JP2009170504A - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用力供給部材から発生するアウトガスに起因する悪影響を抑制する。
【解決手段】ステージ本体53と、ステージ本体に用力を供給する用力供給部材TB、TBYとを有する。用力供給部材の少なくとも一部を収容する収容空間を有するケース体92、96が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステージ装置及び露光装置に関するものである。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置は、パターンが形成されたマスクを保持しながら移動可能なマスクステージと、感光性の基板を保持しながら移動可能な基板ステージとを有し、マスクを露光光で照明し、そのマスクからの露光光で基板を露光する。露光装置においては、例えばチャンバ装置と呼ばれる収容体によって、露光光が進行する所定空間の環境が所望状態になるように制御される。下記特許文献1には、収容体に関する技術の一例が開示されている。
米国特許出願公開第2003/0058426号明細書
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
上記のステージには、アクチュエータや各種センサに供給される電力や信号、さらには冷媒等の用力を供給するための用力供給部材が接続されるが、例えば露光光が進行する所定空間を真空状態(負圧状態)とすると、上記の用力供給部材からの脱ガス(アウトガス)の発生量が多くなる可能性がある。アウトガスが露光装置構成機器に付着した場合露光精度を低下させる虞がある。
そこで、アウトガスの発生量が少ない材質で形成された用力供給部材を用いることも考えられるが、この種の用力供給部材は可撓性が低いため、ステージ周辺で用力供給部材を引き回す際には大きな半径を確保する必要があり、装置の小型化に支障を来すという問題を生じさせてしまう。
上記の問題は、露光光が進行する所定空間を真空状態(負圧状態)とする場合に限られず、大気圧下でも生じる可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、用力供給部材から発生するアウトガスに起因する悪影響を抑制できるステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図10に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のステージ装置は、ステージ本体(53)と、ステージ本体に用力を供給する用力供給部材(TB、TBY)とを有するステージ装置(ST)であって、用力供給部材の少なくとも一部を収容する収容空間を有するケース体(92、96)が設けられるものである。
従って、本発明のステージ装置では、負圧環境下、または大気圧環境下で用いられた場合でも、用力供給部材(TB、TBY)の少なくとも一部から生じたアウトガスがケース体(92、96)の収容空間(93、97)に収容されるため、アウトガスに起因する悪影響を抑制することができる。
また、本発明の露光装置は、先に記載のステージ装置(ST)を備えるものである。
従って、本発明の露光装置では、アウトガスに起因する悪影響を抑制することで、露光精度の向上を実現できる。
本発明では、用力供給部材から発生するアウトガスに起因する悪影響を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。
ここでは、ステージ装置として、露光装置においてウエハ等の基板を保持して移動する基板ステージに適用する例を用いて説明する。
そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
まず、本実施形態に係る露光装置EXの概略について説明する。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2を含むステージ装置STと、露光光ELを発生する光源装置3と、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
本実施形態において、マスクMは、EUV光を反射可能な多層膜を有する反射型マスクである。露光装置EXは、多層膜でパターンが形成されたマスクMの表面(反射面)を照明光EL(EUV光)で照明し、そのマスクMで反射した露光光ELで感光性を有する基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、露光光ELが進行する第1空間5を覆って所定状態の環境に設定可能なチャンバ装置6を備えている。チャンバ装置6は、露光光ELが進行する第1空間5を形成する第1空間形成部材7と、第1空間5の環境を調整する第1調整装置8とを備える。
本実施形態において、第1調整装置8は、真空システムを含み、第1空間5を真空状態に調整する。制御装置4は、第1調整装置8を用いて、露光光ELが進行する第1空間5をほぼ真空状態に調整する。一例として、本実施形態においては、第1空間5の圧力は、1×10−7〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
