しかしながら、対象物が平行光を遮る大きさのものであれば、対象物を精度良く検出できるが、対象物が針状の細いものであると、全体の光量に対して遮られる光量の割合が小さいため、対象物が検出通路を通過しても光検出器の出力信号の変化が得られにくく対象物を検出できないことがある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、検出対象物体が細いものであっても精度良く検出することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を受光して受光信号を出力する光検出器と、前記レーザ光源から前記光検出器までのレーザ光の光路の途中に設けられ、検出対象物が前記レーザ光を横切る通路となる検出通路とを備え、前記光検出器が出力する受光信号に基づいて前記検出対象物を検出できるようにしたフォトインタラプタであって、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を、前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させる第1のレンズと、前記第1のレンズにより収束した後に拡散するレーザ光を収束させて前記光検出器に受光させる第2のレンズとを備えたことにある。
本発明においては、レーザ光源から出射されたレーザ光は、第1のレンズを通って検出通路内の通路幅中央位置にて収束する。収束したレーザ光は、その後拡散するが第2のレンズを通って収束し光検出器に受光される。検出対象物は、検出通路の中央(通路幅中央)を通過する。従って、レーザ光の収束位置(ビーム径が最も小さくなった位置)は、検出対象物の通過ルート上あるいはその近傍となる。このため、検出対象物が細い棒状体であっても、検出対象物が検出通路を通過したときには、レーザ光の大部分が検出対象物により遮られ、光検出器の出力する受光信号が大きく変化する。この結果、細い検出対象物を精度良く検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記検出通路内に複数本のレーザ光を間隔をあけて通過させるとともに、前記複数本のレーザ光の光路を1つの直列光路で形成する光路形成手段と、前記複数本のレーザ光を前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させるための第3のレンズとを備えたことにある。
本発明においては、検出通路内に複数本のレーザ光が間隔をあけて通過する。この複数本のレーザ光の光路は、光路形成手段により1つの直列光路で形成されている。検出通路内に複数本のレーザ光を通過させる場合、第1のレンズだけでは、全てのレーザ光を検出通路内の通路幅中央位置に収束させることができない。そこで、第1のレンズでは収束させることができない残りのレーザを第3のレンズにより検出通路内の通路幅中央位置で収束させる。
こうした構成では、検出対象物が細い棒状体であり、しかも、検出対象物が斜めに傾いて検出通路を通過した場合であっても、何れかのレーザ光が遮られる確率が高くなる。また、検出通路内を通過する複数本のレーザ光の光路は、1つの直列光路で形成されているため、1本でもレーザ光が遮られれば、光検出器の受光信号が大きく変化する。従って、本発明では、検出対象物の通過位置精度が悪くても良好に検出対象物を検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記第3のレンズにより収束した後に拡散するレーザ光を収束させる第4のレンズを備えたことにある。
本発明においては、第3のレンズにより収束した後に拡散するレーザ光を第4のレンズにより収束させるため、レーザ光を光検出器に適切に受光させることができる。尚、第3のレンズ、第4のレンズは、検出通路内に通過させるレーザ光の本数に応じて適宜の数だけ設ければよい。
また、本発明の他の特徴は、前記光路形成手段は、少なくともミラーまたはビームスプリッタを光反射素子として複数備えて、前記複数の光反射素子によりレーザ光の進行方向を変えて前記検出通路内に複数本のレーザ光を通過させ、前記第3のレンズと前記第4のレンズとは、前記検出通路を隔てて互いに向かい合うように配置されることにある。
本発明によれば、簡単に検出通路内に複数本のレーザ光を直列光路にて通過させるとともに検出通路内の中央位置にレーザ光を収束させることができる。
また、本発明の他の特徴は、例えば、図3の例に示すように、前記第1のレンズ(12)から前記第2のレンズ(18)までの間のレーザ光の光路には、レーザ光を通過させることによりレーザ光の偏光方向を90°変化させる偏光方向変化素子(22)と、前記偏光方向変化素子(22)を通過したレーザ光をレーザ光が収束する前に進行方向を変える第1のミラー(14)と、前記第1のミラー(14)により進行方向を変えられたレーザ光を前記検出通路内でレーザ光が収束した後に進行方向を変える第2のミラー(16)と、前記第2のミラー(16)により進行方向を変えられたレーザ光を入射し、レーザ光の偏光方向に応じて前記入射したレーザ光を反射またはそのまま透過させる第1の偏光ビームスプリッタ(24)と、前記第1の偏光ビームスプリッタ(24)により反射したレーザ光を入射して前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させる第3のレンズ(26)と、前記第3のレンズ(26)により収束した後に拡散するレーザ光を入射して収束させる第4のレンズ(28)と、前記第4のレンズ(28)を通過した後のレーザ光を反射するとともに前記第1のレンズ(12)を通過した後のレーザ光をそのまま透過して、前記第4のレンズ(28)を通過した後のレーザ光の進行方向と前記第1のレンズ(12)を通過した後のレーザ光の進行方向とが同一になるようにする第2の偏光ビームスプリッタ(30)とを備え、前記第1のレンズ(12)および前記第4のレンズ(28)は、前記第1のミラー(14)と前記第2のミラー(16)との間の光路にてレーザ光を前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させ、前記第1の偏光ビームスプリッタ(24)は、前記偏光方向変化素子(22)を2回通過したレーザ光をそのまま透過して前記第2のレンズ(18)に入射させることにある。
