排気されるガスの流量比Fが設定値F1となり、また真空容器1内の圧力Pが設定値P1となるように第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度を調整している。そのため、分離領域Dの両側において適切な気流を安定して形成することができ、従ってウェハWの表面における反応ガス(BATAS、O3)の気流が一定化することからBTBASガスの吸着の状態が安定化すると共にO3ガスによる吸着分子の酸化反応も安定化し、結果としてウェハWの面内及び面間において膜厚が均一で膜質が均質且つ良好な薄膜を得ることができる。更に、分離領域Dの両側における排気の偏りを防止できるので、分離領域Dを通り抜けてBTBASガスとO3ガスとが混合することを避けることができ、これによりウェハWの表面以外における反応生成物の生成が抑えられ、そのためパーティクルの発生を抑えることができる。
また、排気ガスの流量比Fを求めるにあたって、既述のように、第1のバルブ65aの前後(上流側及び下流側)の差圧及び第2のバルブ65bの前後の差圧から、排気路63a、63bを実際に流れている流量を算出しているので、正確に流量比Fを算出することができる。そのため、真空ポンプ64a、64b間に内部への生成物の堆積、あるいは経時劣化などにより排気能力に個体差が生じたとしても、正確に流量比Fを算出することができる。
更に、上記のように排気ガスの流量比Fを設定値F1に調整するにあたって、実際に成膜を行う反応ガスではなくN2ガスにより行っているので、流量比Fを調整しているときつまり真空容器1内においてガス流が乱れているおそれのある時にはウェハWに反応ガスが接触しないので、ガス流の乱れた反応ガスによるウェハWへの影響を抑えることができる。また、既述のように流量を調整するときに予め反応ガスの分をN2ガスとして流しておき、その後このN2ガスに替えて反応ガスを流すようにしているので、流量比Fを調整した後に反応ガスを流し始めるときにも、真空容器1内におけるガス流が乱れず、また総ガス流量や排気路63a、63bから排気されるガス流量にも変化が生じないので、反応初期(ガスをN2ガスから反応ガスに替えたとき)にもガス流の乱れを抑えることができる。
更にまた、上記のように回転テーブル2の回転方向に複数のウェハWを配置し、回転テーブル2を回転させて第1の処理領域91と第2の処理領域92とを順番に通過させていわゆるALD(あるいはMLD)を行うようにしているため、高いスループットで成膜処理を行うことができる。そして、前記回転方向において第1の処理領域91と第2の処理領域92との間に低い天井面を備えた分離領域Dを設けると共に、回転テーブル2の回転中心部と真空容器1とにより区画した中心部領域Cから回転テーブル2の周縁に向けて分離ガスを吐出し、前記分離領域Dの両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域Cから吐出する分離ガスと共に前記反応ガスが回転テーブル2の周縁と真空容器の内周壁との隙間を介して排気されるようにしているため、両反応ガスの混合を防止することができ、この結果良好な成膜処理を行うことができるし、回転テーブル2上において反応生成物が生じることが全くないか極力抑えられ、パーティクルの発生が抑えられる。尚、本発明は、回転テーブル2に1個のウェハWを載置する場合にも適用できる。
尚、上記の例においては、ステップS21において第1のバルブ65a、第2のバルブ65bを全開にして真空引きするようにしたが、例えば第2のバルブ65bの開度と第2の排気路63bから排気されるガスの流量との関係を予め算出しておき、例えばステップS24において第1のバルブ65aを調整するときに、この第2のバルブ65bについても上記の開度となるように調整しても良い。この場合には、圧力値の調整と流量比の調整とが速やかに行われることとなる。また、圧力や流量比の調整量(変動量)が少なくなるので、このような場合には、上記のようにN2ガスではなく反応ガスを用いて圧力や流量比の調整量を行うようにしても良い。
また、圧力Pや流量比Fの調整を行う時のN2ガスの流量は、上記の例ではその後ガスを切り替えて成膜を行うときの反応ガスの流量と同じ量となるようにしたが、ほぼ等しい量例えば±5%程度であれば、上記のようにウェハWへのガス流の乱れが抑えられる。
この実施の形態では、ステップS28においてタイムアップとなったときに、その時の圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1に極めて近いものとしてその後のステップS14以降の工程を行うようにしたが、例えばアラームを出してその後の成膜処理を停止するようにしても良い。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、バルブ65a、65bの開度の調整だけに頼って真空容器1内の圧力Pと排気路63a、63bの流量比Fとの制御を行っていたが、更に真空ポンプ64bの回転数を調整してこの真空ポンプ64bの排気流量(排気能力)の調整を加えて上記の制御を行うようにしても良い。
図16に示すように、この真空ポンプ64bには、当該真空ポンプ64bの排気流量を調整する手段であるインバータ68が接続されており、このインバータ68により真空ポンプ64bに流れる電流値つまり当該真空ポンプ64bの回転数(排気流量)を調整できるように構成されている。そのためこの例においては、上記のレシピには、この真空ポンプ64bの回転数Rについても格納されている。尚、他の装置構成や作用などについては既述の実施形態と同じであるため、ここでは記載を省略する。
そして、第1のバルブ65aによる圧力制御と第2のバルブ65bによる流量制御とを繰り返し行ってタイムアップとなった時(ステップS28)には、図17に示すように、真空ポンプ64bの回転数Rを調整する第3ステップを行う(ステップS29)。即ち、例えば第2のバルブ65bにより流量比Fを調整した(ステップS26)後、圧力Pを確認し(ステップS27)、この圧力Pが設定値P1から外れていた場合には、圧力Pが設定値P1となるように真空ポンプ64bの排気量を調整する。具体的には、圧力Pが設定値P1以上であった場合つまり真空ポンプ64bの排気量が不足している場合には、この真空ポンプ64bの回転数Rが高くなるようにインバータ68の電流値を設定して真空ポンプ64bによる排気量を増加させ、逆に圧力Pが設定値P1よりも低い場合には、真空ポンプ64bの回転数Rを下げて真空ポンプ64bによる排気量を少なくする。