光源装置3から射出された照明光は、第1空間5を進行する。本実施形態においては、第1空間5に、照明光学系ILの少なくとも一部、及び投影光学系PLが配置される。光源装置3から射出された照明光は、第1空間5に配置されている照明光学系ILを通ってマスクMを照明する。そして、マスクMのパターンの像の情報を含む露光光ELとなって投影光学系PLを通る。また、本実施形態においては、第1空間5に基板ステージ2が配置される。
なお、本実施の形態での説明では、光源装置3からマスクMを照明するまでのEUV光を照明光、マスクMで反射して基板Pに投影されるまでのEUV光を露光光ELとして説明するが、説明の都合上名称を使い分けたものであり、両者を露光光ELとして扱ってもよい。
第1空間形成部材7は、第1開口9と、第1開口9の周囲に設けられた第1面11とを有する。第1開口9は、第1空間5を進行した照明光が入射可能な位置に形成されている。また、本実施形態においては、第1開口9は、照明光学系ILから射出された照明光が入射可能な位置に形成されている。
マスクステージ1は、マスクMを保持しつつ、このマスク1を移動させるように構成されており、第1開口9を覆うように配置される。マスクステージ1は、第1空間形成部材7(ガイド部材18)に設けられた第1面11と対向する第2面12を有し、この第2面12は第1面11にガイドされつつ第1開口9との間で相対運動が可能である。本実施形態において、第1空間形成部材7の第1面11とマスクステージ1の第2面12との間にガスシール機構10が形成される。このとき、第1面11と第2面12との間に所定のギャップG1が形成される。ギャップG1は、所定量(例えば0.1〜1μm程度)に調整されており、ギャップG1を介して第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。本実施形態においては、第1開口9がマスクステージ1によって覆われ、前述のように、第1面11と第2面12との間にガスシール機構10が形成されることによって、第1空間5は、ほぼ密閉された状態となる。これにより、チャンバ装置6は、第1空間5を所定状態(真空状態)に制御することができる。
マスクステージ1は、第1開口9を介して、マスクMが第1空間5に配置されるように、そのマスクMを保持する。本実施形態においては、マスクステージ1は、第1空間5の+Z側に配置され、マスクMの反射面が−Z側(第1空間5側)を向くように、マスクMを保持する。また、本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。照明光学系ILから射出された照明光は、マスクステージ1に保持されているマスクMの反射面に照射される。
マスクステージ1についてさらに詳述すると、マスクステージ1は、第1開口9より大きく、第2面12が形成されて、第1面11および第1開口に対して移動可能に構成された第1ステージ13と、第1開口9より小さく、マスクMを保持しながら第1ステージ13に対して移動可能に構成された第2ステージ14とを含む。第1ステージ13は、第1開口9を覆うように配置され、その第1ステージ13の第2面12と第1空間形成部材7の第1面11との間にガスシール機構10が形成される。第1ステージ13は、第1面11にガイドされつつ、第1面11および第1開口9に対して移動可能である。第2ステージ14は、第1ステージ13の−Z側(第1空間5側)に配置されている。第2ステージ14に保持されたマスクMは、第1開口9を介して第1空間5に配置される。第2ステージ14は、マスクMを保持した状態で、第1ステージ13に対して移動可能である。このような構成により、マスクMを移動させるための粗動ステージとして第1ステージ13を機能させ、マスクMを移動させるための微動ステージとして第2ステージを機能させることができる。なお、第1ステージ13、第2ステージ14は、図示されていないが、各ステージをそれぞれ移動させる駆動装置を有している。
また、チャンバ装置6は、第1空間形成部材7の外面との間で、第2空間15を形成する第2部材16と、第2空間15の環境を調整する第2調整装置17とを備えている。第2空間15は、マスクステージ1の少なくとも一部(例えば、第1ステージ13等)を収容する。本実施形態において、第1空間5及び第2空間15の外側は、大気空間であり、その圧力は、大気圧である。第2調整装置17は、第2空間15を、第1空間5の圧力よりも高く、大気圧よりも低い圧力に調整する。一例として、本実施形態においては、第2空間15の圧力は、1×10−1〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
以上のような構成により、マスクステージ1の少なくとも一部は第2空間15に配置され、マスクステージ1に保持されたマスクMは、第1空間5に配置される。
