JP2010078921A - マスク及び露光方法並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良を抑制できるマスク及び露光方法並びにデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を、線形変形に補正するペリクルフレーム120が設けられているマスクMを用いる。
【選択図】図4
【解決手段】マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を、線形変形に補正するペリクルフレーム120が設けられているマスクMを用いる。
【選択図】図4
Description
本発明は、マスク及び露光方法並びにデバイス製造方法に関するものである。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置は、例えば下記特許文献1に開示されているような構成を有し、所定のパターンが形成されたマスクの中央部を露光光で照明し、そのマスクを介した露光光で基板を露光する。
露光光の照射回数を重ねるにつれて、露光光の照射を受けるマスクの温度が上昇し、熱膨張によってマスクが変形して歪みが発生する。マスクの形状に歪みが生じると、当該マスクを介して基板上に投影されるパターンが歪んでしまう。従来、マスクが熱膨張によって変形する場合、変形の成分に線形成分を多く含むため、例えば当該マスクを介して投影されるパターンに対し投影光学系の倍率を変化させるなど線形の補正を行うことで、当該パターンの歪みを容易に低減させることがなされている。
米国特許出願公開第2005/0248744号明細書
ところで、近年のスループットの向上の要請等により単位時間当たりの照射回数を増やすことがなされている。しかしながら、単位時間当たりの照射回数が増えると、マスクの温度の上昇が顕著化し、露光光が照射される領域と露光光が照射されない領域とで温度差(温度分布)が生じる。マスク本体に温度分布が生じると、露光光が照射される高温の領域の熱膨張の変形量と、露光光が照射されない低温の領域の熱膨張の変形量とが不整合となり、両領域間で力(具体的には露光光が照射される領域の熱膨張変形を拘束しようとする力)が作用し、その結果、マスクの変形の成分が非線形成分を多く含んだ状態となる。
非線形成分を多く含んで変形したマスクを介して投影されるパターンに対して、例えば投影光学系の倍率を変化させるなどの線形の補正を行っても、当該パターンの歪みを低減させることは困難である。パターンが歪んだ状態で基板上に投影されてしまうと、露光不良が発生する可能性がある。
非線形成分を多く含んで変形したマスクを介して投影されるパターンに対して、例えば投影光学系の倍率を変化させるなどの線形の補正を行っても、当該パターンの歪みを低減させることは困難である。パターンが歪んだ状態で基板上に投影されてしまうと、露光不良が発生する可能性がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、露光不良を抑制できるマスク及び露光方法並びにデバイス製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図13に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク(M)は、マスク本体(100)の温度分布で生じる非線形変形を、線形変形に補正する線形変形装置(120)が設けられているものである。
従って、本発明のマスクでは、線形変形装置によって、温度分布で生じるマスク本体の非線形変形が線形変形に補正される。すなわち、マスクを介して投影されるパターンを投影光学系などにより補正可能な状態にすることができる。そのため、パターンの歪みを低減させることが可能となる。
本発明のマスク(M)は、マスク本体(100)の温度分布で生じる非線形変形を、線形変形に補正する線形変形装置(120)が設けられているものである。
従って、本発明のマスクでは、線形変形装置によって、温度分布で生じるマスク本体の非線形変形が線形変形に補正される。すなわち、マスクを介して投影されるパターンを投影光学系などにより補正可能な状態にすることができる。そのため、パターンの歪みを低減させることが可能となる。
また、本発明の露光方法は、先に記載のマスクを用いるものである。
従って、本発明の露光方法では、マスクを介して投影されるパターンを補正可能な状態にすることができ、パターンの歪みを低減させることができる。
従って、本発明の露光方法では、マスクを介して投影されるパターンを補正可能な状態にすることができ、パターンの歪みを低減させることができる。
また、本発明のデバイス製造方法は、先に記載の露光方法を用いるものである。
従って、本発明のデバイス製造方法では、マスクを介して投影されるパターンを補正可能な状態にすることができ、パターンの歪みを低減させることができるため、高品質のデバイスを製造することが可能となる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
従って、本発明のデバイス製造方法では、マスクを介して投影されるパターンを補正可能な状態にすることができ、パターンの歪みを低減させることができるため、高品質のデバイスを製造することが可能となる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、露光不良を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態における露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板(被露光体)Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージ2に保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、コンピュータシステムを備えて露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを有する。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む(詳しくは後述)。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。また、露光装置EXは、基板Pが処理される内部空間Lを形成するチャンバ装置5を備え、内部空間Lの環境(温度、湿度及びクリーン度を含む)を調整可能な構成となっている。
図1は、本発明の実施形態における露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板(被露光体)Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージ2に保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、コンピュータシステムを備えて露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを有する。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む(詳しくは後述)。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。また、露光装置EXは、基板Pが処理される内部空間Lを形成するチャンバ装置5を備え、内部空間Lの環境(温度、湿度及びクリーン度を含む)を調整可能な構成となっている。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動させ、マスクMを介した露光光ELで基板Pを露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板P及びマスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とする。露光装置EXは、投影光学系PLの投影領域に対して基板PをY軸方向に移動させるとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域に対してマスクMをY軸方向に移動させつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを、投影光学系PLを介して基板Pに照射する構成となっている。