本発明によれば、検出通路内に2本のレーザ光を間隔をあけて通過させ、しかも、その2本のレーザ光を検出通路の中央で収束させることができる。また、レーザ光の光路を部分的に共通化しているため、本体サイズをコンパクトにすることができる。
また、本発明の他の特徴は、例えば、図4の例に示すように、前記第1のレンズ(12)と前記第2のレンズ(18)までの間のレーザ光の光路には、レーザ光を通過させることによりレーザ光の偏光方向を90°変化させる偏光方向変化素子(22)と、前記偏光方向変化素子(22)を通過したレーザ光が収束する前にレーザ光を入射してレーザ光の偏光方向に応じて反射または透過させる第1の偏光ビームスプリッタ(32)と、前記第1の偏光ビームスプリッタ(32)を透過したレーザ光をレーザ光が収束する前に進行方向を変える第1のミラー(14)と、前記第1のミラー(14)により進行方向を変えられたレーザ光を前記検出通路内でレーザ光が収束した後に進行方向を変える第2のミラー(16)と、前記第1の偏光ビームスプリッタ(32)により反射したレーザ光をレーザ光が収束した後に入射して反射するとともに、前記第2のミラー(16)により進行方向を変えられたレーザ光をそのまま透過して、前記第1の偏光ビームスプリッタ(32)により反射したレーザ光の進行方向と前記第2のミラー(16)により進行方向を変えられたレーザ光の進行方向とが同一になるようにする第2の偏光ビームスプリッタ(34)と、前記第2の偏光ビームスプリッタ(34)を反射したレーザ光と透過したレーザ光とを入射し、レーザ光の偏光方向に応じて前記入射したレーザ光を反射またはそのまま透過させる第3の偏光ビームスプリッタ(24)と、前記第3の偏光ビームスプリッタ(24)により反射したレーザ光を入射して前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させる第3のレンズ(26)と、前記第3のレンズ(26)により収束した後に拡散するレーザ光を入射して収束させる第4のレンズ(28)と、前記第4のレンズ(28)を通過した後のレーザ光を反射するとともに前記第1のレンズ(12)を通過した後のレーザ光をそのまま透過して、前記第4のレンズ(28)を通過した後のレーザ光の進行方向と前記第1のレンズ(12)を通過した後のレーザ光の進行方向とが同一になるようにする第4の偏光ビームスプリッタ(30)とを備え、前記第1のレンズ(12)は、前記第1のビームスプリッタ(32)と第2のビームスプリッタ(34)との間の光路にてレーザ光を前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させ、前記第4のレンズ(28)は、前記第1のミラー(14)と前記第2のミラー(16)との間の光路にてレーザ光を前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させ、前記第3の偏光ビームスプリッタ(24)は、前記偏光方向変化素子(22)を2回通過したレーザ光をそのまま透過して前記第2のレンズ(18)に入射させることにある。
本発明によれば、検出通路内に3本のレーザ光を間隔をあけて通過させ、しかも、その3本のレーザ光を検出通路の中央で収束させることができる。また、レーザ光の光路を部分的に共通化しているため、本体サイズをコンパクトにすることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記検出通路内に複数本のレーザ光を間隔をあけて通過させるとともに、前記複数本のレーザ光の光路を並列に形成する光路形成手段と、前記複数本のレーザ光を前記検出通路内の通路幅中央位置に収束させるための第3のレンズとを備えたことにある。
本発明においては、検出通路内に複数本のレーザ光が間隔をあけて通過する。この複数本のレーザ光の光路は、光路形成手段により並列に形成されている。検出通路内に複数本のレーザ光を通過させる場合、第1のレンズだけでは、全てのレーザ光を検出通路内の通路幅中央位置に収束させることができない。そこで、第1のレンズでは収束させることができない残りのレーザ光を第3のレンズにより検出通路内の通路幅中央位置で収束させる。
複数本のレーザ光の光路が並列に形成されているため、光検出器の受光信号は、検出対象物によって遮られたレーザ光の本数に応じた出力となる。従って、光検出器の受光信号から、検出対象物の長さを検出することができる。例えば、複数のレーザ光を、検出対象物の長さ方向に間隔をあけて検出通路内を通過させるように光路を形成しておけば、短尺の検出対象物に比べて長尺の検出対象物のほうが、検出通路を通過したときに遮るレーザ光の本数が多くなり、光検出器の受光信号の出力(光の強度に相当する)が低くなる。これにより、本発明によれば、検出対象物の有無だけでなく、その長さをも検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記第3のレンズにより収束した後に拡散するレーザ光の拡散度合いを調整する第4のレンズを備えたことにある。
本発明においては、第3のレンズにより収束した後に拡散するレーザ光の拡散度合いを第4のレンズにより調整するため、レーザ光を光検出器に適切に受光させることができる。尚、第3のレンズ、第4のレンズは、検出通路内に通過させるレーザ光の本数に応じて適宜の数だけ設ければよい。
本発明の他の特徴は、前記光路形成手段は、前記第1のレンズを通過したレーザ光を分割する光学素子と、前記分割されたレーザ光のそれぞれを前記検出通路内に導く光学素子と、分割されたレーザ光を集合させて前記第2のレンズに入射させる光学素子とを備え、前記第3のレンズと前記第4のレンズとは、前記検出通路を隔てて互いに向かい合うように配置されることにある。