露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、マスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、基板Pの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pのショット領域を投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板Pのショット領域のY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを基板Pに照射して、その基板Pを露光する。
マスクステージ1の第1ステージ13は、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、マスクMのパターン形成領域全体が照明光学系ILの照明領域を通過するように、Y軸方向(走査方向)に、比較的大きなストロークを有している。第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第1ステージ13に支持されている第2ステージ14も、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。したがって、第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第2ステージ14に保持されているマスクMも、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。第2ステージ14は、第1ステージ13に対して、微かに移動可能であり、第1ステージ13のストロークよりも小さなストロークで移動するようになっている。また、第2ステージ14が第1ステージ13に対してX方向にも小さなストロークで移動できるようにしてもよい。
また、第1空間形成部材7の第1面11と第1ステージ13の第2面12との間にガスシール機構10が形成されており、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。また、本実施形態においては、第1面11と第2面12とのギャップG1を調整するギャップ調整機構が設けられており、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動している状態においても、第1面11と第2面12とのギャップG1は所定量に維持される。
これにより、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。
第1空間形成部材7は、第1面11が形成されたガイド部材18と、ガイド部材18の少なくとも一部と対向するチャンバ部材19とを含む。ガイド部材18は、マスクステージ1の移動をガイドする。マスクステージ1(第1ステージ13)は、前述のように、ガイド部材18の第1面11にガイドされつつ、第1開口9に対して移動する。
チャンバ装置6は、第1空間形成部材7と第1調整装置8の他に、ガイド部材18とチャンバ部材19とを接続するベローズ部材20を有する。べローズ部材20は、可撓性を有し、弾性変形可能である。本実施形態において、ベローズ部材20はステンレス製である。ステンレスは、脱ガス(アウトガス)が少ない。そのため、ベローズ部材20が第1空間5に与える影響を抑制することができる。なお、ベローズ部材20を用いたのは一例であり、脱ガス等の影響が少なければ、ステンレス以外の材料を用いることも可能である。
第1空間形成部材7は、第1の開口9、第1面11を有する共に、ガイド部材18、チャンバ部材19を含むように構成される。そして、ガイド部材18、チャンバ部材19、ベローズ部材20、マスクステージ1(主に第1ステージ13)、及びステージ装置STに設けられたチャンバ部材SC(収容体の一部、詳細は後述)によって、ほぼ密閉された第1空間5が形成される。チャンバ部材19は、ガイド部材18の下面18Bと対向する上面19Aを有し、ベローズ部材20は、ガイド部材18の下面18Bとチャンバ部材19の上面19Aとを接続するように配置されている。
本実施形態において、露光装置EXは、ベース部材21と、ベース部材21上に第1防振システム22を介して支持された第1支持部材23とを備えている。チャンバ部材19は、第1支持部材23に支持されている。また、ベース部材21上には、第1フレーム部材24が配置されている。第1フレーム部材24は、支柱部25と、支柱部25の上端に接続された支持部26とを含む。支持部26上には、ガイド部材18の下面を支持する第2支持部材27が接続されている。チャンバ部材19と第2支持部材27とは離れている。また、チャンバ部材19と第1フレーム部材24とは離れており、チャンバ部材19と第1フレーム部材24との間に、ベローズ部材等の可撓性(弾性)を有するシール機構が配置される。チャンバ部材19は、第2支持部材27に支持されたガイド部材18の下面18Bと対向する上面19Aを有する。ベローズ部材20は、ガイド部材18の下面18Bとチャンバ部材19の上面19Aとを接続するように配置されている。