露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の床面FL上に設けられた第1コラム6と、第1コラム6上に設けられた第2コラム7を含むボディ8とを有する。第1コラム6は、複数の第1支柱9と、それら第1支柱9に防振装置10を介して支持された第1プレート11とを有する。第2コラム7は、第1プレート11上に設けられた複数の第2支柱12と、それら第2支柱12に支持された第2プレート13とを有する。第2プレート13は、露光光ELが通過する第2開口17を有する。
照明系ILは、例えば、光源、照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ等を含んで構成されている。この照明系ILは、マスクMの表面上でX軸方向に細長く伸びるスリット状の照明領域を露光光ELにより略均一な照度で照明する構成となっている。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光が用いられる。照明系ILから射出される露光光ELの光軸AX上には、マスクステージ1に形成される第1開口16、第2開口17及び投影光学系PLが配置される。
マスクステージ1は、照明系ILの下方に配置されると共に、ガスベアリングにより第2プレート13の上面(ガイド面)13Gに非接触で支持される。マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置15の作動により、第2プレート13の上面13Gに沿って、X軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に移動可能な構成となっている。
マスクステージ1は、露光光ELが照射されるマスクMを保持するマスク保持部14を有する。マスク保持部14は、マスクMのパターン形成面MaとXY平面とがほぼ平行となるようにマスクMを保持する構成となっている。図2は、本発明の実施形態におけるマスクステージ1のマスク保持部14を示す要部拡大斜視図である。マスク保持部14は、マスクMをパターン形成面Ma側から吸着保持する吸着パッド41と、吸着パッド41の吸引圧力を調節する圧力調節装置42とを有する。吸着パッド41は、第1開口16をX軸方向において挟む両側に設けられ、Y軸方向に延在する。この吸着パッド41は、マスクMのX軸方向両端部を支持する構成となっている。圧力調節装置42は、吸着パッド41と流路43を介して接続される。圧力調節装置42は、流路43を介して吸着パッド41から気体を吸引し、吸着パッド41とマスクMとの間を負圧状態にして両者を吸着させる。また、圧力調節装置42は、流路43を介した吸着パッド41の吸引動作を停止させ、吸着パッド41とマスクMとの吸着を解除する構成となっている。
図1に戻り、第2プレート13上には、マスクステージ1のY軸方向の一方の方向(例えば+Y方向)への移動に応じてそのマスクステージ1とは反対の方向(例えば−Y方向)へ移動するカウンタマス18が設けられる。カウンタマス18は、エアパッドを含む自重キャンセル機構により、第2プレート13の上面13Gに非接触で支持される。本実施形態において、カウンタマス18は、マスクステージ1の周囲に設けられる。
マスクステージ1(マスクM)の位置情報は、干渉計システム19のレーザ干渉計19A及びフォーカス・レベリング検出系70によって計測される。
レーザ干渉計19Aは、マスクステージ1の反射面1Rに計測光LBを照射してその反射光を受光することにより、X軸、Y軸及びθZ方向に関するマスクステージ1の位置情報を計測する。フォーカス・レベリング検出系70は、マスク保持部14に保持されたマスクMのうち照明系ILの照明領域に検出光Lbを投射する投射系70aと、マスクMで反射した検出光Lbを受光する受光系70bとを有し、Z軸、θX及びθY方向に関するマスクMの表面位置情報を検出する。制御装置3は、干渉計システム19(レーザ干渉計19A)の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいてマスクステージ駆動装置15を作動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を行う。
レーザ干渉計19Aは、マスクステージ1の反射面1Rに計測光LBを照射してその反射光を受光することにより、X軸、Y軸及びθZ方向に関するマスクステージ1の位置情報を計測する。フォーカス・レベリング検出系70は、マスク保持部14に保持されたマスクMのうち照明系ILの照明領域に検出光Lbを投射する投射系70aと、マスクMで反射した検出光Lbを受光する受光系70bとを有し、Z軸、θX及びθY方向に関するマスクMの表面位置情報を検出する。制御装置3は、干渉計システム19(レーザ干渉計19A)の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいてマスクステージ駆動装置15を作動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、複数の屈折光学素子(レンズ素子)を含んで構成され、物体面(マスクM)側と像面(基板P)側との両方がテレセントリックで所定の縮小倍率β(βは例えば1/4、1/5、又は1/8等)を有する屈折光学系を備える。この投影光学系PLの光軸AXの方向はZ軸方向に設定されている。屈折光学系は、鏡筒20に保持される。鏡筒20は、フランジ21を有し、このフランジ21が第1プレート11に支持される。この投影光学系PLを介したマスクMのパターンは、縮小倍率βで縮小されて基板Pの上面(露光面)Paに投影される。
基板ステージ2は、投影光学系PLの下方に配置されると共に、ガスベアリングにより、第3プレート23の上面(ガイド面)23Gに非接触で支持される。基板ステージ2は、基板Pを保持する基板保持部22を有する。基板保持部22は、基板Pを着脱可能であり、基板Pの上面PaとXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する構成となっている。第3プレート23は、第3プレート23の上面23GとXY平面とがほぼ平行となるように、床面FLに防振装置24を介して支持される。この基板ステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置25の作動により、第3プレート23の上面23Gに沿って、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能な構成となっている。
基板ステージ2(基板P)の位置情報は、干渉計システム19のレーザ干渉計19B及び不図示のフォーカス・レベリング検出系によって計測される。
レーザ干渉計19Bは、基板ステージ2の反射面2Rに計測光LBを照射してその反射光を受光することにより、X軸、Y軸及びθZ方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測する。フォーカス・レベリング検出系は、基板保持部22に保持された基板Pのうち投影光学系PLの投影領域に検出光を投射する投射系と、基板Pで反射した検出光を受光する受光系とを有し、Z軸、θX及びθY方向に関する基板Pの表面位置情報を検出する。制御装置3は、干渉計システム19(レーザ干渉計19B)の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置25を作動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を行う。