次いで、再度タイマ86により繰り返し時間t1を設定し、既述の各ステップS24〜ステップS27を繰り返す。上記の真空ポンプ64bの回転数Rの調整によりステップS25あるいはステップS27において圧力P及び流量比Fが設定値P1及びF1となった場合には、既述の成膜処理(ステップS14)に移り、真空ポンプ64bの回転数Rの調整によっても設定値P1、F1に至らなかった場合には、再度このステップS29において真空ポンプ64bの回転数Rが調整されることとなる。そして、繰り返し時間t1が経過するか、あるいは圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1となるまで、このステップS24〜S28が繰り返されることとなる。尚、繰り返し時間t1が経過しても圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1に到達しなかった場合でも、バルブ65a、65bの開度と共に真空ポンプ64bの回転数Rを調整していることから、既述の実施の形態と同様に、圧力P及び流量比Fが夫々設定値P1、F1に向かって収束していくことになるので、タイムアップの時の圧力P及び流量比Fは、夫々設定値P1及びF1に近くなる。そのため、タイムアップとなった場合であっても、その後の成膜処理(ステップS14)が行われることとなる。
この実施の形態によれば、上記の効果に加えて以下の効果が得られる。即ち、第1のバルブ65aの開度及び第2のバルブ65bの開度の調整だけでは設定した時間(t1)内に圧力P及び流量比Fの調整ができなかった場合でも、真空ポンプ64bの回転数Rを調整して再度バルブ65a、65bの開度を調整しているので、例えば真空ポンプ64a、64bの排気能力に個体差があっても、設定値P1、F1となるように圧力P及び流量比Fを夫々設定することができる。言い換えると、バルブ65a、65bの開度と共に真空ポンプ64bの回転数Rを調整することにより、広い範囲において圧力P及び流量比Fを設定できると言える。
尚、この例では真空ポンプ64bの回転数Rを調整したが、真空ポンプ64aにインバータを接続し、真空ポンプ64bに代えて、この真空ポンプ64aの回転数Rを調整するようにしても良いし、あるいは両方の真空ポンプ64の回転数Rを調整するようにしても良い。両方の真空ポンプ64の回転数Rを調整する場合には、例えば既述のステップS29において同時に真空ポンプ64a、64bの回転数Rを調整するようにしても良いし、あるいは真空ポンプ64bの回転数Rを調整した(ステップS29)後にタイムアップになった場合(ステップS28)に他方の真空ポンプ64aの回転数Rを調整して、再度繰り返し時間t1を設定する(ステップS23)と共にバルブ65a、65bの開度の調整を行う(ステップS24〜S28)ようにしても良い。
また、例えばステップS28においてタイムアップとなった時にこのステップS29を行うようにしたが、例えばステップS27とステップS28との間にこのステップS29を行い、バルブ65a、65bの開度の調整と共にこの真空ポンプ64bの回転数の調整を繰り返すようにしても良い。更に、初めのステップS27(各ステップを繰り返す前)において、例えば圧力Pが設定値P1から大きく外れている場合には、各ステップS24〜S27を繰り返す前にこのステップS29を行い、その後上記各ステップS24〜S27を繰り返すようにしても良い。
上記の各例において、互いに反応する反応ガスを2本の排気路63a、63bから別々に排気することにより、排気路63内や真空ポンプ64内における生成物の生成を抑えるといった効果を得ることができるが、例えばこの排気路63内や真空ポンプ64内の温度が低く、反応ガス同士の反応が起こりにくいときには、図18に示すように、真空ポンプ64a、64bを共通化するようにしても良い。この場合には、装置のコストを低減できるといった効果が得られる。
本発明で適用される処理ガスとしては、上述の例の他に、DCS[ジクロロシラン]、HCD[ヘキサクロロジシラン]、TMA[トリメチルアルミニウム]、3DMAS[トリスジメチルアミノシラン]、TEMAZ[テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム]、TEMHF[テトラキスエチルメチルアミノハフニウム]、Sr(THD)2 [ストロンチウムビステトラメチルヘプタンジオナト]、Ti(MPD)(THD)[チタニウムメチルペンタンジオナトビステトラメチルヘプタンジオナト]、モノアミノシランなどを挙げることができる。
また前記分離領域Dの天井面44において、前記分離ガスノズル41、42に対して回転テーブル2の回転方向の上流側部位は、外縁に位置する部位ほど前記回転方向の幅が大きいことが好ましい。その理由は回転テーブル2の回転によって上流側から分離領域Dに向かうガスの流れが外縁に寄るほど速いためである。この観点からすれば、上述のように凸状部4を扇型に構成することは得策である。