光源装置3は、例えばキセノン(Xe)等のターゲット材料にレーザー光を照射して、そのターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるレーザ生成プラズマ光源装置、所謂LPP(Laser Produced Plasma)方式の光源装置である。なお、光源装置3としては、所定ガス中で放電を発生させて、その所定ガスをプラズマ化し、EUV光を発生させる放電生成プラズマ光源装置、所謂DPP(Discharge Produced Plasma)方式の光源装置であってもよい。光源装置3で発生したEUV光(照明光)は、波長選択フィルタ(不図示)を介して、照明光学系ILに入射する。ここで、波長選択フィルタは、光源装置3が供給する光から、所定波長(たとえば13.4nm)のEUV光だけを選択的に透過させ、他の波長の光の透過を遮る特性を有する。波長選択フィルタを透過したEUV光は、照明光学系ILを介して、転写すべきパターンが形成された反射型のマスク(レチクル)Mを照明する。
照明光学系ILは、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する。照明光学系ILは、複数の光学素子を含み、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
マスクステージ1の第1ステージ13は、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ1の第2ステージ14は、マスクM保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。本実施形態においては、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及びマスクMの反射面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられており、制御装置4は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置を制御する。
マスクステージ1の第1ステージ13及び第2ステージ14は、金属製である。一例として、本実施形態の第1ステージ13及び第2ステージ14は、脱ガス(アウトガス)が少ないステンレス製である。
図1に戻り、投影光学系PLは、複数の光学素子を含み、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒28に保持されている。鏡筒28は、フランジ29を有する。フランジ29には、第2フレーム部材30の下端が接続されている。第2フレーム部材30の上端は、防振システム31を介して、第1フレーム部材24の支持部26と接続されている。鏡筒28(フランジ29)は、第2フレーム部材30に吊り下げられている。
図2は、ステージ本体53の外観斜視図である。
図2に示すように、ステージ装置STは、ステージ本体53と、ステージ本体53に設けられるアクチュエータや各種センサに供給される電力や信号、さらには冷媒等の用力を供給するための用力供給部材TB、TBYとを有している。
ステージ本体53は、定盤JBと、ウエハ等の基板を保持してY軸方向に連続移動するとともにX軸方向にステップ移動し、更にθZ方向に微少移動可能な基板ステージ2とを主体に構成されている。
基板ステージ2を駆動する駆動装置は、基板ステージ2をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx、θy、θzに微小駆動する第1駆動系72と、基板ステージ2及び第1駆動系72をY方向にロングストロークで駆動する第2駆動系73A、73Bとを備えている。第2駆動系73Aは、Y方向に延びる固定子74Aと、当該固定子74Aに対して駆動されるY粗動ステージである可動子(第3ステージ)75Aとから構成される。同様に、第2駆動系73Bは、Y方向に延びる固定子74Bと、当該固定子74Bに対して駆動されるY粗動ステージである可動子(第3ステージ)75Bとから構成される。そして、可動子75A、75Bの間に上記第1駆動系72が設けられる。固定子74A、74Bは、定盤JBのX方向の両端に設けられている。
また、第2駆動系73A、73Bには、Y軸方向に関しては、基板ステージ2と一体的に移動し、X方向に関しては、Xリニアモータ70の駆動によりXガイドバー40A、40Bに沿って基板ステージ2に追従して(同期して)移動するチューブキャリア(第2ステージ)76A、76Bが基板ステージ2を挟んだY方向両側に設けられている(チューブキャリア76Bについては、図2では図示せず、図3参照)。Xガイドバー40A、40Bは、可動子75A、75Bの間に架設されている。
各チューブキャリア76A、76Bは、電気配線やエア供給管等、基板ステージ2に接続される複数の用力供給部材TB(図2では、複数の用力供給部材が一体化された状態を図示している)をそれぞれ中継するものである。