レーザ干渉計19Bは、基板ステージ2の反射面2Rに計測光LBを照射してその反射光を受光することにより、X軸、Y軸及びθZ方向に関する基板ステージ2の位置情報を計測する。フォーカス・レベリング検出系は、基板保持部22に保持された基板Pのうち投影光学系PLの投影領域に検出光を投射する投射系と、基板Pで反射した検出光を受光する受光系とを有し、Z軸、θX及びθY方向に関する基板Pの表面位置情報を検出する。制御装置3は、干渉計システム19(レーザ干渉計19B)の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置25を作動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を行う。
第3プレート23の上面23Gには計測ステージ4が設けられる。計測ステージ4は、XY平面上において基板ステージ2とは異なる位置に配置される。計測ステージ4は、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、基板ステージ2と同様、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能な構成となっている。
続いて、上記構成の露光装置EXに用いられるマスクMの構成について図3及び図4を参照して説明する。
先ず、上記構成の露光装置EXによる露光動作に起因して変形するマスクMのマスク本体100の熱膨張の様子について図3を参照して説明する。図3(a)に示すように、マスク本体100は、例えば露光光ELを透過させる板状の石英ガラスからなり、所定のパターンDPが形成されたパターン領域100Aと、パターン領域100Aに隣接する非パターン領域100Bとを有する。パターン領域100Aは、マスク本体100の略中央部に設けられ、Y軸方向に延在する略長方形状を有する。非パターン領域100Bは、パターン領域100Aを除いた領域であって、パターン領域100Aの周囲を囲う形状を有する。
先ず、上記構成の露光装置EXによる露光動作に起因して変形するマスクMのマスク本体100の熱膨張の様子について図3を参照して説明する。図3(a)に示すように、マスク本体100は、例えば露光光ELを透過させる板状の石英ガラスからなり、所定のパターンDPが形成されたパターン領域100Aと、パターン領域100Aに隣接する非パターン領域100Bとを有する。パターン領域100Aは、マスク本体100の略中央部に設けられ、Y軸方向に延在する略長方形状を有する。非パターン領域100Bは、パターン領域100Aを除いた領域であって、パターン領域100Aの周囲を囲う形状を有する。
パターン領域100Aでは、照明系ILの露光光ELの照射及びマスクステージ1のY軸方向の走査移動によりその全領域が照明されて温度が上昇する。一方、非パターン領域100Bは、照明系ILの露光光ELが照射されないため、パターン領域100Aと比べて温度の上昇が低くなる。
露光回数を重ねるにつれて、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの温度差が顕著化し、マスク本体100は、図3(b)に示すような温度分布を有することとなる。図3(b)によれば、マスク本体100の中でパターン領域100Aが最も高温となり、非パターン領域100Bが低温となる。また、非パターン領域100Bにおいては、パターン領域100A側から外縁側に向かうにつれて漸次温度が低くなる。
露光回数を重ねるにつれて、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの温度差が顕著化し、マスク本体100は、図3(b)に示すような温度分布を有することとなる。図3(b)によれば、マスク本体100の中でパターン領域100Aが最も高温となり、非パターン領域100Bが低温となる。また、非パターン領域100Bにおいては、パターン領域100A側から外縁側に向かうにつれて漸次温度が低くなる。
マスク本体100に温度分布が生じると、露光光ELが照射される高温のパターン領域100Aの熱膨張の変形量と、露光光ELが照射されない低温の非パターン領域100Bの熱膨張の変形量とが不整合となり、その結果、図3(c)に示すようなマスク本体100の変形の成分が非線形成分を多く含んだ状態となる。
より詳しくは、パターン領域100Aは、Y軸方向に延在する略長方形状を有し、X軸方向の変形に比べてY軸方向の変形が顕著となる。従って、非パターン領域100Bに対してY軸方向に押し伸ばすような力(熱応力)が作用する。一方、非パターン領域100Bは、パターン領域100Aの周囲を囲う形状を有し、また、パターン領域100Aと比べて低温であることから変形量が小さい。従って、パターン領域100Aに対してその変形を拘束するような力(応力)が作用する。なお、この拘束する力には、マスク本体100のX軸方向両端部(非パターン領域100B)が吸着パッド41によって吸着される拘束力も含まれる。
従って、マスク本体100は、X軸方向両端部から中央部に向かうにつれて漸次Y軸方向に膨出する略樽形状に変形してしまい、Y軸方向の変形に非線形成分を多く含むこととなる。
より詳しくは、パターン領域100Aは、Y軸方向に延在する略長方形状を有し、X軸方向の変形に比べてY軸方向の変形が顕著となる。従って、非パターン領域100Bに対してY軸方向に押し伸ばすような力(熱応力)が作用する。一方、非パターン領域100Bは、パターン領域100Aの周囲を囲う形状を有し、また、パターン領域100Aと比べて低温であることから変形量が小さい。従って、パターン領域100Aに対してその変形を拘束するような力(応力)が作用する。なお、この拘束する力には、マスク本体100のX軸方向両端部(非パターン領域100B)が吸着パッド41によって吸着される拘束力も含まれる。
従って、マスク本体100は、X軸方向両端部から中央部に向かうにつれて漸次Y軸方向に膨出する略樽形状に変形してしまい、Y軸方向の変形に非線形成分を多く含むこととなる。
図3(c)に示すように、線形成分を多く含むマスク本体100のX軸方向の変形は、例えば投影光学系PLの縮小倍率βを微調整することで光学的に補正できる。しかしながら、非線形成分を多く含むマスク本体100のY軸方向の変形は、投影光学系PLの縮小倍率βやマスクステージ1の走査速度を調整しても補正することが難しい。従って、本実施形態に係るマスクMは、以下の構成を備える。
図4は、本発明の実施形態に係るマスクMの構成を示す図である。なお、図4(a)は、マスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図4(b)は、線視A−A断面図である。
マスクMは、マスク本体100と、パターン領域100Aを覆うペリクル110(図4(a)において不図示)と、マスク本体100と当接(接着)すると共にペリクル110を支持するペリクルフレーム(線形変形装置)120とを有する。
マスクMは、マスク本体100と、パターン領域100Aを覆うペリクル110(図4(a)において不図示)と、マスク本体100と当接(接着)すると共にペリクル110を支持するペリクルフレーム(線形変形装置)120とを有する。
ペリクル110及びペリクルフレーム120は、パターンDPが形成されたパターン形成面Ma側に設けられ、パターン領域100Aを囲むように配置される。
ペリクル110は、例えば露光光ELを透過させる板状の石英ガラスからなる。
ペリクルフレーム120は、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正する機能を有する。ペリクルフレーム120は、マスク本体100とペリクル110との間に設けられ、パターン領域100Aを囲う枠形状を有する。また、ペリクルフレーム120は、該枠形状のY軸方向に延びる2辺が第1熱膨張部材(熱膨張部材)121から構成され、該枠形状のX軸方向に延びる2辺が第2熱膨張部材122から構成される。
