JP2010078056A - 油孔の密封栓構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリパ5aの小型化及び軽量化を図りつつ、直線状通油孔20b内の圧油の圧力変化が生じた場合でも、この直線状通油孔20bの一端部を塞ぐ部分球体48の変形を十分に抑える事ができる構造を実現する。
【解決手段】直線状通油孔20bの一端部に設けた大径部44に雌ねじ部46を形成すると共に、この雌ねじ部44にねじ体47を結合固定する。このねじ体47の一端面に設けた押圧部49を、半球状の部分球体48の片側に設けた平面状の受圧部59に押し付ける。この部分球体48の半球面部60をテーパ面45に液密に押し付ける事により、上記直線状通油孔20bの一端部を塞ぐ。
【選択図】図1

Description

この発明は、油圧を利用する部品(油圧部品)の通油路を構成する為に設けた油孔の一部を塞ぎ、この油孔内の圧油の圧力を適正に保持する為の密封栓構造の改良であって、例えば、自動車の制動に使用するディスクブレーキのうち、ロータの両側にピストンを、互いに対向する状態で設けた、対向ピストン型ディスクブレーキのキャリパの密封栓構造等の改良に関する。
自動車の制動を行なう為に、ディスクブレーキが広く使用されている。ディスクブレーキによる制動時には、車輪と共に回転するロータの軸方向両側に配置された1対のパッドを、ピストンによりこのロータの両側面に押し付ける。この様なディスクブレーキとして従来から各種構造のものが知られているが、ロータの両側にピストンを、互いに対向する状態で設けた、対向ピストン型ディスクブレーキは、安定した制動力を得られる事から、近年使用例が増えている。例えば、図15は、特許文献1に記載された対向ピストン型のディスクブレーキの従来構造の第1例を示している。この対向ピストン型のディスクブレーキ1は、ロータ2を挟む両側位置にアウタボディ部3及びインナボディ部4から成るキャリパ5を設け、これら各ボディ部3、4内にアウタシリンダ及びインナシリンダを、それぞれの開口部を上記ロータ2を介して互いに対向させた状態で設けている。そして、これらアウタシリンダ及びインナシリンダ内にアウタピストン及びインナピストンを、液密に、且つ上記ロータ2の軸方向に関する変位自在に嵌装している。又、上記アウタボディ部3にはアウタパッドを、上記インナボディ部4にはインナパッドを、それぞれ上記ロータ2の軸方向に変位自在に支持している。
制動時には、上記アウタシリンダ及びインナシリンダ内に圧油を送り込み、上記アウタピストン及びインナピストンにより、上記アウタパッド及びインナパッドを、上記ロータ2の内外両側面に押し付ける。尚、図15に示した特許文献1に記載された構造の場合には、互いに別個に形成した上記アウタボディ部3とインナボディ部4とを、複数本の結合ボルトにより結合して、上記キャリパ5としている。この様にアウタ、インナ両ボディ部3、4を複数本の結合ボルトにより結合する場合、結合作業に手間を要する。
これに対して、図16〜17は、特許文献2に記載された従来構造の第2例を示している。この特許文献2に記載された従来構造の第2例のディスクブレーキ1の場合には、アウタ、インナ両ボディ部3a、4aを一体とした(一体成形した)キャリパ5aを設けている。このキャリパ5aは、上記両ボディ部3a、4a同士を、ロータ2の周方向(図16の左右方向、図17の表裏方向)両端部に設けた1対の連結部18a、18bと、同じく中央部に設けた中間リブ19(図17)とにより互いに連結している。又、上記キャリパ5aの、この中間リブ19を含むロータ2の周方向中央部に、3本の直線状通油孔20a〜20cを備えた通油路21を設けている。これら3本の直線状通油孔20a〜20cのうち、両側の1対の直線状通油孔20a、20cの一端は、1対のアウタシリンダ7、7同士、及び、1対のインナシリンダ8、8同士をそれぞれ連通させる第二の直線状通油孔22、22の中間部に通じさせている。又、インナボディ部4aの側面に一端を開口させた給排口12の他端を、このインナボディ部4aの内部に設けた第二の直線状通油孔22の中間部に通じさせている。
この様な図16〜17に示した、特許文献2に記載された対向ピストン型ディスクブレーキの場合、アウタ、インナ両ボディ部を結合ボルトにより結合する必要がなくなり、組立作業を容易に行なえる。但し、図16〜17に示した構造で、通油路21を構成する3本の直線状通油孔20a〜20cを形成する為には、キャリパ5aにドリル、リーマ等の加工工具により、孔あけ加工を行なう必要がある。この様にキャリパ5aに孔あけ加工を行なう場合、各直線状通油孔20a〜20cの一端が、キャリパ5aの外面に開口してしまう。この為、孔あけ加工後に、これら各直線状通油孔20a〜20cの一端開口を気密且つ液密に塞ぐ密封栓を取り付ける必要がある。
従来から、この様な各直線状通油孔20a〜20cの端部開口を塞ぐ為の密封栓として、高圧気体を封入する為の容器に設けた気体取り入れ口の内側を塞ぐ為の密封栓と同じ構造を有するものを使用する事が考えられている。図18は、この様な密封栓のうち、特許文献3に記載された高圧アキュムレータ25の、気体取り入れ口26を塞ぐ為の密封栓27を示している。この図18に示した高圧アキュムレータ25は、ケース28及びプレート29を一体に結合して成る容器30と、この容器30の内側に支持されたダイヤフラム31とを備える。上記ケース28に設けた第一の凹部32とこのダイヤフラム31とにより、窒素等の高圧気体を封入する為の高圧室33を構成しており、上記プレート29の内側でダイヤフラム31に関して上記高圧室33とは反対側に、第二の凹部34を形成している。この第二の凹部34の底部は、図示しない高圧燃料ポンプから燃料をデリバリパイプに送る為の吐出通路に通じさせている。