なお、チューブキャリア76A、76Bには、それぞれ用力供給部材が接続されるが、ここではチューブキャリア76Aについてのみ図示、説明し、チューブキャリア76Bについては、図示及び説明を省略する。
図3(a)は、可動子(粗動ステージ)75A、75Bから基板ステージ2を離脱させた平面図であり、図3(b)は同断面図である。
チューブキャリア76A、76Bは、基板ステージ2の下側(−Z側)に配置された連結部77により連結されて、一体的に移動する構成となっている。
チューブキャリア76A、76Bには、E型コアとI型コアとの結合によるEIコア型のアクチュエータ78(以下、適宜EIコア(駆動装置)78と称する)の可動子78A、78Bがそれぞれ配置されている。EIコア78は、Xガイドバー40A、40Bをそれぞれ固定子として、チューブキャリア76A、76B(可動子78A、78B)をZ方向に駆動するものである。
また、チューブキャリア76Aには、EIコア79の可動子79A、79AがXガイドバー40Aを挟んだY方向両側に配設されている。EIコア79は、Xガイドバー40Aを固定子として、チューブキャリア76A(可動子79A)をY方向に駆動するものである。
チューブキャリア76Aには、−Y方向に延出する延出部90の先端にチューブ接続部91が設けられている。図4は、図2におけるF−F線視断面図である。
この図に示すように、チューブ接続部91には、+Z側の端部(上端部)近傍において用力供給部材TBの一端が接続されており、−Z側の端部(下端部)においてステージ本体53に接続される用力供給部材TSの一端が接続されている。
基板ステージ2の−Y側に位置するチューブキャリア76Aのチューブ接続部91(後述)に一端が接続される用力供給部材TBは、チューブキャリア76AのX軸方向への移動に伴って変形可能に構成されている。また、この用力供給部材TBの他端は、定盤JBの+X側に配置されて基板ステージ2及びチューブキャリア76A(−Y側の用力供給部材TB)のY方向の移動に伴って変形可能に構成された用力供給部材TBYに接続されている。
これらチューブ接続部91の上端部及び用力供給部材TBの一部は、ケース体92内の収容空間93に収容されている。
図2に示すように、ケース体92は、Y粗動ステージ(第3ステージ)75A、75BにX方向に延在するように固定されている。すなわち、ケース体92は、基板ステージ2、チューブキャリア76A、76Bと一体的にY方向に移動する構成となっている。
なお、用力供給部材TBの用力供給部材TBYに接続される他端は、ケース体92を貫通して設けられている
図4に示すように、ケース体92には、−Z側に開口する開口部92AがX方向に延在して形成されている。図3(b)に示すように、開口部92Aの幅方向(Y方向)の大きさは、チューブ接続部91よりも僅かに大きく設定されている。また、開口部92Aの長さ方向(X方向、第1方向)の大きさは、チューブキャリア76Aと一体的に移動するチューブ接続部91の移動経路よりも大きく設定されており、チューブ接続部91が支障なく円滑に移動可能な大きさに形成されている。
そして、チューブ接続部91には、ケース体92との間に数百nmの隙間をあけて開口部92Aをシールするシール部材94が設けられている。シール部材94は、チューブキャリア76Aとともにチューブ接続部91が一体的にX方向に移動した際にも、開口部92Aが開放されずシール状態を保持できる大きさに形成されている。また、開口部92Aとシール部材94の長さ方向(X方向、第1方向)の大きさは、想定される基板ステージ2のX方向の移動範囲を阻害しないように決められる。本実施形態では、Y粗動ステージ(第3ステージ)75A、75Bにケース体92が固定され、チューブキャリア76A、76Bにシール部材94が固定されるよう構成されているが、これに限定されるものではない。Y粗動ステージ(第3ステージ)75A、75Bにシール部材94を固定し、チューブキャリア76A、76Bにケース体92を固定するように構成してもよい。
シール部材94の開口部92Aとのシール方向(Z方向)の距離(隙間)は、EIコア78の駆動により、チューブキャリア76A、76B、延出部90及びチューブ接続部91の移動させることにより調整・設定される。
ケース体92には、収容空間93を負圧吸引する吸引装置95が接続されている。吸引装置95は、制御装置4の制御により、収容空間93を大気圧よりも低く、第1空間5の気圧(第1気圧)よりも高い気圧(第2気圧)に負圧吸引する。この場合、第2気圧としては、例えば1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
一方、用力供給部材TBYについても、用力供給部材TBと同様に、定盤JBに設けられたケース体96内の収容空間97に一部が収容される。また、ケース体96には、吸引装置と同様に、収容空間97を負圧吸引する吸引装置98が接続されている。
なお、収容空間93と収容空間97とを連通させ、且つケース体92とケース体96とに相対移動自在に連結された連通部材を設け、一基の吸引装置で収容空間93と収容空間97とを一括して負圧吸引する構成としてもよい。