ペリクル110は、例えば露光光ELを透過させる板状の石英ガラスからなる。
ペリクルフレーム120は、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正する機能を有する。ペリクルフレーム120は、マスク本体100とペリクル110との間に設けられ、パターン領域100Aを囲う枠形状を有する。また、ペリクルフレーム120は、該枠形状のY軸方向に延びる2辺が第1熱膨張部材(熱膨張部材)121から構成され、該枠形状のX軸方向に延びる2辺が第2熱膨張部材122から構成される。
第1熱膨張部材121は、マスク本体100の熱膨張率より高い熱膨張率を備える。本実施形態では、マスク本体100は石英ガラスからなるため、第1熱膨張部材110の材質は、例えば石英ガラスの熱膨張率より高い熱膨張率を備えるアルミニウム材、鉄材、銅材、ニッケル材や、それら元素を含む合金材等の種々の金属材から選択される。本実施形態では、第1熱膨張部材121は、アルミニウム材からなる。
第1熱膨張部材121は、パターン領域100Aの延在するY軸方向と直交するX軸方向両側に設けられる。また、第1熱膨張部材121は、Y軸方向に延在する略直方体形状を有し、マスク本体100に対向する面が、略全面に亘ってマスク本体100と当接する。また、第1熱膨張部材121の長さ、幅、厚さは、図3(c)に示すようなマスク本体100の非線形変形の度合いによってその大きさを適切なものとする。例えば、第1熱膨張部材121の幅は、通常のペリクルフレームの幅よりも大きく形成される。この第1熱膨張部材121は、パターン領域100Aに対する露光光ELの照射への影響を考慮に入れつつ、パターン領域100Aにできるだけ近接するように配置される。
第1熱膨張部材121は、パターン領域100Aの延在するY軸方向と直交するX軸方向両側に設けられる。また、第1熱膨張部材121は、Y軸方向に延在する略直方体形状を有し、マスク本体100に対向する面が、略全面に亘ってマスク本体100と当接する。また、第1熱膨張部材121の長さ、幅、厚さは、図3(c)に示すようなマスク本体100の非線形変形の度合いによってその大きさを適切なものとする。例えば、第1熱膨張部材121の幅は、通常のペリクルフレームの幅よりも大きく形成される。この第1熱膨張部材121は、パターン領域100Aに対する露光光ELの照射への影響を考慮に入れつつ、パターン領域100Aにできるだけ近接するように配置される。
第2熱膨張部材122は、第1熱膨張部材121より低い熱膨張率を備える。本実施形態では、第1熱膨張部材121は、アルミニウム材からなるため、第2熱膨張部材110は、アルミニウム材の熱膨張率より低い熱膨張率を備える石英ガラスからなる。すなわち、本実施形態では、第2熱膨張部材122の熱膨張率は、マスク本体100の熱膨張率と略同一となる。
第2熱膨張部材122は、パターン領域100Aの延在するY軸方向両側に設けられる。また、第2熱膨張部材122は、X軸方向に延在する略直方体形状を有し、マスク本体100に対向する面が、略全面に亘ってマスク本体100と当接する。第2熱膨張部材122の幅は、第1熱膨張部材121の幅よりも小さく形成される。
第2熱膨張部材122は、パターン領域100Aの延在するY軸方向両側に設けられる。また、第2熱膨張部材122は、X軸方向に延在する略直方体形状を有し、マスク本体100に対向する面が、略全面に亘ってマスク本体100と当接する。第2熱膨張部材122の幅は、第1熱膨張部材121の幅よりも小さく形成される。
続いて、上記構成のマスクMを用いて基板Pに所定のパターンを形成する露光装置EXの動作(露光方法)について説明する。
先ず、制御装置3は、チャンバ装置5に内部空間Lの環境(温度、湿度及びクリーン度を含む)を調整させる。そして、制御装置3は、マスクMをマスクステージ1に保持させると共に、基板Pを基板ステージ2に保持させる。マスクMは、ペリクルフレーム120より外側のX軸方向両端部(非パターン領域100B)が吸着パッド41により吸着される。
先ず、制御装置3は、チャンバ装置5に内部空間Lの環境(温度、湿度及びクリーン度を含む)を調整させる。そして、制御装置3は、マスクMをマスクステージ1に保持させると共に、基板Pを基板ステージ2に保持させる。マスクMは、ペリクルフレーム120より外側のX軸方向両端部(非パターン領域100B)が吸着パッド41により吸着される。
制御装置3は、各計測装置によるマスクMの位置情報と基板Pの位置情報とに基づいて、マスクMと基板Pとの位置合せをし、両者を第1ショットの露光のための走査開始位置に移動させる。そして、制御装置3は、マスクステージ1と基板ステージ2とのY軸方向の走査を開始させ、両ステージがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明系ILにマスクMを照明させて走査露光を開始させる。
制御装置3は、この走査露光時に、マスクステージ1のY軸方向の移動速度と、基板ステージ2のY軸方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比に維持されるようにマスクステージ1及び基板ステージ2を同期制御する。マスクMのパターン領域100Aの異なる領域が露光光ELで逐次照明され、パターン領域100A全面に対する照明が完了することにより、基板P上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、マスクMのパターンが、投影光学系PLを介して基板P上の第1ショット領域に縮小転写される。
このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、制御装置3は、基板ステージ2がX、Y軸方向にステップ移動させ、第2ショットの露光のため走査開始位置に移動させる。このステップ移動の際に、基板ステージ2の位置(基板Pの位置)を検出するレーザ干渉計19Bの計測値に基づいて、基板ステージ2のX、Y、θZ方向の位置を制御する。その後、制御装置3は、上記第1ショット領域と同様に、第2ショット領域に対して走査露光を行わせる。当該制御により、基板P上のショット領域の走査露光と次ショット露光のためのステップ移動とが繰り返し行われ、基板P上の露光対象ショット領域の全てにマスクMのパターンが順次転写される。
露光光ELの露光回数を重ねるにつれて、マスク本体100に図3(b)に示すような温度分布が生じる。この温度分布によりマスク本体100が熱膨張し、図5に示すように、露光動作前の形状100aから、非線形成分を含む非線形形状100bに変形しようとする。ペリクルフレーム120は、この非線形形状100bのマスク本体100を線形形状100cに補正する。すなわち、ペリクルフレーム120のY軸方向に延びる2辺を構成する第1熱膨張部材121が、マスク本体100のX軸方向両端部に対しY軸方向に引き伸ばす変形を与えることにより、マスク本体100の形状を非線形形状100bから線形形状100cに補正する。
具体的には、第1熱膨張部材121は、パターン領域100Aに近接して配置され、パターン領域100A近傍において露光光ELからの照射熱を受ける。該照射熱を受けた第1熱膨張部材121は、マスク本体100の熱膨張率より高い熱膨張率を備えるため、Y軸方向においてマスク本体100より大きく変形する。第1熱膨張部材121は、マスク本体100と当接(接着)しているため該変形に伴う力がマスク本体100に作用し、マスク本体100のX軸方向両端部がY軸方向に引き伸ばされ、マスク本体100の形状が非線形形状100bから線形形状100cに補正される。また、第2熱膨張部材122は、マスク本体100の熱膨張率と同一の熱膨張率を備えるため、X軸方向においてマスク本体100に変形を与えることなく、マスク本体100のX軸方向における線形変形の状態を維持する。