そして前記分離ガスノズル41(42)の両側に各々位置する狭隘な空間を形成する前記第1の天井面44は、図19(a)、(b)に前記分離ガスノズル41を代表して示すように例えば300mm径のウェハWを被処理基板とする場合、ウェハWの中心WOが通過する部位において回転テーブル2の回転方向に沿った幅寸法Lが50mm以上であることが好ましい。凸状部4の両側から当該凸状部4の下方(狭隘な空間)に反応ガスが侵入することを有効に阻止するためには、前記幅寸法Lが短い場合にはそれに応じて第1の天井面44と回転テーブル2との間の距離hも小さくする必要がある。更に第1の天井面44と回転テーブル2との間の距離hをある寸法に設定したとすると、回転テーブル2の回転中心から離れる程、回転テーブル2の速度が速くなってくるので、反応ガスの侵入阻止効果を得るために要求される幅寸法Lは回転中心から離れる程長くなってくる。このような観点から考察すると、ウェハWの中心WOが通過する部位における前記幅寸法Lが50mmよりも小さいと、第1の天井面44と回転テーブル2との距離hをかなり小さくする必要があるため、回転テーブル2を回転したときに回転テーブル2あるいはウェハWと天井面44との衝突を防止するために、回転テーブル2の振れを極力抑える工夫が要求される。更にまた回転テーブル2の回転数が高い程、凸状部4の上流側から当該凸状部4の下方側に反応ガスが侵入しやすくなるので、前記幅寸法Lを50mmよりも小さくすると、回転テーブル2の回転数を低くしなければならず、スループットの点で得策ではない。従って幅寸法Lが50mm以上であることが好ましいが、50mm以下であっても本発明の効果が得られないというものではない。即ち、前記幅寸法LがウェハWの直径の1/10〜1/1であることが好ましく、約1/6以上であることがより好ましい。
また本発明では分離ガス供給手段における回転方向両側に低い天井面44が位置することが必要であるが、分離ガスノズル41、42の両側に凸状部4が配置されている上述の構成に限らず、図20に示すように凸状部4の内部に分離ガスの通流室47を回転テーブル2の直径方向に伸びるように形成し、この通流室47の底部に長さ方向に沿って多数のガス吐出孔40が穿設される構成を採用してもよい。
分離領域Dの天井面44は平坦面に限られるものではなく、図21(a)に示すように凹面形状に構成してもよいし、図21(b)に示すように凸面形状にしてもよく、あるいはまた図21(c)に示すように波型状に構成してもよい。
ウェハWを加熱するための加熱手段としては抵抗発熱体を用いたヒータに限られずランプ加熱装置であってもよく、回転テーブル2の下方側に設ける代わりに回転テーブル2の上方側に設けてもよいし、上下両方に設けてもよい。また、上記の反応ガスによる反応が低温例えば常温において起こる場合には、このような加熱手段を設けなくとも良い。
ここで処理領域91、92及び分離領域Dの各レイアウトについて上記の実施の形態以外の他の例を挙げておく。図22は第2の反応ガスノズル32を搬送口15よりも回転テーブル2の回転方向上流側に位置させた例であり、このようなレイアウトであっても同様の効果が得られる。また分離領域Dは、扇型の凸状部4を周方向に2つに分割し、その間に分離ガスノズル41(42)を設ける構成であってもよいことを既に述べたが、図23は、このような構成の一例を示す平面図である。この場合、扇型の凸状部4と分離ガスノズル41(42)との距離や扇型の凸状部4の大きさなどは、分離ガスの吐出流量や反応ガスの吐出流量などを考慮して分離領域Dが有効な分離作用が発揮できるように設定される。
上述の実施の形態では、前記第1の処理領域91及び第2の処理領域92は、その天井面が前記分離領域Dの天井面よりも高い領域に相当するものであったが、本発明は、第1の処理領域91及び第2の処理領域92の少なくとも一方は、分離領域Dと同様に反応ガス供給手段の前記回転方向両側にて前記回転テーブル2に対向して設けられ、当該回転テーブル2との間にガスの侵入を阻止するための空間を形成するようにかつ前記分離領域Dの前記回転方向両側の天井面(第2の天井面45)よりも低い天井面例えば分離領域Dにおける第1の天井面44と同じ高さの天井面を備えている構成としてもよい。図24はこのような構成の一例を示すものであり、第2の処理領域(この例ではO3ガスの吸着領域)92において扇型の凸状部4の下方側に第2の反応ガスノズル32を配置している。なお第2の処理領域92は、分離ガスノズル41(42)の代わりに第2の反応ガスノズル32を設けた以外は、分離領域Dと全く同様である。
本発明は、分離ガスノズル41(42)の両側に狭隘な空間を形成するために低い天井面(第1の天井面)44を設けることが必要であるが、図25に示すように反応ガスノズル31(32)の両側にも同様の低い天井面を設け、これら天井面を連続させる構成、つまり分離ガスノズル41(42)及び反応ガスノズル31(32)が設けられる箇所以外は、回転テーブル2に対向する領域全面に凸状部4を設ける構成としても同様の効果が得られる。この構成は別の見方をすれば、分離ガスノズル41(42)の両側の第1の天井面44が反応ガスノズル31(32)にまで広がった例である。この場合には、分離ガスノズル41(42)の両側に分離ガスが拡散し、反応ガスノズル31(32)の両側に反応ガスが拡散し、両ガスが凸状部4の下方側(狭隘な空間)にて合流するが、これらのガスは分離ガスノズル42(41)と反応ガスノズル31(32)との間に位置する排気口61(62)から排気されることになる。
以上の実施の形態では、回転テーブル2の回転軸22が真空容器1の中心部に位置し、回転テーブル2の中心部と真空容器1の上面部との間の空間に分離ガスをパージしているが、本発明は図26に示すように構成してもよい。図26の成膜装置においては、真空容器1の中央領域の底面部14が下方側に突出していて駆動部の収容空間100を形成していると共に、真空容器1の中央領域の上面に凹部100aが形成され、真空容器1の中心部において収容空間100の底部と真空容器1の前記凹部100aの上面との間に支柱101を介在させて、第1の反応ガスノズル31からのBTBASガスと第2の反応ガスノズル32からのOガスとが前記中心部を介して混ざり合うことを防止している。
回転テーブル2を回転させる機構については、支柱101を囲むように回転スリーブ102を設けてこの回転スリーブ102に沿ってリング状の回転テーブル2を設けている。そして前記収容空間100にモータ103により駆動される駆動ギヤ部104を設け、この駆動ギヤ部104により、回転スリーブ102の下部の外周に形成されたギヤ部105を介して当該回転スリーブ102を回転させるようにしている。106、107及び108は軸受け部である。また前記収容空間100の底部にパージガス供給管74を接続すると共に、前記凹部100aの側面と回転スリーブ102の上端部との間の空間にパージガスを供給するためのパージガス供給管75を真空容器1の上部に接続している。図26では、前記凹部100aの側面と回転スリーブ102の上端部との間の空間にパージガスを供給するための開口部は左右2箇所に記載してあるが、回転スリーブ102の近傍領域を介してBTBASガスとOガスとが混じり合わないようにするために、開口部(パージガス供給口)の配列数を設計することが好ましい。