本発明においては、簡単に検出通路内に複数本のレーザ光を並列光路にて通過させるとともに検出通路内の中央位置にレーザ光を収束させることができる。また、本体サイズをコンパクトにすることができる。尚、光学素子は、複数の機能を備えたものを用いることができる。例えば、ビームスプリッタを用いれば、レーザ光の分割と、レーザ光の検出通路への誘導とを同時に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係るフォトインタラプタの概略斜視図、図2は、第1実施形態に係るフォトインタラプタの光学系構成図である。フォトインタラプタ100は、正面視コの字状のケーシング2を備え、このケーシング2内に複数の光学系素子が配置される。ケーシング2は、右ケーシング2aと、左ケーシング2bと、右ケーシング2aと左ケーシング2bとを間隔をあけて平行に向かい合わせて支持する基部ケーシング2cとからなり、右ケーシング2aと左ケーシング2bとの間の空間領域が対象物OBを検出するための検出通路Aとなっている。検出通路Aの上方は、開放されている。
右ケーシング2aと左ケーシング2bとには、それぞれ互いに向かい合う面に、光が通過する光開口3a、3bが穿設されている。対象物OBは、例えば、直径2mm、長さ30mmの細い棒状体である。対象物OBは、キャリアCに連結され、検出通路Aの通路幅中央位置、つまり、右ケーシング2aと左ケーシング2bとの間の距離を通路幅として、その通路幅の略中央位置を図面矢印方向(光開口3a、3bを結ぶ光路に直交する方向)に通過するように運ばれる。
次に、フォトインタラプタ100の光学系素子について説明する。フォトインタラプタ100は、図2に示すように、右ケーシング2a内にレーザ光源10,凸レンズ12,ミラー14を備えており、左ケーシング2b内にミラー16,凸レンズ18,フォトディテクタ20を備えている。レーザ光源10は、図示しないレーザ駆動装置からの駆動信号によりレーザ光を出射する。レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながらミラー14に入射して反射する。ミラー14で反射したレーザ光は、光開口3aを通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの通路幅中央位置(以下、単に中央位置と呼ぶ)で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3bを通過してミラー16に入射する。レーザ光は、ミラー16で反射し、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。フォトディテクタ20は、レーザ光を受光し、受光した光の強度に応じた受光信号を出力する。
フォトインタラプタ100は、受光信号を出力する外部出力端子(図示略)を備えており、外部出力端子から信号線を介してコンパレータ等の判定回路(図示略)に受光信号が出力されるようになっている。判定回路は、フォトディテクタ20の出力値と予め設定した判定値とを比較し、受光した光の強度が判定強度を下回ったときに、検出通路Aを対象物OBが通過したと判定する。
このように構成されたフォトインタラプタ100は、凸レンズ12によりレーザ光を検出通路Aの中央位置で収束させ、この収束位置に対象物OBを通過させる。従って、レーザ光の光路を対象物OBが横切ったとき、レーザ光全体が対象物OBにより遮られるため、フォトディテクタ20の出力する受光信号が大きく変化する。これにより細い対象物OBの通過を精度良く検出することができる。
ここで、レーザ光の収束位置におけるビーム径の大きさについて述べる。レーザ光の波長をλ、凸レンズ12の開口数をNAとすると、収束位置におけるビーム径はλ/NAとして計算することができる。例えば、レーザ光源10から出射されるレーザ光の波長λを780nm、凸レンズ12の開口数NAを0.1とした場合には、収束位置におけるビーム径は、7.8μmとなる。また、焦点深度は、λ/NA2として計算できるため、この例では78μmとなる。従って、直径2mmという細い対象物OBであっても、レーザ光を確実に遮断することができる。この結果、対象物OBの形状が細い棒状(針状)であっても、フォトディテクタ20の出力する受光信号の大きな変化を得ることができ、対象物OBの通過を精度良く検出することができる。
尚、凸レンズ12が本発明の第1のレンズに相当し、凸レンズ18が本発明の第2のレンズに相当する。
次に、第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係るフォトインタラプタの光学系構成図である。このフォトインタラプタ101は、検出通路Aに2本のレーザ光を通過させて、対象物OBを検出するものである。従って、右ケーシング2aと左ケーシング2bとにはそれぞれ2つの光開口3a1,3a2と3b1,3b2とが互いに向かい合うように形成されている。右ケーシング2a内には、レーザ光源10,凸レンズ12,偏光ビームスプリッタ30,1/2波長板22,ミラー14,凸レンズ28が設けられる。左ケーシング2b内には、ミラー16,偏光ビームスプリッタ24,凸レンズ18,フォトディテクタ20,凸レンズ26が設けられる。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30に入射する。偏光ビームスプリッタ30の透過軸は、レーザ光源10から出射されるレーザ光の偏光面と同じ方向に設定されており、レーザ光は、偏光ビームスプリッタ30をそのまま透過して1/2波長板22に入射する。レーザ光は、1/2波長板22を通過して、その偏光面の方向を90°変化させる。1/2波長板22を通過したレーザ光は、ミラー14で反射し、光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー16に入射する。
ミラー16に入射したレーザ光は、反射して偏光ビームスプリッタ24に入射する。偏光ビームスプリッタ24の透過軸は、偏光ビームスプリッタ30の透過軸と同じ方向に設定されている。従って、1/2波長板22を1回通過したレーザ光は、その偏光面の向きが偏光ビームスプリッタ24の透過軸の向きと90°異なるため偏光ビームスプリッタ24で反射する。偏光ビームスプリッタ24で反射したレーザ光は、凸レンズ26を通過してビーム径を狭くしながら左ケーシングの光開口3b2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら右ケーシング2aの光開口3a2を通過して、凸レンズ28を通過する。従って、検出通路Aには、2本のレーザ光が上下(対象物OBの長さ方向)に所定の間隔をあけて平行に通過する。