従って、本実施形態のマスクMによれば、ペリクルフレーム120よって、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形が線形変形に補正される。すなわち、本実施形態では、マスクMを介して投影されるパターンを投影光学系PLの縮小倍率βやマスクステージ1の走査速度等により容易に補正することができる。従って、パターンの歪みを低減させることができ、露光不良を抑制することができる。
また、本実施形態のマスクMによれば、非線形変形を線形変形に補正する第1熱膨張部材121及び第2熱膨張部材122がマスク本体100のパターン形成面Ma側に設けられるペリクルフレーム120を構成する。従って、マスクMに別部材を追加して設ける必要がなく部品点数の増加が抑制される。また、ペリクルフレーム120は、上記のようにパターン領域100Aを囲むように配置されるものであるため、パターン領域100Aに対する露光光ELを遮光することがなく露光不良を好適に抑制することができる。
また、ペリクルフレーム120の上記作用と組み合わせて、圧力調節装置42による吸着パッド41を介したマスクMの吸着動作の制御を制御装置3により行わせる構成を採用することが望ましい。マスク本体100のX軸方向両端部(非パターン領域100B)は、吸着パッド41により吸着保持されており、その吸着力の大きさによってはマスク本体100のX軸方向両端部が拘束され、ペリクルフレーム120によるマスク本体100のY軸方向の補正変形が適切になされない場合もある。
従って、例えば、制御装置3は、ペリクルフレーム120によるマスク本体100のY軸方向の補正変形が適切になされるように、圧力調節装置42による吸着パッド41を介したマスクMに対する吸着力を、通常よりも低減させるような制御を行うことが望ましい。あるいは、制御装置3は、圧力調節装置42による吸着パッド41を介したマスクMに対する吸着動作を所定期間停止させて、ペリクルフレーム120がマスク本体100の変形を補正するための変形補正期間なるものを設ける構成であってもよい。この場合、吸着動作を停止させる期間は、マスクステージ1が移動することのない期間、例えば露光光ELのショット間に設けられたインターバル期間であることが望ましい。
従って、例えば、制御装置3は、ペリクルフレーム120によるマスク本体100のY軸方向の補正変形が適切になされるように、圧力調節装置42による吸着パッド41を介したマスクMに対する吸着力を、通常よりも低減させるような制御を行うことが望ましい。あるいは、制御装置3は、圧力調節装置42による吸着パッド41を介したマスクMに対する吸着動作を所定期間停止させて、ペリクルフレーム120がマスク本体100の変形を補正するための変形補正期間なるものを設ける構成であってもよい。この場合、吸着動作を停止させる期間は、マスクステージ1が移動することのない期間、例えば露光光ELのショット間に設けられたインターバル期間であることが望ましい。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係るマスクMについて図6〜図8を参照して説明する。なお、上記第1実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。図6(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図6(b)は、その線視B−B断面図である。図7(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図7(b)は、その線視C−C断面図である。図8(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図8(b)は、その線視D−D断面図である。
第2実施形態に係るマスクMでは、マスク本体100に熱膨張部材(線形変形装置)121´が設けられている。熱膨張部材121´は、例えばマスク本体100の熱膨張率より高い熱膨張率を備えるアルミニウム材からなる。熱膨張部材121´は、パターン領域100AのX軸方向両側において、Y軸方向に延在して設けられる。
続いて、本発明の第2実施形態に係るマスクMについて図6〜図8を参照して説明する。なお、上記第1実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。図6(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図6(b)は、その線視B−B断面図である。図7(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図7(b)は、その線視C−C断面図である。図8(a)は、第2実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図8(b)は、その線視D−D断面図である。
第2実施形態に係るマスクMでは、マスク本体100に熱膨張部材(線形変形装置)121´が設けられている。熱膨張部材121´は、例えばマスク本体100の熱膨張率より高い熱膨張率を備えるアルミニウム材からなる。熱膨張部材121´は、パターン領域100AのX軸方向両側において、Y軸方向に延在して設けられる。
図6においては、熱膨張部材121´は、マスク本体100のX軸方向両側に延出して設けられる。熱膨張部材121´は、Y軸方向においてマスク本体100と略同一の長さを有し、Z軸方向においてマスク本体100と略同一の厚さを有する。
この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100のX軸方向両側に対してY軸方向に引き伸ばす変形を与えることによって、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正することができる。また、この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100を厚さ方向全体に亘ってY軸方向に引き伸ばすことができ、マスク本体100の厚さ方向におけるY軸方向の微小な変形の差を低減させることができる。
この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100のX軸方向両側に対してY軸方向に引き伸ばす変形を与えることによって、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正することができる。また、この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100を厚さ方向全体に亘ってY軸方向に引き伸ばすことができ、マスク本体100の厚さ方向におけるY軸方向の微小な変形の差を低減させることができる。
図7及び図8においては、熱膨張部材121´は、マスク本体100のX軸方向両端部に埋設されている。図7において熱膨張部材121´は、マスク本体100のパターン形成面Ma側に埋設される。また、図8において熱膨張部材121´は、マスク本体100のパターン形成面Ma側に対して逆側に埋設される。
この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100の内部からマスク本体100のX軸方向両端部に対してY軸方向に引き伸ばす変形を与えることによって、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正することができる。また、この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100に埋設されるため、熱膨張部材121´とマスク本体100との接触面積が広くなり、マスク本体100に対しY軸方向に引き伸ばす力をより効率よく与えることができる。