図26の実施の形態では、回転テーブル2側から見ると、前記凹部100aの側面と回転スリーブ102の上端部との間の空間は分離ガス吐出孔に相当し、そしてこの分離ガス吐出孔、回転スリーブ102及び支柱101により、真空容器1の中心部に位置する中心部領域が構成される。
本発明は、2種類の反応ガスを用いることに限られず、3種類以上の反応ガスを順番に基板上に供給する場合にも適用することができる。その場合には、例えば第1の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第2の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第3の反応ガスノズル及び分離ガスノズルの順番で真空容器1の周方向に各ガスノズルを配置し、各分離ガスノズルを含む分離領域を既述の実施の形態のように構成すればよい。この場合には、これらのガスが供給される処理領域毎に連通する排気路や圧力計、バルブを設けて、上記のように処理領域毎に排気流量(バルブの前後の差圧)が調整される。
以上述べた成膜装置を用いた基板処理装置について図27に示しておく。図27中、111は例えば25枚のウェハWを収納するフープと呼ばれる密閉型の搬送容器、112は搬送アーム113が配置された大気搬送室、114、115は大気雰囲気と真空雰囲気との間で雰囲気が切り替え可能なロードロック室(予備真空室)、116は、2基の搬送アーム117が配置された真空搬送室、118、119は本発明の成膜装置である。搬送容器111は図示しない載置台を備えた搬入搬出ポートに外部から搬送され、大気搬送室112に接続された後、、図示しない開閉機構により蓋が開けられて搬送アーム113により当該搬送容器111内からウェハWが取り出される。次いでロードロック室114(115)内に搬入され当該室内を大気雰囲気から真空雰囲気に切り替え、その後搬送アーム117によりウェハWが取り出されて成膜装置118、119の一方に搬入され、既述の成膜処理がされる。このように例えば5枚処理用の本発明の成膜装置を複数個例えば2個備えることにより、いわゆるALD(MLD)を高いスループットで実施することができる。
上記の各例では、真空容器1内における各反応ガスの気流を安定化させるにあたって、2つの排気路63a、63b内を通流する排気ガスの流量比Fが設定値F1となるように排気路63a、63bに夫々介設されたバルブ65a、65bの開度などを調整したが、各々の処理領域91、92における圧力差が小さくなるようにバルブ65a、65bの開度を調整しても良い。この場合の具体的な成膜装置や成膜方法について、以下の図28〜図31を参照して説明する。尚、既述の図1と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明を省略する。
この例では、図28に示すように、排気路63a、63bに夫々設けられた第1の処理圧力検出手段66a及び第2の処理圧力検出手段66bは、夫々第1の処理領域91及び第2の処理領域92の圧力を測定するためのものである。尚、この例では、排気路63a、63bに夫々第1の圧力検出手段67a及び第2の圧力検出手段67bを設けなくとも良い。
また、図29に示すように、メモリ82には、既述のガスの流量比Fに代えて、これらの処理領域91、92において許容される圧力差Δpがレシピ毎に記憶されている。即ち、真空容器1内において各処理領域91、92間で圧力差Δpが大きいと、これらの処理領域91、92間の分離領域Dを介して圧力の高い領域から圧力の低い領域へと反応ガスが流れようとするので、ガス流れが不安定になる場合もあるが、この実施の形態では各処理領域91、92間の圧力差Δpを小さく抑えることにより、ガス流れを安定化させている。
この実施の形態においてガス流れを安定化させる時には、既述の例と同様に、図30に示すように、ステップS13において反応ガスの供給を開始する前に、窒素ガスを用いて各バルブ65a、65bの開度が調整される。このガス流れを安定化させる方法や処理条件などについて、既述の第1の実施の形態と異なる点について図31を参照して説明すると、ステップS22では、圧力設定値P1及び各処理領域91、92間における圧力差Δpの設定値Δp1を夫々例えば1067Pa(8Torr)及び13.3Pa(0.1Torr)に設定する。そして、ステップS24で真空容器1内の処理圧力例えば処理圧力検出手段66aの圧力検出値が設定値P1となるようにバルブ65aの開度を調整した後、ステップS25では、処理圧力検出手段66a、66bの測定結果を読み取って、圧力差Δpが設定値Δp1以下となったかどうかを判断する。圧力差Δpが設定値Δp1以下となった場合にはステップS14の薄膜の成膜処理に移り、圧力差Δpが設定値Δp1よりも大きい場合には、圧力差Δpが設定値Δp1以下となるようにバルブ65bの開度を調整する(ステップS26)。続いて、処理圧力が設定値P1となった場合には薄膜の成膜処理を開始して(ステップS27)、処理圧力が設定値P1とならなかった場合には、繰り返し時間t1が経過するまで(ステップS28)、あるいはステップS25において圧力差Δpが設定値Δp1以下となるか、ステップS27において処理圧力が設定値P1に達するまで、上記の例と同様にステップS24〜ステップS27の工程が繰り返されることになる。