凸レンズ28を通過したレーザ光は、ビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30に入射する。この場合、レーザ光は、1/2波長板22を通過したときに偏光面の向きが90°変化しているため、偏光ビームスプリッタ30で反射する。偏光ビームスプリッタ30で反射したレーザ光は、1/2波長板22に入射し、1/2波長板22を通過するときに、更に、その偏光面の向きを90°変化させる。1/2波長板22を通過したレーザ光は、ミラー14で反射して光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。
凸レンズ28は、凸レンズ12と同様に、ミラー14とミラー16とのあいだの検出通路Aの中央位置で収束するように焦点距離が調整されている。このため、検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3bを通過してミラー16に入射する。
ミラー16に入射したレーザ光は、反射して偏光ビームスプリッタ24に入射する。このレーザ光は、1/2波長板22を2回通過しているため、その偏光面が偏光ビームスプリッタ24の透過軸と同じ向きになっている。従って、偏光ビームスプリッタ24に入射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ24をそのまま透過し、さらに凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。フォトディテクタ20は、レーザ光を受光し、受光した光の強度に応じた受光信号を図示しない外部機器の判定回路に出力する。
このように構成されたフォトインタラプタ101は、検出通路A内に2本のレーザ光を所定間隔あけて通過させ、しかも、凸レンズ12,26,28により各レーザ光を検出通路Aにおける中央位置で収束させるようにしている。また、2本のレーザ光の収束位置は、対象物OBの向きと同じ鉛直方向に配置される。
従って、第2実施形態のフォトインタラプタ101は、第1実施形態と同様に、細い対象物OBを精度良く検出でき、しかも、対象物OBが傾いて検出通路A内を通過した場合であっても、少なくとも一方のレーザ光の収束位置で対象物OBがレーザ光を十分に遮るようになるため、更に、対象物OBの検出精度が向上する。また、上述したような光路を形成することで、フォトインタラプタ101の大きさをコンパクトに維持して、検出通路A内にレーザ光を2回収束させることができる。
尚、この第2実施形態は、本発明の請求項5に対応しており、凸レンズ12が本発明の第1のレンズに相当し、凸レンズ18が本発明の第2のレンズに相当し、1/2波長板22が本発明の偏光方向変化素子に相当し、ミラー14が本発明の第1のミラーに相当し、ミラー16が本発明の第2のミラーに相当し、偏光ビームスプリッタ24が本発明の第1の偏光ビームスプリッタに相当し、凸レンズ26が本発明の第3のレンズに相当し、凸レンズ28が本発明の第4のレンズに相当し、偏光ビームスプリッタ30が本発明の第2の偏光ビームスプリッタに相当する。
次に、第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態に係るフォトインタラプタの光学系構成図である。このフォトインタラプタ102は、検出通路Aに3本のレーザ光を通過させて、対象物OBを検出するものである。従って、右ケーシング2aと左ケーシング2bとにはそれぞれ2つの光開口3a1,3a2,3a3と3b1,3b2,3b3とが互いに向かい合うように縦一列に形成されている。右ケーシング2a内には、レーザ光源10,凸レンズ12,偏光ビームスプリッタ30,1/2波長板22,偏光ビームスプリッタ32,ミラー14,凸レンズ28が設けられる。左ケーシング2b内には、ミラー16,偏光ビームスプリッタ34,偏光ビームスプリッタ24,凸レンズ18,フォトディテクタ20,凸レンズ26が設けられる。つまり、第3実施形態のフォトインタラプタ102は、第2実施形態のフォトインタラプタ101に対して、偏光ビームスプリッタ32と偏光ビームスプリッタ34とを追加した構成となっている。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30に入射する。偏光ビームスプリッタ30の透過軸は、レーザ光源10から出射されるレーザ光の偏光面と同じ方向に設定されおり、レーザ光は、偏光ビームスプリッタ30をそのまま透過して1/2波長板22に入射する。レーザ光は、1/2波長板22を通過して、その偏光面の方向を90°変化させる。1/2波長板22を通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ32に入射する。偏光ビームスプリッタ32は、その透過軸が偏光ビームスプリッタ30の透過軸と同じ向きに設けられている。このため1/2波長板22を通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ32で反射する。偏光ビームスプリッタ32で反射したレーザ光は、光開口3a2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b2を通過して偏光ビームスプリッタ34に入射する。偏光ビームスプリッタ34は、その透過軸が偏光ビームスプリッタ30の透過軸と同じ向きに設けられている。従って、1/2波長板22を1回通過したレーザ光は、その偏光面の向きが偏光ビームスプリッタ34の透過軸の向きと90°異なるため偏光ビームスプリッタ34で反射する。
偏光ビームスプリッタ34で反射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ24に入射する。偏光ビームスプリッタ24は、その透過軸が偏光ビームスプリッタ34の透過軸と同じ向きに設定されている。従って、レーザ光は、偏光ビームスプリッタ24においても反射する。偏光ビームスプリッタ24で反射したレーザ光は、凸レンズ26を通過してビーム径を狭くしながら左ケーシングの光開口3b3を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら右ケーシング2aの光開口3a3を通過して、凸レンズ28を通過する。