図2に戻り、定盤JBは、平面視矩形状を呈しており、X方向略中央に位置して−Y側の側面から延出する延出部80Aを有し、+Y側の側面からX方向に互いに間隔をあけて延出する延出部80B、80Cを有を有している。各延出部80A〜80Cは、図5に示すように、支持部81により下方からZ方向に支持される。各支持部81は、第1支持部材23に設けられたボールネジ装置等の移動装置82によってZ方向に移動する。移動装置82は、支持部81を介して延出部80A〜80C(定盤JB、ステージ本体53)をZ方向に移動させることにより、ステージ本体53のZ方向の位置を所定位置に設定する。
支持部81は、チャンバ部材19の底壁54に形成された貫通孔54Aに挿通して設けられている。
また、定盤JBの各延出部80A〜80Cの上面(+Z側の面)には、図5に示すように、E型コアとI型コアとの結合によるEIコア型のアクチュエータ84(以下、適宜EIコア84と称する)の可動子84Aがそれぞれ配置されている。これらEIコア84は、いずれも単相の制御信号により駆動制御される、いわゆる単相制御アクチュエータとして用いられる。
EIコア84は、定盤JB(ステージ本体53)に対してZ方向に作用する力を発生させて、XY平面に沿う方向には拘束せず(移動自在とし)、非接触でZ方向に微少量相対移動させて位置決めを行うものであり、各延出部80A〜80Cに設けられ鉄心をなす可動子としてのI型コア84Aと、チャンバ部材SCから突出する腕部57の先端にI型コア84Aと対向して設けられコイル体を有する固定子としてのE型コア84Bとから構成されている。
なお、図示はしていないがチャンバ部材SCの定盤JBと対向する位置には、定盤JB(ステージ本体53)のXY位置を非接触で微調整するアクチュエータの固定子が設けられ、定盤JBには可動子が設けられ、当該アクチュエータを駆動することにより、チャンバ部材SCに対するステージ本体53のXY位置を微調整することができる。このアクチュエータとしては、例えば後述するEIコアやボイスコイルモータ等を用いることができる。
これらEIコア84(のE型コア84B)の駆動は、制御装置CONTによって制御される。EIコア84を同一の大きさ・方向に駆動することで、ステージ本体53をベース部52に対してZ方向に相対移動させることができる。また、EIコア84の駆動量を異ならせることで、ステージ本体53をベース部52に対してθX方向及びθY方向に相対移動させることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
ステージ装置STについては、予め移動装置82を駆動して支持部81を上昇させることにより、ステージ本体53を+Z方向に移動させる。
支持部81に支持されたステージ本体53がEIコア84への受け渡し位置まで移動すると、EIコア84(固定子84B)が+Z方向に作用する力を発生させることにより、可動子84A及び定盤JB(すなわちステージ本体53)が支持部81から非接触となり、XY方向には移動自在にZ方向の所定位置(露光位置)に位置決めされる。
そして、第1空間5は、第1調整装置8によって、真空状態(第1の圧力値)に調整される。また、第2空間15が、第2調整装置17によって、第1空間5の圧力とほぼ同じか、または第1空間5の圧力より高く、かつ大気圧よりも低い圧力(第2の圧力値)に調整される。あるいは、第2空間15が第1空間5よりも低い圧力に設定されるようにしてもよい。第1面11と第2面12とのギャップG1は、ギャップ調整機構35によって所定量に調整されており、第1面11と第2面12との間に形成されたガスシール機構10によって、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。これにより、第1空間5の真空状態、環境が維持される。
マスクMがマスクステージ1に保持されるとともに、基板Pが基板ステージ2に保持された後、制御装置4は、基板Pの露光処理を開始する。マスクMを照明光で照明するために、制御装置4は、光源装置3の発光動作を開始する。
光源装置3の発光動作により光源装置3から射出されたEUV光は、照明光学系ILに入射する。照明光学系ILに入射したEUV光は、その照明光学系ILを進行した後、第1開口9に供給される。第1開口9に供給されたEUV光は、照明光として、第1開口9を介してマスクステージ1に保持されているマスクMに入射する。つまり、マスクステージ1に保持されているマスクMは、光源装置3より射出され、照明光学系ILを介した照明光(EUV光)で照明される。マスクMの反射面に照射され、その反射面で反射した照明光は、マスクMのパターンの像の情報を含む露光光ELとして第1空間5に配置されている投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、その投影光学系PLを進行した後、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