この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100の内部からマスク本体100のX軸方向両端部に対してY軸方向に引き伸ばす変形を与えることによって、マスク本体100の温度分布で生じる非線形変形を線形変形に補正することができる。また、この熱膨張部材121´によれば、マスク本体100に埋設されるため、熱膨張部材121´とマスク本体100との接触面積が広くなり、マスク本体100に対しY軸方向に引き伸ばす力をより効率よく与えることができる。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、マスク本体100の厚さ方向におけるY軸方向の微小な変形の差を低減させることができる、あるいは、マスク本体100に対しY軸方向に引き伸ばす力をより効率よく与えることができるといった作用・効果が得られる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係るマスクMについて図9及び図10を参照して説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。図9(a)は、第3実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図9(b)は、その線視E−E断面図である。図10(a)は、第3実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図10(b)は、その線視F−F断面図である。なお、図10においては、視認性を向上させるために、マスク本体100にハッチングを施している。
上述したように、マスク本体100が熱膨張により非線形成分を多く含むこととなるのは、マスク本体100に温度分布があり、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間でパターン領域100Aの熱膨張を拘束しようとする力(熱応力)が作用することによる。すなわち、第3実施形態では、この影響を緩和させることで、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正する。
第3実施形態に係るマスクMは、パターン領域100Aと非パターン領域との間で熱応力を緩和する熱応力緩和部(線形変形装置)130を有する。
続いて、本発明の第3実施形態に係るマスクMについて図9及び図10を参照して説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。図9(a)は、第3実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図9(b)は、その線視E−E断面図である。図10(a)は、第3実施形態における一実施例のマスクMのパターン形成面Ma側を示す図であり、図10(b)は、その線視F−F断面図である。なお、図10においては、視認性を向上させるために、マスク本体100にハッチングを施している。
上述したように、マスク本体100が熱膨張により非線形成分を多く含むこととなるのは、マスク本体100に温度分布があり、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間でパターン領域100Aの熱膨張を拘束しようとする力(熱応力)が作用することによる。すなわち、第3実施形態では、この影響を緩和させることで、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正する。
第3実施形態に係るマスクMは、パターン領域100Aと非パターン領域との間で熱応力を緩和する熱応力緩和部(線形変形装置)130を有する。
図9において、熱応力緩和部130は、パターン領域100Aに沿って形成された溝部131を有する。溝部131は、パターン形成面Ma側からマスク本体100に対して所定の深さ及び所定の幅で形成される。なお、マスク本体100には、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間の剛性の低下を担保するための接続部132が設けられる。接続部132は、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間をマスク本体100と同一の厚さで接続するものであり、複数箇所(本実施形態では3箇所)設けられる。接続部132の幅は、熱応力の影響を考慮して可能な限り小さく設定される。
続いて上記構成のマスクMの作用について説明する。
パターン領域100Aは、露光光ELの照射によりその全領域が照明され温度が上昇し、熱膨張する。パターン領域100Aが熱膨張すると、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間で熱応力が作用する。この熱応力は、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間に設けられた溝部131によって低減(緩和)される。
すなわち、溝部131においては、マスク本体100の厚さが小さくなり、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間において力が作用する面積(マスク本体100の厚さ方向における断面積)が小さくなる。このため、熱応力が低減される。例えば、溝部131において、マスク本体100の厚さが三分の一になっていれば、力の作用する面積が三分の一になり、結果、熱応力が三分の一に低減されることとなる。
パターン領域100Aは、露光光ELの照射によりその全領域が照明され温度が上昇し、熱膨張する。パターン領域100Aが熱膨張すると、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間で熱応力が作用する。この熱応力は、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間に設けられた溝部131によって低減(緩和)される。
すなわち、溝部131においては、マスク本体100の厚さが小さくなり、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間において力が作用する面積(マスク本体100の厚さ方向における断面積)が小さくなる。このため、熱応力が低減される。例えば、溝部131において、マスク本体100の厚さが三分の一になっていれば、力の作用する面積が三分の一になり、結果、熱応力が三分の一に低減されることとなる。
すなわち、溝部131の作用によりパターン領域100Aを拘束する応力が、上記例によれば三分の一となる。従って、パターン領域100Aは比較的自由に膨張することができ、その変形に線形成分を多く含むこととなる。なお、接続部132は、可能な限り小さく形成されているため、パターン領域100Aの熱膨張に対する影響は微小である。
このことから、パターン領域100Aが熱膨張しても非パターン領域100Bまで歪みが伝達されない。逆にいえば、非パターン領域100Bからの影響(吸着パッド41からの影響を含む)をパターン領域100Aが受け難くなる。さらに、パターン領域100Aから非パターン領域100Bに伝わる照射熱も低減されるため、非パターン領域100Bは、その変形に線形成分を多く含むこととなる。
従って、この熱応力緩和部130によれば、溝部131を設けることによってパターン領域100Aと非パターン領域100Bとを剛性的及び熱的に独立させ、両者間の影響を緩和させることによって、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正することが可能となる。
このことから、パターン領域100Aが熱膨張しても非パターン領域100Bまで歪みが伝達されない。逆にいえば、非パターン領域100Bからの影響(吸着パッド41からの影響を含む)をパターン領域100Aが受け難くなる。さらに、パターン領域100Aから非パターン領域100Bに伝わる照射熱も低減されるため、非パターン領域100Bは、その変形に線形成分を多く含むこととなる。