凸レンズ28を通過したレーザ光は、ビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30に入射する。この場合、レーザ光は、1/2波長板22を通過したときに偏光面の向きが90°変化しているため、偏光ビームスプリッタ30で反射する。偏光ビームスプリッタ30で反射したレーザ光は、1/2波長板22に入射し、1/2波長板22を通過するときに、更に、その偏光面の向きを90°変化させる。1/2波長板22を通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ32に入射する。この場合、レーザ光の偏光面の方向が、偏光ビームスプリッタ32の透過軸の方向と同じになるため、レーザ光は偏光ビームスプリッタ32をそのまま透過する。
偏光ビームスプリッタ32を透過したレーザ光は、ミラー14で反射して光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー16に入射する。従って、検出通路Aには、所定間隔をあけて上下に3本のレーザ光が平行に通過する。
ミラー16に入射したレーザ光は、反射して偏光ビームスプリッタ34に入射する。この場合、レーザ光は、その偏光面が偏光ビームスプリッタ34の透過軸と同じ向きになっているため、偏光ビームスプリッタ34をそのまま透過し、偏光ビームスプリッタ24に入射する。偏光ビームスプリッタ24は、その透過軸が偏光ビームスプリッタ34と同じ向きになっているためレーザ光をそのまま透過する。偏光ビームスプリッタ24を透過したレーザ光は、さらに凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。フォトディテクタ20は、レーザ光を受光し、受光した光の強度に応じた受光信号を図示しない外部機器の判定回路に出力する。
このように構成されたフォトインタラプタ102は、検出通路A内に3本のレーザ光を所定間隔あけて通過させ、しかも、凸レンズ12,26,28により各レーザ光を検出通路Aにおける中央位置で収束させるようにしている。この場合、凸レンズ28により、ミラー14とミラー16との間の光路にてレーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させ、凸レンズ12により、偏光ビームスプリッタ32と偏光ビームスプリッタ34との間の光路にてレーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させ、凸レンズ26により、その光軸上にてレーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させる。これにより、3本のレーザ光の収束する部分は、検出通路Aの中央位置で同一鉛直線上に配置される。
従って、第3実施形態のフォトインタラプタ102は、対象物OBが傾いて検出通路A内を通過した場合であっても、少なくとも一つのレーザ光の収束位置で対象物OBがレーザ光を十分に遮るようになるため、更に、対象物OBの検出精度が向上する。また、上述したような光路を形成することで、フォトインタラプタ102の大きさをコンパクトに維持して、検出通路A内にレーザ光を3回収束させることができる。
尚、この第3実施形態は、本発明の請求項6に対応しており、凸レンズ12が本発明の第1のレンズに相当し、凸レンズ18が本発明の第2のレンズに相当し、1/2波長板22が本発明の偏光方向変化素子に相当し、偏光ビームスプリッタ32が本発明の第1の偏光ビームスプリッタに相当し、ミラー14が本発明の第1のミラーに相当し、ミラー16が本発明の第2のミラーに相当し、偏光ビームスプリッタ34が本発明の第2の偏光ビームスプリッタに相当し、偏光ビームスプリッタ24が本発明の第3の偏光ビームスプリッタに相当し、凸レンズ26が本発明の第3のレンズに相当し、凸レンズ28が本発明の第4のレンズに相当し、偏光ビームスプリッタ30が本発明の第4の偏光ビームスプリッタに相当する。
次に、検出通路Aに2本のレーザ光を通過させるフォトインタラプタの変形例について説明する。図5は第1変形例としてのフォトインタラプタ103の光学系構成図である。このフォトインタラプタ103は、右ケーシング2a内にレーザ光源10,凸レンズ12,偏光ビームスプリッタ30,1/2波長板22,ミラー16,凸レンズ28を備え、左ケーシング2b内に偏光ビームスプリッタ24,凸レンズ18,フォトディテクタ20,凸レンズ26,ミラー14を備えている。
フォトインタラプタ103においては、レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30、1/2波長板22を通過し、光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過して偏光ビームスプリッタ24に入射する。レーザ光は、偏光ビームスプリッタ24で反射し、凸レンズ26を通過する。凸レンズを通過したレーザ光は、ビーム径を狭くしながらミラー14で反射し、光開口3b2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら右ケーシング2aの光開口3a2を通過してミラー16に入射する。
ミラー16に入射したレーザ光は、反射して凸レンズ28を通過しビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ30に入射する。この場合、レーザ光は、先に1/2波長板22を通過したことから、その偏光面が偏光ビームスプリッタ30の透過軸の方向に対して90°異なっているため、偏光ビームスプリッタ30で反射する。偏光ビームスプリッタ30で反射したレーザ光は、1/2波長板22を通過し、光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過して偏光ビームスプリッタ24に入射する。この場合、レーザ光は、再度1/2波長板22を通過したことから、その偏光面が偏光ビームスプリッタ24の透過軸と同じ方向に向いているため、偏光ビームスプリッタ24をそのまま透過し、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。