その後、窒素ガスから反応ガスに切り替えて成膜処理が行われることになるが、上記のステップS21〜S28により各処理領域91、92間の圧力差Δpが設定値Δp1以下になっているので、あるいは設定値Δp1に極めて近い値に落ち着いているので、真空容器1内では反応ガス(BATASガス、O3ガス)のガス流れが安定化する。従って、ウェハWへのBTBASガスの吸着の状態が安定化すると共に、O3ガスによる吸着分子の酸化反応も安定化し、結果としてウェハWの面内及び面間において膜厚が均一で膜質が均質且つ良好な薄膜を得ることができる。更に、分離領域Dの両側における排気の偏りを防止できるので、分離領域Dを通り抜けてBTBASガスとO3ガスとが混合することを避けることができる。そのため、ウェハWの表面以外における反応生成物の生成が抑えられるので、パーティクルの発生を抑えることができる。更にまた、各処理領域91、92間において圧力差Δpが小さく抑えられていることから、例えば回転テーブル2の回転に伴ってウェハWが処理領域91(92)に進入する時、あるいは処理領域91(92)から出て行く時、ウェハWは回転テーブル2から上昇しようとする浮力をほとんど受けない。そのため、ウェハWが凹部24から浮き上がったり凹部24内において位置ずれしたりすることが抑えられるので、例えばウェハWの天板11への衝突や成膜の不具合などが抑制されることになる。
また、例えば各々の反応ガスが通流する領域(処理領域91、92)の大きさの違いや回転テーブル2に形成された凹部24などの影響によって、各処理領域91、92間においてガスの流れにくさ(コンダクタンス)に差が生じる場合であっても、処理領域91、92間における圧力差Δpを小さくしているので、そのようなガス流れのコンダクタンスの差の影響を抑えてガス流れを確実に安定化させることができる。
上記の例では、各処理領域91、92の圧力を測定するにあたり、排気路63a、63bに処理圧力検出手段66a、66bを夫々介設したが、夫々の処理領域91、92に連通する領域例えば真空容器1の側壁に設けても良い。また、各処理領域91、92の圧力を調整するにあたって、既述のように、バルブ65a、65bの開度と共に真空ポンプ64の回転数Rを調整しても良い。更に、2つの真空ポンプ64a、64bを共通化しても良い。更にまた、上記のステップS24において真空容器1内の処理圧力を圧力設定値P1に設定するにあたり、この処理圧力として処理圧力検出手段66aの圧力検出値を用いたが、処理圧力検出手段66bの圧力検出値を用いても良いし、あるいは真空容器1内の圧力を検出する検出手段を別途設けて、この検出手段の検出値を用いても良い。
また、この実施の形態では、ガス流れを安定化させるにあたって、排気ガスの流量比Fに代えて各処理領域91、92の圧力を調整したが、排気ガスの流量比Fと共に処理領域91、92の圧力を調整しても良い。具体的には、例えば真空容器1内の圧力変動が起こる可能性が高い場合例えば真空容器1内への反応ガスの供給を開始する時(ステップS14において窒素ガスから反応ガスに切り替える時)には各処理領域91、92の圧力を調整し、成膜処理開始から所定の時間が経過して真空容器1内の圧力が安定した後には排気ガスの流量比Fを調整するようにしても良い。その場合には、真空容器1内におけるガス流れを更に安定化させることができ、またウェハWの浮上を抑えることができる。
C 中心部領域
D 分離領域
1 真空容器
2 回転テーブル
24 凹部(基板載置領域)
31 第1の反応ガスノズル
32 第2の反応ガスノズル
39 ガス供給系
41 分離ガスノズル
42 分離ガスノズル
64a 真空ポンプ
64b 真空ポンプ
65a 第1のバルブ
65b 第2のバルブ
66 処理圧力検出手段
67a 第1の圧力検出手段
67b 第2の圧力検出手段
91 第1の処理領域
92 第2の処理領域

Claims (36)

  1. 真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番にこの回転テーブル上の基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置において、
    前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて設けられ、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給するための第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段と、
    前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との雰囲気を分離するために、前記回転方向においてこれら処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
    前記回転テーブルの回転中心から見て前記第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て前記第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路と、
    前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1のバルブ及び第2のバルブを介して接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段と、
    前記第1のバルブと前記第1の真空排気手段との間及び前記第2のバルブと前記第2の真空排気手段との間に夫々介設された第1の圧力検出手段及び第2の圧力検出手段と、
    前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの少なくとも一方の前記真空容器側に設けられ、当該真空容器内の圧力を検出するための処理圧力検出手段と、
    前記第1の圧力検出手段、前記第2の圧力検出手段及び前記処理圧力検出手段により検出された各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を通流する夫々のガスの流量比と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記制御部は、前記処理圧力検出手段の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記流量比が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を実行するプログラムを含むことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記プログラムは、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記プログラムは、前記第2ステップの後に行われ、前記流量比が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の成膜装置。