従って、この熱応力緩和部130によれば、溝部131を設けることによってパターン領域100Aと非パターン領域100Bとを剛性的及び熱的に独立させ、両者間の影響を緩和させることによって、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正することが可能となる。
一方、図10において、熱応力緩和部130は、パターン領域100Aに沿ってマスク本体100に貫通して設けられたスリット133を有する。スリット133は、所定の幅で形成される。マスク本体100には、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間の剛性の低下を担保するための接続部132が設けられる。接続部132は、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間をマスク本体100と同一の厚さで接続するものであり、複数箇所(本実施形態では3箇所)設けられる。接続部132の幅は、熱応力の影響を考慮して可能な限り小さく設定される。
この熱応力緩和部130によれば、スリット133によりパターン領域100Aと非パターン領域100Bとが接続部132以外では完全に独立することとなる。したがって、接続部132のみで、パターン領域100Aと非パターン領域100Bとの間に熱応力が作用する。そのため、パターン領域100Aは、より自由に熱膨張することができる。
従って、この熱応力緩和部130によれば、スリット133を設けることによってパターン領域100Aと非パターン領域100Bとを剛性的及び熱的に略完全に独立させ、両者間の影響を緩和させることによって、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正することが可能となる。
従って、この熱応力緩和部130によれば、スリット133を設けることによってパターン領域100Aと非パターン領域100Bとを剛性的及び熱的に略完全に独立させ、両者間の影響を緩和させることによって、マスク本体100の非線形変形を、線形変形に補正することが可能となる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、マスク本体100は石英ガラスから構成されると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではない。マスク本体100としては、例えば石英ガラスの他に、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。
また、マスク本体100は、選択した材質により熱膨張率が異なるため、上記実施形態の熱膨張部材(第1熱膨張部材121、第2熱膨張部材122、熱膨張部材121´を含む)の材質は、マスク本体100の材質に応じて、適宜最適なものを選択することが望ましい。
また、マスク本体100は、選択した材質により熱膨張率が異なるため、上記実施形態の熱膨張部材(第1熱膨張部材121、第2熱膨張部材122、熱膨張部材121´を含む)の材質は、マスク本体100の材質に応じて、適宜最適なものを選択することが望ましい。
また、例えば、上記実施形態では、パターン領域100AはY軸方向に延在する略長方形状であると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではない。例えば、パターン領域100Aの形状は、X軸方向に延在する略長方形状や略正方形状等であってもよい。
また、マスク本体100は、パターン領域100Aの形状に応じて、非線形成分を多く含む位置が変化することから、上記熱膨張部材の配置位置をパターン領域100Aの形状に応じて変更することが望ましい。例えば、パターン領域100AがX軸方向に延在して設けられるならば、熱膨張部材(第1熱膨張部材121あるいは熱膨張部材121´)は、X軸方向に延在させる構成であることが望ましい。
また、マスク本体100は、パターン領域100Aの形状に応じて、非線形成分を多く含む位置が変化することから、上記熱膨張部材の配置位置をパターン領域100Aの形状に応じて変更することが望ましい。例えば、パターン領域100AがX軸方向に延在して設けられるならば、熱膨張部材(第1熱膨張部材121あるいは熱膨張部材121´)は、X軸方向に延在させる構成であることが望ましい。
また、例えば、上記実施形態では、熱膨張部材によって一方向(例えばY軸方向)の非線形変形を、線形変形に補正すると説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、例えば熱膨張部材を複数設け、XY平面上において上記一方向と異なる複数の方向の非線形変形を線形変形に補正する構成であってもよい。
また、例えば、複数の熱膨張部材のそれぞれの熱膨張率は、同一の熱膨張率ではなく異なる熱膨張率であってもよい。
また、例えば、複数の熱膨張部材のそれぞれの熱膨張率は、同一の熱膨張率ではなく異なる熱膨張率であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、熱膨張部材は、パターン領域100Aに近接して配置され、パターン領域100A近傍において露光光ELからの照射熱を受けて熱膨張すると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではない。例えば、熱膨張部材を加熱する加熱装置を設け、この加熱装置から熱を受けて熱膨張する構成であってもよい。
図11は、第1実施形態のペリクルフレーム120に、加熱装置140を設けた一例を示す。加熱装置140は、+X側の第1熱膨張部材121を加熱する第1加熱部140Aと、−X側の第1熱膨張部材121を加熱する第2加熱部140Bとを有する。加熱装置140は、例えば第1熱膨張部材121が金属材であれば、高周波による誘導加熱を行う非接触方式を採用することが望ましい。この構成によれば、例えば露光光ELからの照射熱のみでは第1熱膨張部材121が十分に熱膨張変形することができない場合に、加熱装置140により補填的に第1熱膨張部材121を加熱することで、マスク本体100の非線形変形を線形変形に補正することができる。
また、この構成によれば、第1加熱部140Aによる加熱量と第2加熱部140Bによる加熱量とを独立して制御することにより、+X側の第1熱膨張部材121の変形量と−X側の第1熱膨張部材121の変形量とを調節することができる。従って、この構成によれば、例えばマスク本体100が+X側と−X側とが対称とならない非線形形状に非線形変形しても線形変形に補正することができる。
図11は、第1実施形態のペリクルフレーム120に、加熱装置140を設けた一例を示す。加熱装置140は、+X側の第1熱膨張部材121を加熱する第1加熱部140Aと、−X側の第1熱膨張部材121を加熱する第2加熱部140Bとを有する。加熱装置140は、例えば第1熱膨張部材121が金属材であれば、高周波による誘導加熱を行う非接触方式を採用することが望ましい。この構成によれば、例えば露光光ELからの照射熱のみでは第1熱膨張部材121が十分に熱膨張変形することができない場合に、加熱装置140により補填的に第1熱膨張部材121を加熱することで、マスク本体100の非線形変形を線形変形に補正することができる。
また、この構成によれば、第1加熱部140Aによる加熱量と第2加熱部140Bによる加熱量とを独立して制御することにより、+X側の第1熱膨張部材121の変形量と−X側の第1熱膨張部材121の変形量とを調節することができる。従って、この構成によれば、例えばマスク本体100が+X側と−X側とが対称とならない非線形形状に非線形変形しても線形変形に補正することができる。
また、例えば、第2実施形態の図7及び図8においては、熱膨張部材121´をマスク本体100のパターン形成面Ma側、あるいはマスク本体100のパターン形成面Ma側に対し逆側に設けると説明したが、熱膨張部材121´をパターン形成面Ma側及び逆側の両方に設ける構成であってもよい。この構成によれば、パターン形成面Ma側と逆側とで生じるマスク本体100の変形の差を低減することができる。