又、上記ケース28に設けた第一の凹部32の底部には、気体取り入れ口26の一端を開口させており、この気体取り入れ口26の内側を密封栓27により塞いでいる。この密封栓27は、図19に示す構造と同様のもので、上記気体取り入れ口26と、この気体取り入れ口26の内側にそれぞれ設けた、栓に対応する鋼球39と、押圧部材に対応するねじ体40とを備える。このうちの気体取り入れ口26は、小径部35と、この小径部35よりも直径が大きくなった大径部36と、これら小径部35と大径部36との連続部に設けたテーパ面37とを備える。又、上記大径部36の外端側(図18、19の上端側)開口寄りに雌ねじ部38を設けており、この雌ねじ部38に、上記ねじ体40の外周面に設けた雄ねじ部46を螺合し更に緊締する事で、この雌ねじ部38にねじ体40を結合固定している。このねじ体40は、大径の頭部を持たない杆状である。そして、このねじ体40の一端面(図18、19の下端面)に設けた押圧部41を鋼球39に押し付け、この鋼球39を上記テーパ面37に押し付けている。この結果、これら鋼球39とテーパ面37との間が密封される。尚、図示の例の場合には、上記ねじ体40の雄ねじ部46を雌ねじ部38に結合固定する為に、このねじ体40の他端面(図18、19の上端面)に断面六角形の係止孔42を形成している。
上述の様に構成する図18〜19に示した高圧アキュムレータ25の密封栓構造によれば、上記気体取り入れ口26の外端側開口部を密封できる。又、図20に示す様に、ねじ体40の他端面(図20の上端面)を気体取り入れ口26の外端側開口の端縁から内端側(図20の下端側)に進入させた状態で、テーパ面37に鋼球39を押し付ける事も、従来から考えられている。そして、上述の様な図18〜20に示した、高圧アキュムレータ25の気体取り入れ口26を塞ぐ密封栓27と同様の構造を、前述の図16〜17に示したディスクブレーキ用のキャリパ5aの油孔である、直線状通油孔20a〜20cの一端開口を塞ぐ部分に使用する事が、従来から考えられている。
但し、上述の図19、20に示した何れの密封栓構造の場合も、ねじ体40の一端面に設けた平面状の押圧部41により、鋼球39の球面部を押圧し、この鋼球39をテーパ面37に押し付けている。この為、図19、20に示した構造を、キャリパ5aに設けた直線状通油孔20a〜20c(図16、17)の一端を塞ぐ部分に使用した場合に、直線状通油孔20a〜20c内に存在する圧油の圧力変化により、上記鋼球39に発生する歪みが大きくなってしまう。即ち、この鋼球39の球面部とねじ体40の押圧部41との接触部が1個所のみの点接触となる為、これら鋼球39とねじ体40とに加わる軸力の変化に対して、この鋼球39に発生する最大歪みが大きくなり、この鋼球39に、潰れ(永久変形)に繋がる一次変形(弾性変形)が生じ易くなる。この鋼球39の弾性変形量が大きくなった場合には、ディスクブレーキ1でシリンダ7、8からピストンを押し出すべくキャリパ5aの内部に給排口12(図16、17参照)を通じて圧油を送り込む場合に、所定の液圧を発生させる為の圧油の送り込み量が、鋼球39が全く変形しないと仮定した場合に比べて多くなってしまう(損失液量が多くなってしまう)。又、鋼球39に生じる歪みが過大になった場合には、この鋼球39が潰れて(塑性変形して)、この鋼球39とテーパ面37との間の密封性を長期間に亙り有効に確保できなくなる可能性もある。
又、上記鋼球39により直線状通油孔20a〜20cの端部を塞ぐ場合には、球体状の鋼球39とねじ体40とにより構成する密封栓構造全体の軸方向長さが大きくなる。この軸方向長さが大きくなる事は、上記直線状通油孔20a〜20cの長さが大きくなる原因となり、キャリパ5a(図16、17参照)全体が大型化したり、このキャリパ5aの重量が大幅に増大する事に繋がる為、好ましくない。
実開平5−27364号公報 米国特許出願公開第2004/0216967号明細書 特開平11−280904号公報
本発明の油孔の密封栓構造は、上述の様な事情に鑑みて、油孔を設けた部材の小型化及び軽量化を図りつつ、この油孔を流れる圧油の圧力変化が生じた場合でも、この油孔の一部を塞ぐ栓の変形を十分に小さく抑えるべく発明したものである。
本発明の油孔の密封栓構造は何れも、油孔に設けられた大径部及び小径部と、この大径部の内側に設けられた栓とを備え、この栓の一端面を、上記大径部と小径部との連続部に設けられたシール面に押し付ける事により、上記油孔の一部を液密に塞いでいる。
そして、請求項1に記載した油孔の密封栓構造にあっては、上記大径部の内側に固定された押圧部材を固定すると共に、この押圧部材の一端面に設けられた押圧部を、上記栓の他端面に設けられた平面状の受圧部に押し付けている。
尚、上記「シール面」は、シール面の面部分だけでなく、角部(縁部)も含む。即ち、本発明は、上記栓の一端面を上記シール面の角部(縁部)のみに押し付ける場合も含む(本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)。
又、請求項4に記載した油孔の密封栓構造にあっては、上記栓の外周面に一体に設けられた雄ねじ部を上記大径部に設けられた雌ねじ部に螺合し緊締する事により、この大径部の内側に上記栓を固定している。
又、請求項1に記載した構成に於いて好ましくは、請求項2に記載した様に、上記栓の外面を、球面の一部から成る部分球面部と、平面状の受圧部とにより構成する。
又、より好ましくは、請求項3に記載した様に、上記押圧部材をねじ体とし、このねじ体の雄ねじ部を上記大径部に設けた雌ねじ部に螺合し緊締する事により、このねじ体に設けた押圧部を上記栓に設けた平面状の受圧部に押し付けている。
又、請求項1〜4に記載した構成に於いて、好ましくは、請求項5に記載した様に、上記栓のうちの上記シール面と対向する部分に曲面部を設け、この曲面部を、曲線が上記栓の中心軸を中心として回転した場合に得られる形状により構成している。