制御装置4は、マスクMのY軸方向への移動と同期して、第2駆動系73A、73Bの駆動により基板PをY軸方向に走査移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。そして、制御装置4は、第1駆動系72の駆動による基板PのX軸方向へのステップ移動と、上記第2駆動系73A、73Bの駆動による基板PのY軸方向への走査移動とを繰り返すことにより、基板PにマスクMのパターンを露光する。
基板Pの移動は、上記第1駆動系72及び第2駆動系73A、73Bの駆動により基板ステージ2を駆動することにより行われるが、定盤JBはEIコア84によりXY方向には移動自在にZ方向に非接触で拘束されている。
このため、運動量保存の法則により、基板ステージ2の移動に応じて、定盤JBが基板ステージ2とは逆方向に移動する。この定盤JBの移動により、基板ステージ2の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を抑制することができる。すなわち、本実施形態において、定盤JBは、所謂カウンタマスとして機能する。
また、上記基板ステージ2のX方向への移動に際しては、ステージ本体53に接続される用力供給部材TBを中継するチューブキャリア76A、76Bが同期して移動することにより、基板ステージ2とチューブキャリア76A、76Bとの間に接続される用力供給部材TBの形状(曲げ状態)を一定に維持することができ、当該用力供給部材TBが変形することにより生じる応力が基板ステージ2に伝わり、基板Pの位置決め精度に悪影響が及ぶことを抑制できる。
チューブキャリア76A、76Bが支持する用力供給部材TBについては、多くの部分がケース体92の収容空間93に収容されているため、当該用力供給部材TBから生じたアウトガスは、吸引装置95によって収容空間93から負圧吸引されて排出される。
ここで、収容空間93に一部が収容されたチューブ接続部91は、チューブキャリア76A、76BのX方向への移動にともなって、延出部90を介して開口部92Aに対してX方向に相対移動するが、チューブ接続部91が移動する際にも常時シール部材94が開口部92Aをシールするため、アウトガスが開口部92Aを介して漏れ出すことが抑制される。
同様に、用力供給部材TBYから生じたアウトガスは、吸引装置98によって収容空間97から負圧吸引されて排出される。
以上、説明したように、本実施形態では、用力供給部材TB、TBYの少なくとも一部をケース体92、96の収容空間93、97に収容しているため、用力供給部材TB、TBYから生じたアウトガスが露光装置構成機器に付着して露光精度を低下させることを抑制できる。また、本実施形態では、吸引装置95、98によって収容空間93、97内のアウトガスを排出できるため、より効果的に露光装置へのアウトガスの悪影響を抑制できる。
そのため、本実施形態では、用力供給部材TB、TBYから生じるアウトガスを考慮して可撓性が低く引き回す際に大きな半径を要する材質の用力供給部材を用いる必要がなくなり、可撓性が高く柔軟性に富む用力供給部材を用いることにより、装置の小型化を実現することが可能になる。
また、本実施形態では、ケース体92に対してチューブ接続部91を相対移動させる際にも、シール部材94がシールするため、開口部92Aを介してアウトガスが漏出することを効果的に抑制できる。さらに、本実施形態では、EIコア78の駆動により、シール部材94をシール方向に駆動することにより、ケース体92とシール部材94との隙間量を微調整することができるため、アウトガスの種類、露光装置EXに要求される精度等に応じて適切な隙間量に容易に設定することが可能である。しかも、本実施形態では、収容空間93の気圧を周囲の第1空間5の気圧よりも高く設定しているため、気圧差によってシール部材94がケース体92に押し付けられた状態で摺動することで、露光精度の低下を招きかねないパーティクルを生じさせることを回避できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、露光装置EXが真空環境下(負圧環境下)で露光処理を行われる構成として説明したが、これに限定されるものではなく、大気圧環境下(空気雰囲気下や窒素ガス、アルゴンガス等の他のガス雰囲気下)であっても適用可能であり、上記と同様の作用・効果を得ることができる。
また、上記形態では、シール部材94とケース体92との隙間を調整するアクチュエータとして、Xガイドバー40に対するチューブキャリア76A、76BのZ方向の位置を調整するEIコア78を用いる構成としたが、これに限られるものではなく、シール部材94とケース体92との隙間を調整するために専用のアクチュエータを用いる構成としてもよい。この場合、固定子をケース体92に設け、可動子をシール部材94に設ければよい。
さらに、上記実施形態では、用力供給部材TB、TBYの一部をケース体の収容空間に収容する構成としたが、用力供給部材TB、TBYの全部を収容する構成としてもよい。
また、上記実施形態ではステージ装置STに本発明を適用した場合について説明したが、マスクステージ1にも適用することができ、更にはマスクステージ1とステージ装置STの両ステージに適用することも可能である。