  5. 前記プログラムは、前記第3ステップを行った後、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給して前記真空容器内の圧力及び前記流量比を調整し、その後前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えて成膜処理を行うように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の成膜装置。
  7. 真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番にこの回転テーブル上の基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置において、
    前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて設けられ、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給するための第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段と、
    前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との雰囲気を分離するために、前記回転方向においてこれら処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
    前記回転テーブルの回転中心から見て前記第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て前記第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路と、
    前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1のバルブ及び第2のバルブを介して接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段と、
    前記第1のバルブと前記第1の処理領域との間及び前記第2のバルブと前記第2の処理領域との間に夫々設けられ、前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の圧力を夫々検出するための第1の処理圧力検出手段及び第2の処理圧力検出手段と、
    前記第1の処理圧力検出手段及び前記第2の処理圧力検出手段により検出された各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の圧力差と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする成膜装置。
  8. 前記制御部は、前記第1の処理圧力検出手段の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記圧力差が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を実行するプログラムを含むことを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記プログラムは、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の成膜装置。
  10. 前記プログラムは、前記第2ステップの後に行われ、前記圧力差が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の成膜装置。
  11. 前記プログラムは、前記第3ステップを行った後、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを予め設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の成膜装置。
  12. 前記制御部は、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給して前記真空容器内の圧力及び前記圧力差を調整し、その後前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えて成膜処理を行うように制御信号を出力することを特徴とする請求項7ないし11のいずれか一つに記載の成膜装置。
  13. 前記真空容器内に供給されるガスの総流量は、前記ガス切り替え時の前後において同じ値に設定されていることを特徴とする請求項6または12に記載の成膜装置。
  14. 前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段を接続することに代えて、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を合流させ、その合流路に共通の真空排気手段を接続することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載の成膜装置。
  15. 前記分離領域は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、当該分離領域から処理領域側に分離ガスが流れるための狭隘な空間を回転テーブルとの間に形成するための天井面を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか一つに記載の成膜装置。