上述の様に構成する本発明の油孔の密封栓構造によれば、油孔を設けた部材の小型化及び軽量化を図りつつ、この油孔を流れる圧油の圧力変化が生じた場合でも、この油孔の一部を塞ぐ栓の変形を十分に小さく抑える事ができる構造を得られる。
即ち、請求項1に記載した構成の場合には、油孔の大径部に固定した押圧部材の一端面に設けた押圧部を、栓の他端面に設けた平面状の受圧部に押し付けている。この為、上記押圧部材と栓との接触部を多くでき、この接触部に作用する面圧を低く抑える事ができる。従って、上記油孔を流れる圧油の圧力変化によりこの油孔の一部を塞ぐ栓に軸力が加わる場合でも、この栓の弾性変形を十分に小さく抑える事ができる。この結果、例えば、ディスクブレーキ用キャリパの、シリンダに圧油を送り込む為の通油路を構成する直線状通油孔の端部を塞ぐ部分に本発明を適用した場合に、所定の油圧を発生させる為のキャリパ内への圧油の送り込み量の増大量(損失液量の増大量)を、十分に少なく抑える事ができる。又、上記栓に加わる軸力に拘らず、この栓の潰れを有効に防止できる為、この栓とシール面との間の密封性を長期間に亙り有効に確保できる。又、栓のうち、押圧部材を押し付ける部分を球面状とする場合に比べて、栓の軸方向長さを短くできる為、油孔の長さも短くでき、この油孔を設けた部材の小型化及び軽量化を図り易くなる。
又、請求項4に記載した構成の場合には、栓の外周面に一体に設けた雄ねじ部を上記大径部に設けた雌ねじ部に螺合し緊締する事により、この大径部の内側に上記栓を固定している。この為、この大径部に、上記栓とは別体の部材を固定し、更にこの別体の部材をこの栓に押し付ける必要がなくなる。この為、部品点数の削減を図れる。又、上記栓と、上記別体の部材との軸力伝達(の構造)を工夫する必要が生じなくなり、上記油孔を流れる圧油の圧力変化によりこの油孔の一部を塞ぐ栓に軸力が加わる場合でも、この栓の弾性変形量を十分に小さく抑える事ができる。更に、栓に、大径部に固定する雄ねじ部と、シール面に押し付ける部分とを設けるのにも拘らず、この栓の全長を短くできる為、油孔の長さを短くでき、この油孔を設けた部材の小型化及び軽量化を図り易くなる。
又、請求項2に記載した構成によれば、栓を、鋼球等の球体の一部を削り落とす事により構成する事ができ、この栓を容易に製造できる。
又、請求項3に記載した構成によれば、押圧部材を油孔に結合する作業を、容易に行なえる。しかも、押圧部材の雄ねじ部を雌ねじ部に結合する為の締め付けトルクを変える事により、栓の歪み量を容易に変化させる事ができる。この為、栓とシール面との間の密封状態の管理を容易に行なえる。これに対して、前述の図19〜20に示した密封栓構造を油孔の端部を塞ぐ部分に使用した場合には、ねじ体と鋼球との接触部が1個所のみの点接触になる事により、この鋼球に発生する軸力の増大に伴って、接触部の面積が微視的に大きく変化する。この場合には、鋼球に発生する軸方向の歪み量と、ねじ体の締め付け量(締め付け回転角度)との関係が直線的な比例関係にならず、油孔内の圧油の圧力を適正に保持する為の、ねじ体の締め付けトルクの設計的な設定が、鋼球及びねじ体の材質、形状の違いに大きく影響を受け、大きく変化する。請求項3に記載した構成によれば、押圧部材と栓との接触部を平面にする事ができ、しかも、押圧部材がねじ体である為、このねじ体の、雌ねじ部に対する締め付け量(締め付け回転角度)と、栓に発生する軸方向の歪み量との関係を、直線的な比例関係にでき、密封状態の管理を、この締め付け回転角度を調整する事により容易に行なえる。又、上記ねじ体と栓とを異なる材料により構成する場合、これら両部材の温度変化による熱膨張差に基づく軸力の低下を考慮する必要がある。但し、請求項3に記載した構成の場合には、栓の軸方向長さを短くできる為、この栓を使用時の温度変化に拘らず収縮しにくくでき、この栓とねじ体とに加わる軸力が過度に低下するのを防止できる。
又、請求項5に記載した構成によれば、栓を組み付ける際にこの栓が大径部の内側で回転した場合でも、油孔の端部の密封性が低下するのを有効に防止できる。又、上記大径部の内側に栓を組み付ける際の、この栓の回転方向の位相を規制する必要がなくなり、組み付け作業を容易に行なえる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の油孔の密封栓構造の特徴は、ディスクブレーキ用のキャリパ5aに設けた通油路21を構成する、油孔である直線状通油孔20b{他の直線状通油孔20a、20c(図16、17参照。)の場合も同様。}の端部を液密に塞ぐ部分の構造にある。キャリパ5aのその他の基本的構造自体は、前述の図16〜17に示した従来構造の第2例のディスクブレーキ1を構成するキャリパ5aと同様である。よって、前述の図16〜17に示した従来構造の第2例のキャリパ5aと同等部分には同一符号を付して、重複する図示並びに説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、直線状通油孔20bの一端(図1の右端)をキャリパ5aの外面に開口させている。この直線状通油孔20bの一端寄り部分は、奥端側(図1の左端側)の小径部43と、開口端側(図1の右端側)で、この小径部43の直径よりも大きい直径を有する大径部44と、この大径部44と上記小径部43との連続部に設けたテーパ面45とを備える。このうちの大径部44は、開口端寄り内周面に雌ねじ部46を設けている。そして、この大径部44に押圧部材である、ねじ体47を結合固定すると共に、このねじ体47の一端面(図1の左端面)を、栓である半球状の部分球体48の片側(図1の右側)に押し付け、この部分球体48の他側(図1の左側)を上記テーパ面45に押し付けている。このテーパ面45は、請求項に記載したシール面に対応するもので、直線状通油孔20bの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状を、直線又は円弧等の曲線から成るハ字形に広がった形状としている。