このように構成されたフォトインタラプタ103は、第2実施形態のフォトインタラプタ101と同様に、検出通路A内に中央位置で収束する2本のレーザ光を通過させるため、対象物OBの検出精度が高い。
次に、検出通路に2本のレーザ光を通過させる第2変形例について説明する。図6は第2変形例としてのフォトインタラプタ104の光学系構成図である。このフォトインタラプタ104は、右ケーシング2a内にレーザ光源10,凸レンズ12,凸レンズ18,フォトディテクタ20を備え、左ケーシング2b内にミラー14,凸レンズ26,ミラー16を備えている。
フォトインタラプタ104においては、レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー14で反射する。ミラー14で反射したレーザ光は、凸レンズ26を通過してビーム径を狭くしながらミラー16に入射して反射する。ミラー16で反射したレーザ光は、左ケーシング2bの光開口3b2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら右ケーシング2aの光開口3a2を通過し、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。
このように構成されたフォトインタラプタ104は、第2実施形態のフォトインタラプタ101と同様に、検出通路A内に中央位置で収束する2本のレーザ光を通過させるため、対象物OBの検出精度が高い。
次に、検出通路に3本のレーザ光を通過させる変形例について説明する。図7は変形例としてのフォトインタラプタ105の光学系構成図である。このフォトインタラプタ105は、右ケーシング2a内にレーザ光源10,凸レンズ12,ミラー17,凸レンズ27,ミラー19を備え、左ケーシング2b内にミラー14,凸レンズ26,ミラー16,凸レンズ18,フォトディテクタ20を備えている。
フォトインタラプタ105においては、レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー14で反射する。ミラー14で反射したレーザ光は、凸レンズ26を通過してビーム径を狭くしながらミラー16に入射して反射する。ミラー16で反射したレーザ光は、左ケーシング2bの光開口3b2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら右ケーシング2aの光開口3a2を通過してミラー17で反射する。ミラー17で反射したレーザ光は、凸レンズ27を通過してビーム径を狭くしながらミラー19に入射して反射する。ミラー19で反射したレーザ光は、右ケーシング2aの光開口3a3を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られたレーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b3を通過し、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。
このように構成されたフォトインタラプタ105は、第3実施形態のフォトインタラプタ102と同様に、検出通路A内に中央位置で収束する3本のレーザ光を通過させるため、対象物OBの検出精度が高い。
上述した第2実施形態、第3実施形態、および、その変形例においては、検出通路Aを通過する複数のレーザ光の光路が1つの直列の光路で形成されているため、その複数のレーザ光のうちの1本でも対象物OBが遮れば、フォトディテクタ20への光路が遮断される。従って、例えば、対象物OBが通路幅方向に傾いた状態で検出通路Aを通過した場合でも、良好に対象物OBを検出することができる。
これに対して、以下に説明する第4,第5実施形態においては、検出通路Aを通過する複数のレーザ光の光路を並列の光路で形成し、対象物OBにより遮られたレーザ光の本数に応じた強度でフォトディテクタの受光信号が得られるように構成して、対象物OBの通過位置を判断できるようにした。
以下、第4実施形態のフォトインタラプタについて説明する。図8は、第4実施形態に係るフォトインタラプタの光学系構成図である。このフォトインタラプタ106は、右ケーシング2aと左ケーシング2bとに、それぞれ2つの光開口3a1,3a2と3b1,3b2とが互いに向かい合うように形成されている。右ケーシング2a内には、レーザ光源10,凸レンズ12,ビームスプリッタ40,1/2波長板42,ミラー14,凸レンズ46が設けられる。左ケーシング2b内には、ミラー16,偏光ビームスプリッタ44,凸レンズ18,フォトディテクタ20,凸レンズ48が設けられる。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながらビームスプリッタ40に入射する。ビームスプリッタ40に入射したレーザ光は、その強度が略半分ずつになるように2分割され、半分が透過し残り半分が反射する。以下、ビームスプリッタ40を透過したレーザ光を第1レーザ光と呼び、反射したレーザ光を第2レーザ光と呼ぶ。第1レーザ光と第2レーザ光とは並列となる光路を構成する。
ビームスプリッタ40を透過した第1レーザ光は、1/2波長板42を通過して、その偏光面の方向を90°変化させる。1/2波長板42を通過した第1レーザ光は、ミラー14にて反射し、光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られた第1レーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー16に入射する。
ミラー16に入射した第1レーザ光は、反射して偏光ビームスプリッタ44に入射する。偏光ビームスプリッタ44の透過軸は、入射した第1レーザ光の偏光面と同じ方向に向けて設けられている。従って、第1レーザ光は、偏光ビームスプリッタ44をそのまま透過し、さらに凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。