  16. 前記第1の処理領域と第2の処理領域との雰囲気を分離するために前記真空容器内の中心部に位置し、前記回転テーブルの基板載置面側に分離ガスを吐出する吐出孔が形成された中心部領域を備え、
    前記反応ガスは、前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に前記排気口から排気されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか一つに記載の成膜装置。
  17. 前記中心部領域は、前記回転テーブルの回転中心部と前記真空容器の上面側とにより区画され、分離ガスがパージされる領域であることを特徴とする請求項10または16に記載の成膜装置。
  18. 内部に基板搬送手段が配置された真空搬送室と、この真空搬送室に気密に接続された請求項1ないし17のいずれか一つに記載の成膜装置と、前記真空搬送室に気密に接続され、真空雰囲気と大気雰囲気との間で雰囲気が切り替え可能な予備真空室と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
  19. 互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜方法において、
    真空容器内の回転テーブルに基板をほぼ水平に載置し、当該回転テーブルを回転させる工程と、
    前記回転方向に互いに離れて前記真空容器に設けられた第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段から、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給する工程と、
    前記回転方向において第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段の間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給手段から分離ガスを供給し、この分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程と、
    前記回転テーブルの回転中心から見て第1の反応ガスが供給される第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て第2の反応ガスが供給される第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路から、これらの第1の排気路及び第2の排気路に夫々接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段により、夫々第1の処理領域及び第2の処理領域の各雰囲気を互いに独立して排気する工程と、
    前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路に介設された第1のバルブと前記第1の真空排気手段との間における圧力と、前記第2の排気路に介設された第2のバルブと前記第2の真空排気手段との間における圧力と、を検出し、これらの各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を通流する夫々のガスの流量比と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を調整する工程と、を含むことを特徴とする成膜方法。
  20. 前記調整する工程は、前記真空容器内の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記流量比が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を含むことを特徴とする請求項19に記載の成膜方法。
  21. 前記調整する工程は、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを前記設定する工程にて設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことを特徴とする請求項20に記載の成膜方法。
  22. 前記調整する工程は、前記第2ステップの後に行われ、前記流量比が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含むことを特徴とする請求項20または21に記載の成膜方法。
  23. 前記調整する工程は、前記第3ステップを行った後、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記流量比とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとをこの設定する工程で設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことを特徴とする請求項22に記載の成膜方法。
  24. 前記調整する工程は、前記反応ガスを供給する工程の前に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給し、この時に前記真空容器内の圧力及び前記流量比を調整する工程であり、
    前記反応ガスを供給する工程は、この調整する工程の後に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えてガスを供給する工程であることを特徴とする請求項19ないし23のいずれか一つに記載の成膜方法。
  25. 互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜方法において、
    真空容器内の回転テーブルに基板をほぼ水平に載置し、当該回転テーブルを回転させる工程と、
    前記回転方向に互いに離れて前記真空容器に設けられた第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段から、前記回転テーブルにおける基板の載置領域側の面に夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給する工程と、