上記ねじ体47は、大径の頭部を持たない杆状で、一端面に、中心軸に対し直交する平面状の押圧部49を、他端面(図1の右端面)の中心部に係止孔50を、それぞれ設けている。例えば、上記ねじ体47として、SCM435等の鋼製で、M5×0.5の寸法のものを使用する。又、上記係止孔50は、六角レンチ等の工具を係合させる為のもので、断面六角形に形成している。
上記部分球体48は、従来から広く知られているパチンコ玉の製造方法と同様にして造った鋼球51{図2(D)}の半部を削る事により造っている。例えば、この鋼球51を造る為に、図2(A)に示す様に、SUJ2の如き軸受鋼等の鋼製の線材を所定長さに切断する事により、丸棒状素材52を製造した後、図2(B)に示す様に、この丸棒状素材52の軸方向両側から、ボールヘッダ53によりプレス加工を行なう。このボールヘッダ53は、それぞれの片側に半球面を設けた1対の金型54、54を備えており、これら両金型54、54で上記丸棒状素材52を軸方向両側から押圧する事により、この丸棒状素材52を、図2(C)に示す様な球体状素材55に加工する。次いで、この様にして造った球体状素材55に、図2(D)に示す様に、互いに相対回転する1対の円板56、56を備えた鋼球研磨機57で研削加工を施す事により、上記球体状素材55の外面に生じたバリ58{図2(C)}を取り除いた鋼球51を造る。この鋼球51は、例えば、直径3.5mm程度で、JIS B1501の等級20に相当するものとする。その後、この様にして造った鋼球51を、作業者が治具により小さな力でクランプしながら、半部を少しずつ削る事で片側に平面状の受圧部59(図1)を設ける事により、前記部分球体48を造る。この様にして造った部分球体48の外面は、半球面部60と平面状の受圧部59とにより構成する。このうちの半球面部60は、曲線である半円を上記部分球体48の中心軸を中心として回転させた場合に得られる形状を有する。
上記直線状通油孔20bの一端部を塞ぐ際には、上記部分球体48を前記直線状通油孔20bの一端開口寄り部分に設けた大径部44の内側に配置した状態で、この大径部44に設けた雌ねじ部46に、前記ねじ体47の雄ねじ部61を螺合し、更に緊締する。この雄ねじ部61の螺合、緊締作業は、上記ねじ体47の他端面に設けた係止孔50に、六角レンチ等の工具を係合させつつ行なう。そして、このねじ体47の押圧部49を上記部分球体48の受圧部59に押し付け、この部分球体48の半球面部60をテーパ面45に、液密に押し付ける。この結果、上記直線状通油孔20bの一端開口部が液密に塞がれる。
上述の様に構成する本例の油孔の密封栓構造によれば、直線状通油孔20bを設けた部材である、キャリパ5aの小型化及び軽量化を図りつつ、この直線状通油孔20bを流れる圧油の圧力変化が生じた場合でも、この直線状通油孔20bの一端部を塞ぐ部分球体48の変形を十分に抑える事ができる構造を得られる。
即ち、本例の場合には、上記部分球体48に設けた平面状の受圧部59に、大径部44に固定したねじ体47の一端面に設けた押圧部49を押し付けている。この為、上記部分球体48とねじ体47との接触部を多くでき、特に本例に於いては押圧部49を平面状とし、接触部の面積を大きくしているので、この接触部に作用する面圧を十分に低く抑える事ができる。従って、キャリパ5aを含むディスクブレーキを車両に組み付けた状態で、制動の為に、上記直線状通油孔20bを流れる圧油の圧力が上昇する等、変化する事により、この直線状通油孔20bの端部を塞ぐ部分球体48に軸力が加わる場合でも、この軸力に基づくこの部分球体48の弾性変形を十分に小さく抑える事ができる。
この結果、本例の様に、キャリパ5aのアウタシリンダ7及びインナシリンダ8(図16、17参照)に圧油を送り込む為の通油路21を構成する直線状通油孔20bの端部を塞ぐ部分に本発明を適用した場合に、所定の油圧を発生させる為にキャリパ5a内に送り込む圧油の送り込み量の、上記部分球体48が全く変形しないと仮定した場合に対する増大量(損失液量の増大量)を、十分に少なく抑える事ができる。又、上記部分球体48に加わる軸力に拘らず、この部分球体48の潰れ(永久変形)を有効に防止できる為、この部分球体48とテーパ面45との間の密封性を長期間に亙り有効に確保できる。更に、本例によれば、部分球体48の軸方向長さL48を、この部分球体48を完全な球体状とする場合に比べて短くできる為、上記直線状通油孔20bの長さも短くでき、この直線状通油孔20bを設けたキャリパ5aの小型化及び軽量化を図り易くなる。
又、本例の場合には、部分球体48の外面を、球面の一部から成る半球面部60と、平面状の受圧部59とにより構成している。この為、本例の様に、上記部分球体48を、球体である鋼球51{図2(D)}の半部を削り落とす事により構成する事ができ、この部分球体48を容易に製造できる。
又、本例の場合には、ねじ体47の雄ねじ部61を、直線状通油孔20bの一端部に設けた雌ねじ部46に螺合し緊締する事により、上記ねじ体47に設けた押圧部49により上記部分球体48の受圧部59を押圧している。この為、上記ねじ体47を直線状通油孔20bの端部に結合する作業を容易に行なえる。しかも、このねじ体47を雌ねじ部46に結合する為の締め付けトルクを変える事により、上記部分球体48の歪み量を目標となる大きさになる様に、言い換えれば、所謂計算通りに容易に変化させる事ができる。この為、この部分球体48とテーパ面45との間の密封状態の管理を容易に行なえる。