一方、ビームスプリッタ40で反射した第2レーザ光は、凸レンズ46を通過した後、光開口3a2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られた第2レーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b2を通過し、凸レンズ48を通過して偏光ビームスプリッタ44に入射する。この場合、第2レーザ光は、その偏光面の向きが偏光ビームスプリッタ44の透過軸の向きと90°異なるため、偏光ビームスプリッタ44で反射する。これにより、第2レーザ光は、第1レーザ光と合わさって、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。フォトディテクタ20は、受光したレーザ光の強度に応じた受光信号を図示しない判定回路に出力する。
この場合、凸レンズ12により、ミラー14とミラー16との間の光路にて第1レーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させ、凸レンズ46により、その光軸上にて第2レーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させる。この結果、2本のレーザ光の収束する部分は、検出通路Aの中央位置で同一鉛直線上に配置される。また、凸レンズ48により第2レーザ光の拡散度合い調整するため、第1レーザ光と第2レーザ光とをフォトディテクタ20にバランス良く受光させることができる。
このように構成されたフォトインタラプタ106は、細い対象物OBの通過を検出できるだけでなく、対象物OBの長さを判定することができる。例えば、対象物OBの長さが2通りある場合、長尺対象物OBLが検出通路Aを通過したときには、第1レーザ光と第2レーザ光との両方のレーザ光が遮られるように通過位置を設定し、短尺対象物OBSが検出通路Aを通過したときには、第1レーザ光のみが遮られるように通過位置を設定しておく。この場合には、図9に示すように、フォトディテクタ20により出力される受光信号の強度(例えば、電圧値)Vは、検出通路Aに対象物OBが通過しないときには高レベルを維持し(a)、検出通路Aを短尺対象物OBSが通過したときには中レベルにまで低下し(b)、検出通路Aを長尺対象物OBLが通過したときには低レベル(ゼロレベル)にまで低下する(c)。従って、対象物OBの長さを判定するための閾値(判定電圧)を、高レベルと中レベルとの間となる第1判定レベルVref1と、中レベルと低レベルとの間となる第2判定レベルVref2とを設定したコンパレータ(図示略)を用いて、フォトディテクタ20の出力信号レベルと2つの判定レベルVref1,Vref2とを比較することにより、対象物OBの通過の有無と長さを判定することができる。つまり、フォトディテクタ20の出力信号Vが第2判定レベルVref2を下回った場合に、検出通路Aに長尺対象物OBLが通過したと判定する。また、フォトディテクタ20の出力信号Vが第1判定レベルVref1を下回り、かつ、第2判定レベルVref2以上となっている場合に検出通路Aに短尺対象物OBSが通過したと判定する。
また、対象物OBが複数の棒状体を連結したものである場合には、その連結本数を判定することもできる。例えば、図10に示すように、同じ形状をしたキャピラリーOBCが2本連結されて移送される工程においては、このフォトインタラプタ106を用いることにより、キャピラリーOBCの連結状態を容易に判定することができる。キャピラリーOBCは、例えば、細いガラス管であって、その中に液体が入っている。そして、種類の異なる液体の入ったキャピラリーOBCを連結して遠心分離器にかけることにより2液を混合できる。
こうした現場においては、キャピラリーOBCの連結状態を適正に検出する必要がある。そこで、本実施形態のフォトインタラプタ106を用いることにより、上述したようにフォトディテクタ20の出力信号からキャピラリーOBCの有無、及び、連結状態(本数)を検出することができ、自動化に対して非常に有効なものとなる。
また、光源としてレーザ光源10を用いているため、LEDと違って透明な対象物OBに対しても光の強度が大きく変化するため、キャピラリーOBCのようなガラス管を検出する場合にも好適である。
尚、この第4実施形態は、本発明の請求項9に対応しており、凸レンズ12が本発明の第1のレンズに相当し、凸レンズ18が本発明の第2のレンズに相当し、凸レンズ46が本発明の第3のレンズに相当し、凸レンズ48が本発明の第4のレンズに相当する。
次に、第5実施形態のフォトインタラプタについて説明する。図11は、第5実施形態に係るフォトインタラプタの光学系構成図である。このフォトインタラプタ107は、右ケーシング2aと左ケーシング2bとに、それぞれ3つの光開口3a1,3a2,3a3と3b1,3b2,3b3とが互いに向かい合うように形成されている。右ケーシング2a内には、レーザ光源10,凸レンズ12,偏光ビームスプリッタ50,ビームスプリッタ52,1/2波長板54,ミラー14,凸レンズ60,凸レンズ62が設けられる。左ケーシング2b内には、ミラー16,偏光ビームスプリッタ56,ビームスプリッタ58,凸レンズ18,フォトディテクタ20,凸レンズ64,凸レンズ68が設けられる。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、凸レンズ12を通過してビーム径を狭くしながら偏光ビームスプリッタ50に入射する。この偏光ビームスプリッタ50は、入射したレーザ光を、その強度の1/3を反射し2/3を透過するように1:2に分割する。このような比でレーザ光を分割するには、レーザ光の偏光面の方向と偏光ビームスプリッタ50の透過軸の方向とのなす角度が26.6°になるように調整すればよい。
偏光ビームスプリッタ50を透過したレーザ光は、ビームスプリッタ52に入射する。ビームスプリッタ52に入射したレーザ光は、その強度が略半分ずつになるように2分割され、半分が透過し残り半分が反射する。以下、ビームスプリッタ52を透過したレーザ光を第1レーザ光と呼び、ビームスプリッタ52で反射したレーザ光を第2レーザ光と呼び、偏光ビームスプリッタ50で反射したレーザ光を第3レーザ光と呼ぶ。第1レーザ光と第2レーザ光と第3レーザ光とは並列となる光路を形成する。
ビームスプリッタ52を透過した第1レーザ光は、1/2波長板54を通過して、その偏光面の方向を90°変化させる。1/2波長板42を通過した第1レーザ光は、ミラー14で反射し、光開口3a1を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られた第1レーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b1を通過してミラー16に入射する。