    前記回転方向において第1の反応ガス供給手段及び第2の反応ガス供給手段の間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給手段から分離ガスを供給し、この分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程と、
    前記回転テーブルの回転中心から見て第1の反応ガスが供給される第1の処理領域とこの第1の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第1の排気路、及び前記回転テーブルの回転中心から見て第2の反応ガスが供給される第2の処理領域とこの第2の処理領域に対して回転方向下流側に隣接する分離領域との間にその排気口が位置する第2の排気路から、これらの第1の排気路及び第2の排気路に夫々接続された第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段により、夫々第1の処理領域及び第2の処理領域の各雰囲気を互いに独立して排気する工程と、
    前記第1の排気路に介設された第1のバルブと前記第1の処理領域との間における圧力と、前記第2の排気路に介設された第2のバルブと前記第2の処理領域との間における圧力と、を検出し、これらの各圧力検出値に基づいて、前記真空容器内の圧力と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の圧力差と、が夫々設定された設定値となるように、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの開度を調整する工程と、を含むことを特徴とする成膜方法。
  26. 前記調整する工程は、前記真空容器内の圧力値が設定値となるように前記第1のバルブの開度を調整する第1ステップと、次いで前記圧力差が設定値となるように前記第2のバルブの開度を調整する第2ステップと、を含むことを特徴とする請求項25に記載の成膜方法。
  27. 前記調整する工程は、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとを前記設定する工程にて設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことを特徴とする請求項26に記載の成膜方法。
  28. 前記調整する工程は、前記第2ステップの後に行われ、前記圧力差が設定値となるように前記第1の真空排気手段及び前記第2の真空排気手段の少なくとも一方の排気流量を調整する第3ステップを含むことを特徴とする請求項26または27に記載の成膜方法。
  29. 前記調整する工程は、前記第3ステップを行った後、ステップの繰り返し回数を設定する工程と、前記真空容器内の圧力と前記圧力差とが夫々設定値となるまで、前記第1ステップと前記第2ステップとをこの設定する工程で設定した繰り返し回数の範囲内で繰り返す工程と、を含むことを特徴とする請求項28に記載の成膜方法。
  30. 前記調整する工程は、前記反応ガスを供給する工程の前に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段の各々から不活性ガスを供給し、この時に前記真空容器内の圧力及び前記圧力差を調整する工程であり、
    前記反応ガスを供給する工程は、この調整する工程の後に、前記第1の反応ガス供給手段及び前記第2の反応ガス供給手段から供給するガスを夫々第1の反応ガス及び第2の反応ガスに切り替えてガスを供給する工程であることを特徴とする請求項25ないし29のいずれか一つに記載の成膜方法。
  31. 前記真空容器内に供給されるガスの総流量は、前記ガス切り替え時の前後において同じ値に設定されていることを特徴とする請求項24または30に記載の成膜方法。
  32. 前記排気する工程は、前記第1の排気路及び前記第2の排気路に夫々第1の真空排気手段及び第2の真空排気手段を接続することに代えて、前記第1の排気路及び前記第2の排気路を合流させ、その合流路に共通の真空排気手段を接続し、この共通の真空排気手段により前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の各雰囲気を排気する工程であることを特徴とする請求項19ないし31のいずれか一つに記載の成膜方法。
  33. 前記分離領域への前記反応ガスの侵入を阻止する工程は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、回転テーブルと真空容器の天井面との間の狭隘な空間を介して前記分離領域から処理領域側に分離ガスを供給する工程であることを特徴とする請求項19ないし32のいずれか一つに記載の成膜方法。
  34. 前記真空容器内の中心部に位置する中心部領域に分離ガスをパージして、当該中心部領域に形成された吐出口から分離ガスを当該回転テーブルの基板載置面側に吐出する工程と、
    前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に、前記反応ガスを前記排気口から排気する工程と、を含むことを特徴とする請求項19ないし33のいずれか一つに記載の成膜方法。
  35. 前記中心部領域は、前記回転テーブルの回転中心部と前記真空容器の上面側とにより区画され、分離ガスがパージされる領域であることを特徴とする請求項34に記載の成膜方法。
  36. 互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して薄膜を形成する成膜装置に用いられるプログラムを格納する記憶媒体であって、
    前記プログラムは、請求項19ないし35のいずれか一つに記載の成膜方法を実施するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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