これに対して、前述の図19〜20に示した密封栓構造を上記直線状通油孔20bの端部を塞ぐ部分に使用した場合には、ねじ体40と鋼球39との接触部が1個所のみの点接触になる事により、この鋼球39に発生する軸力の増大に伴って、接触部の面積が微視的に大きく変化する。この場合には、鋼球39に発生する軸方向の歪み量と、ねじ体40の締め付け量(締め付け回転角度)との関係が直線的な比例関係にならず、直線状通油孔20b内の圧油の圧力を適正に保持する為の、ねじ体40の締め付けトルクの設計的な設定が、鋼球39及びねじ体40の材質、形状の違いに大きく影響を受け、大きく変化する。これに対して、本例の場合には、ねじ体47と部分球体48との接触部を平面にする事ができる為、このねじ体47の、雌ねじ部46に対する締め付け量(締め付け回転角度)と、部分球体48に発生する軸方向の歪み量との関係を、直線的な比例関係にでき、密封状態の管理を、この締め付け回転角度を調整する事により容易に行なえる。又、上記ねじ体47と部分球体48とを異なる材料により構成する場合、これら両部材47、48の温度変化による熱膨張差に基づく軸力の低下を考慮する必要がある。但し、本例の場合には、部分球体48の軸方向長さL48を短くできる為、この部分球体48を使用時の温度変化に拘らず収縮しにくくでき、この部分球体48とねじ体47とに加わる軸力が過度に低下するのを防止できる。
更に、本例の場合には、部分球体48のうちのテーパ面45と対向する端部に、半球面部60を設けている。この半球面部60は、曲線である半円を上記部分球体48の中心軸を中心として回転させた場合に得られる形状を有する。この為、部分球体48を組み付ける際にこの部分球体48が大径部44の内側で回転した場合でも、上記直線状通油孔20bの一端部の密封性の低下を有効に防止できる。又、上記大径部44の内側に部分球体48を組み付ける際の、この部分球体48の回転方向の位相を規制する必要がなくなり、組み付け作業を容易に行なえる。
[実施の形態の第2例]
次に、図3は、やはり請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述の第1例の場合に比べて、ねじ体47の他端面(図3の右端面)を直線状通油孔20bの一端側開口端縁よりも奥側に進入させている。そして、この状態で、部分球体48の半球面部60をテーパ面45に押し付けている。その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
次に、図4は、やはり請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、テーパ面45に押し付ける部材として、半球状の部分球体48(図1、3参照)を使用せず、その代わりに、鋼球51{図2(D)参照}の直径の1/4の長さの端部のみを残した如き形状を有する、第二の部分球体62を使用している。この為に、鋼球51の直径の1/4の長さの端部だけを残し、鋼球51の他の部分を削り落とす事により、上記第二の部分球体48を造っている。そして、直線状通油孔20bの一端寄り(図4の右端寄り)に設けた大径部44に固定したねじ体47の平面状の押圧部49を、上記第二の部分球体48に設けた平面状の受圧部59aに押し付け、この第二の部分球体48の部分球面部63をテーパ面45に押し付ける事により、上記直線状通油孔20bの一端部(図4の右端部)を液密に塞いでいる。
この様な本例の場合には、上述した各例の場合よりも、栓である第二の部分球体62の軸方向長さを、より短くできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図3に示した第2例の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
尚、本例の場合に於いて、ねじ体47の一端面(図4の左端面)に雄ねじ部61の外径よりも小径の柱部を一体に設けると共に、この柱部の先端面に設けた平面状の押圧部を、上記第二の部分球体48に設けた平面状の受圧部59aに押し付け、この第二の部分球体48の部分球面部をテーパ面45に押し付ける構成を採用する事が、雌ねじ部46の加工性を向上させる面からより好ましい。
[実施の形態の第4例]
次に、図5は、やはり請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、テーパ面45に押し付ける部材として、鋼球51{図2(D)参照}の直径の3/4の長さの端部のみを残した如き形状を有する第三の部分球体64を使用している。この為に、鋼球51の直径の3/4の長さの端部だけを残し、鋼球51の他の部分を削り落とす事により、上記第三の部分球体64を造っている。そして、直線状通油孔20bの一端寄りに設けた大径部44に固定したねじ体47の平面状の押圧部49を、上記第三の部分球体64に設けた平面状の受圧部59bに押し付け、この第三の部分球体64の部分球面部63aをテーパ面45に押し付ける事により、上記直線状通油孔20bの一端部を、液密に塞いでいる。
この様な本例の場合には、栓である第三の部分球体64の軸方向長さが、上述した各例の場合よりも長くはなる。但し、前述の図19〜20に示した様な、栓として鋼球39を使用する場合よりは、栓の軸方向長さを短くできる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
尚、上述した各例では、ねじ体47の一端面に平面状の押圧部49を設けているが、この押圧部49は、平面状としたものに限定するものではない。例えば、図6に示す様に、前述の図1に示した実施の形態の第1例に於いて、ねじ体47の一端面(図6の左端面)に筒状突部88を一体に設け、この筒状突部88の先端縁を尖らせる様にする事もできる。この先端縁は、ねじ体47の中心軸に対し直交する仮想平面上に位置している。この場合には、上記筒状突部88の先端縁が押圧部49aとなる。この押圧部49aは、平面状とならず円形となる。但し、この押圧部49aを、栓である部分球体48の平面状の受圧部59に押し付ける事により、この部分球体48と上記ねじ体47との接触部を多くできる。この為、この接触部に作用する面圧を十分に低く抑える事ができる。又、この様な構造以外にも、上記ねじ体47の一端面に複数の突起を設けると共に、これら突起の先端をこのねじ体47の中心軸に対し直交する仮想平面上に位置させる事により、これら突起の先端を、部分球体48の受圧部59に押し付ける押圧部とする事もできる。