また、露光装置以外でも本発明を使用することができる。例えば、精度が要求される工作機械のステージ装置などで用力を用いる際にも本発明は有効である。本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
なお、上記各実施形態の基板(物体)としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、本実施形態においては、露光光ELがEUV光である場合を例にして説明したが、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いることもできる。その場合、第1空間5は必ずしも真空状態に調整される必要はなく、例えば第1空間5を第1のガスで満たすことができる。第1空間5を第1のガスで満たす場合、第1のガスが満たされた第1空間5の環境を維持するために、本実施形態のガスシール機構10を用いることができる。また、第2部材16で形成される第2空間15を第2のガスで満たすことができる。
また、本発明は、基板ステージ(ウエハステージ)が複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本発明の実施形態による露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図6は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図7は、半導体デバイスの場合におけるステップS13の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
また、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99/34255号、WO99/50712号、WO99/66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等に開示されている。
本発明の実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。 ステージ装置STの外観斜視図である。 可動子(粗動ステージ)から基板ステージを離脱させた図である。 用力供給部材を収容するケース体周辺の断面図である。 ステージ本体の支持を説明する図である。 本発明のマイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 図6におけるステップS13の詳細工程の一例を示す図である。
符号の説明
EX…露光装置、 M…マスク(レチクル)、 P…基板、 ST…ステージ装置、 TB、TBY…用力供給部材、 5…第1空間(所定空間)、 52…ベース部、 53…ステージ本体、 56…一括供給管(一括供給部材)、 75A、75B…可動子(粗動ステージ、第3ステージ)、 76A、76B…チューブキャリア(第2ステージ)、 78…EIコア(駆動装置)、 81…支持部、 82…移動装置、 92、96…ケース体、 93、97…収容空間、 94…シール部材

Claims (9)

  1. ステージ本体と、該ステージ本体に用力を供給する用力供給部材とを有するステージ装置であって、
    前記用力供給部材の少なくとも一部を収容する収容空間を有するケース体が設けられるステージ装置。
  2. 前記用力供給部材を保持して、前記ステージ本体と第1方向に同期移動する第2ステージを有し、
    前記ケース体は、前記第2ステージの少なくとも一部を収容する請求項1記載のステージ装置。
  3. 前記ステージ本体及び前記第2ステージと、前記第1方向と交差する第2方向に同期移動する第3ステージを有し、
    前記ケース体は、前記第2ステージと前記第3ステージの少なくとも一方に設けられる請求項2記載のステージ装置。
  4. 前記ケース体は、前記第1方向に延在して設けられた開口部を有し、
    前記第2ステージは前記開口部をシールして前記第1方向に関して前記ケース体との間で相対移動可能なシール部材を有する請求項3記載のステージ装置。
  5. 前記シール部材を前記開口部とのシール方向に駆動する駆動装置を有する請求項4記載のステージ装置。
  6. 前記駆動装置は、前記第2ステージと前記第3ステージとの間に相対移動が発生するような駆動力を生成する請求項5記載のステージ装置。
  7. 前記収容空間を負圧吸引する吸引装置を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のステージ装置。
  8. 前記ステージ本体は、大気圧よりも低い第1気圧の負圧環境下に配置され、
    前記吸引装置は、前記収容空間を前記大気圧よりも低く、且つ前記第1気圧よりも高い第2気圧に負圧吸引する請求項7記載のステージ装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のステージ装置を備える露光装置。
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