ミラー16に入射した第1レーザ光は、反射して偏光ビームスプリッタ56に入射する。偏光ビームスプリッタ56の透過軸の方向は、偏光ビームスプリッタ50の透過軸の方向と90°異なるように設けられている。従って、1/2波長板54を通過した第1レーザ光は、その偏光面が偏光ビームスプリッタ56の透過軸と同じ方向に向くため、偏光ビームスプリッタ56をそのまま透過する。偏光ビームスプリッタ56を透過した第1レーザ光は、ビームスプリッタ58に入射する。ビームスプリッタ58は、入射した第1レーザ光を、その強度が略半分ずつになるように2分割して、半分を透過し残り半分を反射する。従って、第1レーザ光は、その強度が半分となって凸レンズ18に入射する。残り半分は、反射して損失となる。
次に、第2レーザ光の光路について説明する。ビームスプリッタ52で反射した第2レーザ光は、凸レンズ62を通過した後、光開口3a2を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られた第2レーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b2を通過し、凸レンズ64を通過して偏光ビームスプリッタ56に入射する。偏光ビームスプリッタ56の透過軸の方向は、偏光ビームスプリッタ50の透過軸の方向と90°異なるように設けられているため、第2レーザ光は、偏光ビームスプリッタ56で反射する。偏光ビームスプリッタ56で反射した第2レーザ光は、第1レーザ光と同様に、ビームスプリッタ58に入射し、その強度が略半分ずつになるように2分割され、半分が透過して凸レンズ18に入射する。残り半分は、反射して損失となる
次に、第3レーザ光の光路について説明する。偏光ビームスプリッタ50で反射した第3レーザ光は、凸レンズ60を通過した後、光開口3a3を通過して検出通路Aに送られる。検出通路Aに送られた第3レーザ光は、検出通路Aの中央位置で収束し、その後はビーム径を拡げながら左ケーシング2bの光開口3b3を通過し、凸レンズ68を通過してビームスプリッタ58に入射する。ビームスプリッタ58に入射した第3レーザ光は、その強度が略半分ずつになるように2分割され、半分が反射して凸レンズ18に入射する。残り半分は、透過して損失となる。
このようにして、第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光は、ビームスプリッタ58を透過あるいは反射して合成され、凸レンズ18を通過してフォトディテクタ20の受光面に集光する。フォトディテクタ20は、受光したレーザ光の強度に応じた受光信号を図示しない判定回路に出力する。
この場合、凸レンズ12により、ミラー14とミラー16との間の光路にて第1レーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させ、凸レンズ62により、その光軸上にて第2レーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させ、凸レンズ60により、その光軸上にて第3レーザ光を検出通路Aの中央位置に収束させる。この結果、3本のレーザ光の収束する部分は、検出通路Aの中央位置で同一鉛直線上に配置される。また、凸レンズ64,凸レンズ68により第2レーザ光、第3レーザ光の拡散度合いを調整するため、第1レーザ光と第2レーザ光と第3レーザ光とをフォトディテクタ20にバランス良く受光させることができる。
第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光は、並列に光路を形成し、しかも、その強度がほぼ等しい。従って、検出通路Aを通過する対象物OBの長さを3通りに精度良く判定することができる。例えば、検出通路Aを短尺の対象物OBSが通過したときには、第1レーザ光のみが対象物OBSによって遮られ、検出通路Aを中尺の対象物OBMが通過したときには、第1レーザ光と第2レーザ光とが対象物OBMによって遮られ、検出通路Aを長尺の対象物OBLが通過したときには、第1〜第3レーザ光が対象物OBLによって遮られるように通過位置を設定しておく。そして、フォトディテクタ20により検出される光の強度が、通常時(対象物OBの非通過時)の2/3倍に低下した場合には短尺の対象物OBSが通過したと判定でき、通常時(対象物OBの非通過時)の1/3倍に低下した場合には中尺の対象物OBMが通過したと判定でき、ゼロレベルにまで低下した場合には長尺の対象物OBLが通過したと判定できる。従って、この3種類の光強度を判定する判定レベルを設定したコンパレータを用いることで、対象物OBの通過だけでなく、その長さ判定をも行うことができる。
尚、この第5実施形態も、本発明の請求項9に対応しており、凸レンズ12が本発明の第1のレンズに相当し、凸レンズ18が本発明の第2のレンズに相当し、凸レンズ60,凸レンズ62が本発明の第3のレンズに相当し、凸レンズ64,凸レンズ68が本発明の第4のレンズに相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。例えば、第4,第5実施形態においては、レーザ光を2つあるいは3つに分割しているが、4つ以上に分割して、更に細かく長さ判定を行うようにしてもよい。また、分割したレーザ光の強度を必ずしも同一にする必要もない。また、第5実施形態においては、第4実施形態と同様に、対象物OBの連結状態を判断するものに適用しても良い。
また、本実施形態においては、ミラーを使ってレーザ光を反射させているが、ビームスプリッタを使ってレーザ光を反射させるようにしてもよい。
また、本実施形態のフォトインタラプタは、上方に開放されたコの字形状であるが、その開放位置は、右方、左方、下方等、自由に設定できるものである。また、対象物OBの通路を四方から囲むようにしてもよい。
また、第2〜5実施形態においては、レーザ光の収束箇所が対象物OBの長さ方向に直線上に並ぶように設定されているが、必ずしも直線上に並ぶ必要はなく、検出通路内の通路幅中央位置であれば、ある程度通路幅方向にずらして配置されるものであってもよい。