[実施の形態の第5例]
次に、図7は、請求項4、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、上述した各例の場合と異なり、栓である、軸体65の基端寄り(図7の右端寄り)外周面に一体に設けた雄ねじ部61を、雌ねじ部46に螺合し、更に緊締する事により、上記軸体65を上記大径部44の内側に固定している。又、この軸体65の先端面(図7の左端面)に半球状の突部66を一体成形しており、この突部66の先端面をテーパ面45に、液密に押し付けている。又、上記軸体65の基端面(図7の右端面)の中心部に断面六角形の係止孔50を設けている。この軸体65の基端面は、上記直線状通油孔20bの一端側開口端縁よりも奥側に進入させている。この様な本例の場合には、軸体65が、前述の図3に示した実施の形態の第2例で、ねじ体47と半球状の部分球体48とを一体に結合した如き構成を有する。
上述の様に構成する本例の場合には、上記大径部44に、上記軸体65とは別体の部材を固定し、更にこの別体の部材をこの軸体65に押し付ける必要がなくなる。この為、部品点数の削減を図れる。又、上記軸体65と、上記別体の部材との軸力伝達(の構造)を工夫する必要が生じなくなり、上記直線状通油孔20bを流れる圧油の圧力変化によりこの直線状通油孔20bの端部を塞ぐ軸体65に軸力が加わる場合でも、この軸体65の弾性変形を十分に小さく抑える事ができる。更に、テーパ面45に押し付ける半球状の突部66と、軸体65を大径部44に固定する部分である雄ねじ部61とを設けるのにも拘らず、軸体65の全長を短くできる為、上記直線状通油孔20bの長さも短くでき、キャリパ5aの小型化及び軽量化を図り易くなる。
又、本例の場合には、軸体65のうちのテーパ面45と対向する端部に、半球状の突部66を設けている。この突部66の外面は、曲線である略半円を上記軸体65の中心軸を中心として回転させた場合に得られる形状を有する。この為、この軸体65の組み付け時にこの軸体65が大径部44の内側で回転した場合でも、直線状通油孔20bの端部の密封性が低下するのを有効に防止できる。又、上記大径部44の内側に軸体65を組み付ける際の、この軸体65の回転方向の位相を規制する必要がなくなり、組み付け作業を容易に行なえる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
次に、図8は、やはり請求項4、5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、軸体65aが、前述の図4に示した実施の形態の第3例で、ねじ体47と第二の部分球体62とを一体に結合した如き構成を有する。即ち、本例の場合には、軸体65の先端面に設けた突部66aが、球体の直径の1/4の長さの端部のみを残した如き形状を有する。そして、上記突部66aの先端面を、テーパ面45に液密に押し付けている。
この様な本例の場合には、上述の図7に示した第5例の場合よりも、軸体65aの全長を更に短くできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図7に示した第5例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
次に、図9は、やはり請求項4、5に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、外周面に雄ねじ部61を設けた、軸体65bの本体部67と、半球状の押圧部68とを、小径の柱部69により連結している。この柱部69の直径は、上記押圧部68の基端面(図9の右端面)の直径と、上記本体部67の直径との何れよりも小さくしている。そして、上記押圧部68の先端面をテーパ面45に、液密に押し付けている。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図7に示した第5例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
[実施の形態の第8例]
次に、図10は、やはり請求項4、5に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、上述の図9に示した実施の形態の第7例で、小径の柱部69に直径方向に貫通する通孔70を形成している。この様な構成によれば、軸体65bの軽量化を図れる。尚、小径の柱部69の外周面の円周方向1個所又は複数個所に有底の凹部を形成する事で、軸体65bの軽量化を図る事もできる。
尚、前述の図1〜5に示した実施の形態の第1〜4例、及び、図6に示した別例に於いて、部分球体48、第二、第三の部分球体62、64の代わりに、テーパ面45に押し付ける部分が部分球面状でない曲面部である栓を使用する事もできる。又、上述の図7〜10に示した実施の形態の第5〜8例に於いて、軸体65、65a、65bに設ける突部66、66a、押圧部68の先端面の形状を、部分球面でない曲面とする事もできる。又、上述した各例の場合には、ねじ体47又は軸体65、65a、65bの端面に断面六角形の係止孔50を形成し、この係止孔50に六角レンチ等の工具を係合自在としている。但し、この係止孔50の代わりに、上記ねじ体47又は軸体65、65a、65bの端面に直線状又は十字状の係止溝を形成し、この係止溝にマイナスドライバ又はプラスドライバを係合自在とする事もできる。