また、例えば、第3実施形態では、熱応力緩和部130は、溝部131あるいはスリット133のいずれかを有すると説明したが、両方備える構成であってもよい。例えばマスク本体100の非線形成変形が大きい部位側においてはスリット133を設けて、マスク本体100の非線形変形が小さい部位側においては溝部131を設けるという構成であってもよい。
また、溝部131の深さは同一の深さで形成されるものではなく、例えばマスク本体100の非線形成変形が大きい部位側においては深く、マスク本体100の非線形変形が小さい部位側においては浅くする構成であってもよい。
また、溝部131の深さは同一の深さで形成されるものではなく、例えばマスク本体100の非線形成変形が大きい部位側においては深く、マスク本体100の非線形変形が小さい部位側においては浅くする構成であってもよい。
また、本発明は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の構成を組み合わせて用いるものであってもよい。
なお、上記実施形態の基板(物質)としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。なお、上記各実施形態のマスクとしては、透過型マスクのみならず、反射型マスクであってもよい。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、本実施形態においては、露光光ELがEUV光である場合を例にして説明したが、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いることもできる。
また、本発明は、基板ステージ(ウエハステージ)が複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本発明の実施形態による露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図12は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図13は、半導体デバイスの場合におけるステップS13の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
また、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等へ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99/34255号、WO99/50712号、WO99/66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等に開示されている。
M…マスク、DP…パターン、100…マスク本体、100A…パターン領域、100B…非パターン領域、110…ペリクル、120…ペリクルフレーム(線形変形装置)、121…第1熱膨張部材(熱膨張部材)、121´…熱膨張部材(線形変形装置)、122…第2熱膨張部材、130…熱応力緩和部(線形変形装置)、131…溝部、133…スリット、140…加熱装置
Claims (17)
- マスク本体の温度分布で生じる非線形変形を、線形変形に補正する線形変形装置が設けられているマスク。
- 前記線形変形装置は、前記マスク本体の熱膨張率より高い熱膨張率を備える熱膨張部材を有する請求項1に記載のマスク。
- 前記マスク本体は、所定のパターンが形成されたパターン領域を有して、
前記パターン領域は、一方向に延在しており、
前記熱膨張部材は、前記パターン領域の前記一方向と直交する直交方向両側において、前記一方向に延在して設けられている請求項2に記載のマスク。 - 前記線形変形装置は、前記熱膨張部材の熱膨張率より低い熱膨張率を備える第2熱膨張部材を有して、
前記第2熱膨張部材は、前記パターン領域の前記一方向両側において、前記直交方向に延在して設けられている請求項3に記載のマスク。 - 前記第2膨張部材の熱膨張率は、前記マスク本体の熱膨張率と略同一である請求項4に記載のマスク。
- 前記熱膨張部材は、前記マスク本体と当接している請求項2〜5のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記熱膨張部材は、前記マスク本体に埋設されている請求項2〜5のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記熱膨張部材は、前記マスク本体両側に延出して設けられている請求項2〜5のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記マスク本体の一方の面側にペリクルと、前記ペリクルを支持するペリクルフレームとを有して、
前記ペリクルフレームは、前記熱膨張部材を有する請求項2、3、6、7のいずれか一項に記載のマスク。 - 前記マスク本体の一方の面側にペリクルと、前記ペリクルを支持するペリクルフレームとを有して、
前記ペリクルフレームは、前記熱膨張部材を有する請求項4または5に記載のマスク。 - 前記ペリクルフレームは、前記第2熱膨張部材を有する請求項10に記載のマスク。
- 前記線形変形装置は、前記熱膨張部材を加熱する加熱装置を有する請求項2〜11のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記マスク本体は、所定のパターンが形成されたパターン領域と、前記パターン領域に隣接する非パターン領域とを有して、
前記線形変形装置は、前記パターン領域と前記非パターン領域との間で熱応力を緩和する熱応力緩和部を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載のマスク。 - 前記熱応力緩和部は、前記パターン領域に沿って前記マスク本体に設けられた溝部を有する請求項13に記載のマスク。
- 前記熱応力緩和部は、前記パターン領域に沿って前記マスク本体に貫通して設けられたスリットを有する請求項13または14に記載のマスク。
- 所定のパターンが形成された請求項1〜15のいずれか一項に記載のマスクを用いて、被露光体に前記所定のパターンを形成する露光方法。
- 請求項16に記載の露光方法を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法。
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JP2008247256A JP2010078921A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | マスク及び露光方法並びにデバイス製造方法 |
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Cited By (2)
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JP2014154616A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-25 | Gigaphoton Inc | チャンバ及び極端紫外光生成装置 |
JP2018529996A (ja) * | 2015-09-24 | 2018-10-11 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | リソグラフィプロセスにおけるレチクル加熱及び/又は冷却の影響を低減する方法 |
-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008247256A patent/JP2010078921A/ja active Pending
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