又、上述した各例の密封栓構造は、前述の図16〜17に示した従来構造の第2例のディスクブレーキ1を構成するキャリパ5aの直線状通油孔20b(20a、20c)の端部を塞ぐ部分に使用する場合に就いて説明した。但し、上述した各例の密封栓構造を適用するキャリパの構造は、上記図16〜17に示した様なキャリパ5aの構造に限定するものではなく、外面に油孔の端部が開口した種々の構造を有するキャリパに上述した各例の密封栓構造を適用できる。例えば、図11〜14は、上述した各例の密封栓構造を適用できる別例のキャリパ5bを示している。
このキャリパ5bは、アルミニウム合金等の軽合金、或は鉄系合金の鋳造等により一体成形したもので、ロータ2の軸方向(図12、13の上下方向、図14の表裏方向)両側に配置されたアウタボディ部3b及びインナボディ部4bと、これら両ボディ部3b、4bの周方向(図12〜14の左右方向)両端部同士を一体成形によって連結する1対の連結部71a、71bとを備える。ディスクブレーキの車両への取り付け時には、上記1対の連結部71a、71bのうち、一方(図11〜14の右方)の連結部71aが、他方(図11〜14の左方)の連結部71bよりも下側になる様に、キャリパ5bを車体に取り付ける。このキャリパ5bの、ロータ2に関してインナ側(「インナ側」とは、車両への取り付け状態で車両の幅方向中央寄りとなる側を言い、図11、14の裏側、図12の上側、図13の下側。逆に、車両への取り付け状態で車両の幅方向外側となる、図11、14の表側、図12の下側、図13の上側を「アウタ側」と言う。)の周方向両端部に取付孔72、72を設けており、これら各取付孔72、72に挿通した図示しないボルトにより、キャリパ5bを車体に取り付ける。
又、図示の例の場合には、上記両ボディ部3b、4bにそれぞれ3個ずつ、合計6個のアウタ、インナ各シリンダ7、8を設け、これら各シリンダ7、8にアウタピストン(図示せず)とインナピストン73、73(図14)とを、それぞれ液密に且つ上記ロータ2の軸方向の変位自在に嵌装可能としている。
又、上記両ボディ部3b、4bの間で径方向外側に設けられた開口部74の周方向中央部に、補強リブ75を、上記両ボディ部3b、4b同士の間に掛け渡す状態で設けている。更に、上記キャリパ5bに設けた各シリンダ7、8に、圧油を給排自在としている。そして、上記両ボディ部3b、4bと、1対の連結部71a、71bのうちの一方の連結部71aとの内部に通油路76(図13)を設け、この通油路76により、上記各シリンダ7、8のうちの一方の連結部71a側のシリンダ7、8を互いに連通させている。この通油路76は、キャリパ5cの周方向一端部(図11〜14の右端部)にそれぞれ設けた第一〜第三の直線状通油孔77〜79を備える。このうちの第一の直線状通油孔77は、上記ロータ2の軸方向に対し平行に設けている。又、この第一の直線状通油孔77の、上記第二、第三の各直線状通油孔78、79との連結部までの長さL77(図13)を、上記開口部74の幅W74(図13)以上としている(L77≧W74)。
又、上記第二、第三の各直線状通油孔78、79は、第一の直線状通油孔77から離れる程、ロータ2の周方向に関して前記他方の連結部71bに近づく方向にこの第一の直線状通油孔77に対し傾斜する状態で、上記第一の直線状通油孔77の両端に連結している。又、第一〜第三の直線状通油孔77〜79を、キャリパ5bの高さ方向(図12、13の表裏方向、図14の上下方向)に対し直交する同一の仮想平面上に位置させている。尚、キャリパ5bの高さ方向とは、キャリパ5bのうち、ロータ2の径方向内側に向く内側面が下側に向く様に水平面上に支持した状態で上下方向となる、ロータ2の中心軸に対し直交する方向を言う。又、上記第一の直線状通油孔77は、上記一方の連結部71aの、ロータ2の周方向に関して上記開口部74寄り(図13の左寄り)に設けている。
この様な第一〜第三の直線状通油孔77〜79は、上記キャリパ5bに孔あけ加工を施す事により形成している。この為、これら各通油孔77〜79の少なくとも一端は、加工直後にキャリパ5bの外面に開口する。この為に、本例の場合には、これら各通油孔77〜79の一端開口部(図13、14にイ〜ハで囲んだ部分)を、前述の図1〜10に示した実施の形態の第1〜8例及び別例の密封栓構造のうちの何れかにより塞いでいる。
又、前記アウタ、インナ各ボディ部3b、4bに、前記通油路76とは異なる、アウタ側、インナ側、1対の通油路80、81を設けている。これらアウタ側、インナ側両通油路80、81は、各アウタシリンダ7、7同士、及び、各インナシリンダ8、8同士をそれぞれ連通させる通油孔82a、82bと、キャリパ5bの周方向両端寄りに設けた通油孔82c、82cとにより、それぞれ構成している。そして、車両への取り付け状態で、上端面となる、インナ、アウタ各ボディ部3b、4bの、キャリパ5bの周方向他側面(図11〜14の左側面)に1対のブリーダスクリュ83(図14)を結合している。そして、これら各ブリーダスクリュ83により、車両への取り付け状態で最も上端寄りに位置する、アウタ、インナ両ボディ部3b、4bに設けた通油孔82c、82cの上端となる一端開口を塞いでいる。又、車両への取り付け状態で、最も下端寄りに位置する通油孔82c、82cの、上記ブリーダスクリュ83とは反対側の端部開口部(図14にニで囲んだ部分)を、前述の図1〜10に示した実施の形態の第1〜8例及び別例の密封栓構造のうちの何れかにより塞いでいる。
車両への取り付け状態では、インナシリンダ8に通じる給排口84にブレーキホースの端部を接続し、このブレーキホースから各シリンダ7、8へ圧油の給排を自在とする。又、図示の例の場合、キャリパ5bの1対の連結部71a、71bのうち、他方の連結部71bには、アウタシリンダ7及びインナシリンダ8同士を連通させる通油路を設けていない。
この様なキャリパ5bの使用時には、このキャリパ5bの内側にインナ、アウタ各パッド16a(インナパッド16aのみ図14に示し、アウタパッドの図示を省略する。)を、ロータ2の軸方向の変位自在に支持する。この為に、上記各連結部71a、71bの内径側面(図11、14の下側面、図12の裏側面、図13の表側面)に結合固定した第一、第二の受板85、86の側面により断面L字形の支持部87、87を構成し、これら各支持部87、87に上記各パッド16aの周方向両端部を、ロータ2の軸方向の変位自在に支持する。制動時には、上記キャリパ5bに支持したアウタ、インナ両パッド16aのライニング17を、前記各インナ、アウタピストン73、73により、ロータ2の両側面に押し付ける事で制動を行なう。
前述の図1〜10に示した実施の形態の第1〜8例及び別例の密封栓構造は、上述の様な図11〜14に示した、キャリパ5bに設けた直線状通油孔77〜79の端部や、通油孔82cの端部を塞ぐ部分にも適用できる。
尚、上述した各例では、対向ピストン型ディスクブレーキのキャリパに就いて本発明を適用した場合に就いて説明したが、本発明はこれに限らず、油圧を利用する部品(油圧部品)の油孔を塞ぐ密封栓構造の総てに適用可能である。
本発明の実施例1を示す、図17のA部拡大断面相当図。 実施例1を構成する部分球体の製造工程を示す略図。 本発明の実施例2を示す、図1と同様の図。 同実施例3を示す、図1と同様の図。 同実施例4を示す、図1と同様の図。 本発明の密封栓構造の別例を示す、図1と同様の図。 本発明の実施例5を示す、図1と同様の図。 同実施例6を示す、図1と同様の図。 同実施例7を示す、図1と同様の図。 同実施例8を示す、図1と同様の図。 本発明の密封栓構造を適用する、キャリパの別例を一部を省略して示す斜視図。 同ロータの径方向外側から見た図。 同ロータの径方向内側から見た図。 インナピストン及びインナパッドを組み付けた状態で示す、図12のB−B断面図。 対向ピストン型ディスクブレーキの従来構造の第1例を示す斜視図。 同第2例を、一部を省略して示す断面図。 一部を省略して示す、図16のC−C断面図。 気体取り入れ口を密封栓構造により塞いだ高圧アキュムレータの従来構造の1例を示す断面図。 図18のD部拡大断面相当図。 別例の密封栓構造を示す、図19と同様の図。
符号の説明
1 ディスクブレーキ
2 ロータ
3、3a、3b アウタボディ部
4、4a、4b インナボディ部
5、5a、5b キャリパ
7 アウタシリンダ
8 インナシリンダ
12 給排口
15 アウタパッド
16、16a インナパッド
17 ライニング
18a、18b 連結部
19 中間リブ
20a、20b、20c 直線状通油孔
21 通油路
22 第二の直線状通油孔
23 第三の直線状通油孔
24 ブリーダスクリュ
25 高圧アキュムレータ
26 気体取り入れ口
27 密封栓
28 ケース
29 プレート
30 容器
31 ダイヤフラム
32 第一の凹部
33 高圧室
34 第二の凹部
35 小径部
36 大径部
37 テーパ面
38 雌ねじ部
39 鋼球
40 ねじ体
41 押圧部
42 係止孔
43 小径部
44 大径部
45 テーパ面
46 雌ねじ部
47 ねじ体
48 部分球体
49、49a 押圧部
50 係止孔
51 鋼球
52 丸棒状素材
53 ボールヘッダ
54 金型
55 球体状素材
56 円板
57 鋼球研磨機
58 バリ
59、59a、59b 受圧部
60 半球面部
61 雄ねじ部
62 第二の部分球体
63、63a 部分球面部
64 第三の部分球体
65、65a、65b 軸体
66、66a 突部
67 本体部
68 押圧部
69 柱部
70 通孔
71a、71b 連結部
72 取付孔
73 インナピストン
74 開口部
75 補強リブ
76 通油路
77 第一の直線状通油孔
78 第二の直線状通油孔
79 第三の直線状通油孔
80 アウタ側通油路
81 インナ側通油路
82a〜82c 通油孔
83 ブリーダスクリュ
84 給排口
85 第一の受け板
86 第二の受け板
87 支持部
88 筒状突部

Claims (5)

  1. 油孔に設けられた大径部及び小径部と、この大径部の内側に設けられた栓とを備え、この栓の一端面を、上記大径部と小径部との連続部に設けられたシール面に押し付ける事により、上記油孔の一部を液密に塞いでいる油孔の密封栓構造であって、上記大径部の内側に押圧部材を固定すると共に、この押圧部材の一端面に設けられた押圧部を、上記栓の他端面に設けられた平面状の受圧部に押し付けている油孔の密封栓構造。
  2. 上記栓の外面を、球面の一部から成る部分球面部と、平面状の受圧部とにより構成している、請求項1に記載した油孔の密封栓構造。
  3. 上記押圧部材がねじ体であり、このねじ体の雄ねじ部を上記大径部に設けた雌ねじ部に螺合し緊締する事により、このねじ体に設けた押圧部を上記栓に設けた平面状の受圧部に押し付けている、請求項1又は請求項2に記載した油孔の密封栓構造。
  4. 油孔に設けられた大径部及び小径部と、この大径部の内側に設けられた栓とを備え、この栓の一端面を上記大径部と小径部との連続部に設けられたシール面に押し付ける事により、上記油孔の一部を液密に塞いでいる油孔の密封栓構造であって、上記栓の外周面に一体に設けられた雄ねじ部を上記大径部に設けられた雌ねじ部に螺合し緊締する事により、この大径部の内側に上記栓を固定している油孔の密封栓構造。
  5. 上記栓のうちの上記シール面と対向する部分に曲面部を設けており、この曲面部を、曲線が上記栓の中心軸を中心として回転した場合に得られる形状により構成している、請求項1〜4のうち、何れか1項に記載した油孔の密封栓構造。
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